JP3757488B2 - 金属板ラミネート用積層フイルム - Google Patents

金属板ラミネート用積層フイルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属板ラミネート用フイルムに関するものである。更に詳しくは成形性、耐衝撃性、味特性に優れ、成形加工によって製造される金属缶に好適な金属板ラミネート用積層フイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属缶の缶内面及び外面は腐食防止を目的として、エポキシ系、フェノ−ル系等の各種熱硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたものを塗布し、金属表面を被覆することが広く行われてきた。しかしながら、このような熱硬化性樹脂の被覆方法は塗料の乾燥に長時間を要し、生産性が低下したり、多量の有機溶剤による環境汚染など好ましくない問題がある。
【0003】
これらの問題を解決する方法として、金属缶の材料である鋼板、アルミニウム板あるいは該金属板にめっき等各種の表面処理を施した金属板にフイルムをラミネ−トする方法がある。そして、フイルムのラミネ−ト金属板を絞り成形やしごき成形加工して金属缶を製造する場合、フイルムには次のような特性が要求される。
【0004】
(1)金属板との接着性に優れていること。
(2)成形性に優れ、成形後にピンホールなどの欠陥を生じないこと。
(3)金属缶に対する衝撃によって、ポリエステルフイルムが剥離したり、クラック、ピンホールが発生したりしないこと。
(4)缶の内容物の香り成分がフイルムに吸着したり、フイルムの臭いによって内容物の風味がそこなわれないこと(以下味特性と記載する)。
【0005】
これらの要求を解決するために多くの提案がなされており、例えば特開昭64−22530号公報には特定の密度、面配向係数を有するポリエステルフイルム、特開平2−57339号公報には特定の結晶性を有する共重合ポリエステルフイルム等が開示されている。さらに、最近では耐衝撃性を向上させるためにポリブチレンテレフタレート成分を混合する方法が特開平5−156040号、特開平6−218895号、特開平7−145252号など、特開平7−47650号には炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸残基を共重合したポリエステルを積層する方法が開示されている。しかしながら、これらの提案は上述のような多岐にわたる要求特性を総合的に満足できるものではなく、特に耐衝撃性、成形性を両立する点に対しては十分に満足できるレベルにあるとは言えなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記した従来技術の問題点を解消することにあり、成形性、耐衝撃性に優れ成形加工によって製造される金属缶に好適な金属板ラミネート用積層フイルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した本発明の目的は、エチレンテレフタレートまたはエチレンナフタレートを主たる構成成分とするポリエステルAからなるA層と、ポリエステルB1と炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分を共重合したポリエステルB2とを主成分とするB層とからなる積層フィルムであって、ポリエステルB2の平均分散径(円相当径)が0.001〜10μmであり、炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分がB層中に2〜20重量%含有していることを特徴とする金属板ラミネート用積層フィルムによって達成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、ポリエステルに特定、適量の長鎖脂肪族ジカルボン酸成分を含有させた層をエチレンテレフタレートまたはエチレンナフタレートを主たる構成成分とするポリエステルに積層したフィルムを得ることにより、金属にラミネート後、良好な成形性を有することから高倍率に成形・製缶させることが可能となるだけでなく、製缶工程での熱処理、製缶後のレトルト処理などの多くの熱履歴を受けても良好な耐衝撃性が得られることを見いだしたものであり、特に高成形性、耐衝撃性を両立する点では従来技術に比べて非常に大きいものである。
【0009】
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸成分とグリコ−ル成分からなるポリマであり、ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマ−酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。なかでもこれらのジカルボン酸成分のうち、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が耐衝撃性、味特性の点から好ましい。一方、グリコ−ル成分としては例えばエチレングリコ−ル、プロパンジオ−ル、ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレングリコール等が挙げられる。中でもこれらのグリコール成分のうちエチレングリコールが耐衝撃性、味特性の点から好ましい。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコ−ル成分は2種以上を併用してもよい。
【0010】
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、共重合ポリエステルにトリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロ−ルプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
【0011】
本発明におけるエチレンテレフタレートまたはエチレンナフタレートを主たる構成成分とするポリエステルAとは、繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートまたはエチレンナフタレート単位であるポリエステルを言い、さらに好ましくは85モル%以上であると味特性が向上するので望ましい。
【0012】
本発明において、ポリエステルAとポリエステルB1は同一であっても、異なる組成であっても特に限定されない。さらに、ポリエステルB1はフィルムの回収性の点でポリエステルA成分が含有されていても良く、さらにエステル交換などにより共重合されていてもよい。好ましくはポリエステルAの融点とポリエステルB1の融点差が30℃以内である場合、成形、熱処理工程での層間のずれが小さくなるので望ましい。
【0013】
本発明における炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸としては、ドデカジオン酸、ブラシル酸、テトラデカジオン酸、ペンタデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、ヘプタデカジオン酸、オクタデカジオン酸、ノナデカジオン酸、エイコサンジオン酸、ヘネイコサンジオン酸、ドコサンジオン酸、トリコサンジオン酸、テトラコサンジオン酸、ペンタコサンジオン酸、ヘキサコサンジオン酸、ヘプタコサンジオン酸、オクタコサンジオン酸、ノナコサンジオン酸、トリアコンタンジオン酸およびそれらのエステル形成性誘導体、炭素数10〜25の不飽和脂肪酸を二量化して得られるダイマー酸及びその水添体、およびそのエステル形成性誘導体等を挙げることができる。
【0014】
特にダイマー酸成分を含有するものは、成形性、耐衝撃性に優れるので好ましい。
【0015】
本発明では耐衝撃性、成形性を良好にする上で、ポリエステルB1とポリエステルB2を主構成成分とするB層において上記炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分を2〜20重量%含有させることが必要である。さらに味特性を良好にする点では炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分を2〜15重量%、特に2〜10重量%含有させることが好ましい。
【0016】
本発明におけるポリエステルB2は、上記に示した炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分を含有しており、他のジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、その他脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。なかでもこれらのジカルボン酸成分のうち、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が耐衝撃性、味特性の点から好ましい。一方、グリコ−ル成分としては例えばエチレングリコ−ル、プロパンジオ−ル、ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレングリコール等が挙げられる。中でもこれらのグリコール成分のうちエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールが耐衝撃性、味特性の点から好ましく、特にブタンジオール成分を使用するとレトルト処理後の耐衝撃性が良好となるので好ましい。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコ−ル成分はそれぞれ2種以上を併用してもよい。また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、共重合ポリエステルにトリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロ−ルプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
【0017】
ポリエステルB2中の炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分は、耐熱性、味特性、耐衝撃性の点で好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは15〜40重量%である。
【0018】
積層比としては、A層厚み/B層厚みが1/20〜20/1であることが好ましく、A層の厚みが1μm以上であることが味特性の点で望ましい。フィルム厚みとしては、5〜60μmとすることが好ましく、さらに好ましくは、8〜50μm、特に好ましくは10〜30μmである。
【0019】
本発明では、好ましくはポリエステルB1とポリエステルB2が重量比で、40:60〜95:5が好ましく、さらに60:40〜95:5の割合で配合されてなることが好ましい。
【0020】
また、ポリエステルB2とポリエステルB1は完全または部分的にエステル交換されていてもよく、ほとんどエステル交換が行われてなくてもよい。ポリエステルB1中にポリエステルB2成分が微分散していると味特性、耐衝撃性、成形性が良好となるので好ましい。
【0021】
ポリエステルB2成分の平均分散径(円相当径)が好ましくは0.001〜10μm、好ましくは0.003〜3μm、特に好ましくは0.01〜2μmであると成形時の大きな空隙の発生が抑えられ味特性が良好となるので好ましい。ここで、分散径は、例えばフィルム断面を切断し厚さ0.1〜1μm程度の超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡を用いて倍率5000〜20000程度で写真(長手方向25cm×厚み方向20cmを10枚)を撮影し、ポリエステルB1中に分散したポリエステルB2成分の径を円相当面積として測定する。その後、各分散成分について測定し数平均して求めた。なお、フィルムは熱処理、染色処理後に測定しても良い。
【0022】
さらに、耐衝撃性と味特性を良好にする点で、ポリエステルB2の分散径比がXが下式を満足することが好ましい。
【0023】
1<X≦100
X=(D1+D2)/2D3
D1:長手方向の平均長さ(μm)
D2:幅方向の平均長さ(μm)
D3:厚さ方向の平均長さ(μm)
【0024】
さらに好ましくは1<X≦50である。分散径比が小さすぎたり、大きすぎるとボイドを形成し味特性が低下することがある。
【0025】
上記の分散径、分散径比をコントロールする方法は特に限定されないが、スクリューのメタリング部にミキシング構造を設ける方法、例えばダルメージスクリュー、ユニメルトスクリュー、ピンスクリュー、BMスクリュー、ウエーブスクリュー、HMスクリュー、DISスクリュー、多条ピンスクリューなどのように剪断力を高め混練性を大きくする方法、二軸押出機による押出、さらに二軸押出機のスクリューに予め混練に適したスクリューディメンジョン(例えばポリマをある程度長く滞留させる部分を設定しそこでローターなどの混練性の高い形状を持ったもので練る方法)を設ける方法、製膜時の延伸、熱処理条件を適正化する方法などが用いられる。
【0026】
さらに、本発明において缶底の耐衝撃性を良好にする上で、フィルムを二軸延伸することが好ましい。そして、成形性、耐衝撃性のバランスの点で面配向係数が0.05〜0.14であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.12であることが望ましい。
【0027】
味特性を良好にする上で、ポリエステル中のアセトアルデヒドの含有量を好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは25ppm以下、特に好ましくは20ppm以下が望ましい。アセトアルデヒドの含有量が30ppmを越えると味特性に劣る。ポリエステル中のアセトアルデヒドの含有量を30pm以下とする方法は特に限定されるものではないが、例えばポリエステルを重縮反応等で製造する際の熱分解によって生じるアセトアルデヒドを除去するため、ポリエステルを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下において、ポリエステルの融点以下の温度で熱処理する方法、好ましくはポリエステルを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下において150℃以上、融点以下の温度で固相重合する方法、ベント式押出機を使用して溶融押出する方法、ポリエステルを溶融押出する際に押出温度を融点+30℃以内、好ましくは融点+25℃以内で、短時間で押出す方法等を挙げることができる。
【0028】
また、本発明において特に耐衝撃性、味特性を良好にするためには、好ましくはポリエステルの固有粘度が0.65以上、さらに好ましくは固有粘度が0.70以上、特に好ましくは固有粘度が0.75以上であると、ポリマ分子鎖の絡み合い密度が高まるためと考えられるが耐衝撃性、味特性をさらに向上させることができるので好ましい。
【0029】
本発明の積層フィルムが飲料、食缶用途に使用される場合、ポリエステルAは、味特性の点でゲルマニウム元素を1〜500ppm含有することが好ましく、さらに好ましくは5〜300ppm、特に好ましくは10〜100ppmである。ゲルマニウム元素量が1ppm未満であると味特性向上の効果が十分でなく、また500ppmを越えると、ポリエステル中に異物が発生し耐衝撃性が悪化したり、味特性を悪化してしまう。本発明のポリエステルは、ポリエステル中にゲルマニウム元素の前記特定量を含有させることにより味特性を向上させることができる。ゲルマニウム元素をポリエステルに含有させる方法は従来公知の任意の方法を採用することができ特に限定されないが、通常ポリエステルの製造が完結する以前の任意の段階において、重合触媒としてゲルマニウム化合物を添加することが好ましい。このような方法としては例えば、ゲルマニウム化合物の粉体をそのまま添加する方法や、あるいは特公昭54−22234号公報に記載されているように、ポリエステルの出発原料であるグリコ−ル成分中にゲルマニウム化合物を溶解させて添加する方法等を挙げることができる。ゲルマニウム化合物としては、例えば二酸化ゲルマニウム、結晶水含有水酸化ゲルマニウム、あるいはゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフェノレ−ト、ゲルマニウムβ−ナフトレ−ト等のゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウム等を挙げることができる。中でも二酸化ゲルマニウムが好ましい。
【0030】
本発明のポリエステルの製造は、従来公知の任意の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えばポリエチレンテレフタレ−トにイソフタル酸成分を共重合し、ゲルマニウム化合物として二酸化ゲルマニウムを添加する場合で説明する。テレフタル酸成分、イソフタル酸成分とエチレングリコ−ルをエステル交換またはエステル化反応せしめ、次いで二酸化ゲルマニウム、リン化合物を添加し、引き続き高温、減圧下で一定のジエチレングリコール含有量になるまで重縮合反応せしめ、ゲルマニウム元素含有重合体を得る。次いで得られた重合体をその融点以下の温度において減圧下または不活性ガス雰囲気下で固相重合反応せしめ、アセトアデルヒドの含有量を減少させ、所定の固有粘度、カルボキシル末端基を得る方法等を挙げることができる。
【0031】
本発明のポリエステルを製造する際には、従来公知の反応触媒、着色防止剤を使用することができ、反応触媒としては例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物等、着色防止剤としては例えばリン化合物等挙げることができる。
【0032】
本発明において、ポリエステルA、B1、B2は、触媒、ジエチレングリコール量、カルボキシル末端基量は異なっていてもよい。ポリマを回収する場合は、B層に回収することが味特性の点で好ましい。
【0033】
本発明では、A層を抽出面として、120℃、30分水に浸せきさせた時の抽出成分のTOC計で測定されるTOC量が5ppm以下であることが、缶の長期保存性の点で好ましく、さらに好ましくは3ppm以下であることが望ましい。ここで、上記TOC量を達成する方法としては、アセトアルデヒドを低減させる方法、積層フィルムのA層の厚みを大きくする方法、延伸、熱処理条件を適正化する方法が挙げられる。特に熱処理温度を融点−5℃以上にした際にはTOC量が大きくなる傾向があるので、融点−5℃未満で熱処理することが好ましい。
【0034】
また、本発明のポリエステルはフイルムの取扱い性、加工性を向上させるために、平均粒子径0.01〜5μmの公知の内部粒子、無機粒子および/または有機粒子などの外部粒子の中から任意に選定されるが0.01〜10重量%含有されていることが好ましく、さらには平均粒子径0.1〜3μmの無機粒子および/または有機粒子が0.01〜3重量%含有されていることが好ましい。10μmを越える平均粒子径を有する粒子を使用するとフィルムの欠陥が生じ易くなるので好ましくない。無機粒子および/または有機粒子としては、例えば湿式および乾式シリカ、コロイド状シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレ−等の無機粒子およびスチレン、シリコ−ン、アクリル酸類等を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。なかでも湿式および乾式コロイド状シリカ、アルミナ等の無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼン等を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。これらの無機粒子および/または有機粒子は二種以上を併用してもよい。
【0035】
粒子はA層、B層のいずれに添加しても良い。A層の中心線平均粗さRaが好ましくは0.005〜0.08μm、さらに好ましくは0.008〜0.06μmである。さらに、最大粗さRt/Raが5〜50、好ましくは8〜40であると高速製缶性が向上する。ポリエステルB層はA層のRaより大きい方がハンドリング性、ラミネート性が向上するので好ましい。
【0036】
本発明における積層フィルムの製造方法としては、例えば粒子を含有するポリエステルA、ポリエステルB1とポリエステルB2のブレンドを必要に応じて乾燥した後、各々を公知の溶融積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加などの方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シートを得る。この時B層はポリエステルB2の分散性を考慮してミキシングスクリュー、ベント式二軸押出機などを採用してもよく、予め高分散させたマスタポリマを使用しても良い。
【0037】
その後、フィルムを延伸することが好ましく、フイルムの長手方向及び幅方向の延伸倍率は目的とするフイルムの配向度、強度、弾性率等に応じて任意に設定することができるが、好ましくは長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方式が望ましい。延伸倍率としてはそれぞれの方向に1.5〜5.0倍、好ましくは1.8〜4.0倍である。長手方向、幅方向の延伸倍率はどちらを大きくしてもよく、同一としてもよい。また、長手方向の延伸速度は10000%/分〜200000%/分、幅方向の延伸速度は2000〜20000%/分であることが望ましく、長手方向延伸速度>幅方向延伸速度であることが好ましい。延伸温度はポリエステルのガラス転移温度以上、結晶化温度以下の範囲であれば任意の温度とすることができるが、通常は80〜150℃が好ましい。更に二軸延伸の後にフイルムの熱処理を行うことができる。この熱処理はオ−ブン中、加熱されたロ−ル上等、従来公知の任意の方法で行なうことができる。熱処理温度はポリエステルの結晶化温度以上245℃以下の任意の温度とすることができるが、好ましくは120〜240℃である。また熱処理時間は任意とすることができるが、通常1〜60秒間行うのが好ましい。熱処理はフイルムをその長手方向および/または幅方向に弛緩させつつおこなってもよい。熱処理後フィルムは急冷、徐冷してもよい。さらに、再延伸を各方向に対して1回以上行ってもよく、その後熱処理を行っても良い。
【0038】
DSCのサブピークがポリエステルB2の融点−30℃以上融点+30℃以下であると耐衝撃性、成形性が良好となるので好ましい。ここで、DSCのサブピークとはDSCで昇温時に現れるサブピークを意味し例えば特開平5−186613号に示される方法などで測定される。
【0039】
さらに、味特性、成形性の点でDSCの測定においてフィルムを溶融後に急冷し、再昇温した際に測定されるガラス転移温度が61℃以上であることが好ましく、さらに味特性の経時性の点で65℃以上であることが好ましい。
【0040】
本発明のポリエステルフィルムを製造するにあたり、必要により酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、耐候剤、末端封鎖剤等の添加剤も適宜使用することができる。特に、酸化防止剤の併用は製缶工程での熱履歴によるポリエステルの劣化を防止し好ましい。その量としては、全フィルム重量に対し0.001〜1重量%程度が好ましい。
【0041】
また、コロナ放電処理などの表面処理を施すことにより接着性を向上させることはさらに特性を向上させる上で好ましい。その際、E値としては5〜40、好ましくは10〜35である。
【0042】
本発明では120℃×30分での熱収縮率が5%以下であることが好ましい。熱収縮率が5%以下、好ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以下であると金属との熱ラミネート性が優れるだけでなく、耐衝撃性が向上する。
【0043】
本発明の金属板とは特に限定されないが、成形性の点で鉄やアルミニウムなどを素材とする金属板が好ましい。さらに、鉄を素材とする金属板の場合、その表面に接着性や耐腐食性を改良する無機酸化物被膜層、例えばクロム酸処理、リン酸処理、クロム酸/リン酸処理、電解クロム酸処理、クロメート処理、クロムクロメート処理などで代表される化成処理被覆層を設けてもよい。特に金属クロム換算値でクロムとして6.5〜150mg/m2 のクロム水和酸化物が好ましく、さらに、展延性金属メッキ層、例えばニッケル、スズ、亜鉛、アルミニウム、砲金、真ちゅうなどを設けてもよい。スズメッキの場合0.5〜15mg/m2 、ニッケルまたはアルミニウムの場合1.8〜20g/m2 のメッキ量を有するものが好ましい。
【0044】
本発明の金属ラミネート用積層フィルムは、絞り成形やしごき成形によって製造されるツーピース金属缶の内面被覆用に好適に使用することができる。また、ツーピース缶の蓋部分、あるいはスリーピース缶の胴、蓋、底の被覆用としても良好な金属接着性、成形性を有するため好ましく使用することができる。
【0045】
【実施例】
以下実施例によって本発明を詳細に説明する。なお特性は以下の方法により測定、評価した。
【0046】
(1)ポリエステル中のゲルマニウム元素の含有量
蛍光X線測定によりポリエステル組成物中のゲルマニウム元素の含有量とピーク強度の検量線から定量した。
【0047】
(2)ポリエステルの固有粘度
ポリエステルをオルソクロロフェノ−ルに溶解し、25℃において測定した。なお、不溶ポリマは濾過して取り除いて測定した。
【0048】
(3)ポリエステルの融点及びフィルムのDSCサブピーク、ガラス転移温度
ポリエステルまたはフィルムを示差走査熱量計(パ−キン・エルマ−社製DSC−2型)により、20℃/minの昇温速度で測定した。
【0049】
なお、ガラス転移温度は、フィルムを融点+30℃で5分間溶融保持し、液体窒素で急冷後に測定し求めた。
【0050】
(4)フイルム中のアセトアルデヒド含有量
フイルムの微粉末を2g採取しイオン交換水と共に耐圧容器に仕込み、120℃で60分間水抽出後、高感度ガスクロで定量した。
【0051】
(5)粒子の平均粒径
フィルムから樹脂をプラズマ低温灰化処理法で除去し粒子を露出させる。処理条件は樹脂は灰化するが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これを走査型電子顕微鏡で粒子数5000〜10000個を観察し、粒子画像を画像処理装置により円相当径から求めた。
【0052】
粒子が内部粒子の場合上記方法ではなく、透過型顕微鏡により(10)に準じた方法で求めた。
【0053】
(6)熱収縮率
幅10mm、長さ250〜300mmのフィルムサンプルを200mm間隔にマーキングし、サンプル支持板に一定張力下で固定し、万能投影機(日本光学製V16A)を用いてマーキング間隔の原長を測定した。測定したサンプルに3gのクリップを用いて荷重をかけ、120℃に設定した熱風オーブン中で30分間回転させながら処理した。処理したサンプルは、原長を測定した雰囲気下に2時間放置後、原長測定法と同様にマーキング間隔を測定して収縮率を求めた。
【0054】
(7)フィルムの表面粗さ(中心線平均粗さRa、最大粗さRt)
小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて測定した。条件は次の通りであり、20回の測定の平均値をもって値とした。
【0055】
・触針先端半径:0.5μm
・触針荷重 :5mg
・測定長 :1mm
・カットオフ値:0.08mm
なお、Ra、Rtの定義は、例えば、奈良次郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センター、1983)に示されているものである。
【0056】
(8)ポリエステルB2の平均分散径、分散径比
ポリマ断面を切断し厚さ0.1〜1μm程度の超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡を用いて倍率5000〜20000程度で写真を(10枚:25cm×25cm)撮影し、分散したポリエステルB2の平均分散径を円相当径より計算した。さらに、長手方向、幅方向、厚さ方向の分散径を求めて、平均化し、下式により分散径比Xを求めた。
【0057】
X=(D1+D2)/2D3
D1:長手方向の平均長さ(μm)
D2:幅方向の平均長さ(μm)
D3:厚さ方向の平均長さ(μm)
【0058】
(9)面配向係数
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて測定した。長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx,Ny,Nz)から得られる面配向係数fn=(Nx+Ny)/2−Nzを計算して求めた。
【0059】
(10)TOC量(ppm)
ラミネート鋼板のA層に水を接触させて50℃×5日後の抽出液を得た(2400cm2 に対し1500mlの蒸留水)。抽出水を適当に濃縮し、トータルオーガニックカーボン(TOC)をTOC計で測定した。
【0060】
(11)成形性
20m/分でフィルムと140〜250℃に加熱された鋼板をB層が接着面となるようにラミネート、急冷した後、絞り成形機(成形比(最大厚み/最小厚み)=2.0)で20m/分の速度で成形した缶を得た。得られた缶に1%の食塩水を入れて、食塩水中の電極と金属缶に6vの電圧をかけて3秒後の電流値を読み取り、10缶測定後の最大値を求めた。
【0061】
A級:0.01mA未満
B級:0.01mA以上0.05mA未満
C級:0.05mA以上0.1mA未満
D級:0.1mA以上
【0062】
(12)耐衝撃性
20m/分でフィルムと140〜250℃に加熱された鋼板をB層が接着面となるようにラミネート、急冷した後、絞り成形機(成形比(最大厚み/最小厚み)=1.8)で成形した缶を得た。
【0063】
(炭酸飲料での耐衝撃性)
製缶後、215℃、3分の熱処理を行い、炭酸水を充填し0℃、60時間炭酸バブリングした。そして、内容物として水を充填した缶(350g)を底面が落下した際にコンクリートの地面に対して45゜となるようにして30cmの高さから落下させて衝撃を与えた後内容物を除いて缶側内面をろうでマスキングし、カップ内に1%の食塩水を入れて、食塩水中の電極と金属缶に6vの電圧をかけて3秒後の電流値を読み取り、10缶測定後の平均値を求めた。
【0064】
A級:0.1mA未満
B級:0.1mA以上0.2mA未満
C級:0.2mA以上0.5mA未満
D級:0.5mA以上
【0065】
(レトルト飲料での耐衝撃性)
製缶後、215℃3分の条件で空焼きを行い、空焼き後、120℃×30分のレトルト処理をし、市販のウーロン茶を充填し、30℃、48時間放置し、内容物として水を充填した缶(350g)を底面が落下した際にコンクリートの地面に対して45゜となるようにして30cmの高さから落下させて衝撃を与えた後、内容物を除き缶側内面をろうでマスキングしてカップ内に1%食塩水を入れて、食塩水中の電極と金属缶に6Vの電圧をかけて3秒後の電流値を読み取り、10缶測定後の平均値を求めた。
【0066】
A級:0.1mA未満
B級:0.1mA以上0.2mA未満
C級:0.2mA以上0.5mA以下
D級:0.5mA以上
【0067】
(13)味特性
A層が香料水溶液(d−リモネン30ppm水溶液)に接するようにして(接触面積:314cm2 )40℃7日間放置した後、80℃で30分間窒素気流中で加熱し追い出される成分を、ガスクロマトグラフィーによりフイルム1gあたりのd−リモネンの吸着量を定量し味特性を評価した。
【0068】
また、成形した金属缶に香料水溶液(d−リモネン20ppm水溶液)を入れ、密封後1ヶ月放置し、その後開封して官能検査によって、臭気の変化を以下の基準で評価した。
【0069】
A級:臭気に変化が見られない。
B級:臭気にほとんど変化が見られない。
C級:臭気に変化が見られる。
【0070】
実施例1
ポリエステルAとして平均粒子径0.2μmのコロイダルシリカ粒子を含有するエチレングリコールスラリーを190℃で2時間熱処理した後、エステル化反応終了後にスラリーを添加し、重縮合反応を行い該粒子を0.3重量%含有するイソフタル酸12.0モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(ゲルマニウム元素量40ppm、固有粘度0.70、ジエチレングリコール0.90重量%、融点228℃)のチップを製造した。ポリエステルB1として平均粒子径1.2μmの湿式シリカを0.2重量%含有するイソフタル酸10.0モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(ゲルマニウム元素量40ppm、固有粘度0.71、ジエチレングリコール0.80重量%、融点232℃)のチップと水添ダイマ酸成分を30重量%含有するダイマー酸共重合ポリブチレンテレフタレート(固有粘度0.80、融点190℃)のチップを重量比で80:20となるようにチップブレンドして、ポリエステルAを170℃3時間真空乾燥して単軸押出機に供給し、B層として上記混合物を140℃5時間真空乾燥後二軸真空ベント式押出機(押出機の温度はいずれも270℃に設定)に供給し溶融し、しかる後にフィードブロックにて2層(ポリエステルA層/熱可塑性樹脂B層=1/4)に積層して通常の口金から吐出後、静電印加(7kv)でB層がドラム面になるように鏡面冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを温度95℃にて延伸速度15000%/分で長手方向に2.9倍延伸し、予熱温度90℃、5秒後に温度105℃で延伸速度3000%/分で幅方向に2.9倍延伸した後、190℃にてリラックス5%、5秒間熱処理し、80℃5秒冷却後室温まで冷却し巻き取った。得られたフィルムの特性は表1に示した通りであり、炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分がB層中に6重量%含有してあるので良好な成形性、耐衝撃性、味特性を得ることができた。
【0071】
実施例2〜9
ポリエステルの種類、添加量、積層比、製膜条件などを変更し実施例1と同様にして製膜し、フィルムを得た。結果を表1〜3に示す。
【0072】
実施例2は、ポリエステルB2をダイマー酸22重量%共重合ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.78、融点233℃)とし、製膜後の熱処理温度を205℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムは炭酸飲料での耐衝撃性が良好であったが、ややレトルト後の耐衝撃性は低下した。
【0073】
実施例3は、ポリエステルB1とポリエステルB2の重量比を60/40とし、延伸倍率を3.1倍とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られた結果を表1に示すが、味特性がやや低下した。
【0074】
実施例4は、積層比A:B=2:1とし、熱処理温度を155℃とした以外は実施例1と同様にして製膜を行った。表2より得られたフィルムは成形性、耐衝撃性が低下した。
【0075】
実施例5は、熱処理温度を225℃としたところ、表2より成形性、耐衝撃性が低下した。
【0076】
実施例6は、ポリエステルB2をドデカジオン酸12重量%共重合ポリブチレンテレフタレート(固有粘度0.82、融点:192℃)とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムは表2より成形性、耐衝撃性がやや低下した。
【0077】
実施例7は、延伸温度を85℃、延伸倍率を3.5倍、熱処理温度を155℃としたところ、面配向係数が大きく、分散径比が大きいため成形性、耐衝撃性が低下した。
【0078】
実施例8は、ポリエステルB1とポリエステルB2を単軸押出機にて溶融し、熱処理条件を変更したところ、分散径が大きく、成形性、耐衝撃性が低下した。
【0079】
実施例9は、ポリエステルB1を変更したところ、ガラス転移温度が低く、TOCが大きいため味特性が低下した。
【0080】
比較例1〜3
比較例1では、B層をポリエステルB1のみとした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムは成形性、耐衝撃性が大きく低下した。
【0081】
比較例2では、B層のポリエステルB2をセバシン酸12重量%共重合ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.70、融点227℃)とした以外は実施例1と同様にフィルムを得た。得られたフィルムは成形性、耐衝撃性が大きく低下した。
【0082】
比較例3では、B層中の炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分を30重量%とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムは成形性、味特性が大きく低下した。
【0083】
【表1】
Figure 0003757488
【表2】
Figure 0003757488
【表3】
Figure 0003757488
【表4】
Figure 0003757488
【0084】
なお、表中の略号は以下の通りである。
【0085】
PET/I:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(数字は共重合モル%)
PET/DA:水添ダイマ酸共重合ポリエチレンテレフタレート(数字は共重合重量%)
PBT/DA:水添ダイマ酸共重合ポリブチレンテレフタレート(数字は共重合重量%)
PBT/D:ドデカジオン酸共重合ポリブチレンテレフタレート(数字は共重合重量%)
PET/S:セバシン酸共重合ポリエチレンテレフタレート(数字は共重合重量%)
DEG:ジエチレングリコール
【0086】
【発明の効果】
本発明の金属板ラミネート用積層フィルムは缶などに成形する際の成形性に優れているだけでなく、耐衝撃性、味特性に優れた特性を有し、成形加工によって製造される金属缶に好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. エチレンテレフタレートまたはエチレンナフタレートを主たる構成成分とするポリエステルAからなるA層と、ポリエステルB1と炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分を共重合したポリエステルB2とを主成分とするB層とからなる積層フィルムであって、ポリエステルB2の平均分散径(円相当径)が0.001〜10μmであり、炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分がB層中に2〜20重量%含有していることを特徴とする金属板ラミネート用積層フィルム。
  2. 炭素数10以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸成分がB層中に2〜10重量%含有していることを特徴とする請求項1に記載の金属板ラミネート用積層フィルム。
  3. 面配向係数が0.05〜0.14であり、二軸延伸されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属板ラミネート用積層フィルム。
  4. ポリエステルB2の平均分散径(円相当径)が0.01〜2μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属板ラミネート用積層フィルム。
  5. ポリエステルB2の分散径比Xが下式を満足することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属板ラミネート用積層フィルム。
    1<X≦100
    X=(D1+D2)/2D3
    D1:長手方向の平均長さ(μm)
    D2:幅方向の平均長さ(μm)
    D3:厚さ方向の平均長さ(μm)
  6. DSCのサブピークがポリエステルB2の融点−30℃以上融点+30℃以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属板ラミネート用積層フィルム。
  7. DSC測定によるガラス転移温度が61℃以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属板ラミネート用積層フィルム。
  8. DSC測定によるガラス転移温度が65℃以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属板ラミネート用積層フィルム。
  9. 120℃、30分の熱処理でA層より水に抽出される成分のTOC量が5ppm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属板ラミネート用積層フィルム。
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