JP6143411B2 - 多孔性炭素 - Google Patents
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Description
[1]多孔性樹脂構造を形成するための方法であって、細孔形成剤の存在下で、求電子性架橋剤と求核性成分とを縮合させる工程を包含する、方法。
[2]上記[1]に記載の多孔性樹脂構造を形成するための方法であって、ここで、上記求核性成分が、フェノール化合物またはフェノール縮合プレポリマーである、方法。
[3]上記フェノール縮合プレポリマーが、本明細書中に定義されるようなNovolac樹脂である、上記[2]に記載の方法。
[4]上記フェノール化合物が、フェノール、ヒドロキノン、またはレゾルシノールである、上記[2]または[3]に記載の方法。
[5]上記細孔形成剤が、ジオール、ジオールエーテル、環状エステル、置換された環状または直鎖状のアミドもしくはアミノアルコールである、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]前記細孔形成剤が、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノンまたはモノエタノールアミンである、上記[5]に記載の方法。
[7]ポリマー成分の100重量部当り、少なくとも120重量部の細孔形成剤が存在する、上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8]溶液中で実行され、そして上記細孔形成剤がまた溶媒である、上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の方法。
[9]上記溶媒が水とジオールの混合物を含む、上記[8]に記載の方法。
[10]上記溶媒が、上記[6]に記載の細孔形成剤および水の二成分または三成分またはより複雑な混合物を含む、上記[8]に記載の方法。
[11]上記架橋剤が、ホルムアルデヒド、フルフラールまたはヘキサメチレンテトラミンである、上記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の方法。
[12]上記細孔形成剤が、樹脂の形成後に洗浄によって除去される、上記[1]〜[11]のいずれか1項に記載の方法。
[13]上記[1]〜[12]のいずれか1項に記載の方法であって、溶媒としての細孔形成剤中で、Novolacプレポリマーを、改変試薬、架橋剤および触媒の1つ以上と共に溶解する工程によって溶液を得、そして該溶媒を加熱して架橋反応を起こし、固体樹脂を生じる、方法。
[14]固体多孔性重縮合樹脂が、酸触媒または塩基触媒と共に加熱することによって生成される、上記[13]に記載の方法。
[15]上記改変剤が、尿素、アニリンまたは他の芳香族アミンまたはメラミンまたは他のヘテロ芳香族アミンである、上記[13]または[14]のいずれか1項に記載の方法。
[16]上記多孔性樹脂が、ブロックで生成され、次いで粉砕され、そして炭化されて、粒子性炭素を得る、上記[13]〜[15]に記載の方法。
[17]上記反応溶液を、限定された程度の架橋が生じるまで加熱して、部分的に架橋した液体樹脂溶液を生成する、上記[1]〜[11]のいずれか1項に記載の方法。
[18]請求項17]に記載の方法であって、上記化合物は限定された程度の架橋が生じるまで加熱され、そして部分的に架橋した液体が分散剤を含む非混和性液体に注がれ、該混合物は、該部分的に架橋したポリマーがビーズに形成されるまで撹拌され、該ビーズが、混合できない液体から除去されて、樹脂ビーズを形成する、方法。
[19]上記混合できない液体が油である、上記[17]または[18]に記載の方法。
[20]水溶性であるが、分散油中に難溶性である、細孔形成剤が、メソ/マクロ多孔性樹脂生成のために使用される、上記[18]または[19]に記載の方法。
[21]形成される上記メソ多孔性樹脂ビーズの粒子サイズが、5ミクロンと2000ミクロンの間である、上記[18]、[19]または[20]に記載の方法。
[22]ヘテロ原子の分散が、多孔性樹脂構造に組み込まれる、上記[1]〜[21]のいずれかに記載の方法。
[23]上記へテロ原子が金属であり、そして樹脂を架橋する前に、上記細孔形成剤に塩の溶液を添加することによって、上記多孔性樹脂構造中に組み込まれる、上記[22]に記載の方法。
[24]上記ヘテロ原子が非金属であり、そして樹脂を架橋する前に、上記細孔形成剤に該ヘテロ原子を含む有機前駆体を添加することによって、上記多孔性樹脂構造に組み込まれる、上記[22]に記載の方法。
[25]上記ヘテロ原子が非金属であり、そして樹脂を架橋する前に、上記細孔形成剤に該ヘテロ原子を含む無機前駆体を添加することによって、上記多孔性樹脂構造に組み込まれる、上記[22]に記載の方法。
[26]上記多孔性樹脂が多孔性炭素を生成するように炭化される、上記[1]〜[25]のいずれか1項に記載の方法。
[27]炭化が、800℃までの温度で、そして不活性気体の流れ中で行なわれる、上記[26]に記載の方法。
[28]不活性気体が、二酸化炭素、または窒素、またはアルゴンである、上記[27]に記載の方法。
[29]得られた顆粒炭素が、2ミクロン〜2000ミクロンの範囲のサイズを有する不規則な形態の粒子からなる、上記[26]〜[28]に記載の方法。
[30]上記得られた顆粒炭素が、2ミクロン〜1600ミクロンの範囲のサイズを有する球状粒子からなる、上記[26]〜[28]に記載の方法。
[31]上記多孔性炭素が、約2nmと50nmの間(メソ孔)またはそれより大きい(マクロ孔)平均孔サイズを有し、そして約0.6nmと2nmの間の平均孔サイズを有するミクロ孔が存在する、上記[29]または[30]に記載の方法。
[32]上記多孔性炭素が、二酸化炭素または蒸気中で加熱することによって活性化される、上記[26]〜[31]のいずれか1項に記載の方法。
[33]多孔性炭素が、400℃を超える空気中で加熱することによって活性化される、上記[26]〜[31]のいずれか1項に記載の方法。
[34]上記[26]〜[33]のいずれか1項に記載の方法によって作製された多孔性炭素。
[35]上記[1]〜[24]のいずれか1項に記載の方法によって作製されたメソ多孔性フェノール樹脂ビーズ。
[36]5nm〜50nmの平均直径(メソ孔)および50nmより大きい平均直径(マクロ孔)の孔サイズを有する、2ミクロン〜2000ミクロンの直径を有する、フェノール樹脂ビーズ。
[37]2nm〜50nmの平均直径(メソ孔)および50nmより大きい平均直径(マクロ孔)の孔サイズを有する、2ミクロン〜1600ミクロンの直径を有する、多孔性炭素球。
[38]2nm〜50nmの平均直径のメソ孔および50nmより大きい平均直径(マクロ孔)および0.6nm〜2nmの平均直径のミクロ孔を含む孔サイズの混合物が存在する、2ミクロン〜1600ミクロンの直径を有する、多孔性炭素球。
[39]BET表面積が、250〜800m2/gである、上記[37]または[38]に記載の多孔性炭素球。
フェノールホルムアルデヒド縮合プレポリマーは、Novolac樹脂であり得る。Novolac樹脂は、代表的に、およそ等モル量のフェノールおよびホルムアルデヒドの酸触媒縮合によって生成される。Novolacは、通常、平均分子量に依存して100℃以上で融解する熱可塑性固体ポリマーである。これらは、500〜2000Dの分子量を有する基本的に直鎖であり、ここで、フェノール部分は、メチレン(大部分)およびメチレンエーテル架橋で結合され、そして主にヒドロキシル基に対して非置換のオルト位置に1つの求核性活性部位を保有する。また、生成条件に依存して、種々の程度の鎖の分枝が存在し得る。
1.ヒドロキノンおよびレゾルシノール。共にフェノールよりも反応性であり、そしてプレポリマー生成段階においていくつかの架橋を生じ得る。異なる架橋経路を提供するために、架橋段階においてこれらの化合物を導入することはまた可能である。これらはまた、樹脂の酸素官能性を増加する。
細孔形成剤として使用され得る、多数の溶媒が存在する。これらの溶媒に対する主要な要件は、以下である:溶媒への反応成分の高い溶解度/適合性;プレポリマー/架橋剤/溶媒の溶液の、使用可能な粘度(これは例えば、受容不可能に高い粘度を与えるグリセロールを本質的に排除する);重縮合反応を溶媒の有意な蒸発なしに合理的な速度で実施するための、合理的に高い沸点。
本発明において使用される第1の架橋剤は、ホルムアルデヒド、フルフラールおよびヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミン)である。ホルムアルデヒドは、細孔形成剤中の溶液でかまたは固体パラホルムアルデヒド(CH2O)xとしてかのいずれかで、導入される。ホルムアルデヒドは、フェノール性部分と架橋して、−CH2−架橋および−CH2−O−CH2−架橋を、反応混合物のpHに依存する比で形成する。メチレン架橋は、強酸および強アルカリの媒体中で形成される唯一の架橋であり、一方で中性に近いpHにおいては、いずれかの型の架橋が出現する。水が、化学量論的な第2の縮合生成物として、形成される架橋の型に依存するレベルで形成される。メチレン架橋の場合には1モルのホルムアルデヒドあたり1モル、またはエーテル架橋の場合には2モルのCH2Oあたり1モルのH2Oである。次いで、「縮合」水は、この水を含む細孔形成剤と樹脂ドメインとの適合性を、使用される細孔形成溶媒に依存して低下させることによって、相分離およびメソ細孔形成プロセスに影響を与え得る。
本発明において使用され得る改変剤のほとんどは、窒素を含み、従って、この窒素を、樹脂および従って最終の炭素に導入する。これらの共通の特徴は、それらの縮合反応における反応性であり、これは、フェノールとNovolac樹脂との反応性より高い。これらの化合物が比較的少量で(フェノール成分の5〜30重量%)添加された場合に縮合プロセスに関与する、少なくとも以下の3つの区別可能な様式が存在する:
1.Novolac−第1の架橋剤−改変剤の反応系。ここでは、改変剤が第1の架橋剤と迅速に反応して、第2の架橋剤を形成し、次いでこの第2の架橋剤が、Novolac鎖を一緒に結合させる。その結果、ホモ縮合したフェノールホルムアミド鎖からなる樹脂が、窒素含有基形成(またはレゾルシノールもしくはヒドロキノン由来の部分)で架橋される。
純粋な触媒効果(例えば、反応速度を増加させることおよび反応経路を変化させること)に加えて、強い酸およびアルカリは、フェノレートの形成(アルカリについて)またはプロトン化(酸について)に起因して、極性細孔形成剤中における、成長する樹脂鎖の溶解度および適合性ならびに凝集を劇的に増強する。高すぎる触媒濃度もまた、いくつかの所望でない反応(例えば、アミドおよびエステル細孔形成剤の分解、アルデヒドの不均化(アルカリにより触媒されるカニッッツァーロ反応)、(触媒としての硫酸による)スルホン化に起因する、ベンゼン環の活性部位のブロッキング)の増強を生じ得る。低すぎる触媒濃度は、縮合反応を有意に遅くするのみでなく、多孔性の劣化をもまた生じ得る。
ヘテロ原子が樹脂構造に組み込まれ得ることもまたわかった。銅、ニッケル、クロムなどの金属は、この金属を塩の溶液として細孔形成溶媒中に組み込み、その後、樹脂を架橋させることによって、多孔性樹脂構造に組み込まれ得、そして非金属およびメタロイドは、メソ細孔を有する樹脂に、そして従ってメソ細孔を有する炭素に、直接組み込まれ得る。無機化合物が細孔形成剤に可溶性である場合には、この化合物は最初の反応溶液に直接添加され得る。次いで、調製手順が、通常の様式で実施される。次いで、金属種は、樹脂マトリックス内に均一に分配される。いくつかの場合には、元素がフェノール系樹脂のヒドロキシ基またはアミノ基と錯体を形成するか、またはこれらとの他の何らかの相互作用を有する能力は、最初の分配を原子レベルで増強する。次いで、高度に分散された元素を樹脂に組み込むことによって、熱分解の間に形成する炭素におけるその元素の高度な分散がもたらされる。
任意の物理的形態および形状の多孔性樹脂の、本発明の多孔性炭素への変換は、炭化(すなわち、不活性雰囲気中での高温での処理および約600℃から上の温度での処理)によって、実施される。熱分解プロセスは、約400℃で開始し、そして約700℃でほぼ完了するが、さらに小さな重量損失が、約1400℃まで続く。しかし、表面積の発生は、約600℃より高温でのみ有意であり、この時点で、この材料は厳密には炭素ではない。有意な導電率の発生は、700℃より高温でのみ観察される。熱分解のための不活性雰囲気は、適切なガス流によって保証され得る。窒素およびアルゴンが、任意の温度において不活性なパージガスとして使用され得、一方で触媒金属の非存在下では、約800℃まで、二酸化炭素が効果的に不活性である。減圧もまた使用され得るが、これは分子ふるいの挙動の発生を導き得る。これらの材料におけるメソ細孔(これらは、揮発性生成物に効果的な逃げ道を提供する)の存在に起因して、使用される加熱速度は非常に高く、1分間あたり10℃までであり得る。炭素の多孔性は、従来の活性化方法(例えば、水蒸気中750℃より高温で、または二酸化炭素中800℃より高温で活性化させることによる)によって、さらに増強され得、これは、BET5点方法によって測定した場合に、2000m2/gまでの表面積を与え得る。二酸化炭素での、850から900℃の範囲の温度での「物理的」活性化は、優先的にミクロ細孔を生じ、一方で420〜450℃での空気による活性化は、メソ細孔のサイズおよび容積を、例えばもとの炭素においてと同じ細孔サイズおよび範囲に、かなり増強する。
94重量部のフェノール、54重量部のパラホルムアルデヒド(PF)(フェノール対ホルムアルデヒドのモル比1:1.8)、特定の量のエチレングリコール(EG)細孔形成剤および濃硫酸(SA)を含む反応混合物を、攪拌しながら特定の縮合温度(パラホルムアルデヒドは、約60℃で完全に溶解する)まで加熱し、そしてこの温度で特定の滞留時間維持した(表1−1)。
94重量部のフェノール、特定の量のアニリン(A)、エチレングリコール細孔形成剤、パラホルムアルデヒドおよび濃硫酸を含む反応混合物を、攪拌しながら特定の縮合温度(完全なパラホルムアルデヒドの溶解は約60℃で起こる)まで加熱し、そして特定の滞留時間この温度に維持した(表2−1を参照のこと)。
100重量部の量の工業用Novalac樹脂を、上昇した温度で、特定の量のエチレングリコール細孔形成剤(表3−1を参照のこと)と一緒に、かつ透明な溶液の形成を増強するために攪拌しながら混合し、次いでこれを65〜70℃にまで冷却し、ここで、9重量部の量のヘキサミン(HA)を添加した。得られた攪拌混合物を、特定の滞留時間で特定の温度に達するような速度で徐々に加熱した(表3−1を参照のこと)。
100重量部の量の工業的Novolac樹脂(N)を、上昇した温度で、特定量のエチレングリコール細孔形成剤(EG)(表4−1を参照のこと)と一緒に、かつ透明な溶液の形成を増強するために攪拌しながら混合し、次いでこれを65〜70℃にまで冷却し、ここで、特定量のヘキサミン(HA)および改変剤(MA)−アニリン(A)または尿素(U)を添加した。
図4および表4−2において、炭素3.5のものと比較する。
327重量部の特定の細孔形成剤(表5−1を参照のこと)中の、100重量部の工業的Novolac樹脂の透明溶液を、65〜70℃にまで加熱し、ここで、9重量部のヘキサミンを添加した。得られた反応混合物を、75〜80分で105〜107℃の最終縮合温度に達するように、攪拌しながら徐々に加熱した。
100重量部の工業的Novolac樹脂、12重量部のヘキサミン、7重量部の無水硫酸銅(II)、190.4重量部のエチレングリコールおよび33.6重量部のモノエタノールアミン(触媒および細孔形成剤)を含む反応溶液を、35〜40分で60℃から100℃まで、徐々に加熱した。次いで、粘性溶液を、0.5%の乾性油を含む、攪拌された、予め加熱された(115〜120℃)鉱油中に、ストリームとして注いだ。得られた乳濁物の温度を110〜112℃に最初に下げた後、さらなる加熱を、1分当たり0.5℃の速度で150℃まで適用した。通常、架橋は115〜120℃で生じた。樹脂ビーズの処理は、実施例3〜6と同じであった。図7および表7は、細孔サイズ分布、ならびにこの樹脂に由来し、かつ微細に分散した銅の約5重量%を含む炭素のいくつかの構造的パラメーターを示す。炭素7.1を、流動二酸化炭素中で800℃で樹脂を加熱処理することによって調製した。炭素7.2を、流動窒素中で800℃で樹脂を加熱処理することによって調製した。
100重量部の量の工業用Novalac樹脂を、上昇した温度で、327gのエチレングリコールと一緒に、かつ透明な溶液の形成を増強するために攪拌しながら混合し、次いでこれを65℃にまで冷却し、ここで、9重量部の量のヘキサミンを添加した。得られた攪拌混合物を、ヘキサミンの溶解を確実にするためにのみ70℃まで短時間加熱し、0.5%の乾性油を含む攪拌された、予め加熱された(190℃)鉱油の3容量中にストリームとして注いだ。得られた乳濁物の温度を160℃に下がると、ほとんど直後に(1分未満で)架橋が生じた。反応混合物の温度を、15分で175℃にまで上げ、硬化を完了した。冷却後、樹脂ビーズを濾過して油分を除き、実施例3と類似の方法でさらに処理した。細孔サイズ分布グラフ、および得られた樹脂から生成される、厳しい条件下で架橋された炭素(炭素8、800℃、二酸化炭素)のいくつかの構造的パラメーターを、組成的に類似した樹脂に由来するが、穏やかな条件下(実施例3、7)で架橋された炭素(炭素3〜7)の対応する特性と、図8において比較する。
100重量部の量の工業用Novalac樹脂を、上昇した温度で、236重量部のエチレングリコールと一緒に、かつ透明な溶液の形成を増強するために攪拌しながら混合し、次いでこれを65℃にまで冷却し、ここで、3重量部の量のヘキサミンおよび15重量部の量のフルフラールを添加した。得られた攪拌混合物を、1時間で110℃に達するように徐々に加熱し、そして粘性溶液を、0.5%の乾性油を含む攪拌された、予め加熱された(120℃)油の3容量中にストリームとして注いだ。さらなる加熱によって、硬化は、140〜145℃で(15〜20分で)生じた。硬化を完了させるためのさらなる加熱(155℃まで20分で)および冷却後、樹脂ビーズを濾過して除き、そして実施例3〜6に記載のように処理した。対応する炭素の多孔性パラメーターを、図9に示す。
100重量部の量の工業用Novalac樹脂を、上昇した温度で、218重量部のエチレングリコールと一緒に、かつ透明な溶液の形成を増強するために攪拌しながら混合し、次いでこれを65〜70℃にまで冷却し、ここで、9重量部の量のヘキサミン(HA)を添加した。得られた攪拌混合物を、70分で95〜97℃に達するような速度で徐々に加熱した。次いで、熱粘性溶液を、不活性材料から作製されるかまたは不活性材料によって裏打ちされたかのいずれかである浅いトレイ(例えば、PyrexTMガラスまたはPTFEフィルムで裏打ちされた金属)に注ぎ、このトレイを、続いて、細孔形成剤の喪失を最小化するために密封した。トレイを、適切な予め加熱した(100℃)オーブン中に配置した。オーブン内の温度を、1時間で150℃まで徐々に上昇させ、そしてもう1時間このレベルで維持した。冷却後、得られた固体ブロック樹脂を粉砕して、最大サイズ1cmの粒子を得た。粉砕した樹脂を、熱水で数回洗浄し、そして空気中で80〜100℃で乾燥させた。乾燥樹脂を粉末化し、分類し、そして通常の方法で炭化して、所望の粒子サイズであるが不規則な粒子形状のメソ細孔性の炭素を生成し得る。この樹脂が、洗浄なしで、粉砕後直接炭化される場合、得られた炭素のメソ細孔性は、実質的に減少する。細孔サイズ分布グラフならびに樹脂および炭化材料(800℃、二酸化炭素流動)の両方のいくつかの構造的パラメーターを、図10に示す。類似の手順を、本発明のすべての他の樹脂をブロックで調製するために適用し得る。
100重量部の工業的Novolac樹脂、9重量部のヘキサミン、20重量部のホウ酸および258重量部のエチレングリコールからなる反応溶液を、45分で70℃から100℃まで加熱した。得られた粘性溶液を、0.5%の乾性油を含む攪拌された、予め加熱された(105℃)油の3容量中にストリームとして注いだ。さらなる加熱によって、硬化は、110℃辺りで生じた。さらなる加熱を、硬化を完了するために、30分で160℃まで適用した。樹脂ビーズを濾過して除いた後、炭化の前のさらなる処理を、以下の3つの異なる方法で適用する:
1.全く処理しない。
2.熱水で数回洗浄する。
3.Soxhlett装置において、エーテルで抽出する。
得られた炭素11.1〜11.3の細孔サイズ分布グラフおよび他のパラメーターを、図11および表11において比較する。
100重量部の工業的Novolac樹脂(N)、27.54重量部のメラミン(M)、26.18重量部のパラホルムアルデヒド(PF)および140.68重量部のエチレングリコール(EG)から作製された194.4重量部の透明溶液、ならびにさらなる特定量のエチレングリコール(EG)を含む溶液(表12−1)を、ガラストレイに配置し、密封し、予め加熱されたオーブン中に配置し、そして140±5℃で15時間維持したが、ゲル化は、最初の2〜3時間で生じた。冷却後、ブロックの樹脂を実施例10のようにさらに処理した。細孔サイズ分布グラフならびに樹脂および炭化材料(800℃、二酸化炭素流動)の両方のいくつかの構造的パラメーターを、図12a、12bおよび表12−2に示す。
100重量部の量の工業的Novolac樹脂(N)を、特定量のエチレングリコール(EG)中に溶解させた。30重量部のEG中の10重量部のレゾルシノール(R)またはヒドロキノン(Hq)の溶液を、12重量部のヘキサミン(HA)と一緒に、Novolac溶液に添加した。得られた反応溶液を、特定の時間で特定の温度まで加熱し(表13−1)、0.5%の乾性油を含む攪拌熱油(120℃)中に注ぎ、そして実施例3〜6に記載のようにさらに処理した。このように得られた樹脂に由来する炭素の特性を、図13および表13−2において、炭素3.2および3.4の特性と比較する。
Claims (5)
- 多孔性炭素であって、
窒素吸着法で測定されるミクロ孔及びメソ孔を含む多孔性構造を有し、
前記多孔性構造が、2〜10nmのサイズの孔が少ない二峰性の分布を示し、
前記メソ孔が、孔形成溶媒中で架橋した前駆体樹脂の相分離による構造であり、
前記ミクロ孔が、メソ孔を有する前記前駆体樹脂の炭化による構造である、
多孔性炭素。 - 不活性であり、250〜800m2/gのBET表面積を有する、請求項1に記載の多孔性炭素。
- 活性化されており、800〜2000m2/gのBET表面積を有する、請求項1に記載の多孔性炭素。
- 粉末の形態である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔性炭素。
- ビーズの形態である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔性炭素。
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