JP2017186510A - ポリエステルフィルム - Google Patents

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【課題】透明性、光透過性に優れたポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】ポリエステルフィルムであって、前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面(A面)の突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)が0.1以上3.0以下であり、かつ前記ポリエステルフィルムの両面の突起高さが60nm以上の突起密度(M60)が300個/mm2以下であるポリエステルフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、透明性、光線透過性に優れたポリエステルフィルムに関する。
ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(以下PETと略すことがある)や、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下PENを略すことがある)などは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。そのポリエステルをフィルム化したポリエステルフィルム、中でも二軸配向ポリエステルフィルムは、その優れた機械的特性、電気的特性などから、太陽電池バックシート、給湯器モーター用電気絶縁材料や、ハイブリッド車などに使用されるカーエアコン用モーターや駆動モーター用などの電気絶縁材料、他素材と積層して工程中に用いる基材用や離型用フィルムなどの工程用紙の用途や、磁気記録材料、コンデンサ用材料、包装材料、建築材料などの各種工業材料、また優れた透明性を活かし、フレキシブルディスプレイや有機ELなどの透明電極基板といった光学材料として使用されている。
近年、プリント配線基板、半導体パッケージ、フレキシブル基板などの製造に、ポリエステルフィルムを基材として用いるドライフィルムレジスト(DFR)が多く用いられる。一般的に、DFRは、感光層(フォトレジスト層)が、ポリエステルフィルムからなる基材フィルムとLDPEフィルムなどからなる保護フィルム(カバーフィルム)との間に挟まれたサンドイッチ構造をしている。このDFRを用いて導体回路を作製するには、一般的に次のような操作が行われる。
すなわち、DFRから保護フィルムを剥離し、露出したレジスト層の表面と、基板上の例えば銅箔などの導電性基材層の表面とが密着するように、基板・導電性基材層とラミネートする。次に、導体回路パターンを焼き付けたレチクルを、ポリエステルフィルムからなる基材上に置き、その上から、感光性樹脂を主体としたレジスト層に光線を照射して、露光させる。その後、レクチルおよびポリエステルフィルムを剥離した後、溶剤によってレジスト層中の未反応分を溶解、除去する。次いで、酸などでエッチングを行い、導電性基材層中の露出した部分を溶解、除去する。この結果、レジスト層中の光反応部分とこの光反応部分に対応する導電性基材層部分がそのまま残ることになる。その後、残ったレジスト層を除去すれば、基板上の導体回路が形成されることになる。
このような方法により導体回路が形成されるので、支持体としてポリエステルフィルムには、光線を邪魔なく透過できる高い光線透過性が要求される。
とくに、近年、OA機器、IT機器など小型化、軽量化などに伴い、透過性に優れ、ヘイズが低く、高解像化を達成できるドライフィルムレジスト支持体用ポリエステルフィルが要求されている。
特許文献1では、DFR支持体であるフィルムの工程中でのゆがみを抑制するため、機械特性を制御したフィルムが開示されている。特許文献2では、粒子を使用しないフィルムについて開示されている。
特開2008−239743号公報 特開2016−16543号公報
しかしながら、導体回路をより微細化するため、高解像化を達成するためには高透明性に加え、支持体であるフィルム表面での光散乱を抑制する必要がある。特許文献1、2とも、かかる課題を解決するには至っていない。
本発明の課題は、かかる従来技術の背景に鑑み、透明性、光透過性に優れたポリエステルフィルムを提供することにある。また、フィルム表面が平滑でありながら、工程紙として優れたハンドリング性を兼ね備えるポリエステルフィルムを提供することにある。特に、フィルムの表面の平滑性が要求されるドライフィルムレジスト(DFR)基材用フィルム、例えば積層セラミックスコンデンサー(MLCC;Multi Layered Ceramics Condenser)を製造する際の離型フィルムや、偏光板の欠点検出の際に用いられる離型用フィルムとして、好適に用いられる。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち、
[I]ポリエステルフィルムであって、前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面(A面)の突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)が0.1以上3.0以下であり、かつ前記ポリエステルフィルムの両面の突起高さが60nm以上の突起密度(M60)が300個/mm以下であるポリエステルフィルム。
[突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)の求め方]
M60;突起高さが60nm以上の突起密度(個/mm
M10;突起高さが10nm以上の突起密度(個/mm
(M60/M10)=M60/M10×100
[II]以下の要件を満たす[I]に記載のポリエステルフィルム。
(1)前記ポリエステルフィルムの一方の面(A面)の突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)が0.1以上3.0以下であること。
(2)前記ポリエステルフィルムのA面とは反対側の面(B面)の突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)が0以上0.5以下であること。
(3)A面とB面の静摩擦係数が0.35以下であること。
[III]前記ポリエステルフィルムの両面とも、突起高さが10nm以上の突起密度(M10)が1000個/mm以上8000個/mm未満である[I]または[II]に記載のポリエステルフィルム。
[IV]ポリエステルフィルムに含有する粒子の量が、ポリエステルフィルムに対して0.1重量%以下である、[I]から[III]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[V]フィルムヘイズが1.0%以下である[I]から[IV]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VI]ポリエステルフィルムのCOOH末端基量が15等量/t以上40等量/t以下である、[I]から[V]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VII]前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面の表面比抵抗が1.0×1013Ω/cm以下である[I]から[VI]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VIII]前記ポリエステルフィルムのフィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が、両面とも4nm以下である[I]から[VII]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[IX]フィルムの厚みが15μm以上250μm以下である[I]から[VIII]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[X]A面を形成する層が粒子を含有しており、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い横軸を粒径、縦軸を粒子の存在比率としてプロットしたときに得られる粒子の存在比率のチャートの極大のうち最も粒径の大きいピークトップの粒径をd(μm)とし、A面を形成する層の厚みをt(μm)としたとき、t/dが1以上10以下である[II]から[IX]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[XI]ドライフィルムレジスト(DFR)基材用フィルムとして用いられる[I]から[X]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[XII]積層セラミックスコンデンサー(MLCC)製造工程の離型用フィルムとして用いられる[I]から[X]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[XIII]偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして用いられる[I]から[X]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
本発明によれば、高い透明性、光透過性を実現しレジスト性が良好で、かつ表面平滑性、ハンドリング性に優れたフィルムを提供することができる。
以下に具体例を挙げつつ、本発明について詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルは、ジカルボン酸構成成分とジオール構成成分を有してなるものである。なお、本明細書内において、構成成分とはポリエステルを加水分解することで得ることが可能な最小単位のことを示す。かかるポリエステルを構成するジカルボン酸構成成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体が挙げられる。
また、かかるポリエステルを構成するジオール構成成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどの脂環式ジオール類、上述のジオールが複数個連なったものなどが挙げられる。中でも、機械特性、透明性の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、およびPETのジカルボン酸成分の一部にイソフタル酸やナフタレンジカルボン酸を共重合したもの、PETのジオール成分の一部にシクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、ジエチレングリコールを共重合したポリエステルが好適に用いられる。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面(A面)の突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)が0.1以上3.0以下であり、かつ前記ポリエステルフィルムの両面の突起高さが60nm以上の突起密度(M60)が300個/mm以下である必要がある。ここでいう、突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)の求め方は、以下の通りである。
M60;突起高さが60nm以上の突起密度(個/mm
M10;突起高さが10nm以上の突起密度(個/mm
(M60/M10)=M60/M10×100
一般的に、ポリエステルフィルムの表面には、微細な凹凸が存在する。この凹凸は様々な手段で付与することができ、フィルム表面の凹凸によってフィルムの搬送性、フィルム表面での光散乱性を制御することが可能となる。
本発明でいうM60とは、突起高さが60nm以上の突起密度(個/mm)であり、大きな突起の個数密度を表す。このM60がフィルムの両面において300個/mmを超える場合には、フィルム表面での光散乱が大きくなり、DFRの基材として使用した場合に決まった形状を露光することができずレジスト性に劣り、配線の欠けの原因となる。M60は、より好ましくは200個/mm以下である。一方、M10は、突起高さが10nm以上の突起密度(個/mm)で、微細な突起の個数密度を表し、M60/M10は、フィルム表面の微細突起に対する大きな突起の割合を表すものである。M60/M10が0.1を下回るのは、M10が多い、またはM60が少ない場合であり、M60/M10が3を上回るのは、M10が少ない、またはM60が多い場合である。DFRを用いて配線パターンを形成する場合、DFRの基材フィルムは、搬送ロールやフィルム反対面など様々な面と接する。本発明のフィルムのM60/M10が0.1を下回る場合、面での接触面積が大きくなるため摩擦によりフィルムが帯電して埃を巻き込み、配線形成に影響を与えたり、フィルム同士がくっついて位置ずれをおこし、配線の位置ずれが発生する。一方、M60/M10が3を超える場合には、フィルム表面の大きな突起によってフィルムが引っかかり、フィルムの位置がずれ、正確な配線を形成することが困難となる。M60/M10を上述の範囲とすることで、表面での光散乱が抑制されてレジスト性が良好で、かつハンドリング性に優れたフィルムとすることができる。M60/M10は、好ましくは0.5以上2.5以下であり、より好ましくは1.0以上2.3以下である。また、M10の値は、好ましくは1000個/mm以上8000個/mm未満である。M10が1000個/mm以下である場合、フィルム面同士がくっついてフィルム面同士の摩擦係数が高くなり位置ずれを起こしやすくなる。M10が8000個/mm以上である場合、光が表面で散乱され、フィルムの光透過性が劣る場合がある。
フィルム表面の凹凸を制御し、上述の範囲とするためには、(イ)ポリエステルフィルム中に粒子を含有させる方法、(ロ)ポリエステルフィルムの結晶化度を制御する方法、(ハ)ポリエステルフィルム延伸時の延伸ロールやニップロールによってフィルムに加わる圧力を制御する方法、およびこれらの方法を組み合わせることが好適に用いられる。(イ)の手法を用いる場合、ポリエステルフィルムに含有せしめる粒子の粒径、粒子の含有量、粒子を含有させて面を形成する層の厚みが重要となる。特に、M60を300個/mm以下、M60/M10を0.1以上3以下とするためには、添加・含有させる粒子の粒径は300nm以下であることが重要である。ここでいう粒子の粒径とは、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い、横軸を粒径、縦軸を粒子の存在比率としてプロットしたときに得られる粒子の存在比率のチャートの極大値となる粒径のことをいう。
本発明の粒子は、無機粒子、有機粒子、いずれも用いることができる。有機粒子であれば、有機化合物であるポリエステルと親和性が高く、添加した場合に粒子周囲に空隙ができにくいため好ましく、無機粒子であればポリエステルよりも硬度が高く、フィルム搬送中に金属ロールなどでフィルム表面にキズが入るのを防げるため好ましい。また、光透過性を考えた場合、屈折率は、1.20以上1.70以下が好ましく、特に好ましくは、1.45以上1.59以下である。一般的に、二軸延伸したポリエステルフィルムの厚み方向の屈折率は1.35から1.55である。そのため、粒子の屈折率が該範囲である場合、フィルムに入射する光が屈折されにくい。粒子の屈折率が低く、1.20を下回る場合は、ポリエステルの屈折率が高いため、ポリエステルと粒子の界面で光を全反射する場合があり、光透過性が低下する。具体的な種類としては、例えば、アクリル酸類、スチレン系樹脂などが例示できるが、本発明の突起径と突起密度を制御するには、単一分散する球形の粒子であることが特に好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムには、異なる粒径の粒子を含有させることが好ましく、該構成とすることで、大きな突起であるM60と、微細な突起であるM10を同時に制御することが可能となるため、非常に好ましい。
本発明のポリエステルフィルムを(イ)の方法を用いて得る場合、ポリエステルフィルムに含有する粒子の量は、ポリエステルフィルムに対して0.1重量%以下であることが好ましい。粒子の量が0.1重量%を超える場合、ポリエステルフィルムを透過する光がフィルム中の粒子によって散乱されるため透過性が下がる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムに含有される粒子量を0.1重量%以下とするため、本発明のポリエステルフィルムを積層フィルムとすることも好ましい実施形態である。即ち、A面を形成する層をポリエステルフィルムのどちらか一方の面に積層した2層構成、もしくはA面を形成する層がポリエステルフィルム両側の面に配された3層構成、もしくはA面を形成する層をポリエステルフィルムの片側の面に配し、さらにもう片側の面に異なる面(B面)を積層する構成が好ましく用いられる。
本発明のポリエステルフィルムを積層構成とする場合、A面を形成する層を構成する層の厚みt(μm)とし、A面を形成する層に含有される粒子の、後述の方法によって求められる最も大きい粒径をd(μm)としたとき、t/dが1以上10以下であることが好ましい。t/dが1未満の場合、粒子がフィルムから脱落し、面を形成することができない場合がある。t/dが10を超える場合、粒子がフィルムに埋没し、微細な突起M10が減少する結果、M60/M10が大きくなりすぎる傾向がある。
本発明のポリエステルフィルムのA面の反対面にB面を設ける場合、B面のM60/M10は0以上0.5以下であることが好ましい。A面よりもさらに大きな突起が少ない面を設けることで、ポリエステルフィルム表面での光散乱を抑制することができる。さらに、本発明のフィルムをDFR基材として用いる場合には、レジスト層に近い側のフィルム表面における光が散乱されるのを防ぐため、B面側にレジスト層を設けることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、後述の測定方法により求められる、A面とB面の静摩擦係数が0.35以下であることが好ましい。静摩擦係数を上記の範囲とすることで、ポリエステルフィルムの巻き出しや搬送性が良好となり、レジスト層を容易に形成することが可能となる。A面とB面の静摩擦係数を上記範囲内とする方法としては特に限られるものではないが、M60/M10を上述の範囲とすることが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムのCOOH末端基量は、15等量/t以上40等量/t以下であることが好ましい。COOH末端基量を上記の範囲とすることで、ポリエステルフィルムとレジスト層の間の密着力が良好であり、かつ、機械特性や加工性を良好とすることができるため、ドライフィルムレジスト基材用フィルムとして特に好適に用いることができる。COOH末端基量が15等量/tを下回る場合、ポリエステルフィルムとレジスト層の間の密着力が悪い場合がある。COOH末端基量が40等量/tを上回る場合、ポリエステルが劣化していることがあり、機械特性や加工性に劣る場合がある。
本発明のポリエステルフィルムの少なくとも片面の表面比抵抗は、1.0×1013Ω/cm以下であることが好ましい。少なくとも片面の表面比抵抗を1.0×1013Ω/cm以下とすることにより、ポリエステルフィルムをロールに巻き取ったり、重ねたりした際、ポリエステルフィルムが帯電してフィルム同士がくっつき、パターン形成時の位置ずれを起こすのを防止できるため好ましい。より好ましくは、表面比抵抗は1.0×1011Ω/cm以下である。表面比抵抗を好ましい範囲とする手法としては、ポリエステルに直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩などの界面活性剤を添加する手法、ポリエステルにアンモニウムとイミドからなるイオン液体を添加する方法、ポリチオフェン系導電材をポリエステルフィルムにコーティングする方法などが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムのフィルム表面の算術平均粗さ(Ra)は、両面とも4nm以下であることが好ましい。Raが4nmを超える場合、搬送性、加工性には優れるが、表面があれているためフィルムの透過性が劣る傾向にある。より好ましくは3nm以下である。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは15μm以上250μm以下であることが好ましい。フィルムの厚みが250μmを超える場合、フィルムを構成するポリエステル自体でも光が吸収されるため、露光性が悪化する場合がある。フィルム厚みが15μmを下回る場合は、フィルムのハンドリング性、搬送性が低下する場合がある。ポリエステルフィルムの厚みを上記範囲とすると、露光性、ハンドリング性、搬送性が良好となり、DFR基材用フィルムとして好適に用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、ヘイズが1.0%以下であることが好ましい。ヘイズを上記範囲とすることで、光の透過性が高く保つことができ、DFR基材用フィルムとして好適に用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム表面の微細な凹凸を制御しているため、MLCC製造過程で用いられる離型用フィルムとして好適に使用することができる。特に、離型フィルム上にセラミックスグリーンシートを製造する工程で、M60/M10が上述の範囲内であれば、フィルムの凹凸が転写することでピンホールや凹みを生じさせることがないため、好ましい。M60/M10が小さい場合、製造工程での搬送性が悪く、ピンホールの要因となる場合がある。M60/M10が大きい場合、凹みを生じさせる要因となる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム表面の微細な唐突を制御しているため、偏光板の欠点検出工程で用いられる離型用フィルムとして好適に使用することができる。偏光板の欠点検出工程では、偏光板の欠点を輝点として観察するため、離型用フィルムとして用いられるフィルムに凹凸(窪み)があると、その窪みが輝点として観察され、偏光板の欠点を観察できない場合がある。M60/M10が上述の範囲内であれば、フィルム表面に粗大な突起が少なく、窪みが少なく好ましい。M60/M10が大きい場合、粗大な突起が多く、製膜工程などでフィルム表面同士が重なると、フィルム表面に窪みが生じる要因となる場合がある。M60/M10が小さい場合、フィルム製膜工程やその他の工程でフィルム表面に傷がつき、窪みとして観察される場合がある。
次に、フィルムを製膜する方法について説明する。
本発明のフィルムを以下の方法で溶融製膜する場合、(ロ)(ハ)の手法を好適に用いることができる。すなわち、溶融状態から冷却固化し、シートを得る過程において、微細な結晶核を形成することで、延伸工程で該結晶核を起点として微細な突起を形成することが可能となる。また、延伸工程でロールを用いる延伸工程を採用する場合、ニップロールの圧力によってフィルム表面に圧力を加え、微細な突起形成をすることも可能である。
各層を構成するポリエステルを別々の押出機内で加熱溶融した後、これらを押出装置と口金の間に設けられた合流装置にて溶融状態で積層したのち口金に導き、口金からキャストドラム上に押し出して未延シートを得る。上述の(ロ)の方法によって表面凹凸を制御する場合は、キャストドラム温度を50℃以上とすることが好ましい。
次に、未延伸シートを、下記(i)式を満たす温度T1n(℃)にて、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)に面積倍率10.0倍以上16.0倍以下に二軸延伸する。
(i)Tg(℃)≦T1n(℃)≦Tg+40(℃)
Tg:ポリエステルフィルムのガラス転移温度(℃)
フィルムの長手方向の延伸方法には、ロール感の速度差を用いる方法が好適に用いられる。この際、フィルムが滑らないようにニップロールでフィルムを固定するが、上述の(ハ)の方法によって表面凹凸を制御する場合は、該ニップロールの圧力を0.5MPa以上とすることが好ましい。
次に、二軸延伸フィルムを、下記(ii)式を満足する温度(Th0(℃))で、1秒間以上30秒間以下の熱固定処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却することによって、ポリエステルフィルムを得る。
(ii)Tmf−35(℃)≦Th0(℃)≦Tmf(℃)
Tmf:フィルムの融点(℃)
(ii)を満たす条件によって二軸延伸フィルムを得ることにより、フィルムに適度な配向を付与せしめ、機械特性の良好なフィルムとすることができる。
以上の方法によって得られる本発明のフィルムは、透明性、光透過性に優れ、さらにはハンドリング性、搬送性が良好であり、DFR基板用途として好適に用いることができる。
[特性の評価方法]
A.フィルムの融点(Tmf)(℃)
試料を、JIS K 7121(1999)に基づいた方法により、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置“ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション“SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施する。
サンプルパンに試料を5mgずつ秤量し、試料を25℃から320℃まで20℃/分の昇温速度で加熱する(1stRUN)。1stRUNの示差走査熱量測定チャート(縦軸を熱エネルギー、横軸を温度とする)を得る。当該1stRunの示差走査熱量測定チャートの、吸熱ピークである結晶融解ピークにおけるピークトップの温度を求め、これを融点(℃)とする。2以上の結晶融解ピークが観測される場合は、最もピーク面積の大きいピークトップの温度を融点とする。
B.フィルムを構成する樹脂のTg(℃)
JIS K 7121(1999)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施する。
サンプルパンに試料を5mg秤量し、試料を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱し(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷する。直ちに引き続いて、再度25℃から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って測定を行い、2ndRUNの示差走査熱量測定チャート(縦軸を熱エネルギー、横軸を温度とする)を得る。当該2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、ガラス転移の階段状の変化部分において、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状の変化部分の曲線とが交わる点から求める。2以上のガラス転移の階段状の変化部分が観測される場合は、それぞれについて、ガラス転移温度を求め、それらの温度を平均した値を試料のガラス転移温度(Tg)(℃)とする。
C.フィルムの厚み(μm)
フィルム厚みは、ダイヤルゲージを用い、JIS K7130(1992年)A−2法に準じて、フィルムを10枚重ねた状態で任意の5ヶ所について厚さを測定した。その平均値を10で除してフィルム厚みとした。
H.積層フィルムの各層の厚み(μm)
フィルムが積層フィルムである場合、下記の方法にて、各層の厚みを求めた。フィルム断面を、フィルム幅方向に平行な方向にミクロトームで切り出す。該断面を走査型電子顕微鏡で5000倍の倍率で観察し、積層各層の厚み比率を求める。求めた積層比率と上記したフィルム厚みから、各層の厚みを算出する。
D.COOH末端基量(末端カルボキシル基量)
COOH末端基量については、Mauliceの方法に準じて、以下の方法にて測定した。(文献:M.J.Maulice,F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960))
測定試料(ポリエステル樹脂(原料)または積層体のP1層のみを分離したもの)2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mLに温度80℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基濃度を測定し、当量/ポリエステル1t(eq./t)の値で示した。なお、滴定時の指示薬はフェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とした。なお、測定試料を溶解させた溶液に無機粒子などの不溶物がある場合は、溶液を濾過して不溶物の重量測定を行い、不溶物の重量を測定試料重量から差し引いた値を測定試料重量とする補正を実施した。
E.製膜性
製膜中にフィルムが1時間に破れる回数を数え、5回未満であるものをA、5回以上であるものをBとして評価する。Aが最も製膜性がよく、Bが最も劣る。
F.フィルム中または各層中の粒子含有量(wt%)
フィルム、または各層から削りだした試料を1g秤量し、該試料を1N−KOHメタノール溶液200mlに投入して加熱還流し、ポリマーを溶解する。溶解が終了した該溶液に200mlの水を加え、ついで該液体を遠心分離器にかけて粒子を沈降させ、上澄み液を取り除く。粒子にはさらに水を加えて洗浄、遠心分離を2回繰り返し、得られた粒子を乾燥させ、その質量を量ることで粒子の含有量(wt%)を算出する。
G.粒子の粒径(nm)
F.の方法で得られた粒子の体積基準粒度分布測定を行い横軸を粒径、縦軸を粒子の存在比率としてプロットしたときに得られる粒子の存在比率のチャートの極大値を粒子の粒径とする。複数の極大値が観察される場合は、それぞれの極大値を粒子の粒径とする。体積基準粒度分布測定には、マイクロトラック・ベル株式会社製マイクロトラックEX150を用いる。
H.10nm以上の突起高さ密度M10、60nm以上の突起高さ密度M60(個/mm
小坂研究所製のsurf−corder ET−4000Aを用いて下記条件にて3次元表面粗さを測定し、その後、内蔵されている解析ソフトにて粒子解析(複数レベル)を実施する。測定条件は下記のとおりであり、スライスレベルを10nmの等間隔に設定し、各スライスレベルの平均直径と密度を場所を変えて5回測定し平均値をもって値とする。サンプルセットは、視野測定のX方向が二軸配向ポリエステルフィルムの幅方向になるように試料台にセットする。M10は、測定によって得られた値の10の位を四捨五入した値を示す。
M60:60nmのスライスレベルにおける突起密度(個/mm
M10:10nmのスライスレベルにおける突起密度(個/mm
装置:小坂研究所製“surf−corder ET−4000A”
解析ソフト:i−Face model TDA31
触針先端半径:0.5μm
測定視野 :X方向:380μm ピッチ:1μm
Y方向:280μm ピッチ:5μm
針圧 :50μN
測定速度 :0.1mm/s
カットオフ値:低域−0.8mm、高域-なし
レベリング :全域
フィルター :ガウシアンフィルタ(2D)
倍率 :10万倍
粒子解析(複数レベル)条件
出力内容設定:山粒子
ヒステリシス幅:5nm
スライスレベル等間隔:10nm
I.算術平均粗さRa(nm)
上記H.に記載の装置を用いて、上記に記載の測定条件で表面の3次元粗さを場所を変えて10回測定しその平均値をそれぞれ中心線表面粗さRaとする。
J.ヘイズ(%)
JIS−K 7136(2000年)に準拠し、日本電色工業株式会社製NDH−5000を用い、フィルムからランダムに5カ所選んで測定に供し、平均値を求めてヘイズとする。
K.表面比抵抗(Ω/cm
25℃、相対湿度65%において試料を24時間放置後、その雰囲気下でアドバンテスト製デジタル超高抵抗/微小電流計R8340Aを用い、印可電圧100Vで測定する。フィルムからランダムに5カ所選んで測定に供し、平均値を求めて表面比抵抗とする。
L.レジスト性評価
以下a.からc.の方法により評価を行う。
a.片面鏡面研磨した6インチSiウエハー上に、東京応化(株)製のネガレジスト“PMERN−HC600”を塗布し、大型スピナーで回転させることによって厚み7μmのレジスト層を作製する。次いで、窒素循環の通風オーブンを用いて70℃の温度条件で約20分間の前熱処理を行う。
b.ポリエステルフィルムをレジスト層と接触するように重ね、ゴム製のローラーを用いて、レジスト層上にポリエステルフィルムをラミネートし、その上に、クロム金属でパターニングされたレチクルを配置し、そのレクチル上からI線(波長365nmにピークをもつ紫外線)ステッパーを用いて露光を行う。
c.レジスト層からポリエステルフィルムを剥離した後、現像液N−A5が入った容器にレジスト層を入れ約1分間の現像を行う。その後、現像液から取り出し、水で約1
分間の洗浄を行う。現像後に作成されたレジストパターンのL/S(μm)(Line and Space)=10/10μmの30本の状態を走査型電子顕微鏡SEMを用いて約800〜3000倍率で観察し、パターンに欠けのある本数で以下のように評価する。
S;欠けのある本数が0から3本
A;欠けのある本数が4から8本
B;欠けのある本数が9から13本
C;欠けのある本数が13から15本
D;欠けのある本数が16本以上
Sがレジスト性が最も良好で、Dが最も劣る。
M.セラミックスグリーンシート製造性
以下d.からf.の方法により評価を行う。
d.ポリエステルフィルムに、架橋プライマー層(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名BY24−846)を固形分1重量%に調整した塗布液を塗布/乾燥し、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、100℃で20秒乾燥硬化する。その後1時間以内に付加反応型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名LTC750A)100重量部、白金触媒(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名SRX212)2重量部を固形分5重量%に調整した塗布液を、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコートで塗布し、120℃で30秒乾燥硬化した後に巻き取り、離型フィルムを得る。
e.チタン酸バリウム(富士チタン工業(株)製商品名HPBT−1)100重量部、ポリビニルブチラール(積水化学(株)製商品名BL−1)10重量部、フタル酸ジブチル5重量部とトルエン−エタノール(重量比30:30)60重量部に、数平均粒径2mmのガラスビーズを加え、ジェットミルにて20時間混合・分散させた後、濾過してペースト状のセラミックスラリーを調整する。得られたセラミックスラリーを、d.で得られた離型フィルムの上に乾燥後の厚みが2μmとなるように、ダイコーターにて塗布し乾燥させ、巻き取り、グリーンシートを得る。
f.上記で巻き取られたグリーンシートを、繰り出し、離型フィルムから剥がさない状態にて目視で観察し、ピンホールの有無や、シート表面および端部の塗布状態を確認する。なお観察する面積は幅300mm、長さ500mmである。離型フィルムの上に成型されたグリーンシートについて、背面から1000ルクスのバックライトユニットで照らしながら、塗布抜けによるピンホールあるいは、離型フィルム背面の表面転写による凹み状態を観察し、以下のように評価する。Aが製造性最も良好であり、Cが最も劣る。
A:ピンホールも凹みも無い。
B:ピンホールは無く、凹みが3個以内認められる
C:ピンホールが有るか、または凹みが4個以上、もしくはその両方が認められる。
N.窪み欠点数(個/m
ポリエステルフィルムを10m(例えば、1m幅で10m長)の範囲、スポットライトを光源とし、反射光及び透過光を用いて、光の散乱に基づく輝点に注目しフィルムの表面を肉眼で検査し、欠点箇所にペンでマークを付ける。さらに、偏光光源を用いて、クロスニコルによる偏向乱れ輝点を検出する方法も併用する。マークした欠点箇所について、実体顕微鏡で窪みの最大径を測定し、最大径3mm以上の窪みについて、ミロー型二光束干渉検鏡装置付実体顕微鏡(Nikon製SMZ−10)を用いて窪み深さを測定し、深さ0.5μm以上で、最大径3mm以上の窪みを窪み欠点として個数を測定する。窪みの深さは得られるλ/2ピッチで得られる干渉縞の乱れを測微接眼レンズで読みとり、(iii)式により求める。深さはフィルム表面から厚み方向への最大深さであり、窪み欠点の周りに盛り上がりを生じている場合は、盛り上がりの頂部から窪みの底部までの最大深さを求める。
(iii)深さ=λ/2×(h/g)
λ:546nm
g:接眼レンズによるλ/2の読みとり値
h:干渉縞の乱れ量
A:窪み欠点数が5個/m以下
B:窪み欠点数が6個/m以上10個m以下
C:窪み欠点数が11個/m以上
なお、上記の測定において、測定するフィルムの長手方向や幅方向が分からない場合は、フィルムにおいて最大の屈折率を有する方向を長手方向、長手方向に直行する方向を幅方向とみなす。また、フィルムにおける最大の屈折率の方向は、フィルムの全ての方向の屈折率を屈折率計で測定して求めてもよく、位相差測定装置(複屈折測定装置)などにより遅相軸方向を決定することで求めてもよい。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
[PET−Aの製造]テレフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、常法により重合を行い、溶融重合PETを得た。得られた溶融重合PETのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.62、末端カルボキシル基量は20eq./tであった。
[PET−Bの製造]PET−Aの重合に際して、PETの総重量に対してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0wt%となるように添加してPET−Bを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.62、末端カルボキシル基量は20eq./tであった。
[PET−Cの製造]PET−Aの重合に際して、PETの総重量に対してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5wt%となるように添加してPET−Cを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.62、末端カルボキシル基量は20eq./tであった。
[MB−Aの作製]PET−A80重量部と粒径0.10μmの架橋ポリスチレン粒子(スチレン・アクリレート共重合体、屈折率1.60)の10重量%水スラリーを20質量部(架橋ポリスチレン粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、架橋ポリスチレン粒子を2重量%含有するMBを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Bの作製]PET−A80重量部と粒径0.20μmの架橋ポリスチレン粒子(スチレン・アクリレート共重合体、屈折率1.60)の10重量%水スラリーを20重量部(架橋ポリスチレン粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、コロイダルシリカ粒子を2重量%含有するMBをを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Cの作製]PET−A80重量部と粒径0.30μmの架橋ポリスチレン粒子(スチレン・アクリレート共重合体、屈折率1.60)の10重量%水スラリーを20重量部(架橋ポリスチレン粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、架橋ポリスチレン粒子を2重量%含有するMBを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Dの作製]PET−A80重量部と粒径0.40μmの架橋ポリスチレン粒子(スチレン・アクリレート共重合体、屈折率1.60)の10重量%水スラリーを20重量部(架橋ポリスチレン粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、架橋ポリスチレン粒子を2重量%含有するMBをを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Eの作製]PET−A98重量と粒径0.10μmのアルミナ粒子(屈折率1.76)の10重量%水スラリーを20重量部(アルミナ粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持しながらアルミナ粒子を2重量%含有するMBを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Fの作製]PET−A80重量部と粒径0.12μmのコロイダルシリカ粒子(屈折率1.44)の10重量%水スラリーを20重量部(コロイダルシリカ粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、コロイダルシリカ粒子を2重量%含有するMBをを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Gの作製]PET−A80重量部と粒径0.20μmのコロイダルシリカ粒子(屈折率1.44)の10重量%水スラリーを20重量部(コロイダルシリカ粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、コロイダルシリカ粒子を2重量%含有するMBをを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Hの作製]PET−A80重量部と粒径0.30μmのコロイダルシリカ粒子(屈折率1.44)の10重量%水スラリーを20重量部(コロイダルシリカ粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、コロイダルシリカ粒子を2重量%含有するMBをを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Iの作製]PET−A80重量部と粒径0.10μmのアクリル粒子(アクリレート共重合体、屈折率1.50)の10重量%水スラリーを20重量部(アクリル粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、アクリル粒子を2重量%含有するMBをを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Jの作製]PET−A80重量部と粒径0.30μmのアクリル粒子(アクリレート共重合体、屈折率1.50)の10重量%水スラリーを20重量部(アクリル粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、アクリル粒子を2重量%含有するMBをを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Kの作製]PET−A80重量部と粒径0.05μmのコロイダルシリカ粒子(屈折率1.44)の10重量%水スラリーを20重量部(コロイダルシリカ粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、コロイダルシリカ粒子を2重量%含有するMBをを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
[MB−Lの作製]PET−A98重量と粒径0.08μmのアルミナ粒子(屈折率1.76)の10重量%水スラリーを20重量部(アルミナ粒子として2重量部)を供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持しながらアルミナ粒子を2重量%含有するMBを得た。ガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.60、末端カルボキシル基量は22eq./tであった。
(実施例1)
A層、B層を構成する樹脂としてPET−A、MB−A、MB−Cを用い、粒子含有量が表の通りとなるように原料をブレンドし、160℃で2時間真空乾燥した後押出機1に投入した。また、内層(C層)を構成する樹脂としてPET−A100重量部を160℃で2時間真空乾燥した後、押出機2に投入した。押出機内でそれぞれの原料を280℃で溶融させ、合流装置で押出機1に投入した樹脂がフィルムのA層、B層となるように合流させ、表面温度25℃のキャスティングドラム上に押し出し、3層構造をもつ積層シートを作製した。続いて該シートを加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度で長手方向(MD方向)に3.5倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで230℃の温度で10秒間の熱固定を施した。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って、厚さ16μmのフィルムを得た。フィルムの各特性を表に示す。また、A層にレジスト層を積層してレジスト性評価を行った。粗大突起の割合(M60/M10)が小さく、DFRの基材として用いた場合に、レジスト性良好で充分に使用できるものであった。また、セラミックグリーンシート製造性は良好であり、かつ、窪み欠点数とも少なく、MLCC製造工程の離型用フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして充分に使用できるものであった。
(実施例2−8)
樹脂の組成、製膜条件を表の通りに変えた以外は、実施例1と同様に製膜を行った。フィルムの特性を表に示す。粗大突起の割合(M60/M10)が小さく、DFRの基材として用いた場合に、レジスト性良好で充分に使用できるものであった。また、MLCC製造工程の離型用フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして充分に使用できるものであった。
(実施例9)
A層を構成する樹脂としてPET−A、MB−A、MB−Cを用い、粒子含有量が表の通りとなるように原料をブレンドし、160℃で2時間真空乾燥した後押出機1に投入した。また、PET−A100重量部を160℃で2時間真空乾燥した後、押出機2に投入した。押出機内でそれぞれの原料を280℃で溶融させ、2層構造となる積層シートを作製した。続いて該シートを加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度で長手方向(MD方向)に3.5倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に4.0倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで230℃の温度で10秒間の熱固定を施した。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って、厚さ16μmのフィルムを得た。フィルムの各特性を表に示す。B層にレジスト層を積層してレジスト評価を実施したところ、良好なレジスト性で充分に使用できるものであった。また、B層のグリーンシート製造性は良好であり、かつA層、B層ともに窪み欠点数が少なく、MLCC製造工程の離型用フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして充分に使用できるものであった。
(実施例10−12)
A層を構成する樹脂としてPET−A、MB−A、MB−Cを用い、粒子含有量が表の通りとなるように原料をブレンドし、160℃で2時間真空乾燥した後押出機1に投入した。また、B層を構成する樹脂としてPET−A、MB−Eを用い、粒子含有量が表の通りとなるように原料をブレンドし、160℃で2時間真空乾燥した後押出機2に投入した。また、内層(C層)を構成する樹脂としてPET−A100重量部を160℃で2時間真空乾燥した後、押出機3に投入した。合流装置で押出機1に投入した樹脂がフィルムのA層、押出機2に投入した原料がB層、押出機3に投入した原料がC層となるように合流させ、表面温度25℃のキャスティングドラム上に押し出し、3層構造をもつ積層シートを作製し、実施例1と同様の方法で厚み16μmのフィルムを得た。フィルムの各特性を表に示す。
実施例10−12では、B層側にレジスト層を積層し、レジスト評価を実施した。実施例10では、B層に粒子を含有せしめることでB面のM10が増加し、A面とB面の摩擦力が低下し、良好なレジスト性を示した。また、実施例11、12ではA層のt/dを変化させた。t/dが10となる実施例12ではややレジスト性が劣るが、充分に使用できるものでであった。
実施例10では、B層のグリーンシート製造性は良好であり、かつA層、B層ともに粗大突起数が少なく、MLCC製造工程の離型用フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして充分に使用できるものであった。実施例11、12ではA層のt/dを変化させたため、ややグリーンシート製造性に劣り、窪み欠点数も増えるが、充分に使用できるものでであった。
(実施例13−14)
A層、B層を構成する樹脂としてPET−A、MB−Cを用い、表に記載の通りの組成となるように押出機に投入し、キャスト温度を50℃とした以外は実施例1と同様にして厚み16μmのフィルムを製膜した。フィルムの結晶化により微細な突起が形成でき、DFRの基板として使用に耐えるものであった。
また、グリーンシート製造性、窪み欠点数を評価したところ、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしての使用に耐えるものであった。
(実施例15−16)
A層、B層を構成する樹脂としてPET−A、MB−Cを用い、表に記載の通りの組成となるように押出機に投入し、ニップ圧を0.5MPaとした以外は実施例1と同様にして厚み16μmのフィルムを製膜した。延伸時に圧力をかけることにより大きな突起がつぶされて微細な突起が形成でき、DFRの基板として使用に耐えるものであった。
また、グリーンシート製造性、窪み欠点数を評価したところ、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしての使用に耐えるものであった。
(実施例17−18)
A層を構成する樹脂としてPET−A、MB−A、MB−Bを用いた以外は実施例10と同様にして厚さ16μmのフィルムを得た。フィルムの各特性を表に示す。実施例10と同様にB層側にレジスト層を積層し、レジスト評価を実施したところ、レジスト性良好であった。
また、グリーンシート製造性、窪み欠点数を評価したところ、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして充分に使用できるものであった。
(実施例19−20)
A層を構成する樹脂としてPET−A、MB−I、MB−Jを用いた以外は実施例10と同様にして厚さ16μmのフィルムを得た。フィルムの各特性を表に示す。実施例10と同様にB層側にレジスト層を積層し、レジスト評価を実施したところ、屈折率1.50のアクリル粒子を使用したため、レジスト性が非常に良好であった。
また、グリーンシート製造性、窪み欠点数を評価したところ、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして充分に使用できるものであった。
(実施例21−23)
A層に用いる樹脂を、実施例21ではPET−A、MB−F、MB−H、実施例22、23ではPET−A、MB−B、MB−Eとした以外は、実施例10と同様に厚さ16μmのフィルムを製膜し、実施例10と同様にしてDFR基材としての評価を実施した。いずれも、良好なレジスト性を示すことがわかった。
また、グリーンシート製造性、窪み欠点数を評価したところ、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして充分に使用できるものであった。
(実施例24−26)
フィルム厚みを表の通りに変えた以外は、実施例10と同様にフィルムを得た。実施例10と同様にDFR基材としての評価を実施した。実施例26ではフィルムの厚みがやや厚く、レジスト性にやや劣るが充分使用できるものであった。
また、グリーンシート製造性、窪み欠点数を評価したところ、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして充分に使用できるものであった。
(実施例27−29)
A層に用いるPET樹脂をPET−Bに変え、表に記載の粒子含有量となるようにMB−A、MB−C、MB−Cを用いて実施例10を参考にフィルムを製膜し、得られたフィルムを、実施例10と同様にしてDFR基材としての評価を実施した。表面比抵抗が小さく、非常に良好なレジスト性を示すことがわかった。
また、グリーンシート製造性、窪み欠点数を評価したところ、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして充分に使用できるものであった。
(実施例30−31)
A層に用いるPET樹脂をPET−Cに変え、表に記載の粒子含有量となるようにMB−A、MB−C、MB−Cを用いて実施例10を参考にフィルムを製膜し、実施例10と同様にして、得られたフィルムのDFR基材としての評価を実施した。実施例27、29に比べてさらに表面比抵抗が小さく、非常に良好なレジスト性を示すことがわかった。
また、グリーンシート製造性、窪み欠点数を評価したところ、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして充分に使用できるものであった。
(実施例32)
C層に用いる樹脂にMB−Aを添加した以外は、実施例10と同様にフィルムを製膜した。粒子の量が増えたため、DFR基材として用いる場合にはややレジスト性に劣るが、使用に耐えるものであった。
また、グリーンシート製造性、窪み欠点数を評価したところ、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしての使用に耐えるものであった。
(比較例1−3、5、9−14)
A層、B層に用いる樹脂として、比較例1、2、5ではPET−A、MB−A、MB−C、比較例3ではPET−AとMB−A、比較例9、10ではPET−A、MB−A、MB−D、比較例11、12ではPET−A、MB−C、比較例13、14ではPET−A、MB−B、MB−Lを用いて、表に記載の粒子含有量、延伸条件となるように、実施例1と同様に厚み16μmのフィルムを得、DFR基材としてレジスト性を評価した。
比較例1ではA層の粒子含有量が多く、M60が大きいためレジスト性が悪くDFR基材としての使用に耐えない。また、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしても使用に耐えない。
比較例2では粒子含有量が少なく、M60/M10が小さいためレジスト性が悪くDFR基材としての使用に耐えない。また、グリーンシート製造性評価の工程で、フィルムが傷つきやすく、ピンホール、凹みとも観察され、MLCC製造工程用の離型フィルムとして使用に耐えない。また、両面のM60/M10が小さいため、窪み欠点数は多くなり、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしても使用に耐えない。
比較例3、11、12では、単一の粒子しか含有しないためM60/M10が制御できず、レジスト性が悪くDFR基材としての使用に耐えない。また、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしても使用に耐えない。
比較例5では、t/dの値が大きくM60/M10が大きくなるためレジスト性が悪くDFR基材としての使用に耐えない。また、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしても使用に耐えない。
比較例9では、含有する粒子の粒径が大きく、M60が大きいためレジスト性が悪くDFRとしての使用に耐えない。また、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしても使用に耐えない。
比較例13、14では、粒子含有量が少なく、また粒子粒径も小さいためM60/M10が小さくなりレジスト性が悪くDFR基材としての使用に耐えない。また、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしても使用に耐えない。
(比較例4)
A層のt/dを表に記載の通りに変えた以外は、実施例10と同様にしてフィルムを製膜し、DFR基材としての評価を実施した。t/dが大きく、M60/M10が大きくなるためレジスト性が悪く、DFR基材としての使用に耐えない。また、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしても使用に耐えない。
(比較例6−7)
比較例6では、A層を構成する樹脂としてPET−A、MB−G、MB−K、B層を構成する樹脂としてはPET−A、MB−Fを用いて、比較例7ではA層を構成する樹脂としてPET−A、MB−H,MB−K、B層を構成する樹脂としてPET−A、MB−Fを用いて、表の記載の通りの構成となるように実施例10と同様にしてフィルムを製膜した。A層のt/dが大きく、M60/M10が大きくなるためレジスト性が悪く、DFR基材としての使用に耐えない。また、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしても使用に耐えない。
(比較例8)
A層を構成する樹脂としてPET−A、MB−G、MB−K、B層を構成する樹脂としてはPET−A、MB−Fを用いて、表に記載の通りの構成となるように、実施例9同様に2層構成の厚み5μmのフィルムを製膜した。M60/M10が大きくなるためレジスト性が悪く、DFR基材としての使用に耐えない。また、厚みが薄いため、製膜性にも劣る。また、MLCC製造工程用の離型フィルム、偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとしても使用に耐えない。
Figure 2017186510
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本発明のポリエステルフィルムは、透明性、光透過性に優れる。また、フィルム表面が平滑でありながら、優れたハンドリング性を兼ね備える。そのため、光学用フィルム、離型用の工程紙、また、特にドライフィルムレジスト(DFR)基材用フィルムとして、好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. ポリエステルフィルムであって、前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面(A面)の突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)が0.1以上3.0以下であり、かつ前記ポリエステルフィルムの両面の突起高さが60nm以上の突起密度(M60)が300個/mm以下であるポリエステルフィルム。
    [突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)の求め方]
    M60;突起高さが60nm以上の突起密度(個/mm
    M10;突起高さが10nm以上の突起密度(個/mm
    (M60/M10)=M60/M10×100
  2. 以下の要件を満たす請求項1に記載のポリエステルフィルム。
    (1)前記ポリエステルフィルムの一方の面(A面)の突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)が0.1以上3.0以下であること。
    (2)前記ポリエステルフィルムのA面とは反対側の面(B面)の突起高さが10nm以上の突起に占める突起高さが60nm以上の割合(M60/M10)が0以上0.5以下であること。
    (3)A面とB面の静摩擦係数が0.35以下であること。
  3. 前記ポリエステルフィルムの両面とも、突起高さが10nm以上の突起密度(M10)が1000個/mm以上8000個/mm未満である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
  4. ポリエステルフィルムに含有する粒子の量が、ポリエステルフィルムに対して0.1重量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  5. フィルムヘイズが1.0%以下である請求項1から4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  6. ポリエステルフィルムのCOOH末端基量が15等量/t以上40等量/t以下である、請求項1から5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  7. 前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面の表面比抵抗が1.0×1013Ω/cm以下である請求項1から6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  8. 前記ポリエステルフィルムのフィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が、両面とも4nm以下である請求項1から7のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  9. フィルムの厚みが15μm以上250μm以下である請求項1から8のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  10. A面を形成する層が粒子を含有しており、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い横軸を粒径、縦軸を粒子の存在比率としてプロットしたときに得られる粒子の存在比率のチャートの極大のうち最も粒径の大きいピークトップの粒径をd(μm)とし、A面を形成する層の厚みをt(μm)としたとき、t/dが1以上10以下である請求項2から9のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  11. ドライフィルムレジスト(DFR)基材用フィルムとして用いられる請求項1から10のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  12. 積層セラミックスコンデンサー(MLCC)製造工程の離型用フィルムとして用いられる請求項1から10のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  13. 偏光板の欠点検出工程の離型用フィルムとして用いられる請求項1から10のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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