以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。また、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さないことがある。また、便宜上、ゲート絶縁膜等の絶縁膜は上面図には表さないことがある。
なお、本明細書等において「上」や「下」という用語は、構成要素の位置関係が「直上」または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁膜上のゲート電極」の表現であれば、ゲート絶縁膜とゲート電極との間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、本明細書等において「電極」や「配線」という用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」という用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
なお、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。
例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線などが含まれる。
なお、以下の説明において、第1、第2などの序数詞は、説明の便宜上付したものであり、その数を限定するものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の一態様を図1を用いて説明する。図1(A)は半導体装置が有するトランジスタの上面図を示し、図1(B)は、図1(A)に示す一点鎖線A−B(チャネル長方向)における断面図であり、図1(C)は、図1(A)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。なお、図1(A)において、図面の明瞭化のため、図1(B)、図1(C)に示した一部の構成を省略して示している。
図1に示すトランジスタ450は、下地絶縁膜436が設けられた絶縁表面を有する基板400上に、チャネル形成領域403c、ソース領域403a、ドレイン領域403bを含む酸化物半導体膜403、ゲート絶縁膜410、ゲート電極401、ゲート電極401の側面および上面に設けられた側壁絶縁膜412、ソース領域403aと重畳するソース電極405aと、ドレイン領域403bと重畳するドレイン電極405bと、ソース電極405aおよびドレイン電極405b上の層間絶縁膜415と、ソース電極405aおよびドレイン電極405bと電気的に接続する配線層414aおよび配線層414bと、を有する。
酸化物半導体膜403は、図16(A)で示すように第1の領域431、当該第1の領域431の一部を挟むように設けられた第2の領域432および第3の領域433を含んでおり、第1の領域431乃至第3の領域433のそれぞれの少なくとも一部と重畳してゲート電極401が設けられている。なお、図16(A)で示す酸化物半導体膜403は、図面の明瞭化のため、ハッチパターンを変えている。
第1の領域431は、ゲート電極401と重畳するチャネル形成領域403cと、当該チャネル形成領域403cを挟んで接するチャネル形成領域403cより抵抗が低い一対の低抵抗領域(該低抵抗領域はソース領域、ドレイン領域として機能するため、ソース領域403aおよびドレイン領域403bとも呼ぶ)と、を含んでおり、第2の領域432および第3の領域433のチャネル長方向の長さは、第1の領域431のチャネル長方向の長さより短い。
なお、ゲート電極401をマスクとして酸化物半導体膜403にドーパントを添加し、酸化物半導体膜403においてチャネル形成領域403cを挟んでチャネル形成領域403cより抵抗が低く、低抵抗領域であるドーパントを含むソース領域403a、ドレイン領域403bを形成する。また、この際、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、ドーパントが添加されないようにする。このようにすることで、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁は低抵抗化されなくなるため、トランジスタがオフ状態の時の酸化物半導体膜403の端部に流れるリーク電流を低減することができる。
また、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さ(図1(A)に示す長さL1の2倍と長さL2の合計の長さ2L1+L2)は、第1の領域431のチャネル幅方向の長さ(図1(A)に示す長さW)より大きい。具体的には、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを第1の領域431のチャネル幅方向の長さの3倍以上、好ましくは10倍以上とする。酸化物半導体膜403が第1の領域431のみの形状であるとソース電極およびドレイン電極の間のリークパスは、図1(A)に示す長さL2のみであるが、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを長くすることでリークパスが長くなり、周縁における抵抗成分が増大し、これにより、トランジスタがオフ状態の時に酸化物半導体膜403の端部に寄生チャネルが形成されてリーク電流が増大するのを抑制することができる。また、例え、酸化物半導体膜403の端部から酸素が抜けても酸化物半導体膜403の端部と、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cとが離れているため、トランジスタ450の電気特性に影響することを低減することができる。よって、トランジスタ450の電気特性の劣化を防止して、良好な電気特性とすることができる。
ドーパントは、酸化物半導体膜403の導電率を変化させる不純物である。ドーパントの添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。
チャネル長方向にチャネル形成領域403cを挟んでソース領域403aおよびドレイン領域403bを含む酸化物半導体膜403を有することにより、該トランジスタ450はオン特性(例えば、オン電流および電界効果移動度)が高く、高速動作、高速応答が可能となる。
以下にトランジスタ450を有する半導体装置の作製方法の一例を示す。
なお、図2(A1)はトランジスタの作製工程を説明するための上面図であり、図2(A2)は図2(A1)に示す一点鎖線A−Bにおける断面図であり、図2(A3)は図2(A1)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。なお、以下の説明において、図2(A1)乃至図2(A3)をまとめて図2(A)と呼ぶ場合がある。また、本明細書における以降の同様の記載についても該当するものとする。
まず、絶縁表面を有する基板400上に下地絶縁膜436を形成する。
基板400に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。例えば、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI(Silicon On Insulator)基板などを適用することもできる。また、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。
また、基板400として、可撓性基板を用いて半導体装置を作製してもよい。可撓性を有する半導体装置を作製するには、可撓性基板上に酸化物半導体膜403を含むトランジスタ450を直接作製してもよいし、他の作製基板に酸化物半導体膜403を含むトランジスタ450を作製し、その後可撓性基板に剥離、転置してもよい。なお、作製基板から可撓性基板に剥離、転置するために、作製基板と酸化物半導体膜403を含むトランジスタ450との間に剥離層を設けるとよい。
基板400に熱処理を行ってもよい。例えば、高温のガスを用いて熱処理を行うGRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置により、650℃、1分〜5分間、熱処理を行えばよい。なお、GRTAにおける高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。また、電気炉により、500℃、30分〜1時間、熱処理を行ってもよい。
下地絶縁膜436としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムなどの酸化物絶縁膜、またはこれらの混合材料を用いて形成することができる。
また、下地絶縁膜436と基板400との間に基板400側からの不純物の侵入を防止するためのバリア膜として窒化物絶縁膜を設けてもよい。窒化物絶縁膜は窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、またはこれらの混合材料を用いて形成することができる。
また、下地絶縁膜436の酸化物絶縁膜には、熱処理により酸素を放出する絶縁膜(酸素供給膜)を用いると好ましい。
「熱処理により酸素を放出する」とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy:昇温脱離ガス分光法)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量が1.0×1019atoms/cm3以上、好ましくは3.0×1019atoms/cm3以上、さらに好ましくは1.0×1020atoms/cm3以上、さらに好ましくは3.0×1020atoms/cm3以上であることをいう。
ここで、TDS分析にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量の測定方法について、以下に説明する。
TDS分析による気体の放出量は、スペクトルの積分値に比例する。このため、測定したスペクトルの積分値と標準試料の基準値との比により、気体の放出量を計算することができる。標準試料の基準値は、所定の原子密度を有する試料において、スペクトルの積分値に対する原子密度の割合である。
例えば、標準試料である所定の密度の水素を含むシリコンウェハのTDS分析結果、および絶縁膜のTDS分析結果から、絶縁膜の酸素分子の放出量(NO2)は、式(1)で求めることができる。ここで、TDS分析で得られる質量電荷比(M/z)が32で検出されるスペクトルの全てが酸素分子由来と仮定する。M/zが32のものとしてほかにCH3OHがあるが、存在する可能性が低いものとしてここでは考慮しない。また、酸素原子の同位体であるM/zが17の酸素原子およびM/zが18の酸素原子を含む酸素分子についても、自然界における存在比率が極微量であるため考慮しない。
NH2は、標準試料から脱離した水素分子を密度で換算した値である。SH2は、標準試料をTDS分析したときのスペクトルの積分値である。ここで、標準試料の基準値を、NH2/SH2とする。SO2は、絶縁膜をTDS分析によるスペクトルの積分値である。αは、TDSにおけるスペクトル強度に影響する係数である。式(1)の詳細に関しては、特開平6−275697公報を参照する。なお、上記絶縁膜の酸素の放出量は、電子科学株式会社製の昇温脱離分析装置EMD−WA1000S/Wを用い、標準試料として1×1016atoms/cm2の水素原子を含むシリコンウェハを用いて測定する。
また、TDS分析において、酸素の一部は酸素原子として検出される。酸素分子と酸素原子の比率は、酸素分子のイオン化率から算出することができる。なお、上述のαは酸素分子のイオン化率を含むため、酸素分子の放出量を評価することで、酸素原子の放出量についても見積もることができる。
なお、NO2は酸素分子の放出量である。酸素原子に換算したときの放出量は、酸素分子の放出量の2倍となる。
また、過剰酸素を含む絶縁膜(化学量論的組成を超える酸素を含む絶縁膜)の水素濃度が、7.2×1020atoms/cm3以上である場合には、トランジスタの初期特性のバラツキの増大、トランジスタの電気特性に関するチャネル長依存性の増大、さらにBTストレス試験において、大きく劣化するため、過剰酸素を含む絶縁膜の水素濃度は、7.2×1020atoms/cm3未満とする。即ち、酸化物半導体膜の水素濃度は5×1019atoms/cm3以下、かつ、過剰酸素を含む絶縁膜の水素濃度は、7.2×1020atoms/cm3未満とすることが好ましい。
さらに酸化物半導体膜を包み、かつ、過剰酸素を含む絶縁膜の外側に配置されるように、酸化物半導体膜の酸素の放出を抑えるブロッキング膜(AlOxなど)を設けると好ましい。
過剰酸素を含む絶縁膜またはブロッキング膜で酸化物半導体膜を包み込むことで、酸化物半導体膜において、酸素の含有量が化学量論比組成とほぼ一致するような状態、または化学量論的組成より酸素が多い過飽和の状態とすることができる。例えば、酸化物半導体膜の化学量論的組成がIn:Ga:Zn:O=1:1:1:4[原子数比]である場合、IGZOに含まれる酸素の原子数比は4より多い状態となる。
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンなどの「酸化窒化物」とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものをいう。
なお、本明細書中において、窒化酸化シリコンなどの「窒化酸化物」とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものをいう。
次に、下地絶縁膜436上に酸化物半導体膜403を形成する(図2(A)参照)。
酸化物半導体膜403は、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を用いて成膜される。また、酸化物半導体膜403は、スパッタリングターゲット表面に対し、概略垂直に複数の基板表面がセットされた状態で成膜を行うスパッタリング装置を用いて成膜されてもよい。酸化物半導体膜403は、エッチング処理を施し、十字状に形成する。なお、理解を容易にするため、酸化物半導体膜403を第1の領域431、第2の領域432および第3の領域433の3つの領域に分けている。第1の領域431は、第2の領域432および第3の領域433に挟まれるように設けられており、第2の領域432および第3の領域433のチャネル長方向の長さは、第1の領域431のチャネル長方向の長さより短くなっている。
酸化物半導体膜403を成膜する際、酸化物半導体膜403に含まれる水素濃度をできる限り低減させることが好ましい。酸化物半導体膜403に含まれる水素濃度を低減させるためには、例えば、スパッタリング法を用いて成膜する場合、スパッタリング装置の成膜室内に供給するガスとして、水素、水、水酸基、または水素化物などの不純物が除去された高純度の希ガス(代表的には、アルゴン)、酸素、または希ガスと酸素との混合ガスを用いることが好ましい。
また、成膜室内の残留水分を除去しつつ、水素および水などが除去されたガスを導入して成膜を行うことで、成膜された酸化物半導体膜403に含まれる水素濃度を低減させることができる。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプは、例えば、水(H2O)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等の排気能力が高いため、クライオポンプを用いて排気した成膜室で成膜された酸化物半導体膜403に含まれる不純物の濃度を低減できる。
また、酸化物半導体膜403を、スパッタリング法を用いて成膜する場合、成膜に用いる金属酸化物ターゲットの相対密度は90%以上100%以下、好ましくは95%以上100%以下とする。相対密度が高い金属酸化物ターゲットを用いることにより、成膜された酸化物半導体膜403を緻密な膜とすることができる。
酸化物半導体膜403の材料として、例えば、In−M−Zn−O系材料を用いればよい。ここで、金属元素Mは酸素との結合エネルギーがInおよびZnよりも高い元素である。または、In−M−Zn−O系材料から酸素が脱離することを抑制する機能を有する元素である。金属元素Mの作用によって、酸化物半導体膜の酸素欠損の生成が抑制される。そのため、酸素欠損に起因するトランジスタの電気特性の変動を低減することができ、信頼性の高いトランジスタを得ることができる。
金属元素Mは、具体的にはAl、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、TaまたはWとすればよく、好ましくはAl、Ti、Ga、Y、Zr、CeまたはHfとする。金属元素Mは、前述の元素から一種または二種以上選択すればよい。また、金属元素Mに変えてSiやGeを用いることもできる。
ここで、In−M−Zn−O系材料で表される酸化物半導体は、Inの濃度が高いほどキャリア移動度およびキャリア密度が高まる。結果、Inの濃度が高いほど導電率の高い酸化物半導体となる。
酸化物半導体膜403は、例えば非単結晶を有してもよい。非単結晶は、例えば、CAAC(C Axis Aligned Crystal)、多結晶、微結晶、非晶質部を有する。非晶質部は、微結晶、CAACよりも欠陥準位密度が高い。また、微結晶は、CAACよりも欠陥準位密度が高い。なお、CAACを有する酸化物半導体を、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)と呼ぶ。
酸化物半導体膜は、例えばCAAC−OSを有してもよい。CAAC−OSは、例えば、c軸配向し、a軸または/およびb軸はマクロに揃っていない。
酸化物半導体膜は、例えば微結晶を有してもよい。なお、微結晶を有する酸化物半導体を、微結晶酸化物半導体と呼ぶ。微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満のサイズの微結晶(ナノ結晶ともいう。)を膜中に含む。または、微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の結晶部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体を有している。
酸化物半導体膜は、例えば非晶質部を有してもよい。なお、非晶質部を有する酸化物半導体を、非晶質酸化物半導体と呼ぶ。非晶質酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質酸化物半導体膜は、例えば、完全な非晶質であり、結晶部を有さない。
なお、酸化物半導体膜が、CAAC−OS、微結晶酸化物半導体、非晶質酸化物半導体の混合膜であってもよい。混合膜は、例えば、非晶質酸化物半導体の領域と、微結晶酸化物半導体の領域と、CAAC−OSの領域と、を有する。また、混合膜は、例えば、非晶質酸化物半導体の領域と、微結晶酸化物半導体の領域と、CAAC−OSの領域と、の積層構造を有してもよい。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、単結晶を有してもよい。
酸化物半導体膜は、複数の結晶部を有し、当該結晶部のc軸が被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃っていることが好ましい。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。そのような酸化物半導体膜の一例としては、CAAC−OS膜がある。
CAAC−OS膜は、完全な非晶質ではない。CAAC−OS膜は、例えば、結晶部および非晶質部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体を有している。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界、結晶部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には明確な粒界(グレインバウンダリーともいう)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、例えば、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃い、かつab面に垂直な方向から見て金属原子が三角形状または六角形状に配列し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、80°以上100°以下、好ましくは85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−10°以上10°以下、好ましくは−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。また、結晶部は、成膜したとき、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行ったときに形成される。従って、結晶部のc軸は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃う。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
また、CAAC−OS膜は、多結晶である酸化物半導体スパッタリング用ターゲットを用い、スパッタリング法によって成膜することが好ましい。当該スパッタリング用ターゲットにイオンが衝突すると、スパッタリング用ターゲットに含まれる結晶領域がab面から劈開し、ab面に平行な面を有する平板状またはペレット状のスパッタリング粒子として剥離することがある。この場合、当該平板状またはペレット状のスパッタリング粒子が、結晶状態を維持したまま被成膜面に到達することで、CAAC−OS膜を成膜することができる。
平板状のスパッタリング粒子は、例えば、ab面に平行な面の円相当径が3nm以上10nm以下、厚さ(ab面に垂直な方向の長さ)が0.7nm以上1nm未満である。なお、平板状のスパッタリング粒子は、ab面に平行な面が正三角形または正六角形であってもよい。ここで、面の円相当径とは、面の面積と等しい正円の直径をいう。
また、CAAC−OS膜を成膜するために、以下の条件を適用することが好ましい。
成膜時の基板温度を高めることで、基板到達後にスパッタリング粒子のマイグレーションが起こる。具体的には、基板温度を100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500℃以下として成膜する。成膜時の基板温度を高めることで、平板状のスパッタリング粒子が基板に到達した場合、基板上でマイグレーションが起こり、スパッタリング粒子の平らな面が基板に付着する。このとき、スパッタリング粒子が正に帯電することで、スパッタリング粒子同士が反発しながら基板に付着するため、スパッタリング粒子が偏って不均一に重なることがなく、厚さの均一なCAAC−OS膜を成膜することができる。
成膜時の不純物混入を低減することで、不純物によって結晶状態が崩れることを抑制できる。例えば、成膜室内に存在する不純物濃度(水素、水、二酸化炭素および窒素など)を低減すればよい。また、ガス中の不純物濃度を低減すればよい。具体的には、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下であるガスを用いる。
また、ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化することで成膜時のプラズマダメージを軽減すると好ましい。ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100体積%とする。
CAAC−OS膜を成膜した後、加熱処理を行ってもよい。加熱処理の温度は、100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500℃以下とする。また、加熱処理の時間は1分以上24時間以下、好ましくは6分以上4時間以下とする。また、加熱処理は、不活性雰囲気または酸化性雰囲気で行えばよい。好ましくは、不活性雰囲気で加熱処理を行った後、酸化性雰囲気で加熱処理を行う。不活性雰囲気での加熱処理により、CAAC−OS膜の不純物濃度を短時間で低減することができる。一方、不活性雰囲気での加熱処理によりCAAC−OS膜に酸素欠損が生成されることがある。その場合、酸化性雰囲気での加熱処理によって該酸素欠損を低減することができる。また、加熱処理を行うことで、CAAC−OS膜の結晶性をさらに高めることができる。なお、加熱処理は1000Pa以下、100Pa以下、10Pa以下または1Pa以下の減圧下で行ってもよい。減圧下では、CAAC−OS膜の不純物濃度をさらに短時間で低減することができる。
スパッタリング用ターゲットの一例として、In−Ga−Zn−O化合物ターゲットについて以下に示す。
InOX粉末、GaOY粉末およびZnOZ粉末を所定のmol数比で混合し、加圧処理後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすることで多結晶であるIn−Ga−Zn−O化合物ターゲットとする。なお、X、YおよびZは任意の正数である。ここで、所定のmol数比は、例えば、InOX粉末、GaOY粉末およびZnOZ粉末が、2:2:1、8:4:3、3:1:1、1:1:1、4:2:3または3:1:2である。なお、粉末の種類、およびその混合するmol数比は、作製するスパッタリング用ターゲットによって適宜変更すればよい。
また、酸化物半導体膜において、銅、アルミニウム、塩素などの不純物がほとんど含まれない高純度化されたものであることが望ましい。トランジスタの製造工程において、これらの不純物が混入または酸化物半導体膜表面に付着する恐れのない工程を適宜選択することが好ましく、酸化物半導体膜表面に付着した場合には、シュウ酸や希フッ酸などに曝す、またはプラズマ処理(N2Oプラズマ処理など)を行うことにより、酸化物半導体膜表面の不純物を除去することが好ましい。具体的には、酸化物半導体膜の銅濃度は1×1018atoms/cm3以下、好ましくは1×1017atoms/cm3以下とする。また、酸化物半導体膜のアルミニウム濃度は1×1018atoms/cm3以下とする。また、酸化物半導体膜の塩素濃度は2×1018atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体膜は成膜直後において、化学量論的組成より酸素が多い過飽和の状態とすることが好ましい。例えば、スパッタリング法を用いて酸化物半導体膜を成膜する場合、ガスの酸素の占める割合が多い条件で成膜することが好ましく、特に酸素雰囲気(酸素ガス100%)で成膜を行うことが好ましい。ガスの酸素の占める割合が多い条件、特に酸素ガス100%の雰囲気で成膜すると、例えば、成膜温度を300℃以上としても、膜中からのZnの放出が抑えられる。
酸化物半導体膜は水素などの不純物が十分に除去されることにより、または、十分な酸素が供給されて酸素が過飽和の状態とされることにより、高純度化されたものであることが望ましい。具体的には、酸化物半導体膜の水素濃度は5×1019atoms/cm3以下、望ましくは5×1018atoms/cm3以下、より望ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。なお、上述の酸化物半導体膜中の水素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定されるものである。また、十分な酸素が供給されて酸素が過飽和の状態とするため、酸化物半導体膜を包みこむように過剰酸素を含む絶縁膜(SiOxなど)を接して設ける。
また、酸化物半導体膜403は、複数の酸化物半導体膜が積層された構造でもよい。例えば、酸化物半導体膜403を、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜の積層として、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜に、異なる組成の金属酸化物を用いてもよい。例えば、第1の酸化物半導体膜に三元系金属の酸化物を用い、第2の酸化物半導体膜に二元系金属の酸化物を用いてもよい。また、例えば、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜を、どちらも三元系金属の酸化物としてもよい。
また、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜の構成元素を同一とし、両者の組成を異ならせてもよい。例えば、第1の酸化物半導体膜の原子数比をIn:Ga:Zn=1:1:1とし、第2の酸化物半導体膜の原子数比をIn:Ga:Zn=3:1:2としてもよい。また、第1の酸化物半導体膜の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2とし、第2の酸化物半導体膜の原子数比をIn:Ga:Zn=2:1:3としてもよい。
この時、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜のうち、ゲート電極に近い側(チャネル側)の酸化物半導体膜のInとGaの含有率をIn>Gaとするとよい。またゲート電極から遠い側(バックチャネル側)の酸化物半導体膜のInとGaの含有率をIn≦Gaとするとよい。
酸化物半導体では主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、Inの含有率を多くすることによりs軌道のオーバーラップが多くなる傾向があるため、In>Gaの組成となる酸化物はIn≦Gaの組成となる酸化物と比較して高い移動度を備える。また、GaはInと比較して酸素欠損の形成エネルギーが大きく酸素欠損が生じにくいため、In≦Gaの組成となる酸化物はIn>Gaの組成となる酸化物と比較して安定した特性を備える。
チャネル側にIn>Gaの組成となる酸化物半導体を適用し、バックチャネル側にIn≦Gaの組成となる酸化物半導体を適用することで、トランジスタの移動度および信頼性をさらに高めることが可能となる。
また、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜に、結晶性の異なる酸化物半導体を適用してもよい。すなわち、単結晶酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、非晶質酸化物半導体、またはCAAC−OSを適宜組み合わせた構成としてもよい。また、第1の酸化物半導体膜と第2の酸化物半導体膜の少なくともどちらか一方に非晶質酸化物半導体を適用すると、酸化物半導体膜403の内部応力や外部からの応力を緩和し、トランジスタの特性ばらつきが低減され、また、トランジスタの信頼性をさらに高めることが可能となる。
一方で、非晶質酸化物半導体は水素などのドナーとなる不純物を吸収しやすく、また、酸素欠損が生じやすいためn型化されやすい。このため、チャネル側の酸化物半導体膜は、CAAC−OSなどの結晶性を有する酸化物半導体を適用することが好ましい。
また、酸化物半導体膜403を3層以上の積層構造とし、複数層の結晶性酸化物半導体膜で非晶質酸化物半導体膜を挟む構造としてもよい。また、結晶性酸化物半導体膜と非晶質酸化物半導体膜を交互に積層する構造としてもよい。
また、酸化物半導体膜403を複数層の積層構造とする場合の上記構成は、それぞれを適宜組み合わせて用いることができる。
また、酸化物半導体膜403を複数層の積層構造とし、各酸化物半導体膜の形成後に酸素を添加してもよい。酸素の添加は、酸素雰囲気下による熱処理や、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、酸素を含む雰囲気下で行うプラズマ処理などを用いることができる。
各酸化物半導体膜の形成毎に酸素を添加することで、酸化物半導体内の酸素欠損を低減する効果を高めることができる。
次に、下地絶縁膜436および酸化物半導体膜403上にゲート絶縁膜409を形成する(図2(B)参照)。なお、ゲート絶縁膜409は、少なくとも後に形成されるゲート電極401の下にあればよい。
ゲート絶縁膜409は、酸素供給膜409aとバリア膜409bの積層膜とすることが好ましい。酸素供給膜409aは、下地絶縁膜436と同様、熱処理により酸素を放出する絶縁膜であり、酸化物半導体膜中における酸素欠損を低減することができる。バリア膜409bは、水分や水素が酸化物半導体膜403に侵入し、拡散することを抑制することができる。また、酸化物半導体膜403から酸素が抜けてしまうことを抑制することができる。酸素供給膜409aの材料としては、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化タンタル、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコン等を用いて形成することができる。また、バリア膜409bの材料としては、酸化アルミニウム膜等を用いて形成することができる。酸素供給膜409aおよびバリア膜409bは、プラズマCVD法またはスパッタリング法等を用いて形成することができる。
本実施の形態では、酸素供給膜409aとして、酸化シリコン膜を形成し、酸素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによって酸化シリコン膜に酸素を添加した。その後、酸素供給膜409a上にアルミニウム膜を形成し、酸素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによってアルミニウム膜に酸素を添加し、バリア膜409bとなる酸化アルミニウム膜を形成した。
また、順に酸化シリコン膜、アルミニウム膜の積層膜を形成し、基板400側からバイアスをかけ、酸化シリコン膜、アルミニウム膜に対し酸素を添加し、酸素過剰な酸化シリコン膜および酸化アルミニウム膜を形成することもできる。
さらに、プラズマCVD法を用い、酸素の添加処理を経て、酸素過剰な酸化シリコン膜を形成した後、スパッタリング法を用いて酸化アルミニウム膜を形成しても良い。
次に、ゲート絶縁膜409上に導電膜を形成し、該導電膜をエッチングして、ゲート電極401を形成する(図2(C)参照)。
ゲート電極401は、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成することができる。また、ゲート電極401としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜、ニッケルシリサイドなどのシリサイド膜を用いてもよい。ゲート電極401は、単層構造としてもよいし、積層構造としてもよい。
また、ゲート電極401の材料は、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。また、上記導電性材料と、上記金属材料の積層構造とすることもできる。
また、ゲート絶縁膜409と接するゲート電極401の一層として、窒素を含む金属酸化物、具体的には、窒素を含むIn−Ga−Zn−O膜や、窒素を含むIn−Sn−O膜や、窒素を含むIn−Ga−O膜や、窒素を含むIn−Zn−O膜や、窒素を含むSn−O膜や、窒素を含むIn−O膜や、金属窒化膜(InN、SnNなど)を用いることができる。これらの膜は5eV(電子ボルト)以上、好ましくは5.5eV(電子ボルト)以上の仕事関数を有し、ゲート電極として用いた場合、トランジスタのしきい値電圧をプラスにすることができ、所謂ノーマリーオフのスイッチング素子を実現できる。
また、酸化物半導体膜403に酸素ドープ処理を行い、酸素を過剰に含む酸化物半導体膜403を形成してもよい。ドープされる酸素(酸素ラジカル、酸素原子、酸素分子、オゾン、酸素イオン(酸素分子イオン)、および/または酸素クラスタイオン)は、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理などを用いることによって酸化物半導体膜403にドープすることができる。また、イオン注入法にはガスクラスタイオンビームを用いてもよい。酸素のドープ処理は、全面を一度に行ってもよいし、線状のイオンビーム等を用いて移動(スキャン)させ行ってもよい。
例えば、ドープされる酸素(酸素ラジカル、酸素原子、酸素分子、オゾン、酸素イオン(酸素分子イオン)、および/または酸素クラスタイオン)は、酸素を含むガスを用いてプラズマ発生装置により供給されてもよいし、またはオゾン発生装置により供給されてもよい。より具体的には、例えば、半導体装置に対してエッチング処理を行うための装置や、レジストマスクに対してアッシングを行うための装置などを用いて酸素を発生させ、酸化物半導体膜403を処理することができる。
酸素ドープ処理には、酸素を含むガスを用いることができる。酸素を含むガスとしては、酸素、一酸化二窒素、二酸化窒素、二酸化炭素、一酸化炭素などを用いることができる。また、酸素ドープ処理において、希ガスを用いてもよい。
酸素のドープ処理は、例えば、イオン注入法で酸素イオンの注入を行う場合、ドーズ量を1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とすればよい。
次に、第2の領域432および第3の領域433を覆うようにレジストマスク425aおよびレジストマスク425bを形成し、該レジストマスク425a、レジストマスク425bと、ゲート電極401をマスクとして酸化物半導体膜403にドーパント421を添加し、第1の領域431にソース領域403a、ドレイン領域403bを形成する。また、第1の領域431において、ドーパント421が添加されなかった領域はチャネル形成領域403cとして機能する(図3(A)参照)。
第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、ドーパントが添加されないようにすることで、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁は低抵抗化されなくなるため、トランジスタがオフ状態の時の酸化物半導体膜403の端部に流れるリーク電流を低減することができる。また、ドーパント421が添加されたソース領域403a、ドレイン領域403bの酸化物半導体膜403は、結晶構造が乱れ、酸化物半導体膜403が非晶質状態になる。非晶質酸化物半導体は、CAAC−OS膜などの結晶性を有するチャネル形成領域403cから水素などのドナーとなる不純物を吸収しやすくなる。そのため、良好なトランジスタ特性を得ることができる。
また、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さ(図1(A)に示す長さL1の2倍と長さL2の合計の長さ2L1+L2)は、第1の領域431のチャネル幅方向の長さ(図1(A)に示す長さW)より大きい。具体的には、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを第1の領域431のチャネル幅方向の長さの3倍以上、好ましくは10倍以上とする。第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを長くすることで周縁における抵抗成分が増大し、これにより、トランジスタがオフ状態の時に酸化物半導体膜403の端部に寄生チャネルが形成されてリーク電流が増大するのを抑制することができる。また、例え、酸化物半導体膜403の端部から酸素が抜けても酸化物半導体膜403の端部と、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cとが離れているため、トランジスタ450の電気特性に影響することを低減することができる。よって、トランジスタ450の電気特性の劣化を防止して、良好な電気特性とすることができる。
ドーパント421は、酸化物半導体膜403の導電率を変化させる不純物である。ドーパント421としては、15族元素(代表的には窒素(N)、リン(P)、砒素(As)、およびアンチモン(Sb))、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、インジウム(In)、フッ素(F)、塩素(Cl)、チタン(Ti)、および亜鉛(Zn)のいずれかから選択される一以上を用いることができる。
ドーパント421は、添加方法により、他の膜(例えば、ゲート絶縁膜409)を通過して、酸化物半導体膜403に添加することもできる。ドーパント421の添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。その際には、ドーパント421の単体のイオンあるいはフッ化物、塩化物のイオンを用いると好ましい。
ドーパント421の添加工程は、加速電圧、ドーズ量などの注入条件、また、通過させる膜の膜厚を適宜設定して制御すればよい。本実施の形態では、ドーパント421としてリンを用いて、イオン注入法でリンイオンの注入を行う。なお、ドーパント421のドーズ量は1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とすればよい。
ソース領域403a、ドレイン領域403bにおけるドーパント421の濃度は、5×1018/cm3以上1×1022/cm3以下であることが好ましい。
ドーパント421を添加する際に、基板400を加熱しながら行ってもよい。
なお、酸化物半導体膜403にドーパント421を添加する処理は、複数回行ってもよく、ドーパントの種類も複数種用いてもよい。
また、ドーパント421の添加処理後、熱処理を行ってもよい。加熱条件としては、300℃以上700℃以下、好ましくは300℃以上450℃以下で1時間、酸素雰囲気下で行うことが好ましい。また、窒素雰囲気下、減圧下、大気(超乾燥エア)下で熱処理を行ってもよい。
本実施の形態では、イオン注入法により酸化物半導体膜403に、リン(P)イオンを注入する。なお、リン(P)イオンの注入条件は加速電圧30kV、ドーズ量を1.0×1015ions/cm2とする。また、酸化物半導体膜403のチャネル長を60nm未満にすることが好ましい。
よって、チャネル形成領域403cを挟んでソース領域403a、ドレイン領域403bが設けられた酸化物半導体膜403が形成される。また、本実施の形態では、ゲート電極401の形成後にドーパント421の添加を行ったが、これに限られない。例えば、側壁絶縁膜412形成後にドーパント421の添加を行ってもよい。
次に、ゲート絶縁膜409およびゲート電極401上に絶縁膜411を形成する(図3(B)参照)。
絶縁膜411の材料としては、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化タンタル、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコン等を用いて形成することができる。絶縁膜411は、単層でも積層でも構わない。
次に、ゲート電極401が露出しないように絶縁膜411の一部に除去(研磨)処理を行い、絶縁膜411aを形成する(図3(C)参照)。
除去方法としては化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)処理を用いることが好適である。
なお、本実施の形態では、除去処理にCMP処理を用いたが、他の除去方法を用いてもよい。または、CMP処理等の研磨処理と、エッチング(ドライエッチング、ウェットエッチング)処理や、プラズマ処理などを組み合わせてもよい。除去処理に、エッチング処理、プラズマ処理などを組み合わせて行う場合、工程順は特に限定されず、絶縁膜411の材料、膜厚、および表面の凹凸状態に合わせて適宜設定すればよい。
なお、CMP処理は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。複数回に分けてCMP処理を行う場合は、高い研磨レートの一次研磨を行った後、低い研磨レートの仕上げ研磨を行うことが好ましい。このように研磨レートの異なる研磨を組み合わせることによって、絶縁膜411aの表面の平坦性をより向上させることができる。
次に、絶縁膜411a上にレジストマスク435を選択的に形成する(図4(A)参照)。
次に、レジストマスク435を用いて、絶縁膜411aおよびゲート絶縁膜409を選択的にエッチングして側壁絶縁膜412および酸素供給膜410aとバリア膜410bの積層膜であるゲート絶縁膜410を形成する(図4(B)参照)。
また、側壁絶縁膜412は、熱処理により酸素を放出する絶縁膜(酸素供給膜)であることが好ましい。このようにすることで、ゲート絶縁膜410等を介して側壁絶縁膜412から酸化物半導体膜403へ酸素を供給させることができる。また、側壁絶縁膜412は、2層以上の積層構造としてもよい。本実施の形態では、CVD法により第1の窒化酸化シリコン膜を30nm形成した後、酸素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによって窒化酸化シリコン膜に酸素を添加し、さらに第2の窒化酸化シリコン膜を370nm形成し、第1の窒化酸化シリコン膜および第2の窒化酸化シリコン膜をエッチングして側壁絶縁膜412を形成する。
次に、酸化物半導体膜403および側壁絶縁膜412上に、導電膜405を形成し、導電膜405上に層間絶縁膜419を形成する(図4(C)参照)。
導電膜405は、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo、Ag、Ta、RuおよびWを一種以上含む、単体、窒化物、酸化物または合金を、単層または積層して用いればよい。または、少なくともInおよびZnを含む酸化物または酸窒化物を用いても構わない。例えば、In−Ga−Zn−O−N系材料などを用いればよい。
層間絶縁膜419の材料としては、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化タンタル、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコン等を用いて形成することができる。層間絶縁膜419は、単層でも積層でも構わない。また、層間絶縁膜419は、ゲート絶縁膜と同様に酸素供給膜とバリア膜の積層構造としてもよい。
次に、側壁絶縁膜412が露出するように層間絶縁膜419、導電膜405の一部に除去(研磨)処理を行い、層間絶縁膜415、ソース電極405aおよびドレイン電極405bを形成する(図5(A)参照)。
除去方法としては化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)処理を用いることが好適である。
なお、本実施の形態では、ソース電極405aおよびドレイン電極405bの上面の高さと側壁絶縁膜412および層間絶縁膜415の上面の高さは揃っている。このような構成にすることで、後の工程(トランジスタを有する半導体装置や電子機器の作製工程等)で形成される薄膜の被覆性を向上させることができ、薄い膜や配線の段切れを抑制することができる。例えば、ソース電極405aおよびドレイン電極405bと側壁絶縁膜412および層間絶縁膜415の間に段差があると、段差部にかかる膜や配線が切れてしまい、不良となってしまうが、ソース電極405aおよびドレイン電極405bの上面と側壁絶縁膜412および層間絶縁膜415の上面の高さが揃っているとそのような不良を抑制できるため、信頼性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、除去処理にCMP処理を用いたが、他の除去方法を用いてもよい。または、CMP処理等の研磨処理と、エッチング(ドライエッチング、ウェットエッチング)処理や、プラズマ処理などを組み合わせてもよい。除去処理に、エッチング処理、プラズマ処理などを組み合わせて行う場合、工程順は特に限定されず、層間絶縁膜415の材料、膜厚、および表面の凹凸状態に合わせて適宜設定すればよい。
なお、CMP処理は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。複数回に分けてCMP処理を行う場合は、高い研磨レートの一次研磨を行った後、低い研磨レートの仕上げ研磨を行うことが好ましい。このように研磨レートの異なる研磨を組み合わせることによって、層間絶縁膜415の表面の平坦性をより向上させることができる。
このように、側壁絶縁膜412が露出するように除去処理を行うことで、ソース電極405aおよびドレイン電極405bを形成することができる。
また、導電膜405形成後、導電膜405上にレジストマスクを形成し、導電膜405を選択的にエッチングして、ソース電極405aおよびドレイン電極405bを形成することもできる。
次に、層間絶縁膜415、側壁絶縁膜412、ソース電極405aおよびドレイン電極405b上に絶縁膜417を形成し、絶縁膜417および層間絶縁膜415に設けられた開口を介してソース電極405aおよびドレイン電極405bとそれぞれ電気的に接続する配線層414aおよび配線層414bを形成する(図5(B)参照)。
配線層414aおよび配線層414bは、ゲート電極401と同様な材料および方法を用いて形成することができる。このようにして、トランジスタ450を作製することができる。
以上、エッチング処理を施し、チャネル長方向の長さが異なるように十字状に形成された酸化物半導体膜を用いてトランジスタを構成することにより、トランジスタのソース電極とドレイン電極が酸化物半導体膜の側面(端面)近傍の領域(酸素(O)が脱離することなどに起因して低抵抗化した領域)を介して電気的に接続される蓋然性を低減することができる。
よって、良好なトランジスタ特性を有する、酸化物半導体を用いたトランジスタを提供すること、酸化物半導体を用いたトランジスタを有する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、半導体装置の他の一態様を図6を用いて説明する。図6(A)は半導体装置が有するトランジスタの上面図を示し、図6(B)は、図6(A)に示す一点鎖線A−B(チャネル長方向)における断面図であり、図6(C)は、図6(A)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。なお、図6(A)において、図面の明瞭化のため、図6(B)、図6(C)に示した一部の構成を省略して示している。
図6に示すトランジスタ460は、下地絶縁膜436が設けられた絶縁表面を有する基板400上に、チャネル形成領域403c、ソース領域403a、ドレイン領域403bを含む酸化物半導体膜403、低抵抗領域406a、低抵抗領域406b、ゲート絶縁膜410、ゲート電極401、ゲート電極401の側面に設けられた側壁絶縁膜412、ゲート電極401上に設けられた絶縁膜413、低抵抗領域406aおよび低抵抗領域406b上に設けられた層間絶縁膜415と、ソース電極およびドレイン電極として機能する配線層414aおよび配線層414bと、を有する。
酸化物半導体膜403は、図16(A)で示すように第1の領域431、当該第1の領域431の一部を挟むように設けられた第2の領域432および第3の領域433を含んでおり、第1の領域431乃至第3の領域433のそれぞれの少なくとも一部と重畳してゲート電極401および絶縁膜413の積層が設けられている。なお、図16(A)で示す酸化物半導体膜403は、図面の明瞭化のため、ハッチパターンを変えている。
第1の領域431は、ゲート電極401と重畳するチャネル形成領域403cと、当該チャネル形成領域403cを挟んで接するチャネル形成領域403cより抵抗が低い一対の低抵抗領域(該低抵抗領域はソース領域、ドレイン領域として機能するため、ソース領域403aおよびドレイン領域403bとも呼ぶ)と、を含んでおり、第2の領域432および第3の領域433のチャネル長方向の長さは、第1の領域431のチャネル長方向の長さより短い。
低抵抗領域406aおよび低抵抗領域406bは、酸化物半導体膜403と、ソース電極およびドレイン電極として機能する配線層414aおよび配線層414bとの接触抵抗を低減させることができる。低抵抗領域406aおよび低抵抗領域406bは、酸化物半導体膜403のソース領域403aおよびドレイン領域403bの少なくとも上面の一部を改質して形成される。
なお、ゲート電極401をマスクとして酸化物半導体膜403にドーパントを添加し、酸化物半導体膜403においてチャネル形成領域403cを挟んでチャネル形成領域403cより抵抗が低く、低抵抗領域であるドーパントを含むソース領域403a、ドレイン領域403bを形成する。また、この際、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、ドーパントが添加されないようにする。このようにすることで、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁は低抵抗化されなくなるため、トランジスタがオフ状態の時の酸化物半導体膜403の端部に流れるリーク電流を低減することができる。
また、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さ(図6(A)に示す長さL1の2倍と長さL2の合計の長さ2L1+L2)は、第1の領域431のチャネル幅方向の長さ(図6(A)に示す長さW)より大きい。具体的には、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを第1の領域431のチャネル幅方向の長さの3倍以上、好ましくは10倍以上とする。酸化物半導体膜403が第1の領域431のみの形状であるとソース電極およびドレイン電極の間のリークパスは、図6(A)に示す長さL2のみであるが、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを長くすることでリークパスが長くなり、周縁における抵抗成分が増大し、これにより、トランジスタがオフ状態の時に酸化物半導体膜403の端部に寄生チャネルが形成されてリーク電流が増大するのを抑制することができる。また、例え、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cから酸素が抜けるとしても、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cの角部から直接、または、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403の端部から間接的に酸素が抜けるため、酸素の脱離量は少ない。このためトランジスタ460の電気特性に影響することを低減することができる。よって、トランジスタ460の電気特性の劣化を防止して、良好な電気特性とすることができる。
ドーパントは、酸化物半導体膜403の導電率を変化させる不純物である。ドーパントの添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。
チャネル長方向にチャネル形成領域403cを挟んでソース領域403aおよびドレイン領域403bを含む酸化物半導体膜403を有することにより、該トランジスタ460はオン特性(例えば、オン電流および電界効果移動度)が高く、高速動作、高速応答が可能となる。
以下にトランジスタ460を有する半導体装置の作製方法の一例を示す。
なお、図7(A1)はトランジスタの作製工程を説明するための上面図であり、図7(A2)は図7(A1)に示す一点鎖線A−Bにおける断面図であり、図7(A3)は図7(A1)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。
まず、絶縁表面を有する基板400上に下地絶縁膜436、酸化物半導体膜402を形成する(図7(A)参照)。
基板400および下地絶縁膜436は、実施の形態1と同様な材料および方法を用いて形成することができる。また、酸化物半導体膜402は、実施の形態1の酸化物半導体膜403と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、酸化物半導体膜402上にゲート絶縁膜409を形成する(図7(B)参照)。なお、ゲート絶縁膜409は、少なくとも後に形成されるゲート電極401の下にあればよい。
ゲート絶縁膜409は、酸素供給膜409aとバリア膜409bの積層膜とすることが好ましい。酸素供給膜409aは、下地絶縁膜436と同様、熱処理により酸素を放出する絶縁膜であり、酸化物半導体膜中における酸素欠損を低減することができる。バリア膜409bは、水分や水素が酸化物半導体膜402に侵入し、拡散することを抑制することができる。また、酸化物半導体膜402から酸素が抜けてしまうことを抑制することができる。酸素供給膜409aの材料としては、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化タンタル、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコン等を用いて形成することができる。また、バリア膜409bの材料としては、酸化アルミニウム等を用いて形成することができる。
本実施の形態では、酸素供給膜409aとして、酸化シリコン膜を形成し、プラズマ処理によって酸化シリコン膜に酸素を添加した。その後、酸素供給膜409a上にアルミニウム膜を形成し、プラズマ処理によってアルミニウム膜に酸素を添加し、バリア膜409bとなる酸化アルミニウム膜を形成した。
また、順に酸化シリコン膜、アルミニウム膜の積層膜を形成し、基板400側からバイアスをかけ、酸化シリコン膜、アルミニウム膜に対し酸素を添加し、酸素過剰な酸化シリコン膜および酸化アルミニウム膜を形成することもできる。
次に、ゲート絶縁膜409上に導電膜および絶縁膜の積層を形成し、該導電膜および該絶縁膜をエッチングして、ゲート電極401および絶縁膜413の積層を形成する(図7(C)参照)。
ゲート電極401は、実施の形態1と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
絶縁膜413は、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。絶縁膜413は、プラズマCVD法またはスパッタリング法等を用いて形成することができる。
次に、ゲート絶縁膜409および絶縁膜413上にレジストマスク425cを形成する(図8(A)参照)。
次に、レジストマスク425cによって、ゲート絶縁膜409および酸化物半導体膜402を選択的にエッチングする(図8(B)参照)。このとき、レジストマスク425cに加え、ゲート電極401もマスクとして機能するため、十字状に形成された酸化物半導体膜403を得ることができる。また、酸化物半導体膜403は、第1の領域431、当該第1の領域431の一部を挟むように設けられた第2の領域432および第3の領域433を有する。
次に、ゲート電極401および絶縁膜413をマスクとして酸化物半導体膜403にドーパント421を添加し、第1の領域431にソース領域403a、ドレイン領域403bを形成する。また、第1の領域431において、ドーパント421が添加されなかった領域はチャネル形成領域403cとして機能する(図8(C)参照)。
また、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、ドーパントが添加されないようにすることで、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁は低抵抗化されなくなるため、トランジスタがオフ状態の時の酸化物半導体膜403の端部に流れるリーク電流を低減することができる。また、ドーパント421が添加されたソース領域403a、ドレイン領域403bの酸化物半導体膜は、結晶構造が乱れ、非晶質状態になる。非晶質酸化物半導体は、CAAC−OS膜などの結晶性を有するチャネル形成領域403cから水素などのドナーとなる不純物を吸収しやすくなる。そのため、良好なトランジスタ特性を得ることができる。
また、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さ(図6(A)に示す長さL1の2倍と長さL2の合計の長さ2L1+L2)は、第1の領域431のチャネル幅方向の長さ(図6(A)に示す長さW)より大きい。具体的には、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを第1の領域431のチャネル幅方向の長さの3倍以上、好ましくは10倍以上とする。酸化物半導体膜403が第1の領域431のみの形状であるとソース電極およびドレイン電極の間のリークパスは、図6(A)に示す長さL2のみであるが、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを長くすることでリークパスが長くなり、周縁における抵抗成分が増大し、これにより、トランジスタがオフ状態の時に酸化物半導体膜403の端部に寄生チャネルが形成されてリーク電流が増大するのを抑制することができる。また、例え、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cから酸素が抜けるとしても、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cの角部から直接、または、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403の端部から間接的に酸素が抜けるため、酸素の脱離量は少ない。このためトランジスタ460の電気特性に影響することを低減することができる。よって、トランジスタ460の電気特性の劣化を防止して、良好な電気特性とすることができる。
ドーパント421の種類、添加方法等は、実施の形態1を参酌することができる。
次に、ゲート電極401および絶縁膜413上に絶縁膜を形成し、該絶縁膜をエッチングして側壁絶縁膜412を形成する(図9(A)参照)。さらに、ゲート電極401および側壁絶縁膜412をマスクとして、ゲート絶縁膜409をエッチングし、酸素供給膜410aとバリア膜410bの積層膜であるゲート絶縁膜410を形成する(図9(B)参照)。
側壁絶縁膜412は、絶縁膜413と同様な材料および方法を用いて形成することができる。また、側壁絶縁膜412は、熱処理により酸素を放出する絶縁膜(酸素供給膜)であることが好ましい。このようにすることで、ゲート絶縁膜410等を介して側壁絶縁膜412から酸化物半導体膜403へ酸素を供給させることができる。また、側壁絶縁膜412は、2層以上の積層構造としてもよい。本実施の形態では、CVD法により第1の窒化酸化シリコン膜を30nm形成した後、酸素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによって窒化酸化シリコン膜に酸素を添加し、さらに第2の窒化酸化シリコン膜を370nm形成し、第1の窒化酸化シリコン膜および第2の窒化酸化シリコン膜をエッチングして側壁絶縁膜412を形成する。
次に、酸化物半導体膜403、側壁絶縁膜412および絶縁膜413上に、導電膜407を形成する(図9(C)参照)。
導電膜407としては、アルミニウムやチタン等を用いることができる。
次に、導電膜407に対してドーパント441を添加し、酸化物半導体膜403中に導電膜407の金属を拡散させ、ソース領域403aおよびドレイン領域403bにさらに抵抗の低い低抵抗領域406aおよび低抵抗領域406bを形成する(図10(A)参照)。
ドーパント441としては、例えば、アルゴンを用いることができる。ドーパント441の添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。また、ドーパント441の添加工程は、加速電圧、ドーズ量などの注入条件、また、通過させる膜の膜厚を適宜設定して制御すればよい。
このようにすることで、導電膜407の金属が酸化物半導体膜403に拡散し、ドーパント441がソース領域403aおよびドレイン領域403bの酸化物半導体膜403に添加されることでソース領域403aおよびドレイン領域403bにおける酸化物半導体膜403の結晶構造が乱れ、酸化物半導体膜403が非晶質状態になり、さらに低抵抗領域406aおよび低抵抗領域406bを形成することができる。
また、低抵抗領域406aおよび低抵抗領域406bは、導電膜407形成後に熱処理を行って、導電膜407と酸化物半導体膜403との界面で反応させて形成してもよい。
次に、導電膜407を除去し、低抵抗領域406aおよび低抵抗領域406b、側壁絶縁膜412および絶縁膜413上に層間絶縁膜415を形成する(図10(B)参照)。
層間絶縁膜415は、絶縁膜413と同様な材料および方法を用いて形成することができる。層間絶縁膜415はトランジスタ460により生じる凹凸を平坦化できる膜厚で形成する。また、ゲート絶縁膜と同様に酸素供給膜とバリア膜の積層構造としてもよい。
次に、層間絶縁膜415に設けられた開口を介して低抵抗領域406aおよび低抵抗領域406bとそれぞれ電気的に接続する配線層414aおよび配線層414bを形成する。配線層414aおよび配線層414bは、それぞれソース電極およびドレイン電極として機能する。
配線層414aおよび配線層414bは、ゲート電極401と同様な材料および方法を用いて形成することができる。このようにして、トランジスタ460を作製することができる。
以上、エッチング処理を施し、チャネル長方向の長さが異なるように十字状に形成された酸化物半導体膜を用いてトランジスタを構成することにより、トランジスタのソース電極とドレイン電極が酸化物半導体膜の側面(端面)近傍の領域(酸素(O)が脱離することなどに起因して低抵抗化した領域)を介して電気的に接続される蓋然性を低減することができる。
よって、良好なトランジスタ特性を有する、酸化物半導体を用いたトランジスタを提供すること、酸化物半導体を用いたトランジスタを有する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、半導体装置の他の一態様を図11を用いて説明する。図11(A)は半導体装置が有するトランジスタの上面図を示し、図11(B)は、図11(A)に示す一点鎖線A−B(チャネル長方向)における断面図であり、図11(C)は、図11(A)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。なお、図11(A)において、図面の明瞭化のため、図11(B)、図11(C)に示した一部の構成を省略して示している。
図11に示すトランジスタ470は、下地絶縁膜436が設けられた絶縁表面を有する基板400上に、チャネル形成領域403c、ソース領域403a、ドレイン領域403bを含む酸化物半導体膜403、ソース電極405a、ドレイン電極405b、ゲート絶縁膜410、ゲート電極401、ゲート電極401の側面に設けられた側壁絶縁膜412、ゲート電極401上に設けられた絶縁膜413、ソース電極405aおよびドレイン電極405b上に設けられた層間絶縁膜415を有する。
酸化物半導体膜403は、図16(B)で示すように第1の領域431、当該第1の領域431の一部を挟むように設けられた第2の領域432および第3の領域433を含んでおり、第1の領域431乃至第3の領域433のそれぞれの少なくとも一部と重畳してゲート電極401および絶縁膜413の積層が設けられている。なお、図16(B)で示す酸化物半導体膜403は、図面の明瞭化のため、ハッチパターンを変えている。
第1の領域431は、ゲート電極401と重畳するチャネル形成領域403cと、当該チャネル形成領域403cを挟んで接するチャネル形成領域403cより抵抗が低い一対の低抵抗領域(該低抵抗領域はソース領域、ドレイン領域として機能するため、ソース領域403aおよびドレイン領域403bとも呼ぶ)と、を含んでおり、第1の領域431において、酸化物半導体膜403のチャネル長方向の一方の側面とソース電極405aが接し、酸化物半導体膜403のチャネル長方向の他方の側面とドレイン電極405bが接する。また、酸化物半導体膜403のチャネル幅方向の長さは、ソース電極405aおよびドレイン電極405bのチャネル幅方向の長さより長い。
なお、ゲート電極401をマスクとして酸化物半導体膜403にドーパントを添加し、酸化物半導体膜403においてチャネル形成領域403cを挟んでチャネル形成領域403cより抵抗が低く、ドーパントを含むソース領域403a、ドレイン領域403bを形成する。また、この際、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、ドーパントが添加されないようにする。このようにすることで、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁は低抵抗化されなくなるため、トランジスタがオフ状態の時の酸化物半導体膜403の端部に流れるリーク電流を低減することができる。また、ドーパント421が添加されたソース領域403a、ドレイン領域403bの酸化物半導体膜403は、結晶構造が乱れ、酸化物半導体膜403が非晶質状態になる。非晶質酸化物半導体は、CAAC−OS膜などの結晶性を有するチャネル形成領域403cから水素などのドナーとなる不純物を吸収しやすくなる。そのため、良好なトランジスタ特性を得ることができる。
また、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さ(図11(A)に示す長さL1の2倍と長さL2の合計の長さ2L1+L2)は、第1の領域431のチャネル幅方向の長さ(図11(A)に示す長さW)より大きい。具体的には、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを第1の領域431のチャネル幅方向の長さの3倍以上、好ましくは10倍以上とする。酸化物半導体膜403が第1の領域431のみの形状であるとソース電極およびドレイン電極の間のリークパスは、図11(A)に示す長さL2のみであるが、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを長くすることで周縁における抵抗成分が増大し、これにより、トランジスタがオフ状態の時に酸化物半導体膜403の端部に寄生チャネルが形成されてリーク電流が増大するのを抑制することができる。また、例え、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cから酸素が抜けるとしても、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cの角部から直接、または、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403の端部から間接的に酸素が抜けるため、酸素の脱離量は少ない。このためトランジスタ470の電気特性に影響することを低減することができる。よって、トランジスタ470の電気特性の劣化を防止して、良好な電気特性とすることができる。
ドーパントは、酸化物半導体膜403の導電率を変化させる不純物である。ドーパントの添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。
チャネル長方向にチャネル形成領域403cを挟んでソース領域403aおよびドレイン領域403bを含む酸化物半導体膜403を有することにより、該トランジスタ470はオン特性(例えば、オン電流および電界効果移動度)が高く、高速動作、高速応答が可能となる。
以下にトランジスタ470を有する半導体装置の作製方法の一例を示す。
なお、図12(A1)はトランジスタの作製工程を説明するための上面図であり、図12(A2)は図12(A1)に示す一点鎖線A−Bにおける断面図であり、図12(A3)は図12(A1)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。
まず、絶縁表面を有する基板400上に下地絶縁膜436を形成する。
基板400および下地絶縁膜436は、実施の形態1と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、下地絶縁膜436上に酸化物半導体膜403を形成する(図12(A)参照)。なお、理解を容易にするため、酸化物半導体膜403を第1の領域431、第2の領域432および第3の領域433の3つの領域に分けている。第1の領域431は、第2の領域432および第3の領域433に挟まれるように設けられており、後に形成されるソース電極405aおよびドレイン電極405bと接する。
酸化物半導体膜403は、実施の形態1と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、下地絶縁膜436および酸化物半導体膜403上に導電膜405を形成する(図12(B)参照)。
導電膜405は、実施の形態1の導電膜407と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、導電膜405に対して、酸化物半導体膜403が露出するまで除去(研磨)処理を行い、ソース電極405aおよびドレイン電極405bを形成する(図12(C)参照)。
除去(研磨)処理の方法は、実施の形態1で用いた方法を用いることができる。
次に、酸化物半導体膜403、ソース電極405aおよびドレイン電極405b上にゲート絶縁膜409を形成する(図13(A)参照)。なお、ゲート絶縁膜409は、少なくとも後に形成されるゲート電極401の下にあればよい。
ゲート絶縁膜409は、酸素供給膜409aとバリア膜409bの積層膜とすることが好ましい。酸素供給膜409aは、下地絶縁膜436と同様、熱処理により酸素を放出する絶縁膜であり、酸化物半導体膜中における酸素欠損を低減することができる。バリア膜409bは、水分や水素が酸化物半導体膜403に侵入し、拡散することを抑制することができる。また、酸化物半導体膜403から酸素が抜けてしまうことを抑制することができる。酸素供給膜409aおよびバリア膜409bは、実施の形態1と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、ゲート絶縁膜409上に導電膜および絶縁膜の積層を形成し、該導電膜および該絶縁膜をエッチングして、ゲート電極401および絶縁膜413の積層を形成する(図13(B)参照)。
ゲート電極401および絶縁膜413は、先の実施の形態と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、第2の領域432および第3の領域433を覆うようにレジストマスク425aおよびレジストマスク425bを形成し、該レジストマスク425a、レジストマスク425bと、ゲート電極401および絶縁膜413をマスクとして酸化物半導体膜403にドーパント421を添加し、第1の領域431にソース領域403a、ドレイン領域403bを形成する。また、第1の領域431において、ドーパント421が添加されなかった領域はチャネル形成領域403cとして機能する(図13(C)参照)。
また、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、ドーパントが添加されないようにすることで、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁は低抵抗化されなくなるため、トランジスタがオフ状態の時の酸化物半導体膜403の端部に流れるリーク電流を低減することができる。
また、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さ(図11(A)に示す長さL1の2倍と長さL2の合計の長さ2L1+L2)は、第1の領域431のチャネル幅方向の長さ(図11(A)に示す長さW)より大きい。具体的には、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを第1の領域431のチャネル幅方向の長さの3倍以上、好ましくは10倍以上とする。酸化物半導体膜403が第1の領域431のみの形状であるとソース電極およびドレイン電極の間のリークパスは、図11(A)に示す長さL2のみであるが、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを長くすることでリークパスが長くなり、周縁における抵抗成分が増大し、これにより、トランジスタがオフ状態の時に酸化物半導体膜403の端部に寄生チャネルが形成されてリーク電流が増大するのを抑制することができる。また、例え、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cから酸素が抜けるとしても、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cの角部から直接、または、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403の端部から間接的に酸素が抜けるため、酸素の脱離量は少ない。このためトランジスタ470の電気特性に影響することを低減することができる。よって、トランジスタ470の電気特性の劣化を防止して、良好な電気特性とすることができる。
ドーパント421の種類、添加方法等は、実施の形態1を参酌することができる。
次に、ゲート電極401および絶縁膜413上に絶縁膜を形成し、該絶縁膜をエッチングして側壁絶縁膜412を形成する(図14(A)参照)。さらに、ゲート電極401および側壁絶縁膜412をマスクとして、ゲート絶縁膜409をエッチングし、酸素供給膜410aとバリア膜410bの積層膜であるゲート絶縁膜410を形成する(図14(B)参照)。
側壁絶縁膜412は、実施の形態2と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次にソース電極405a、ドレイン電極405b、側壁絶縁膜412および絶縁膜413上に層間絶縁膜415を形成し、層間絶縁膜415に設けられた開口を介してソース電極405aおよびドレイン電極405bとそれぞれ電気的に接続する配線層414aおよび配線層414bを形成する(図14(C)参照)。
層間絶縁膜415、配線層414aおよび配線層414bは、実施の形態1と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
このようにして、トランジスタ470を作製することができる。
また、図12(C)までの構成を以下の方法で作製することもできる。
まず、絶縁表面を有する基板400上に下地絶縁膜436を形成する。
基板400および下地絶縁膜436は、実施の形態1と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、下地絶縁膜436上にソース電極405aおよびドレイン電極405bを形成する(図15(A)参照)。
次に、下地絶縁膜436、ソース電極405aおよびドレイン電極405b上に酸化物半導体膜402を形成する(図15(B)参照)。
酸化物半導体膜402は、本実施の形態の酸化物半導体膜403と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、酸化物半導体膜402に対して、ソース電極405aおよびドレイン電極405bが露出するまで除去(研磨)処理を行い、酸化物半導体膜403を形成する(図15(C)参照)。
除去(研磨)処理の方法は、実施の形態1で用いた方法を用いることができる。
このようにしても図12(C)までの構成を作製することができる。
以上、エッチング処理を施し、ソース電極およびドレイン電極よりもチャネル幅方向の長さが長い酸化物半導体膜を用いてトランジスタを構成することにより、トランジスタのソース電極とドレイン電極が酸化物半導体膜の側面(端面)近傍の領域(酸素(O)が脱離することなどに起因して低抵抗化した領域)を介して電気的に接続される蓋然性を低減することができる。
よって、良好なトランジスタ特性を有する、酸化物半導体を用いたトランジスタを提供すること、酸化物半導体を用いたトランジスタを有する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、半導体装置の他の一態様を、図33を用いて説明する。図33(A)は半導体装置が有するトランジスタの上面図を示し、図33(B)は、図33(A)に示す一点鎖線A−B(チャネル長方向)における断面図であり、図33(C)は、図33(A)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。なお、図33(A)において、図面の明瞭化のため、図33(B)、図33(C)に示した一部の構成を省略して示している。
図33に示すトランジスタ480は、下地絶縁膜436が設けられた絶縁表面を有する基板400上に、チャネル形成領域403c、ソース領域403a、ドレイン領域403bを含む酸化物半導体膜403と、酸化物半導体膜403上に設けられたゲート絶縁膜410と、ゲート絶縁膜410上に酸化物半導体膜403と重畳して設けられたゲート電極401と、ゲート電極401およびゲート絶縁膜410上に設けられた層間絶縁膜415と、ゲート絶縁膜410および層間絶縁膜415の開口を介して、酸化物半導体膜403と接し、ソース電極およびドレイン電極として機能する配線層414aおよび配線層414bと、を有する。
酸化物半導体膜403は、図16(A)で示すように第1の領域431、当該第1の領域431の一部を挟むように設けられた第2の領域432および第3の領域433を含んでおり、第1の領域431乃至第3の領域433のそれぞれの少なくとも一部と重畳してゲート電極401が設けられている。なお、図16(A)で示す酸化物半導体膜403は、図面の明瞭化のため、ハッチパターンを変えている。
第1の領域431は、ゲート電極401と重畳するチャネル形成領域403cと、当該チャネル形成領域403cを挟んで接するチャネル形成領域403cより抵抗が低い一対の低抵抗領域(該低抵抗領域はソース領域、ドレイン領域として機能するため、ソース領域403aおよびドレイン領域403bとも呼ぶ)と、を含んでおり、第2の領域432および第3の領域433のチャネル長方向の長さは、第1の領域431のチャネル長方向の長さより短い。
なお、ゲート電極401をマスクとして酸化物半導体膜403にドーパントを添加し、酸化物半導体膜403においてチャネル形成領域403cを挟んでチャネル形成領域403cより抵抗が低く、低抵抗領域であるドーパントを含むソース領域403a、ドレイン領域403bを形成する。また、この際、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、ドーパントが添加されないようにする。このようにすることで、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁は低抵抗化されなくなるため、トランジスタがオフ状態の時の酸化物半導体膜403の端部に流れるリーク電流を低減することができる。
また、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さ(図33(A)に示す長さL1の2倍と長さL2の合計の長さ2L1+L2)は、第1の領域431のチャネル幅方向の長さ(図33(A)に示す長さW)より大きい。具体的には、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを第1の領域431のチャネル幅方向の長さの3倍以上、好ましくは10倍以上とする。酸化物半導体膜403が第1の領域431のみの形状であるとソース電極およびドレイン電極の間のリークパスは、図33(A)に示す長さL2のみであるが、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを長くすることでリークパスが長くなり、周縁における抵抗成分が増大し、これにより、トランジスタがオフ状態の時に酸化物半導体膜403の端部に寄生チャネルが形成されてリーク電流が増大するのを抑制することができる。また、例え、チャネル形成領域403cから酸素が抜けるとしても、チャネル形成領域403cの角部から直接、または、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403の端部から間接的に酸素が抜けるため、酸素の脱離量は少ない。このためトランジスタ480の電気特性に影響することを低減することができる。よって、トランジスタ480の電気特性の劣化を防止して、良好な電気特性とすることができる。
ドーパントは、酸化物半導体膜403の導電率を変化させる不純物である。ドーパントの添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。
チャネル長方向にチャネル形成領域403cを挟んでソース領域403aおよびドレイン領域403bを含む酸化物半導体膜403を有することにより、該トランジスタ480はオン特性(例えば、オン電流および電界効果移動度)が高く、高速動作、高速応答が可能となる。
以下にトランジスタ480を有する半導体装置の作製方法の一例を示す。
なお、図34(A1)はトランジスタの作製工程を説明するための上面図であり、図34(A2)は図34(A1)に示す一点鎖線A−Bにおける断面図であり、図34(A3)は図34(A1)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。
まず、絶縁表面を有する基板400上に第1の下地絶縁膜436aを成膜し、第1の下地絶縁膜436a上に第2の下地絶縁膜436bを成膜し、第1の下地絶縁膜436aと第2の下地絶縁膜436bからなる下地絶縁膜436を形成する。下地絶縁膜436上に酸化物半導体膜402を成膜する(図34(A)参照)。
第1の下地絶縁膜436aは第1の下地絶縁膜436aより下層から拡散される不純物の混入を防ぐ、バリア膜として機能する絶縁膜とすることが好ましい。特に基板400として単結晶シリコン基板、SOI基板、またはトランジスタなどの半導体素子が設けられた基板などを用いる場合、基板に含まれる水素などが拡散して後に形成される酸化物半導体膜に混入するのを防ぐことができる。このような第1の下地絶縁膜436aとしては、例えば、プラズマCVD法またはスパッタリング法等を用いて成膜した、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、または酸化アルミニウム膜などを用いることができる。なお、本明細書等において、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものを指すものとする。
本実施の形態では、第1の下地絶縁膜436aとして、プラズマCVD法を用いて成膜した窒化シリコン膜を用いる。
第2の下地絶縁膜436bが過剰酸素を含む絶縁膜(化学量論的組成を超える酸素を含む絶縁膜)であれば、第2の下地絶縁膜436bに含まれる過剰な酸素によって、後に形成される酸化物半導体膜の酸素欠損を補填することが可能であるため好ましい。第2の下地絶縁膜436bに過剰酸素を含ませるには、例えば、酸素雰囲気下にて第2の下地絶縁膜436bを成膜すればよい。または、成膜後の第2の下地絶縁膜436bに、酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオンのいずれかを含む)を注入して、酸素過剰領域を形成しても良い。酸素の注入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理などを用いることができる。
このような第2の下地絶縁膜436bとしては、例えば、プラズマCVD法またはスパッタリング法等を用いて成膜した酸化窒化シリコン膜または酸化シリコン膜などを用いることができる。これらの絶縁膜に、例えば、半導体装置に対してエッチング処理を行うための装置や、レジストマスクに対してアッシングを行うための装置などを用いて酸素を供給することができる。なお、本明細書等において、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものを指すものとする。
本実施の形態では、第2の下地絶縁膜436bとして、プラズマCVD法を用いて成膜し、酸素を含む雰囲気でプラズマ処理を行って過剰酸素を含ませた、酸化窒化シリコン膜を用いる。
また、酸化物半導体膜402は、実施の形態1の酸化物半導体膜403と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次いで、酸化物半導体膜402をフォトリソグラフィ工程により島状の酸化物半導体膜403に加工して形成する(図34(B)参照)。ここで島状の酸化物半導体膜403の形状は、上記のように、第1の領域431が第2の領域432と第3の領域433に挟まれ、第2の領域432および第3の領域433のチャネル長方向の長さは、第1の領域431のチャネル長方向の長さより短くなるような形状とする。
また、酸化物半導体膜402の加工方法は、実施の形態1を参酌することができる。
次いで、酸化物半導体膜403を覆って酸素供給膜410aを成膜し、酸素供給膜410a上にバリア膜410bを成膜し、酸素供給膜410aとバリア膜410bからなるゲート絶縁膜410を形成する(図35(A)参照)。
酸素供給膜410aおよびバリア膜410bは、実施の形態1と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次いで、バリア膜410b上に第1の領域431乃至第3の領域433と重畳するように、ゲート電極401を形成する。
ここで、ゲート電極401を形成するために導電膜(図示しない)を加工するために用いるマスクは、フォトリソグラフィ法などによって形成されたマスクに、スリミング処理を行って、より微細なパターンを有するマスクとすることもできる。
スリミング処理としては、例えば、ラジカル状態の酸素(酸素ラジカル)などを用いるアッシング処理を適用することができる。ただし、スリミング処理はフォトリソグラフィ法などによって形成されたマスクをより微細なパターンに加工できる処理であれば、アッシング処理に限定する必要はない。また、スリミング処理によって形成されるマスクによってトランジスタのチャネル長が決定されることになるため、当該スリミング処理としては制御性の良好な処理を適用することができる。
スリミング処理の結果、フォトリソグラフィ法などによって形成されたマスクを、露光装置の解像限界以下、好ましくは1/2以下、より好ましくは1/3以下の線幅まで微細化することが可能である。これにより、トランジスタのさらなる微細化を達成することができる。
次に、ゲート電極401をマスクとして酸化物半導体膜403にドーパント421を添加し、第1の領域431にソース領域403a、ドレイン領域403bを形成する。また、第1の領域431において、ドーパント421が添加されなかった領域はチャネル形成領域403cとして機能する(図35(B)参照)。
また、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、ドーパントが添加されないようにすることで、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁は低抵抗化されなくなるため、トランジスタがオフ状態の時の酸化物半導体膜403の端部に流れるリーク電流を低減することができる。また、ドーパント421が添加されたソース領域403a、ドレイン領域403bの酸化物半導体膜403は、結晶構造が乱れ、酸化物半導体膜403が非晶質状態になる。非晶質酸化物半導体は、CAAC−OS膜などの結晶性を有するチャネル形成領域403cから水素などのドナーとなる不純物を吸収しやすくなる。そのため、良好なトランジスタ特性を得ることができる。
また、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さ(図33(A)に示す長さL1の2倍と長さL2の合計の長さ2L1+L2)は、第1の領域431のチャネル幅方向の長さ(図33(A)に示す長さW)より大きい。具体的には、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを第1の領域431のチャネル幅方向の長さの3倍以上、好ましくは10倍以上とする。酸化物半導体膜403が第1の領域431のみの形状であるとソース電極およびドレイン電極の間のリークパスは、図33(A)に示す長さL2のみであるが、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを長くすることでリークパスが長くなり、周縁における抵抗成分が増大し、これにより、トランジスタがオフ状態の時に酸化物半導体膜403の端部に寄生チャネルが形成されてリーク電流が増大するのを抑制することができる。また、例え、ソース電極405aおよびドレイン電極405bで挟まれているチャネル形成領域403cから酸素が抜けるとしても、チャネル形成領域403cの角部から直接、または、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403の端部から間接的に酸素が抜けるため、酸素の脱離量は少ない。このためトランジスタ480の電気特性に影響することを低減することができる。よって、トランジスタ480の電気特性の劣化を防止して、良好な電気特性とすることができる。
ゲート電極401の材料、ドーパント421の種類、添加方法等は、実施の形態1を参酌することができる。
次いで、バリア膜410bおよびゲート電極401上に層間絶縁膜415を形成する(図36(A)参照)。
層間絶縁膜415は、実施の形態1を参酌することができる。層間絶縁膜415はトランジスタ480により生じる凹凸を平坦化できる膜厚で形成する。また、ゲート絶縁膜と同様に酸素供給膜とバリア膜の積層構造としてもよい。
次いで、層間絶縁膜415およびゲート絶縁膜410に設けられた開口を介してソース領域403aと接するように配線層414aを、ドレイン領域403bと接するように配線層414bを形成する(図36(B)参照)。
配線層414aおよび配線層414bは、ゲート電極401と同様な材料および方法を用いて形成することができる。このようにして、トランジスタ480を作製することができる。
以上、エッチング処理を施し、チャネル長方向の長さが異なるように十字状に形成された酸化物半導体膜を用いてトランジスタを構成することにより、トランジスタのソース電極とドレイン電極が酸化物半導体膜の側面(端面)近傍の領域(酸素(O)が脱離することなどに起因して低抵抗化した領域)を介して電気的に接続される蓋然性を低減することができる。
よって、良好なトランジスタ特性を有する、酸化物半導体を用いたトランジスタを提供すること、酸化物半導体を用いたトランジスタを有する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、半導体装置の他の一態様を、図37を用いて説明する。図37(A)は半導体装置が有するトランジスタの上面図を示し、図37(B)は、図37(A)に示す一点鎖線A−B(チャネル長方向)における断面図であり、図37(C)は、図37(A)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。なお、図37(A)において、図面の明瞭化のため、図37(B)、図37(C)に示した一部の構成を省略して示している。
図37に示すトランジスタ490は、下地絶縁膜436が設けられた絶縁表面を有する基板400上に、チャネル形成領域403c、ソース領域403a、ドレイン領域403bを含む酸化物半導体膜403と、酸化物半導体膜403上に設けられたゲート絶縁膜410と、ゲート絶縁膜410上に酸化物半導体膜403と重畳して設けられたゲート電極401と、ゲート電極401およびゲート絶縁膜410上に設けられた層間絶縁膜415と、ゲート絶縁膜410および層間絶縁膜415に設けられた開口に埋め込まれ、酸化物半導体膜403と接するソース電極405aまたはドレイン電極405bと、ソース電極405aおよびドレイン電極405b上に接して設けられた配線層414aおよび配線層414bと、を有する。
酸化物半導体膜403は、図16(A)で示すように第1の領域431、当該第1の領域431の一部を挟むように設けられた第2の領域432および第3の領域433を含んでおり、第1の領域431乃至第3の領域433のそれぞれの少なくとも一部と重畳してゲート電極401が設けられている。なお、図16(A)で示す酸化物半導体膜403は、図面の明瞭化のため、ハッチパターンを変えている。
第1の領域431は、ゲート電極401と重畳するチャネル形成領域403cと、当該チャネル形成領域403cを挟んで接するチャネル形成領域403cより抵抗が低い一対の低抵抗領域(該低抵抗領域はソース領域、ドレイン領域として機能するため、ソース領域403aおよびドレイン領域403bとも呼ぶ)と、を含んでおり、第2の領域432および第3の領域433のチャネル長方向の長さは、第1の領域431のチャネル長方向の長さより短い。
なお、ゲート電極401をマスクとして酸化物半導体膜403にドーパントを添加し、酸化物半導体膜403においてチャネル形成領域403cを挟んでチャネル形成領域403cより抵抗が低く、低抵抗領域であるドーパントを含むソース領域403a、ドレイン領域403bを形成する。また、この際、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、ドーパントが添加されないようにする。このようにすることで、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁は低抵抗化されなくなるため、トランジスタがオフ状態の時の酸化物半導体膜403の端部に流れるリーク電流を低減することができる。
また、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さ(図37(A)に示す長さL1の2倍と長さL2の合計の長さ2L1+L2)は、第1の領域431のチャネル幅方向の長さ(図37(A)に示す長さW)より大きい。具体的には、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを第1の領域431のチャネル幅方向の長さの3倍以上、好ましくは10倍以上とする。酸化物半導体膜403が第1の領域431のみの形状であるとソース電極およびドレイン電極の間のリークパスは、図37(A)に示す長さL2のみであるが、第2の領域432および第3の領域433のそれぞれの酸化物半導体膜403の周縁の長さを長くすることでリークパスが長くなり、周縁における抵抗成分が増大し、これにより、トランジスタがオフ状態の時に酸化物半導体膜403の端部に寄生チャネルが形成されてリーク電流が増大するのを抑制することができる。また、例え、チャネル形成領域403cから酸素が抜けるとしても、チャネル形成領域403cの角部から直接、または、第2の領域432および第3の領域433の酸化物半導体膜403の端部から間接的に酸素が抜けるため、酸素の脱離量は少ない。このためトランジスタ490の電気特性に影響することを低減することができる。よって、トランジスタ490の電気特性の劣化を防止して、良好な電気特性とすることができる。
ドーパントは、酸化物半導体膜403の導電率を変化させる不純物である。ドーパントの添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。
チャネル長方向にチャネル形成領域403cを挟んでソース領域403aおよびドレイン領域403bを含む酸化物半導体膜403を有することにより、該トランジスタ490はオン特性(例えば、オン電流および電界効果移動度)が高く、高速動作、高速応答が可能となる。
以下にトランジスタ490を有する半導体装置の作製方法の一例を示す。
トランジスタ490の作製方法は、層間絶縁膜415を形成するまでは実施の形態4に示すトランジスタ480の作製方法と同様である(図38(A)参照)。よって、図38(A)に示す工程までの作製方法の詳細については、先の実施の形態の図36(A)に示す工程までを参酌することができる。
次いで、層間絶縁膜415上にマスク440を形成し、マスク440を用いて層間絶縁膜415、酸素供給膜410aおよびバリア膜410bをエッチングして、酸化物半導体膜403(より具体的には、ソース領域403a)に達する開口442を形成する(図38(B)参照)。
マスク440は、フォトレジストなどの材料を用い、フォトリソグラフィ法などによって形成することができる。マスク440形成時の露光には、波長が数nm〜数10nmと短い超紫外線(Extreme Ultraviolet)を用いるのが望ましい。超紫外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。したがって、微細なパターンを有するマスク440を形成することができる。
開口442を形成した後、マスク440を除去し、開口442および層間絶縁膜415上にマスク444を形成する。マスク444は、マスク440と同様に形成することができる。そして、マスク444を用いて層間絶縁膜415、酸素供給膜410aおよびバリア膜410bをエッチングして、酸化物半導体膜403(より具体的には、ドレイン領域403b)に達する開口446を形成する(図38(C)参照)。これによって、層間絶縁膜415、酸素供給膜410aおよびバリア膜410bに、ゲート電極401を挟んで一対の開口が形成されることとなる。
次いで、開口442および開口446を埋め込むように、層間絶縁膜415上にソース電極405aおよびドレイン電極405bとなる導電膜405を成膜する(図39(A)参照)。導電膜405は、実施の形態1の導電膜405と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、導電膜405に除去(研磨)処理を行う(図39(B)参照)。層間絶縁膜415上(少なくともゲート電極401と重畳する領域)に設けられた導電膜405を除去するように、導電膜405に対して除去(研磨)処理を行うことで、開口442または開口446に埋め込まれたソース電極405aおよびドレイン電極405bを形成することができる。本実施の形態では、導電膜405に対して、層間絶縁膜415の表面が露出する条件でCMP処理を行うことにより、ソース電極405aおよびドレイン電極405bを形成する。なお、CMP処理の条件によっては層間絶縁膜415の表面またはゲート電極401の表面も研磨される場合がある。
上述したように、ソース電極405aまたはドレイン電極405bは、層間絶縁膜415、酸素供給膜410aおよびバリア膜410bに設けられた開口を埋め込むように設けられる。したがって、トランジスタ490において、ソース電極405aと酸化物半導体膜403が接する領域(ソース側コンタクト領域)とゲート電極401との距離(図39(B)におけるLSG)は、開口442の端部とゲート電極401の端部との距離によって決定される。同様にトランジスタ490において、ドレイン電極405bと酸化物半導体膜403が接する領域(ドレイン側コンタクト領域)とゲート電極401との距離(図39(B)におけるLDG)は、開口446の端部とゲート電極401の端部との距離によって決定される。
ソース電極405aを設けるための開口442と、ドレイン電極405bを設けるための開口446を、一度のエッチング処理によって形成する場合、開口442と開口446との間のチャネル長方向の幅の最小加工寸法は、マスクの形成に用いる露光装置の解像限界に制約される。したがって、開口442と開口446との距離を十分に縮小することが難しく、結果としてソース側コンタクト領域およびドレイン側コンタクト領域と、ゲート電極401との距離(LSGおよびLDG)の微細化が困難である。
しかしながら、本実施の形態で示す作製方法においては、開口442と開口446を、それぞれ異なるマスクを用いた個別のエッチング処理によって形成するため、露光装置の解像限界に依存せず、自由に開口の位置を設定することが可能である。LSGおよびLDGを縮小することで、トランジスタ490のソース電極405a(またはドレイン電極405b)とチャネル形成領域403cの間の抵抗を低減することができるため、トランジスタの電気的特性(例えばオン電流特性)を向上させることができる。
また、ソース電極405aおよびドレイン電極405bを形成するために層間絶縁膜415上の導電膜405を除去する工程において、レジストマスクを用いたエッチング処理を用いないため、ソース電極405aおよびドレイン電極405bのチャネル長方向の幅が微細化されている場合でも精密な加工を正確に行うことができる。よって、半導体装置の作製工程において、形状や特性のばらつきを少ない微細な構造を有するトランジスタ490を歩留まりよく作製することができる。
次いで、ソース電極405a、ドレイン電極405bおよび層間絶縁膜415上に配線層(ソース配線またはドレイン配線(これと同じ層で形成される配線も含む))となる導電膜を成膜し、該導電膜を加工して配線層414aおよび配線層414bを形成する(図39(C)参照)。
配線層414aおよび配線層414bは、ゲート電極401と同様な材料および方法を用いて形成することができる。このようにして、トランジスタ490を作製することができる。
上述のように、ソース電極405aを設けるための開口とドレイン電極405bを設けるための開口とを、それぞれ異なるマスクを用いた個別のエッチング処理によって形成する。これにより、トランジスタの十分な微細化を達成することが可能であり、ソース側コンタクト領域およびドレイン側コンタクト領域と、ゲート電極401との距離を十分に縮小することができるため、トランジスタのソース電極405a(またはドレイン電極405b)とチャネル形成領域の間の抵抗を低減することができる。よって、トランジスタの電気特性の一つであるオン特性(例えば、オン電流、および電界効果移動度)を向上させることができる。
また、ソース電極405aおよびドレイン電極405bを形成するために層間絶縁膜415上の導電膜405を除去する工程において、レジストマスクを用いたエッチング処理を用いないため、ソース電極405aおよびドレイン電極405bの間隔が微細化されている場合でも精密な加工を正確に行うことができる。よって、半導体装置の作製工程において、形状や特性のばらつきを少ない微細な構造を有するトランジスタ490を歩留まりよく作製することができる。
以上、エッチング処理を施し、チャネル長方向の長さが異なるように十字状に形成された酸化物半導体膜を用いてトランジスタを構成することにより、トランジスタのソース電極とドレイン電極が酸化物半導体膜の側面(端面)近傍の領域(酸素(O)が脱離することなどに起因して低抵抗化した領域)を介して電気的に接続される蓋然性を低減することができる。
よって、良好なトランジスタ特性を有する、酸化物半導体を用いたトランジスタを提供すること、酸化物半導体を用いたトランジスタを有する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、半導体装置の他の一態様を、図40を用いて説明する。図40(B)は、トランジスタ550の上面図であり、図40(A)は、図40(B)のX−Yにおける断面図である。なお、図40(B)において、図面の明瞭化のため、図40(A)に示した一部の構成を省略して示している。
図40に示すトランジスタ550は、基板500上に下地絶縁膜536と、下地絶縁膜536上に設けられたゲート電極501と、ゲート電極501上に設けられた第1のゲート絶縁膜502a、および第2のゲート絶縁膜502bと、第1のゲート絶縁膜502aおよび第2のゲート絶縁膜502bを介してゲート電極501上に設けられた第1の酸化物半導体膜503a、および第2の酸化物半導体膜503bと、第2の酸化物半導体膜503b上に設けられたソース電極およびドレイン電極と、ソース電極、ドレイン電極、第1の酸化物半導体膜503aおよび第2の酸化物半導体膜503b上に設けられた絶縁膜506と、絶縁膜506上に設けられた絶縁膜507と、を有する。
ソース電極は第1のバリア層505cと、第1のバリア層505c上に形成された第1の低抵抗材料層505aとの積層で構成され、ドレイン電極は、第2のバリア層505dと、第2のバリア層505d上に形成された第2の低抵抗材料層505bとの積層で構成される。
また、下地絶縁膜536中には、配線574aおよび配線574bが埋め込まれており、配線574aとソース電極(第1のバリア層505cおよび第1の低抵抗材料層505a)とによって容量素子530が形成されている。
また、酸化物半導体膜は、第1の酸化物半導体膜503aと、第1の酸化物半導体膜503a上に形成された第2の酸化物半導体膜503bとの積層で構成される。
酸化物半導体膜は、図40(B)に示すように、チャネル領域E、第1の領域A、第2の領域B、第3の領域C、第4の領域D、を有する。
第1の領域A、第2の領域B、第3の領域C、第4の領域Dの各領域は、少なくとも一部の領域がゲート電極501と重なる。
また、酸化物半導体膜は、第1の領域A、第2の領域B、第3の領域C、第4の領域Dにおいて、ゲート電極501を被覆するように形成されることが好ましい。
第1の領域Aおよび第2の領域Bは、チャネル領域Eを挟み、且つチャネル領域Eの一部と接している。
第3の領域Cおよび第4の領域Dは、第1の領域A、第2の領域B、およびチャネル領域Eを挟み、且つチャネル領域Eの一部と接している。
第1の領域Aは、第1のバリア層505cと接する。なお、酸化物半導体膜と第1のバリア層505cとが接している面積は、第1の領域Aの面積と等しい。
第2の領域Bは、第2のバリア層505dと接する。なお、酸化物半導体膜と第2のバリア層505dとが接している面積は、第2の領域Bの面積と等しい。
また、第1の酸化物半導体膜の側面と、第2の酸化物半導体膜の側面は、一致するように形成される。なお、積層された第1の酸化物半導体膜および第2の酸化物半導体膜の側面は低抵抗化されている。
酸化物半導体膜の周縁はゲート電極501から離れた箇所に配置される。図40(B)を用いて具体的な説明を行う。トランジスタ550のチャネル長を距離L、チャネル幅を距離W、とする。また、酸化物半導体膜のチャネル長方向の長さを距離O1、酸化物半導体膜のチャネル幅方向の長さを距離O2、ゲート電極のチャネル長方向の長さを距離G1、とする。また、第1の領域Aのチャネル長方向の長さを距離X1、第2の領域Bのチャネル長方向の長さを距離X2、第3の領域Cのチャネル長方向の長さを距離(X1+X2+L)、第4の領域Dのチャネル長方向の長さを距離(X1+X2+L)、とする。また、第3の領域Cのチャネル幅方向の長さを距離T1、第4の領域Dのチャネル幅方向の長さを距離T2、とする。
酸化物半導体膜のチャネル長方向の長さ(距離O1)は、第3の領域Cのチャネル長方向の長さおよび第4の領域Dのチャネル長方向の長さと等しい。また、酸化物半導体膜のチャネル長方向の長さ(距離O1)と、第1の領域Aのチャネル長方向の長さ(距離X1)と、第2の領域Bのチャネル長方向の長さ(距離X2)と、チャネル長(距離L)と、の和は等しい。
トランジスタ550では、酸化物半導体膜の周縁をゲート電極501から離れた箇所に配置することが好ましい。従って、距離O1は、距離G1より長いことが好ましい。
また、酸化物半導体膜のチャネル幅方向の長さ(距離O2)は、第3の領域Cのチャネル幅方向の長さ(距離T1)と、第4の領域Dのチャネル幅方向の長さ(距離T2)と、第1の領域A(第2の領域B)のチャネル幅方向の長さ(距離W)と、の和は等しい。
距離O2は、距離Wより長いことが好ましい。従って、距離T1は少なくとも距離L以上であり、距離T2もまた、距離L以上であることが好ましい。なお、距離T1、距離T2は、それぞれ異なっていても良い。
また、第3の領域Cにおいて、酸化物半導体膜と重なるゲート電極501のチャネル幅方向の長さを距離G2とする。トランジスタ550では、酸化物半導体膜の周縁をゲート電極501から離れた箇所に配置することが好ましい。従って、距離G2は、距離T1よりも短いことが好ましい。酸化物半導体膜の周縁を、第3の領域Cにおけるゲート電極501から離れた箇所に配置することで、寄生チャネルが形成されてリーク電流が増大するのを抑制することができる。
なお、距離G2は、距離Lよりも長いことが好ましい。
また、距離T1、距離T2、距離O1、距離G1は特に限定されない。
なお、図40に示すように、トランジスタ550のチャネル長(距離L)は、第1のバリア層505cと第2のバリア層505dとの距離を表している。電子ビームを用いた露光により形成されたレジストマスクのパターンの幅により距離Lは、決定される。距離Lは50nm未満にすることが好ましい。
ソース電極およびドレイン電極において、第1のバリア層505cおよび第2のバリア層505dと、第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bとが重畳する領域は、重畳しない領域と比較して膜厚が厚い。
第1のバリア層505cと第2のバリア層505dの膜厚は、5nm以上30nm以下、好ましくは10nm以下とする。
絶縁膜507の膜厚は、絶縁膜506の膜厚と比較して厚くなるように形成される。
絶縁膜506の膜厚は、10nmより厚く、100nm未満となるように形成される。
第1のゲート絶縁膜502aの膜厚は、20nm以上350nm以下とすることができる。また、第2のゲート絶縁膜502bの膜厚は、50nm以上300nm以下とすることができる。
第1の酸化物半導体膜503aの膜厚は、1nm以上100nm以下(好ましくは5nm以上50nm以下)とすることができる。第2の酸化物半導体膜503bの膜厚は、1nm以上100nm以下(好ましくは5nm以上50nm以下)とすることができる。
上述したように、第1の酸化物半導体膜および第2の酸化物半導体膜の周縁が、ゲート電極から離れた箇所に配置されたトランジスタを形成することで、低抵抗化された該周縁とゲート電極との重なりに起因して生じる寄生チャネルによるリーク電流が増大するのを抑制させることができる。また、電子ビームを用いて、精密な露光を行い、微細加工の精度を高めることで、チャネル長を50nm未満にすることができる。
基板500、ゲート電極501および下地絶縁膜536は、実施の形態1の基板400、ゲート電極401および下地絶縁膜436と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
また、第1のゲート絶縁膜502aおよび第2のゲート絶縁膜502bは、実施の形態1のバリア膜409bおよび酸素供給膜409aと同様な材料および方法を用いて形成することができる。
第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bの材料としては、アルミニウムなどを用い、第1のバリア層505cおよび第2のバリア層505dの材料としては、チタンやタングステンやモリブデン、または窒化チタン、窒化タンタルなどを用いることができる。第1のバリア層505cおよび第2のバリア層505dは、第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bが酸化物半導体膜503と接触して酸化されることをブロックしている。
絶縁膜506の材料としては、過剰酸素を含む絶縁層とすることが好ましく、PECVD法やスパッタ法における成膜条件を適宜設定して膜中に酸素を多く含ませたSiOx膜や、酸化窒化シリコン膜を用いることができる。また、多くの過剰酸素を絶縁層に含ませたい場合には、イオン注入法やイオンドーピング法やプラズマ処理によって酸素を適宜添加すればよい。
絶縁膜507は、酸化物半導体膜の酸素の放出を抑えるブロッキング層である。絶縁膜507の材料としては、酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜、酸化ニッケル膜、酸化モリブデン膜、酸化タングステン膜等を用いることができる。酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物、および酸素の両方に対して膜を透過させない遮断効果(ブロック効果)が高い。
酸化アルミニウム膜は、アルミニウム膜に、酸素ドープ処理を行う事により形成されても良い。アルミニウム膜を酸化させる方法は、PECVD法やスパッタ法等と比較して生産性を向上させることができる。なお、酸素ドープ処理は、複数回行っても良い。酸素ドープ処理を行う金属膜材料としては、チタン膜、マグネシウムを添加したアルミニウム膜、チタンを添加したアルミニウム膜、等を用いることもできる。
また、絶縁膜507は、2層以上の多層構造で形成されても良い。例えば、酸化物半導体膜側から、酸化チタン膜と酸化アルミニウム膜とを順に積層させた構造、また、例えば、酸化物半導体膜側から、酸化アルミニウム膜と酸化チタン膜とを順に積層させた構造、等で形成することもできる。
次に、図41を用いて、第1のバリア層505cおよび第2のバリア層505dの作製方法の一例について説明する。電子ビームを用いた露光により形成されたレジストマスクを用いて、導電膜をエッチングし、第1のバリア層505c、第2のバリア層505d、およびチャネル領域が形成される。電子ビームを用いて、精密な露光を行い微細加工の精度を高めることで、第1のバリア層505cと第2のバリア層505dの距離L(チャネル長)を50nm未満、例えば20nmや30nm等にすることができる。なお、より詳細なトランジスタの作製方法については、後述する。
第1の酸化物半導体膜503aおよび第2の酸化物半導体膜503b上に、第1のバリア層505cおよび第2のバリア層505dとなる導電膜504および第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bとなる導電膜505を成膜する(図41(A)参照)。
続いて、導電膜505上にフォトリソグラフィ工程により第1のレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行って第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bを形成する(図41(B)参照)。
このとき、導電膜505と一緒に導電膜504もエッチングされ、導電膜504の膜厚が薄くなる場合がある。したがって、エッチング条件を導電膜504に対する導電膜505のエッチング選択比が高いエッチング条件とすることが好ましい。導電膜504に対する導電膜505のエッチング選択比が高い場合、導電膜504の膜厚が薄くなるのを抑制することができる。
続いて、導電膜504上にレジストを形成し、該レジストに対して電子ビームを用いた露光を行い、第2のレジストマスクを形成する。第2のレジストマスクは、トランジスタ550のチャネル領域となる部分以外に重畳して形成する。第2のレジストマスクを用いて導電膜504をエッチングし、第1のバリア層505cおよび第2のバリア層505dを形成する(図41(C)参照)。
レジスト材料としては、例えばシロキサン系レジストまたはポリスチレン系レジストなどを用いることができる。なお、作製するパターンの幅が小さいため、ネガ型レジストよりもポジ型レジストを用いることが好ましい。例えば、パターンの幅が30nmの場合には、レジストの厚さを30nmとすることができる。
このとき、電子ビームの照射が可能な電子ビーム描画装置において、例えば、加速電圧は5kV〜50kVであることが好ましい。また、電流強度は、5×10―12A〜1×10―11Aであることが好ましい。また、最小ビーム径は、2nm以下であることが好ましい。また、作製可能なパターンの最小線幅が8nm以下であることが好ましい。
電子ビームは、加速電圧が高いほど微細パターンを得ることができる。また、電子ビームは、マルチビームとして基板1枚あたりの処理時間を短縮することもできる。
上記条件により、例えばパターンの幅を30nm以下、好ましくは20nm以下さらに好ましくは8nm以下にすることができる。
なお、ここでは、第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bを形成した後に電子ビームを用いた露光によってレジストマスクを形成し、第1のバリア層505cおよび第2のバリア層505dを形成する方法について示したが、第1の低抵抗材料層、第2の低抵抗材料層、第1のバリア層および第2のバリア層を作製する順番はこれに限定されない。
なお、基板500には半導体素子が設けられているが、ここでは簡略化のため省略している。また、基板500上には、配線574a、配線574bと、配線574a、配線574bを覆う下地絶縁膜536が設けられており、後述する実施の形態8の図17(C)に示すメモリ構成の一つとなっている。
本実施の形態によれば、2層で構成された酸化物半導体膜の周縁をゲート電極から離れた箇所に配置することで、歩留まりの高いトランジスタを提供することができる。また、電子ビームを用いて、精密な露光を行い微細加工の精度を高めることで、チャネル長が50nm未満のトランジスタを提供することができる。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態6に示した半導体装置とは別の一態様の半導体装置と、該半導体装置の作製方法について説明する。図42(A)は半導体装置が有するトランジスタの上面図を示し、図42(B)は、図42(A)に示す一点鎖線A−B(チャネル長方向)における断面図であり、図42(C)は、図42(A)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。なお、図42(A)において、図面の明瞭化のため、図42(B)、図42(C)に示した一部の構成を省略して示している。
なお、本実施の形態では実施の形態6と同様の部分については、図面において同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図42に示すトランジスタ560は、基板500上のゲート電極501と、ゲート電極501の側面と接し、ゲート電極501が埋め込まれた下地絶縁膜532と、下地絶縁膜532およびゲート電極501上のゲート絶縁膜502と、ゲート絶縁膜502を介してゲート電極501上に形成される酸化物半導体膜503と、酸化物半導体膜503上に積層して形成されるソース電極と、酸化物半導体膜503上に積層して形成されるドレイン電極と、ソース電極およびドレイン電極上に形成される絶縁膜506と、を有する。
ソース電極は第1のバリア層575aと、第1のバリア層575aと接する第1の低抵抗材料層505aとからなる。ドレイン電極は第2のバリア層575bと、第2のバリア層575bと接する第2の低抵抗材料層505bとからなる。第1のバリア層575aおよび第2のバリア層575bは、それぞれ第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bが酸化物半導体膜503と接触して酸化されることをブロックしている。なお、第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bは酸化物半導体膜503の側面とそれぞれ接しているが、酸化物半導体膜503の膜厚は十分に薄いため、第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bが酸化されることを防止できる。
また、図42(A)に示されるように、酸化物半導体膜503の周縁は、ゲート電極501と重ならないように形成される。チャネル幅方向(図42のC−D方向)の酸化物半導体膜503の幅は、チャネル幅方向のゲート電極501の幅よりも長く形成される。幅の長さは特に限定されない。酸化物半導体膜503の周縁が、ゲート電極501から離れた箇所に配置されることで、低抵抗化された酸化物半導体膜503の該周縁とゲート電極との重なりに起因して生じる寄生チャネルによるリーク電流が増大するのを抑制させることができる。
また、図42(C)に示されるように、第1のバリア層575aと第2のバリア層575bとの距離Lは、トランジスタ560のチャネル長を表している。電子ビームを用いた露光により形成されたレジストマスクのパターンの幅により距離Lは、決定される。電子ビームを用いて、精密な露光を行い、微細加工の精度を高めることで、チャネル長が50nm未満の微細なトランジスタ560を形成することができる。
図43乃至図47にトランジスタ560を有する半導体装置の作製方法の一例を示す。
図43(A1)はトランジスタの作製工程を説明するための上面図であり、図43(A2)は図43(A1)に示す一点鎖線A−Bにおける断面図であり、図43(A3)は図43(A1)に示す一点鎖線C−Dにおける断面図である。
まず、絶縁表面を有する基板500上に導電膜を形成し、該導電膜をエッチングして、ゲート電極501を形成する。その後、ゲート電極501、基板500を覆うように下地絶縁膜532となる絶縁膜を形成する。さらに、絶縁膜に除去(研磨)処理や、エッチング処理を行うことでゲート電極501の上面を絶縁膜から露出させ、ゲート電極501の上面と高さが一致する下地絶縁膜532を形成する(図43(A)参照)。
下地絶縁膜532を設けることによって、ゲート電極501上に設けられるゲート絶縁膜502の被覆性を向上させることができる。また、後の工程で設ける、電子ビームによる露光が行われるレジストマスクの被形成面の凹凸を平坦にすることができ、該レジストマスクを薄く形成することができる。
なお、本実施の形態ではゲート電極501を形成した後に、下地絶縁膜532を形成する方法を示したが、ゲート電極501および下地絶縁膜532の作製方法はこれに限らない。例えば、下地絶縁膜532を基板500上に設けた後、エッチング工程等を用いて下地絶縁膜532に開口を形成し、該開口に導電性の材料を充填することで、ゲート電極501を形成してもよい。
基板500、ゲート電極501および下地絶縁膜532は、実施の形態1の基板400、ゲート電極401および下地絶縁膜436と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、ゲート電極501および下地絶縁膜532上にゲート絶縁膜502を形成する(図43(B)参照)。
ゲート絶縁膜502は、実施の形態1のゲート絶縁膜410と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
次に、ゲート絶縁膜502上に酸化物半導体膜541を形成する。続いて、酸化物半導体膜541およびゲート絶縁膜502に酸素ドープ処理を行い、酸素551を過剰に含む酸化物半導体膜541およびゲート絶縁膜502を形成する(図43(C)参照)。
酸化物半導体膜541は、実施の形態1の酸化物半導体膜403と同様な材料および方法を用いて形成することができる。
続いて、酸化物半導体膜541上に導電膜575を形成する(図44(A)参照)。
導電膜575はソース電極またはドレイン電極の一層となる第1のバリア層575aおよび第2のバリア層575bとなる層である。
導電膜575としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属層、または上述した元素を成分とする金属窒化物層(窒化チタン層、窒化モリブデン層、窒化タングステン層)等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属層の下側または上側の一方または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属層またはそれらの金属窒化物層(窒化チタン層、窒化モリブデン層、窒化タングステン層)を積層させた構成としても良い。また、導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ(In2O3−SnO2)、酸化インジウム酸化亜鉛(In2O3−ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
続いて、導電膜575上にレジストを形成し、該レジストに対して電子ビームを用いた露光を行い、レジストマスク553を形成する(図44(B)参照)。ポジ型のレジストマスク553は、トランジスタ560のチャネル領域となる部分以外に重畳して形成する。
電子ビームを用いた露光によってレジストマスクを形成する方法については、実施の形態6に詳細を述べたため、ここでは省略する。なお、実施の形態6では、第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bを形成した後に、電子ビームを用いた露光によってレジストマスクを形成し、該マスクを用いたエッチングによって第1のバリア層575aおよび第2のバリア層575bを形成する方法について説明したが、実施の形態7では、先に第1のバリア層575aおよび第2のバリア層575bに対するエッチングを行う方法について説明する。
また、電子ビームを用いた露光では、できるだけレジストマスク553は薄い方が好ましい。レジストマスク553を薄くする場合、被形成面の凹凸をできるだけ平坦にすることが好ましい。本実施の形態の半導体装置の作製方法では、ゲート電極501および下地絶縁膜532に平坦化処理を行うことにより、ゲート電極501と下地絶縁膜532による凹凸が低減されるため、レジストマスクを薄くすることができる。これにより、電子ビームを用いた露光が容易になる。
次に、レジストマスク553をマスクとして導電膜575を選択的にエッチングし、チャネルが形成される領域に開口部を形成する(図44(C)参照)。ここで、導電膜575が除去された領域は、トランジスタ560のチャネル領域となる。電子ビームを用いて、精密な露光を行い、微細加工の精度を高めることで、チャネル長を50nm未満、例えば20nmや30nm等にすることができる。
このとき、エッチング条件を、レジストマスク553に対する導電膜575のエッチング選択比が高い条件とすることが好ましい。例えば、ドライエッチングで、エッチングガスとしてCl2およびHBrの混合ガスを用い、Cl2の流量比よりもHBrの流量比を高くすることが好ましい。例えば、Cl2:HBr=20:80の流量比であることが好ましい。また、誘導結合型プラズマによるエッチング(ICPエッチングともいう)の場合、ICP電力を500Wとしたとき、バイアス電力を30W以上40W以下とすることにより、レジストマスク553と導電膜とのエッチング選択比を高くすることができる。
続いて、酸化物半導体膜541および導電膜575上にフォトリソグラフィ工程によりレジストマスク555を形成する(図45(A)参照)。
レジストマスク555は、その周縁が、ゲート電極501と重ならないように形成される。図45(A)に示されるように、レジストマスク555の一方の端部は、ゲート電極501の一方の端部と、距離Hだけ離れた箇所に形成され、他方の端部は、ゲート電極501の他方の端部と、距離Fだけ離れた箇所に形成される。
なお、レジストマスク555はインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
続いて、レジストマスク555を用いて導電膜575および酸化物半導体膜541に順にエッチングを行う。導電膜575をエッチングする事により、レジストマスク555と同様の形状の酸化物半導体膜503を形成する(図45(B)参照)。酸化物半導体膜503の周縁は、ゲート電極501と離れた箇所に配置される。
導電膜575のエッチングには、塩素を含むガス、例えば、塩素(Cl2)、三塩化硼素(BCl3)、四塩化珪素(SiCl4)、四塩化炭素(CCl4)などを含むガスを用いることができる。また、フッ素を含むガス、例えば、四弗化炭素(CF4)、六弗化硫黄(SF6)、三弗化窒素(NF3)、トリフルオロメタン(CHF3)などを含むガスを用いることができる。また、これらのガスにヘリウム(He)やアルゴン(Ar)などの希ガスを添加したガス、などを用いることができる。
エッチング法としては、平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いることができる。所望の加工形状にエッチングできるように、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節する。
本実施の形態では、導電膜575としてチタン膜を用い、エッチング法としてドライエッチング法を用いる。
なお、導電膜575のエッチング工程の際に、酸化物半導体膜541がエッチングされ、分断することのないようエッチング条件を最適化することが望まれる。しかしながら、導電膜のみをエッチングし、酸化物半導体膜541を全くエッチングしないという条件を得ることは難しく、導電膜のエッチングの際に酸化物半導体膜541は一部のみがエッチングされ、溝部(凹部)を有する酸化物半導体膜となることもある。
次いで、レジストマスク555を除去した後、酸化物半導体膜503および、エッチングされた導電膜575上にフォトリソグラフィ工程によりレジストマスク557を形成する(図45(C)参照)。
レジストマスク557は、レジストマスク555と同様の形成方法を用いることができる。
続いて、レジストマスク557を用いて、エッチングされた導電膜575に、さらにエッチングを行い、島状の第1のバリア層575a、島状の第2のバリア層575bを形成する(図46(A)参照)。
なお、島状の第1のバリア層575a、島状の第2のバリア層575bを形成するために、導電膜のみをエッチングし、酸化物半導体膜503を全くエッチングしないという条件を得ることは難しく、酸化物半導体膜503の一部がエッチングされ、酸化物半導体膜503に溝部(凹部)が形成される場合もある。
次いで、レジストマスク557を除去した後、酸化物半導体膜503、島状の第1のバリア層575aおよび島状の第2のバリア層575b上に導電膜552を形成する(図46(B)参照)。酸化物半導体膜503の周縁は、ゲート電極501と離れた箇所に配置されている。
導電膜552は、第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bとなる導電膜である。
なお、第1のバリア層575aおよび第2のバリア層575bが第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bとなる導電膜552よりも薄いがこれに限定されない。第1のバリア層575aおよび第2のバリア層575bは、電子ビーム露光により作製したレジストマスクを用いて形成されるため、薄い方が製造工程上好ましい。また、第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bとなる導電膜552を厚くすることにより、ソース電極およびドレイン電極の抵抗を小さくできる。
また、第1のバリア層575aおよび第2のバリア層575bの距離は、第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bの距離よりも狭い。特に第1のバリア層575aおよび第2のバリア層575bが第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bよりも抵抗が高い場合、第1のバリア層575aおよび第2のバリア層575bの距離を短くすることにより、ソース電極、酸化物半導体膜503、およびドレイン電極間の抵抗を小さくできる。
次いで、フォトリソグラフィ工程により導電膜552上にレジストマスク556を形成し(図47(A)参照)、選択的にエッチングを行って第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bを形成する。第1の低抵抗材料層505aおよび第2の低抵抗材料層505bを形成した後、レジストマスクを除去する(図47(B)参照)。
第1のバリア層575aおよび第1の低抵抗材料層505aはトランジスタ560のソース電極として機能する。第2のバリア層575bおよび第2の低抵抗材料層505bはトランジスタ560のドレイン電極として機能する。
導電膜552のエッチングは、導電膜575と同様の条件を用いて行うことができる。
以上の工程で、本実施の形態のトランジスタ560が作製される。
本実施の形態では、積層からなるソース電極、積層からなるドレイン電極および酸化物半導体膜503上に、絶縁膜506を形成する(図47(C)参照)。
絶縁膜506としては、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化ガリウム膜、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜の単層または積層を用いることができる。
なお、絶縁膜506に酸素ドーピング処理を行ってもよい。絶縁膜506に酸素ドーピング処理を行うことで、酸化物半導体膜503に酸素を供給することができる。絶縁膜506への酸素ドーピングは、上記絶縁膜506および酸化物半導体膜503への酸素ドーピング処理と同様の処理を行うことができる。
また、さらに絶縁膜506上に緻密性の高い無機絶縁膜を設けてもよい。例えば、絶縁膜506上にスパッタリング法により酸化アルミニウム膜を形成する。酸化アルミニウム膜を高密度(膜密度3.2g/cm3以上、好ましくは3.6g/cm3以上)とすることによって、トランジスタ560に安定な電気特性を付与することができる。膜密度はラザフォード後方散乱法や、X線反射率測定法によって測定することができる。
トランジスタ560上に設けられる絶縁膜として用いることのできる酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物、および酸素の両方に対して膜を通過させない遮断効果(ブロック効果)が高い。
従って、酸化アルミニウム膜は、作製工程中および作製後において、変動要因となる水素、水分などの不純物の酸化物半導体膜503への混入、および酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素の酸化物半導体膜503からの放出を防止する保護膜として機能する。
また、トランジスタ560起因の表面凹凸を低減するために平坦化絶縁膜を形成してもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜を形成してもよい。
例えば、平坦化絶縁膜として、膜厚1500nmのアクリル樹脂膜を形成すればよい。アクリル樹脂膜は塗布法による塗布後、焼成(例えば窒素雰囲気下250℃1時間)して形成することができる。
平坦化絶縁膜を形成後、熱処理を行ってもよい。例えば、窒素雰囲気下250℃で1時間熱処理を行う。
このように、トランジスタ560形成後、熱処理を行ってもよい。また、熱処理は複数回行ってもよい。
本実施の形態に示すトランジスタ560は、酸化物半導体膜の周縁が、ゲート電極501から離れた箇所に配置されている。従って、低抵抗化された酸化物半導体膜の周縁とゲート電極との重なりに起因して生じる寄生チャネルによるリーク電流が増大するのを抑制させ、歩留まりの高いトランジスタ560を提供することができる。
また、本実施の形態に示すトランジスタ560は、第1のバリア層575aと第2のバリア層575bの距離によってチャネル長が決定される。チャネル長は、電子ビームを用いた露光により形成されたレジストマスクのパターンの幅により決定される。電子ビームを用いることによって精密な露光を行い、微細加工の精度を高めることで、チャネル長が50nm未満の微細なトランジスタを作製することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、実施の形態1に示すトランジスタを使用し、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置の一例を、図面を用いて説明する。なお、本実施の形態の半導体装置は、トランジスタ162として実施の形態1に記載のトランジスタ450を適用して構成される。
図17は、半導体装置の構成の一例である。図17(A)に半導体装置の断面図を、図17(B)に半導体装置の平面図を、図17(C)に半導体装置の回路図をそれぞれ示す。ここで、図17(A)は、図17(B)のE−F、およびG−Hにおける断面に相当する。
図17(A)および図17(B)に示す半導体装置は、下部に第1の半導体材料を用いたトランジスタ160を有し、上部に第2の半導体材料を用いたトランジスタ162を有するものである。トランジスタ162は、実施の形態1で示したトランジスタ450と同一の構成とすることができる。
ここで、第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なる禁制帯幅を持つ材料とすることが望ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコンなど)とし、第2の半導体材料を酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、その特性により長時間の電荷保持を可能とする。
トランジスタ162は、酸化物半導体を含むトランジスタであり、オフ電流が小さいため、このトランジスタを用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、或いは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ない半導体記憶装置とすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。
なお、上記トランジスタは、いずれもnチャネル型トランジスタであるものとして説明するが、pチャネル型トランジスタを用いることができるのはいうまでもない。また、開示する発明の技術的な本質は、情報を保持するために酸化物半導体をトランジスタ162に用いる点にあるから、半導体装置に用いられる材料や半導体装置の構造など、半導体装置の具体的な構成をここで示すものに限定する必要はない。
図17(A)におけるトランジスタ160は、半導体材料(例えば、シリコンなど)を含む基板100に設けられたチャネル形成領域116と、チャネル形成領域116を挟むように設けられた不純物領域120と、不純物領域120に接する金属間化合物領域124と、チャネル形成領域116上に設けられたゲート絶縁膜108と、ゲート絶縁膜108上に設けられたゲート電極110と、を有する。なお、図において、明示的にはソース電極やドレイン電極を有しない場合があるが、便宜上、このような状態を含めてトランジスタと呼ぶ場合がある。また、この場合、トランジスタの接続関係を説明するために、ソース領域やドレイン領域を含めてソース電極やドレイン電極と表現することがある。つまり、本明細書において、ソース電極との記載には、ソース領域が含まれうる。
基板100上にはトランジスタ160を囲むように素子分離絶縁膜106が設けられており、トランジスタ160を覆うように絶縁膜130が設けられている。なお、高集積化を実現するためには、図17(A)に示すようにトランジスタ160がサイドウォール絶縁膜を有しない構成とすることが望ましい。一方で、トランジスタ160の特性を重視する場合には、ゲート電極110の側面にサイドウォール絶縁膜を設け、不純物濃度が異なる領域を含む不純物領域120としてもよい。
図17(A)に示すトランジスタ162は、酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタである。また、酸化物半導体膜144は、低抵抗領域であるソース領域144a、ドレイン領域144bおよびチャネル形成領域144cを含む。チャネル形成領域144cは、ソース領域144aおよびドレイン領域144bに挟まれて形成される。
トランジスタ162は作製工程において、ゲート電極148上に設けられた絶縁膜を化学機械研磨処理により除去する工程を用いて、ゲート電極148側面および上面に側壁絶縁膜135を形成する。また、ゲート絶縁膜146は酸化物半導体膜144側から順に窒化酸化シリコン膜と酸化アルミニウム膜の積層膜である。また、酸化物半導体膜144は、エッチング処理が施され、チャネル長方向の長さが異なるように十字状に形成している。
また、ソース電極142aおよびドレイン電極142bは、露出した酸化物半導体膜144上面、および側壁絶縁膜135と接して設けられている。
トランジスタ162上には、層間絶縁膜149、絶縁膜150が単層または積層で設けられている。本実施の形態では、絶縁膜150として、酸化アルミニウム膜を用いる。酸化アルミニウム膜を高密度(膜密度3.2g/cm3以上、好ましくは3.6g/cm3以上)とすることによって、トランジスタ162に安定な電気特性を付与することができる。
また、層間絶縁膜149および絶縁膜150を介して、ソース電極142aと重畳する領域には、導電膜153が設けられており、ソース電極142aと、層間絶縁膜149と、絶縁膜150と、導電膜153とによって、容量素子164が構成される。すなわち、ソース電極142aは、容量素子164の一方の電極として機能し、導電膜153は、容量素子164の他方の電極として機能する。なお、容量が不要の場合には、容量素子164を設けない構成とすることもできる。また、容量素子164は、別途、トランジスタ162の上方に設けてもよい。
トランジスタ162および容量素子164の上には絶縁膜152が設けられている。
そして、絶縁膜152上にはトランジスタ162と、他のトランジスタを接続するための配線156a、配線156bが設けられている。配線156aは、層間絶縁膜149、絶縁膜150、および絶縁膜152などに形成された開口に形成された電極を介してソース電極142aと電気的に接続される。配線156bは、層間絶縁膜149、絶縁膜150、および絶縁膜152などに形成された開口に形成された電極を介してドレイン電極142bと電気的に接続される。
図17(A)および図17(B)において、トランジスタ160と、トランジスタ162とは、少なくとも一部が重畳するように設けられており、トランジスタ160のソース領域またはドレイン領域と酸化物半導体膜144の一部が重畳するように設けられているのが好ましい。また、トランジスタ162および容量素子164が、トランジスタ160の少なくとも一部と重畳するように設けられている。例えば、容量素子164の導電膜153は、トランジスタ160のゲート電極110と少なくとも一部が重畳して設けられている。このような平面レイアウトを採用することにより、半導体装置の占有面積の低減を図ることができるため、高集積化を図ることができる。
次に、図17(A)および図17(B)に対応する回路構成の一例を図17(C)に示す。
図17(C)において、第1の配線(1st Line)とトランジスタ160のソース電極とは、電気的に接続され、第2の配線(2nd Line)とトランジスタ160のドレイン電極とは、電気的に接続されている。また、第3の配線(3rd Line)とトランジスタ162のソース電極またはドレイン電極の一方とは、電気的に接続され、第4の配線(4th Line)と、トランジスタ162のゲート電極とは、電気的に接続されている。そして、トランジスタ160のゲート電極と、トランジスタ162のソース電極またはドレイン電極の一方は、容量素子164の電極の一方と電気的に接続され、第5の配線(5th Line)と、容量素子164の電極の他方は電気的に接続されている。
図17(C)に示す半導体装置では、トランジスタ160のゲート電極の電位が保持可能という特徴を生かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線の電位を、トランジスタ162がオン状態となる電位にして、トランジスタ162をオン状態とする。これにより、第3の配線の電位が、トランジスタ160のゲート電極、および容量素子164が接続されたノード(ノードFG)に与えられる。すなわち、ノードFGには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という)のいずれかが与えられるものとする。その後、第4の配線の電位を、トランジスタ162がオフ状態となる電位にして、トランジスタ162をオフ状態とすることにより、ノードFGに与えられた電荷が保持される(保持)。
トランジスタ162のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタ160のゲート電極の電荷は長時間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線に適切な電位(読み出し電位)を与えると、ノードFGに保持された電荷量に応じて、第2の配線は異なる電位をとる。一般に、トランジスタ160をnチャネル型とすると、ノードFG(トランジスタ160のゲート電極と言い換えることもできる)にHighレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値電圧Vth_Hは、ノードFGにLowレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけのしきい値電圧とは、トランジスタ160を「オン状態」とするために必要な第5の配線の電位をいうものとする。したがって、第5の配線の電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、ノードFGに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、Highレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線の電位がV0(>Vth_H)となれば、トランジスタ160は「オン状態」となる。Lowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線の電位がV0(<Vth_L)となっても、トランジスタ160は「オフ状態」のままである。このため、第2の配線の電位を見ることで、保持されている情報を読み出すことができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置して用いる場合、所望のメモリセルの情報のみを読み出せることが必要になる。情報を読み出さない場合には、ゲート電極の状態にかかわらずトランジスタ160が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより小さい電位を第5の配線に与えればよい。または、ゲート電極の状態にかかわらずトランジスタ160が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより大きい電位を第5の配線に与えればよい。
本実施の形態に示す半導体装置では、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたオフ電流の極めて小さいトランジスタを適用することで、極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが望ましい)であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、本実施の形態に示す半導体装置では、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行う必要がないため、ゲート絶縁膜の劣化といった問題が全く生じない。すなわち、開示する発明に係る半導体装置では、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上する。さらに、トランジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態においては、実施の形態1に示すトランジスタを使用し、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置について、実施の形態7に示した構成と異なる構成について、図18乃至図20を用いて説明を行う。なお、本実施の形態の半導体装置は、トランジスタ162として実施の形態2に記載のトランジスタを適用して構成される。トランジスタ162としては、実施の形態1で示すトランジスタのいずれの構造も適用することができる。
図18(A)は、半導体装置の回路構成の一例を示し、図18(B)は半導体装置の一例を示す概念図である。まず、図18(A)に示す半導体装置について説明を行い、続けて図18(B)に示す半導体装置について、以下説明を行う。
図18(A)に示す半導体装置において、ビット線BLとトランジスタ162のソース電極またはドレイン電極とは電気的に接続され、ワード線WLとトランジスタ162のゲート電極とは電気的に接続され、トランジスタ162のソース電極またはドレイン電極と容量素子164の第1の端子とは電気的に接続されている。
酸化物半導体を用いたトランジスタ162は、オフ電流が極めて小さいという特徴を有している。このため、トランジスタ162をオフ状態とすることで、容量素子164の第1の端子の電位(あるいは、容量素子164に蓄積された電荷)を極めて長時間にわたって保持することが可能である。
次に、図18(A)に示す半導体装置(メモリセル250)に、情報の書き込みおよび保持を行う場合について説明する。
まず、ワード線WLの電位を、トランジスタ162がオン状態となる電位として、トランジスタ162をオン状態とする。これにより、ビット線BLの電位が、容量素子164の第1の端子に与えられる(書き込み)。その後、ワード線WLの電位を、トランジスタ162がオフ状態となる電位として、トランジスタ162をオフ状態とすることにより、容量素子164の第1の端子の電位が保持される(保持)。
トランジスタ162のオフ電流は極めて小さいから、容量素子164の第1の端子の電位(あるいは容量素子に蓄積された電荷)は長時間にわたって保持することができる。
次に、情報の読み出しについて説明する。トランジスタ162がオン状態となると、浮遊状態であるビット線BLと容量素子164とが導通し、ビット線BLと容量素子164の間で電荷が再分配される。その結果、ビット線BLの電位が変化する。ビット線BLの電位の変化量は、容量素子164の第1の端子の電位(あるいは容量素子164に蓄積された電荷)によって、異なる値をとる。
例えば、容量素子164の第1の端子の電位をV、容量素子164の容量をC、ビット線BLが有する容量成分(以下、ビット線容量とも呼ぶ)をCB、電荷が再分配される前のビット線BLの電位をVB0とすると、電荷が再分配された後のビット線BLの電位は、(CB×VB0+C×V)/(CB+C)となる。したがって、メモリセル250の状態として、容量素子164の第1の端子の電位がV1とV0(V1>V0)の2状態をとるとすると、電位V1を保持している場合のビット線BLの電位(=(CB×VB0+C×V1)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合のビット線BLの電位(=(CB×VB0+C×V0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
そして、ビット線BLの電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すことができる。
このように、図18(A)に示す半導体装置は、トランジスタ162のオフ電流が極めて小さいという特徴から、容量素子164に蓄積された電荷は長時間にわたって保持することができる。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
次に、図18(B)に示す半導体装置について、説明を行う。
図18(B)に示す半導体装置は、上部に記憶回路として図18(A)に示したメモリセル250を複数有するメモリセルアレイ251(メモリセルアレイ251aおよびメモリセルアレイ251b)を有し、下部に、メモリセルアレイ251aおよびメモリセルアレイ251bを動作させるために必要な周辺回路253を有する。なお、周辺回路253は、メモリセルアレイ251aおよびメモリセルアレイ251bと電気的に接続されている。
図18(B)に示した構成とすることにより、周辺回路253をメモリセルアレイ251aおよびメモリセルアレイ251bの直下に設けることができるため半導体装置の小型化を図ることができる。
周辺回路253に設けられるトランジスタは、トランジスタ162とは異なる半導体材料を用いるのがより好ましい。例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、またはガリウムヒ素等を用いることができ、単結晶半導体を用いることが好ましい。他に、有機半導体材料などを用いてもよい。このような半導体材料を用いたトランジスタは、十分な高速動作が可能である。したがって、前記トランジスタにより、高速動作が要求される各種回路(論理回路、駆動回路など)を好適に実現することが可能である。
なお、図18(B)に示した半導体装置では、メモリセルアレイ251aとメモリセルアレイ251bの2つのメモリセルアレイが積層された構成を例示したが、積層するメモリセルアレイの数はこれに限定されない。3つ以上のメモリセルアレイを積層する構成としても良い。
次に、図18(A)に示したメモリセル250の具体的な構成について図19を用いて説明を行う。
図19は、メモリセル250の構成の一例である。図19(A)に、メモリセル250の断面図を、図19(B)にメモリセル250の平面図をそれぞれ示す。ここで、図19(A)は、図19(B)のI−J、およびK−Lにおける断面に相当する。
図19(A)および図19(B)に示すトランジスタ162は、実施の形態1で示した構成と同一の構成とすることができる。
トランジスタ162上には、層間絶縁膜149が単層または積層で設けられている。また、層間絶縁膜149および絶縁膜150を介して、トランジスタ162のソース電極142aと重畳する領域には、導電膜153が設けられており、ソース電極142aと、層間絶縁膜149と、絶縁膜150と導電膜153とによって、容量素子164が構成される。すなわち、トランジスタ162のソース電極142aは、容量素子164の一方の電極として機能し、導電膜153は、容量素子164の他方の電極として機能する。
トランジスタ162および容量素子164の上には絶縁膜152が設けられている。そして、絶縁膜152上には、メモリセル250と、隣接するメモリセル250を接続するための配線156aおよび配線156bが設けられている。配線156aは、層間絶縁膜149、絶縁膜150、および絶縁膜152などに形成された開口に形成された電極を介してソース電極142aと電気的に接続される。配線156bは、層間絶縁膜149、絶縁膜150、および絶縁膜152などに形成された開口に形成された電極を介してドレイン電極142bと電気的に接続される。但し、開口に他の導電膜を設け、該他の導電膜を介して、配線156a、配線156bとソース電極142a、ドレイン電極142bとをそれぞれ電気的に接続してもよい。なお、配線156a、配線156bは、図18(A)の回路図におけるビット線BLに相当する。
図19(A)および図19(B)において、トランジスタ162のドレイン電極142bは、隣接するメモリセルに含まれるトランジスタのソース電極としても機能することができる。
図19(A)に示す平面レイアウトを採用することにより、半導体装置の占有面積の低減を図ることができるため、高集積化を図ることができる。
以上のように、上部に多層に形成された複数のメモリセルは、酸化物半導体を用いたトランジスタにより形成されている。酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が小さいため、これを用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。
このように、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ(換言すると、十分な高速動作が可能なトランジスタ)を用いた周辺回路と、酸化物半導体を用いたトランジスタ(より広義には、十分にオフ電流が小さいトランジスタ)を用いた記憶回路とを一体に備えることで、これまでにない特徴を有する半導体装置を実現することができる。また、周辺回路と記憶回路を積層構造とすることにより、半導体装置の集積化を図ることができる。
図20は、図18(B)に示した半導体装置の積層構成の一例を示す断面図である。図20では、論理回路3004、メモリセル3170aと、メモリセル3170bを代表で示す。メモリセル3170aおよびメモリセル3170bとしては、例えば、上記に実施の形態において、説明した回路構成と同様の構成とすることもできる。
なお、メモリセル3170aに含まれるトランジスタ3171aを代表で示す。メモリセル3170bに含まれるトランジスタ3171bを代表で示す。トランジスタ3171aおよびトランジスタ3171bは、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有する。酸化物半導体膜にチャネル形成領域が形成されるトランジスタの構成については、その他の実施の形態において説明した構成と同様であるため、説明は省略する。
また、論理回路3004は、酸化物半導体以外の半導体材料をチャネル形成領域として用いたトランジスタ3001を有する。トランジスタ3001は、半導体材料(例えば、シリコンなど)を含む基板3000に素子分離絶縁層3106を設け、素子分離絶縁層3106に囲まれた領域にチャネル形成領域となる領域を形成することによって得られるトランジスタとすることができる。なお、トランジスタ3001は、絶縁表面上に形成されたシリコン膜等の半導体膜や、SOI基板のシリコン膜にチャネル形成領域が形成されるトランジスタであってもよい。トランジスタ3001の構成については、公知の構成を用いることが可能であるため、説明は省略する。
トランジスタ3171aが形成された層と、トランジスタ3001が形成された層との間には、配線3100aおよび配線3100bが形成されている。配線3100aとトランジスタ3001が形成された層との間には、絶縁膜3140aが設けられ、配線3100aと配線3100bとの間には、絶縁膜3141aが設けられ、配線3100bとトランジスタ3171aが形成された層との間には、絶縁膜3142aが設けられている。
同様に、トランジスタ3171bが形成された層と、トランジスタ3171aが形成された層との間には、配線3100cおよび配線3100dが形成されている。配線3100cとトランジスタ3171aが形成された層との間には、絶縁膜3140bが設けられ、配線3100cと配線3100dとの間には、絶縁膜3141bが設けられ、配線3100dとトランジスタ3171bが形成された層との間には、絶縁膜3142bが設けられている。
絶縁膜3140a、絶縁膜3141a、絶縁膜3142a、絶縁膜3140b、絶縁膜3141b、絶縁膜3142bは、層間絶縁膜として機能し、その表面は平坦化された構成とすることができる。
配線3100a、配線3100b、配線3100c、配線3100dによって、メモリセル間の電気的接続や、論理回路3004とメモリセルとの電気的接続等を行うことができる。
論理回路3004に含まれる電極3303は、上部に設けられた回路と電気的に接続することができる。
例えば、図20に示すように、電極3505によって電極3303は配線3100aと電気的に接続することができる。配線3100aは、電極3503aによって、配線3100bと電気的に接続することができる。配線3100bは、電極3504aによって、トランジスタ3171aのソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続することができる。こうして、電極3303を、トランジスタ3171aのソース電極またはドレイン電極と電気的に接続することができる。トランジスタ3171aのソース電極またはドレイン電極は、電極3503bによって、配線3100cと電気的に接続することができる。
なお、図20では、2つのメモリセル(メモリセル3170aと、メモリセル3170b)が積層された構成を例として示したが、積層するメモリセルの数はこれに限定されない。
図20では、電極3303とトランジスタ3171aとの電気的接続は、配線3100aおよび配線3100bを介して行われる例を示したがこれに限定されない。電極3303とトランジスタ3171aとの電気的接続は、配線3100aのみを介して行われてもよいし、配線3100bのみを介して行われてもよい。また、配線3100aも配線3100bも介さず、他の電極を用いて行われてもよい。
また、図20では、トランジスタ3171aが形成された層と、トランジスタ3001が形成された層との間には、配線3100aが形成された配線層と、配線3100bが形成された配線層との、2つの配線層が設けられた構成を示したがこれに限定されない。トランジスタ3171aが形成された層と、トランジスタ3001が形成された層との間に、1つの配線層が設けられていてもよいし、3つ以上の配線層が設けられていてもよい。
また、図20では、トランジスタ3171bが形成された層と、トランジスタ3171aが形成された層との間には、配線3100cが形成された配線層と、配線3100dが形成された配線層との、2つの配線層が設けられた構成を示したがこれに限定されない。トランジスタ3171bが形成された層と、トランジスタ3171aが形成された層との間に、1つの配線層が設けられていてもよいし、3つ以上の配線層が設けられていてもよい。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、先の実施の形態で示した半導体装置を携帯電話、スマートフォン、電子書籍などの携帯機器に応用した場合の例を図21乃至図24を用いて説明する。
携帯電話、スマートフォン、電子書籍などの携帯機器においては、画像データの一時記憶などにSRAMまたはDRAMが使用されている。SRAMまたはDRAMが使用される理由としてはフラッシュメモリでは応答が遅く、画像処理では不向きであるためである。一方で、SRAMまたはDRAMを画像データの一時記憶に用いた場合、以下の特徴がある。
通常のSRAMは、図21(A)に示すように1つのメモリセルがトランジスタ801〜806の6個のトランジスタで構成されており、それをXデコーダー807、Yデコーダー808にて駆動している。トランジスタ803とトランジスタ805、トランジスタ804とトランジスタ806はインバータを構成し、高速駆動を可能としている。しかし、1つのメモリセルが6トランジスタで構成されているため、セル面積が大きいという欠点がある。デザインルールの最小寸法をFとしたときにSRAMのメモリセル面積は通常100〜150F2である。このためSRAMはビットあたりの単価が各種メモリの中で最も高い。
それに対して、DRAMはメモリセルが図21(B)に示すようにトランジスタ811、保持容量812によって構成され、それをXデコーダー813、Yデコーダー814にて駆動している。1つのセルが1トランジスタ1容量の構成になっており、面積が小さい。DRAMのメモリセル面積は通常10F2以下である。ただし、DRAMは常にリフレッシュが必要であり、書き換えをおこなわない場合でも電力を消費する。
しかし、先の実施の形態で説明した半導体装置のメモリセル面積は、10F2前後であり、かつ頻繁なリフレッシュは不要である。したがって、メモリセル面積が縮小され、かつ消費電力が低減することができる。
図22に携帯機器のブロック図を示す。図22に示す携帯機器はRF回路901、アナログベースバンド回路902、デジタルベースバンド回路903、バッテリー904、電源回路905、アプリケーションプロセッサ906、フラッシュメモリ910、ディスプレイコントローラ911、メモリ回路912、ディスプレイ913、タッチセンサ919、音声回路917、キーボード918などより構成されている。ディスプレイ913は表示部914、ソースドライバ915、ゲートドライバ916によって構成されている。アプリケーションプロセッサ906はCPU907、DSP908、インターフェース(IF)909を有している。一般にメモリ回路912はSRAMまたはDRAMで構成されており、この部分に先の実施の形態で説明した半導体装置を採用することによって、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、かつ消費電力が十分に低減することができる。
図23に、ディスプレイのメモリ回路950に先の実施の形態で説明した半導体装置を使用した例を示す。図23に示すメモリ回路950は、メモリ952、メモリ953、スイッチ954、スイッチ955およびメモリコントローラ951により構成されている。また、メモリ回路は、信号線から入力された画像データ(入力画像データ)、メモリ952、およびメモリ953に記憶されたデータ(記憶画像データ)を読み出し、および制御を行うディスプレイコントローラ956と、ディスプレイコントローラ956からの信号により表示するディスプレイ957が接続されている。
まず、ある画像データがアプリケーションプロセッサ(図示しない)によって、形成される(入力画像データA)。入力画像データAは、スイッチ954を介してメモリ952に記憶される。そしてメモリ952に記憶された画像データ(記憶画像データA)は、スイッチ955、およびディスプレイコントローラ956を介してディスプレイ957に送られ、表示される。
入力画像データAに変更が無い場合、記憶画像データAは、通常30〜60Hz程度の周期でメモリ952からスイッチ955を介して、ディスプレイコントローラ956から読み出される。
次に、例えば、ユーザーが画面を書き換える操作をしたとき(すなわち、入力画像データAに変更が有る場合)、アプリケーションプロセッサは新たな画像データ(入力画像データB)を形成する。入力画像データBはスイッチ954を介してメモリ953に記憶される。この間も定期的にメモリ952からスイッチ955を介して記憶画像データAは読み出されている。メモリ953に新たな画像データ(記憶画像データB)が記憶し終わると、ディスプレイ957の次のフレームより、記憶画像データBは読み出され、スイッチ955、およびディスプレイコントローラ956を介して、ディスプレイ957に記憶画像データBが送られ、表示がおこなわれる。この読み出しはさらに次に新たな画像データがメモリ952に記憶されるまで継続される。
このようにメモリ952およびメモリ953は交互に画像データの書き込みと、画像データの読み出しを行うことによって、ディスプレイ957の表示を行う。なお、メモリ952およびメモリ953はそれぞれ別のメモリには限定されず、1つのメモリを分割して使用してもよい。先の実施の形態で説明した半導体装置をメモリ952およびメモリ953に採用することによって、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、かつ消費電力が十分に低減することができる。
図24に電子書籍のブロック図を示す。図24はバッテリー1001、電源回路1002、マイクロプロセッサ1003、フラッシュメモリ1004、音声回路1005、キーボード1006、メモリ回路1007、タッチパネル1008、ディスプレイ1009、ディスプレイコントローラ1010によって構成される。
ここでは、図24のメモリ回路1007に先の実施の形態で説明した半導体装置を使用することができる。メモリ回路1007は書籍の内容を一時的に保持する機能を持つ。例えば、ユーザーが電子書籍を読んでいるときに、表示の色を変える、アンダーラインを引く、文字を太くする、文字の書体を変えるなどによって、特定の箇所を周囲と区別するハイライト機能を使用する場合などがある。ユーザーが指定した箇所の情報を長期に保存する場合にはフラッシュメモリ1004にコピーしても良い。このような場合においても、先の実施の形態で説明した半導体装置を採用することによって、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、かつ消費電力が十分に低減することができる。
以上のように、本実施の形態に示す携帯機器には、先の実施の形態に係る半導体装置が搭載されている。このため、読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、かつ消費電力を低減した携帯機器が実現される。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態11)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、遊技機(パチンコ機、スロットマシン等)、ゲーム筐体が挙げられる。これらの電子機器の具体例を図25に示す。
図25(A)および図25(B)は2つ折り可能なタブレット型端末である。図25(A)は、開いた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a、表示部9631b、表示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省電力モード切り替えスイッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有する。
実施の形態1乃至実施の形態6のいずれかに示す半導体装置は、表示部9631a、表示部9631bに用いることが可能であり、信頼性の高いタブレット型端末とすることが可能となる。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9631aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示または横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
また、図25(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば、一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルとしてもよい。
図25(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する。なお、図25(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する構成について示している。
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態にすることができる。したがって、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、耐久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図25(A)および図25(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付または時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作または編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、または映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の片面又は両面に設けることができ、バッテリー9635の充電を効率的に行う構成とすることができる。なお、バッテリー9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図25(B)に示す充放電制御回路9634の構成、および動作について図25(C)にブロック図を示し説明する。図25(C)には、太陽電池9633、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図25(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず、外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
なお、太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態12)
上記実施の形態に開示したトランジスタを少なくとも一部に用いてCPU(Central Processing Unit)を構成することができる。
図26(A)は、CPUの具体的な構成を示すブロック図である。図26(A)に示すCPUは、基板1190上に、演算回路(ALU:Arithmetic logic unit)1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース(Bus I/F)1198、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース(ROM I/F)1189を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図26(A)に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行う。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、およびレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えば、タイミングコントローラ1195は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
図26(A)に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196のメモリセルには、上記実施の形態に記載されている半導体装置を含むメモリセルを用いることができる。
図26(A)に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、論理(値)を反転させる論理素子によるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。論理(値)を反転させる論理素子によるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
電源停止に関しては、図26(B)または図26(C)に示すように、メモリセル群と、電源電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、スイッチング素子を設けることにより行うことができる。以下に図26(B)および図26(C)の回路の説明を行う。
図26(B)および図26(C)では、メモリセルへの電源電位の供給を制御するスイッチング素子に、上記実施の形態に開示したトランジスタを含む記憶回路の構成の一例を示す。
図26(B)に示す記憶装置は、スイッチング素子1141と、メモリセル1142を複数有するメモリセル群1143とを有している。具体的に、各メモリセル1142には、上記実施の形態に記載されているメモリセルを用いることができる。メモリセル群1143が有する各メモリセル1142には、スイッチング素子1141を介して、ハイレベルの電源電位VDDが供給されている。さらに、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142には、信号INの電位と、ローレベルの電源電位VSSの電位が与えられている。
図26(B)では、スイッチング素子1141として、上記実施の形態に開示したトランジスタを用いており、該トランジスタは、そのゲート電極に与えられる信号SigAによりスイッチングが制御される。
なお、図26(B)では、スイッチング素子1141がトランジスタを一つだけ有する構成を示しているが、特に限定されず、トランジスタを複数有していてもよい。スイッチング素子1141が、スイッチング素子として機能するトランジスタを複数有している場合、上記複数のトランジスタは並列に接続されていてもよいし、直列に接続されていてもよいし、直列と並列が組み合わされて接続されていてもよい。
また、図26(B)では、スイッチング素子1141により、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142への、ハイレベルの電源電位VDDの供給が制御されているが、スイッチング素子1141により、ローレベルの電源電位VSSの供給が制御されていてもよい。
また、図26(C)には、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142に、スイッチング素子1141を介して、ローレベルの電源電位VSSが供給されている、記憶装置の一例を示す。スイッチング素子1141により、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142への、ローレベルの電源電位VSSの供給を制御することができる。
メモリセル群と、電源電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、スイッチング素子を設け、一時的にCPUの動作を停止し、電源電圧の供給を停止した場合においてもデータを保持することが可能であり、消費電力の低減を行うことができる。具体的には、例えば、パーソナルコンピュータのユーザーが、キーボードなどの入力装置への情報の入力を停止している間でも、CPUの動作を停止することができ、それにより消費電力を低減することができる。
ここでは、CPUを例に挙げて説明したが、DSP(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のLSIにも応用可能である。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
<参考例>
本明細書で開示されるトランジスタの構造は、チャネルが形成される酸化物半導体膜にCAAC−OS膜を適用する場合に特に有用である。具体的に述べると、CAAC−OS膜は、側面(端面)から酸素の脱離に起因して当該側面近傍の領域が低抵抗化されやすい。これに対して、本明細書で開示されるトランジスタにおいては、チャネル長方向の長さが異なるように十字状に形成された酸化物半導体膜またはソース電極およびドレイン電極よりもチャネル幅方向の長さが長い酸化物半導体膜を用いてトランジスタを構成する。トランジスタのソース電極とドレイン電極が酸化物半導体膜の側面(端面)近傍の領域(酸素(O)が脱離することなどに起因して低抵抗化した領域)を介して電気的に接続される蓋然性を低減することが可能となる。
以下、CAAC−OS膜の側面(端面)から酸素が脱離しやすい点について詳述する。
ここでは、酸化物半導体膜の一例として、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(以下、IGZOと呼ぶ。)における、過剰酸素(化学量論比を越えて存在している酸素原子)および酸素欠損の動きやすさについて、科学技術計算結果を参照して説明する。
なお、計算はIn:Ga:Zn=3:1:2の原子数比のIGZOの一つのIn−O面に過剰酸素または酸素欠損が一つ存在するモデルを構造最適化によって作成(図27(A)乃至図27(C)および図29(A)乃至図29(C)を参照)し、NEB(Nudged Elastic Band)法を用いて最小エネルギー経路に沿った中間構造に対するエネルギーをそれぞれ算出した。
計算は、密度汎関数理論(DFT)に基づく計算プログラムソフト「OpenMX」を用いて行った。パラメータについて以下に説明する。
基底関数には、擬原子局在基底関数を用いた。この基底関数は、分極基底系STO(Slater Type Orbital)に分類される。
汎関数には、GGA/PBE(Generalized−Gradient−Approximation/Perdew−Burke−Ernzerhof)を用いた。
カットオフエネルギーは200Ryとした。
サンプリングk点は、5×5×3とした。
過剰酸素の動きやすさについての計算では、計算モデル内に存在する原子の数を85個とし、酸素欠損の動きやすさについての計算では、計算モデル内に存在する原子の数を83個とした。
過剰酸素または酸素欠損の動きやすさは、過剰酸素または酸素欠損が各々のサイトへ移動する際に越えることを要するエネルギーバリアの高さEbを計算することにより評価する。すなわち、移動に際して越えるエネルギーバリアの高さEbが高ければ移動しにくく、エネルギーバリアの高さEbが低ければ移動しやすい。
まず、過剰酸素の移動について説明する。過剰酸素の移動の計算に用いたモデルを図27に示す。計算は、以下の2つの遷移形態について行った。計算結果は、図28に示す。図28では、横軸を(過剰酸素の移動の)経路長とし、縦軸を図27(A)のモデルAの状態のエネルギーを基準(0eV)とした(移動に要する)エネルギーとしている。
過剰酸素の移動について、前記2つの遷移形態のうち、第1の遷移は、モデルAからモデルBへの遷移である。第2の遷移は、モデルAからモデルCへの遷移である。
なお、図27(A)乃至図27(C)中の”1”と表記されている酸素原子をモデルAの第1の酸素原子と呼ぶ。図27(A)乃至図27(C)中の”2”と表記されている酸素原子をモデルAの第2の酸素原子と呼ぶ。図27(A)乃至図27(C)中の”3”と表記されている酸素原子をモデルAの第3の酸素原子と呼ぶ。
図28から明らかなように、第1の遷移のエネルギーバリアの高さEbの最大値(Ebmax)は、0.53eVであり、第2の遷移のエネルギーバリアの高さEbの最大値(Ebmax)は、2.38eVである。そのため、第1の遷移では第2の遷移よりもエネルギーバリアの高さEbの最大値(Ebmax)が低い。そのため、第1の遷移に要するエネルギーは第2の遷移に要するエネルギーよりも小さく、第1の遷移のほうが第2の遷移よりも起こりやすいといえる。
すなわち、モデルAの第1の酸素原子の移動は、モデルAの第3の酸素原子を押し出す方向よりも、モデルAの第2の酸素原子を押し出す方向に移動しやすいといえる。したがって、酸素原子はインジウム原子の層を越えて移動するよりもインジウム原子の層に沿って移動しやすいといえる。
次に、酸素欠損の移動について説明する。酸素欠損の移動の計算に用いたモデルを図29に示す。計算は、以下の2つの遷移形態について行った。計算結果は、図30に示す。図30では、横軸を(酸素欠損の移動の)経路長とし、縦軸を図29(A)のモデルAの状態のエネルギーを基準(0eV)とした(移動に要する)エネルギーとしている。
酸素欠損の移動について、前記2つの遷移形態のうち、第1の遷移は、モデルAからモデルBへの遷移である。第2の遷移は、モデルAからモデルCへの遷移である。
なお、図29(A)乃至図29(C)中の点線で描画している丸は、酸素欠損を表している。
図30から明らかなように、第1の遷移のエネルギーバリアの高さEbの最大値(Ebmax)は、1.81eVであり、第2の遷移のエネルギーバリアの高さEbの最大値(Ebmax)は、4.10eVである。そのため、第1の遷移では第2の遷移よりもエネルギーバリアの高さEbの最大値(Ebmax)が低い。そのため、第1の遷移に要するエネルギーは第2の遷移に要するエネルギーよりも小さく、第1の遷移のほうが第2の遷移よりも起こりやすいといえる。
すなわち、モデルAの酸素欠損はモデルCの酸素欠損の位置よりも、モデルBの酸素欠損の位置の方に移動しやすいといえる。したがって、酸素欠損もインジウム原子の層を越えて移動するよりもインジウム原子の層に沿って移動しやすいといえる。
次に、前記した4つの遷移形態の起こりやすさを別の側面から比較するために、これらの遷移の温度依存性について説明する。前記した4つの遷移形態とは、(1)過剰酸素の第1の遷移(2)過剰酸素の第2の遷移(3)酸素欠損の第1の遷移(4)酸素欠損の第2の遷移の4つである。
これらの遷移の温度依存性は、単位時間あたりの移動頻度により比較する。ここで、ある温度T(K)における移動頻度Z(/秒)は、化学的に安定な位置における酸素原子の振動数Zo(/秒)を用いると、以下の式(2)で表される。
なお、前記式(2)において、Ebmaxは各遷移におけるエネルギーバリアの高さEbの最大値であり、kはボルツマン定数である。また、Zo=1.0×1013(/秒)を計算に用いる。
過剰酸素または酸素欠損が1秒間あたりに1度だけエネルギーバリアの高さEbの最大値(Ebmax)を越えて移動する場合(Z=1(/秒)の場合)、Tについて前記式(2)を解くと以下の通りである。
(1)過剰酸素の第1の遷移 Z=1においてT=206K(−67℃)
(2)過剰酸素の第2の遷移 Z=1においてT=923K(650℃)
(3)酸素欠損の第1の遷移 Z=1においてT=701K(428℃)
(4)酸素欠損の第2の遷移 Z=1においてT=1590K(1317℃)
一方、T=300K(27℃)の場合のZは、以下の通りである。
(1)過剰酸素の第1の遷移 T=300KにおいてZ=1.2×104(/秒)
(2)過剰酸素の第2の遷移 T=300KにおいてZ=1.0×10−27(/秒)
(3)酸素欠損の第1の遷移 T=300KにおいてZ=4.3×10−18(/秒)
(4)酸素欠損の第2の遷移 T=300KにおいてZ=1.4×10−56(/秒)
また、T=723K(450℃)の場合のZは、以下の通りである。
(1)過剰酸素の第1の遷移 T=723KにおいてZ=2.0×109(/秒)
(2)過剰酸素の第2の遷移 T=723KにおいてZ=2.5×10−4(/秒)
(3)酸素欠損の第1の遷移 T=723KにおいてZ=2.5(/秒)
(4)酸素欠損の第2の遷移 T=723KにおいてZ=2.5×10−16(/秒)
前記計算結果に鑑みると、過剰酸素は、T=300KにおいてもT=723Kにおいても、インジウム原子の層を越えて移動するよりもインジウム原子の層に沿って移動しやすいといえる。また、酸素欠損も、T=300KにおいてもT=723Kにおいても、インジウム原子の層を越えて移動するよりもインジウム原子の層に沿って移動しやすいといえる。
また、T=300Kにおいて、インジウム原子の層に沿った過剰酸素の移動は非常に起こりやすいが、他の遷移形態は起こりにくい。T=723Kにおいては、インジウム原子の層に沿う過剰酸素の移動のみならず、インジウム原子の層に沿う酸素欠損の移動も起こりやすいが、過剰酸素についても酸素欠損についてもインジウム原子の層を越える移動は困難である。
したがって、例えば、CAAC−OS膜のように、インジウム原子の層が酸化物半導体膜の被形成面または表面に平行な面上に存在する場合には、過剰酸素および酸素欠損のいずれも当該酸化物半導体膜の被形成面または表面に沿って移動しやすいといえる。
以上説明したように、CAAC−OS膜で形成された酸化物半導体膜では、過剰酸素および酸素欠損のいずれも当該酸化物半導体膜の被形成面または表面に沿って移動しやすい。そのため、当該酸化物半導体膜の側面からの酸素抜けが問題となる。酸素抜けが生じると過剰酸素の数が減少してしまい、酸素欠損を埋めることが困難になる。酸素欠損が存在すると、スイッチング素子に用いるには好ましくないレベルにまでCAAC−OS膜で形成された酸化物半導体膜の導電性が高まるおそれがある。
なお、前記説明では過剰酸素または酸素欠損がインジウム原子の層を越える場合について説明したが、酸化物半導体膜に含まれるインジウム以外の金属についても同様である。
前記説明した酸素抜けは、CAAC−OS膜で形成された酸化物半導体膜が島状に加工されている場合に特に顕著である。酸化物半導体膜が島状に加工されていると、酸化物半導体膜の側面の面積が増大するためである。
本実施例では、実施の形態1で示すトランジスタを作製し、該トランジスタの断面観察を行った。図31は、実施例トランジスタのチャネル長方向の断面STEM像である。
トランジスタとして、図1に示すトランジスタ450と同様の構造の実施例トランジスタを作製した。以下に実施例トランジスタの作製方法を図31を用いて説明する。なお、側壁絶縁膜16と絶縁膜18は、断面STEM像では境界面が見えにくいため、本実施例では、理解を容易にするため、この境界面を白点線で示している。
シリコン基板上に下地絶縁膜11としてスパッタリング法を用いて、膜厚1000nmの酸化シリコン膜を形成した(成膜条件:酸素(酸素50sccm)雰囲気下、圧力0.4Pa、電源電力(電源出力)1.5kW、シリコン基板とターゲットとの間の距離を60mm、基板温度100℃)。
酸化シリコン膜上に酸化物半導体膜12としてIn:Ga:Zn=3:1:2[原子数比]の酸化物ターゲットを用いたスパッタリング法により、膜厚10nmのIGZO膜を形成した(成膜条件:アルゴンおよび酸素(アルゴン:酸素=30sccm:15sccm)雰囲気下、圧力0.4Pa、電源電力0.5kW、基板温度200℃)。
次に、ドライエッチング法により、酸化物半導体膜12をエッチングした(エッチング条件:エッチングガス(BCl3:Cl2=60sccm:20sccm)、ICP電源電力450W、バイアス電力100W、圧力1.9Pa)。
次に、CVD法によりゲート絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を20nm成膜した(成膜条件:SiH4:N2O=1sccm:800sccm、圧力40Pa、RF電源電力(電源出力)150W、電源周波数60MHz、シリコン基板とターゲットとの間の距離を28mm、基板温度400℃)。
ゲート絶縁膜上に、スパッタリング法により膜厚30nmの窒化タンタル膜を成膜し(成膜条件:アルゴンおよび窒素(アルゴン:窒素=50sccm:10sccm)雰囲気下、圧力0.6Pa、電源電力1kW、基板温度230℃)、窒化タンタル膜上に、スパッタリング法により膜厚70nmのタングステン膜を成膜した(成膜条件:アルゴン(Ar=100sccm)雰囲気下、圧力2.0Pa、電源電力4kW、基板温度230℃)。
次に、ドライエッチング法により、タングステン膜をエッチングし(エッチング条件:エッチングガス(CF4:Cl2:O2=55sccm:45sccm:55sccm)、ICP電源電力3000W、バイアス電力110W、圧力0.67Pa、基板温度40℃)、窒化タンタル膜をエッチングして(エッチング条件:エッチングガス(Cl2=100sccm)、ICP電源電力2000W、バイアス電力50W、圧力0.67Pa、基板温度40℃)ゲート電極14を形成した。
ゲート電極14上に絶縁膜として、CVD法により窒化酸化シリコン膜を460nm成膜し(成膜条件:SiH4:N2O=1sccm:800sccm、圧力40Pa、RF電源電力(電源出力)150W、電源周波数60MHz、シリコン基板とターゲットとの間の距離を28mm、基板温度400℃)、該窒化酸化シリコン膜に化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)法により研磨処理(研磨条件:硬質ポリウレタン系研磨布、アルカリ性シリカ系スラリー、スラリー温度室温、研磨(ロード)圧0.08MPa、研磨時回転数(テーブル/スピンドル)50rpm/51rpm、研磨時間0.8分)を行い、ゲート電極14上に窒化酸化シリコン膜が100nm残るように窒化酸化シリコン膜を除去した。
次に、レジストマスクを窒化酸化シリコン膜上に形成し、窒化酸化シリコン膜およびゲート絶縁膜をドライエッチング法により、エッチングして(エッチング条件:エッチングガス(CHF3:He:CH4=22.5sccm:127.5sccm:5.5sccm)、ICP電源電力475W、バイアス電力300W、圧力3.5Pa、基板温度70℃)側壁絶縁膜16およびゲート絶縁膜13を形成した。
酸化物半導体膜12、ゲート絶縁膜13、側壁絶縁膜16上に、スパッタリング法により膜厚30nmのタングステン膜を成膜した(成膜条件:アルゴン(Ar=10sccm)雰囲気下、圧力0.8Pa、電源電力1kW、基板温度230℃)。
次に、ドライエッチング法により、タングステン膜をエッチングした(エッチング条件:エッチングガス(CF4:Cl2:O2=55sccm:45sccm:55sccm)、ICP電源電力3000W、バイアス電力110W、圧力0.67Pa、基板温度40℃)。
次に、島状のタングステン膜上にスパッタリング法により酸化アルミニウム膜を70nm成膜した(成膜条件:アルゴンおよび窒素(アルゴン:窒素=25sccm:25sccm)雰囲気下、圧力0.4Pa、電源電力2.5kW、シリコン基板とターゲットとの間の距離を60mm、基板温度250℃)。
さらに、酸化アルミニウム膜上に、CVD法により窒化酸化シリコン膜を460nm成膜した(成膜条件:SiH4:N2O=1sccm:800sccm、圧力40Pa、RF電源電力(電源出力)150W、電源周波数60MHz、シリコン基板とターゲットとの間の距離を28mm、基板温度400℃)。
次に、タングステン膜、酸化アルミニウム膜および窒化酸化シリコン膜に化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)法により研磨処理(研磨条件:硬質ポリウレタン系研磨布、アルカリ性シリカ系スラリー、スラリー温度室温、研磨(ロード)圧0.08MPa、研磨時回転数(テーブル/スピンドル)50rpm/51rpm、研磨時間2分)を行い、側壁絶縁膜16が露出するようにゲート電極14上のタングステン膜、酸化アルミニウム膜および窒化酸化シリコン膜を除去した。
該研磨処理によって、バリア膜19である酸化アルミニウム膜、絶縁膜18である窒化酸化シリコン膜を加工し、タングステン膜を分断し、ソース電極17aおよびドレイン電極17bを形成した。
次に、側壁絶縁膜16、ソース電極17a、ドレイン電極17b、絶縁膜18上に層間絶縁膜として、CVD法により窒化酸化シリコン膜を400nm成膜した。層間絶縁膜形成後酸素雰囲気下で400℃、1時間、熱処理を行った。
次に、絶縁膜18および層間絶縁膜にソース電極17a、ドレイン電極17bに達する開口を形成した。
開口に、スパッタリング法により膜厚300nmのタングステン膜を形成し、該タングステン膜を、エッチングし、配線層を形成した。
配線層上にポリイミド膜を1.5μm形成し、大気中で300℃、1時間、熱処理を行った。
以上の工程で実施例トランジスタを作製した。
実施例トランジスタの端面を切り出し、走査型透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscopy)により、実施例トランジスタの断面観察を行った。本実施例では、STEMは「日立超薄膜評価装置HD−2300」(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。
図31に示すようにソース電極17aおよびドレイン電極17bが研磨処理によって分断されていることが確認できる。ソース電極17aおよびドレイン電極17bはゲート電極14側面に設けられた側壁絶縁膜16の側面に接するように設けられており、本実施例ではソース電極17aおよびドレイン電極17bは、側壁絶縁膜16の側面を側壁絶縁膜16の中間部よりやや低い位置まで覆っている。
なお、図31において、台形を示すゲート電極14の下底の幅は約58nmであり、側壁絶縁膜16とゲート電極14との間のチャネル長方向の幅は約170nmであった。
本実施例トランジスタは、ソース電極17a、ドレイン電極17bをゲート電極14および側壁絶縁膜16上に設けられた導電膜を化学機械研磨処理することによって除去し、導電膜を分断して形成する。
したがって、ソース電極17aまたはドレイン電極17bと酸化物半導体膜12とが接する領域(コンタクト領域)と、ゲート電極14との距離を短くすることができるため、ソース電極17aまたはドレイン電極17bと酸化物半導体膜12とが接する領域(コンタクト領域)、およびゲート電極14間の抵抗が減少し、トランジスタのオン特性を向上させることが可能となる。
以上、本実施例で示すように、微細な構造であっても高い電気特性を有するトランジスタを歩留まりよく提供することができる。また、該トランジスタを含む半導体装置においても、高性能化、高信頼性化、および高生産性化を達成することができる。
本実施例では、実施例1で作製したトランジスタにおいて、ドレイン電圧(Vd:[V])が1V、または0.1Vとし、ゲート電圧(Vg:[V])を−4Vから4Vまで掃引した際の、ドレイン電流(Id:[A])の測定を行った。測定結果を図32に示す。図32において、実線はドレイン電圧(Vd:[V])が1Vのときの測定結果、点線はドレイン電圧(Vd:[V])が0.1Vのときの測定結果であり、横軸はゲート電圧(Vg:[V])、縦軸はドレイン電流(Id:[A])を示す。なお、「ドレイン電圧(Vd:[V])」とは、ソースを基準としたドレインとソースの電位差であり、「ゲート電圧(Vg:[V])」とは、ソースを基準としたゲートとソースの電位差である。
図32に示すように実施例1で作製したトランジスタは、スイッチング素子としての電気特性を示した。ドレイン電圧(Vd:[V])が1Vおよび0.1Vにおいて、−1.03V、−0.84Vと0Vからのシフト値が小さかった。
以上より、本実施例のトランジスタは高い電気的特性を付与されたトランジスタであることが示された。