JP2005194472A - 金属板被覆用樹脂組成物、樹脂被覆金属板、缶及び缶蓋 - Google Patents

金属板被覆用樹脂組成物、樹脂被覆金属板、缶及び缶蓋 Download PDF

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一弘 佐藤
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Nobuo Kadowaki
伸生 門脇
Hiroshi Oishi
浩 大石
Hiroshi Jodai
洋 上代
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Abstract

【課題】 耐衝撃性、耐食性、耐経時脆化性、耐高温湿熱性等の諸特性に優れていると共に、ゲルの発生が抑制された金属板被覆用樹脂組成物、及びこの樹脂被覆組成物から成る被覆層を有する樹脂被覆金属板、並びにこの樹脂被覆金属板から成る缶体及び缶蓋を提供することである。
【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂、オレフィン系重合体、アイオノマー樹脂及びトコフェロールから成る樹脂組成物であって、該オレフィン系重合体は熱可塑性ポリエステル樹脂中に微細分散していると共に少なくとも一部がアイオノマー樹脂でカプセル化された構造を有しており、トコフェロールが0.01乃至2重量%の量で含有されていることを特徴とする金属板被覆用樹脂組成物
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属板被覆用樹脂組成物、樹脂被覆金属板、缶及び缶蓋に関し、より詳細には、耐衝撃性(デント性)、耐食性、経時脆化性及び耐高温湿熱性に優れた樹脂被覆金属板を提供し得る金属板被覆用樹脂組成物、及びこの樹脂組成物から成る被覆を有する樹脂被覆金属板、並びにかかる樹脂被覆金属板から成る缶及び缶蓋に関する。
側面無継目缶(サイド・シームレス缶)は、アルミニウム板、ブリキ板或いはティン・フリー・スチール板等の金属素材を、絞りダイスと、ポンチとの間で少なくとも一段の絞り加工に付して、側面継目のない胴部と、該胴部に継目なしに一体に接続された底部とから成るカップに形成し、次いで所望により前記胴部に、しごき加工或いは曲げ伸ばしにより、側壁部を薄肉化したものが知られている。
このような側面無継目缶には、従来より、成形前の金属素材に予めポリエステルフィルムをラミネートして成る樹脂被覆金属板が使用されているが、ポリエステル樹脂被覆と金属素材との密着性、耐衝撃性等の点で未だ充分に満足するものが得られていない。
また、実際の缶詰製品に要求される実用的な耐衝撃性として、耐デント性と呼ばれるものがある。これは、缶詰製品を落下して、或いは缶詰製品同士が相互に衝突して、缶詰製品に打痕と呼ばれる凹みが生じた場合にもなお、被覆の密着性やカバレージが完全に保たれることが要求されるという特性である。すなわち、デント試験で被覆が剥離し或いは被覆にピンホールやクラックが入る場合には、この部分から金属溶出や孔食による漏洩等を生じて、内容物の保存性を失うという問題を生じるのである。
更に缶詰用缶においては、缶の外面に印刷等を施すのが普通であり、印刷インクを焼き付けるための加熱の影響がポリエステルフィルムに生じる。また、実際の製缶においては、樹脂被覆の歪み除去安定化等を目的として、缶の加熱が行われる場合があると共に、内容物充填後は、レトルト殺菌のような高温湿熱条件下に付される場合や、ホットベンダーに付される場合もあり、このような加熱を経ることによるポリエステルへの影響は無視できない。すなわち、ポリエステルは加熱により熱劣化して分子量が低下する傾向があり、これにより耐デント性が低下し、金属基体との密着性の低下或いは被覆性の低下やネックイン加工、巻締め加工等の際の加工性が低下する。
このような観点から、ポリエステル樹脂被覆金属板においては、種々の改良が提案されている。例えば、ポリエステル樹脂、ゴム状弾性体及びビニル重合体から成り、ポリエステル樹脂中にゴム状弾性体樹脂が微細分散し、且つ少なくともゴム状弾性体樹脂の一部がビニル重合体でカプセル化された構造を有する金属板被覆用樹脂組成物(特許文献1)が提案されている。
またポリエステル樹脂から成る被覆を有する製缶用樹脂被覆金属板において、ポリエステル樹脂にアイオノマー樹脂等のエチレン系重合体及びトコフェロールを配合して成る樹脂被覆金属板が提案されている(特許文献2)。
WO99/27026 特開2001−328208
上記特許文献1に記載された樹脂組成物を被覆して成る樹脂被覆金属板は、熱履歴を受けないときの耐衝撃性は向上されているが、レトルト殺菌のような高温湿熱条件下に付された場合や、またホットベンダーに付された場合にまで充分満足のいく耐食性や耐衝撃性が得られていない。またアイオノマー樹脂のようなビニル重合体を含有するポリエステル樹脂被覆においては、アイオノマー樹脂の凝集によるブツの発生や、またアイオノマー樹脂が加熱による焦げる傾向があることから、製膜性に劣るという問題もある。
また上記特許文献2に記載されたようにトコフェロールを配合した樹脂被覆においては、アイオノマー樹脂に起因する上記問題は解決されているとしても、耐衝撃性、密着性、耐熱脆化性、耐経時脆化性等がより改善された樹脂被覆金属板が望まれている。
従って本発明の目的は、耐衝撃性、耐食性、耐経時脆化性、耐高温湿熱性等の諸特性に優れていると共に、ゲルの発生が抑制された金属板被覆用樹脂組成物、及びこの被覆用樹脂組成物から成る被覆層を有する樹脂被覆金属板、並びにこの樹脂被覆金属板から成る缶体及び缶蓋を提供することである。
本発明によれば、熱可塑性ポリエステル樹脂、オレフィン系重合体、アイオノマー樹脂及びトコフェロールから成る樹脂組成物であって、該オレフィン系重合体は熱可塑性ポリエステル樹脂中に微細分散していると共に少なくとも一部がアイオノマー樹脂でカプセル化された構造を有しており、トコフェロールが0.01乃至2重量%の量で含有されていることを特徴とする金属板被覆用樹脂組成物が提供される。
本発明の金属板被覆用樹脂組成物においては、
1.オレフィン系重合体が、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体であり、特にエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合比が95:5乃至70:30であること、
2.オレフィン系重合体が5乃至50重量%の量で含有され、アイオノマー樹脂が1乃至20重量%の量で含有されていること、
が好適である。
本発明によれば、上記樹脂組成物をキャスト成形法により成形して成ることを特徴とする未延伸フィルムが提供される。
本発明によればまた、上記樹脂組成物から成る被覆層が金属基体上に少なくとも一層形成されていることを特徴とする樹脂被覆金属板が提供される。
本発明によれば更にまた、上記樹脂被覆金属板から形成されることを特徴とする缶及び缶蓋が提供される。
本発明の樹脂組成物によれば、ポリエステル樹脂中にアイオノマー樹脂でカプセル化されたオレフィン系重合体が微細分散されていることにより、耐衝撃性、耐食性、密着性等の諸特性に優れていると共に、ゲルの発生が抑制された樹脂被覆金属板を提供することが可能となる。特に0.01乃至2重量%の量でトコフェロールが配合されているため、レトルト殺菌やホットベンダー等に付された後においても、優れた耐衝撃性(耐デント性)、耐食性、密着性を発現することができ、耐経時脆化性、耐高温湿熱性にも顕著に優れた樹脂被覆金属板を提供することが可能となる。
またオレフィン系重合体として、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体を使用することにより、アイオノマー樹脂でカプセル化されたオレフィン系重合体のポリエステル樹脂への相溶性を向上させることが可能になると共に、オレフィン系重合体に適度な硬さを有する弾性を付与することが可能となり、ポリエステル樹脂中で微細分散させることが可能になると共に、強度も向上し、優れた加工性を付与することも可能となるのである。
本発明の金属板被覆用樹脂組成物においては、熱可塑性ポリエステル樹脂、オレフィン系重合体、アイオノマー樹脂及びトコフェロールから成る樹脂組成物であって、該オレフィン系重合体は熱可塑性ポリエステル樹脂中に微細分散していると共に少なくとも一部がアイオノマー樹脂でカプセル化された構造を有しており、トコフェロールが0.01乃至2重量%の量で含有されていることが重要な特徴であり、これにより樹脂被覆金属板に優れた耐衝撃性、耐食性、経時脆化性、耐高温湿熱性等の諸特性を付与することができると共に、ゲルの発生も抑制され製膜性にも優れた樹脂組成物を提供することが可能となるのである。
本発明においては、熱可塑性ポリエステル樹脂中に、ゴム状弾性を有するオレフィン系重合体が微細分散されていることにより、耐衝撃性を向上させることができる共に、かかるオレフィン系重合体がアイオノマー樹脂でカプセル化されているため、金属板との密着性に劣るオレフィン系重合体が直接金属板に接触することなく、金属板との接着性に優れているアイオノマー樹脂が金属板と接触することになり、耐衝撃性の向上と密着性の両方を満足し得ることが可能となるのである。
ポリエステル樹脂中にアイオノマー樹脂でカプセル化したオレフィン系重合体を微細分散させるには、アイオノマー樹脂とポリエステル樹脂及びオレフィン系重合体との界面張力のバランスを適切にすることが重要であり、特にアイオノマー樹脂とオレフィン系重合体の間の界面張力をγoi、オレフィン系重合体とポリエステル樹脂の間の界面張力をγop、ポリエステル樹脂とアイオノマー樹脂の間の界面張力をγipとすると、Spread Parameterλioは
λio=γop−γip−γoi
で表され、オレフィン系重合体がアイオノマー樹脂でカプセル化されるには、λio>0であることが必要である。
ポリエステル樹脂とオレフィン系重合体の相溶性は低いので、γop>0であり、またアイオノマー樹脂とポリエステル樹脂は比較的強い化学的相互作用を示すため、オレフィン系重合体と安定したカプセル構造を形成することができる。
またかかる熱可塑性ポリエステル樹脂、オレフィン系重合体及びアイオノマー樹脂を含有する樹脂組成物に、トコフェロールが0.01乃至2重量%の量で配合されていることが、レトルト処理や、レトルト処理後の経時にも耐え得る耐高温湿熱性、耐経時脆化性を付与する上で重要である。すなわち、トコフェロールがポリエステル樹脂の成形プロセスにおいて、さまざまな熱履歴による分子量低下を防止することは従来より知られていたが、熱可塑性ポリエステル樹脂とアイオノマー樹脂でカプセル化されたオレフィン系重合体から成る樹脂組成物にトコフェロールを配合すると、印刷や樹脂被膜のひずみ緩和のために加熱するような場合のみならず、レトルト殺菌やホットベンダー等のようなより過酷な条件で経時された場合にも耐デント性に優れ。しかも被膜にクラックが生じたような場合でもクラックから腐食が進むことが防止され、耐食性が著しく向上するという、予想外の新しい効果を得ることができたのである。
更に前述した通り、アイオノマー樹脂は、密着性及び加工性を向上し、金属板上に均一な樹脂被覆を形成させるものであるが、その一方、加熱により焦げる傾向があり、またブツの発生等を招くおそれがあることから製膜性に劣っている。本発明においては上記樹脂組成物にトコフェロールを0.01乃至2重量%の量で配合することにより、アイオノマー樹脂のこのような焦げを抑制し、製膜性を向上することが可能となる。
本発明においてトコフェロールは、上記範囲の量で配合されることが重要であり、上記範囲よりも少ないと、トコフェロールを配合することにより得られる上述した優れた効果を樹脂組成物に充分に発現することができず、また上記範囲よりも多いとポリエステル樹脂のゲル化を生じて被膜の平滑性が失われてシームレス缶への成形が困難になる傾向がある。
本発明においては、上記組成を有する金属板被覆用樹脂組成物において上記効果をより効率的に発現するためには、オレフィン系重合体として、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合比が95:5乃至70:30であるオレフィン系共重合体であることが好ましい。
このようなオレフィン系共重合体は、側鎖を所定量有する重合体であり、オレフィン系重合体における側鎖を長くすることにより、樹脂に適度な硬さを与えて凝集破壊を防止し、強度を向上させることが可能になるのである。またポリエステル樹脂に対する相溶性を付与し、これによりオレフィン系重合体がポリエステル樹脂中でより微細に分散して、界面剥離を有効に防止することが可能となり、レトルト処理等の高温湿熱条件下で処理を受けた後においても優れた耐衝撃性、密着性を発現することが可能となるのである。
このことは後述する実施例の結果からも明らかである。すなわち、側鎖の炭素原子数が2個のエチレン−1−ブテン共重合体(共重合比80:20)や側鎖の炭素原子数が6個のエチレン−1−オクテン共重合体(共重合比88:12)を用いた樹脂組成物(実施例6)では、側鎖の少ないHDPEを用いた樹脂組成物(比較例6)、オレフィン系重合体を含有していない樹脂組成物(比較例7)に比して優れた耐食性、耐デント性等の性能を有していることが明らかである。
(熱可塑性ポリエステル樹脂)
本発明に用いるポリエステル樹脂としては、従来公知のポリエステルを使用することができる。具体的には、ジカルボン酸成分の50%以上、特に80%以上がテレフタル酸で、ジオール成分の50%以上、特に80%以上がエチレングリコールであるエチレンテレフタレート系ポリエステルであることが好ましい。
このポリエステルはホモポリエステルでも、共重合ポリエステルでも、或いはこれらの2種以上のブレンド物であってもよい。
テレフタル酸以外のカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができる。
エチレングリコール以外のジオール成分としては、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン等を挙げることができる。
この熱可塑性ポリエステル樹脂は、そのペレット状態において、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて測定した固有粘度が、0.7〜1.5の範囲、特に0.8〜1.2の範囲にあることが好ましい。更に、ガラス転移点は、50℃以上、特に60℃〜90℃の範囲であることが内容物へのオリゴマー成分の溶出を防止する上で好ましい。
(オレフィン系重合体)
本発明に用いるオレフィン系重合体は、耐衝撃性を向上させるべくゴム状弾性を有するものであり、ゴム弾性発現部のガラス転移点が50℃以下、室温でのヤング率が1000MPa以下、破断伸びが50%以上のオレフィン系重合体であることが好ましい。
オレフィン系重合体としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィンを付加重合したときに現れる繰り返し単位や、イソブテンを付加した時の繰り返し単位等の脂肪族オレフィン、スチレンモノマーの他にo−,m−,p−メチルスチレン、o−,m−,p−エチルスチレン、t−ブチルスチレン等のアルキル化スチレン、モノクロロスチレン等のハロゲン化スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマーの付加重合体単位等の芳香族オレフィン等が挙げられる。
使用し得るオレフィン系重合体を例示すると、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン・ペンテン−1共重合体、エチレン−3−エチルペンテン共重合体、エチレン−オクタセン−1共重合体等のエチレンと炭素数3以上のαオレフィンの共重合体、前記2元共重合体にブタジエン、イソプレン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン,1,4−ヘキサジエン等を共重合したエチレン、炭素数3以上のα−オレフィン及び非共役ジエンから成る3元共重合体である。
本発明に用いるオレフィン系重合体としては、上述した通り、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン、特にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル-1-ペンテン、2,4,4−トリメチル-1-ペンテン等との共重合体であり、また、炭素数3以上のα−オレフィンおよび非共役ジエンが2種以上の3元以上の共重合体であってもよい。特にエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合比が95:5乃至70:30であることが最も望ましい。
このようなオレフィン系重合体としては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・ペンテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・オクテン共重合体、エチレン・4メチルペンテン共重合体、エチレン・2,2,4トリメチルペンテン共重合体等を挙げることができる。
(アイオノマー樹脂)
本発明に用いるアイオノマー樹脂は、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基の一部又は全部が金属陽イオンで中和されたイオン性塩であり、中和の程度、すなわちイオン濃度がその物理的性質に影響を及ぼしている。一般に、アイオノマー樹脂のメルトフローレート(以下、単にMFRという)はイオン濃度に左右され、イオン濃度が大きいとMFRが小さく、また融点はカルボキシル基濃度に左右され、カルボキシル基濃度が大きいほど融点も低くなる。
従って、本発明に用いるアイオノマー樹脂としては、勿論これに限定されるものではないが、MFRが15g/10min以下、特に5g/10min乃至0.5g/10minの範囲にあり、且つ融点が100℃以下、特に97℃乃至80℃の範囲にあるものであることが望ましい。
アイオノマー樹脂を構成するα,β−不飽和カルボン酸としては、炭素数3〜8の不飽和カルボン酸、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノメチルエステル等を挙げることができる。
特に、好適なベースポリマーとしては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体を挙げることができる。
また、このようなエチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基を中和する金属イオンとしては、Na,K,Li,Zn,Z2+,Mg2+,Ca2+,Co2+,Ni2+,Mn2+,Pb2+,Cu2+等を挙げることができるが、本発明においては、特に亜鉛により中和されているものが、架橋の程度が大きく、湿度敏感性が少ないことから、好適に用いることができる。また、金属イオンで中和されていない残余のカルボキシル基の一部は低級アルコールでエステル化されていてもよい。
またアイオノマー樹脂は、エチレンから誘導される構成単位を80〜99モル%、好ましくは85〜96モル%、不飽和カルボン酸から誘導される構成単位を1〜20モル%、好ましくは4〜15モル%の量で含有していることが好ましい。
(トコフェロール)
本発明に用いるトコフェロール(ビタミンE)は、下記一般式(1)
Figure 2005194472
で表され、上記式(1)においてR=R=R=CHのα−トコフェロール、R=R=CH、R=Hのβ−トコフェロール、R=R=CH,R=Hのγ−トコフェロール、R=CH、R=R=Hのδ−トコフェロールなどを挙げることができる。
また上記式(1)において、2位の不斉炭素原子に関するd−,l−の光学異性体の何れでもよく、天然品(d形トコフェロール)、合成品(dl形トコフェロール)の何れをも用いることができる。中でもα−トコフェロールを有効に使用することができる。
(樹脂組成物)
本発明の金属板被覆用樹脂組成物は、上記ポリエステル樹脂、オレフィン系重合体、アイオノマー樹脂、トコフェロールから成り、アイオノマー樹脂でカプセル化されたオレフィン系重合体がポリエステル樹脂中に微細分散されて成るものである。
本発明において、アイオノマー樹脂でカプセル化されたオレフィン系重合体とは、オレフィン系重合体の界面の80%以上、好ましくは95%以上をアイオノマー樹脂が被覆し、ポリエステル樹脂とオレフィン系重合体との直接接触面積を20%未満とした構造である。オレフィン系重合体の全てがアイオノマー樹脂でカプセル化されている必要はないが、少なくとも体積比で70%以上のオレフィン系重合体がアイオノマー樹脂でカプセル化されていればよい。カプセル化されていないオレフィン系重合体が30%よりも多く存在する場合は、樹脂組成物を金属板に被覆した際に、金属板に直接接触するオレフィン系重合体の比率が増加し、樹脂組成物と金属板との密着性を充分に確保できないおそれがある。
本発明の樹脂組成物において、アイオノマー樹脂でカプセル化されたオレフィン系重合体の平均粒径は、5μm以下、特に0.1乃至3μmの範囲にあることが優れた耐衝撃性を付与すると共に、金属板との密着性を向上させる上で望ましい。
また過剰量のアイオノマー樹脂がオレフィン系重合体をカプセル化しないで、単独でポリエステル樹脂中に分散していてもよいが、樹脂被覆金属板の加工性を向上させるためには、アイオノマー樹脂も平均粒径0.1乃至3μmの範囲にあることが望ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂中にアイオノマー樹脂でカプセル化されたオレフィン系重合体及び過剰のアイオノマー樹脂が、上記平均粒径を有するように微細分散するためには、樹脂組成物中、オレフィン系重合体は5乃至50重量%、特に5乃至40重量%の量で含有され、アイオノマー樹脂は1乃至20重量%、特に3乃至20重量%の量で含有されていることが好ましい。
また前述した通り、トコフェロールは、樹脂組成物中0.01乃至2重量%、特に0.1乃至1.5重量%の量で含有されていることが、アイオノマー樹脂でカプセル化されたオレフィン系重合体による優れた耐衝撃性、耐食性、密着性を、レトルト殺菌やホットベンダー等の高温湿熱条件下に付された後においても発現させることが可能になると共に、ゲルの発生を抑制し優れた製膜性を付与する上で重要である。
本発明においては、上記ポリエステル樹脂、オレフィン系重合体、アイオノマー樹脂及びトコフェロールから成る樹脂組成物に、それ自体公知の樹脂用配合剤、例えば、熱安定剤、非晶質シリカ等のアンチブロッキング剤、二酸化チタン等の顔料、各種帯電防止剤、滑剤等を公知の処方に従って配合することもできる。
上記ポリエステル樹脂、オレフィン系重合体、アイオノマー樹脂及びトコフェロールとのブレンドは、所定温度で公知の各種混合機を用いてメルトブレンドすること、或いは予めオレフィン系重合体及びアイオノマー樹脂をメルトブレンドした後、ポリエステル樹脂中にドライブレンド或いはメルトブレンドすることによって上述したような相構造を形成することができる。前者の場合、一軸或いは二軸の押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで混練すればよく、また後者のドライブレンドにおいては、ブレンダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどで混合し、直接押出し機のホッパーに供給すればよい。
これら何れの場合でもポリエステル樹脂とオレフィン系重合体等とは、最終的にはポリエステル樹脂の溶融温度以上の温度でブレンドが行われることになる。またアイオノマー樹脂及びオレフィン系重合体等を比較的高濃度で含有するマスターバッチを製造し、このマスターバッチをポリエステル樹脂にブレンドすることもできる。
ポリエステル樹脂とオレフィン系重合体等は一般に、260℃及び剪断速度122sec−1における溶融粘度が2000〜10000ポイズの範囲となるように、上記範囲で混練されることが好ましい。熱可塑性ポリエステル樹脂においては、混練するほど、熱分解により粘度低下が著しくなるため、カプセル化されたオレフィン系重合体を微細な粒径でしかもマトリックスたる熱可塑性ポリエステル樹脂中に均一に分散させるためには、溶融粘度が上記範囲になるようにブレンドすることが好ましい。
(フィルムの形成)
本発明のポリエステルフィルムは、T−ダイ法や、インフレーション製膜法等の押出し成形により成形されるキャストフィルムであることが好ましく、特に押出したフィルムを急冷したキャスト成形法による未延伸のフィルムであることが好ましい。
フィルムの厚みは、用いる用途によっても相違するが、一般に1乃至500μm、特に3乃至100μmの範囲にあることが好ましい。尚、製缶用の樹脂被覆金属板の被覆には、後述するように3乃至40μm、特に5乃至35μmの厚みとすることが好ましい。
(樹脂被覆金属板)
本発明の樹脂被覆金属板に用いる金属板としては、各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用される。表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍した後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種または二種以上行ったものを用いることができる。またアルミニウムメッキ、アルミニウム圧延等を施したアルミニウム被覆鋼板が用いられる。
また軽金属板としては、いわゆる純アルミニウム板の他にアルミニウム合金板が使用される。
金属板の元板厚は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによっても相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚みを有するのがよく、この中でも表面処理鋼板の場合には0.10乃至0.30mmの厚み、軽金属板の場合は0.15乃至0.40mmの厚みを有するのがよい。
本発明の樹脂被覆金属板においては、上記樹脂組成物から成るポリエステルフィルムを金属板に熱接着することにより製造することができるが、押出しコート法により上記樹脂組成物を直接金属板上に押出しフィルムを形成することにより、本発明の樹脂組成物から成る被覆を形成することもできる。
押出コート法の場合、樹脂の層の種類に対応する押出機を使用し、ダイを通してポリエステルを押出すると共に、これを溶融状態で金属基体に押出コートして、熱接着させる。金属基体に対する樹脂組成物の熱接着は、溶融樹脂組成物層が有する熱量と、金属板が有する熱量とにより行われる。金属板の加熱温度は、一般に90乃至290℃、特に100乃至280℃の温度が適当である。
本発明の樹脂被覆金属板においては、樹脂被覆層と金属素材との間にプライマー層を設けることなく、樹脂被覆層を金属素材に接着させることが可能であるが、勿論プライマー層を設けることを除外するものではなく、所望によりプライマー層を設けることも可能である。
本発明の樹脂被覆金属板は、金属板表面、特に容器内面側となる金属表面に上述した樹脂組成物から成る被覆層が設けられていることが好ましく、この被覆層の厚みは、3乃至40μm、特に5乃至35μmの厚みで金属表面上に形成されていることが好ましい。
本発明の樹脂被覆金属板は、前述した通り、金属板の容器としたとき内面側となる側に本発明の樹脂組成物からなる被覆層が少なくとも1層設けられていればよいが、勿論必要に応じて他の被覆層を設けることができる。例えば、金属基体の容器外面側にも被覆層を形成でき、この被覆層は本発明の樹脂組成物から成っていてもよいし、それ以外のポリエステル樹脂から成っていてもよい。また、上記内面側の被覆層の上面に更にポリエステル表面層を設けてもよい。
(缶及び缶蓋)
本発明の缶は、上述した樹脂被覆金属板を本発明の樹脂組成物から成る被覆層が缶内面側となるように、従来公知の成形法により製缶することができるが、特に側面継ぎ目のないシームレス缶であることが好ましいことから、絞り加工、絞り・深絞り加工、絞り・しごき加工、絞り・曲げ伸ばし加工・しごき加工等の手段により製造される。その側壁部は、樹脂被覆金属板の絞り−再絞り加工による曲げ伸ばし或いは更にしごき加工により、樹脂被覆金属板の元厚の20乃至95%、特に30乃至85%の厚みとなるように薄肉化されていることが好ましい。
また本発明の缶蓋も、上述した樹脂被覆金属板を本発明の樹脂組成物から成る被覆層が缶蓋内面側となるように成形する以外は従来公知の缶蓋の製法により成形することができる。
また缶蓋の形状も、内容物注出用開口を形成するためのスコア及び開封用のタブが設けられたイージーオープンエンド等の従来公知の形状を採用することができる。
本発明を以下の実施例で説明する。
各実施例及び比較例で用いたオレフィンの組成を表1、各実施例で作製したラミネート材の構成を表2に示した。表2で示したPET/IA5は、イソフタル酸5mol%共重合PET樹脂を、PET/IA 15は、イソフタル酸15mol%共重合PET樹脂を示す。
また、今回用いた評価法を下記に示す。その評価結果は表3にまとめた。
[加工性評価]
表2の加工性評価欄の対象に示すものに加工し、そのときのクラック、フィルムの割れ等を評価した。
[経時脆化評価]
樹脂被覆金属板を225℃3分、205℃2分間熱処理した後、その樹脂被覆金属板を37℃に保持された水中に1ヶ月間経時させた。そして、樹脂被覆金属板から内面フィルムを塩酸にて単離させた。その内面フィルムの示差走査型熱量測定を行い、80℃付近にあらわれる体積緩和ピークの吸熱量で経時脆化を評価した。
評価結果は、
○:レトルト処理フィルムの体積緩和ピークの吸熱量が0.700J/g未満
×;レトルト処理フィルムの体積緩和ピークの吸熱量が0.700J/g以上
で示した。
[耐食性]
樹脂被覆金属板を225℃3分、205℃2分間熱処理した後、圧延機により相当ひずみ20%になるよう圧延を行い、30mm×30mmの十字状の切り込みをいれ、50℃でクエン酸系腐食液に3日間経時した後のフィルムの剥離面積を計算し評価した。
評価結果は、
○:剥離率が50%未満
×:剥離率が50%以上
で示した。
[耐デント性]
95℃で蒸留水を充填後、125℃30分のレトルト処理を行った後37℃の保温庫内にて1ヶ月間経時した缶に対して、5℃雰囲気下において、15°の斜面にむけて、缶を高さ50cmから垂直に落下させて、缶底に衝撃を与える。加工後蒸留水を抜き取り、缶底の衝撃加工部における樹脂被覆の割れ程度を加工部に6.30Vの電圧をかけたときの電流値で評価した。
評価結果は、
○:平均電流値<2mA
×:平均電流値≧2mA
で示した。
[耐レトルト性]
95℃で蒸留水を充填後、125℃30分のレトルト処理を行い、室温に戻し蒸留水を抜き取り、評価が金属缶である場合は缶内面、蓋である場合は蓋内面の腐食状態を観察した。
評価結果は、
○:腐食が全く認められない。
×:腐食等の異常が認められる。
で示した。
(実施例1〜13)
樹脂被覆が2層フィルムの場合は、表層に表2に示したポリエステルと供給し、下層に表1および表2に示した樹脂成分を二軸押出機に投入して溶融混練し、2層Tダイによりフィルム厚さ28μm(表層4μm、下層24μm)となるように押し出し、冷却ロールにて冷却して得られたフィルムを巻取り、キャストフィルムを得た。また、単層フィルムの場合は、単層Tダイを用いて28μmのキャストフィルム得た。
次いで、このキャストフィルムを、TFS鋼板(板厚0.18mm、金属クロム量120mg/m、クロム水和酸化物量15mg/m)の内面側に、一方、外面側に顔料として二酸化チタンを20重量%配合したポリエステル樹脂から成るキャストフィルムを同時に熱ラミネートし、直ちに水冷を行って樹脂被覆金属板を得た。
この時のラミネート条件は、ラミネート時のTFS鋼板の温度を熱可塑性ポリエステル樹脂の融点よりも15℃高く、また、ラミネートロールの温度は90℃、通板速度は40m/minとした。
さらに、この樹脂被覆金属板にワックス系潤滑剤を塗布し、上記直径166mmの円盤を打ち抜き、表2に示した樹脂被覆面が内面側となるように絞り加工を行って絞りカップとし、絞りカップを二度の薄肉化再絞り(ストレッチ)・しごき加工を行い、シームレスカップを得た。
このシームレスカップの諸特性は以下の通りであった。
シームレスカップ径:66mm
シームレスカップ高さ:128mm
素板厚に対する側壁部の厚み:50%
そして、このシームレスカップを常法に従って底成形を行い、220℃で熱処理(ヒートセット)を行った後、開口端縁部のトリミング、外面印刷、焼き付け乾燥、ネックイン加工、フランジ加工を順次行って缶胴径66mm、缶高さ122mm、内容量350mlのシームレス缶とした。
(実施例14)
板厚0.28mmのアルミニウム合金板(A3004材)の外面側に、イソフタル酸15mol%共重合PET(IV0.9)を、一方、上記アルミニウム合金板の内面側に、表1および表2から成る組成の樹脂を用いた。
そして、板温を上記樹脂の融点よりも30℃低い温度に加熱して、押出しコート設備を備えた押出機によって、内外面側の樹脂を同時に溶融混練して押出しを行ってラミネートし、それぞれの樹脂の厚さが20μmの樹脂被覆金属板を得た。
この時のラミネート条件は、ラミネート時のアルミニウム合金板の温度を熱可塑性ポリエステル樹脂の融点よりも30℃低く、また、ラミネートロールの温度は90℃、通板速度は40m/minとした。
この樹脂被覆金属板にワックス系潤滑剤を塗布し、直径154mmの円盤を打ち抜き、上記成分1乃至成分3から成る樹脂被覆面が内面側となるように絞り加工を行い絞りカップを得た。
次いでこの絞りカップに二度の薄肉化再絞り(ストレッチ)・しごき加工を行い、シームレスカップを得た。
このシームレスカップの諸特性は以下の通りであった。
シームレスカップ径:66mm
シームレスカップ高さ:127mm
素板厚に対する側壁部の厚み45%
このシームレスカップを、常法に従い底成形を行い、220℃にて熱処理(ヒートセット)を行った後、開口端縁部のトリミング加工、印刷及び焼き付け乾煥、ネックイン加工、フランジ加工を順次行って、缶胴径66mm、缶高さ122mm、内容量350ml用のシームレス缶を得た。
(実施例15)
板厚0.235mmのアルミニウム合金(A5182材)を用い、片面に表1および表2から成る組成の樹脂を用いた。
そして、板温を上記樹脂の融点よりも30℃低い温度に加熱して、押出しコート設備を備えた押出機によって、上記樹脂を溶融混練して押出しを行ってラミネートし、樹脂被覆金属板を得た。
この時のラミネート条件は、ラミネート時のアルミニウム合金板の温度を熱可塑性ポリエステル樹脂の融点よりも30℃低く、また、ラミネートロールの温度は90℃、通板速度は40m/minとした。
次いで、この樹脂被覆金属板を、樹脂被覆面が蓋の内面側となるように直径68.7mmの蓋を打ち抜き、次いで蓋の外面側にパーシャル(部分)開口型のスコア加工(幅22mm、スコア残厚110μm、スコア幅20μm)、リベット加工ならびに開封用タブの取り付けを行い、SOT蓋の作製を行った。
(比較例1)
実施例1〜13と同様にキャストフィルムを作製しようとしたが、下層樹脂を均一に押し出すことが出来ず、また、膜揺れも激しかったことから、キャストフィルムを得ることが出来なかった。
(比較例2)
実施例1〜13と同様にキャストフィルムを作製したが、この際、サブミクロン程度のブツの発生が見られた。その後、実施例1〜13と同様にシームレス缶を得た。
(比較例3)
実施例1〜13と同様にキャストフィルムを作製したが、この際、膜揺れがあり、幅方向で膜厚が不均一になった。その後、実施例1〜13と同様にシームレス缶を得た。
(比較例4、5)
実施例1〜13と同様にキャストフィルムを作製したが、この際、サブミクロン程度のブツの発生が見られた。その後、実施例1〜13と同様にシームレス缶を得た。
(比較例6、7)
実施例1〜13と同様にキャストフィルムを作製し、その後、実施例1〜13と同様にシームレス缶を得た。
表3に示す様に、実施例1〜15におけるラミネート材は、加工性が良好で、この樹脂被覆金属板から製造したシームレス缶、缶蓋は耐デント性に優れていることが明らかであった。
一方、比較例1乃至6のキャストフィルムは、製膜性に劣るもの、加工性に劣るものがあり、また、シームレス缶が得られても、耐デント性、耐食性にそれぞれ劣ることが明らかであった。
Figure 2005194472
Figure 2005194472
Figure 2005194472

Claims (8)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂、オレフィン系重合体、アイオノマー樹脂及びトコフェロールから成る樹脂組成物であって、該オレフィン系重合体は熱可塑性ポリエステル樹脂中に微細分散していると共に少なくとも一部がアイオノマー樹脂でカプセル化された構造を有しており、トコフェロールが0.01乃至2重量%の量で含有されていることを特徴とする金属板被覆用樹脂組成物。
  2. 前記オレフィン系重合体が、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体である請求項1記載の金属板被覆用樹脂組成物。
  3. 前記エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合比が95:5乃至70:30である請求項2記載の金属板被覆用樹脂組成物。
  4. 前記オレフィン系重合体が5乃至50重量%の量で含有され、アイオノマー樹脂が1乃至20重量%の量で含有されている請求項1乃至3の何れかに記載の金属板被覆用樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の樹脂組成物をキャスト成形法により成形して成ることを特徴とする未延伸フィルム。
  6. 請求項1乃至4の何れかに記載の樹脂組成物から成る被覆層が金属基体上に少なくとも一層形成されていることを特徴とする樹脂被覆金属板。
  7. 請求項6記載の樹脂被覆金属板から形成されることを特徴とする缶。
  8. 請求項6記載の樹脂被覆金属板から形成されることを特徴とする缶蓋。
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