JP2000063539A - 金属板貼合わせ成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents
金属板貼合わせ成形加工用ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
合わせ成形加工用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ネオペンチルグリコールを1〜40モル
%含有する、エチレンテレフタレートおよび/またはエ
チレンナフタレート単位を主構成成分とするポリエステ
ルAからなることを特徴とする金属板貼合わせ成形加工
用ポリエステルフィルム。
Description
形加工用ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しく
は、接着性に優れた、成形加工などにより製造される容
器、特に金属缶に好適な金属板貼合わせ成形加工用ポリ
エステルフィルムに関する。
止を目的として、エポキシ系、フェノール系等の各種熱
硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたものを塗布
し、金属表面を被覆することが広く行われてきた。しか
しながら、このような熱硬化性樹脂の被覆方法は塗料の
乾燥に長時間を要し、生産性が低下したり、多量の有機
溶剤による環境汚染など好ましくない問題がある。
缶の材料である鋼板、アルミニウム板あるいは該金属板
にめっき等各種の表面処理を施した金属板にフィルムを
ラミネートする方法がある。そして、フィルムのラミネ
ート金属板を絞り成形やしごき成形加工して金属缶を製
造する場合、フィルムには次のような特性が要求され
る。 (1)金属板へのラミネート性に優れていること。 (2)金属板との接着性に優れていること。 (3)成形性に優れ、成形後にピンホールなどの欠陥を
生じないこと。 (4)金属缶に対する衝撃によって、ポリエステルフィ
ルムが剥離したり、クラック、ピンホールが発生したり
しないこと。 (5)缶の内容物の香り成分がフィルムに吸着したり、
フィルムからの溶出物によって内容物の風味がそこなわ
れないこと(以下、味特性という。)。
がなされており、例えば特開平2−57339号公報に
は特定の結晶性を有する共重合ポリエステルフィルム等
が開示されている。しかしながら、近年、製缶速度の向
上に伴い、ラミネート鋼板からの製缶成形比が増大して
おり、より一層のラミネート性、成形性、フィルムと鋼
板との密着性の向上が望まれている。特に使用環境や用
途、缶種の多様化により、金属板とフィルムとの接着性
について一層の向上が望まれるようになった。
のような要望を満足させることにあり、特に、優れた接
着性を発現する金属缶に好適な金属板貼合わせ成形加工
用ポリエステルフィルムを提供することにある。
に、本発明の金属板貼合わせ成形加工用ポリエステルフ
ィルムは、ネオペンチルグリコールを1〜40モル%含
有する、エチレンテレフタレートおよび/またはエチレ
ンナフタレート単位を主構成成分とするポリエステルA
からなることを特徴とするものからなる。
い実施の形態とともに詳細に説明する。本発明における
ポリエステルとは、エステル結合により構成される高分
子量体の総称であり、ジカルボン酸成分としては、例え
ばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル
ジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフ
ェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロ
ヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オ
キシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることがで
きる。一方、グリコール成分としては例えばプロパンジ
オール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グ
リコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。な
お、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種
以上を併用してもよい。さらに上記ポリマを2種以上ブ
レンドして使用してもかまわない。
いて、共重合ポリエステルにトリメリット酸、トリメシ
ン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重
合してもよい。
との接着性向上の点から、ネオペンチルグリコールを1
〜40モル%含有することが必要であり、接着性と耐熱
性を両立させる点から好ましくは2〜35モル%、より
好ましくは4〜25モル%である。
性、生産性の点から60モル%以上のエチレンテレフタ
レートおよび/またはエチレンナフタレート単位を主構
成成分とするポリエステルであることが好ましく、より
好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは75モル
%以上である。
たる融解ピーク温度は、耐熱性、成形性の点から150
〜265℃であることが好ましく、より好ましくは20
0〜265℃であり、さらに好ましくは246〜260
℃である。ここでポリエステルフィルムの主たる融解ピ
ーク温度とは、いわゆる示差走査熱量法(DSC)の1
stRUNにより検出される融解ピークである。ポリエス
テルの融解ピーク温度が150℃未満であると、耐熱性
が大きく低下し、缶成形後のレトルトや内容物を充填し
高温で保存するときにフィルム内容物の流出やフィルム
自体の軟化、熱劣化が生じるなどの問題が顕著に起こ
り、好ましくない。また融解ピークが265℃を越える
と成形性が低下し、好ましくない。
性、熱寸法安定性の点から、ポリエステルを二軸延伸化
することが必要である。二軸延伸の方法としては、同時
二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれであってもよい。
の点から下記式(1)で定義されるフィルム中での形状
度(粒子の最小長さdに対する最大長さDの比)1.1
以上の粒子を含有することが好ましく、その添加量は
0.01〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは
0.02〜0.25重量%である。さらに形状度につい
て言えばさらに好ましくは1.2以上、より好ましくは
2以上、特に好ましくは3以上である。 形状度=D/d (1)
定義されたようにフィルム中で観察される粒子の最小長
さに対する最大長さの比で表され、後に定義した方法で
求められる。つまりここで粒子の最大長さとは、個々の
粒子あるいは一次粒子径より小さい間隔で形成されるも
のを一つの粒子と見なし、その輪郭に接する最長間隔の
平行線間の距離であり、最小長さとはその隣接に接する
最短の平行線間隔である。
大きさに関わらず特に限定されるものではない。粒子の
変形としては、例えば、粒子の製造、ポリエステルの製
膜(押出、延伸など)、フィルムの金属板へのラミネー
ト成形加工などにおける粒子の分割、分断、解碎、ほぐ
れによる変形、あるいは湾曲、屈曲する変形などが挙げ
られる。粒子の形状は、楕円状、紡錘状、棒状、針状、
繊維状、板状などが挙げられ、個々の粒子がこのような
形状であってもよく、凝集体によって形成されていても
よい。
以上、あるいは1.1未満の粒子を含有するポリエステ
ルフィルムとは、このような形状の粒子を含有するポリ
エステルを成形したフィルムであってもよく、粒子を含
有するポリエステルを成形する工程で該粒子を変形させ
たものであってもよい。
ポリエステルから製造されたフィルム、さらにはフィル
ムがラミネート、成形された金属缶から採取したフィル
ム中に含有される粒子を観察することにより求めること
ができる。
ミネート性、耐摩耗性、耐熱性、接着性の点から積層フ
ィルムとしてもよく、その形態は例えばA層/B層、A
層/C層/B層の積層構成が挙げられるが特に限定され
るものではない。
ら、ネオペンチルグリコールを0.01〜4モル%含有
するエチレンテレフタレート単位を主構成成分とするポ
リエステルBからなるB層を、ポリエステルAからなる
A層に積層することが好ましい。B層のネオペンチルグ
リコールの含有量は、さらに好ましくは0.02〜3モ
ル%である。この場合、B層を非鋼板面側層とすること
で耐熱性、味特性を発現させることができ、また、成形
加工時のツールとの削れを抑制する点から、ポリエステ
ルB層のフィルム中での粒子の形状度(粒子の最小長さ
dに対する最大長さDの比)が1.1以上であることが
好ましく、該粒子の添加量は好ましくは0.05〜1重
量%であるが、形状度1.1未満の粒子を特性を損なわ
ない範囲で含有してもよい。各層の厚み比は、特に限定
はないが、レトルト後のフィルムと鋼板の接着性及び特
に耐摩耗性の点から、鋼板側層のポリエステルA/非鋼
板側層のポリエステルBの比で1未満が好ましく、より
好ましくは2未満、さらに好ましくは3未満である。こ
の積層における各ポリエステルについては上記記載の通
りであるが、よりラミネート性、レトルト後の鋼板とフ
ィルムの接着性を向上させる点から、〔非鋼板側層を構
成するポリエステルBの融解ピーク温度(TmB)−鋼板
側層を構成するポリエステルAの融解ピーク温度(Tm
A)〕が0.5〜35℃であることが好ましく、より好
ましくは1〜20℃、更に好ましくは1.5〜10℃で
ある。
Bにおいては、融解ピーク温度が246〜265℃であ
ることが好ましく、より好ましくは250〜260℃で
ある。
板とフィルムの接着性をより向上させる点から、鋼板側
層のポリエステルは形状度(粒子の最小長さdに対する
最大長さDの比)1.1未満の粒子を0.01〜1重量
%含有してなり、その添加量は0.01〜0.5重量%
であることが好ましい。ここで形状度は1.1未満であ
ることが好ましいが、より好ましくは1.08未満であ
り、いわゆる球状またはそれに近い粒子が好ましいこと
を指している。該粒子の添加量は、フィルムの取り扱い
性の点から0.01〜0.5重量%が好ましいが、より
好ましくは0.02〜0.2重量%である。さらに鋼板
側層のポリエステルは上記の形状度1.1未満の粒子を
0.01〜1重量%含有することに加えて、形状度1.
1以上の粒子を0.001〜0.1重量%含有してもよ
い。形状度1.1以上の粒子が鋼板側層に添加されるこ
とにより、高速でのラミネート時に空気の噛み込みが低
減され、またラミネート時に高いニップ圧をかけても良
好にラミネートできる。
易滑性、耐摩耗性の点から形状度1.1以上の粒子を
0.05〜1.0重量%含有してなることが好ましく、
より好ましくは形状度1.1以上の粒子が0.07〜
0.5重量%、形状度1.1未満の粒子が0.001〜
0.05重量%である。ここで非鋼板側層のポリエステ
ル中での形状度1.1以上の粒子は缶成形時の耐摩耗性
を向上させる点から好ましく、より好ましくは形状度
1.2以上、さらに好ましくは2以上、より一層好まし
くは3以上であり、さらにその含有量はフィルムの取り
扱い性の点から0.05〜1重量%であることが好まし
い。
ミネート性、成形性の点から、面配向係数が0.095
〜0.13であることが好ましく、より好ましくは0.
1〜0.12である。
の接着性向上の点からは、非鋼板側層の面配向係数から
鋼板側層の面配向係数を引いた値(Δfn)が0.00
1〜0.05であることが好ましく、より好ましくは
0.005〜0.03である。
を向上させる点で、特にレトルト時のフィルムの収縮応
力による剥離の影響を低減するために、125℃でのフ
ィルム長手方向の熱収縮応力が0.1〜1MPaである
ことが好ましく、より好ましくは0.2〜1MPaであ
る。
着性向上の点から、125℃でのフィルム長手方向の線
熱膨張係数を−140×10-6〜−5×10-6K-1にす
ることが好ましく、更に好ましくは−130×10-6〜
−40×10-6K-1である。線熱膨張係数がこの範囲外
であるとラミネート時に鋼板との熱膨張挙動の違いから
残留応力が発生し、そのため、その後の成形やレトルト
時にフィルムにクラックや鋼板との剥離が発生する場合
がある。
上させる点から、鋼板側層を構成するポリエステルAの
カルボキシル末端基量が35〜50当量/トンであるこ
とが好ましく、特に好ましくは37〜47当量/トンで
ある。
ら、非鋼板側層を構成するポリエステルBのカルボキシ
ル末端基量が35当量/トン未満であることが好まし
く、特に好ましくは30当量/トン未満である。
を向上させる点で、特にフィルムと鋼板の接着界面にお
けるポリマー部分の接着面積及び厚みを増加させるため
に、少なくとも片面の表面から1μmでの粒子濃度R1
と表面から0.1μmでの粒子濃度R2の比R1/R2
が2〜200であることが好ましく、更に好ましくは3
〜150である。
上させるためにポリエステルの固有粘度が0.6dl/
g以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.6
2dl/g以上、特に好ましくは0.65dl/g以上
である。固有粘度が0.6dl/g未満ではオリゴマの
溶出などにより味特性が悪化することがあるため好まし
くない。
従来公知の反応触媒、着色防止剤を使用することがで
き、反応触媒としては例えばアルカリ金属化合物、アル
カリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン
化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチ
モン化合物、チタン化合物等、着色防止剤としては例え
ばリン化合物等挙げることができる。ポリエステルの製
造が完結する以前の任意の段階において、重合触媒とし
てアンチモン化合物またはゲルマニウム化合物、チタン
化合物を添加することが好ましい。このような方法とし
ては例えば、ゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマ
ニウム化合物粉体をそのまま添加する方法や、あるいは
特公昭54−22234号公報に記載されているよう
に、ポリエステルの出発原料であるグリコール成分中に
ゲルマニウム化合物を溶解させて添加する方法等を挙げ
ることができる。ゲルマニウム化合物としては、例えば
二酸化ゲルマニウム、結晶水含有水酸化ゲルマニウム、
あるいはゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウム
テトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲ
ルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアル
コキシド化合物、ゲルマニウムフェノレート、ゲルマニ
ウムβ−ナフトレート等のゲルマニウムフェノキシド化
合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム等の
リン含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウム等を挙
げることができる。中でも二酸化ゲルマニウムが好まし
い。アンチモン化合物としては、特に限定されないが例
えば、三酸化アンチモンなどのアンチモン酸化物、酢酸
アンチモンなどが挙げられる。チタン化合物としては、
特に限定されないがテトラエチルチタネート、テトラブ
チルチタネートなどのアルキルチタネート化合物などが
好ましく使用される。
する際に、ゲルマニウム化合物として二酸化ゲルマニウ
ムを添加する場合で説明する。テレフタル酸成分とエチ
レングリコールをエステル交換またはエステル化反応せ
しめ、次いで二酸化ゲルマニウム、リン化合物を添加
し、引き続き高温、減圧下で一定のジエチレングリコー
ル含有量になるまで重縮合反応せしめ、ゲルマニウム元
素含有重合体を得る。さらに、好ましくは得られた重合
体をその融点以下の温度において減圧下または不活性ガ
ス雰囲気下で固相重合反応せしめ、アセトアデルヒドの
含有量を減少させ、所定の固有粘度、カルボキシル末端
基を得る方法等を挙げることができる。
はジエチレングリコール成分量が0.01〜3.5重量
%、さらに好ましくは0.01〜2.5重量%、特に好
ましくは0.01〜2重量%であることが製缶工程での
熱処理、製缶後のレトルト処理などの多くの熱履歴を受
けても優れた味特性を維持する上で望ましい。このこと
は、200℃以上での耐酸化分解性が向上するものと考
えられ、さらに公知の酸化防止剤を0.0001〜1重
量%添加してもよい。また、特性を損ねない範囲でジエ
チレングリコールをポリマ製造時に添加してもよい。
中のアセトアルデヒドの含有量を好ましくは25ppm
以下、さらに好ましくは20ppm以下とすることが望
ましい。アセトアルデヒドの含有量が25ppmを越え
ると味特性に劣ることがある。フィルム中のアセトアル
デヒドの含有量を25pm以下とする方法は特に限定さ
れるものではないが、例えばポリエステルを重縮反応等
で製造する際の熱分解によって生じるアセトアルデヒド
を除去するため、ポリエステルを減圧下あるいは不活性
ガス雰囲気下において、ポリエステルの融点以下の温度
で熱処理する方法、好ましくはポリエステルを減圧下あ
るいは不活性ガス雰囲気下において155℃以上、融点
以下の温度で固相重合する方法、ベント式押出機を使用
して溶融押出する方法、ポリマを溶融押出する際に押出
温度を高融点ポリマ側の融点+30℃以内、好ましくは
融点+25℃以内で、短時間、好ましくは平均滞留時間
1時間以内で押し出す方法等を挙げることができる。
属にラミネートした後の成形性、金属に対する被覆性、
耐衝撃性、味特性の点で、3〜50μmであることが好
ましく、さらに好ましくは5〜35μmであり、特に好
ましくは10〜30μmである。
法としては、特に限定されないが例えば各ポリエステル
を必要に応じて乾燥した後、公知の溶融押出機に供給
し、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加
などの方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却
固化し未延伸シートを得る。延伸方式としては、同時二
軸、逐次二軸延伸いずれでもよいが、該未延伸シートを
フィルムの長手方向及び幅方向に延伸、熱処理し、目的
とする面配向度のフィルムを得る。好ましくはフィルム
の品質の点でテンター方式によるものが好ましく、長手
方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方
式、長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二
軸延伸方式が望ましい。延伸倍率としてはそれぞれの方
向に1.6〜4.2倍、好ましくは1.7〜4.0倍で
ある。長手方向、幅方向の延伸倍率はどちらを大きくし
てもよく、同一としてもよい。また、延伸速度は100
0%/分〜200000%/分であることが望ましく、
延伸温度はポリエステルのガラス転移温度以上ガラス転
移温度+100℃以下であれば任意の温度とすることが
できるが、通常は80〜170℃が好ましい。更に二軸
延伸の後にフィルムの熱処理を行うが、この熱処理はオ
ーブン中、加熱されたロール上等、従来公知の任意の方
法で行なうことができる。熱処理温度は120℃以上2
45℃以下の任意の温度とすることができるが、好まし
くは120〜240℃である。また熱処理時間は任意と
することができるが、通常1〜60秒間行うのが好まし
い。熱処理はフィルムをその長手方向および/または幅
方向に弛緩させつつ行ってもよい。さらに、再延伸を各
方向に対して1回以上行ってもよく、その後熱処理を行
ってもよい。
径0.01〜10μmの公知の内部粒子、無機粒子およ
び/または有機粒子などの外部粒子の中から任意に選定
される粒子を含有させることができる。特に平均粒子径
0.1〜5μmの粒子が0.01〜3重量%含有されて
いることが缶内面に使用されるフィルムとして好まし
い。10μmを越える平均粒子径を有する粒子を使用す
るとフィルムの欠陥が生じ易くなるので好ましくない。
粒子としては例えば湿式および乾式シリカ、球状シリ
カ、珪酸アルミニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、
リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、
カオリン、クレー等の無機粒子およびスチレン、シリコ
ーン、アクリル酸類等を構成成分とする有機粒子等を挙
げることができる。なかでも乾式、湿式および乾式コロ
イド状シリカ、アルミナ等の無機粒子およびスチレン、
シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステ
ル、ジビニルベンゼン等を構成成分とする有機粒子等を
挙げることができる。これらの内部粒子、無機粒子およ
び/または有機粒子は二種以上を特性を損ねない範囲で
併用してもよい。
1未満の粒子としては、上記例示の粒子の中から任意に
選択できるが、例えば単分散の球状シリカ、珪酸アルミ
ニウム、球状有機粒子、球状の炭酸カルシウム、湿式凝
集シリカなどが挙げられ、中でも特に球状単分散シリカ
が好ましいが、これらに限定されるものではない。また
フィルム中の形状度が1.1以上のものとしては、凝集
した無機粒子などが挙げられるが、形状度が1.1以上
であれば特に限定されるものではない。ここで言う凝集
粒子とはポリエステル中で観察される粒子の少なくとも
50%以上が2個以上の一次粒子から形成されるもので
ある。また凝集粒子は100nm以下の一次粒子から形
成されていることが耐摩耗性、耐衝撃性の点から好まし
く、より好ましくは70nm以下であり、更に好ましく
は50nm以下である。またより一層の耐摩耗性向上の
点から、凝集粒子の平均粒子径が0.1〜20μmであ
ることが好ましく、さらに好ましくは0.15〜1.5
μmであり、特に好ましくは0.2〜1μmである。
層、非鋼板側層の表面の中心線平均粗さRaは好ましく
は0.005〜0.07μm、さらに好ましくは0.0
08〜0.05μmである。さらに、最大粗さRtとの
比Rt/Raが4〜50、好ましくは6〜40であると
高速製缶性が向上する。また、特に非鋼板側層の中心線
平均粗さRaは好ましくは0.002〜0.04μm、
さらに好ましくは0.003〜0.03μmであると味
特性が向上するので好ましい。
面処理を施すことにより接着性を向上させることはさら
に特性を向上させる上で好ましい。
ングを施してもよく、その塗布化合物、方法、厚みは、
本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に限定され
ない。
いが、成形性の点で鉄やアルミニウムなどを素材とする
金属板が好ましい。さらに、鉄を素材とする金属板の場
合、その表面に接着性や耐腐食性を改良する無機酸化物
被膜層、例えばクロム酸処理、リン酸処理、クロム酸/
リン酸処理、電解クロム酸処理、クロメート処理、クロ
ムクロメート処理などで代表される化成処理被覆層を設
けてもよい。特に金属クロム換算値でクロムとして6.
5〜150mg/m2 のクロム水和酸化物が好ましく、
さらに、展延性金属メッキ層、例えばニッケル、スズ、
亜鉛、アルミニウム、砲金、真ちゅうなどを設けてもよ
い。スズメッキの場合0.5〜15mg/m2 、ニッケ
ルまたはアルミニウムの場合1.8〜20g/m2 のメ
ッキ量を有するものが好ましい。
ポリエステルフィルムは、金属板等にラミネートした
後、絞り成形やしごき成形によって製造されるツーピー
ス金属缶の内面被覆用に好適に使用することができる。
また、ツーピース缶の蓋部分、あるいはスリーピース缶
の胴、蓋、底の被覆用としても良好な金属接着性、成形
性を有するため好ましく使用することができる。
る。なお特性は以下の方法により測定、評価した。 (1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25
℃において測定した。
走査熱量計(パーキン・エルマー社製DSC2型)によ
り、10℃/分の昇温速度で測定し融解のピーク温度を
融点とした。またフィルムについては、フィルムを40
℃×60時間処理し、水分の影響を取り除いた後、上記
同様に測定し、フィルムの主融解ピーク温度を求めた。
ベ屈折計を用いて長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率
(それぞれNx,Ny,Nz)から得られる非鋼板側層
の面配向係数fn=(Nx+Ny)/2−Nzを計算し
て求めた。さらに鋼板側層のfnも同様に測定し、非鋼
板側層のfnから鋼板側層のfnを差し引いた値をΔf
nとした。
し、個々の粒子、あるいは一次粒子径より小さい間隔で
凝集体(集合体)を形成したものを一つの粒子をみな
し、フィルム中に存在する各粒子の最大長さD、最小長
さdを求め、その比D/dを算出した。さらに少なくと
も100個以上の粒子について値を求めその相加平均を
形状度とした。
理法で除去し粒子を露出させる。処理条件は熱可塑性樹
脂は灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択
する。これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒
子の画像をイメージアナライザーで処理する。観察箇所
を変えて粒子数5,000個以上で次の数値処理を行い
それによって求めた数平均径Dを平均粒径とする。 D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは粒子数である。な
お、内部粒子ではフィルムの切片断面を透過型顕微鏡観
察により行ってもよい。
側の面の面配向係数fnの平均値が0.02〜0.03
となる条件で加熱したTFS鋼板(厚さ0.2mm)に
70m/分でラミネート後、60℃の水槽で急冷した。
該ラミネート鋼板を幅15mmに切り取り、鋼板とフィ
ルムのTピール試験を行った。 特A級:2.25g以上 A級 :2.25g未満2.00g以上 B級 :2.00g未満1.75g以上 C級 :1.75g未満1.50g以上 D級 :1.50g未満
した鋼板をしごき成形機、絞り成形機でコイル5000
m分成形(成形比(最大厚み/最小厚み)=1.5、成
形可能温度領域で成形)し、缶(直径6cm、高さ10
cm)を得た。この時のツールに付着したフィルムの削
れ量を測定し、耐摩耗性を評価した。 A級:1mg未満 B級:1〜3mg C級:3mgを越えるもの
測定し、その優劣で耐熱性を評価した。耐衝撃性は成形
缶内に2%の食塩水を入れて、2日放置後食塩水中の電
極と金属缶に6vの電圧をかけて10秒後の電流値を読
み取り、10缶測定後の平均値を求めた。 A級:0.1mA未満 B級:0.1mA以上0.2mA未満 C級:0.2mA以上0.4mA以下 D級:0.4mA以上
1.4μmの単分散型球状シリカを0.11重量%、凝
集乾式シリカ粒子(平均一次粒子径30nm、平均粒径
0.3μm)を0.012重量%含有するネオペンチル
グリコール共重合ポリエチレンテレフタレート(固有粘
度0.69dl/g、融点226℃、カルボキシル末端
量38等量/トン)と、非鋼板側層を構成するポリエス
テルBとして凝集乾式シリカ粒子(平均一次粒子径30
nm、平均粒径0.3μm)を0.12重量%と凝集湿
式シリカ粒子(平均一次粒子径10nm、平均粒径1.
1μm)を0.03重量%、平均粒子径1.4μmの単
分散型球状シリカを0.005重量%含有するネオペン
チルグリコール酸共重合ポリエチレンテレフタレート
(固有粘度0.69dl/g、融点250℃、カルボキ
シル末端量23等量/トン)を各々180℃3時間真空
乾燥後、別々の押出機に供給し、ピノールにてA/B=
1:3に積層し、口金から吐出後、静電印加(6.7k
v)しながら鏡面冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フ
ィルムを得た。この未延伸フィルムを温度フィルム温度
98℃にて長手方向に3.02倍し、予熱温度95℃
(3秒)、延伸温度110℃で幅方向に3.01倍延伸
した後、179℃にて弛緩5%、5秒間熱処理し、厚さ
25μm、二軸延伸積層ポリエステルフィルムを得た。
得られたフィルム中における凝集乾式シリカ粒子の形状
度は9、凝集湿式シリカ粒子の形状度は6、単分散型球
状シリカの形状度は1.04であった。フィルム特性、
缶特性は表1に示した通りであり、優れた特性を得るこ
とができた。
様に二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。なお、表
1、表2におけるPETはポリエチレンテレフタレー
ト、NPGはネオペンチルグリコール、Iはイソフタル
酸をそれぞれ表している。
ル成分を特定量共重合したポリエステルフィルムによ
り、特に金属板とフィルムの接着性を向上させることが
できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 ネオペンチルグリコールを1〜40モル
%含有する、エチレンテレフタレートおよび/またはエ
チレンナフタレート単位を主構成成分とするポリエステ
ルAからなることを特徴とする金属板貼合わせ成形加工
用ポリエステルフィルム。 - 【請求項2】 融点が246℃以上であることを特徴と
する、請求項1に記載の金属板貼合わせ成形加工用ポリ
エステルフィルム。 - 【請求項3】 下記式(1)で定義されるフィルム中で
の粒子の形状度(粒子の最小長さdに対する最大長さD
の比)が1.1以上であることを特徴とする、請求項1
または2に記載の金属板貼合わせ成形加工用ポリエステ
ルフィルム。 形状度=D/d (1) - 【請求項4】 ネオペンチルグリコールを0.01〜4
モル%含有するエチレンテレフタレート単位を主構成成
分とするポリエステルBからなるB層を、前記ポリエス
テルAからなるA層の少なくとも片面に積層したことを
特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の金属板貼
合わせ成形加工用ポリエステルフィルム。 - 【請求項5】 B層に含有される粒子の形状度が1.1
以上であることを特徴とする、請求項4に記載の金属板
貼合わせ成形加工用ポリエステルフィルム。
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