JP2004131726A - 生分解性艶消しフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】L−乳酸及び/又はD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(A)と化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)の混合物を主体としてなるポリ乳酸系樹脂からなるフィルム又はシートおいて、ASTM−D2457−70に準拠した光沢度(Gloss:45度)が60%以下、且つ、ASTM−D1003−95に準拠した曇り度(Haze)が90%以下であることを特徴とするポリ乳酸系フィルム又はシート。
【選択図】選択図なし。
Description
艶消し性フィルム又はシートに関しては、例えば、特許第3172559号公報には無機フィラーを1重量%以上含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる光沢度60%以下の壁紙用艶消しフィルム、特開2002−200724号公報には特定粒径の無機又は有機粒子などの不活性粒子を1重量%以上含有する光沢度35%以下で曇り度80%以下の包装用艶消し二軸延伸ポリエステルフィルム、特許第3175306号公報にはアニーリングされた光沢度30%以下で曇り度18%以下の艶消しポリプロピレンフィルムが開示されている。
ポリ乳酸重合体は、光学活性中心を有する乳酸の重縮合体であって、ポリマーを構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸単量体単位の構成比率から下記式により計算される光学純度(OP:単位%)を有する。
OP=|[L]−[D]| ,但し、[L]+[D]=100
(ここで、[L]はポリ乳酸重合体を構成するL−乳酸の重量%、[D]はポリ乳酸重合体を構成するD−乳酸の重量%、||は計算値の絶対値を表す。)
ポリ乳酸重合体(A)と不活性粒子の混合物を主体としてなるポリ乳酸系樹脂からなるポリ乳酸系延伸フィルム及びシートに関しては、例えば、特開2001−49003号公報には平均粒径0.6μmの炭酸カルシウム20重量%又はポリスチレン樹脂15重量%と酸化チタン5重量%(いずれも不活性粒子として20重量%)含有するポリ乳酸フィルムが開示されているが、艶消し性に関する開示が無い上に透明性に劣る問題があり、更には不活性粒子が1重量%以上含有されていることから、生分解時や廃棄燃焼時に不活性粒子による残渣となる量が多くなる為、廃棄に関わる問題が未だある。
以上要するに、ポリ乳酸重合体単独又はポリ乳酸重合体とポリ乳酸重合体以外の生分解性樹脂の混合物を主体としたポリ乳酸系樹脂からなるフィルム又はシートに関して、生分解時や廃棄燃焼時に残渣の殆ど出ない廃棄に関わる問題を解決した、艶消し性及び透明性に優れたポリ乳酸系フィルム又はシートは未だに得られていない。
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.L−乳酸及び/又はD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(A)と化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)の混合物を主体としてなるポリ乳酸系樹脂からなるフィルム又はシートおいて、ASTM−D2457−70に準拠した光沢度(Gloss:45度)が60%以下、且つ、ASTM−D1003−95に準拠した曇り度(Haze)が90%以下であることを特徴とするポリ乳酸系フィルム又はシート。
(1) 0.5μm≦Rz≦30μm
3.混合物の重量割合(A):(B)が90:10〜75:25であることを特徴とする1.又は2.に記載のポリ乳酸系フィルム又はシート。
4.化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)が、澱粉エステル、澱粉エーテル、ポリエステルグラフト重合澱粉の群より選ばれる少なくとも1種の澱粉誘導体(b)、又は、該澱粉誘導体(b)を主体としてポリ乳酸重合体以外のガラス転位温度Tgが10℃以下の生分解性ポリエステル(C)を含む樹脂混合物であり、該混合物の重量割合(b):(C)が50:50〜100:0であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載のポリ乳酸系フィルム又はシート。
(1) 80%≦OP(A1)≦100%, 0%≦OP(A2)<80%
(2) 20%≦[A2]/([A1]+[A2])≦100%
[但し、[A1]+[A2]=100%であり、OP(A1)及び[A1]は結晶性ポリ乳酸(A1)の光学純度(単位%)及び重量比率(単位%)、OP(A2)及び[A2]は非晶性ポリ乳酸(A2)の光学純度(単位%)及び重量比率(単位%)を表す。]
7.前記1.〜6.のいずれかに記載のフィルム又はシートよりなる包装用資材又は農業用資材。
8.前記1.〜6.のいずれかに記載のフィルム又はシートよりなる壁紙表面コート用フィルム又はスクリーン。
本発明のポリ乳酸系フィルム又はシートとは、最終的に微生物によって分解されるポリ乳酸系樹脂からなるフィルム又はシートをいう。
本発明のポリ乳酸系樹脂は、ポリ乳酸重合体(A)と化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)との混合物を主体とする。
本発明で用いられるポリ乳酸系樹脂を構成するポリ乳酸重合体(A)とは、L−乳酸単位又はD−乳酸単位の単独重合体、L−乳酸単位及びD−乳酸単位の共重合体、L−乳酸及び/又はD−乳酸、DL−乳酸単位を主成分(75〜100重量%)とする他の単量体(ヒドロキシカルボン酸、ラクトン類、ジカルボン酸、多価アルコールから選ばれる1種以上の単量体)との共重合体から選ばれた1種以上の樹脂組成物である。
該澱粉誘導体(b)は、アミロース(線状重合体)とアミロペクチン(分岐状重合体)の混合物である多様な種類の澱粉[分子式(C6H10O5)n]、例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカ澱粉、米澱粉、小麦澱粉、カッサバ澱粉等から誘導される。破壊化澱粉は、多様な可塑剤又は水の存在下で80〜210℃程度の高温下の熱処理と剪断条件のもとで成分が吸熱転移を受けて澱粉顆粒の分子の乱れを起こすことによって得られる。また、澱粉エステル、澱粉エーテル、またはポリエステルグラフト重合澱粉は、破壊化澱粉、多様な酸無水物、有機酸、酸塩化物、ケテン、又は他のエステル化・エーテル化試薬を用いて調整されたものであり、該澱粉エステルとしては、高置換度エステル化澱粉、エステル化ビニルエステルグラフト重合澱粉、エステル化ポリエステルグラフト重合澱粉が挙げられ、該澱粉エーテルとしては、高置換度エーテル化澱粉、エーテル化ビニルエステルグラフト重合澱粉、エーテル化ポリエステルグラフト重合澱粉が挙げられ、熱可塑性のものである。
又、ポリ乳酸重合体以外のガラス転位温度Tgの低い(10℃以下の)生分解性ポリエステル(C)とは、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを主成分(50〜100重量%)として重縮合した脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル、菌体内で生合成される脂肪族ポリエステルから少なくとも1種選ばれた、示差走査熱量測定(JIS−K7121)でのガラス転移温度Tgが0℃以下、より好ましくは、−20℃以下の樹脂組成物である。Tgが10℃を超えると耐衝撃性向上の効果を発現しない場合が多い。
本発明のポリ乳酸系樹脂の主体を成すポリ乳酸重合体(A)と化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)の混合物の重量割合(合計100%)は、90:10〜75:25の範囲内が好ましい。該混合物中のポリ乳酸重合体(A)の割合が90重量%を超える(これは、該混合物中における化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)の主体成分である澱粉誘導体(b)の割合が5重量%未満に相当する。)と艶消し性の改善が十分でない場合があり、該混合物中のポリ乳酸重合体(A)の割合が75重量%未満では透明性や延伸性が十分でない場合がある。
ここで、良好な艶消し性と透明性とは、例えば、フィルム又はシート包装体の内容物に光を当ててみた場合に照かりが抑えられ且つ内容物の存在の有無を確認出来る実用レベルに相当する、光沢計(ASTM−D2457−70)での光沢度(Gloss:45度)が60%以下、且つ、濁度計(ASTM−D1003−95)での曇り度(Haze)が90%以下のものをいう。より好ましくは、殆ど照からずに内容物の外観の色調及び輪郭が認識できるレベルの光沢度30%以下で曇り度60%以下である。
尚、本発明のポリ乳酸系樹脂としては、上記したバージン原料以外に該樹脂製膜時に発生するトリム屑等のリサイクル原料を単独で、又は該バージン原料に混入して使用することができる。
ポリ乳酸重合体(A)及びガラス転位温度Tgが10℃以下の化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)等の混合方法や混合装置は、特に限定されないが、例えば、同一の単軸又は二軸押出混練機にそれぞれの原料を供給して溶融混合して行われ、そのまま口金(ダイリップ)より押出して直接にフィルム又はシートに加工する方法、或いはストランド形状に押出してペレットを作製した後に再度押出してフィルム又はシートに加工する方法が挙げられる。溶融押出温度としては、ポリ乳酸系樹脂の融点及び混合比率を考慮して適宜選択されるが、100〜250℃の温度範囲が好ましい。
を得る様な冷間延伸法、によって得られる。
フィルム又はシートの延伸倍率としては、延伸方法に関わらず、押出し口金(ダイリップ)間隔に対して、最終の延伸フィルム又はシートの厚みが1/200倍〜1/40倍の範囲になる様に、即ち、押出し口金(ダイリップ)出口直後のフィルム又はシートの面積に対して、最終の延伸フィルム又はシートの面積が40倍〜200倍になる様に、少なくとも1軸方向に延伸することが好ましい。(以下、押出し口金(ダイリップ)出口直後のフィルム又はシートの面積/最終の延伸フィルム又はシートの面積の比を、「ダイ出口からの面積倍率」という。)
延伸倍率は大きい方が得られるフィルム又はシートの強度及び厚み精度の観点から好ましいが、パリソンの大きさに対する延伸倍率がMD方向もTD方向も両方6倍を越える冷間延伸は、延伸安定性が極端に低下して、安定した製膜が行えなくなることがある。
延伸後のフィルム又はシートの厚みは、好ましくは5〜500μm、より好ましくは7〜250μm、更に好ましくは10〜100μmである。
実施例および比較例で用いた評価方法について以下に説明する。
まず、ポリ乳酸系フィルム又はシートの構成組成の評価方法は以下の通りである。
(1)ポリ乳酸重合体(A)の光学純度OP
ポリ乳酸系樹脂を構成する主体の樹脂であるポリ乳酸重合体(A)の光学純度(OP:単位%)は、前述の通り、ポリ乳酸重合体(A)を構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸単量体単位の構成比率から下記式により計算される。
OP=|[L]−[D]| ,但し、[L]+[D]=100
カラム:東ソー製「TSKgel−Enantio−L1」(商品名)[4.6mm径×25cm長]
移動相:1mM−CuSO4 水溶液
試料溶液濃度:25pg/μL [ポリ乳酸重合体としての濃度]
試料溶液注入量:10μL
溶媒流速:0.5〜0.8ml/分
カラム温度:40℃
東ソー製のゲルパーミエイションクロマトグラフィー装置(GPC:データ処理部GPC−8020、検出器RI−8020)を用いて、以下の測定条件で、標準ポリスチレンを用いてポリスチレン換算で分子量500以下のものを除く高分子物の分散の重量平均値として重量平均分子量Mwを求め、1試料当り3点の算術平均(有効数字2桁)をもって測定値とした。
カラム:昭和電工製「Shodex K−805」(商品名)と「Shodex K−805」(商品名)の連結カラム[7.8mm径×60cm長]
溶離液:クロロホルム
試料溶液濃度:0.2wt/vol%
試料溶液注入量:200μL
溶媒流速:1ml/分
カラム・検出器温度:40℃
JIS−K7121に準拠して、樹脂の融点Tm、ガラス転移温度Tgを測定した。すなわち、標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)した試料から試験片として長手方向(MD)及び幅方向(TD)に各々2点(2箇所)ずつ約10mgを切り出した後、パーキンエルマー(Perkin−Elmer)社製の示差走査熱量計(熱流速型DSC)、DSC−7型を用いて、窒素ガス流量25ml/分、10℃/分で室温(23℃)から200℃まで昇温し(1次昇温)、200℃で10分間保持して完全に融解させた後、30℃/分で−100℃まで降温させて−100℃で2分間保持し、更に上記昇温条件で2回目の昇温(2次昇温)する間に描かれるDSC曲線のうち、1次昇温時の融解(吸熱)ピーク頂点から融点Tm(℃)、2次昇温時の階段状変化部分曲線と各ベースライン延長線から縦軸方向に等距離にある直線との交点(中間点ガラス転移温度)をTg(単位℃)として測定し、1試料当り4点の算術平均(小数点以下四捨五入)をもって測定値とした。
<艶消し性及び透明性>
標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)したポリ乳酸系フィルム又はシートから試験片として15μm厚み×50mm角の正方形状フィルムに切り出した後、光沢度(Gloss:単位%)は、ASTM−D2457−70に準拠して、日本電色工業製の光沢計VGS−300Aを用い、曇り度(Haze:単位%)は、ASTM−D1003−95に準拠して、日本電色工業製の濁度計(ヘーズメーター)NDH−1001DP型を用いて標準状態下で測定し、1種フィルム又はシート当り6点の算術平均値(有効数字2桁)もって測定値とした。艶消し性及び透明性は、フィルム又はシートを用いて包装体とした時における被包装物の照かり性と視認性の観点から以下のように評価した。
評価記号 光沢度 尺度
○ 30%未満 内容物の照かりが殆ど無い。
△ 30%以上60%以下 内容物の照かりが抑えられた艶消し性の実用
レベル。
× 60%を超える 艶消し性に劣り、内容物が照かって見える。
透明性の評価尺度:
評価記号 曇り度 尺度
○ 60%未満 内容物の外観の色調及び輪郭が認識できる。
△ 60%以上90%以下 内容物の外観の輪郭が認識できる実用レベル。
× 90%を超える 透明性に劣り、内容物の形が認識できない。
標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)したポリ乳酸系フィルム又はシートから試験片として縦横50mm程度の間隔毎に約15μm厚み×20mm角の正方形状フィルムに切り出した測定片10個について、JIS−B0601に準じて、表面形状観察装置(明伸工機製SAS2100:測定長/測定ピッチはX軸3mm/0.5μm、Y軸2mm/10μmで1点当り200本測定した算術平均値を使用)を用いて、光学式トレーサ(非接触式)及び触針(接触式)にて、凹凸の十点の平均粗さRzを標準状態下で測定し、1種フィルム又はシート当り10点の算術平均値(有効数字2桁)もって測定値とした。
上記の艶消し性及び透明性に関しての総合結果指標を以下に示す。
評価尺度:
評価記号 尺度
○ ×、△が無くて○がある場合で、課題は高水準に達成される。
△ ×が無くて△がある場合で、課題は達成されており、実用レベル。
× ×がある場合で、課題は達成されていない。
以下の実施例および比較例においては、ポリ乳酸系フィルム又はシートの一つの形態である溶融延伸法や冷間延伸法によるフィルムについて評価を行った。そして、ポリ乳酸系樹脂は、公知の縮重合法(溶液法)や開環重合法(ラクチド法)により得られた表1に示すポリ乳酸重合体を用いた。尚、市販されているポリ乳酸重合体も同様な方法で得られることは言うまでも無く、表1に示す脂肪族ポリエステルと同様に商業的に容易に入手可能である。但し、本発明におけるポリ乳酸系フィルム及びシートの樹脂組成及び形態がこれに限定されるものではない。
表2に示す実施例1、比較例1及び参考例1は、表1のポリ乳酸重合体(A)と化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)からなる表2の樹脂組成(重量部表示、但し(A)+(B)=100部)のポリ乳酸系樹脂による冷間延伸法のポリ乳酸系フィルムについて評価したものである。
フィルムへの延伸加工は、表2の樹脂組成となる様に表1の樹脂原料を各々乾燥した後に同方向2軸押出機を用いて溶融混練し、最終的にダイ出口からの面積倍率(ダイリップ間隔/延伸フィルム厚みの寸法比)が120倍になる様に、ダイリップ間隔1.8mmのTダイを用いて樹脂温度200℃の樹脂を板状に押出し、35℃のキャステイングロールにて急冷して得た180μ厚みの実質的に非晶質シートを、75℃に加熱して長手(MD)方向に3倍ロール延伸、次いでテンターで延伸温度80℃にて幅(TD)方向に4倍延伸して、その後延伸した状態でフィルムを室温付近まで冷却することで、15μm厚みのフィルムを得た。
表2に示す実施例2、比較例2及び参考例2は、表1のポリ乳酸重合体(A)と化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)からなる表2の樹脂組成(重量部表示、但し(A)+(B)=100部)のポリ乳酸系樹脂による溶融延伸法のポリ乳酸系フィルムについて評価したものである。
フィルムへの延伸加工は、表2の樹脂組成となる様に表1の樹脂原料を各々乾燥した後に同方向2軸押出機を用いて溶融混練し、最終的にダイ出口からの面積倍率(ダイリップ間隔/延伸フィルム厚みの寸法比)が40倍になる様に、表2中のダイリップ間隔0.6mmの円形ダイより樹脂温度200℃の樹脂を環状に押出し、空冷リングで冷却しながら溶融状態からブローアップ比(幅方向)が4倍、長手(MD)方向に10倍で延伸して、その後延伸した状態でフィルムを室温付近まで冷却することで、15μm厚みのフィルムを得た。
Claims (8)
- L−乳酸及び/又はD−乳酸が主成分のポリ乳酸重合体(A)と化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)の混合物を主体としてなるポリ乳酸系樹脂からなるフィルム又はシートおいて、ASTM−D2457−70に準拠した光沢度(Gloss:45度)が60%以下、且つ、ASTM−D1003−95に準拠した曇り度(Haze)が90%以下であることを特徴とするポリ乳酸系フィルム又はシート。
- JIS−B0601に準拠して触針で測定した該フィルム又はシート表面の平均粗さRzが下記条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸系フィルム又はシート。
(1) 0.5μm≦Rz≦30μm - 混合物の重量割合(A):(B)が90:10〜75:25であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリ乳酸系フィルム又はシート。
- 化学変性澱粉系生分解性樹脂(B)が、澱粉エステル、澱粉エーテル、ポリエステルグラフト重合澱粉の群より選ばれる少なくとも1種の澱粉誘導体(b)、又は、該澱粉誘導体(b)を主体としてポリ乳酸重合体以外のガラス転位温度Tgが10℃以下の生分解性ポリエステル(C)を含む樹脂混合物であり、該混合物の重量割合(b):(C)が50:50〜100:0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系フィルム又はシート。
- ポリ乳酸重合体(A)が、光学純度OP(A1)の結晶性ポリ乳酸(A1)と光学純度OP(A2)の非晶性ポリ乳酸(A2)を混合した下記式(1)及び(2)を満足する組成物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリ乳酸系フィルム又はシート。
(1) 80%≦OP(A1)≦100%, 0%≦OP(A2)<80%
(2) 20%≦[A2]/([A1]+[A2])≦100%
[但し、[A1]+[A2]=100%であり、OP(A1)及び[A1]は結晶性ポリ乳酸(A1)の光学純度(単位%)及び重量比率(単位%)、OP(A2)及び[A2]は非晶性ポリ乳酸(A2)の光学純度(単位%)及び重量比率(単位%)を表す。] - 請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム又はシートよりなる層を少なくとも1層含むことを特徴とするポリ乳酸系フィルム又はシート。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム又はシートよりなる包装用資材又は農業用資材。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム又はシートよりなる壁紙表面コート用フィルム又はスクリーン。
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