JP5186745B2 - ポリエステル組成物およびそれを用いたフィルム - Google Patents
ポリエステル組成物およびそれを用いたフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5186745B2 JP5186745B2 JP2006252866A JP2006252866A JP5186745B2 JP 5186745 B2 JP5186745 B2 JP 5186745B2 JP 2006252866 A JP2006252866 A JP 2006252866A JP 2006252866 A JP2006252866 A JP 2006252866A JP 5186745 B2 JP5186745 B2 JP 5186745B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester
- polyester composition
- film
- laminated
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
光弾性係数が大きい場合、フィルムに応力が作用した際に位相差が大きく変化するため、液晶ディスプレイ用途のフィルムには不適である。
光反射率は高い方がもちろん好ましいが、90%であれば光反射性フィルムとして好ましい。優れた光反射性を得るためには、総積層数を250層以上とすることが好ましく、さらには本発明のポリエステル組成物の層数Nが下記式(1)及び(2)を満足することが光反射性の点から好ましい。
N≧125 ・・・(2)
(但し、コーティング層、貼合せ層は含まない。)
このような積層フィルムを得る方法は、2台以上の押出機を用いて、異なる流路から送り出されたポリマーを多層積層装置に送り込むことで実現する。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を挙げることができる。特に積層厚みの精度から、マルチマニホールドダイやフィードブロックを用いることが好ましい。このようにして積層されたポリマーは口金からシート状に押し出され、冷却ドラムなどによって冷却され、未延伸シートを得ることができる。厚み斑や表面状態の良好な未延伸シートを得るには、静電印加法によることが好ましい。
(1)ポリエステルの熱特性(ガラス転移点、結晶融解熱量)
測定するサンプルを約10mg秤量し、アルミニウム製パン、パンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC7型)によって測定した。測定においては窒素雰囲気中で20℃から285℃まで16℃/分の速度で昇温した後液体窒素を用いて急冷し、再び窒素雰囲気中で20℃から285℃まで16℃/分の速度で昇温する。この2度目の昇温過程でガラス転移点を測定した。
(2)ポリエステルの屈折率
ポリエステル組成物を溶融押し出しすることで厚さ100μmの未延伸シートを得る。ついで光源としてナトリウムD線を用い23℃の温度条件にて株式会社アタゴ製 「アッベ式屈折率計 NAR−4T」で屈折率を測定した。
(3)固有粘度
固有粘度はオルトクロロフェノールを溶媒とし、25℃で測定した。
(4)ゲル化率
ポリエステル組成物1gを凍結粉砕して直径300μm以下の粉体状とし真空乾燥する。この試料を、オーブン中で、窒素下、285℃で2.5時間熱処理する。これを、50mlのオルトクロロフェノール(OCP)中、80〜150℃の温度で0.5時間溶解させる。続いて、ブフナー型ガラス濾過器(最大細孔の大きさ20〜30μm)で濾過し、洗浄・真空乾燥する。濾過前後の濾過器の重量の増分より、フィルターに残留したOCP不溶物の重量を算出し、OCP不溶物のポリエステル組成物重量(1g)に対する重量分率を求め、ゲル化率(%)とした。
(5)光弾性係数(×10−12Pa−1)
短辺1cm長辺7cmのサンプルを切り出した。このサンプルの厚みをd(μm)とする。このサンプルを(株)島津製作所社製TRANSDUCER U3C1−5Kを用いて、上下1cmずつをチェックに挟み長辺方向に1kg/mm2(9.81×106Pa)の張力(F)をかけた。この状態で、ニコン(株)社製偏光顕微鏡5892を用いて位相差R(nm)を測定した。光源としてはナトリウムD線(589nm)を用いた。これらの数値を光弾性係数=R/(d×F)にあてはめて光弾性係数を計算した。
(6)反射率
日立製作所製 分光光度計(U−3410 Spectrophotometer)にφ60積分球130−0632((株)日立製作所)および10°傾斜スペーサーを取り付け反射率のピーク値を測定した。なお、バンドパラメーターは2/servoとし、ゲインは3と設定し、187nm〜2600nmの範囲を120nm/min.の検出速度で測定した。また、反射率を基準化するため、標準反射板として付属のBaSO4板を用いた。なお、本評価法では相対反射率となるため、反射率は100%以上となる場合もある。
(ポリエステルの合成)
テレフタル酸ジメチルを67.6重量部、シス/トランス比率が75/25である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルを17.4重量部、エチレングリコールを54重量部、スピログリコールを20重量部、酢酸マンガン四水塩を0.04重量部、三酸化アンチモンをアンチモン原子として50ppmとなるようにそれぞれ計量し、エステル交換反応装置に仕込んだ。内容物を150℃で溶解させて撹拌した。
ポリエステルチップを真空乾燥したが、一部に塊状物が見られたため、これを崩してから、押出機に供給した。押出機に供給されたポリエステルは280℃で溶融されて金属不織布フィルターによって濾過されたのち、Tダイから溶融シートとして押し出した。溶融シートは静電印加法(電極は直径0.15ミリのタングステンワイヤーを使用)によって表面温度が25℃に制御された鏡面ドラム上で冷却固化され、未延伸シートとなった。該未延伸シートを用いて光弾性係数を測定した。
前記ポリエステルAおよびPET樹脂をそれぞれ真空乾燥した後、2台の押出機にそれぞれ供給した。
テレフタル酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、エチレングリコール、スピログリコールの量比および重合触媒の種類と添加量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルを重合した。得られたポリエステル組成物からは結晶融解熱ピークは観察されなかった。さらに実施例1で重合したPET樹脂を用い、同様の条件で積層フィルムを得た。結果を表1に示す。
テレフタル酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、エチレングリコール、スピログリコールの量比を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルを重合した。得られたポリエステル組成物からは結晶融解熱ピークは観察されなかった。さらに実施例5〜7、参考例4で重合したPET樹脂を用い、同様の条件で積層フィルムを得た。
実施例1で用いたポリエステルAおよびPET樹脂を用い、積層総数を251層とする以外は同様にして積層ポリエステルフィルムを製膜した。得られた積層ポリエステルフィルムの厚みは50μmであった。結果を表1に示す。積層数を実施例1の101層から251層と増加させたため光反射層が増え、優れた光反射性を示した。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルのシス/トランス比率が50/50であ
る1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルを用いる以外は実施例1と同様にしてポ
リエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。実施例1に比較して1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジメチルのトランス比率が高いため、光弾性係数は実施例1よりも高い
値となった。なお、該ポリマーの結晶融解ピークは観察されなかった。
実施例1のPET樹脂の重合において、シクロヘキサンジカルボン酸成分の代わりにイソフタル酸を15mol共重合し、アンチモン元素含有量が150ppmとなるように三酸化アンチモンを添加する以外は同様にしてポリエステルを重合し、積層フィルムを得た。結果を表1に示すが、脂環族ジカルボン酸成分、脂環族ジオール成分のいずれも含有しないために屈折率、光弾性係数が大きく、積層フィルムの反射率も小さいものであった。
実施例1のPET樹脂の重合において、シクロヘキサンジカルボン酸成分は共重合せず、スピログリコール成分の代わりにシクロヘキサンジメタノール成分を30mol共重合し、アンチモン元素含有量が150ppmとなるように三酸化アンチモンを添加する以外は同様にしてポリエステルを重合し、積層フィルムを得た。結果を表1に示すが、屈折率は低下したものの、若干光弾性係数が大きく、積層フィルムの反射率も若干劣るものであった。
実施例1のPET樹脂の重合において、シクロヘキサンジカルボン酸成分は共重合せず、スピログリコール成分を45mol共重合する以外は同様にしてポリエステルを重合し、積層フィルムを得た。結果を表1に示すが、Tgが非常に高く、PET樹脂とのTg差が大きいため積層ムラがあり、品質的に劣るものであった。
実施例1のPET樹脂の重合において、シクロヘキサンジカルボン酸成分を25mol共重合し、スピログリコールは共重合しない以外は同様にしてポリエステルを重合し、積層フィルムを得た。結果を表1に示すが、屈折率は目標範囲内であるが、Tgが下がり、積層フィルムの剥離性に劣り、反射率も小さいものであった。
アンチモン元素含有量が200ppmとなるように三酸化アンチモンを添加し、重合温度を285℃とする以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。アンチモン元素が多量であるためゲル化率が高く、多層フィルムにおいてもゲル状異物が検出された。
Claims (6)
- テレフタル酸成分を全ジカルボン酸成分に対して20〜95モル%、立体異性体のシス、トランス体を含有し、トランス体の含有量が40%以下であるシクロヘキサンジカルボン酸成分を全ジカルボン酸成分中5〜80モル%、およびスピログリコール成分を全ジオール成分中5〜80モル%とするポリエステル組成物であり、アンチモン元素および/またはゲルマニウム元素の含有量が20ppm以上、150ppm以下、ガラス転移温度が65℃以上90℃以下、屈折率が1.500以上1.570以下、ゲル化率が30重量%未満であるポリエステル組成物。
(ゲル化率とは、ポリエステル組成物を、窒素下、285℃×2.5hrの条件で加熱処理した後のオルト−クロロフェノール不溶分重量の全体に対する割合である。) - 3価のリンを含む耐熱安定剤を0.01〜2.00重量%含有する請求項1に記載のポリエステル組成物。
- 請求項1または2に記載のポリエステル組成物を少なくとも1層含む積層ポリエステルフィルム。
- 請求項1または2に記載のポリエステル組成物の層数Nが下記式(1)及び(2)を満足する積層ポリエステルフィルム。
全層数/2−1≦N≦全層数/2+1 ・・・(1)
N≧125 ・・・(2)
(但し、層数にコーティング層、貼合せ層は含まない。) - ポリエチレンテレフタレートと請求項1または2に記載のポリエステル組成物を交互に積層することを特徴とする請求項3または4記載の積層ポリエステルフィルム。
- 光反射率が90%以上である請求項3〜5のいずれか1項記載の積層ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006252866A JP5186745B2 (ja) | 2006-09-19 | 2006-09-19 | ポリエステル組成物およびそれを用いたフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006252866A JP5186745B2 (ja) | 2006-09-19 | 2006-09-19 | ポリエステル組成物およびそれを用いたフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008074895A JP2008074895A (ja) | 2008-04-03 |
JP5186745B2 true JP5186745B2 (ja) | 2013-04-24 |
Family
ID=39347286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006252866A Active JP5186745B2 (ja) | 2006-09-19 | 2006-09-19 | ポリエステル組成物およびそれを用いたフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5186745B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140025511A (ko) * | 2011-05-31 | 2014-03-04 | 덴키 가가쿠 고교 가부시기가이샤 | 프라이머 조성물 및 점착 테이프 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BR112014017547A8 (pt) * | 2012-01-19 | 2017-07-04 | Bayer Ip Gmbh | filme de plástico para impressão por meio de impressão por difusão de tinta por transparência térmica |
JP2016084401A (ja) * | 2014-10-24 | 2016-05-19 | 帝人株式会社 | 共重合ポリエステルおよびポリエステル組成物 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4062416B2 (ja) * | 2002-04-04 | 2008-03-19 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリエステル樹脂 |
JP4848631B2 (ja) * | 2003-11-27 | 2011-12-28 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリエステル樹脂の製造方法 |
JP2005165085A (ja) * | 2003-12-04 | 2005-06-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | 位相差フィルム |
US7345137B2 (en) * | 2004-10-18 | 2008-03-18 | 3M Innovative Properties Company | Modified copolyesters and optical films including modified copolyesters |
-
2006
- 2006-09-19 JP JP2006252866A patent/JP5186745B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140025511A (ko) * | 2011-05-31 | 2014-03-04 | 덴키 가가쿠 고교 가부시기가이샤 | 프라이머 조성물 및 점착 테이프 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008074895A (ja) | 2008-04-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5286644B2 (ja) | ポリエステル樹脂およびこれを含むポリエステルフィルム | |
JP5140968B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いたフィルム | |
KR101315811B1 (ko) | 위상차 필름 및 광학용 폴리에스테르 수지 | |
KR101310587B1 (ko) | 폴리에스테르 수지 조성물, 그의 제조 방법 및 적층 폴리에스테르 필름 | |
JP2007039660A (ja) | 光学用ポリエステル樹脂およびこれを含む光学用ポリエステルフィルム | |
JP5135909B2 (ja) | ポリエステルの製造方法およびそれを用いたフィルム | |
JP5223243B2 (ja) | ポリエステルの製造方法およびそれを用いたフィルム | |
JP2010121080A (ja) | ポリエステルの製造方法およびそれを用いたフィルム | |
JP2013249364A (ja) | ポリエステルの製造方法およびそれを用いたフィルム | |
JP5186745B2 (ja) | ポリエステル組成物およびそれを用いたフィルム | |
JP5205830B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物の製造方法 | |
JP5018268B2 (ja) | ポリエステルの製造方法 | |
JP2011052190A (ja) | ポリエステルの製造方法およびそれを用いたフィルム | |
JP5194565B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物の製造方法 | |
JP5115215B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物の製造方法 | |
JP2018100339A (ja) | ポリエステル組成物およびその二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP2022105792A (ja) | ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる積層フィルム | |
JP6256106B2 (ja) | ポリエステル組成物およびその製造方法 | |
JP5186775B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物の製造方法 | |
JP7400499B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物 | |
JP5205832B2 (ja) | 積層フイルム用ポリエステル樹脂の製造方法 | |
JP2023126139A (ja) | ポリエステル樹脂組成物、それを用いてなる積層ポリエステルフィルム、多層積層フィルム | |
JP2010174089A (ja) | 光学用ポリエステル樹脂 | |
JP3278099B2 (ja) | 積層フイルムおよびその製造方法 | |
JP6536400B2 (ja) | ポリエステルフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090811 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120515 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120711 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120807 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121016 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20121024 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121120 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121129 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121225 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130107 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5186745 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201 Year of fee payment: 3 |