JPH11293014A - 電気絶縁用ポリエステルフィルム - Google Patents

電気絶縁用ポリエステルフィルム

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Publication number
JPH11293014A
JPH11293014A JP10290298A JP10290298A JPH11293014A JP H11293014 A JPH11293014 A JP H11293014A JP 10290298 A JP10290298 A JP 10290298A JP 10290298 A JP10290298 A JP 10290298A JP H11293014 A JPH11293014 A JP H11293014A
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JP
Japan
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film
polyester film
naphthalate
polyethylene
electrical insulation
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Application number
JP10290298A
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English (en)
Inventor
Takashi Ueda
隆司 上田
Itsuo Nagai
逸夫 永井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、フィルムの割れや亀裂等を解消し、
さらに漏洩電流と電力損失の低減を図るとともに、耐熱
性、オリゴマーの低減、組み込み後のセット安定性、着
色によるセット組み込み確認の容易性、成形加工性など
を具備した優れた電気絶縁用ポリエステルフィルムを提
供せんとするものである。 【解決手段】本発明の電気絶縁用ポリエステルフィルム
は、フィルムを構成する主たる樹脂がポリエチレン−
2,6−ナフタレートである二軸延伸されたポリエステ
ルフィルムであって、該ポリエステルフィルムのクッシ
ョン率が5〜40%であることを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気絶縁用ポリエス
テルフィルムに関するものであり、さらに詳しくは冷凍
機や空調機などのコンプレッサー用モーター絶縁用途や
電子機器などのプリント配線基板などに使用されるポリ
エステルフィルムに関するものであり、成形加工性、電
力損失の低減、耐熱性、耐絶縁破壊特性、オリゴマーの
低減、組み込み後のセット安定性、着色によるセット組
み込み確認の容易性などを向上させるものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリエステルフィルムは、絶縁
特性と耐熱性、成形加工性の点でバランスのとれた特性
を有することから電気絶縁用フィルムとして広範に使用
されている。
【0003】しかし、近年の電気、電子機器の小型化、
高性能化に伴い、例えば冷凍機などに用いられるコンプ
レッサー用モーター絶縁用途に使用される絶縁フィルム
には、高い耐熱性や冷媒に対してオリゴマーの抽出量が
少なく、かつ耐加水分解性の高いものが要求されるよう
になってきている。このような要求に対して、これまで
電気絶縁用フィルムとして使用されてきたポリエチレン
テレフタレートフィルム(以下PETフィルムと略記す
ることがある)よりも耐熱性に優れ、冷媒に対しオリゴ
マーの抽出量が少なく、かつ耐加水分解性に優れたポリ
エチレン−2,6−ナフタレートフィルム(以下PEN
フィルムと略記することがある)が使用されつつある。
【0004】しかしながら、PENフィルムは、その剛
直な構造のために厚さ方向で層間剥離(劈開)を生じや
すく、ハーメチックモーター等の絶縁材料であるスロッ
トライナーやウエッジ等に使用した場合、その加工の際
にフィルムに割れや亀裂等が生じる問題を有している。
【0005】このような課題に対し、電気絶縁用フィル
ムとして有用なPENフィルムとして特公昭54−19
20号公報、特開昭48−43198号公報、特開昭4
8−43200号公報、特開昭48−53299号公
報、特開昭48−97097号公報、特開昭49−16
76号公報、特開昭49−32200号公報、特開昭4
9−132600号公報、特開昭50−56598号公
報、特開昭62−93991号公報、特開昭62−11
5609号公報、特開平1−232020号公報、特開
平3−96343号公報、特開平4−276443号公
報、特開平5−230196号公報、特開平5−295
137号公報、特開平6−199999号公報、特開平
6−335960号公報、特開平7−211149号公
報、特開平7−285173号公報、特開平9−926
91号公報、特開平9−300451号公報、特開平9
−300452号公報、特開平9−300539号公報
での開示があるが、いずれもフィルムを加工する際の割
れや亀裂等を完全に解消できるものではなかった。
【0006】また上述した従来の電気絶縁用フィルムに
要求されてきた特性に加え、最近では大量の情報を短時
間に処理、伝達する目的で、電子・電気機器の高周波化
が進展してきており、高周波化に伴い電気絶縁材料には
新たな改良が要求されるようになった。具体的には、例
えばプリント回路基盤に用いられる絶縁材料において、
電子機器の高周波化によって生じる伝播電子信号の遅延
を低減することや高速に電子信号を伝播すること、さら
には絶縁材料による電力損失を低減することが要求され
る。一方、電気機器用途においては、例えばモーター用
絶縁材料において、高周波化(インバータ制御)による
漏洩電流の増大や必要以上の絶縁材料による電力消費に
よってモーター内の発熱による温度上昇といった問題が
生じる。
【0007】このような課題に対し、特開平9−100
363号公報には空孔を有し、誘電率が特定値以下の耐
熱性低誘電率プラスチック絶縁フィルムの開示がある。
このフィルムの目的は、機器の高周波化に伴う絶縁部で
の漏洩電流を低減させるために低誘電率化を行うことで
あるが、実際に電気絶縁用途に使用される際、空孔形成
により、コストの上昇や本来素材の持つ成形加工性や耐
熱性が失われることがわかり、実用に耐えるものではな
かった。
【0008】さらに特開昭63−193938号公報、
特開平1−9244号公報、特開平2−29438号公
報、特開平4−202540号公報には、空孔を有する
PENフィルムに対する開示があるが、電気絶縁用とし
て要求される耐熱性、耐絶縁破壊特性、オリゴマーの低
減、組み込み後のセット安定性に耐えるものではなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のPE
Nフィルムを加工する際の割れや亀裂等を解消し、さら
に漏洩電流と電力損失の低減を図るとともに、耐熱性、
オリゴマーの低減、組み込み後のセット安定性、着色に
よるセット組み込み確認の容易性、成形加工性などを具
備した優れた電気絶縁用ポリエステルフィルムを提供せ
んとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、つぎのような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の電気絶縁用ポリエステルフィル
ムは、フィルムを構成する主たる樹脂がポリエチレン−
2,6−ナフタレートである二軸延伸されたポリエステ
ルフィルムであって、該ポリエステルフィルムのクッシ
ョン率が5〜40%であることを特徴とするものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり、漏
洩電流と電力損失の低減を図るとともに、耐熱性、オリ
ゴマーの低減、組み込み後のセット安定性、着色による
セット組み込み確認の容易性、成形加工性などを具備し
た優れた電気絶縁用ポリエステルフィルムについて、鋭
意検討し、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを主成
分とする二軸延伸ポリエステルフィルムとして特定な範
囲のクッション率を有するものを選択して採用してみた
ところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したも
のである。
【0012】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエチレン−2,6−ナフタレートとはエチレン−
2,6−ナフタレンカルボキシレート単位が95mol
%以上のポリエステルであり、5mol%以下の割合で
共重合成分が共重合したものであってもよい。
【0013】上記共重合成分としては、例えばナフタレ
ン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカ
ルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボ
ン酸などのジカルボン酸やプロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールな
どのグリコール、p−オキシ安息香酸などのオキシカル
ボン酸などを使用することができる。
【0014】また、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トとしては、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレン
グリコール等の一部官能性化合物によって末端の水酸基
および/またはカルボキシル基の一部または全部を封鎖
したものであってもよく、あるいはグリセリン、ペンタ
エリスリトール、トリメリト酸、ピロメリト酸などの3
官能以上の成分を極少量(実質的に線状のポリマーが得
られる範囲)共重合したものであっても使用することが
できる。
【0015】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエチレン−2,6−ナフタレートは、その固有粘度
が好ましくは0.4〜1dl/g、より好ましくは0.
5〜0.9dl/g、さらに好ましくは0.55〜0.
85dl/gのものが使用される。固有粘度が0.4d
l/g未満では電気絶縁用途においては耐圧性、耐熱
性、低オリゴマー化、成形加工性、セット組み込み後の
安定性が低下することがあり、固有粘度が1dl/gを
越えると溶融押出が不安定となり、生産性が低下する場
合がある。
【0016】また、かかるポリエチレン−2,6−ナフ
タレートの中でもM/Pが、好ましくは1.8以下、よ
り好ましくは1.4以下、さらに好ましくは1.2以
下、特に好ましくは1.0以下であるものを使用するの
が、常温および高温における絶縁抵抗が向上するので好
ましい。ここでMとは、重合触媒を除く、ポリマー中の
全金属元素量であり、Pはリン元素量であり、M/Pは
そのモル比を示す。
【0017】上記のポリエチレン−2,6−ナフタレー
トには、例えば安定剤、着色剤、帯電防止剤等の添加剤
を含有させることができる。また、ポリエステルフィル
ムの滑り性を改良するためにフィルム表面に凹凸を形成
せしめる添加剤として、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート中に不活性な固体微粒子を配合していてもよい。
かかる固体微粒子としては、例えば二酸化ケイ素、無水
ケイ酸、含水ケイ酸、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミ
ニウム(焼成物、水和物等を含む)、燐酸1リチウム、
燐酸3リチウム、燐酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化
チタン、安息香酸リチウム、およびこれらの化合物の複
塩(水和物を含む)、ガラス粉、粘度(カオリン、ベン
ナイト、白土等を含む)、タルク、炭酸カルシウム等の
無機微粒子やシリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、
メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の樹脂微粒子な
どを用いることができる。かかる固体微粒子は、1種類
であってもよく、2種類以上であってもよい。
【0018】また、かかる固体微粒子の形状は、球状、
塊状あるいは偏平状等のいずれであってもよく、またそ
の硬度、比重、色等についても特に制限はないが、平均
粒径が等価球直径で、好ましくは0.1〜10μm、さ
らに好ましくは0.1〜3μmの範囲のものが使用され
る。また、かかる固体微粒子は、ポリエチレン−2,6
−ナフタレートに対して好ましくは0.001〜5重量
%、さらに好ましくは0.004〜1重量%配合するの
が、フィルムの滑り性を改良する上からよい。
【0019】本発明のポリエステルフィルムは、かかる
ポリエチレン−2,6−ナフタレートを主たる樹脂とし
て用いられるフィルムであるが、二軸延伸フィルムであ
ることが機械的特性、耐熱性、電気的特性、成形加工性
を全て満足するために必要である。
【0020】また、本発明のポリエステルフィルムのク
ッション率は5〜40%である必要があり、好ましくは
7〜35%、最も好ましくは10〜30%である。な
お、クッション率は、次のように求めた値である。すな
わち、三豊製作所(株)製ダイヤルゲージNo.210
9−10に標準測定子900030を用い、更にダイヤ
ルゲージスタンドNo.7001DGS−Mを用いて、
ダイヤルゲージ押さえ部分に50gと500gをかけた
ときのそれぞれのフィルム厚さd50、d500 から次式に
より求められる値である。
【0021】 クッション率(%)=100x(d50−d500 )/d50 本発明においてポリエステルフィルムのクッション率を
5〜40%とすることにより、本発明の目的であるスロ
ットライナーやウエッジ等に使用した場合の加工の際に
フィルムに割れや亀裂等が生じる問題を解消する効果が
奏せられる。この適度なクッション性により、スロット
ライナー成型時のフィルムの折り曲げる際に発生する折
り目に沿った応力の集中を緩和するとともに、モーター
内にスロットライナーやウエッジを装填する際の衝撃を
吸収する結果、フィルムに割れや亀裂が生じなくなるも
のと考察される。クッション率が5%未満では、フィル
ムの割れや亀裂を抑える効果はなく、クッション率が4
0%を越えるとスロットライナーの形態保持性が損なわ
れ、生産性が低下する。
【0022】本発明のクッション率を有するポリエステ
ルフィルムとするためには、フィルム内部に空孔を含有
せしめることが好ましい。空孔をフィルム内部に生成す
る手法は特に限定しないが、(1)押出時に炭酸ガス等
を溶融したポリエチレン−2,6−ナフタレート中に注
入し、発泡押出する手法や(2)ポリエチレン−2,6
−ナフタレートに予め、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートと非相溶な添加剤を添加しておき、溶融押出後、
フィルムを二軸延伸する際の延伸張力により、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートと該非相溶な物質との間で
起こる界面剥離を利用する手法が、電気絶縁用フィルム
として使用する場合、経時で余分なガスがフィルムから
発生することを最小限に抑える手法であることから好ま
しい。なお、予めアゾジカルボンアミドに代表される発
泡剤を添加しておき、二軸延伸後にフィルムに熱を加
え、フィルム内部に空孔を形成する手法では、電気絶縁
材料としてフィルムを装置に装填後、発泡剤の未発泡物
が経時で発泡し、フィルムからガスが発生することから
好ましくない。装填後にフィルムから経時で発生するガ
スは、例えば冷凍機などに用いられるコンプレッサー用
モーター絶縁用途に使用される絶縁フィルムにおいて、
冷媒による冷却効率の低下を招くことがあるので最小限
に抑えることが好ましく、またプリント回路基盤に使用
される絶縁フィルムにおいても、基盤の微妙な寸法変化
を招くので最小限に抑えることが好ましい。
【0023】ポリエチレン−2,6−ナフタレートと非
相溶な添加剤としては、上述した不活性な微粒子やポリ
カーボネート、ポリオレフィン、ポリアミドなどの熱可
塑性樹脂を使用することができる。
【0024】ポリエチレン−2,6−ナフタレートと非
相溶な添加剤として不活性な固体微粒子を用いる場合、
炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、硫酸バリウム、燐酸カルシウム、二酸化ケイ素が好
ましく、特に炭酸カルシウムが効率的に空孔を形成する
ため好ましい。また炭酸カルシウムの結晶形態の50重
量%がカルサイト型であるのが不純物を少なくでき、ま
た不純物が少ない物が得られやすいので更に好ましい。
固体微粒子の形状は、球状、塊状あるいは偏平状等のい
ずれであってもよく、またその硬度、比重、色等につい
ても特に制限はないが、平均粒径が等価球直径で、好ま
しくは0.5〜5μm、特に好ましくは0.8〜2μm
の範囲が効率的に空孔を形成し、それぞれの空孔が連結
せず独立に存在せしめるようにする上から好ましく、さ
らにフィルムの切断端部からの固体微粒子の脱落を最小
限に抑えることができることからも好ましい。また、か
かる添加剤の配合量は、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートに対して、好ましくは5〜30重量%、特に8〜
15重量%であることが本発明のクッション率を有する
フィルムとするために好ましい。
【0025】また、固体微粒子を用いる場合、重合段階
で添加する方法が好ましい。具体的にはエチレングリコ
ールに添加しておく方法などが好ましい。また、炭酸カ
ルシウム粒子の場合は添加時にリン化合物を添加し、黄
化や発泡を防ぐのが好ましい。
【0026】ポリエチレン−2,6−ナフタレートと非
相溶な添加剤として熱可塑性樹脂を用いる場合、ポリオ
レフィンが効率的に空孔を形成するために好ましい。
【0027】ポリエチレン−2,6−ナフタレートと非
相溶な添加剤として用いる熱可塑性樹脂は、溶融押出時
に溶融し、スクリューによるせん断によりポリエチレン
−2,6−ナフタレート中において粒状に存在し、これ
が二軸延伸時に発現する空孔の核となる。この空孔核の
粒径をコントロールするため、相溶化剤を添加してもよ
いが、例えばポリアルキレングリコールまたはその共重
合体など、より具体的にはポリエチレングリコールやポ
リプロピレングリコールなどは絶縁性には問題はない
が、耐熱性を悪化する傾向にあり、界面活性剤等では耐
熱性には問題はないが、絶縁性が悪化する傾向にあるの
で相溶化剤の種類と配合量には注意を要する。
【0028】本発明のポリエステルフィルムの見かけの
密度が0.8〜1.3g/cm3 であることが好まし
く、より好ましくは0.85〜1.2g/cm3 、最も
好ましくは0.9〜1.15g/cm3 であることが絶
縁フィルムによる漏洩電流と電力損失の低減がはかれる
ため好ましい。1.3g/cm3 を越える場合、漏洩電
流と電力損失の低減効果が得られない。一方、0.8g
/cm3 未満では、例えばモーターの励磁用コイル周辺
に装填する際(ウェッジやスロットライナー)、装填後
に折れが起こり、きちんと装填されず、実用上問題を生
じたり、耐熱性に問題を生じる。
【0029】本発明のポリエステルフィルムの劈開強度
は300g/15mm以上、より好ましくは350g/
15mm、最も好ましくは400g/15mm以上であ
ることが成形加工時のフィルムの割れや亀裂を抑える効
果がより顕著となるため好ましい。
【0030】本発明のポリエステルフィルムは必ずしも
単膜フィルムである必要はなく、片面または両面にポリ
エチレン−2,6−ナフタレート(表面粗さを制御する
ために添加する固体微粒子の有無を問わない)の単独層
が積層され、外層のポリエステルフィルムの見かけ密度
が、内層の見かけ密度より大きいことが、機械的強度、
装填(ウエッジやスロットライナー)時、装填後の折れ
防止、フィルム面からの空孔核の脱落を最小限に抑える
ことができることから好ましい。すなわち、外層は本発
明の範囲外の層を有していてもよく、トータルのフィル
ムとして本発明のクッション率を有すればよい。この場
合の被覆層のポリエステルフィルムの全体の厚みに対す
る比率は1/20以上、1/2未満であることが本発明
のポリエステルフィルムの機械的強度、装填時の作業性
の点から好ましい。被覆層のポリエステルフィルムの全
体の厚みに対する比率が1/20未満では、成形加工時
にフィルムに割れや亀裂が生じる場合がある。また、本
発明のポリエステルフィルムは、内層及び被覆層を構成
するポリエチレン−2,6−ナフタレートを融解し、口
金より押し出す前に合流させて押し出し、冷却固化後延
伸を行うことが、被覆層と内層の界面でのフィルムの割
れや亀裂を防止するために好ましい。さらに、内層と被
服層に用いるポリエチレン−2,6−ナフタレートの固
有粘度差が0.1dl/g以下、好ましくは0.05d
l/g以下とすることも被覆層と内層の界面でのフィル
ムの割れや亀裂を防止するために好ましい。
【0031】本発明のポリエステルフィルムの好ましい
中心線平均表面粗さ(Ra)は0.1μm以下であり、
さらに好ましくは0.08μm以下、最も好ましくは
0.06μm以下である。表面粗さがこの値より大きい
と絶縁破壊特性が低下する場合があり、プリント回路基
盤向けには回路のパターンが乱れる原因となる場合があ
る。Raが0.005μm未満であるとフィルムの滑り
性が悪化し取扱が困難となる場合がある。
【0032】本発明のポリエステルフィルムは電気、電
子機器の絶縁材料として前述したモーター用絶縁材料や
プリント回路基盤として好適に用いられるが、その優れ
た誘電特性を利用して自動車用電装部品等の電気配線部
分または家庭用屋内、屋外配線等のフラット電線の構成
材料として、電線を被覆して絶縁保護するために用いら
れる絶縁テープの基材にも好適に用いることができる。
【0033】次に本発明の製造方法の一例について説明
する。
【0034】まず前述したポリエチレン−2,6−ナフ
タレートに非相溶な熱可塑性樹脂や固体微粒子を添加
し、これを押出機に供給し、Tダイより押出し、シート
状に成形する。このシートをポリエステルのガラス転移
温度以上に加熱し、長手方向に延伸する、このフィルム
の両端をクリップで把持しながらテンターに導きガラス
転移温度以上に加熱し、長手に垂直な方向(幅方向)に
延伸し、引続き熱処理(必要により、幅方向、長手方向
に弛緩を加えてもよい)を行うことにより得られる。
【0035】なお、熱処理を行う際の温度は、JIS−
C2318に記載のフィルムの加熱収縮率を保持する必
要性から200〜250℃とすることが好ましい。この
ことから上記非相溶な熱可塑性樹脂の融点が200〜3
00℃であることが本発明のクッション率を達成するた
めに好ましい。上記非相溶な熱可塑性樹脂の融点が20
0℃未満ではフィルムの熱処理において溶融し、空孔の
形態が厚み方向につぶれるため、クッション率が低下す
る場合があり、融点が300℃を越えるとポリエチレン
−2,6−ナフタレートと混合して溶融押出することが
困難となる場合がある。従って上記非相溶な熱可塑性樹
脂としては空孔形成効果の高いポリオレフィンの中でも
ポリメチルペンテン(融点が約240℃)や結晶性ポリ
スチレン(メタロセン触媒を用いて重合した立体規則性
の高いポリスチレンであり、立体構造がシンジオタクチ
ックなポリスチレンで融点が約270℃、立体構造がア
イソタクチックなポリスチレンで融点が約240℃であ
る)を主構成成分とすることが好ましい。また、上記非
相溶な熱可塑性樹脂として極力低い溶融粘度有する樹脂
を選択することが空孔核の粒径を細かくする観点で好ま
しく採用される。溶融粘度を適正化する手法として、熱
可塑性樹脂の重合度を調整したり、共重合により調整す
ることが好ましい。
【0036】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに詳しく
説明する。なお、物性及び評価の測定方法については、
以下に述べる手法により行った。
【0037】(1)クッション率 三豊製作所(株)製ダイヤルゲージNo.2109−1
0に標準測定子900030を用い、更にダイヤルゲー
ジスタンドNo.7001DGS−Mを用いて、ダイヤ
ルゲージ押さえ部分に50gと500gをかけたときの
それぞれのフィルム厚さd50、d500 から次式により求
めた。
【0038】 クッション率(%)=100x(d50−d500 )/d50 (2)見かけ密度 電磁式はかり(研精工業(株)製SD−120L)を用
い、23℃で測定した。
【0039】(3)融点 示差走査熱量計としてセイコー電子工業(株)製DSC
(RDC220)、データ解析装置として同社製ディス
クステーション(SSC/5200)を用いて、サンプ
ル約5mgを室温から昇温速度20℃/minで昇温し
た。このとき観測される融解の吸熱ピークを示す温度を
融点とした。
【0040】(4)劈開強度 測定するフィルムにポリウレタン系プライマーを塗布
し、厚み約2μmの塗膜を形成し、50℃の温度で未延
伸ポリプロピレンフィルム(厚さ100μm、東レ合成
フィルム(株)製)を貼り合わせ、40℃48時間エー
ジングした後に、フィルムの長手方向に幅15mmの短
冊状に切り、一端を剥して、インストロンタイプの引張
試験機に取り付け、貼り合わせ部を剥がした部分に対し
直角に保ち、測定フィルムとポリプロピレンフィルムを
剥離したときの強度を劈開強度とする(5本測定した平
均値)。このときの剥離速度は300mm/minであ
る。このとき測定フィルムの両面について測定を行い、
剥離したときの強度の低い面の値を劈開強度とした。
【0041】(5)中心線平均表面粗さ(Ra) JIS−B0601に準じて、触針式表面粗さ計(小坂
研究所製 SE−3AK)で測定した。
【0042】(6)絶縁破壊強度 JIS−C2151に準じて交流破壊電圧を気中にて測
定した。
【0043】(7)固有粘度 試料を105℃で20分乾燥した後、6.8±0.00
5gを秤量し、o−クロロフェノール中で160℃で1
5分間撹拌して溶解した。冷却後、ヤマトラボテック
(株)AVM−10S型自動粘度測定機により25℃に
おける粘度を測定した。
【0044】(8)引張弾性率 JIS−Z1702に規定された方法に従って、インス
トロンタイプの引張試験機を用いて、25℃、65%R
Hにて測定した。
【0045】(9)体積固有抵抗 JIS−C2318に準じて20℃と120℃について
測定した。
【0046】(10)誘電率、誘電正接、電力損失 JIS−C2318に準じて誘電率(ε)、誘電正接
(tanδ)を1kHzと100kHzについて測定し
た。電力損失は次式により求めた。
【0047】電力損失=εxtanδx(測定周波数) (11)成形加工性 (株)小田原エンジニアリング製・モーター加工機を用
いて、フィルムを12x80mmのサイズ(フィルムの
長手方向を80mmとした)に打ち抜き、さらに折り目
つける加工をトータルの加工速度2個/秒の速度で10
00個のサンプルを作成し、割れや亀裂の発生数をカウ
ントした(耐亀裂性)。また1000個のサンプルのう
ち、割れや亀裂の発生をカウントしなかったものについ
て折り目の内角が90゜以上であるサンプル数をカウン
トした(形態保持性)。いずれの値もカウント数が少な
いほど成形加工性は良好であり、耐亀裂性と形態保持性
のカウント数を合計し10で割った値を不良率(%)と
して求めた。10%以下であれば実用上問題はない。
【0048】さらにスコット型モミ試験機(東洋ボール
ドウィン社製)を用いて、フィルム試料を装置に取付
け、圧縮力を与えた状態で往復運動を与えフィルムが剥
離または劈開するまでの揉回数で表した(モーター組み
込み性)。この値が大きいほど成形加工性は良好であ
る。なお、フィルム試料はフィルムの長手方向を測定
し、圧縮力0.5kg/シートとした。
【0049】(12)オリゴマー量 50mm角に切断したフィルムサンプル16枚を140
℃の熱風オーブン中で2時間乾燥し、重量(抽出前重
量)を測定した。次にソックスレー抽出器用いて沸騰キ
シレン(500ml)で24時間抽出した。抽出したサ
ンプルを取り出し、水の入った超音波洗浄機で6分間洗
浄するのを3回繰り返し、軽くガーゼで表面に付着して
いるキシレンを軽く拭き取った。最後に抽出したサンプ
ルを160℃の熱風オーブン中で8時間乾燥し、重量
(抽出後重量)を測定して、以下の式でオリゴマー量を
求めた。
【0050】オリゴマー量(%)=100x(抽出前重
量−抽出後重量)/抽出前重量 (13)耐熱性 フィルムサンプルを180℃の窒素置換したオーブン中
で曝露し、50時間ごとに試料を取り出し、引張伸び率
を測定し、初期値の1/2になるまでの時間で示した。
引張伸び率の測定はASTM D882−61Tにより
測定した。この値が大きいほど耐熱性は良好である。
【0051】(14)絶縁材料としての総合評価 以下の判断基準で評価した ◎:成形加工性と耐熱性、電力損失が両立され、いずれ
も顕著に良好。
【0052】○:成形加工性が良好で、耐熱性と電力損
失に改善効果が認められる。
【0053】△:成形加工性が実用上問題なく、耐熱性
と電力損失に改善効果が認められる。
【0054】×:成形加工性が実用に耐えない。
【0055】(15)フィルム厚さ JIS−C2318に準じて測定した。
【0056】実施例1 ジメチル−2,6−ナフタレート103重量部、エチレ
ングリコール60重量部と酢酸カルシウム0.09重量
部を触媒として常法に従いエステル交換反応せしめ、ト
リメチルホスフェート含有量0.20重量%含有したエ
チレングリコール溶液を添加し、さらに平均粒径1.4
μmの炭酸カルシウムを11重量%含有したエチレング
リコールスラリーを添加し、次いで三酸化アンチモン
0.03重量部を触媒として重縮合反応を行い固有粘度
0.65のポリエチレン−2、6−ナフタレートを得
た。このポリエチレン−2、6−ナフタレートを295
℃に加熱した押出機に供給した。また、別の押出機に、
フィルム両面の外層として、ジメチル−2,6−ナフタ
レート103重量部、エチレングリコール60重量部と
酢酸カルシウム0.09重量部を触媒として常法に従い
エステル交換反応せしめ、さらに平均粒径0.6μmの
真球状シリカ粒子0.3重量部を含有したエチレングリ
コールスラリーとして添加し、次いで三酸化アンチモン
0.03重量部を触媒として重縮合反応を行った固有粘
度0.65のポリエチレン−2、6−ナフタレートを真
空乾燥したのち、295℃に加熱した押出機に供給し、
Tダイより3層複合シートを押出し、表面温度30℃の
冷却ドラムで冷却固化し、未延伸フィルムを得た。さら
にこのフィルムを120℃に加熱し、長手方向に3.2
倍延伸し、引き続き130℃に加熱したテンターで幅方
向に3.5倍延伸し、230℃で熱処理を行い、室温ま
で均一に冷却後巻取り、250μmのフィルムを得た
(被服層の厚みは両面とも25μmであった)。評価し
たフィルムの特性を表1に示し、実用特性を表2に示し
た。
【0057】比較例1 ジメチル−2,6−ナフタレート103重量部、エチレ
ングリコール60重量部と酢酸カルシウム0.09重量
部を触媒として常法に従いエステル交換反応せしめ、さ
らに平均粒径0.6μmの真球状シリカ粒子0.3重量
部を含有したエチレングリコールスラリーとして添加
し、次いで三酸化アンチモン0.03重量部を触媒とし
て重縮合反応を行い固有粘度0.65のポリエチレン−
2、6−ナフタレートを得た。
【0058】このポリエチレン−2、6−ナフタレート
を真空乾燥したのち、295℃に加熱した押出機に供給
し、Tダイより押し出し30℃の冷却ドラムで冷却固化
し、未延伸フィルムを得た。さらにこのフィルムを12
0℃に加熱し、長手方向に3.2倍延伸し、引き続き1
30℃に加熱したテンターで幅方向に3.5倍延伸し、
230℃で熱処理を行い、室温まで均一に冷却後巻取
り、250μmのフィルムを得た。評価したフィルムの
特性を表1に示し、実用特性を表2に示した。
【0059】比較例2 ジメチル−2,6−ナフタレート103重量部、エチレ
ングリコール60重量部と酢酸カルシウム0.09重量
部を触媒として常法に従いエステル交換反応せしめ、次
いで三酸化アンチモン0.03重量部を触媒として重縮
合反応を行い固有粘度0.65のポリエチレン−2、6
−ナフタレートを得た。このポリエチレン−2、6−ナ
フタレートにポリメチルペンテン(三井石油化学工業
(株)製“TPX”DX820)を添加量0.5重量%
添加し、295℃に加熱した押出機に供給した。また、
別の押出機に、フィルム両面の外層として、比較例1で
用いたポリエチレン−2、6−ナフタレートを真空乾燥
したのち、295℃に加熱した押出機に供給し、Tダイ
より3層複合シートを押出し、表面温度30℃の冷却ド
ラムで冷却固化し、未延伸フィルムを得た。さらにこの
フィルムを120℃に加熱し、長手方向に3.2倍延伸
し、引き続き130℃に加熱したテンターで幅方向に
3.5倍延伸し、230℃で熱処理を行い、室温まで均
一に冷却後巻取り、250μmのフィルムを得た(被服
層の厚みは両面とも25μmであった)。評価したフィ
ルムの特性を表1に示し、実用特性を表2に示した。
【0060】実施例2 ポリメチルペンテン(三井石油化学工業(株)製“TP
X”DX820)の添加量を2重量%にした以外は比較
例2と同様にして250μmのフィルムを得た(被服層
の厚みは両面とも25μmであった)。評価したフィル
ムの特性を表1に示し、実用特性を表2に示した。
【0061】実施例3 ポリメチルペンテンをポリプロピレン(三井東圧化学
(株)製“ノーブレン”FO850)とし、添加量を1
0重量%にした以外は比較例2と同様にして250μm
のフィルムを得た(被服層の厚みは両面とも25μmで
あった)。評価したフィルムの特性を表1に示し、実用
特性を表2に示した。
【0062】実施例4 ポリメチルペンテンとして三井石油化学工業(株)製
“TPX”DX820よりも粘度の高い“TPX”DX
845を用い、添加量を7重量%にした以外は比較例2
と同様にして250μmのフィルムを得た(被服層の厚
みは両面とも25μmであった)。なお、本フィルムは
ポリエチレン−2,6−ナフタレート中のポリメチルペ
ンテンの分散斑により、延伸が安定しなかった。評価し
たフィルムの特性を表1に示し、実用特性を表2に示し
た。
【0063】実施例5 固有粘度が0.48のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートを用い(内層、被服層とも)、ポリメチルペンテン
の添加量を7重量%にした以外は比較例2と同様にして
250μmのフィルムを得た(被服層の厚みは両面とも
25μmであった)。評価したフィルムの特性を表1に
示し、実用特性を表2に示した。
【0064】実施例6 ポリメチルペンテンの添加量を7重量%にした以外は比
較例2と同様にして250μmのフィルムを得た(被服
層の厚みは両面とも25μmであった)。評価したフィ
ルムの特性を表1に示し、実用特性を表2に示した。
【0065】実施例7 ポリメチルペンテンの添加量を7重量%にし、平均分子
量が4000のポリエチレングリコールを0.5重量%
を内層に添加した以外は比較例2と同様にして250μ
mのフィルムを得た(被服層の厚みは両面とも25μm
であった)。評価したフィルムの特性を表1に示し、実
用特性を表2に示した。
【0066】実施例8 ジメチル−2,6−ナフタレート103重量部、エチレ
ングリコール60重量部と酢酸カルシウム0.09重量
部を触媒として常法に従いエステル交換反応せしめ、次
いで三酸化アンチモン0.03重量部を触媒として重縮
合反応を行い固有粘度0.65のポリエチレン−2、6
−ナフタレートを得た。このポリエチレン−2、6−ナ
フタレートにポリメチルペンテン(三井石油化学工業
(株)製“TPX”DX820)を添加量7重量%添加
し、295℃に加熱した押出機に供給し、Tダイより単
膜シートを押出し、表面温度30℃の冷却ドラムで冷却
固化し、未延伸フィルムを得た。さらにこのフィルムを
120℃に加熱し、長手方向に3.2倍延伸し、引き続
き130℃に加熱したテンターで幅方向に3.5倍延伸
し、230℃で熱処理を行い、室温まで均一に冷却後巻
取り、250μmのフィルムを得た。評価したフィルム
の特性を表1に示し、実用特性を表2に示した。
【0067】実施例9 ポリメチルペンテンの添加量を12重量%にした以外は
比較例2と同様にして250μmのフィルムを得た(被
服層の厚みは両面とも25μmであった)。評価したフ
ィルムの特性を表1に示し、実用特性を表2に示した。
【0068】比較例3 ポリメチルペンテンの添加量を18重量%にした以外は
比較例2と同様にして250μmのフィルムを得た(被
服層の厚みは両面とも25μmであった)。評価したフ
ィルムの特性を表1に示し、実用特性を表2に示した。
【0069】
【表1】
【表2】
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、成形加工性、耐熱性、
耐絶縁破壊特性、オリゴマーの低減、組み込み後のセッ
ト安定性、着色によるセット組み込み確認の容易性など
を向上した優れた電気絶縁用ポリエステルフィルムを提
供することができ、かかる電気絶縁用ポリエステルフィ
ルムは、誘電率と誘電正接を小さくすることもできるの
で、絶縁材料による電力損失を小さくすることができる
という利点を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29C 55/12 B29C 55/12 B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムを構成する主たる樹脂がポリエチ
    レン−2,6−ナフタレートである二軸延伸されたポリ
    エステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムの
    クッション率が5〜40%であることを特徴とする電気
    絶縁用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】該ポリエステルフィルムの見かけの密度
    が、0.8〜1.3g/cm3 であることを特徴とする
    請求項1に記載の電気絶縁用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】該ポリエステルフィルムを構成する樹脂
    が、ポリエチレン−2,6−ナフタレートと、その非相
    溶性添加剤とからなることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の電気絶縁用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】該非相溶性添加剤が、ポリオレフィンであ
    ることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の電
    気絶縁用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】該ポリオレフィンの融点が、200〜30
    0℃であることを特徴とする請求項4に記載の電気絶縁
    用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】該ポリオレフィンが、主にポリメチルペン
    テンまたは結晶性ポリスチレンであることを特徴とする
    請求項4または5に記載の電気絶縁用ポリエステルフィ
    ルム。
  7. 【請求項7】該ポリエチレン−2,6−ナフタレートの
    固有粘度が、0.4〜1dl/gであることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の電気絶縁用ポリエス
    テルフィルム。
  8. 【請求項8】該ポリエステルフィルムが、その内層の見
    かけ密度より、外層または被覆層が大きい見かけ密度を
    有するものであることを特徴とする請求項2〜7のいず
    れかに記載の電気絶縁用ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】該ポリエステルフィルムの劈開強度が、3
    00g/15mm以上であることを特徴とする請求項1
    〜8のいずれかに記載の電気絶縁用ポリエステルフィル
    ム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002030170A (ja) * 2000-05-11 2002-01-31 Toyobo Co Ltd 空洞含有ポリエステル系フィルム
JP2002047368A (ja) * 2000-05-22 2002-02-12 Toyobo Co Ltd 空洞含有ポリエステル系フィルム
JP2002088143A (ja) * 2000-07-14 2002-03-27 Toray Ind Inc 成形用ポリエステルフィルム
JP2009166378A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Sun A Kaken Co Ltd 積層体および電子レンジ加熱用包装体
WO2013111635A1 (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 日東電工株式会社 電気絶縁性シート

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