JP6874358B2 - ポリエステル組成物およびその二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents
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また、本発明の効果を妨げない範囲で従来公知のジカルボン酸成分を共重合してもよく、共重合量としては全ジカルボン酸成分に対して5モル%未満であることが必要である。具体的なジカルボン酸成分としては、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、フタル酸成分、シクロヘキサンジカルボン酸成分などを挙げることができ、2種以上併用してもよい。
本発明の二軸延伸フィルムは、加工性の観点から、加熱によって結晶化しない、すなわち本発明における非晶性であるが、延伸応力によって配向結晶化する組成物を使用することが好ましい。詳しくは、加工性の点から示差走査熱量測定による熱特性として、1st.Runにて210℃以上260℃以下の温度範囲に10J/g以上の結晶融解熱量を有し、かつ2nd.Runでの結晶融解熱量が10J/g未満である必要がある。
このような二軸延伸フィルムは、フィルム端面等の回収組成物を中間層に用いた場合でも加工性良く製膜できる自己回収性の点から、積層ポリエステルフィルムとすることが好ましく、多層積層ポリエステルフィルムとすることもできる。さらに、積層ポリエステルフィルムとする場合は、配向結晶性の点から本発明のポリエステル組成物からなる層を最外層とすることが好ましい。
なお、物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
固有粘度はオルトクロロフェノールを溶媒とし、25℃で測定した。
ポリエステルチップを色差計(スガ試験機社製、SMカラーコンピュータ型式SM−T45)を用いて、ハンター値(L,b値)として測定した。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン製:DSC−Q2000)を用いて、試料5mgを室温から16℃/分で300℃まで昇温を行い、300℃にて5分間保持する行程を1st.Run、その試料を50℃まで金属板の上で放冷し、再度16℃/分で300℃まで昇温させ、5分間保持する行程を2nd.Runとして、示差走査熱量測定チャートを得た。当該示差走査熱量測定チャートを解析ソフト(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン製:UniversalAnalysis2000)を用いて、ガラス転移温度(Tg)、結晶融解温度(Tm)、結晶融解熱量(ΔHm)を測定した。
ポリエステル組成物を溶融押し出しすることで厚さ100μmの未延伸シートを得る。ついで光源としてナトリウムD線を用い23℃の温度条件にて株式会社アタゴ製「アッベ屈折率計NAR−4T」にて屈折率を測定した。なお、本発明においては屈折率1.600以上を高屈折率とする。
高分子計器(株)製試験片打抜機を用い、JIS K−6251に記載の5号型ダンベル形状にフィルムを打ち抜く。フィルムを一枚ずつ打ち抜き、10枚打ち抜いた際に端面の割れや、積層フィルムの場合は剥がれが起きている枚数Mを数え、加工性を評価する。
0≦M≦2:加工性A
3≦M≦5:加工性B
6≦M≦8:加工性C
9≦M:加工性D
Aが最も優れ、Dが最も劣っており、本発明においては加工性Bまでを合格とする。
堀場製作所製蛍光X線装置(型番MESA−500W)を用い、ポリマーの蛍光X線の強度を測定した。この値を含有量既知のサンプルで予め作成した検量線を用い、金属含有量に換算した。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下NDCM)96.3重量部、パラキシレングリコール(以下PXG)8.2重量部、エチレングリコール(以下EG)41.6重量部、三酸化アンチモン0.01重量部、酢酸マンガン4水和物0.055重量部をそれぞれ計量し、エステル交換反応を行う反応槽に仕込み、内容物を180℃で溶解させた。溶解した内容物を撹拌しながら235℃まで徐々に昇温し、メタノールを留出させた。所定量のメタノールが流出したのち、リン化合物であるリン酸0.022重量部とリン酸アルカリ金属化合物であるリン酸二水素ナトリウム2水和物0.026重量部を添加し、余剰のエチレングリコールを留出させ、エステル交換反応を終了させた。エステル交換反応終了後15分間で260Torrまで徐々に減圧し余剰のEGを留出させたのちに重合を行う反応槽へ移行した。
EG、PXGの共重合比率を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物および二軸延伸フィルムを得た。
(積層する他のポリエステル組成物の合成)
参考例1
テレフタル酸ジメチル(以下DMT)65.6重量部、NDCM35.4重量部、EG60.0重量部、三酸化アンチモン0.01重量部をそれぞれ計量し、エステル交換反応槽に仕込み、内容物を180℃で溶解させた。
DMT30モル%、NDCM70モル%とした以外は参考例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物は、固有粘度0.60、Tg95.3℃であり、TmおよびΔHmは検出されなかった。
DMT100モル%とした以外は参考例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート組成物を得た。得られたポリエチレンテレフタレート組成物は、固有粘度0.60、Tg80.7℃、Tm252.7℃であった。
実施例1のポリエステル組成物と参考例1ポリエステル組成物を2台のベント付き二軸押出機にてそれぞれ280℃で溶融状態としたのち、ギヤポンプおよびフィルターを介して、401層のフィードブロックにて実施例1のポリエステル組成物からなる層Aと、参考例1のポリエステル組成物からなる層Bが交互に積層するよう合流させる。なお、両表層部分は延伸による配向結晶性を持つ実施例1のポリエステル組成物となるようにする。このようにして得られた401層からなる積層体をTダイより溶融押出しし、表面温度25℃に冷却されたロール上にシート状に吐出する。その際、静電印加し、冷却ロールに密着させて冷却固化した未延伸フィルムを得る。次いで延伸温度120℃にて、長手方向に3.0倍に延伸する。次いで延伸温度150℃で幅方向に3.0倍の延伸倍率で延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスをかけながら200℃で5秒間熱固定し、フィルム厚み50μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
層Bに参考例2にて得られたポリエステル組成物を使用する以外は実施例9と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た結果、延伸応力による配向結晶化がされているが、熱的には非晶性かつ加工性に優れた積層ポリエステルフィルムであることが確認された。
層Bに参考例3にて得られたポリエステル組成物を使用する以外は実施例9と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た結果、DSC測定の2nd.RunにおいてTm、ΔHmが確認されたため結晶性であり、打抜き試験においては8枚の割れが確認された。
Claims (3)
- 2,6−ナフタレンジカルボン酸を95モル%以上含有するジカルボン酸成分由来の基と、パラキシレングリコールを5モル%以上20モル%以下、エチレングリコールを80モル%以上95モル%以下の範囲で含有するジオール成分由来の基とを、含有する非晶性ポリエステル。
- 請求項1に記載の非晶性ポリエステルを含有するポリエステルフィルムであって、示差走査熱量測定による熱特性として、1st.Runにて210℃以上260℃以下の温度範囲に10J/g以上の結晶融解ピークを有し、2nd.Runの結晶融解熱量が10J/g未満である二軸延伸ポリエステルフィルム。
- 請求項2記載のポリエステルフィルム層を1層以上積層してなる積層ポリエステルフィルム。
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