JPH11343352A - ポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステルフィルム

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JPH11343352A
JPH11343352A JP15300098A JP15300098A JPH11343352A JP H11343352 A JPH11343352 A JP H11343352A JP 15300098 A JP15300098 A JP 15300098A JP 15300098 A JP15300098 A JP 15300098A JP H11343352 A JPH11343352 A JP H11343352A
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film
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particle
polyester
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JP15300098A
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Kazuo Endo
一夫 遠藤
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Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な表面を有し、走行性、耐摩耗性および
透明性に優れ、グラフィックアーツ、ディスプレー、包
装用、転写マーク用、写真製版、磁気記録媒体、コンデ
ンサー等の電気用等、種々の用途に適用できるフィルム
を提供する。 【解決手段】 平均粒径が0.3〜15μmで、下記式
に定義する球形比が0.90〜1.0、下記式に定
義する粒度分布値が1.2〜2.5、比表面積が100
〜600m2 /gである多孔質球状シリカ粒子を0.0
01〜3.0重量%含有することを特徴とするポリエス
テルフィルム。 【数1】 球形比=粒子の投影面積/粒子投影面における最大径の円相当面積 …… 粒度分布値=d10/d90 …… (上記式中、d10、d90は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれ総体積の10%、90%に相当す
る粒径(μm)を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗大突起が少なく
比較的均一な表面を有し、透明性、平面性および走行性
が高度に改良されたポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルフィルムは、優れた物理的および化学的
特性を有し、その優れた透明性を生かしてグラフィック
アーツ、ディスプレーおよび包装用等として賞用されて
いる。また、磁気記録媒体のベースフィルムやコンデン
サー誘導体などの分野にも広く用いられている。
【0003】しかしながら、その透明性を十分に生かし
たフィルムを製造しようとする場合には、その製造工程
における工程通過性、塗布や蒸着等の後加工工程あるい
は製品自体の取扱い性の面でフィルムの走行性が特に要
求されるが、従来、このことは必ずしも十分には達成さ
れていなかった。この原因は、多くの場合、フィルムと
基材が高速で接触することによる摩擦、摩耗に起因する
ものであった。
【0004】一般にフィルムの走行性および摩耗特性を
改良するためにはフィルム表面を適度に粗せば良いこと
が分かっている。そしてこの事を達成するために、原料
ポリエステル中に微粒子を存在させる方法が採用されて
おり、一部実用化もされているが、これらの特性を高度
に満足することには必ずしも成功していない。例えば微
粒子としてポリエステル製造時の触媒残渣等からのいわ
ゆる析出粒子を用いた場合は、延伸により析出粒子が破
壊されやすいため、走行性や耐摩耗性が劣り、また再生
使用も困難である。
【0005】また、カオリン、酸化ケイ素、二酸化チタ
ン、リン酸カルシウム等のポリエステルに不活性な無機
化合物粒子を添加した場合は、延伸により粒子が破壊、
変形されることはなく、比較的急峻な突起を与えるた
め、走行性は改良されるが、かかる粒子はポリエステル
との親和性に乏しいため、延伸時に粒子周辺に空隙が生
じ、透明性が著しく低下したり、フィルム表面から粒子
が脱離しやすく、白粉状物質を生成したりするなどの現
象が起こる。
【0006】添加法の一つとしてポリエステルと比較的
親和性の良好なシリカ粒子を用いる方法(例えば特開昭
37−12150号公報および特開昭53−45369
6号公報記載の方法)が知られているが、かかる粒子は
延伸時に比較的変形しやすく、フィルム表面に急峻な突
起が形成されづらいため、走行性が十分満足されない場
合がある。また、上記シリカ粒子は塊状で粒度分布は極
めて広く、フィルムにした際、フィルム表面に多くの粗
大突起が存在し、フィルムの平面性および透明性が低下
する。
【0007】この二律背反の現象を克服するため、近年
シャープな粒度分布を有する無機粒子を用いることが提
案されている。例えば特開昭62−207356号公報
には単分散性の球状酸化ケイ素粒子が示されている。し
かしながら、上記粒子はポリエステルとの親和性に乏し
いため、延伸条件によっては粒子周辺に空隙が生じ、透
明性の低下や粒子脱落を引き起こす場合がある。このよ
うに、これまで透明性、平面性および走行性を高度に満
足し、かつ必要な他の諸特性を兼ね備えたポリエステル
フィルムは得られていないのが実情である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その解決課題は、均一な表面
を有し、走行性、耐摩耗性および透明性に優れ、グラフ
ィックアーツ、ディスプレー、包装用、転写マーク用、
写真製版、磁気記録媒体、コンデンサー等の電気用等、
種々の用途に適用できるフィルムを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、ある特定の多孔質球状シリカ
粒子を含有するポリエステルフィルムによれば、上記課
題を容易に解決できること見いだし、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明の要旨は、平均粒径が0.
3〜15μmで、下記式に定義する球形比が0.90
〜1.0、下記式に定義する粒度分布値が1.2〜
2.5、比表面積が100〜600m2 /gである多孔
質球状シリカ粒子を0.001〜3.0重量%含有する
ことを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
【0010】
【数2】 球形比=粒子の投影面積/粒子投影面における最大径の円相当面積 …… 粒度分布値=d10/d90 …… (上記式中、d10、d90は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれ総体積の10%、90%に相当す
る粒径(μm)を示す)
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、テレフタル酸またはそ
のエステルと、エチレングリコールを主たる出発原料と
して得られるポリエステルを指すが、他の第三成分を含
有していても構わない。この場合、ジカルボン酸成分と
して、例えばイソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、およびオキシカルボン酸成分、例えばp−オキシ
エトキシ安息香酸等の一種または二種以上を用いること
が可能である。グリコール成分としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコ
ール等の一種または二種以上を用いることができる。い
ずれにしても本発明のポリエステルは繰り返し構造単位
の80%以上がエチレンテレフタレート単位を有するポ
リエステルであることが好ましい。
【0012】また、ポリエステルに任意の添加剤、例え
ば、熱安定剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着色
剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などを添加してもよい。
また、本発明のポリエステルフィルムとは、かかるポリ
エステルを出発原料とする、少なくとも一軸に配向され
たポリエステルフィルムを指すが、その製造方法として
は公知の方法を採用することができる。例えば、270
〜320℃でシート状に溶融押出しした後、40〜80
℃で冷却固化し、無定形シートとした後、80〜130
℃で縦、横方向に面積倍率で4〜20倍となるよう逐次
二軸延伸あるいは同時に延伸し、160〜250℃で熱
処理する方法(例えば特公昭30−5639号公報記載
の方法)を利用することができる。縦および横方向に延
伸するに際しては、各一段で延伸してもよいし、必要に
応じ、多段で延伸したり、多段延伸の間に配向緩和のた
めの熱処理区間を設けたりすることもできる。また、二
軸延伸後、次工程の熱処理工程に供する前に再度延伸し
てもよい。この再延伸は縦横いずれの方向に行うことも
できるし、両方向に行ってもよい。
【0013】本発明の特徴はポリエステルフィルムに配
合する粒子としてある特定の多孔質球状シリカ粒子を用
いる点にある。かかる粒子の製造方法としては湿式法と
呼ばれる方法、例えば珪酸ソーダと塩化カルシウム等の
カルシウム塩類とを反応させ、まずカルシウム・珪酸塩
を生成させ、次に鉱酸または炭酸ガスで分解する方法で
ある。湿式法により得られるシリカ粒子は通常300〜
700m2 /g程度の比表面積を有する多孔質のシリカ
粒子であるが、その形状は不定形であり、かつ粒度分布
は極めて広く所望の粒度分布に達し得ない。
【0014】本発明者らは、かかる湿式法シリカの合成
法において、反応系内の共存イオン、反応温度を始めと
する製造条件を選定することにより、球形で粒度分布の
鋭いシリカ粒子を製造し得ることを知見した。本発明で
用いる多孔質球状シリカ粒子の平均粒径は0.3〜15
μm、好ましくは0.5〜10μmである。平均粒径が
0.3μm未満では、フィルムの走行性や耐摩耗性が不
十分となるので好ましくない。また、平均粒径が15μ
mを超えると、フィルムの表面粗度が大きくなり過ぎ、
平面性が損なわれるようになるので好ましくない。
【0015】本発明で用いる多孔質球状シリカ粒子の配
合量は0.001〜3重量%、好ましくは0.005〜
2重量%である。配合量が0.001重量%未満では、
フィルムの走行性や耐摩耗性が不十分となるので好まし
くない。また、配合量が5重量%を超えると、表面粗度
が大きくなり過ぎ、平面性が損なわれるようになるので
好ましくない。
【0016】本発明で用いる多孔質球状シリカ粒子の粒
子形状は、フィルムの走行性の点から球状に近い程好ま
しく、球形比は0.90〜1.0、好ましくは0.93
〜1.0、さらに好ましくは0.96〜1.0である。
球形比が0.9未満では走行性が劣るようになるので好
ましくない。本発明で用いる多孔質球状シリカ粒子の粒
度分布値は1.2〜2.5、好ましくは1.5〜2.
3、さらに好ましくは1.6〜2.0である。粒度分布
値が1.2未満では、フィルム製造時にロール状に巻き
上げる際に巻き乱れたり、いわゆる粒跡が発生したりす
るようになるので好ましくない。また粒度分布値が2.
5を超えると、粗大粒子が混入し、フィルムの平面性が
損なわれるようになるので好ましくない。
【0017】さらに本発明で用いる多孔質球状シリカ粒
子の比表面積は100〜600m2/g、好ましくは3
00〜600m2 /g、さらに好ましくは400〜60
0m 2 /gである。比表面積が100m2 /g未満で
は、粒子の多孔質性が失われポリエステルとの親和性が
乏しくなり、延伸時に粒子周辺に空隙が生じ、透明性の
低下や粒子が脱落しやすくなるので好ましくない。ま
た、比表面積が600m2/gを超えると、ポリエステ
ルの製造工程で粒子の凝集が生じ、フィルムとした際の
平面性が損なわれるようになるので好ましくない。な
お、本発明で用いる粒子は、多孔質ではあるが比較的強
固な架橋構造を有し、通常の延伸工程で粒子が変形する
ことはほとんどない。
【0018】このように本発明においては、ある特定の
シリカ粒子を用いことによって初めて所望の効果を得る
ことができるが、本発明の要旨を越えない範囲であれ
ば、さらにフィルム特性を改良する目的等のために他の
粒子を1種以上併用してもよい。かかる粒子の一つとし
て析出粒子を挙げることができる。ここでいう析出粒子
とは、例えばエステル交換触媒としてアルカリ金属また
はアルカリ土類金属化合物を用いた系を常法により重合
することにより反応系内に析出するものを指す。また、
エステル交換反応あるいは重縮合反応時にテレフタル酸
を添加することにより析出させてもよい。これらの場
合、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リ
ン酸トリブチル、酸性リン酸エチル、亜リン酸、亜リン
酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチ
ル等のリン化合物の一種以上を存在させておいてもよ
い。また、エステル化工程を経る場合にもこれらの方法
で不活性物質粒子を析出させることができる。例えば、
エステル化反応終了前または後にアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属化合物を存在させ、リン化合物の存在下
あるいは非存在下に重合反応を行う。いずれにしても、
本発明でいうポリエステル生成反応中に生成する微細な
析出化合物には、カルシウム、リチウム、アンチモン、
リン等の元素が一種以上含まれている。
【0019】また別の例として、いわゆる添加粒子を挙
げることができる。この添加粒子とはポリエステル製造
工程に外部から添加する粒子を指すが、具体的にはカオ
リン、タルク、カーボン、硫化モリブデン、石膏、岩
塩、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、フッ化リチウ
ム、フッ化カルシウム、ゼオライト、リン酸カルシウ
ム、二酸化ケイ素、二酸化チタン等を挙げることができ
る。
【0020】なお、本発明においては併用する粒子の平
均粒径が本発明で用いるシリカ粒子のそれより大きい場
合は、シリカ粒子と同重量以下、さらには0.005〜
0.5倍重量、特に0.01〜0.3倍重量の範囲から
選択することが好ましい。また逆に併用する粒子の粒径
の方が小さい場合は、シリカ粒子と同重量以上、例えば
1〜20倍重量とすることもできる。
【0021】本発明においては、上記特性を満足し、平
均粒径の異なる多孔質球状シリカ粒子を2種以上用いて
もよい。本発明で用いる多孔質球状シリカ粒子を製膜原
料のポリエステルに配合する方法は、特に限定されるも
のではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、粒子と
ポリエステルチップとを直接ブレンドすることもできる
が、特にポリエステルの原料となるエチレングリコール
に分散させエチレングリコールスラリーとしてポリエス
テル製造工程のいずれかの段階、好ましくはエステル化
もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の
段階で添加し、重縮合反応を行うことが好ましい。
【0022】本発明で用いる多孔質球状シリカ粒子の分
散スラリーは、公知の方法で調製することができる。例
えば、粒子とエチレングリコールとを撹拌翼の回転方向
と平行に配置した複数個の剪断翼を持つ高速撹拌機、ホ
モミキサー、超音波分散機等を用いて分散調整すること
ができる。分散スラリーは、スラリー中の粗大粒子およ
び未分散の凝集粒子を除去する目的で、1000メッシ
ュ以上のフィルターで濾過処理することが望ましい。
【0023】このように本発明において特定のシリカ粒
子をポリエステルに配合することにより、得られるポリ
エステルフィルムの透明性、表面性および走行性をより
高度に改良することができ、例えば、磁気テープ・フロ
ッピーディスクをはじめとする磁気記録媒体、コンデン
サー、写真製版用や包装用のベースフィルム等の他の分
野へも広く適用することができる。
【0024】次に、本発明のフィルムの製造方法を具体
的に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以
下の例示に特に限定されるものではない。本発明のフィ
ルムを得るに際してはポリエステルをエクストルーダー
に代表される周知の溶融押出装置に供給し、当該ポリエ
ステルの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで、溶
融した該ポリエステルをスリット状のダイから押し出
し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度にな
るように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シート
を得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、
シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ま
しく、本発明においては静電印加密着法および/または
液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0025】静電印加密着法とは、通常シートの上面側
にシートの流れと直交する方向に線状電極を張り、該電
極に約5〜10kVの直流電圧を印加することによりシ
ートに静電荷を与え、ドラムとの密着性を向上させる方
法である。また、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラム
表面の全体または一部(例えばシート両端部と接触する
部分のみ)に液体を均一に塗布することにより、ドラム
とシートとの密着性を向上させる方法である。本発明に
おいては必要に応じ両者を併用してもよい。
【0026】前記未延伸シートを好ましくは縦方向に7
0〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦一軸延伸フィルム
とした後、必要に応じフィルムの両面に順次塗布液を塗
布し、適度な乾燥を施すか、あるいは未乾燥で、横方向
に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜25
0℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さ
らにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱
処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/
または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好まし
い。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加する
ことも可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法は以下に示すとおりである。また、実施例
中、「部」および「%」とあるのは各々「重量部」およ
び「重量%」を意味する。
【0028】(1)平均粒径および粒度分布値 粒径は電子顕微鏡による写真法でフィルム中の粒子を測
定し、等価球に換算した。粒度分布はフィルム中の粒子
約1000個の粒径を測定し、大粒子側から体積を積算
した。総体積に対し、10%時の粒径をd10とし、90
%時の粒径をd 90としてその比(d10/d90)の値で粒
度分布のシャープさを示した。この値が1に近いほどシ
ャープである。なお、平均粒径はd50(μm)で表され
る。 (2)球形比 電子顕微鏡により、フィルム中の粒子約1000個の投
影面積と投影面における最大径の円相当面積を求め、下
記式にて球形比を算出した。
【0029】
【数3】球形比=粒子の投影面積/粒子投影面における
最大径の円相当面積
【0030】(3)比表面積 フィルム添加前の粒子について、全自動表面測定装置
(カルロエルバ社製)を用いて、窒素吸脱着法にて測定
した。 (4)極限粘度 ポリマー1gをフェノール/テトラクロルエタン=50
/50 (重量比)の混合溶媒100mlに溶解させ、3
0.0℃で測定した。
【0031】(5)透明性 JIS−K61714に準じ、日本電色工業製分球式濁
度計NDH−20Dによりフィルムヘーズを測定した。 (6)走行性 平滑なガラス板上に、幅15mm、長さ150mmに切
り出したフィルム同士を2枚重ね、その上にゴム板を載
せ、2枚のフィルム接圧を2g/cm2 として、20m
m/分でフィルム同士を滑らせて摩擦力を測定し、5m
m滑らせた点での摩擦係数を動摩擦係数として求めた。
なお、測定は、温度23℃±1℃、湿度50%±5%の
雰囲気下で行った。
【0032】(7)巻き特性 直径15cmの紙管にラインスピード約170m/分で
製造されるフィルムを6000m巻き取り端面の状態を
観察し、次の3ランクに分けた。 A:端面がすべて揃っている B:端面がほぼ揃い、実用可能 C:端面の一部が不揃いである D:端面のかなりの部分が不揃いである
【0033】(8)摩耗特性 白粉発生量により摩耗特性を評価した。すなわち、フィ
ルムを6mmΦの硬質クロム製固定ピンに接触させなが
ら1000mにわたって走行させ、固定ピンに付着した
摩耗白粉量を目視評価し、下記基準で評価を行った。な
お、フィルム速度は13m/分とし、張力は約200
g、固定ピンへの巻き付け角は135°とした。 ランクA:全く付着しない ランクB:微量付着する ランクC:少量(ランクBよりは多い)付着する ランクD:極めて多く付着する
【0034】(9)粗大突起数 試料10mgを秤量し18×18mmのカバーグラスに
はさみ、280〜290℃でプレスし、直径約10mm
のフィルムを作成し、このフィルムを位相差顕微鏡(1
00倍)で観察し、最大長さ10μm以上の粒子をカウ
ントし、粗大突起数とした。 (10)総合評価 ○:優れており、工業的価値が高い △:製造上およびフィルム特性上に一部欠陥があり工業
的価値は低い ×:製造上およびフィルム特性上に大きな欠陥があり工
業的価値は低い
【0035】実施例1 ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム・四水塩0.09部とを
反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留出
させ、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を
要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を
終了した。次いで平均粒径3.95μm、球形比0.9
8、粒度分布値1.85、比表面積520m2 /gの多
孔質球状シリカ粒子0.05部をエチレングリコールス
ラリーとして添加し、さらにエチレンアシッドフォスフ
ェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を加え
て、4時間重縮合反応を行い、ポリエチレンテレフタレ
ートを得た。
【0036】得られたポリエステルの極限粘度は0.6
3、その内部を顕微鏡で観察したところ粒子が均一に分
散していることが確認された。また、添加前の粒子の平
均粒径、球形比および粒度分布値とフィルム中の粒子の
それらの値はそれぞれ同じであった。次いで上記ポリエ
ステルを用いて二軸延伸ポリエステルフィルムを製造し
た。
【0037】すなわち、ポリエステルを295℃の温度
で押出機よりシート状に押出し、静電印加冷却法を用い
て厚さ173μmの無定形シートを得た。次いで、該無
定形シートをシートの流れ方向に90℃で3.6倍、さ
らにシートの流れと直交する方向に110℃で4.0倍
延伸し、230℃で3秒間熱処理を行った後冷却して、
厚み12μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0038】比較例1〜10および実施例2〜3 下記表1〜3に示すようにフィルム中に含有させる粒子
を変えるほかは実施例1と同様にして二軸延伸フィルム
を得た。なお、実施例2で用いた酸化アルミニウムは熱
分解法により得られたデルタ型の結晶型を有するもので
あり、また実施例3の析出粒子はカルシウム元素、リチ
ウム元素、およびリン元素をそれぞれ1重量%以上含む
粒子である。以上、得られた結果をまとめて下記表1〜
3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明のフィルムは均一な表面を有し、
走行性、耐摩耗性および透明性に優れ、グラフィックア
ーツ、ディスプレー、包装用、転写マーク用、写真製
版、磁気記録媒体、コンデンサー等の電気用等、種々の
用途に適用でき、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01G 9/02 301 H01G 9/02 301

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.3〜15μmで、下記式
    に定義する球形比が0.90〜1.0、下記式に定
    義する粒度分布値が1.2〜2.5、比表面積が100
    〜600m2 /gである多孔質球状シリカ粒子を0.0
    01〜3.0重量%含有することを特徴とするポリエス
    テルフィルム。 【数1】 球形比=粒子の投影面積/粒子投影面における最大径の円相当面積 …… 粒度分布値=d10/d90 …… (上記式中、d10、d90は粒子群の積算体積を大粒子側
    から計測し、それぞれ総体積の10%、90%に相当す
    る粒径(μm)を示す)
JP15300098A 1998-06-02 1998-06-02 ポリエステルフィルム Pending JPH11343352A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013058315A1 (ja) 2011-10-22 2013-04-25 三菱樹脂株式会社 塗布フィルム
WO2015093450A1 (ja) * 2013-12-16 2015-06-25 株式会社勝光山鉱業所 タルク粒子およびそれを含有する有機重合体組成物

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WO2013058315A1 (ja) 2011-10-22 2013-04-25 三菱樹脂株式会社 塗布フィルム
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