JP6390336B2 - R32と接する用途に用いるポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
[I]
以下(1)〜(3)を満たすR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
(1)140℃0%RH下に2000時間保持したときの強度保持率が30%以上であること。
(2)耐圧試験(放圧−加圧10MPa繰り返し試験)したときの伸度保持率が50%以上であること。
(3)R32雰囲気下、冷凍機オイルに80℃200時間浸漬したときの重量変化率が−0.3〜1質量%であること。
[II]
以下(4)〜(5)を満たす[I]に記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
(4)キシレンに140℃24時間含浸せしめたとき、キシレンに溶出する成分の重量がフィルムの質量に対して0〜0.5質量%であること。
(5)140℃80%RH下に24時間保持したときの強度保持率が30%以上であること。
[III]
以下(6)〜(8)を満たす[I]または[II]に記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
(6)少なくとも2層からなる積層ポリエステルフィルムであること。
(7)少なくとも一方の表面が、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1452cm−1に観察されるスペクトル強度r1と、1332cm−1に観察されるスペクトル強度r2と、1602cm−1に観察されるスペクトル強度rから求められるR1、R2が以下の関係を満たすこと。
(i)0.3≦R1≦0.6
(ii)1.10≦R2≦1.40
ここで、R1=r1/r、R2=r2/r
(8)前記(7)を満たす表面が、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1018cm−1に観察されるスペクトル強度r3と、1602cm−1に観察されるスペクトル強度rから求められるR3が以下の関係を満たすこと。
(iii)1.20≦R3≦2.00
ここで、R3=r3/r
[IV]
前記(7)、(8)を満たす表面を有する層(該層をA層とする)をフィルムの両側に有する、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、表層を有しない層(該層をB層とする)を構成する樹脂の固有粘度が0.68〜1.0dl/g、末端カルボキシル基量が0〜25当量/tである[I]〜[III]のいずれかに記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
[V]
A層を構成するポリエステル樹脂組成物に含有するアルカリ金属元素の含有量をM1(mol/t)、2価金属元素の含有量をM2(mol/t)、リン元素の含有量をP(mol/t)とするとき、下記式(iv)で求められる前記ポリエステル樹脂組成物における金属含有量M(mol/t)が、下記式(v)を満たす[IV]に記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
(iv)M=0.5×(M1)+M2
(v)0.5≦M/P≦1.5
[VI]
A層/B層の厚み比が0.04〜15であることを特徴とする[IV]または[V]に記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
[VII]
フィルムの総厚みが20〜350μmである[I]〜[VI]のいずれかに記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
[VIII]
R32が冷媒として用いられているデバイスの電気絶縁材料に用いる[I]〜[VII]のいずれかに記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
(1)140℃0%RH下に2000時間保持したときの強度保持率が30%以上であること。
(2)耐圧試験(放圧−加圧10MPa繰り返し試験)したときの伸度保持率が50%以上であること。
(3)R32雰囲気下、冷凍機オイルに80℃200時間浸漬したときの重量変化率が−0.3〜1質量%であること。
(4)キシレンに140℃24時間含浸せしめたとき、キシレンに溶出する成分の重量がフィルムの質量に対して0〜0.5質量%であること。
(5)140℃80%RH下に24時間保持したときの強度保持率が30%以上であること。
(6)少なくとも2層からなる積層ポリエステルフィルムであること。
(7)少なくとも一方の表面が、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1452cm−1に観察されるスペクトル強度r1と、1332cm−1に観察されるスペクトル強度r2と、1602cm−1に観察されるスペクトル強度rから求められるR1、R2が以下の関係を満たす。
(i)0.3≦R1≦0.6
(ii) 1.10≦R2≦1.40
ここで、R1=r1/r、R2=r2/r。
(8)式(7)を満たす表面が、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1018cm−1に観察されるスペクトル強度r3と、1602cm−1に観察されるスペクトル強度rから求められるR3が以下の関係を満たすこと。
(iii) 1.20≦R3≦2.00
ここで、R3=r3/r。
(iv)M=0.5×(M1)+M2+1.5×(M3)
(v)0.5≦M/P≦1.5
M/Pが、0.5より小さいとリン元素量が過剰すぎるため、重合触媒の失活がおこりやすく、低分子量体が多く存在し、溶出抑制性、R32に対する耐性が悪化する場合がある。1.5よりも大きいと金属量が過剰なため、熱劣化を促進し耐熱性が悪化する場合がある。
(イ)フィルムの表層を構成するポリエステル樹脂を特定のポリエステル樹脂として、後述の条件にてフィルムを製造する方法
(ロ)少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムとして、表層と内層を構成するポリエステル樹脂を特定のポリエステル樹脂として、後述の条件にてフィルムを製造する方法
(ハ)上記の方法を組合せることにより得ることができる。
(ii)1.2≦R3≦2.0
ここで、R3=r3/r
ここで(ii)式は、以下のことを表すものである。すなわち、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1018cm−1に観察されるスペクトルは、ポリエチレンテレフタレートの分子構造(ベンゼン環のC−H変角振動)に特徴付けられるものである。即ち、本発明の積層ポリエステルフィルムのどちらか一方の表層を構成する樹脂は、ポリエチレンテレフタレートを含有することが好ましい。フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1602cm−1に観察されるスペクトルは、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレートのナフタレン環のC−C伸縮振動による吸収に特徴付けられるものである。このスペクトル強度は、分子鎖の配向に依存しないため、強度比較において規格化の吸収ピークとして利用することができる。1018cm−1に観察されるスペクトルも分子鎖の配向に依存しないため、R3は、フィルムの表層を構成する樹脂に含有されるポリエチレンテレフタレートの量を反映する。
(1)破断強度・破断伸度測定
ASTM−D882(1997)に基づいて、サンプルを1cm×20cmの大きさに切り出し、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minにて引っ張ったときの破断強度、破断伸度を測定した。なお、フィルムの縦方向、横方向のそれぞれについて、サンプル数はn=5で測定した後、それらの平均値を破断強度、破断伸度とした。
試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出した後、エスペック(株)製熱処理器GPHH−102にて、温度140℃(湿度0%RH)の条件下にて2000時間処理を行い、その後上記(1)項に従って破断強度を測定した。なお、測定はn=5とし、フィルムの縦方向、横方向のそれぞれ5サンプルについて測定した後、その平均値を破断強度S1とした。また、処理を行う前のフィルムについても上記(1)項に従って破断強度S0を測定し、得られた破断強度S0,S1を用いて、次の式(iv)により強度保持率を算出した。
強度保持率(%)=(S1/S0)×100 ・・・(iv)
(3)耐圧性評価(耐圧試験(放圧−加圧10MPa繰り返し試験)したときの伸度保持率)
フィルム試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出したものを準備し、オートクレーブ装置(耐圧硝子工業(株)製TVS−N2型)に入れる。オートクレーブ装置の内圧を、ポンプでもって真空状態(100Pa以下)とする。オートクレーブ装置全体を140℃に温め、R32を10MPaになるように導入する。10MPaの状態で6時間保持し、その後、放圧し真空状態100Pa以下で6時間保持する。この10MPaの状態で6時間保持した後100Pa以下で6時間保持するサイクルを10回繰り返し、その後上記(1)項に従って破断伸度を測定した。なお、測定はn=5とし、フィルムの縦方向、横方向のそれぞれ5サンプルについて測定した後、その平均値を破断伸度E1とした。また、処理を行う前のフィルムについても上記(1)項に従って破断伸度E0を測定し、得られた破断伸度E0,E1を用いて、次の式(v)により伸度保持率を算出した。
伸度保持率(%)=(E1/E0)×100 ・・・(v)
(4)R32に対する耐性評価(R32雰囲気下、冷凍機オイルに80℃200時間浸漬したときの重量変化率)
フィルム試料を1辺10cmに切り出したものを準備し重量W0を測定する。冷凍機オイルとしてMobil(株)製Mobil EAL Aarctic 68を用いる。該オイルを100g量り取り、フィルム試料を完全に浸漬させ、オートクレーブ装置(耐圧硝子工業(株)製TVS−N2型)に入れる。オートクレーブ装置の内圧を、ポンプでもって真空状態(100Pa以下)とする。そこにR32を5MPaとなるように導入しオートクレーブ装置全体を温め、80℃として200時間保持する。その後、放圧しフィルム試料を取り出し、オイルを拭き取り、重量W1を測定する。得られた重量W0,W1を用いて、次の式(vi)により重量変化率を算出した。
重量変化率(%)=((W1−W0)/W0)×100 ・・・(vi)
(5)溶出抑制性評価(キシレンに140℃24時間含浸せしめたとき、キシレンに溶出する成分の重量率)
フィルム試料を1辺10cmに切り出したものを20枚準備し、重量W2を測定した後、オートクレーブ装置(耐圧硝子工業(株)製TVS−N2型)に入れる。キシレン(和光純薬工業(株)試薬一級;キシレン異性体混合)100mlの重量W3を測定し、オートクレーブ装置には200ml導入する。オートクレーブ装置の内圧を、ポンプでもって真空状態(100Pa以下)とする。そしてオートクレーブ装置全体を温め、140℃として24時間保持する。その後、フィルム試料を取り出し、キシレン100mlを量り取り重量W4を測定し、得られた重量W2,W3,W4を用いて、次の式(vii)により溶出成分量を算出した。
キシレンに溶出する成分の重量率(%)=((W4−W3)/W2)×100・・・(vii)
(6)耐加水分解性評価(140℃80%RHに24時間保持したときの強度保持率)
試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出した後、エスペック(株)製高度加速寿命試験装置EHS−411にて、温度140℃、相対湿度80%RHの条件下にて24時間処理を行い、その後上記(1)項に従って破断強度を測定した。なお、測定はn=5とし、フィルムの縦方向、横方向のそれぞれ5サンプルについて測定した後、その平均値を破断強度S2とした。また、処理を行う前のフィルムについても上記(1)項に従って破断強度S0を測定し、得られた破断伸度S0,S2を用いて、次の式(viii)により伸度保持率を算出した。
強度保持率(%)=(S2/S0)×100 ・・・(viii)
(7)D.フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)スペクトル強度
(株)パーキンエルマー製のFrontier FT−IRを用い、UATR IRユニットを使用して、媒質結晶をダイヤモンド/ZnSeとして、減衰全反射法(ATR法)によってスペクトル強度を測定する。分光器の分解能は1cm−1、スペクトルの積算回数は16回として測定する。スペクトル強度は、各波長での吸光度(arb.unit)とする。
オルトクロロフェノール100mlにポリエステル組成物を溶解させ(溶液濃度C=1.2g/dl)、その溶液の25℃での粘度を、オストワルド粘度計を用いて測定する。また、同様に溶媒の粘度を測定する。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記(c)式により、[η](dl/g)を算出し、得られた値でもって固有粘度(IV)とする。
(c)ηsp/C=[η]+K[η]2・C
(ここで、ηsp=(溶液粘度(dl/g)/溶媒粘度(dl/g))−1、Kはハギンス定数(0.343とする)である。)。
Mauliceの方法に準じて以下の条件よって測定する(文献M.J. Maulice, F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960))。ポリエステル組成物2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mLに温度150℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基量を測定し、eq./ポリエステル1tの値で示す。なお、滴定時の指示薬はフェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とする。
(10−1)フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物のリン元素、2価金属元素(ただし、アルカリ金属元素を除く)の含有量
理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270)を用いて測定する。
原子吸光分析法(曰立製作所製:偏光ゼーマン原子吸光光度計180−80。フレーム:アセチレンー空気)にて定量を行った。
アルカリ金属元素の含有量をM1(mol/t)、2価金属元素の含有量をM2(mol/t)、3価金属元素の含有量をM3、リン元素の含有量をP(mol/t)として、
ポリエステル樹脂組成物における金属含有量M(mol/t)を0.5×(M1)+M2+1.5×(M3)として求め、M/Pを算出した。
フィルム断面を、フィルム幅方向に平行な方向にミクロトームで切り出す。該断面を走査型電子顕微鏡で5000倍の倍率で観察し、積層各層の厚み比率を求める。求めた積層比率と上記したフィルム厚みから、各層の厚みを算出する。
評価フィルムサンプルを絶縁フィルムとして実装したハーメチックモーターを100個作製し、冷媒(R32)および真空乾燥した絶縁油(ポリオールエステル油)を絶縁油と冷媒の添加重量比が3:1になるように充填したルームエアコン用の圧縮機に組み込み、高速高負荷条件で2160時間、3240時間、4320時間の実機試験を行った。絶縁性が悪化するとモーターが停止するため、正常に運転している個数から絶縁性を評価した。
A:4320時間でも100個とも正常に運転
B:4320時間では1個以上のモーターが評価中に停止したが、3240時間では100個とも正常に運転
C:3240時間では1個以上のモーターが評価中に停止したが、2160時間では100個とも正常に運転
D:2160時間で1〜5個のモーターが評価中に停止
E:2160時間で6個以上のモーターが評価中に停止
A〜Dを合格とした。
上記(12)でテストしたルームエアコン用の圧縮機を簡易サイクルに接続し2160時間後に冷却性能のテストを実施した。R32冷媒耐性が低いと絶縁油への抽出物が増え冷媒の冷却効率が落ちる。冷却性能テストは35℃に温調した空間(15m3)を20℃まで冷却する時間(分)で評価した。
A:6分以内で設定温度に到達
B:6分より長く10分以内で設定温度に到達
C:10分より長く15分以内に設定温度に到達
D:15分より長く20分以内に設定温度に到達
E:20分経過しても設定温度に到達しない。
A〜Dを合格とした。
(株)小田原エンジニアリング製のモーター加工機を用いて、フィルムを12×80mmのサイズ(フィルムの長手方向を80mmとした)に打ち抜き、さらに折り目つける加工をトータルの加工速度2個/秒の速度で1000個のサンプルを作成し、割れや亀裂の発生数をカウント(割れ発生数)した。また1000個のサンプルのうち、割れや亀裂の発生しなかったものについて折り目の内角が90゜以上であるサンプル数をカウント(変形不良数)した。いずれの値もカウント数が少ないほど加工性は良好であり、割れ発生数と変形不良数を合計し10で割った値を不良率(%)として求めた。
A:不良率が0.5%未満
B:不良率が0.5%以上、1%未満
C:不良率が1%以上、5%未満
D:不良率が5%以上、10%未満
E:不良率が10%以上
A〜Dを合格とした。
ポリエステルフィルムの総合評価として、絶縁性、冷却性能、加工性に不合格がないものを合格とした。
表層(A層)を構成するポリマーαとして、PEN90質量部、ポリマーβとしてPET10質量部をブレンドし、180℃で3時間真空乾燥した後押出機1に投入した。また、表層に接する層(B層)を構成するポリマーγとしてPET100質量部を180℃で2時間真空乾燥した後、押出機2に投入した。押出機内の温度ムラが2℃以内でそれぞれの原料を溶融させ、合流装置で押出機1に投入した樹脂がフィルムの両表層となるように合流させ、キャスティングドラム状に押し出し、3層構造(A/B/A、積層比A/B=0.25)をもつ積層シートを作製した。続いて該シートを加熱した表面粗度0.40のロール群で予熱した後、95℃の温度で長手方向(MD方向)に2.6倍延伸を行った後、25℃の温度の表面粗度0.40のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップに把持させる幅の変動は5mm以下で把持しながらテンター内の110℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に3.0倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで220℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに220℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って、厚さ250μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。耐熱性、耐圧性、R32に対する耐性に優れたフィルムであることが分かった。
ポリマーα、ポリマーβ、の混合比率、および積層フィルムの積層構成、積層比、製膜条件を表に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムの耐熱性、耐圧性、R32に対する耐性は表に示すとおり。なお、実施例10のIRスペクトルはA層側を評価した。
ポリマーαをPENからPCHT樹脂であるポリエステル13319(イーストマン社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムの耐熱性、耐圧性、R32に対する耐性は表に示すとおり。
ポリマーαをPENからPEI樹脂であるウルテム1010(SABIC社製)に変更し、混合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムの耐熱性、耐圧性、R32に対する耐性は表に示すとおり。
B層を構成するポリエチレンテレフタレートの末端カルボキシル基量を表に記載のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムの耐熱性、耐圧性、R32に対する耐性は表に示すとおり。
ポリマーα、ポリマーβ、の混合比率、および積層フィルムの積層構成、積層比、製膜条件を表に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムの耐熱性、耐圧性、R32に対する耐性は表に示すとおり、劣るものであった。
表中のCOOH量は、末端カルボキシル基量の意味である。
Claims (8)
- 以下(1)〜(3)を満たし、表層を構成する層にPET及び、PEN、PCHT又はPEIを含有する、R32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
(1)140℃0%RH下に2000時間保持したときの強度保持率が30%以上であること。
(2)耐圧試験(放圧−加圧10MPa繰り返し試験)したときの伸度保持率が50%以上であること。
(3)R32雰囲気下、冷凍機オイルに80℃200時間浸漬したときの重量変化率が−0.3〜1質量%であること。 - 以下(4)〜(5)を満たす請求項1に記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
(4)キシレンに140℃24時間含浸せしめたとき、キシレンに溶出する成分の重量がフィルムの質量に対して0〜0.5質量%であること。
(5)140℃80%RH下に24時間保持したときの強度保持率が30%以上であること。 - 以下(6)〜(8)を満たし、表層を構成する層にPET及びPENを含有する請求項1または請求項2に記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
(6)少なくとも2層からなる積層ポリエステルフィルムであること。
(7)少なくとも一方の表面が、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1452cm−1に観察されるスペクトル強度r1と、1332cm−1に観察されるスペクトル強度r2と、1602cm−1に観察されるスペクトル強度rから求められるR1、R2が以下の関係を満たすこと。
(i)0.3≦R1≦0.6
(ii)1.10≦R2≦1.40
ここで、R1=r1/r、R2=r2/r
(8)前記(7)を満たす表面が、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1018cm−1に観察されるスペクトル強度r3と、1602cm−1に観察されるスペクトル強度rから求められるR3が以下の関係を満たすこと。
(iii)1.20≦R3≦2.00
ここで、R3=r3/r - 前記(7)、(8)を満たす表面を有する層(該層をA層とする)をフィルムの両側に有する、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、表層を有しない層(該層をB層とする)を構成する樹脂の固有粘度が0.68〜1.0dl/g、末端カルボキシル基量が0〜25当量/tである請求項1〜3のいずれかに記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
- A層を構成するポリエステル樹脂組成物に含有するアルカリ金属元素の含有量をM1(mol/t)、2価金属元素の含有量をM2(mol/t)、3価金属元素の含有量をM3、リン元素の含有量をP(mol/t)とするとき、下記式(iv)で求められる前記ポリエステル樹脂組成物における金属含有量M(mol/t)が、下記式(v)を満たす請求項4に記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
(iv)M=0.5×(M1)+M2+1.5×(M3)
(v)0.5≦M/P≦1.5 - A層/B層の厚み比が0.04〜15であることを特徴とする請求項4または5に記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
- フィルムの総厚みが20〜350μmである請求項1〜6のいずれかに記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
- R32が冷媒として用いられているデバイスの電気絶縁材料に用いる請求項1〜7のいずれかに記載のR32と接する用途に用いるポリエステルフィルム。
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