JP2002194185A - 成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents

成形加工用ポリエステルフィルム

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JP2002194185A
JP2002194185A JP2000390099A JP2000390099A JP2002194185A JP 2002194185 A JP2002194185 A JP 2002194185A JP 2000390099 A JP2000390099 A JP 2000390099A JP 2000390099 A JP2000390099 A JP 2000390099A JP 2002194185 A JP2002194185 A JP 2002194185A
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polyester film
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Kozo Takahashi
弘造 高橋
Ryosuke Matsui
良輔 松井
Minoru Yoshida
実 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素雰囲気下や水雰囲気下等の厳しい使用環境
においても長期に渡り安定した性能を発揮する成形加工
用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】エチレンテレフタレート単位および/また
はエチレンナフタレート単位を主たる構成成分とするポ
リエステルからなる成形加工用フィルムであって、該フ
ィルムの融点を180〜270℃の範囲内、α−トコフ
ェロールの含有量を0.01〜2重量%の範囲内とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルフィ
ルム関し、特に、酸素や水分が存在する雰囲気など厳し
い環境下での使用に際しても劣化が少なく長期安定性を
示す成形加工用ポリエステルフィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムはその優れた特性
から様々な用途に使用されている。しかしながらポリエ
ステルはその分子骨格ゆえに耐酸化劣化性、耐加水分解
性が乏しく、酸素雰囲気や水雰囲気などの厳しい使用条
件下で長期間安定した特性を維持することが困難であ
る。該特性を付与するには一般にリン化合物等をポリエ
ステルの重合時に安定化剤として使用することが一般的
であるが十分ではなく、またその他種々の安定化剤を添
加することも提案されているが、特に食品包装用途に使
用する際には衛生性の点から十分なものが得られていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の問題点を解消することにあり、酸素雰囲
気下や水雰囲気下等の厳しい使用環境においても長期に
渡り安定した性能を発揮する成形加工用ポリエステルフ
ィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、エチレンテレフタレート単位および/また
はエチレンナフタレート単位を構成成分とするポリエス
テルを含み、融点が180〜270℃の範囲内にあり、
かつ、α−トコフェロールを0.01〜2重量%の範囲
内で含有している成形加工用ポリエステルフィルムを特
徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルフィルム
は、エチレンテレフタレート単位および/またはエチレ
ンナフタレート単位を構成成分とするポリエステルを含
んでいる。
【0006】上記構成成分のポリエステルに対する割合
は、70モル%以上がエチレンテレフタレート単位およ
び/またはエチレンナフタレート単位であることが好ま
しく、耐熱性等の点から85モル%以上であることが好
ましく、さらには95モル%以上であることが好まし
い。
【0007】また、他のジカルボン酸成分および/また
はグリコ−ル成分を共重合してもよく、ジカルボン酸成
分としては、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホン
ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジ
カルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジ
カルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジ
カルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸
等を使用することができる。一方、グリコール成分とし
ては、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ペ
ンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコー
ル等が使用できる。なお、これらのジカルボン酸成分、
グリコール成分は2種以上を併用することができる。
【0008】また、本発明の効果を阻害しない限りにお
いて、本発明で用いられるポリエステルまたは共重合ポ
リエステルに、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメ
チロールプロパン等の多官能化合物を共重合することが
できる。
【0009】本発明で、好ましく少量共重合される成分
は、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール、セバシ
ン酸、アジピン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の成分である。
【0010】本発明では、耐熱性、生産性の点から、フ
ィルムの融点は180〜270℃の範囲内とすることが
重要であり、さらに加工後の経時変化を抑制する等の点
から、フィルムの融点が246〜265℃の範囲内にあ
ることが好ましく、より好ましくは250〜260℃の
範囲内である。
【0011】本発明においては、繰返しの使用や成形加
工後の使用、水雰囲気での使用後にも優れた特性を維持
させ、食品包装用途等での使用における衛生性の点か
ら、α−トコフェロールをフィルム中に含有させる。こ
の場合、特に精製したものを使用することが好ましい。
フィルム中におけるα−トコフェロールの含有量は、
0.01〜2重量%の範囲内にあり、より好ましくは
0.02〜1.5重量%の範囲内、特に好ましくは0.
03〜1重量%の範囲内である。ポリエステルフィルム
がα−トコフェロールを含有していることにより耐酸化
防止機能、加水分解防止機能が付与され、長期経時後の
機械特性や接着性等が維持できる。この効果のメカニズ
ムは明確に解明されていないが、ポリエステル中にα−
トコフェロールが分散することにより、酸化劣化、加水
分解、熱分解等の原因となるラジカルと優先的に反応す
ることによりポリエステルを構成する分子鎖の反応を抑
制し、分解が抑制できると考えられる。
【0012】本発明におけるポリエステルにα−トコフ
ェロールを添加含有させる方法としては、分散性を向上
させる点から下記の様な重合工程で添加する方法が好ま
しい。 (1)ポリエステル重合時にα−トコフェロールを添加
する方法。 (2)α−トコフェロールを多量に添加したマスターペ
レット(α−トコフェロールマスターポリエステル)を
重合によって製造し、このマスターペレットと、α−ト
コフェロールを含有しない、もしくは、少量含有するポ
リエステル(希釈ポリエステル)とを所定量混合し、混
練する方法。
【0013】なお、本発明において、α−トコフェロー
ルを添加する時期については、反応過程で生成するBH
T(ビスヒドロキシテレフタレート)が存在する時点か
ら重合を開始する直前まで、または、重合反応の後期で
あることが好ましい。またゲルマニウムを含有する触媒
を用いて重合することが、α−トコフェロールをポリエ
ステル中により分散させることができるため好ましい。
この場合、ゲルマニウム元素をポリエステル組成物全体
に対し重量基準で1〜80ppmの範囲内で含有してい
ることが好ましく、10〜70ppmの範囲内であると
より好ましく、20〜60ppmの範囲内であるとさら
に好ましい。
【0014】本発明のポリエステルフィルムのフィルム
構成としては、もちろん単層であってもいいが、A/B
の2層、A/B/AあるいはA/B/Cの3層、さらに
は3層より多層の積層構成であってもよく、積層厚み比
も任意に設定することができるが、好ましくはA/Bの
2層である。
【0015】本発明のフィルムは、加工用途、特に折曲
げや絞り、10%以上の変形がかかる成形加工用途や食
品包装用途に好適に使用できる。特に金属板に貼合せら
れて使用される用途では好適である。
【0016】本発明において、成形加工性用途に使用す
る場合、二軸延伸を行ってフィルム化することが好まし
く、フィルムの面配向係数(fn)が0.05〜0.1
5の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.
1〜0.145の範囲内である。面配向係数が0.05
を下回ると耐衝撃性が悪化しやすく、0.15を超える
と成形性が低下する傾向にある。面配向係数が上記範囲
内あることにより、金属や他ポリマーフィルムへのラミ
ネート性が良好となり、さらに成形加工性も優れたもの
となる。耐衝撃性および耐引裂性の点からは、面配向係
数が0.120〜0.145の範囲内であるとさらに好
ましい。
【0017】本発明においては、耐熱性と印刷性、耐薬
品性、加工後の耐衝撃性の点から、二軸延伸を行ってフ
ィルム化することが好ましい。二軸延伸の方法として
は、同時二軸延伸、あるいは逐次二軸延伸、チューブラ
ー延伸のいずれであってもよいが、特に同時二軸延伸、
逐次二軸延伸が好ましい。
【0018】本発明では、加工性、耐熱性、生産性の点
で、フィルムの固有粘度が0.5〜1dl/gの範囲内
にあることが好ましく、さらに好ましくは、0.55〜
0.8dl/gの範囲内、特に好ましくは0.55〜
0.7の範囲内である。
【0019】本発明のポリエステルを製造する際には、
反応触媒を使用することができる。反応触媒としては、
例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合
物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト
化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタ
ン化合物等、着色防止剤としては例えばリン化合物等を
使用することができ、通常、ポリエステルの製造が完結
する以前の任意の段階において、重合触媒としてアンチ
モン化合物またはゲルマニウム化合物、チタン化合物を
添加することが好ましい。このような方法としては、例
えば、ゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマニウム
化合物粉体をそのまま添加する方法や、あるいは特公昭
54−22234号公報に記載されているように、ポリ
エステルの出発原料であるグリコール成分中にゲルマニ
ウム化合物を溶解させて添加する方法等を挙げることが
できる。ゲルマニウム化合物としては、例えば、二酸化
ゲルマニウム、結晶水含有水酸化ゲルマニウム、あるい
はゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラ
エトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニ
ウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアルコキシ
ド化合物、ゲルマニウムフェノレ−ト、ゲルマニウムβ
−ナフトレート等のゲルマニウムフェノキシド化合物、
リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム等のリン含
有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウム等を使用する
ことができる。中でも二酸化ゲルマニウムが好ましい。
アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン
などのアンチモン酸化物、酢酸アンチモンなどが使用で
きる。チタン化合物としては、テトラエチルチタネー
ト、テトラブチルチタネートなどのアルキルチタネート
化合物などが好ましく使用される。
【0020】次に、ポリエチレンテレフタレートを製造
する際に、ゲルマニウム化合物として二酸化ゲルマニウ
ムを添加する場合で説明する。テレフタル酸成分とエチ
レングリコールをエステル交換またはエステル化反応せ
しめ、次いで二酸化ゲルマニウム、リン化合物を添加
し、引き続き高温、減圧下で一定のジエチレングリコー
ル含有量になるまで重縮合反応せしめ、ゲルマニウム元
素含有重合体を得る。さらに、好ましくは得られた重合
体をその融点以下の温度において減圧下または不活性ガ
ス雰囲気下で固相重合反応せしめ、アセトアデルヒドの
含有量を減少させ、所定の固有粘度、カルボキシル末端
基を得る方法等を挙げることができる。
【0021】本発明では、α−トコフェロールとの相溶
性を向上させる点から、ポリエステルフィルムのカルボ
キシル末端基量が10〜60当量/トンの範囲内である
ことが好ましく、より好ましくは20〜50当量/トン
の範囲内、特に好ましくは30〜45当量/トンの範囲
内である。
【0022】また、本発明におけるポリエステルは、好
ましくはジエチレングリコール成分量が0.01〜4重
量%の範囲内、さらに好ましくは0.01〜3重量%の
範囲内、特に好ましくは0.01〜2重量%の範囲内で
あることが衛生性、経時後や加工時で熱履歴を受けても
良好な衛生性を維持する上で望ましい。
【0023】また、衛生性を良好にする上で、フィルム
中のアセトアルデヒドの含有量は、好ましくは重量基準
で30ppm以下、さらに好ましくは25ppm以下、
特に好ましくは20ppm以下が望ましい。フィルム中
のアセトアルデヒドの含有量を30pm以下とする方法
は、例えば、ポリエステルを重縮反応等で製造する際の
熱分解によって生じるアセトアルデヒドを除去するた
め、ポリエステルを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下
において、ポリエステルの融点以下の温度で熱処理する
方法、好ましくはポリエステルを減圧下あるいは不活性
ガス雰囲気下において150℃以上、融点以下の温度で
固相重合する方法、真空ベント式押出機を使用して溶融
押出する方法、ポリマを溶融押出する際に押出温度を高
融点ポリマ側の融点+30℃以内、好ましくは融点+2
5℃以内で、短時間、好ましくは平均滞留時間1時間以
内で押出す方法等により実施できる。
【0024】本発明における成形加工用ポリエステルフ
ィルムの製造方法としては、例えば、各ポリエステルを
必要に応じて乾燥した後、溶融押出機に供給し、スリッ
ト状のダイからシート状に押出し、静電印加などの方式
によりキャスティングドラムに密着させ、冷却固化して
未延伸シートを得る。未延伸シートは目的によりそのま
ま使用できる。また二軸延伸フィルムを得る場合、延伸
方式としては、同時二軸または逐次二軸延伸のいずれで
もよいが、該未延伸シートをフイルムの長手方向および
幅方向に延伸、熱処理して、目的とする面配向度のフィ
ルムを得る。好ましくはフィルムの品質の点でテンター
方式によるものが好ましく、長手方向に延伸した後、幅
方向に延伸する逐次二軸延伸方式、長手方向、幅方向を
ほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方式が望ましい。
延伸倍率としては、それぞれの方向に1.5〜4.0倍
の範囲内、好ましくは1.8〜4.0倍の範囲内とす
る。長手方向、幅方向の延伸倍率はどちらを大きくして
もよく、同一としてもよい。
【0025】また、延伸速度は1,000%/分〜20
0,000%/分の範囲内であることが望ましく、延伸
温度は、ポリエステルのガラス転移温度以上ガラス転移
温度+80℃以下であれば任意の温度とすることができ
るが、通常は80〜150℃の範囲内が好ましい。
【0026】更に、二軸延伸の後にフイルムの熱処理を
行なうとよいが、この熱処理はオーブン中、加熱された
ロール上等、任意の方法で行なうことができる。熱処理
温度は通常120℃以上245℃以下の任意の温度とす
ることができるが、好ましくは120〜240℃の範囲
内である。また、熱処理時間は任意とすることができる
が、通常1〜60秒間行なうことが好ましい。熱処理
は、フイルムをその長手方向および/または幅方向に弛
緩させつつ行なってもよい。さらに、再延伸を各方向に
対して1回以上行ってもよく、その後熱処理を行なって
も良い。
【0027】また、本発明の成形加工用ポリエステルフ
イルムの離型性、取扱い性や加工性を向上させるため
に、フィルム中に内部粒子、無機粒子、有機粒子を使用
することが重要であり、特にフィルム中に含まれる無機
粒子および/または有機粒子が0.02〜5重量%の範
囲内であることが好ましく、より好ましくは0.03〜
4重量%の範囲内である。中でも平均粒子径が0.01
〜10μmの範囲内にある無機粒子および/または有機
粒子などのいわゆる外部粒子を使用することが好まし
い。特に、本発明のフィルムの缶などに適用する場合、
平均粒子径が0.1〜5μmの範囲内にある無機粒子お
よび/または有機粒子が缶内面に使用されるフィルム中
に添加されていることが好ましい。内部粒子の析出方法
としては、例えば特開昭48−61556号公報、特開
昭51−12860号公報、特開昭53−41355号
公報、特開昭54−90397号公報などに記載の技術
が挙げられる。さらに特開昭55−20496号公報、
特開昭59−204617号公報などの他の粒子との併
用も行なうことができる。
【0028】10μmを超える平均粒子径を有する粒子
を使用すると、フィルムの欠陥が生じ易くなる。無機粒
子および/または有機粒子としては、例えば、湿式およ
び乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、
酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸
バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー等の無
機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸類等を
構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。なか
でも、湿式および乾式コロイド状シリカ、アルミナ等の
無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メ
タクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼン等を構成
成分とする有機粒子等を挙げることができる。これらの
内部粒子、無機粒子および/または有機粒子は二種以上
を併用してもよい。
【0029】発明の成形加工用ポリエステルフイルムに
は、帯電防止剤、結晶核剤、耐候剤、紫外線吸収剤など
の添加剤を本発明の目的を損なわない程度において用い
ることができる。また、エンボス加工、サンドマット加
工などの表面凹凸加工、あるいはコロナ放電処理、プラ
ズマ処理、アルカリ処理などの表面処理を必要に応じて
施してもよい。さらに、本発明のフイルムに易接着処理
剤、帯電防止剤、水蒸気・ガスバリア剤(ポリ塩化ビニ
リデンなど)、離型剤、粘着剤、接着剤、難燃剤、紫外
線吸収剤、マット化剤、顔料、染料などのコーティング
や印刷を行なってもよく、アルミニウム、酸化アルミニ
ウム、酸化珪素、パラジウムなどの金属やその化合物を
遮光、水蒸気・ガスバリア、表面導電性、赤外線反射な
どの目的で真空蒸着してもよく、その目的、方法につい
ては上記に限定されない。
【0030】本発明のポリエステルフィルムは、特に生
体に対して悪影響を与えることが少ないものと考えられ
ることから、通常の合成添加剤と異なり、安全に使用す
ることができ、特にレトルトやボイル、長期保存といっ
たフィルムの分解が懸念される使用環境となる食品包装
用途に好適に使用できる。また特に、フィルムが熱や変
形といった加工を受ける金属板貼合せ用としても特に好
適に使用でき、フィルムを長期に渡り安定に、かつ、安
全に使用するのに好適である。 〔物性、特性の測定、評価方法〕以下に、本発明の説
明、あるいは後述の実施例の説明に用いた各物性、特性
の測定、および評価方法について説明する。 (1)融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg) 示差走査型熱量計DSC2(パーキンエルマー社製)を
用いて測定した。サンプル10mgを窒素気流下で28
0℃、5分間溶融保持し、ついで液体窒素で急冷した。
得られたサンプルを10℃/分の速度で昇温する過程で
ガラス状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読
取りこの温度をガラス転移温度(Tg)とし、結晶融解
に基づく吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。 (2)カルボキシル末端基量 フィルムをオルトクレゾール/クロロホルム(重量比7
/3)に95℃で溶解し、アルカリで電位差測定して求
めた。 (3)伸度 伸度についてはASTM−D−882−81(A法)に
準じて測定した。 (4)面配向係数(fn) ナトリウムD線を光源として、アッベ屈折率計を用いて
長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx,Ny,N
z)を測定し、下記式により求めた。 fn=((Nx+Ny)/2)−Nz (5)固有粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し,25
℃において測定した。 (6)長期安定性 フィルムを体積分率で30%の酸素雰囲気下で120℃
に加熱し、168時間放置した。処理前後の破断伸度
(長手方向と巾方向の和)の比率(=((処理後の破断
伸度)/(処理前の破断伸度))×100)により下記
の通り判定した(ここで処理前後で全く破断伸度が変わ
らない場合、値は100%となる)。 A 級:95%以上〜100% B 級:80%以上〜95%未満 C 級:0〜80%未満 (7)固有粘度の低下 フィルムを120℃、60分レトルト処理した前後の固
有粘度差(ΔIV)を測定し、下記の通り判定した。 A 級:0〜0.02未満 B 級:0.02以上〜0.05未満 C 級:0.05以上 (8)接着性 鋼板とフィルムとを熱ラミネートした後、120℃、6
0分レトルト処理し、錆びていない正常な部分を10×
100mm切り出し、レトルト前後の接着力を90°剥
離にて測定し、その割合を求め(=((処理後の接着
力)/(処理前の接着力))×100)、下記の様に判
定した(ここで処理前後で全く値が変わらない場合、値
は100%となる)。 A 級:95%以上〜100% B 級:80%以上〜95%未満 C 級:0〜80%未満
【0031】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。 (実施例1)表1に従いポリエステルチップを所定量計
量後、180℃で3時間真空乾燥して押出機に供給し、
口金から吐出後、静電印加(7kv)しながら鏡面冷却
ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未
延伸フィルムを、温度105℃にて長手方向に3.4倍
延伸、40℃に冷却後、温度95℃で5秒予熱後に11
5℃で幅方向に3.2倍延伸した後、210℃にてリラ
ックス5%、5秒間熱処理し、2軸延伸された厚み12
μmの表1に示すポリエステルフイルムを得た。表1に
示すとおり、優れた特性を発現することを確認した。 (実施例2〜4)表1に従いポリマー組成、延伸条件を
変更した他は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステ
ルフィルムを得た。表1に示すとおり、優れた特性を発
現することを確認した。 (比較例1〜2)ポリエステルの種類と添加剤を表1の
とおり変更し、製膜条件を変更して製膜した他は実施例
1と同様にしてフィルムを得た。比較例1と2のフィル
ムは特性が劣っていた。
【0032】
【表1】 なお表中における記号は次のとおりである。 PET :ポリエチレンテレフタレート PET/I:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタ
レート
【0033】
【発明の効果】酸素雰囲気下や水雰囲気下等の厳しい使
用環境においても長期に渡り安定した性能を発揮する成
形加工用ポリエステルフィルムを提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/1545 C08K 5/1545 Fターム(参考) 3E086 AB01 BA04 BA15 BB41 BB71 BB90 CA01 4F071 AA45 AA46 AA88 AC05 AF06 AH04 AH19 BA01 BB08 BC01 4F100 AB01C AK41B AK42A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA10C CB00 GB23 JA04A JL10 YY00A 4J002 CF061 CF081 EC036 EC066 GF00 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位および/ま
    たはエチレンナフタレート単位を構成成分とするポリエ
    ステルを含み、融点が180〜270℃の範囲内にあ
    り、かつ、α−トコフェロールを0.01〜2重量%の
    範囲内で含有している成形加工用ポリエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】 面配向係数が0.05〜0.15の範囲
    内にある、請求項1に記載の成形加工用ポリエステルフ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 カルボキシル末端基量が20〜50当量
    /トンの範囲内にある、請求項1または2に記載の成形
    加工用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 2層以上の層構成を有し、少なくとも1
    層が請求項1〜3のいずれかに記載の成形加工用ポリエ
    ステルフィルムである成形加工用積層ポリエステルフィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 食品包装用途に使用される、請求項1〜
    3のいずれかに記載の成形加工用ポリエステルフィルム
    または請求項4に記載の成形加工用積層ポリエステルフ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 金属板に貼合せられて使用される、請求
    項1〜3のいずれかに記載の成形加工用ポリエステルフ
    ィルムまたは請求項4に記載の成形加工用積層ポリエス
    テルフィルム。
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