JP6439679B2 - 組織状植物性蛋白素材及びこれを利用した薄切り代用肉 - Google Patents

組織状植物性蛋白素材及びこれを利用した薄切り代用肉 Download PDF

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Description

本発明は、組織状植物性蛋白素材及びこれを利用した薄切り代用肉に関する。
脱脂大豆等の大豆蛋白原料を主原料とし、一軸又は二軸押出成型機(エクストルーダー)を用いて高温,高圧下に組織化して得られる組織状植物性蛋白素材は、畜肉様の食感を持つことからハンバーグやミートボール,ギョーザ,肉まん,シューマイ,メンチカツ,コロッケ,そぼろ等の畜肉を使用した惣菜に配合され広く利用されている。
一方、組織状植物性蛋白素材そのものを直接調理して代用肉として食べる例も散見されるが、肉の形状や食感は多様であるため、公知の組織状植物性蛋白素材をあらゆる代用肉に適用することは困難であった。
かかる技術的背景において、特許文献1では、スリット状のダイから押し出すことにより得られる、特定の吸水率の扁平な組織状蛋白を、融解状態のW/O型エマルジョンと接触させることを特徴とする耐煮性肉様食品素材の製造法が記載されている。
また、特許文献2では、大豆蛋白を主原料とし澱粉とアルカリ土類金属を用いて押出成型機で水系下に加圧加熱し、押し出して膨化して得られる、繊維状構造に優れた組織状植物性蛋白素材が記載されている。
特公平2−48224号公報 特開2004−41041号公報
上述の特許文献1では組織状植物性蛋白素材の厚みが実施例では3mmであり、この厚みであると水で膨潤させると膨潤前の2倍以上の厚みとなり、咀嚼するとスポンジのような食感を感じて代用肉としての完成度の点で課題がある。また、特許文献2では肉及び繊維状構造に優れる組織状大豆蛋白からなる湯戻りが速く肉的食感に優れる乾燥食品であって、組織状大豆蛋白は湯戻りを速くさせるために膨化させなければならず、スポンジ食感となってしまう点で課題がある。
そのため、外観と食感が薄切り肉に非常に似ており、薄切り肉の代用品として使用できる品質の組織状植物性蛋白素材を得ることは困難であった。
そこで上記実情に鑑み、本発明は外観形状と食感が薄切り肉に非常に近似した、薄切り肉代用品として使用することのできる組織状植物性蛋白素材を提供することを課題とするものである。
本発明者は鋭意研究を行った結果、組織状植物性蛋白素材の製造時に特定量のアルカリ金属塩を必須の組織化原料として添加して押出成型機で加圧加熱を行い、さらに該押出成型機に装着された特定形状の開口部を有するダイから該原料を常圧下に押し出すという、2つの技術的要素を組み合わせて組織化することによって、目的とする薄切り肉代用品として使用が可能な組織状植物性蛋白素材を得られる知見を得た。本発明はかかる知見に基づき完成されるに到ったものである。
即ち、本発明は、
(1)乾燥重量中にアルカリ金属塩を0.5〜5重量%含有し、厚みが0.4mm以上3mm未満であり 、かつ波状の形状を有することを特徴とする、組織状植物性蛋白素材、
(2)厚みが0.5〜2.5mmである、前記(1)記載の組織状植物性蛋白素材、
(3)アルカリ金属塩が塩化ナトリウムである、前記(1)記載の組織状植物性蛋白素材、
(4)組織状植物蛋白素材中における植物蛋白原料の割合が乾燥重量中90重量%以上である、前記(1)記載の組織状植物性蛋白素材、
(5)薄切り肉の代替用である、前記(1)記載の組織状植物性蛋白素材、
(6)乾燥重量中に植物蛋白原料が90重量%以上及び塩化ナトリウムを0.5〜5重量%含有し、厚みが0.5〜2.5mmであり、かつ波状の形状を有することを特徴とする、薄切り肉代替用組織状植物性蛋白素材、
(7)少なくとも植物性蛋白原料及び水を含む原料を押出成型機に導入し、加圧加熱しつつ押出成型機の出口に設置されたダイより原料を常圧下に押出し、組織化させて組織状蛋白素材を製造する方法において、原料としてアルカリ金属塩を混合するものであり、ダイの開口部がスリットとなっており、該スリットの厚みが0.2〜1.5mmであることを特徴とする、前記(1)記載の組織状蛋白素材の製造法、
(8)前記(1)記載の組織状植物性蛋白素材を構成材料とする薄切り代用肉、
(9)前記(1)記載の組織状植物性蛋白素材を構成材料とし、これを水で膨潤させて得られる薄切り代用肉、
(10)前記(1)記載の組織状植物性蛋白素材を水で膨潤させ、組織状植物性蛋白素材中に含有するアルカリ金属塩を水と共に除去することを特徴とする薄切り代用肉の製造法、
(11)前記(8)又は(9)記載の薄切り代用肉を利用した食品、
である。
本発明によれば、牛丼等に使用されている薄切り肉に外観形状や食感が非常に近似した組織状植物性蛋白素材を提供することができ、該素材は薄切り肉の一部又は全部と代替して、薄切り肉が使用される多様な食品に利用することができる。
本発明の組織状植物性蛋白素材の例を示す図面代用写真である。 本発明の組織状植物性蛋白素材を水で膨潤させて得られる薄切り代用肉の例を示す図面代用写真である。
本発明の組織状植物性蛋白素材は、乾燥重量中にアルカリ金属塩を0.5〜5重量%含有し、厚みが0.4mm以上3mm未満であり、かつ波状の形状を有することを特徴とする。以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
(組織状植物性蛋白素材)
本発明における組織状植物性蛋白素材は、植物蛋白原料を含む上記の原料に加水して、加圧加熱下に押出し、組織を膨化させることを特徴とする。具体的には、一軸または二軸押出成型機(エクストルーダー)に加水した原料を導入し、押出成型機内部が加圧加熱された条件下で原料を押出成型機の出口部分にあるダイから常圧下に押出し、押出物を切断および乾燥して得られるものである。
○扁平形状
本発明における組織状植物性蛋白素材は、厚みが0.4mm以上3mm未満、好ましくは0.5〜2.5mm、より好ましくは0.5〜2.0mmの扁平形状であることが特徴である。本発明において「扁平形状」の意味は、薄っぺらい形状を意味しており、凹凸のないことを意味するものではない。かかる扁平形状を有することにより、水戻しすると厚み方向への組織の膨潤が抑制され、水平方向に組織が膨潤し、薄切り肉様の形状とすることができる。厚みが薄すぎると肉的な噛みごたえに乏しくなる。なお、厚みの測定は、後述の波状の形状になっている部分を避けて行うものとする。波状の形状部分は凹凸があるために正確な厚みを測定できないためである。
○波状の形状
加えて本発明における組織状植物性蛋白素材は、波状の形状を有することが特徴である。本発明において「波状」とは、波の起伏するような形状をいうが、厳密に一定間隔の波状には限定されるものではない。また組織状植物性蛋白素材の形状全体が波状の形状となっている必要もない。例えば扁平な組織状植物性蛋白素材の中心付近だけ波状になっていてもよい。波の振幅は一定でなくても良く、1〜5mm程度が好ましい。また、波の波長も一定でなくても良く、1〜5mm程度が好ましい。
このように、扁平な組織状植物性蛋白素材が波状の形状を有していることにより、水で膨潤させると緩やかに波打った状態に膨潤し、より薄切り肉に酷似した形状とすることができる。
(アルカリ金属塩)
本発明の組織状植物性蛋白素材は、乾燥重量中に組織化原料としてアルカリ金属塩を0.5〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%含有することが重要である。このように特定量のアルカリ金属塩が含まれた状態で組織化原料が組織化されることにより、厚み方向への膨化が抑制され、また形状が上述の波状に形成されることが促進される。すなわち、本発明では組織状植物性蛋白素材を薄切り肉代替用としての利用に適するための品質改良剤として用いることが重要である。アルカリ金属塩の含量が0.5重量%未満では調味料として通常利用される程度の量に過ぎず、厚み方向へ膨化した組織となってしまい、また形状が波状に形成されにくくなるため、水戻し後に薄切り肉の様な形状を得にくくなる。さらに水戻し後の食感もスポンジのような食感となってしまい、肉的な硬い食感を得にくくなる。
アルカリ金属塩としてはナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられ、食品製造において許容される限り塩の陰イオン側は特に限定されない。例えば塩酸塩である塩化ナトリウムや塩化カリウム、炭酸塩である炭酸ナトリウムや炭酸カリウム、硫酸塩である硫酸ナトリウムや硫酸カリウム、リン酸塩であるリン酸ナトリウムやリン酸カリウム、クエン酸塩であるクエン酸ナトリウムやクエン酸カリウム等が挙げられる。この中でも、塩の陰イオン側は特に塩酸塩が好ましい。また、塩の陽イオン側はナトリウム塩がより好ましい。さらに塩化ナトリウムがより好ましい。
(植物蛋白原料)
本発明で用いる植物蛋白原料は、植物由来の蛋白質素材であり、例えば、大豆、えんどう豆、菜種、綿実、落花生、ゴマ、サフラワー、向日葵、コーン、ベニバナ、ココナッツ等の油糧種子、あるいは、米、大麦、小麦等の穀物種子由来の蛋白素材等や、これらの抽出・加工蛋白、例えば、米グルテリン、大麦プロラミン、小麦プロラミン、小麦グルテン、大豆グロブリン、大豆アルブミン、落花生アルブミン等、これらの熱処理、酸処理、アルカリ処理、酵素処理蛋白等が挙げられる。
入手の容易性および経済性等の点では大豆蛋白素材が好ましい。また、ここでいう大豆蛋白素材は、大豆由来の蛋白質を含む素材であればよく、丸大豆や半割れ大豆などの全脂大豆や、油脂を除去した減脂大豆や脱脂大豆、含水エタノール洗浄や酸性水洗浄等により蛋白質を濃縮した濃縮大豆蛋白、さらには分離大豆蛋白または豆乳、ならびにそれらの加水分解物、オカラ、ホエー等が例示され、これらの少なくとも1種以上を選択できる。このうちコスト低減の観点では脱脂大豆を用いることが好ましい。
本発明の組織状植物蛋白素材中における植物蛋白原料の割合は、求める品質により他原料との兼ね合いで適宜設定することができるが、特に組織状植物蛋白素材の乾燥重量中65重量%以上、例えば70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、90重量%以上とすることができる。
(油脂)
組織状植物蛋白素材の原料としては、他に油脂を用いてもよい。この場合、添加する油脂としては大豆油、菜種油、ヒマワリ油、ベニバナ油、コーン油、米糠油、ゴマ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオバター、などの植物油脂、魚油、鯨油、乳脂、牛脂、豚脂などの動物油脂、およびこれらを分別、硬化、エステル交換した油脂などを用いることができる。
添加する油脂の量は特に限定しないが、組織状植物蛋白素材の原料の乾燥重量に対して通常0.01〜6重量%が適当である。
(他の原料)
植物蛋白原料に食塩を加えた原料には、油脂の他、グルテン、卵白、カゼイン等のその他の蛋白や、澱粉、多糖類、食物繊維、ゲル化剤、その他の公知の添加物を、本発明の効果を妨げない範囲で、適宜加えることもできる。
ただし、畜肉については動物性の原料であり、これを加えると植物性の蛋白素材とは言い難くなり、また畜肉は衛生面から取扱いにくいため含まないことが好ましい。
(押出成型機)
加圧加熱は、一軸押出成型機や二軸押出成型機などの公知の押出成型機(エクストルーダー)を用い、公知の方法に従って行うことができる。混練が強く安定的に組織化しやすい二軸以上の軸を有する押出成型機を用いることがより好ましい。
該押出成型機は、原料供給口、バレル内をスクリューにより原料送り、混合、加圧(圧縮)、加熱機構を有し、先端バレルに装着したダイを有するものを用いることが好ましい。
(ダイ)
上記押出成型機の先端に装着されるダイの種類は、押出成型機のスクリュー送り方向に押し出すダイでも、送り方向の外周方向に押し出す、いわゆるペリフェラルダイでも用いることができる。ダイはその表面に開口部を有し、該開口部から押出成型機の内部で加圧加熱された原料が押し出される。
本発明ではダイの開口部がスリットとなっていることが好ましい。ここでいうスリットとは、長細い孔を意味する。また該開口部のスリットの長辺方向のサイズを「幅」、スリットの短辺方向のサイズを「厚み」と称する。
本発明では該スリットの厚みが0.2〜1.5mm、好ましくは0.3〜1mmであるのが好ましい。これによって得られる組織状蛋白素材の厚みをできるだけ薄くし、扁平形状に近づけることができる。ダイの開口部のスリットは、厚みが薄いものである限り、長方形に限定されず、楕円形でも良いし、ギザギザやウェーブのような形状のものなど、適宜選択して使用することができる。
(加水)
組織状植物蛋白素材の原料を、押出成型機に供給する際に、加水を行う。本発明の製造方法では、押出成型機に供給される原料全体の水分が10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%となるように加水することができる。
(組織化条件)
組織状植物蛋白素材の原料を押出成型機に供給し、加水しながら加圧加熱下にダイより押し出す際の組織化条件は、公知の条件に基づいて適宜選択および調整できる。非限定的な例を示すと、加熱条件は先端バレル温度120〜220℃が好ましく、140〜200℃がさらに好ましい。加圧条件はバレル先端のダイ圧力が2〜100kg/cmが好ましく、5〜40kg/cmがさらに適当である。
(水分)
本発明において、組織状植物蛋白素材をダイより押し出し、切断および乾燥する際の乾燥条件は公知の条件に基づいて適宜選択および調整できる。非限定的な例を示すと、流動層乾燥機を用い、60℃〜100℃の熱風に組織状植物蛋白素材を10分間〜30分間曝すことによって乾燥させることが適当である。また、乾燥後に得られる組織状植物蛋白素材の水分は、保存性の点から15重量%以下が好ましく、1〜12重量%がさらに好ましく、3〜10重量%がさらに適当である。
以上に開示される本発明の組織状植物性蛋白素材は、特に薄切り肉の代替用として好適に用いることができる。
(薄切り代用肉)
本発明の組織状植物性蛋白素材は、これを構成材料として薄切り代用肉とすることができる。薄切り代用肉は乾燥タイプでも良いし、水で膨潤させたタイプでもよく、また水で膨潤後に冷凍したタイプでもよい。これらは薄切り肉の代用品としてそのまま、又は適当な原料と組み合わせて販売することができる。また水で膨潤させる場合には、醤油,ダシ,スープ等の各種調味料を含むものであってもよい。
本発明の代用肉は、特に本発明の組織状植物性蛋白素材を水で膨潤させ、該素材中に含有するアルカリ金属塩を溶出させて水と共に除去することによって、アルカリ金属塩が水抜きされた薄切り代用肉を得ることが好ましい。これによって塩味が低減され、薄い味付けの食品など、塩味に制限されずに各種食品に利用することができる。もちろん該素材を膨潤させた後に水をそのまま含む状態で各種食品に利用することもできる。
本発明の薄切り代用肉は、水で膨潤されることなく使用される場合は、上述の組織状植物性蛋白素材の厚みを有する。また水で膨潤された場合、厚みが0.8mm以上6mm未満であるのが好ましく、1〜5mmであるのがより好ましい。
(薄切り代用肉を利用した食品)
本発明の薄切り代用肉は、薄切り肉の一部又は全部と代替して利用し、薄切り肉が一般に使用されている食品に調製することができる。例えば小売店等で販売される惣菜に利用したり、外食産業のメニューで提供される牛丼などの飯料理や豚しゃぶなどの惣菜などに用いることができる。また、該薄切り代用肉を用いた瓶詰めもしくは袋詰めのレトルト食品や乾燥食品などを製造することもできる。
以下、実施例等により本発明の実施形態についてさらに具体的に記載する。なお、以下「%」及び「部」は特に断りのない限り「重量%」及び「重量部」を意味するものとする。
(実施例1)
n−ヘキサンで脱脂した脱脂大豆粉末100重量部に、塩化ナトリウム2重量部および、組織化時の原料水分が30重量%となるように水を二軸エクストルーダーに供給して加熱、加圧処理を行い、原料の混合物をダイから押し出した。
なお、押出成型機は二軸エクストルーダーを以下の条件で使用した。
なお、押出成型機は二軸押出成型機を以下の条件で使用した。
・ダイ :開口部がスリット状(厚み1mm×幅20mm×1穴)
・粉体原料流量 :30kg/時
・スクリュー回転数 :200rpm
・バレル温度 :入口側:80℃,中央部:120℃,出口側:150℃
押出物は、長さ30mm程度となるようにダイス出口直後にカッターで切断した後、乾燥機にて水分8重量%となるように熱風で乾燥を行い、本発明の組織状植物性蛋白素材を得た。
得られた組織状植物性蛋白素材(図1参照)を10倍量の熱水(80℃)で10分間浸漬して膨潤させた後、1分間湯切りを行った(図2参照)。該組織状植物性蛋白素材の膨潤前後の重量を測定したところ、該組織状植物性蛋白素材の重量の約2倍の水を吸っていた(吸水倍率2倍)。
(実施例2)
実施例1において、塩化ナトリウムを2重量部から0.5重量部に変更する以外は同様の条件にして、組織状植物性蛋白素材を製造した。
(実施例3)
実施例1において、塩化ナトリウムを2重量部から5重量部に変更する以外は同様の条件にして、組織状植物性蛋白素材を製造した。
(比較例1)
実施例1において、塩化ナトリウムを添加しない以外は同様の条件にして、組織状植物性蛋白素材を製造した。
(比較例2)
実施例1において、塩化ナトリウムを2重量部から0.3重量部に変更する以外は同様の条件にして、組織状植物性蛋白素材を製造した。
(比較例3)
実施例1において、塩化ナトリウムを2重量部から8重量部に変更する以外は同様の条件にして、組織状植物性蛋白素材を製造した。
(比較例4)
実施例1において、厚みが実施例1よりも厚い3mmのスリット状のダイを備えた二軸エクストルーダーを用いる以外は同様の条件にして、組織状植物性蛋白素材を製造した。
(比較例5)
実施例1において、厚みが実施例1よりも厚い0.1mmのスリット状のダイを備えた二軸エクストルーダーを用いる以外は同様の条件にして、組織状植物性蛋白素材を製造した。
(品質評価)
実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた組織状植物性蛋白素材について、
ア)製品の厚み
イ)扁平形状の有無 (○:扁平である、△やや分厚い、×扁平でない)
ウ)波状の形状の有無(○:強い波状、△やや弱い波状、×波状でない)
エ)水で膨潤させた後の食感
を評価項目として品質評価を行った。ア)については得られた製品のサンプル10粒を無作為に選定して波状の形状部分を避けて定規で測定し、その平均値を小数点第2位で四捨五入して求めた。イ),ウ)については外観の目視により評価した。エ)については社内の嗜好パネラー5名に依頼して官能評価を行った。
(食感の評価基準)
1点:スポンジ感が強い
2点:ややスポンジ感がある
3点:どちらとも言えない
4点:肉的な食感を感じる
5点:肉的な食感を非常に感じる
の5段階で評価してもらい、5名の平均値を求めた。そしてその平均値を算出し、
A(4.5点以上) B(3.5点以上4.5点未満)
C(2.5点以上3.5点未満) D(1.5点以上2.5点未満)
E(1.5点未満)
の5段階で評価付けを行った。この評価結果を表1にまとめた。
(表1)
(考察)
実施例1で得られた組織状植物性蛋白素材は、図1に示すとおり、薄切り代用肉として利用するのに適度な厚みの扁平形状をしていた。これを水で膨潤させると図2に示すとおり全長が約1.5倍になり、塩化ナトリウム含量2%の効果で薄切り肉様の絞まった食感を有し、スポンジ感を感じないものであった。また組織状植物性蛋白素材に有していた波状のひだが膨潤しても残っており、外観的にも薄切り肉により近いものであった。
実施例2で得られた組織状植物性蛋白素材は、薄切り代用肉として利用するのに適度な厚みの扁平形状をしていた。塩化ナトリウム含量0.5%の効果で薄切り肉様のやや絞まった食感を有し、波状のひだも有り、スポンジ感を感じないものであった。
実施例3で得られた組織状植物性蛋白素材は、薄切り代用肉として利用するのに適度な厚みの扁平形状をしていた。塩化ナトリウム含量5%の効果で薄切り肉様のかなり絞まった食感を有し、波状のひだもしっかり有り、スポンジ感を感じないものであった。
比較例1で得られた組織状植物性蛋白素材は、薄切り代用肉として利用するのに適度な厚みの扁平形状はしていたが、塩化ナトリウムが無添加であったためか、波状のひだもなくスポンジ感が強いものとなり、薄切り肉様の外観と食感を有するものではなかった。
比較例2で得られた組織状植物性蛋白素材は、塩化ナトリウム含量が0.3%と少なかったためか、波状のひだもほとんどなくスポンジ食感をやや感じるものであった。
比較例3で得られた組織状植物性蛋白素材は、塩化ナトリウム含量が8%と多量であったためか、かなり絞まった硬い食感を有していた。
比較例4で得られた組織状植物性蛋白素材は、厚みが6mmもあり扁平形状とは言い難いものであり、薄切り代用肉として使用できるものではなかった。食感も厚みがあるためスポンジ食感を強く感じた。
比較例5で得られた組織状植物性蛋白素材は、厚みが薄い0.2mmの扁平形状であり、薄すぎて薄切り代用肉として使用できるものではなかった。食感は厚みがないため咀嚼感を感じなかった。
(実施例4) 本発明の代用肉を利用した食品(しぐれ煮)
実施例1で得られた組織状植物性蛋白素材を約10倍量の熱水(95℃)で膨潤させた。次にザルで湯切りを行い余分な水と共に、組織状植物性蛋白素材中に含まれる塩化ナトリウムを除き、薄切り代用肉を得た。
鍋を強火で加熱し、ゴマ油を引き、該代用肉100gを入れ、油が十分に該代用肉全体に馴染むまで該代用肉を炒めた。炒めた代用肉に生姜5g、砂糖9g、醤油22g、みりん18g、料理酒15gを混合した。次に薄くスライスしたゴボウ25gを入れ、煮汁がなくなるまで煮込んだ。薄くスライスした生しょうがを少しのせ、山椒をふりかけ、しぐれ煮を得た。
得られたしぐれ煮は、使用した代用肉が薄切り牛肉的な食感、風味および外観を有しており、薄切り牛肉を用いた通常のしぐれ煮と全く遜色のない品質であった。

Claims (7)

  1. 乾燥重量中に大豆蛋白素材が90重量%以上、及びアルカリ金属の塩酸塩が組織化原料として乾燥重量中に0.5〜5重量%含有し、厚みが0.4〜2mmの扁平形状であり、かつ波状の形状を有することを特徴とする組織状大豆蛋白素材であって、該組織状大豆蛋白素材の組織全体が押出成型機で組織化されたものである、薄切り肉様組織状大豆蛋白素材。
  2. アルカリ金属の塩酸塩が塩化ナトリウムである、請求項1記載の薄切り肉様組織状大豆蛋白素材。
  3. 少なくとも大豆蛋白素材及び水を含む原料を押出成型機に導入し、加圧加熱しつつ押出成型機の出口に設置されたダイより原料を常圧下に押出し、組織化させて組織状大豆蛋白素材を製造する方法において、組織化原料としてアルカリ金属の塩酸塩を混合するものであり、ダイの開口部がスリットとなっており、該スリットの厚みが0.2〜1mmであることを特徴とする、請求項1又は2記載の薄切り肉様組織状大豆蛋白素材の製造法。
  4. 請求項1又は2記載の薄切り肉様組織状大豆蛋白素材を構成材料とする薄切り代用肉。
  5. 請求項1又は2記載の薄切り肉様組織状大豆蛋白素材を構成材料とし、これを水で膨潤させて得られる薄切り代用肉。
  6. 請求項1又は2記載の薄切り肉様組織状大豆蛋白素材を水で膨潤させ、該組織状大豆蛋白素材中に含有するアルカリ金属の塩酸塩を水と共に除去することを特徴とする薄切り代用肉の製造法。
  7. 請求項4又は5記載の薄切り代用肉を利用した食品。
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