JP2003082199A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JP2003082199A
JP2003082199A JP2001271517A JP2001271517A JP2003082199A JP 2003082199 A JP2003082199 A JP 2003082199A JP 2001271517 A JP2001271517 A JP 2001271517A JP 2001271517 A JP2001271517 A JP 2001271517A JP 2003082199 A JP2003082199 A JP 2003082199A
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JP2001271517A
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Tetsuya Tsunekawa
哲也 恒川
Masahito Horie
将人 堀江
Takuji Toudaiji
卓司 東大路
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低オリゴマー性であって、ヤング率などの機
械特性や加工性に優れ、高密度磁気記録分野、電気絶縁
分野などの様々な用途に好適に適用できる高品質のポリ
エステルフィルムを提供する。 【解決手段】 平均細孔径が1〜10nmであるメソポ
ーラス物質を含有する二軸配向ポリエステルフィルムで
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、品質を大幅に向上
させ得る新規な二軸配向ポリエステルフィルムに関す
る。さらに詳しくは、磁気記録、電気絶縁、電気・電
子、光学、包装などの各種用途において好適に用いるこ
とができる、低オリゴマー性であり、加工性に優れた高
品質のポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムは、他の素材から
は得られないような大面積のフィルムの連続生産が可能
であり、その強度、耐久性、透明性、柔軟性、表面特性
の付与などの特長を活かして、磁気記録用、農業用、包
装用、建材用など、大量に需要のある分野で用いられて
いる。中でも、二軸配向ポリエステルフィルムは、その
優れた機械的特性、熱的特性、電気的特性および耐薬品
性のために、様々な分野で利用されている。しかし、近
年、高機能化の要求が高まるなかで、従来のポリエステ
ルフィルムはフィルム中に含有するオリゴマーが様々な
問題を引き起こし、生産性が低下したり、最終製品の性
能に影響を与えることが多々あり、各種工業材料用途へ
の展開に際して制限があった。例えば、磁気記録用途で
は、小型化および長時間記録化を目指して、テープの高
密度記録化が進められており、磁気抵抗効果を利用した
MRヘッドが必須となっているが、同ヘッドの摩耗・破
損の観点で問題視されているオリゴマーを十分に低減さ
せる有効な手段がなかった。また、電気絶縁用途におい
ても従来からオリゴマー低減は永遠の課題であり、抜本
的にオリゴマーを低減させる新規な手法が求められてい
たが有効な手段が見出されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低オリゴマ
ー性であって、ヤング率などの機械特性や、加工性にも
優れ、高密度磁気記録分野、電気絶縁分野などの様々な
用途に好適に適用できる高品質のポリエステルフィルム
を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、平均細孔径
が1〜10nmであるメソポーラス物質を含有すること
を特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムにより達成
される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の二軸配向ポリエ
ステルフイルムの望ましい実施の形態について説明す
る。
【0006】本発明でいう、ポリエステルとは、ジオー
ルとジカルボン酸の縮重合により得られるポリマーを少
なくとも80重量%含有するポリマーである。ジカルボ
ン酸とは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などで
代表されるものであり、また、ジオールとは、エチレン
グリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどで代表さ
れるものである。具体的には、例えば、ポリメチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、
ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p
−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキサン
ジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートを挙げることができる。勿論、これらのポリ
エステルは、ホモポリマーであってもコポリマーであっ
てもよい。コポリマーの場合、共重合成分として、例え
ば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、アジピ
ン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分、ヒド
ロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸など
のヒドロキシカルボン酸成分を含有していても良い。
【0007】本発明の場合、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびこれら
の共重合体および変成体が好ましく、中でもエチレンテ
レフタレート単位を少なくとも70モル%以上含有する
ポリマーが本発明の効果発現の観点から特に好ましい。
この場合、酸成分は、テレフタル酸が主成分であるが、
少量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよく、また
グリコール成分は、エチレングリコールを主成分とする
が、他のグリコール成分を共重合成分として加えてもよ
い。テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えば
ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルス
ルフォンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、
4、4´−ジフェニルジカルボン酸、3、3´−ジフェ
ニルジカルボン酸、などの芳香族ジカルボン酸、アジピ
ン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸、1、3−アダマンタンジカルボン酸などの脂
環族ジカルボン酸をあげることができる。また、エチレ
ングリコール以外のグリコール成分としては、例えば、
クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4、4
´−ジヒドロキシビフェニル、4、4´−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフォン、4、4´−ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、4、4´−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、p−キシレングリコールなどの芳香族ジオール、
1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、
1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1、4−シクロヘキサンジメタノールなど、1、4−ブ
タンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコールなどの脂肪族、脂環式ジオールをあげるこ
とができる。また、さらに酸成分、グリコール成分以外
に、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香
酸、2、6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロ
キシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミ
ノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度の少量
であればさらに共重合せしめることができる。
【0008】本発明で使用するポリエステルの原料の固
有粘度は、メソポーラス物質との溶融混練性、製膜性、
溶融押出時のポリマー分解等の観点から、好ましくは
0.58〜1.2dl/g、より好ましくは0.60〜
0.90dl/gである。
【0009】本発明で使用するポリエステル原料は、リ
ン化合物に対する金属化合物の割合(M/P)が0.6
以上、2.4以下であることが、フィルム成形加工時に
おけるオリゴマーの再生を抑止するために効果的であ
り、本発明の目的とする低オリゴマー性フィルムを得る
上で好ましい。ここで、Mはポリエステル中に含有され
る金属元素量(ppm)から換算した金属化合物のモル数
であり、Pはポリエステル中に含有されるリン元素量
(ppm)から換算したリン化合物のモル数である。ポリ
エステル原料のより好ましいM/Pは0.75以上,
1.2以下である。以下に、ポリエステル原料を得る具
体例を示すが、本発明はこれらの説明に制約を受けない
ことは無論である。
【0010】ジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体
と、エチレングリコール等のグリコール成分とをエステ
ル化あるいはエステル交換触媒の存在下、加熱溶解して
常法によりエステル化もしくはエステル交換反応させ
る。ここで、エステル化もしくはエステル交換反応が終
了した後、M/Pが上記範囲になるように金属化合物も
しくはリン化合物を添加し、次いで常法により昇温、減
圧にして重縮合反応し、固有粘度が0.5程度のポリエ
ステルを得る。得られたポリエステルは、チップ状で、
減圧下もしくは常圧下、あるいは窒素雰囲気下で適当な
条件を選んで加熱することによって固相重合しても良
い。固相重合温度、および固相重合時間の条件は、ポリ
エステルに添加する金属化合物の種類および量、リン化
合物の種類および量、固有粘度などにより適宜変更する
ことができる。高い固有粘度を有するポリエステルを得
るためには、あらかじめ180℃以下の温度で予備結晶
化させた後、190〜250℃で1torr程度の減圧
下、10〜35時間固相重合するのが好ましい。また、
重縮合反応における重合触媒としては、通常のポリエス
テルの重合触媒を適宜使用することができ、例えば、3
酸化アンチモン等のアンチモン系、2酸化マンガン等の
マンガン系、2酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム系、
各種チタン系、アルミニウム系化合物が挙げられる。
【0011】本発明で言うメソポーラス物質とは、例え
ばメソポーラスシリカのように平均細孔径がnmオーダー
で、かつ均一な細孔径を有するものである。メソポーラ
スシリカは、細孔径が均一であることにおいてシリカゲ
ルのような従来のシリカと異なるものである。これは、
1992年にモービル(J. Am. Chem. Soc., vol. 114,1083
4(1992).)、1993年に豊田中研(J. Chem. Soc., Chem.
Commun.680(1993).)により報告された新規なシリカで
あり、均一なハニカム構造を有するMCM-41、FSM-16等が
代表的な例である。本発明で言うメソポーラス物質はメ
ソポーラスシリカのみには限定されず、アルミニウムや
チタン等の異種金属や有機物を一部に含むメソポーラス
シリカ誘導体でも、アルミニウムやチタン等の金属酸化
物およびそれらの誘導体、およびこれらが複合されてい
るものでも良い。これらの中でメソポーラスシリカが本
発明の効果を得る上で特に好ましい。
【0012】本発明のメソポーラス物質の平均細孔径は
1〜10nmである必要がある。詳細なメカニズムは不
明であるが、フィルム中にメソポーラス物質を含有する
場合、フィルム表面へのオリゴマー析出が抑止されるば
かりでなく、驚くべき事に、延伸による分子鎖の配向が
高まり易くなり、ヤング率が向上する。但し、これらの
優れた効果が発揮されるためには、メソポーラス物質の
平均細孔径が1〜10nmであることが必要である。即
ち、平均細孔径が1nm未満であると本発明の効果が得
られず、また、これとは逆に平均細孔径が10nmを越
えると、本発明で目的とするオリゴマー析出を抑止する
効果や機械特性の改善効果が殆ど得られなくなる。平均
細孔径は1.5〜8nmであることがより好ましく、2
〜7nmがさらに好ましい。
【0013】細孔径の均一性は、例えば特開平9−31
0282号公報記載のように、細孔直径分布曲線におい
て、中心細孔径の値を中心にして±40%の細孔径範囲
内に含まれる細孔容積の総和により評価することが可能
であり、本発明で言うメソポーラス物質では、上記細孔
径範囲内の細孔容積総和が全細孔容積の60%以上を占
めるものである。例えば、本発明の参考例で作成したメ
ソポーラスシリカは、全てにおいて、上記細孔径範囲内
の細孔容積総和が全細孔容積の70%以上を占めるもの
であった。一方、通常のシリカであるシリカゲルではこ
れが50%未満である。ここで、細孔直径分布曲線と
は、細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/d
D)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線のことで
あり、窒素ガスの等温吸着曲線から作成することができ
る。これは、メソポーラス物質に液体窒素温度(−19
6℃)で窒素ガスを導入し、その吸着量を定容量法また
は重量法で求める。導入する窒素ガスの圧力を徐々に増
加させ、各平衡圧力に対する窒素ガスの吸着量をプロッ
トすることにより、等温吸着曲線を描く。これからCran
ston-Inklay法、Pollimore-Heal法の計算法を用いて、
細孔直径分布曲線を求めることができる。例えば、「中
心細孔径の±40%の細孔径範囲内に含まれる細孔容積
の総和が全細孔容積の60%以上を占める」とは、細孔
直径分布曲線におけるメソポーラス物質の最大のピーク
(中心細孔径)が3.2nmであるとすると、細孔径が
1.9〜4.5nmの範囲内にある細孔容積の総和が、
全細孔容積の60%以上を占めていることを意味するも
のである。
【0014】本発明では、前記メソポーラス物質の含有
量は0.01重量%以上、10重量%以下であることが
好ましい。含有量が10重量%を越えると、メソポーラ
ス物質の凝集が顕著となってフィルム表面性を悪化させ
たり、製膜時にフィルムの破れ頻度が高くなる。また、
一方、これとは逆に含有量が0.01重量%未満では本
発明の効果が得られにくくなるので注意すべきである。
メソポーラス物質のより好ましい含有量は0.05重量
%以上、5重量%以下であり、さらに好ましくは0.1
重量%以上、3重量%である。
【0015】前記メソーポーラス物質の比表面積は、表
面オリゴマー析出量および溶媒によるオリゴマー抽出量
を低減させる観点から500m2/g以上であることが
好ましい。メソポーラス物質の比表面積が500m2
g未満では本発明で目的とする効果が得られにくくな
る。より好ましい比表面積は700m2/g以上、さら
に好ましくは1000m2/g以上である。
【0016】本発明のメソポーラス物質の平均凝集粒子
径は0.01〜3μmの範囲であれば、フィルムの機械
特性、製膜性を損なわれにくいので好ましい。より好ま
しい平均凝集粒子径は0.02〜1μmであり、さらに
好ましくは0.05〜0.3μmである。
【0017】フィルムの長手方向のヤング率(YMD)と
幅方向のヤング率(YTD)の和(Y MD+YTD)は7〜2
5GPaであることが好ましく、8〜20GPaである
ことがさらに好ましい。ヤング率の和が7GPa未満で
は、ヤング率および熱収縮率の改善効果が顕著に現れ
ず、また表面オリゴマー析出量が増加して、磁気テープ
用ベースフィルムとして支障を来すことがある。また、
これとは逆にヤング率の和が25GPaを越えると、フ
ィルム中のボイドが増加し、フィルム破れが多発してフ
ィルムの生産性が悪化するので注意が必要である。フィ
ルムを構成するポリエステルがエチレンテレフタレート
を少なくとも70モル%以上含むポリマーでは、上記ヤ
ング率の和は7〜15GPaがさらに好ましい。高いヤ
ング率を必要としない一般工業材料用途、例えば電気絶
縁用途においてもヤング率が7GPa未満では、フィル
ムの挿入加工性が不足するので注意すべきである。ま
た、フィルムを構成するポリエステルがエチレン−2,
6−ナフタレートを少なくとも70モル%以上含むポリ
マーでは、上記ヤング率の和は11〜20GPaがさら
に好ましい。
【0018】本発明のフィルムは、磁気記録テープ用途
ではフィルムの長手方向の100℃熱収縮率は、0%以
上、2.0%以下であることが好ましい。長手方向の熱
収縮率を0%未満とすることは実質的に難しく、実用上
の必須要件でない。また、これとは逆に長手方向の熱収
縮率が2.0%を越えると磁気テープ加工した際にエー
ジング工程での巻き締まりが大きく、シワの発生が多発
したり、品位を低下させる原因となることが多いので注
意すべきである。より好ましい長手方向の熱収縮率は
0.2%以上、1.5%以下、さらに好ましくは0.2
%以上、1.0%以下である。また、電気絶縁用途で
は、150℃の熱収縮率が1.2%以下であることが好
ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。
【0019】フィルムの固有粘度は、特に限定されない
が、0.60〜1.2dl/gの範囲にあることが好ま
しい。固有粘度は、フィルムの生産性および本発明で目
的とするフィルム表面へのオリゴマー析出量および溶媒
によるオリゴマー抽出量、ならびにフィルムの製膜、加
工性を実現する観点から0.62〜0.0.85dl/
gがより好ましい。
【0020】本発明で用いるポリエステル樹脂には、必
要に応じて各種添加物を添加してもよい。添加物として
は、各種無機滑剤、有機滑剤を用いることが出来る。そ
の形状としては凝集粒子、真球状粒子、数珠状粒子、コ
ペイトウ状粒子、燐片状粒子等の各種形状のものを使用
できる。その材質としては、無機粒子の場合、酸化珪
素、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、ジルコニ
ア、珪酸アルミニウム、マイカ、クレー、タルク等を挙
げることができる。有機粒子の場合、その材質として
は、ポリイミド系樹脂、オレフィン或いは変性オレフィ
ン系樹脂、架橋乃至無架橋ポリスチレン系樹脂、架橋或
いは無架橋アクリル樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹
脂を挙げることができる。また、有機滑剤としてステア
リン酸アミド、オレイン酸アミド、フマール酸アミド等
の各種アミド化合物を添加したり、各種酸化防止剤、チ
ヌビン系等の各種耐候剤、燐系、臭素系の各種難燃剤を
添加することも出来る。
【0021】本発明に係るフイルムは、二軸方向に延伸
されてなることが必要である。又その構成としては単
膜、2層以上の積層体を挙げることができる、積層する
樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート等の前記ポリエ
ステル樹脂組成物がコスト、品質のバランスから好適で
ある。
【0022】本発明のフィルムの厚みは、目的に応じて
適宜決定できる。本発明のフィルムが好適に使用できる
高密度磁気記録テープ用途では、フィルムの厚みは、1
μm以上、9μm以下であり、好ましくは、3μm以
上、7μm以下である。フィルムの厚みが1μm未満で
は、フィルムのスティフネスが低いため、テープ走行時
に座屈が生じたり、ヘッドタッチが悪いため、所望の電
磁変換特性が得られにくくなる場合がある。また、電気
絶縁用途では、フィルムの厚みは10μm以上、500
μm以下であり、好ましくは、25μm以上、300μ
m以下である。フィルムの厚みが10μm未満では、電
気絶縁性が不足し、一方、500μmを越えると、フィ
ルムが堅くなり加工適性が不良となるので注意すべきで
ある。
【0023】本発明のフィルムでは、オリゴマー析出抑
止性、加工特性の観点から、フィルムの密度は1.36
g/cm3以上、1.41g/cm3未満であることが好
ましい。フィルムの密度がこの範囲を越えると、低オリ
ゴマー析出性で製膜性に優れたフィルムが得られにくく
なる。フィルムの厚みむらは、各種用途への展開を考慮
すると15%以下であることが好ましく、10%以下が
さらに好ましく、5%以下が最も好ましい。本発明で目
的とするオリゴマー析出抑止効果、機械特性改善効果に
加えて、前記の小さな厚みむらを達成するには、本発明
で開示する処方でメソポーラス物質を選択して使用する
のが有効である。
【0024】本発明のフィルムの製造法は何等制限され
るものではなく、例えば次のような方法によって製造す
ることが出来る。使用するメソポーラス物質はベースと
なるポリエステルの重合時に添加すると、ポリマー中で
の分散性に優れ、製膜時におけるフィルター詰まりによ
る濾圧上昇や粗大凝集粒子によるフィルム破れが抑制で
きるので好ましい。また、使用するポリエステルとメソ
ポーラス物質を重合工程から溶融押出工程までの間で混
練すると、重合時添加の場合に比べ添加率を自由に選択
できるメリットがある。この後添加の方法では、ポリエ
ステルとメソポーラス物質をあらかじめ二軸混練押出機
等で混練して一旦ペレット化し、同ペレットを溶融押出
成形機に供給するのが有効である。また、チップにメソ
ポーラス物質の粉体を混合して溶融押出を行っても良い
ことは無論である。
【0025】上述したように、ポリエステル中に重合時
添加、溶融混練時添加、或いは高濃度マスター原料を混
合する等の方法を適宜組み合わせて、必要に応じて所定
粒子、添加剤を添加した原料を、水分率70ppm以
下、好ましくは50ppm以下に乾燥した後、押出機を
用いて溶融し、口金を用いてシート状に押出し、30〜
100℃の冷却ロール上で冷却する。フィルムに成形す
る際の溶融押出では、ポリマーが完全に融解するまで固
相と液相を分離する観点で有効なバリアフライト型のス
クリューを使用し、溶融時に剪断発熱を抑制して、ポリ
マー温度を290〜310℃の温度範囲に制御し、滞留
時間2分〜45分で溶融成形することが本発明のフィル
ムを得る上で有効である。
【0026】次いで、得られたシート状物を、縦方向に
延伸した後、横方向に延伸する、もしくは横方向に延伸
した後、縦方向に延伸する逐次二軸延伸法によって、ま
たは同時二軸延伸法によって、フィルムに二軸配向性を
付与する。以下では、最も一般的に用いられる逐次二軸
延伸法による具体例を示すが本発明が以下の説明に限定
されないことは無論である。
【0027】まず、複数のロール群によって加熱したフ
ィルムを90〜170℃の延伸温度、2.5〜5倍の倍
率で一段階もしくは2段階以上の多段階で長手方向(縦
方向)に延伸し、更に該フィルムをクリップで把持して
テンターに導き、90〜180℃の延伸温度、2.5〜
5倍の倍率で幅方向(横方向)に延伸する。磁気記録媒
体用途などで強力化フィルムを得る場合には、必要に応
じて更に長手方向または/および幅方向に110〜18
0℃で1.01〜2.5倍延伸を施す。延伸後の熱処理
は、代表的には100〜250℃で行うが、本発明で
は、180〜245℃で熱処理することが好ましい。熱
処理後の冷却工程では、弛緩処理を行うことが好まし
く、120〜230℃の温度域で、フィルムの縦および
横方向について、個別又は同時に0.5%以上、7%以
下の割合で弛緩処理することが本発明のフィルムを得る
上で好適である。また、得られたロール状のフィルムを
70〜120℃で1時間〜10日間加熱処理したり、ま
た熱固定されたフィルムを再度熱処理することもでき
る。電気絶縁用途では、熱固定前または熱固定後のフィ
ルムを、キシレンやクロロホルムなどの溶媒で処理し、
フィルム中の低分子化合物を抽出除去後、再度フィルム
を加熱処理することもできる。このようにすると、未処
理のフィルムに比較して、冷媒などで抽出されるオリゴ
マー等、低分子量体の含有量が少なく、かつ加工特性に
も優れた二軸配向フィルムを得ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
【0029】[測定方法]本発明の説明に使用した各特
性の測定方法は以下の通りである。 (1)固有粘度 オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度
から、下式で計算した値を用いた。すなわち、 ηsp/C=[η]+K[η]2・C ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、
Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/1
00ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.34
3とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオスト
ワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で
示す。 (2)メソポーラス物質の平均細孔径 メソポーラス物質に液体窒素温度(−196℃)で窒素
ガスを導入し、その吸着量を求める。導入する窒素ガス
の圧力を徐々に増加させ、各平衡圧力に対する窒素ガス
の吸着量をプロットすることにより、等温吸着曲線を描
く。そして、ケルビン式を利用し平均細孔径を求めた。
【0030】(3)メソポーラス物質の比表面積 上記(2)の測定法において求めたチッソガスによる等
温吸着曲線に、BET法を適用し、BET比表面積を求
めた。 (4)メソポーラス物質の平均凝集粒子径 メソポーラス物質を水またはアルコールに分散させ、HO
RIBA社製粒径分析装置LA-700を用いて体積平均粒径を求
めた。 (5)フィルムのヤング率 ASTM−D882に規定された方法に従って、インス
トロンタイプの引張試験機を用いて測定した。測定は下
記の条件とした。 測定装置:オリエンテック(株)製フイルム強伸度自動
測定装置 “テンシロンAMF/RTA−100” 試料サイズ:幅10mm×試長間100mm、 引張り速度:10mm/分 測定環境:温度23℃、湿度65%RH
【0031】(6)フィルムの熱収縮率 JIS C2318に従って、下記の条件にて熱収縮率
を測定した。 試料サイズ:幅10mm、標線間隔200mm 測定条件1:温度100℃、処理時間30分、無荷重状
態 測定条件2:温度150℃、処理時間30分、無荷重状
態 熱収縮率は次式より求めた。 熱収縮率(%)=[(L0−L)/L0]×100 L0:加熱処理前の標線間隔 L :加熱処理後の標線間隔
【0032】(7)表面オリゴマーの析出抑止性 フィルムを150℃で30分、オーブン中に放置し、低
分子量体を強制的にフィルム表面に析出させる。フィル
ムの表面をアルミ蒸着して、微分干渉顕微鏡をもちいて
総合倍率400倍で、25視野観察する。各視野での低
分子量体の個数を数え、その総数を表面オリゴマ析出個
数(個/mm2)とした。その個数が100個/mm2
下であり、かつ、低分子量体の大きさが、表面写真上で
1mmより小さいものを良とした。1mm以上あるもの
や100個/mm2より多いものを不良とした。
【0033】(8)破れ頻度 製膜に伴うフイルム破れを観察して、次の基準で判定し
た。 ◎:フィルム破れが皆無である場合 ○:フィルム破れが極まれに生じる場合 △:フィルム破れが時々生じる場合 ×:フィルム破れが頻発する場合
【0034】(9)フィルムの長手方向厚みむら アンリツ株式会社製フィルムシックネステスター「KG
601A」および電子マイクロメータ「K306C」を
用い、フィルムの縦方向に30mm幅、10m長にサン
プリングしたフィルムを連続的に厚みを測定する。フィ
ルムの搬送速度は3m/分とした。10m長での厚み最
大値Tmax(μm)、最小値Tmin(μm)から、 R=Tmax−Tmin を求め、Rと10m長の平均厚みTave(μm)から、
次式により厚みむらを求めた。 厚みむら(%)=(R/Tave)×100
【0035】(10)フィルムの含有元素 Liについては原子吸光法[AA630−13型(島津製作所
(製))]により測定した。その他の元素については、
螢光X線法[IKF 3064型(ガイガーフレックス社製)]
により測定した。これらの測定結果からM/Pを求め
た。
【0036】(11)電気絶縁用フィルムの加工特性 フィルム長手方向に40mm、幅方向に20mmとなる
ようにフィルムを切り出し、ついで幅方向に平行に両端
部を各5mmずつ折り返してモーター挿入用サンプルを
作成した。このサンプルをモーター回転子部分に挿入
し、エナメル線を巻き込んだ。その後エナメル線部分を
プレスしてエナメル線部分の成型を行ない、この時にフ
ィルムサンプルの割れの発生を評価した。10個のフィ
ルムサンプルについて測定し、以下の基準で判断した。 ○:全く割れが発生しない △:1個または2個のサンプルが割れる。 ×:3個以上のサンプルが割れる。
【0037】参考例1(MPS-1の合成) 乾燥重量で50gのカネマイト結晶を0.1Mのn−テトラデ
シルトリメチルアンモウニウムクロライド水溶液1000ml
に分散させ、70℃で3時間攪拌した。加熱初期のpHは12.
3であった。その後2Nの塩酸を加えpHを8.5まで下げた。
そして3時間攪拌した後、室温まで放冷した。これを濾
過し、固形生成物を1000mlのイオン交換水に分散させ、
再度濾過を行った。この分散攪拌/濾過を5回行い、固
形物を60℃で乾燥した。これを500℃で6時間焼成するこ
とにより、メソポーラスシリカを得た。これをMPS-1と
呼ぶ。このMPS-1はX線回折により低角側にピークが観測
され、規則的な周期構造を有しており均一な細孔が形成
されていることが確認された。また、窒素ガス吸着法か
ら求めた平均細孔径は2.3nm、比表面積は1020m2/gであ
り、平均凝集径は0.2μmであった。
【0038】参考例2(MPS-2の合成) エタノール中で100gのn−オクタデシルピリジニウムブ
ロマイドに50gのテトラエトキシシランとアンモニア水
を加え50℃で10時間攪拌した。そして、これを濾過し、
得られた固形生成物を60℃で乾燥した。これをエタノー
ル/塩酸混合溶媒を用いて鋳型に用いたオクタデシルト
リメチルアンモニウムを除去した後、5回イオン交換水
で水洗し、150℃で減圧乾燥を24時間行い、メソポーラ
スシリカを得た。これをMPS-2と呼ぶ。このMPS-2はX線
回折により低角側にピークが観測され、規則的な周期構
造を有しており均一な細孔が形成されていることが確認
された。また、窒素ガス吸着法から求めた平均細孔径は
5.0nm、比表面積は1200m2/gであり、平均凝集径は0.8μ
mであった。
【0039】参考例3(MPS-3の合成) 非イオン系界面活性剤のポリアルキレンオキサイドトリ
ブロック共重合体であるアルドリッチ社製PluronicP123
を40gを300gのイオン交換水と1200gの2N塩酸の混合溶媒
に溶解し、45℃で攪拌した。そして、85gのテトラエチ
ルオルトシリケートを加え、100℃で40時間攪拌した。
そして、濾過により固形生成物を得、イオン交換水で洗
浄し、風乾した。これを8時間かけて500℃昇温し、さら
に500℃で5時間保持し焼成し、メソポーラスシリカを得
た。これをMPS-3と呼ぶ。このMPS-3はX線回折により低
角側にピークが観測され、規則的な周期構造を有してお
り均一な細孔が形成されていることが確認された。ま
た、窒素ガス吸着法から求めた平均細孔径は10.4nm、比
表面積は450m2/gであり、平均凝集径は3.2μmであっ
た。
【0040】実施例1、2、比較例1 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PE
T)と、参考例1〜3で製造したメソポーラスシリカの
いずれかとをベント式2軸混練押出機を用いて、300
℃で溶融混練し、メソポーラスシリカ含有PETのチッ
プを得た。ここで、メソポーラスシリカの含有量は10
重量%とした。
【0041】上記ペレタイズ操作により得たメソポーラ
スシリカ含有PETチップ10重量部と固有粘度0.6
5のPETチップ(平均粒径0.3μmの球状シリカ
0.10重量%、平均粒径0.8μmの架橋ポリスチレ
ン粒子0.03%配合)90重量部を、180℃で3時
間真空乾燥した後、290に加熱された直径150mm
のスクリューを備えた単軸押出機に投入して、溶融押出
を行い、繊維焼結ステンレス金属フィルター(5μmカ
ット)内を剪断速度10秒-1で通過させた後、Tダイよ
りシート状に吐出し、該シートを表面温度25℃の冷却
ドラム上に、ドラフト比10で30m/分の速度で密着
固化させ急冷し、実質的に無配向の未延伸フィルムを得
た。
【0042】続いて、該未延伸フィルムを、加熱された
複数のロール群からなる縦延伸機を用い、ロールの周速
差を利用して、95℃の温度でフィルムの縦方向に3.
2倍の倍率で延伸した。その後、このフィルムの両端部
をクリップで把持して、テンターに導き、延伸温度10
0℃、延伸倍率3.2倍でフィルムの幅方向に延伸し
た。次いで、フィルムを再度、複数のロール群からなる
再縦延伸機に導き、140℃の温度で1.7倍の倍率で
長手方向に延伸し、さらにフィルムの両端部をクリップ
で把持して第2テンターに導き、180℃で1.3倍の
倍率で幅方向に延伸し、引き続いて210℃の温度で熱
処理を行った後、150℃と100℃にコントロールさ
れた2つの冷却ゾーンで横方向に5%および2%の弛緩
処理を各々施し、室温まで冷却した後、フィルムエッジ
を除去し、厚さ6.5μmの二軸配向ポリエステルフィ
ルムを得た。
【0043】メソポーラス物質の特性と含有量およびこ
こで得られたフィルムの特性および製膜性を表1に示
す。実施例1,2のフィルムはオリゴマー析出量が少な
く、高弾性、低熱収縮性で製膜性にも優れた高品質の二
軸配向ポリエステルフィルムであったが、平均細孔径が
10μm以上のメソポーラスシリカを使用した場合に
は、フィルム表面にオリゴマーが析出し易く、ヤング
率、熱収縮率も実施例1,2のフィルム対比で劣ったも
のであった。 比較例2 メソポーラスシリカの代わりにゼオライト(平均細孔径
0.7nm、比表面積1000m2/g、平均凝集径
3.2μm)を使用した以外は実施例1と同様に製膜
し、厚さ6.5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを
得た。
【0044】比較例3 メソポーラスシリカ含有PETを使用せず、固有粘度
0.65のPET(平均粒径0.3μmの球状シリカ
0.10重量%、平均粒径0.8μmの架橋ポリスチレ
ン粒子0.03%配合)のみを原料として用いて製膜し
た以外は実施例1と同様に製膜し、厚さ6.5μmの二
軸配向ポリエステルフィルムを得た。ここで得たフィル
ムは実施例のフィルムと比較して、フィルム表面へのオ
リゴマー析出量が多く、ヤング率、熱収縮率も実施例対
比で劣ったものであった。
【0045】実施例3、4 メソポーラスシリカの含有量を変更した以外は実施例1
と同様の方法で製膜して、厚さ6.5μmの二軸配向ポ
リエステルフィルムを得た。メソポーラスシリカの含有
量が本発明で開示する好ましい範囲よりも多いとフィル
ム破れが多発したり、厚みムラが悪化した。
【0046】
【表1】
【0047】実施例5 ジメチルテレフタレートとエチレングリコールの混合物
に、ジメチルテレフタレートに対して酢酸カルシウム
0.09重量%、三酸化アンチモンを0.03重量%ず
つ添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応
を行った。次いで、該エステル交換反応生成物に、原料
であるジメチルテレフタレートに対して、酢酸リチウム
0.15重量%、リン酸トリメチル0.21重量%を添
加した後、重合反応槽に移行し、次いで加熱昇温しなが
ら反応系を徐々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で
常法により重合し、固有粘度0.54のポリエステルを
得た。該ポリマを3mm径の立方体に切断し、回転型真空
重合装置を用いて、1mmHgの減圧下、225℃の温度で
25時間加熱処理し、固有粘度0.75のポリエチレン
テレフタレート(PET)を得た。該ポリエステル中の
元素分析をした結果、Ca=200(ppm)、Li=100
(ppm)、P=350(ppm)であり、M/P=1.0で
あった。次いで、ここで得た固有粘度0.75のPET
と参考例1のメソポーラスシリカをベント式2軸混練押
出機を用いて、300℃で混練し、メソポーラスシリカ
含有PETのチップを得た。ここでメソポーラスシリカ
の含有量は10重量%とした。
【0048】次いで、ここで得たメソポーラスシリカ含
有PETチップ10重量部と上記の固有粘度0.75の
PETチップ90重量部を混合し、水分量30ppm以
下に乾燥後、バイアフライト型の低剪断タイプのスクリ
ューを備えた150mmの単軸押出機に投入して、ポリ
マー温度を290℃にコントロールし、滞留時間3分で
溶融、混練した後、20℃の冷却ロール上でシート状に
冷却した。該シートを長手方向に100で3.3倍、1
10℃で横方向に3.4倍延伸を行った後、225℃に
制御された温度ゾーンで熱処理を施し、その後、横方向
に150℃で4%弛緩処理を行った後、室温まで冷却し
て巻取り、厚さ100μmの二軸配向ポリエステルフィ
ルムを得た。メソポーラスシリカの特性および含有量、
ここで得られたフィルムの特性を表2に示す。本実施例
で得たフィルムは、オリゴマー析出量が少なく、製膜
性、加工特性に優れたフィルムであった。
【0049】比較例4、5 比較例2で用いたゼオライト、または、参考例3で製造
したメソポーラスシリカを使用した以外は実施例5と同
様に製膜し、厚さ100μmの二軸配向ポリエステルフ
ィルムを得た。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の二軸配向フイルムは、フイルム
表面へのオリゴマー析出が少なく、ヤング率などの機械
特性や、加工性に優れているため、高密度磁気記録用途
をはじめ、電気絶縁用途などの分野で活用可能であり、
工業的価値が極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/42 H01B 3/42 F 5G333 17/60 17/60 M // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA46 AA88 AB26 AD03 AF13 AF20 AH12 4F210 AA24 AB01 AB11 AB17 AB23 AC04 AG01 QC05 QC06 QG01 QG18 4J002 CF061 CF081 DJ016 EA006 FD206 GQ00 GS00 5D006 CB01 CB05 CB07 FA00 5G305 AA04 AB36 BA19 CA11 DA13 5G333 AA03 AB07 DA18 FA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均細孔径が1〜10nmであるメソポ
    ーラス物質を含有することを特徴とする二軸配向ポリエ
    ステルフィルム。
  2. 【請求項2】 前記メソポーラス物質の平均凝集粒子径
    が0.01〜3μmであることを特徴とする請求項1記
    載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 前記メソーポーラス物質の含有量が0.
    01重量%以上、10重量%以下であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の二軸配向ポリエステルフィル
    ム。
  4. 【請求項4】 前記メソーポーラス物質の比表面積が5
    00m2/g以上であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 フィルムの長手方向のヤング率(YMD
    と幅方向のヤング率(YTD)の和(YMD+YTD)が7〜
    25GPaであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 フィルムの長手方向と幅方向のうちの少
    なくとも一方向の100℃熱収縮率が2%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配
    向ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 ポリエステルが、ポリエチレンテレフタ
    レート、ポリエチレンナフタレートおよびそれらの変性
    体よりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポ
    リエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 フィルムの厚みが0.5μm以上、50
    0μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載のポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 フィルムの厚みむらが15%以下である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の二軸
    配向ポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の二軸
    配向ポリエステルフィルムを用いることを特徴とする磁
    気記録媒体用ポリエステルフィルム。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の二軸
    配向ポリエステルフィルムを用いることを特徴とする電
    気絶縁用ポリエステルフィルム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007305392A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Fujicopian Co Ltd 電線被覆用フィルム
JP2010515786A (ja) * 2007-01-05 2010-05-13 ボード オブ トラスティーズ オブ ミシガン ステイト ユニバーシティ ポリマー−メソポーラス珪酸塩複合材料
JP2011189560A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Fujifilm Corp ポリエステルフィルムの溶融製膜方法及び太陽電池部材用ポリエステルフィルム
JP2012056090A (ja) * 2010-09-03 2012-03-22 Fujifilm Corp ポリエステルフィルム及びその製造方法、太陽電池用バックシート、並びに太陽電池モジュール
JP2018154354A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 大日本印刷株式会社 多層容器

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