JPH11349707A - ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム - Google Patents

ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム

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JPH11349707A
JPH11349707A JP15717298A JP15717298A JPH11349707A JP H11349707 A JPH11349707 A JP H11349707A JP 15717298 A JP15717298 A JP 15717298A JP 15717298 A JP15717298 A JP 15717298A JP H11349707 A JPH11349707 A JP H11349707A
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particle
particles
film
particle size
polyethylene
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JP15717298A
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Kazuhiro Kunugihara
一弘 椚原
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Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な表面を有し、走行性、耐摩耗性および
電気特性に優れ、磁気記録媒体、コンデンサー等の電気
用等、種々の用途に適用できるポリエチレン−2,6−
ナフタレートフィルムを提供する。 【解決手段】 平均粒径が0.3〜15μmで、下記式
に定義する球形比が、0.90〜1.0、下記式に
定義する粒度分布値が1.2〜2.5、比表面積が10
0〜600m2 /gである多孔質球状シリカ粒子を0.
001〜3.0重量%含有することを特徴とするポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルム。 【数1】 球形比=粒子の投影面積/粒子投影面における最大径の円相当面積 …… 粒度分布値=d10/d90 …… (上記式中、d10、d90は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれ総体積の10%、90%に相当す
る粒径(μm)を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた機械的特性、
走行性、耐摩耗性および平面性を有する二軸配向ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、優れた物理的
および化学的特性を有し、磁気記録媒体のベースフィル
ムやコンデンサー誘導体などの分野に広く用いられてい
る。また、ポリエステルフィルムの中でも特にポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムは、機械的強度や
耐熱性に優れることから注目され、各用途において実用
化されつつある。
【0003】しかしながら、その優れた特性を十分に生
かしたフィルムを製造しようとする場合には、その製造
工程における工程通過性、塗布や蒸着等の後加工工程あ
るいは製品自体の取扱い性の面でフィルムの走行性が特
に要求されるが、従来、このことは必ずしも十分には達
成されていない。この原因は、多くの場合、フィルムと
基材が高速で接触することによる摩擦、摩耗に起因する
ものである。
【0004】一般にフィルムの走行性および摩耗特性を
改良するためには、フィルム表面を適度に粗せば良いこ
とが分かっている。そして、このことを達成するために
原料ポリエステル中に微粒子を存在させる方法が採用さ
れており、一部実用化もされているが、これらの特性を
高度に満足することには必ずしも成功していない。例え
ば微粒子として、ポリエステル製造時の触媒残渣等から
の、いわゆる析出粒子を用いた場合は、延伸により析出
粒子が破壊されやすいため、走行性や耐摩耗性が劣り、
また再生使用も困難である。また、カオリン、酸化ケイ
素、二酸化チタン、リン酸カルシウム等のポリエステル
に不活性な無機化合物粒子を添加した場合は、延伸によ
り粒子が破壊、変形されることはなく、比較的急峻な突
起を与えるため、走行性は改良されるが、かかる粒子は
ポリエステルとの親和性に乏しいため、延伸時に粒子周
辺に空隙が生じ、絶縁破壊電圧が著しく低下したり、フ
ィルム表面から粒子が脱離しやすく、白粉状物質を生成
したりするなどの現象が起こる。
【0005】添加法の一つとしてポリエステルと比較的
親和性の良好なシリカ粒子を用いる方法(例えば特開昭
56−42629号公報記載の方法)が知られている
が、当該粒子は延伸時に比較的変形しやすく、フィルム
表面に急峻な突起が形成しづらいため、フィルムの走行
性が十分改良できない場合がある。また、上記粒子は塊
状で粒度分布は極めて広く、フィルムにした際、フィル
ム表面に多くの粗大突起が存在し、フィルムの平面性お
よび電気特性が低下する。
【0006】この二律背反の現象を克服するため、近年
シャープな粒度分布を有する無機粒子を用いることが提
案されている。例えば特開昭62−207356号公報
には、単分散性の球状酸化ケイ素粒子が示されている。
しかしながら、当該粒子はポリエステルとの親和性に乏
しいため、延伸条件によっては粒子周辺に空隙が生じ、
絶縁破壊抵抗の低下や粒子脱落を引き起こす場合があ
る。このように、これまで電気的特性、平面性および走
行性を高度に満足し、かつ必要な他の諸特性を兼ね備え
たポリエステルフィルムは得られていないのが実情であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであって、その解決課題は、均一な表
面を有し、走行性、耐摩耗性および電気特性に優れ、磁
気記録媒体、コンデンサー等の電気用等、種々の用途に
適用できるポリエチレン−2,6−ナフタレートフィル
ムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、ある特定の球状シリカ粒子を
含有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容
易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明の要旨は、平均粒径が0.3〜
15μmで、下記式に定義する球形比が、0.90〜
1.0、下記式に定義する粒度分布値が1.2〜2.
5、比表面積が100〜600m2 /gである多孔質球
状シリカ粒子を0.001〜3.0重量%含有すること
を特徴とするポリエチレン−2,6−ナフタレートフィ
ルムに存する。
【0009】
【数2】 球形比=粒子の投影面積/粒子投影面における最大径の円相当面積 …… 粒度分布値=d10/d90 …… (上記式中、d10、d90は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれ総体積の10%、90%に相当す
る粒径(μm)を示す)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエチレン−2,6−ナフタレートと
は、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはそのアル
キルエステルを主たる酸成分とし、エチレングリコール
を主たるグリコール成分としてエステル化反応あるいは
エステル交換反応を行った後、重縮合反応を行うことに
より得られるポリエステルを指すが、その一部を他の成
分で置き換えてもよい。
【0011】例えば、酸成分の一部をナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、p−ヒドロキシ安息香
酸もしくはその低級アルキルエステルで置き換えてもよ
いし、また、グリコール成分の一部をトリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール等で置換してもよい。
【0012】いずれにしても本発明でいうポリエチレン
−2,6−ナフタレートとは80モル%以上、好ましく
は90モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレート単
位であるポリエステルを指す。また、本発明のポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムは、かかるポリエ
ステルを出発原料とする二軸に配向されたフィルムを指
すが、とりわけ縦および横方向に高強度な本発明のフィ
ルムを得るためには、次のような方法が好ましく採用さ
れる。
【0013】すなわち、通常280〜320℃でポリエ
ステルを押出機よりシート状に押出し、90℃以下に急
冷して実質的に無定形のシートとし、縦横に逐時二軸延
伸あるいは同時二軸延伸する。この場合、縦、横の延伸
倍率を高倍率、例えば各々3.5倍以上とすることによ
って達成することもできるが、比較的低倍率で縦、横延
伸した後、さらに110〜180℃の温度で各々の方向
に再度延伸を行ってもよい。この場合、各々の延伸を多
段で行ってもよいし、途中で熱処理等を加えてもよい。
いずれにしても本発明のフィルムは、熱収縮率を小さく
保つために、180〜260℃の温度範囲で0.1〜1
0秒間、熱処理を施されたものが好ましい。
【0014】本発明の特徴は、ポリエステルフィルムに
配合する粒子として、ある特定のシリカ粒子を用いる点
にある。かかる粒子の製造方法としては湿式法と呼ばれ
る方法、例えば例えば珪酸ソーダと塩化カルシウム等の
カルシウム塩類とを反応させ、まずカルシウム・珪酸塩
を生成させ、次に鉱酸または炭酸ガスで分解する方法で
ある。湿式法により得られるシリカ粒子は通常100〜
700m2 /g程度の比表面積を有する多孔質のシリカ
粒子であるが、その形状は不定形であり、かつ粒度分布
は極めて広く所望の粒度分布に達し得ない。
【0015】本発明者らは、かかる湿式法シリカの合成
法において、系内の共存イオン、反応温度を始めとする
製造条件を選定することにより粒度分布の鋭いシリカ粒
子を製造し得ることを知見した。本発明で用いる多孔質
球状シリカ粒子の平均粒径は0.3〜15μm、好まし
くは0.5〜10μmである。平均粒径が0.3μm未
満では、フィルムの走行性や耐摩耗性が不十分となるの
で好ましくない。また、平均粒径が15μmを超える
と、フィルムの表面粗度が大きくなり過ぎ平面性が損な
われるようになるので好ましくない。
【0016】本発明で用いる多孔質球状シリカ粒子の配
合量は0.001〜3重量%、好ましくは0.005〜
2重量%である。配合量が0.001重量%未満ではフ
ィルムの走行性や耐摩耗性が不十分となるので好ましく
ない。また、配合量が5重量%を超えると、表面粗度が
大きくなり過ぎ平面性が損なわれるようになるので好ま
しくない。
【0017】本発明で用いる多孔質球状シリカ粒子の粒
子形状はフィルムの走行性の点から球状に近い程好まし
いく、球形比は0.90〜1.0、好ましくは0.93
〜1.0、さらに好ましくは0.96〜1.0である。
球形比が0.90未満では走行性が劣るようになるので
好ましくない。本発明で用いる多孔質球状シリカ粒子の
粒度分布値は1.2〜2.5、好ましくは1.5〜2.
3、さらに好ましくは1.6〜2.0である。粒度分布
値が1.2未満ではフィルム製造時にロール状に巻き上
げる際に巻き乱れたり、粒跡が発生したりするようにな
るので好ましくない。また粒度分布値が3.0を越える
と粗大粒子が混入し平面性が損なわれるようになるので
好ましくない。
【0018】さらに、本発明で用いる多孔質球状シリカ
粒子の比表面積は100〜600m 2 /g、好ましくは
300〜600m2 /g、さらに好ましくは400〜6
00m2 である。比表面積が100m2 /g未満では、
粒子の多孔質性が失われ、ポリエステルとの親和性が乏
しくなり、延伸時に粒子周辺に空隙が生じ、フィルムの
透明性の低下や粒子の脱落が起こりやすくなるので好ま
しくない。また、比表面積が600m2 /gを超える
と、ポリエステルの製造工程で粒子の凝集が生じ、フィ
ルムとした際の平面性が損なわれるようになるので好ま
しくない。なお、本発明で用いる粒子は、多孔質ではあ
るが比較的強固な架橋構造を有し、通常の延伸工程で粒
子が変形することはほとんどない。
【0019】このように本発明においては、ある特定の
シリカ粒子を用いことによって初めて所望の効果を得る
ことができるが、本発明の要旨を損なわない範囲で、さ
らにフィルム特性を改良する目的等のために他の粒子を
1種以上併用してもよい。かかる粒子の具体的な例とし
ては、カオリン、タルク、カーボン、硫化モリブデン、
石膏、岩塩、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、フッ化
リチウム、フッ化カルシウム、ゼオライト、リン酸カル
シウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン等を挙げることが
できる。
【0020】また別の例として、いわゆる析出粒子を併
用しても構わない。ここでいう析出粒子とは、例えばエ
ステル交換触媒としてアルカリ金属またはアルカリ土類
金属化合物を用いた系を常法により重合することにより
反応系内に析出するものを指す。なお、本発明において
は併用する粒子はその平均粒径が本発明のシリカ粒子の
それより大きい場合は、シリカ粒子と同重量以下、さら
には0.005〜0.5倍重量、特に0.01〜0.3
倍重量の範囲から選択することが好ましい。また逆に、
併用する粒子の粒径の方が小さい場合は、シリカ粒子と
同重量以上、例えば1〜20倍重量とすることもでき
る。
【0021】なお、本発明においては、上記粒子特性を
満足する、平均粒径の異なる多孔質球状シリカ粒子を2
種以上用いてもよい。本発明で用いる多孔質球状シリカ
粒子を製膜原料のポリエステルに配合する方法は、特に
限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例
えば、粒子とポリエステルチップとを直接ブレンドする
こともできるが、特にポリエステルの原料となるエチレ
ングリコールに分散させエチレングリコールスラリーと
してポリエステル製造工程のいずれかの段階、好ましく
はエステル化もしくはエステル交換反応終了後、重縮合
反応開始前の段階で添加し、重縮合反応を行うことが好
ましい。
【0022】本発明で用いる多孔質球状シリカ粒子の分
散スラリーは、公知の方法で調製することができる。例
えば、粒子とエチレングリコールとを撹拌翼の回転方向
と平行に配置した複数個の剪断翼を持つ高速撹拌機、ホ
モミキサー、超音波分散機等を用いて分散調整すること
ができる。分散スラリーは、スラリー中の粗大粒子およ
び未分散の凝集粒子を除去する目的で、1000メッシ
ュ以上のフィルターで濾過処理することが望ましい。
【0023】このように本発明において、特定のシリカ
粒子を配合することにより得られるポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムは、表面性および走行性をよ
り高度に改良することができ、例えば、磁気テープ・フ
ロッピーディスクをはじめとする磁気記録媒体、電気絶
縁材料分野などに適用することができる。特に、電気絶
縁材料のなかでもコンデンサー誘電体として用いた場合
には、耐電圧性等の電気特性に優れたフィルムとして、
優れた特性を発揮することができる。
【0024】次に、本発明のフィルムの製造方法を具体
的に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以
下の例示に特に限定されるものではない。本発明のフィ
ルムを得るに際してはポリエステルをエクストルーダー
に代表される周知の溶融押出装置に供給し、ポリエステ
ルの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで、溶融し
たポリエステルをスリット状のダイから押し出し、回転
冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように
急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。
この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと
回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本
発明においては静電印加密着法および/または液体塗布
密着法が好ましく採用される。
【0025】静電印加密着法とは、通常シートの上面側
にシートの流れと直交する方向に線状電極を張り、該電
極に約5〜10kVの直流電圧を印加することによりシ
ートに静電荷を与え、ドラムとの密着性を向上させる方
法である。また、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラム
表面の全体または一部(例えばシート両端部と接触する
部分のみ)に液体を均一に塗布することにより、ドラム
とシートとの密着性を向上させる方法である。本発明に
おいては必要に応じ両者を併用してもよい。
【0026】前記未延伸シートを好ましくは縦方向に7
0〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦一軸延伸フィルム
とした後、必要に応じフィルムの両面に順次塗布液を塗
布し、適度な乾燥を施すか、あるいは未乾燥で、横方向
に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜25
0℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さ
らにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱
処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/
または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好まし
い。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加する
ことも可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法を以下に示す。また、実施例中、「部」お
よび「%」とあるのは各々「重量部」および「重量%」
を意味する。
【0028】(1)平均粒径および粒度分布値 粒径は、フィルム中の粒子を電子顕微鏡による写真法で
測定し、等価球に換算した。粒度分布は約1000個の
粒子の粒径を測定し、大粒子側から体積を積算した。総
体積に対し、10%時の粒径をd10とし、90%時の粒
径をd90としてその比d10/d90の値で粒度分布のシャ
ープさを示した。この値が1に近いほどシャープであ
る。なお平均粒径はd50(μm)で表わされる。 (2)球形比 フィルム中の粒子を電子顕微鏡により粒子約1000個
の投影面積と投影面における最大径の円相当面積を求
め、下記式にて球形比を算出した。
【0029】
【数3】 球形比=粒子の投影面積/粒子投影面における最大径の
円相当面積
【0030】(3)比表面積 ポリエステルに配合する前の粒子を全自動表面測定装置
(カルロエルバ社製)にて、窒素吸脱着法で測定した。 (4)極限粘度 ポリマー1gをフェノール/テトラクロルエタン=50
/50 (重量比)の混合溶媒100mlに溶解し30.
0℃で測定した。
【0031】(5)走行性 平滑なガラス板上に、幅15mm、長さ150mmに切
り出したフィルム同士を2枚重ね、その上にゴム板を載
せ、2枚のフィルム接圧を2g/cm2 として、20m
m/分でフィルム同士を滑らせて摩擦力を測定し、5m
m滑らせた点での摩擦係数を動摩擦係数として求めた。
なお、測定は、温度23℃±1℃、湿度50%±5%の
雰囲気下で行った。
【0032】(6)巻き特性 直径15cmの紙管にラインスピード約170m/分で
製造されるフィルムを6000m巻き取り端面の状態を
観察し、次の3ランクに分けた。 A:端面がすべて揃っている B:端面がほぼ揃い、実用可能 C:端面の一部が不揃いである D:端面のかなりの部分が不揃いである
【0033】(7)粗大突起数 試料10mgを秤量し18×18mmのカバーグラスに
はさみ、280〜290℃でプレスし、直径約10mm
のフィルムを作成し、このフィルムを位相差顕微鏡(1
00倍)で観察し、最大長さ10μm以上の粒子をカウ
ントし、粗大突起数とした。 (8)耐電圧特性 JIS C−2319に準じて測定を行った。すなわ
ち、10kV直流耐電圧試験器を使用し、23℃、50
%RHの雰囲気下にて、100V/秒の昇圧速度で上昇
させつつ、フィルムが破壊し、短絡した時の電圧を読み
取り、耐電圧特性とした。
【0034】(9)コンデンサー容量 フィルムに真空蒸着装置にて、アルミニウムを蒸着し、
蒸着部の巾が10mmとなるようにスリットし、未蒸着
端が左右異なる長さ2mのスリットテープを2本重ね巻
きし、その後、端面封止、リード線取り付けを行いコン
デンサー素子とした。コンデンサー素子の静電容量は、
23℃、50%Rhの雰囲気下でゼネラルラジオラジオ
社製「RLcデジブリッジ」を用いて1KHz、0.3
Vrmsの条件下で測定した。 (10)総合評価 ○:優れており、工業的価値が高い △:製造上およびフィルム特性上に一部欠陥があり工業
的価値は低い ×:製造上およびフィルム特性上に大きな欠陥があり工
業的価値は低い
【0035】実施例1 (ポリエチレンナフタレートの製造):ナフタレン−
2、6−ジカルボン酸ジメチル100部とエチレングリ
コール65部および酢酸マグネシウム・四水塩0.09
部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを
留出し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間
を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応
を終了した。次いで平均粒径3.95μm、球形比0.
98、粒度分布値1.85、比表面積520m2 /gの
多孔質球状シリカ粒子0.05部をエチレングリコール
スラリーとして添加し、さらにリン酸0.04部、三酸
化アンチモン0.04部を添加した後常法に従って重縮
合反応を進め、極限粘度0.55のポリマーを得、次い
で固相重合を行い、最終的に0.63のポリエチレンナ
フタレートを得た。
【0036】得られたポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートを300℃の温度で押出機よりシート状に押出し、
静電印加冷却法を用いて厚さ173μmの無定形シート
を得た。次いで、無定形シートをシートの流れ方向に1
25℃で3.6倍、さらにシートの流れと直交する方向
に130℃で4.0倍延伸し、240℃で3秒間熱処理
を行った後、冷却して、厚み12μmの二軸延伸ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムを得た。
【0037】比較例1〜10および実施例2〜3 下記表1〜3に示すようにフィルム中に含有させる粒子
を変えるほかは実施例1と同様にして二軸延伸フィルム
を得た。なお、実施例2で用いた酸化アルミニウムは熱
分解法により得られたデルタ型の結晶型を有するもので
あり、また実施例3の析出粒子はカルシウム元素、リチ
ウム元素、およびリン元素をそれぞれ1重量%以上含む
粒子である。
【0038】以上、得られた結果をまとめて下記表1〜
3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】 本発明のフィルムは均一な表面を有
し、走行性、耐摩耗性および電気特性に優れ、磁気記録
媒体、コンデンサー等の電気用等、種々の用途に適用で
き、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01G 9/02 301 H01G 9/02 301 // B29C 55/14 B29C 55/14 B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.3〜15μmで、下記式
    に定義する球形比が、0.90〜1.0、下記式に
    定義する粒度分布値が1.2〜2.5、比表面積が10
    0〜600m2 /gである多孔質球状シリカ粒子を0.
    001〜3.0重量%含有することを特徴とするポリエ
    チレン−2,6−ナフタレートフィルム。 【数1】 球形比=粒子の投影面積/粒子投影面における最大径の円相当面積 …… 粒度分布値=d10/d90 …… (上記式中、d10、d90は粒子群の積算体積を大粒子側
    から計測し、それぞれ総体積の10%、90%に相当す
    る粒径(μm)を示す)
  2. 【請求項2】 電気絶縁材料用であることを特徴とする
    請求項1記載のポリエチレン−2,6−ナフタレートフ
    ィルム。
JP15717298A 1998-06-05 1998-06-05 ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム Pending JPH11349707A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4086226A1 (en) * 2021-05-04 2022-11-09 Momentive Performance Materials Japan LLC Method for producing silica particles and their use in cosmetic compositions

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP4086226A1 (en) * 2021-05-04 2022-11-09 Momentive Performance Materials Japan LLC Method for producing silica particles and their use in cosmetic compositions

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