JP7144746B2 - ポリエステル樹脂組成物およびフィルム - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物およびフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP7144746B2 JP7144746B2 JP2019007715A JP2019007715A JP7144746B2 JP 7144746 B2 JP7144746 B2 JP 7144746B2 JP 2019007715 A JP2019007715 A JP 2019007715A JP 2019007715 A JP2019007715 A JP 2019007715A JP 7144746 B2 JP7144746 B2 JP 7144746B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester resin
- resin composition
- less
- temperature
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
このときの溶融状態から降温した際の結晶化における結晶化エネルギーとしては、5J/g以下であることが製膜性の点から好ましい。結晶化エネルギーが5J/gを超える場合、結晶性が高く、フィルムが脆くなることがある。
以下に具体的な製造例を示すが、これに限定されない。
ナフタレンジカルボン酸ジメチル93重量部、エチレングリコール44.4重量部、ポリエチレングリコール(数平均分子量400)9.2重量部を反応容器に仕込み、180℃で溶解後、攪拌しながらエステル交換反応触媒を添加する。
なお、物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
測定するサンプルを約10mg秤量し、アルミニウム製パン、パンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計(Q2000型、TAインスツルメント社製)によって測定した。測定においては窒素雰囲気中で300℃まで昇温、5分間保持した後、急冷、再び窒素雰囲気中で20℃から16℃/分の速度で300℃昇温、5分間保持した後、16℃/分の速度で冷却する。16℃/分の速度で昇温したときの中間点ガラス転移温度(各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と,ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度)、16℃/分で冷却したときに観察される結晶化に由来するピーク温度(結晶化温度)、結晶化エネルギーを測定した。
原子吸光分析法(日立製作所製:偏光ゼーマン原子吸光光度計180-80。フレーム:アセチレン-空気)にて定量を行った。
ポリエステル樹脂組成物をベント付き二軸押出機にて280℃の溶融状態とした後、ギヤポンプおよびフィルターを介して、T-ダイに導いてシート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、厚み100μmの未延伸シートを得た。
得られた未延伸シートの屈折率について、JIS K7142(1996)A法に従って屈折率を測定した。
ポリエステル樹脂組成物2gを20mLのオルトクロロフェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタンの3/2(容積比)混合溶液に溶解し、光路長20mmのセルを用い、ヘイズメーター(スガ試験機社製 HZ-1)を用いて、積分球式光電光度法にて測定した。
溶液ヘイズは、値が低いほど透明性に優れることを示す指標であり、1.0%以下(○、△)を合格とした。
0.6%以上1.0%以下 ・・・・ △
1.1%以上 ・・・・ ×
(5)ΔIV(耐熱性)
ポリエステル樹脂組成物7gを試験管に秤量し、160℃、8時間真空乾燥する。乾燥後のポリエステル樹脂組成物を窒素雰囲気下、290℃、1時間の溶融処理を行い、乾燥前の固有粘度(IV)と溶融処理後の固有粘度の差をΔIVとして算出した。
固有粘度(IV)は、JIS K7367-5:2000(ISO 1628-5:1998)に則って検量線を作成し、ポリマー0.1gをo-クロロフェノール10mlに160℃、20分で溶解し、25℃で測定した。
ΔIVの差が小さいほど溶融時の耐熱性が良好であることを示す指標であり、ΔIVが0.5以下を合格とした。
0.30以下 ・・・・ ○
0.31以上0.50以下 ・・・・ △
0.51以上 ・・・・ ×。
ポリマーのストランドもしくはチップを5g計量し、オーツカ光学株式会社製ENV-Bを用いて異物(黒色、白色、茶色)をマーキングした。マーキングした異物について、表層の樹脂部分をヘキサフルオロイソプロパノールで溶解し、異物を露出させSEM(日立製作所製 Regulus 8100)を用いて5000倍で観察を行い、最大直径が50μm以上の異物をカウントした。
異物0個 ・・・・ ○
異物1個以上 ・・・・ ×。
真空乾燥機にて減圧下、180℃で3時間以上乾燥した樹脂を用いて、島津製作所(株)島津フローテスタCFT-500形Aにて測定した。樹脂量は約5g、溶融温度は270℃に設定する。荷重は10N、20N、50N(サンプルセットを始めて5分後に荷重スタート)として、それぞれの荷重における剪断速度と溶融粘度を求めた。ダイスはφ1mm、L=10mmであった。各荷重それぞれの測定回数は3回とし、それぞれの平均値を求めて得られた各荷重での溶融粘度、剪断速度の数値データをグラフ化し、そのグラフから剪断速度100(1/sec)の値を求めた。
5cm×5cmで切り出した積層フィルムを日立製作所製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の積分球を用いた基本構成で反射率・透過率測定を行った。反射率測定では、装置付属の酸化アルミニウムの副白板を基準として測定した。反射率測定では、サンプルの長手方向を上下方向にして、積分球の後ろに設置した。透過率測定では、サンプルの長手方向を上下方向にして、積分球の前に設置した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速
度を600nm/分で測定し、方位角0度における反射率を得た。
得られた積層フィルムにおいてフローマークの有無で製膜性を判断し、目視でフローマークのないものを合格とした。
ナフタレンジカルボン酸ジメチル93重量部、エチレングリコール44.4重量部、ポリエチレングリコール(数平均分子量400)9.2重量部を反応容器に仕込み180℃で溶解した後、攪拌しながら酢酸マンガン4水和物0.055重量部、三酸化アンチモン0.015重量部を添加し、エステル交換反応を開始した。3.5時間かけてメタノールを留出させながら235℃まで昇温し、エステル交換反応を終了した。リン酸0.022重量部、リン酸二水素ナトリウム2水和物0.026重量部、IRGANOX1010を0.1重量部添加し、余剰のエチレングリコールを留去させた。
つづいて、この一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、ポリエステルAのガラス転移温度+20℃の温度で横方向に均一な延伸速度で4.0倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で235℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度にて幅方向に2%の弛緩処理を施し、その後、室温まで徐冷後、巻き取った。得られた積層フィルムの厚みは40μmであった。
アルカリ金属元素の含有量、アルカリ金属化合物の種類を変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物、および積層フィルムを得た。評価結果を表1、表2に示す。アルカリ金属含有量の増加に伴い、溶液ヘイズが上昇する傾向にあるが、実施例2~5においては、本発明の請求項1の範囲内であり、熱線反射用フィルムとして問題ない性能であった。
ポリアルキレングリコールの数平均分子量、共重合量、化合物の種類を変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物、積層フィルムを得た。評価結果を表1、表2に示す。
比較例2は、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)の共重合量が多いため、溶液ヘイズが高くなり、ガラス転移温度も低いため延伸ムラが大きく、評価可能な積層フィルムが得られなかった。
比較例5は、ガラス転移温度が高く、フローマークが発生し、脆いフィルムであった。脆さの原因としては、共重合成分を含まないポリエチレンナフタレート樹脂組成物としては溶融粘度が低く、重合度が不足いるためと推定する。
比較例6は、ポリエチレングリコール(数平均分子量400)の共重合量が10mol%を超えており、得られたポリエステル組成物のガラス転移温度も低いため延伸ムラが大きく、評価可能な積層フィルムが得られなかった。
Claims (9)
- 芳香族ジカルボン酸単位とアルキレングリコール単位を有するポリエステルであって、全ジカルボン酸成分に対してナフタレンジカルボン酸成分の含有量が95mol%以上、全ジオール成分に対してエチレングリコール成分の含有量が90mol%以上99mol%以下、ポリアルキレングリコール成分の含有量が1mol%以上10mol%以下、アルカリ金属元素がリン酸アルカリ金属化合物として添加されたものであり、その含有量がポリエステル樹脂組成物の質量に対して10ppm以上100ppm以下であり、示差走査熱量測定において、窒素雰囲気中で300℃まで昇温、5分間保持した後、急冷、再び窒素雰囲気中で20℃から16℃/分の速度で300℃まで昇温、5分間保持した後、16℃/分の速度で冷却するとき、前記16℃/分の速度で昇温したときの中間点ガラス転移温度が80℃以上100℃未満、前記16℃/分の速度で冷却したときに観察される結晶化に由来するピークの温度である結晶化温度が200℃未満であるポリエステル樹脂組成物。
- 前記ポリアルキレングリコールの数平均分子量が200以上、1000未満である請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 溶融状態からの結晶化エネルギーが5J/g以下である請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 270℃における溶融粘度が1000poise以上4000poise以下である請求項1~3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を80重量%以上含むポリエステルフィルム。
- 示差走査熱量測定における結晶融解熱量が5J/g以上である請求項5に記載のポリエステルフィルム。
- 請求項5または6に記載のポリエステルフィルムからなる層を少なくとも1層含む積層ポリエステルフィルムであって、示差走査熱量測定における最も高いガラス転移温度が100℃以下である積層ポリエステルフィルム。
- 層数が50以上である請求項7記載の多層積層フィルム。
- 請求項7または8に記載の積層フィルムからなる熱線反射フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019007715A JP7144746B2 (ja) | 2019-01-21 | 2019-01-21 | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019007715A JP7144746B2 (ja) | 2019-01-21 | 2019-01-21 | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020117575A JP2020117575A (ja) | 2020-08-06 |
JP7144746B2 true JP7144746B2 (ja) | 2022-09-30 |
Family
ID=71890051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019007715A Active JP7144746B2 (ja) | 2019-01-21 | 2019-01-21 | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7144746B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7306154B2 (ja) * | 2019-08-22 | 2023-07-11 | 東レ株式会社 | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000336523A (ja) | 1999-05-27 | 2000-12-05 | Kanebo Ltd | 改質ポリエチレンナフタレートモノフィラメント及びその製造方法 |
JP2010522805A (ja) | 2007-03-29 | 2010-07-08 | ボーリュー・グループ・エルエルシー・ドゥーイング/ビジネス/アズ・ボーリュー・オブ・アメリカ | ポリマー製造プロセス |
JP2014065882A (ja) | 2012-09-04 | 2014-04-17 | Toray Ind Inc | ポリエステルフィルムならびにそれを用いた太陽電池バックシートおよび太陽電池 |
JP2017160325A (ja) | 2016-03-09 | 2017-09-14 | 東レ株式会社 | ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR930019722A (ko) * | 1992-03-06 | 1993-10-18 | 최준식 | 폴리에스테르의 제조방법 및 이를 사용한 성형품 |
JP3245994B2 (ja) * | 1992-10-08 | 2002-01-15 | 東レ株式会社 | 金属板貼合わせ用共重合ポリエステル及びフィルム |
US5321074A (en) * | 1993-07-26 | 1994-06-14 | Eastman Chemical Company | Process for preparing hydrolytically stable poly (ethylene-2,6-naphthalene dicarboxylate) polymers |
JPH0848758A (ja) * | 1994-08-03 | 1996-02-20 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | ポリエチレンナフタレート樹脂 |
-
2019
- 2019-01-21 JP JP2019007715A patent/JP7144746B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000336523A (ja) | 1999-05-27 | 2000-12-05 | Kanebo Ltd | 改質ポリエチレンナフタレートモノフィラメント及びその製造方法 |
JP2010522805A (ja) | 2007-03-29 | 2010-07-08 | ボーリュー・グループ・エルエルシー・ドゥーイング/ビジネス/アズ・ボーリュー・オブ・アメリカ | ポリマー製造プロセス |
JP2014065882A (ja) | 2012-09-04 | 2014-04-17 | Toray Ind Inc | ポリエステルフィルムならびにそれを用いた太陽電池バックシートおよび太陽電池 |
JP2017160325A (ja) | 2016-03-09 | 2017-09-14 | 東レ株式会社 | ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020117575A (ja) | 2020-08-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2024099691A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
EP2268717B1 (en) | Thick polyester films for optical articles and optical articles | |
JP2013088716A (ja) | 反射板用ポリエステルフィルム | |
JP5428616B2 (ja) | ポリエステルフィルム | |
TWI770362B (zh) | 多層層合薄膜 | |
JP7144746B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム | |
US11448809B2 (en) | Multi-layer layered film | |
JP7124283B2 (ja) | ポリエステルフィルム | |
JP2017052824A (ja) | 共重合ポリエステル樹脂及び紫外線カットフィルム | |
JP6874358B2 (ja) | ポリエステル組成物およびその二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP4839684B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP7306154B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム | |
JP5186745B2 (ja) | ポリエステル組成物およびそれを用いたフィルム | |
JP2021088701A (ja) | ポリエステル樹脂組成物、それを用いてなる積層ポリエステルフィルム、多層積層フィルムおよび斜め反射フィルム | |
JP2022091206A (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルム | |
JP7188086B2 (ja) | 二軸配向積層フィルム | |
JP2022105792A (ja) | ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる積層フィルム | |
JP5746537B2 (ja) | 多層積層フィルム | |
JP2022158826A (ja) | ポリエステル樹脂組成物、それを用いてなる積層ポリエステルフィルム、多層積層フィルムおよび斜め反射フィルム | |
JP2595960B2 (ja) | 複合ポリエステルフイルム | |
JP2022517582A (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP2023126139A (ja) | ポリエステル樹脂組成物、それを用いてなる積層ポリエステルフィルム、多層積層フィルム | |
JP2023042091A (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびフィルム | |
WO2018163334A1 (ja) | 共重合ポリエステル樹脂及び紫外線カットフィルム | |
JP5533170B2 (ja) | ポリエステル成形体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210622 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220414 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220524 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220624 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220817 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220830 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7144746 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |