JP5225573B2 - 多気泡質球状フェノール樹脂の製造方法、多気泡質球状フェノール樹脂、導電性球状粒子、フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、二次電池用電極、電極用炭素材料、電気二重層キャパシタ分極性電極 - Google Patents

多気泡質球状フェノール樹脂の製造方法、多気泡質球状フェノール樹脂、導電性球状粒子、フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、二次電池用電極、電極用炭素材料、電気二重層キャパシタ分極性電極 Download PDF

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Description

本発明は、多気泡質球状フェノール樹脂の製造方法及びこの製造方法で得た多気泡質球状フェノール樹脂に関するものであり、またこの多気泡質球状フェノール樹脂を用いた導電性球状粒子、フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、電極用炭素材料、二次電池用電極、電気二重層キャパシタ用電極に関するものである。
本出願人は従前に、フェノール類とアルデヒド類とを、分散剤及び核物質の存在下で縮合反応させることによって、核物質の回りに縮合反応物が凝集した、球状フェノール樹脂が得られることを見出している(特許文献1参照)。
特許文献1の発明は、フェノール類とアルデヒド類とを分散剤及び核物質の存在下、85℃前後の温度で反応させるようにしたものであり、フェノール類とアルデヒド類との縮合反応物が核物質の回りにじっくりと凝集されながら成長していくことによって、球状のフェノール樹脂を得ることができるものである。
また最近では、特許文献1で提供された発明と同様な方法で球状のフェノール樹脂を製造することが種々提案されており、例えば特許文献2には、フェノール類とアルデヒド類とを、乳化分散剤及び縮合反応触媒の存在下、高温高圧下に縮合反応させることによって、球状フェノール樹脂を製造することが提案されている。
一方、電気回路の電極の接続において、例えば半導体チップとこれを搭載する回路基板との間の接続の方法の一つとして、球状のハンダボールを用いたBGA(ボールグリッドアレイ)などがある。しかしハンダボールは亀裂が入って導通不良を起こすおそれがある等の問題があるので、ハンダボールのかわりに、樹脂からなる球状粒子の表面をハンダ等の金属層で被覆して形成した導電性粒子を用いることが提案されている(例えば特許文献3等参照)。
そしてこの球状樹脂粒子として、上記の特許文献1,2などの方法で製造された球状フェノール樹脂を用いることが検討されている。特許文献1,2などの方法では、真球の形態の球状フェノール樹脂を容易に製造することができるので、寸法精度の高い導電性粒子を得ることができるものである。
特開昭63−48320号公報 特開2001−114852号公報 特開2004−260094号公報
上記のように球状粒子の表面を金属層で被覆した導電性球状粒子をハンダボールの代わりに用いてBGA接続を行なうにあたっては、導電性球状粒子を半導体チップと回路基板との間に配置して、所定の圧力で加圧しながら加熱することによって行なわれる。しかしながら、特許文献1,2などの方法で製造された球状フェノール樹脂は、圧縮力を受けたときに破壊に至るまでに生じる塑性流動が小さく、弾性変形や塑性変形が小さいため、脆性破壊が生じやすく、また圧縮後の復元力が十分ではない。このため、BGA接続する際の加圧で導電性球状粒子が圧縮されると、破壊され易く、また加圧を解除した後に十分復元することができずに接続が剥がれることがあり、導通不良が発生するおそれがあるという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、圧縮に対する耐破壊性や、圧縮後の復元性が高い多気泡質球状フェノール樹脂及びその製造方法を提供することを目的とするものであり、また導通信頼性の高いBGA接続を行なうことができる導電性球状粒子を提供することを目的とするものである。さらにこの多気泡質球状フェノール樹脂を用いた、性能の高い多気泡質球状フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、二次電池用電極、電極用炭素材料、電気二重層キャパシタ分極性電極を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る多気泡質球状フェノール樹脂の製造方法は、フェノール類とアルデヒド類とを分散剤の存在下、水中に分散させ、アンモニア、第1級アミン又は第2級アミンの基を含有するアミン化合物、加熱することによって分解して第1級又は第2級アミンを生成するアミン化合物から選ばれるアミン系化合物を反応触媒として、常圧下・水の沸騰還流下の条件で反応させることによって、球状フェノール樹脂を調製し、この球状フェノール樹脂を200〜350℃の雰囲気下で熱処理して、多気泡化させることを特徴とするものである。
この発明によれば、常圧・水の沸騰還流の条件下で反応させることによって、空気や水の沸騰によるガスを巻き込んだ状態で反応させることができ、気泡を多く含んだ球状フェノール樹脂を調製することができるものであり、また球状フェノール樹脂を200〜350℃の雰囲気下で熱処理することによって、反応触媒のアミン系化合物に起因するN結合が切断・分解され、その一部がガスとして揮散する際に気泡が生成されて、多気泡質の球状フェノール樹脂を製造することができるものである。そしてこのように球状フェノール樹脂は多気泡質であるため、圧縮によって弾性変形し易く、圧縮に対する耐破壊性や、圧縮後の復元性が高くなるものである。
また、反応触媒として使用するアミン系化合物の使用量は、フェノール類100質量部に対して0.5〜25質量部であることを特徴とするものである。
この発明によれば、窒素成分量の多い球状フェノール樹脂を調製することができるものであり、この球状フェノール樹脂を熱処理する際の気泡生成量が多くなり、多気泡質の球状フェノール樹脂を得ることができるものである。
また請求項の発明は、請求項において、常圧下・水の沸騰還流下の条件で反応して得られた球状フェノール樹脂は、窒素成分量が0.2質量%以上であることを特徴とするものである。
この発明によれば、球状フェノール樹脂を熱処理する際の気泡生成量が多くなり、多気泡質の球状フェノール樹脂を得ることができるものである。
本発明の請求項に係る多気泡質球状フェノール樹脂は、請求項1又は2に記載の製造方法で得られたことを特徴とするものである。
この発明によれば、多気泡質球状フェノール樹脂は上記のように多くの気泡を含むため、圧縮によって弾性変形し易くなり、圧縮に対する耐破壊性や、圧縮後の復元性が高いものである。
また請求項の発明は、請求項において、気泡の含有率が3〜30体積%であることを特徴とするものである。
この発明によれば、気泡によって、弾性変形し易くなり、圧縮に対する耐破壊性や、圧縮後の復元性が高いものである。
また請求項の発明は、請求項3又は4において、圧縮した際に破壊に至るまでの変形率が3%以上であることを特徴とするものであり、圧縮に対する耐破壊性が高いものである。
また請求項の発明は、請求項3乃至5のいずれかにおいて、破壊に至る変形率の90%まで圧縮した後、圧縮を解除したときの復元率が80%以上であることを特徴とするものであり、圧縮後の復元性が高いものである。
本発明の請求項に係る導電性球状粒子は、請求項3乃至6のいずれかに記載の多気泡質球状フェノール樹脂の表面に導電層を被覆して成ること特徴とするものである。
この発明によれば、上記のように多気泡質球状フェノール樹脂は圧縮によって弾性変形し易く、圧縮に対する耐破壊性や、圧縮後の復元性が高いものであり、導通信頼性の高いBGA接続を行なうことができるものである。
また請求項の発明は、請求項において、導電層は少なくとも最外周部が350℃以下の温度で溶融することを特徴とするものであり、低い加熱温度でBGA接続を行なうことができるものである。
また請求項の発明は、請求項7又は8において、直径が1000μm以下であることを特徴とするものであり、導電性球状粒子は粒径が小さく、高密度実装が可能になるものである。
本発明の請求項10に係るフェノール樹脂炭化材料は、請求項3乃至6のいずれかに記載の多気泡質球状フェノール樹脂が、非酸化性雰囲気下で熱処理して炭化されたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、多気泡質球状フェノール樹脂を炭化して炭化材料とすることによって、導電性フィラーや、電極材料などの用途に使用することができるものである。
本発明の請求項11に係る導電性樹脂組成物は、請求項10に記載のフェノール樹脂炭化材料を、導電性フィラーとして樹脂に配合して成ることを特徴とするものである。
この発明によれば、フェノール樹脂炭化材料を導電性フィラーとして用いて、導電性に優れた成形品などを成形することができるものである。
本発明の請求項12に係る二次電池用電極は、請求項10に記載のフェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とするものである。
この発明によれば、フェノール樹脂炭化材料を用いて電極特性の優れた電極を形成することができるものである。
本発明の請求項13に係る電極用炭素材料は、請求項10に記載のフェノール樹脂炭化材料が賦活処理されたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、フェノール樹脂炭化材料を賦活処理することによって比表面積や細孔容積を大きくすることができ、電極特性の優れた電極を形成することができるものである。
本発明の請求項14に係る電気二重層キャパシタ分極性電極は、請求項10に記載のフェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とするものである。
この発明によれば、フェノール樹脂炭化材料を用いて電極特性の優れた電気二重層キャパシタ分極性電極を形成することができるものである。
本発明の請求項15に係る電気二重層キャパシタ分極性電極は、請求項13に記載の電極用炭素材料を電極材料として形成されたことを特徴とするものである。
この発明によれば、賦活処理して比表面積や細孔容積を大きくしたフェノール樹脂炭化材料を用いることによって、放・充電容量の高い電気二重層キャパシタ分極性電極を形成することができるものである。
本発明によれば、多気泡質で、圧縮によって弾性変形し易く、圧縮に対する耐破壊性や、圧縮後の復元性が高い球状フェノール樹脂を製造することができるものであり、この多気泡質球状フェノール樹脂を用いて、導通信頼性の高いBGA接続を行なうことができる導電性球状粒子を得ることができるものである。またこの多気泡質球状フェノール樹脂を、炭化材料、導電性樹脂組成物、電極用炭素材料、二次電池用電極、電気二重層キャパシタ分極性電極など多様な用途に用いることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の多気泡質球状フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを分散剤の存在下、水中に分散させ、アミン系化合物を反応触媒として、常圧・水の沸騰還流の条件下で反応させることによって、球状フェノール樹脂を調製し、さらにこの球状フェノール樹脂を200〜350℃の雰囲気下で熱処理することによって製造することができるものである。
上記の反応に使用するフェノール類としては、フェノールの他にフェノールの誘導体を用いることができる。フェノールの誘導体としては、例えばm−クレゾール、レゾルシノール、3,5−キシレノールなどの3官能性のもの、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルメタンなどの4官能性のもの、o−クレゾール、p−クレゾール、p−ter−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−又は2,6−キシレノールなどの2官能性のo−又はp−置換のフェノール類などを挙げることができ、さらに塩素又は臭素で置換されたハロゲン化フェノールなどを用いることもできる。フェノール類としてはこれらから1種を選択して用いる他、複数種のものを混合して用いることもできる。
また上記の反応に使用するアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドの水溶液の形態であるホルマリンが最適であるが、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサンのような形態のものを用いることもでき、その他アルデヒドの一部あるいは大部分をフルフラールやフルフリルアルコールに置き換えたものを用いることも可能である。
さらに上記の反応に使用する反応触媒のアミン系化合物としては、アンモニア、第1級アミン(第一アミン)又は第2級アミン(第二アミン)の基を含有するアミン化合物、加熱することによって分解して第1級又は第2級アミンを生成するアミン化合物から選ばれるものを一種以上用いることができる。これらのアミン系化合物としては、特に限定されるものではないがアンモニアの他に、ヘキサメチレンテトラミン、メチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロペレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノジメチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキスピロ(5,5)ウンデカン、キシレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタンなどを挙げることができる。
また分散剤は、一種の乳化剤として作用するものであり、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール、ニカワ、グアーゴム、タラガム、ガッテガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、可溶化でんぷん、寒天、アルギン酸ソーダなどを挙げることができ、これらのうちから一種単独で、あるいは複数種を併用して使用することができる。これらの中でも、アラビアゴム、タラガム、ポリビニルアルコールを好ましく用いることができる。
上記の各成分の配合するにあたって、フェノール類1モルに対してアルデヒド類1.0〜3.0モルの範囲になるように、フェノール類に対するアルデヒド類の配合量を設定するのが好ましい。
また反応触媒の配合量は、反応触媒の種類によって大きく異なるが、フェノール類に対して0.5〜25質量%の範囲が好ましい。反応触媒の配合量がフェノール類に対して0.5質量%未満であってもフェノール類とアルデヒド類の縮合反応には問題はないものの、反応生成物に取り込まれる窒素の量が少なくなり、後述のように球状フェノール樹脂を熱処理して完全硬化させる際の気泡の生成が不十分になる。また反応触媒の配合量が25質量%を超えると、気泡生成のためには良い方向ではあるものの、縮合反応が速くなり過ぎて制御することが困難になると共に、反応に寄与せず反応液中にそのまま残留するものが多くなるため、経済的にも好ましくない。
さらに分散剤の添加量は、分散剤が有する乳化効果によって大きく異なり、特に限定されるものではないが、フェノール類に対して0.1〜10.0質量%の範囲が好ましく、特に0.5〜7.0質量%の範囲がより好ましい。
そして反応は、上記の各成分を攪拌するに足る水中に添加して分散させ、常圧(大気圧)下、100℃近辺の水の沸騰温度の還流下で、攪拌しつつ行なわれるものである。反応の初期では反応液は透明であるが、フェノール類とアルデヒド類の付加縮合反応が進むと縮合反応物が系中の水分と分離し始め、これが分散剤の作用で凝集して球状になり、反応系中に析出する。そして所望する程度に反応を進めた後に、冷却し、攪拌を停止すると、反応系の水中で沈降し、水と分離する。このように沈降した材料は微小球形の含水粒状物となっているが、ろ過することによって容易に水から分離することができるものであり、これを乾燥することによって、球状のフェノール樹脂を得ることができるものである。ここで反応は、生成される球状フェノール樹脂を後述のように熱処理する際に、球状フェノール樹脂同士が融着して塊状にならない不溶不融状態になるまで、球状フェノール樹脂を硬化させるように進行させるものである。
またこのように、反応を常圧・沸騰還流下の条件で行なうことによって、フェノール類とアルデヒド類は急激に反応して付加反応すると同時に縮合反応し、球状を保持したまま球状フェノール樹脂を不溶不融状態まで硬化させることができるものである。そして球状フェノール樹脂には、急激な反応で生成される水や、攪拌や沸騰で巻き込まれた空気や水がガスの状態で球状フェノール樹脂中に残存し、球状フェノール樹脂中には気泡が多く含まれることになる。既述の特許文献1のように85℃前後の低い反応温度条件や、特許文献2のように高圧条件で反応を行なった場合には、気泡を多く含んだ球状フェノール樹脂を得ることはできない。
次に、この殆ど硬化した球状フェノール樹脂を完全な不溶不融状態になるまで完全硬化させるため、球状フェノール樹脂を熱処理する。熱処理の温度は100〜350℃の範囲に設定されるものであり、200℃以上が特に好ましい。熱処理の時間は特に限定されるものではないが、0.5〜10時間の範囲が好ましい。そしてこのように球状フェノール樹脂を熱処理することによって、反応触媒のアミン系化合物に起因する化学式(1)のような熱に不安定なN結合が切断され、その一部が分解して窒素ガスとなって揮散し、球状フェノール樹脂中の気泡がさらに増加する。このようにして、本発明に係る多気泡質球状フェノール樹脂を得ることができるものである。
ここで、熱処理によってN結合を切断して気泡を増加させるために、上記の反応で得られる球状フェノール樹脂中に含まれる窒素成分量は0.2質量%以上であることが望ましい。窒素成分量が0.2質量%未満であると、熱処理によって気泡を増加させる効果を十分に得ることができない。球状フェノール樹脂中の窒素成分量は、反応の際に添加する反応触媒のアミン系化合物の添加量で調整することができるものである。球状フェノール樹脂中の窒素成分量の上限は特に設定されないが、反応触媒として添加するアミン系化合物の添加量に限界があるので、通常は15質量%程度が上限である。
上記のようにして製造される多気泡質球状フェノール樹脂は、内部に多く含まれる気泡によって多孔質になっているため、圧縮加重を受けたとき、弾性変形が生じ易く変形能が大きいものであり、脆性破壊が生じ難いと共に、圧縮加重を解除した後の弾性復元力も大きいものである。特に、本発明による多気泡質球状フェノール樹脂中に含まれる気泡は殆どが独立気泡であるのため、大きな弾性復元力を有するものである。また反応触媒のアミン系化合物に起因して化学式(2)のような結合が分子中にあるものは、化学式(3)の結合のものよりも、フェノール環を繋いでいる鎖が長くなるため、変形能も大きいものである。
図1は、上記のようにして得た多気泡質球状フェノール樹脂を用いて作製した導電性球状粒子Aの一例を示すものであり、多気泡質球状フェノール樹脂を球状コア1とし、この球状コア1の外周面に導電層2を被覆して導電性球状粒子Aを形成するようにしてある。導電層2は一層もしくは複数層の金属材料から形成されるものであり、導電層2を形成する金属としては、特に限定されるものではないが、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、スズ、アルミニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、クロム、チタン、アンチモン、ビスマスなどや、これらの合金(例えばハンダ)を挙げることができる。
導電層2を複数層2a,2b,2cに形成する場合、最外周部となる最外層2cは350℃以下の温度で溶融する金属で形成されるものである。導電層2が一層で形成される場合には導電層2を350℃以下の温度で溶融する金属で形成することになる。この350℃以下の温度で溶融する金属としては、例えばハンダを用いることができる。溶融温度の下限は特に限定されるものではないが、保管や取り扱い性のうえから150℃程度が下限である。導電層2の厚みは特に限定されるものではなく、球状コア1の大きさによって変化するが、導電層2によって導通信頼性を確保するために、球状コア1の直径寸法に対して0.5〜35%の範囲で且つ、5〜50μmの範囲が好ましい。また導電層2を複数層に形成する場合、350℃以下の温度で溶融する金属で形成される最外層2cの厚みは、接続信頼性を確保するために、2〜35μmの範囲が好ましい。
導電性球状粒子Aの大きさは、特に限定されるものではないが、直径が1000μm以下であることが好ましい。直径が1000μm以下の粒径の小さい導電性球状粒子Aを用いてBGA接続を行なうことによって、高密度実装が可能になるものである。導電性球状粒子Aの直径の下限は特に限定されないが、接続の信頼性の上から、直径は30μm以上であることが好ましい。
上記のように形成される導電性球状粒子Aは、BGA接続などにおいてハンダボールとして使用されるものであり、例えば図2に示すように、半導体素子3の電極4に取り付けて使用される。そして回路基板5に形成した回路の電極6の上に各導電性球状粒子Aを重ねた状態で、回路基板5の上に半導体素子3を配置し、所定圧力で回路基板5に半導体素子3を押さえ付けながら加熱して、導電層2の最外層2cの金属を溶融させることによって、導電性球状粒子Aで半導体素子3の電極4と回路基板5の電極6を接続することができるものである。
ここで、上記のようにBGA接続する際に、導電性球状粒子Aには所定圧力の圧縮力が作用するが、導電性球状粒子Aを構成する球状コア1は多気泡質球状フェノール樹脂で形成されており、圧縮加重を受けても変形しても脆性破壊が生じ難く、また圧縮加重を解除した後の変形からの復元力も大きい。このため、BGA接続する際の加圧で導電性球状粒子Aが破壊されるようなことがなく、導通信頼性が低下することを防ぐことができるものである。またBGA接続の操作を終えて圧力を解除すると、導電性球状粒子Aは変形状態から元の状態に復元するので、復元が不十分な場合のように電極4あるいは電極6から導電性球状粒子Aが離れて、接触不良による導通信頼性が発生することを防ぐことができるものである。
BGA接続する際の圧縮で導電性球状粒子Aが破壊されることを防ぐために、球状コア1を形成する多気泡質球状フェノール樹脂の、圧縮した際に破壊に至るまでの変形率は、3%以上であることが好ましい。変形率は大きい程好ましいが、実質的には30%程度が上限である。ここで、変形率は、
変形率(%)=((圧縮する前の直径−圧縮して破壊したときの圧縮方向での直径)/圧縮する前の直径)×100 …数式(1)
の式から求められるものである。
またBGA接続の際に圧力を解除した後の復元力で導通信頼性を確保するために、球状コア1を形成する多気泡質球状フェノール樹脂の復元率は80%以上であることが好ましい。復元率は大きい程望ましいものであり、復元率の上限は理想的には100%である。ここで復元率は、多気泡質球状フェノール樹脂を破壊に至る変形率の90%まで圧縮した後、5秒後に圧縮を解除したときの復元率をいうものであり、
復元率(%)=(復元後の圧縮方向での直径/圧縮前の直径)×100 …数式(2)
の式から求められるものである。
多気泡質球状フェノール樹脂の変形率や復元率として上記のような数値を得るために、多気泡質球状フェノール樹脂中の気泡の含有率は3体積%以上であることが望ましい。気泡の含有率が大き過ぎると多気泡質球状フェノール樹脂の機械的強度が低くなるので、気泡の含有率は30体積%以下であることが望ましい。
上記のようにして得た多気泡質球状フェノール樹脂は、導電性球状粒子の材料として用いる他に、例えばフィラーなどとして使用することもできる。多気泡質球状フェノール樹脂は真球状の形態を有するために、流動性に優れたフィラーとして使用することができるものである。
またこの多気泡質球状フェノール樹脂を、非酸化性雰囲気で熱処理して、多気泡質球状フェノール樹脂を炭化させることによって、球状のフェノール樹脂炭化材料を得ることができるものである。非酸化性雰囲気は、多気泡質球状フェノール樹脂が酸化されないものであればよく、例えば不活性ガス雰囲気としてアルゴン、ヘリウム、窒素ガスなどの雰囲気に設定することができる。熱処理の条件は、多気泡質球状フェノール樹脂を焼成して炭化するために、400〜3000℃、1〜100時間程度に設定するのが好ましい。
このフェノール樹脂炭化材料は導電性フィラーとして用いることができ、フェノール樹脂炭化材料を樹脂に配合することによって、導電性樹脂組成物を得ることができるものである。フェノール樹脂炭化材料は、多気泡質球状フェノール樹脂の球状の形態をそのまま有するため、流動性に優れた導電性フィラーとして使用することができるものである。
導電性樹脂組成物の樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、液晶ポリマー、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。導電性フィラーとして配合するフェノール樹脂炭化材料の配合量は任意に設定することができるが、質量比で樹脂1に対して、フェノール樹脂炭化材料を0.01〜1.5程度の範囲に設定するのが好ましい。
このように調製される導電性樹脂組成物を射出成形や圧縮成形などの任意の方法で成形することによって、導電性の高い電気・電子機器の部品などを製造することができるものである。
また、上記のように多気泡質球状フェノール樹脂を非酸化性雰囲気で熱処理する際に、多気泡質球状フェノール樹脂は熱に曝されることによって熱分解を起こし、低分子量物質となった分解生成物ガスが揮散し、その抜け跡が空隙となるので、フェノール樹脂炭化材料の粒子には多数の細孔が形成されるものである。さらにこのように熱分解ガスが抜け易いものであるため、その分、多気泡質球状フェノール樹脂の炭化物収率は一般のフェノール樹脂よりも小さく、細孔容積が大きく、また比表面積も大きくなる。このため、フェノール樹脂炭化材料の粒子には活性炭と同様な効果を発揮させることもできるものである。
従って、このフェノール樹脂炭化材料を、リチウムイオン二次電池の負極など二次電池の電極を形成する炭素材料として使用することができるものである。フェノール樹脂炭化材料を電極用炭素材料として用いて、リチウムイオン二次電池の負極などの電極を作製するにあたっては、例えば、フェノール樹脂炭化材料をバインダーと共に溶剤等に分散してスラリー状にし、銅箔等の金属箔にこのスラリーを塗布して乾燥し、プレス成形等することによって行なうことができるものである。
さらに、この電極を分極性電極として用い、電解液の界面で形成される電気二重層を形成する電気二重層キャパシタを形成することができるものである。
このように、本発明のフェノール樹脂炭化材料を用いて二次電池用電極や、電気二重層キャパシタ分極性電極を作製することによって、充・放電容量が高い二次電池や電気二重層キャパシタを得ることができるものである。
ここで、電気二重層キャパシタの分極性電極は、多くのイオンを吸着できるように比表面積の大きい活性炭が電極材料として用いられており、本発明に係るフェノール樹脂炭化材料も既述のように、熱処理して多気泡質球状フェノール樹脂を炭化させることによって活性炭と同じ効果を有する細孔を具備し、大きな比表面積や細孔容積を有している。
しかしこのように多気泡質球状フェノール樹脂の炭化で生成される細孔では、比表面積や細孔容積は十分に大きいものではなく、必ずしも満足できるものではない。そこで本発明では多気泡質球状フェノール樹脂を焼成して得たフェノール樹脂炭化材料を、水蒸気や二酸化炭素等による気相賦活法、溶融水酸化カリウム等による薬液賦活法などにより賦活処理して、フェノール樹脂炭化材料の単位質量当りの比表面積及び細孔容積をさらに大きくし、物理的化学的吸着性能を向上させた電極用炭素材料を製造するようにしている。そしてこの電極用炭素材料で電気二重層キャパシタ分極性電極を作製することによって、充・放電容量が高い電気二重層キャパシタを得ることができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
反応容器に、フェノールを330質量部、37質量%濃度のホルマリンを270質量部、水を400質量部、反応触媒としてヘキサメチレンテトラミンを50質量部仕込み、これを攪拌しながら約60分を要して85℃になるまで昇温し、85℃で1時間反応した。次に分散剤としてアラビアゴムの25質量%水溶液を30質量部加えてから、昇温して常圧下、水の沸騰還流下で4時間反応させた。
反応容器内を冷却した後、ヌッチェで濾別して、球状の生成物を取り出し、バットに載せた紙の上で一週間風乾させることによって、球状フェノール樹脂Aを372g得た。
次に、この球状フェノール樹脂Aをるつぼに入れ、アルミニウム箔で表面を覆い、これを予め200℃に設定した乾燥機に入れて、5時間熱処理をすることによって、多気泡質球状フェノール樹脂を得た。この多孔質気泡球状フェノール樹脂を半分に割った破断面の電子顕微鏡(SEM)写真(150倍)を図3(a)に示す。
(実施例2)
反応触媒としてヘキサメチレンテトラミンの替わりに、25質量%濃度のアンモニア水を98質量部仕込むようにした他は、実施例1と同様にして、球状フェノール樹脂Bを376g得た。そしてこの球状フェノール樹脂Bを実施例1と同様に熱処理することによって、多気泡質球状フェノール樹脂を得た。
(実施例3)
反応触媒としてヘキサメチレンテトラミンの替わりに、トリエチレンテトラミンを52質量部仕込むようにした他は、実施例1と同様にして、球状フェノール樹脂Cを381g得た。そしてこの球状フェノール樹脂Cを実施例1と同様に熱処理することによって、多気泡質球状フェノール樹脂を得た。
(比較例1)
実施例1と同量で、反応容器にフェノール、ホルマリン、ヘキサメチレンテトラミン、アラビアゴムを仕込み、これを攪拌しながら約60分を要して85℃になるまで昇温し、85℃で12時間反応させ。その他は実施例1と同様にして、球状のフェノール樹脂Dを368g得た。そしてこの球状フェノール樹脂Dを実施例1と同様に熱処理した。この球状フェノール樹脂Dを半分に割った破断面の電子顕微鏡(SEM)写真(100倍)を図3(b)に示す。
(比較例2)
反応触媒としてヘキサメチレンテトラミンの替わりに、第3級アミンのトリエチルアミンを20質量部仕込むようにした他は、実施例1と同様にして反応させ、俵状のフェノール樹脂Eを353g得た。そしてこの俵状フェノール樹脂Eを実施例1と同様に熱処理した。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜2で得たフェノール樹脂A〜Eについて、融着点、密度、窒素成分量、粒度分布、変形率、復元率、気泡率を測定した。
融着点の測定はJACT試験法C−1に準拠して行ない、密度の測定はJIS A 1202(1999)に準拠して行なった。
窒素成分量は、(株)柳本製作所製「自己積分型熱伝導度方式MT−5型、C,H,N同時測定装置」により求めた。粒度分布は、試料10gをJIS Z 8801に準拠した標準ふるいにのせ、エアージェットシーブ法によって求めた。
変形率は、フェノール樹脂A〜Eの各粒子の直径をマイクロメータで測定した後、粒子を破断に至るまで圧縮加重をかけ、破断したときの粒子の直径を読み取り、前記の数式(1)により計算を行ない、10個の平均値として求めた。
復元率は、フェノール樹脂A〜Eの各粒子の直径をマイクロメータで測定した後、上記のように求めた変形率の90%まで粒子を圧縮変形させ、5秒後に解圧した後に粒子の直径を再度測定し、前記の数式(2)により計算を行ない、10個の平均値として求めた。
気泡率は、「Plastics Age Encyclopedia 1969」の731頁の付表「主要プラスチックの性能表」によると、フェノール樹脂の比重(密度)は1.30〜1.32であるので、これに従って、次式により求めた。
気泡率(%)={[1.31(g・cm)−測定した密度(g/cm)]/1.31(g/cm)}×100
またフェノール樹脂A〜Eの外観を電子顕微鏡(SEM)によって観察し、さらにフェノール樹脂A〜Eの各粒子を半分に割って破断面をSEMによって観察した。
これらの結果を表1に示す。
また、実施例1〜3で熱処理して得た多気泡質球状フェノール樹脂、及び比較例1,2で熱処理して得たフェノール樹脂の粒子について、かさ比重、粒度分布、変形率、復元率、気泡率を上記と同様にして測定し、また熱処理前に対する熱処理後の重量減少率を測定した。
また実施例1〜3及び比較例1,2の熱処理後の各フェノール樹脂粒子について、外観をSEMによって観察し、粒子を半分に割って破断面をSEMによって観察し、さらに目視によって外観を検査した。
これらの結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1で得た、熱処理済みの直径205μmの多気泡質球状フェノール樹脂の表面に、電解法により0.3μmの厚みでニッケル層を形成し、その表面に無電解法により8μmの厚みで銅層を形成し、さらにその表面に無電解法によりスズを主成分とするハンダ合金層を20μmの厚みで形成し、図1の構造の導電性球状粒子を得た。
(比較例3)
比較例1で得た、熱処理済みの直径163μmの球状フェノール樹脂の表面に、実施例4と同様にしてニッケル層、銅層、ハンダ合金層を形成し、導電性球状粒子を得た。
実施例4や比較例3で得た導電性球状粒子をハンダボールとして用い、図2のようにBGA接続を行なった。このとき、10個の導電性球状粒子を半導体素子と回路基板との間に配置し、回路基板に10個の半導体素子に対して面圧で50gの圧力で押えながら、240℃で30秒間加熱することによってBGA接続を行なった。
そして10個の導電性球状粒子を観察したところ、実施例4のものでは全ての導電性球状粒子に破壊が生じていなかったが、比較例3のものでは2個の導電性球状粒子に破壊が生じていた。また導通性を測定したところ、実施例4のものでは全ての導電性球状粒子に導通不良は生じていなかったが、比較例3のものでは4個の導電性球状粒子に接触不良による導通不良が発生していた。
(実施例5)
実施例1で得た熱処理済みの多気泡質球状フェノール樹脂を、窒素雰囲気下、100℃/hの昇温速度で800℃まで昇温し、800℃で3時間保持する条件で熱処理することによって焼成し、フェノール樹脂炭化材料の球状粒子を得た。このフェノール樹脂炭化材料の収率は50.1質量%であった。
(比較例4)
比較例1で得た熱処理済みの球状フェノール樹脂を用いるようにした他は、実施例5と同様にして焼成し、フェノール樹脂炭化材料の粒子を得た。このフェノール樹脂炭化材料の収率は52.1質量%であった。
(実施例6、比較例5)
上記の実施例5及び比較例4で得た炭化材料を40質量部、ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製「ユピエースAH8」)を60質量部とり、これをドライブレンドした後、ラボテストミルを用いて320℃で均一に溶融混練した。そしてこれを冷却して固化させた後、粉砕することによって、導電性樹脂組成物を得た。
次に、この導電性樹脂組成物を射出成形することによって、縦・横が100mm、厚さ2mmの樹脂成形体を作製した。この樹脂成形体について、抵抗率をJIS K 7194に準拠して測定し、その結果を表3に示す。
表3にみられるように、実施例6のものは抵抗率が小さく、導電性に優れることが確認される。
(実施例7及び比較例6)
実施例5及び比較例4で得た炭化材料3gに、ポリビニリデンフルオライドをN−メチルピロリドンに10質量%溶解させて調製したバインダー3gを加え、これを混合してスラリー状にした。そしてこのスラリーを厚さ20μm、直径12mmの円形の銅箔に塗布し、130℃で10時間真空乾燥した後、減圧下でプレス成形して電極を作製した。
上記の実施例7及び比較例6で得た電極について、充・放電容量を測定した。充・放電容量測定には2電極セルを用いた。対極に金属リチウム、作用極に炭素材料を使用し、セパレータにはポリプロピレン製多孔質膜を用いた。電解液は1モル濃度の過塩素酸リチウムのエチレンカーボネート/ジエチレンカーボネート溶液(50/50質量%)を用いた。そして充・放電は正極、負極間に25mA/gの定電流を流して行ない、両極間の電位差の経時変化を測定することにより放電時間と充電時間を求めた。放電容量は、電流密度が一定であるため電流密度に放電時間又は充電時間を積算することにより求めた。またこの放電を1サイクルとして、20サイクル充・放電を繰り返した後についても、同様に放電容量を求めた。結果を表4に示す。
表4にみられるように、実施例7のものは、放電容量が大きく、また充・放電を繰り返しても放電容量の低下が少なく、電池寿命を延ばすことができることが確認される。
(実施例8及び比較例7)
実施例5及び比較例4得た炭化材料を、水蒸気流量5ml、窒素流量2l/分の流速で流通されるロータリーキルン炉の混合ガス雰囲気下、850℃で2時間処理して賦活し、活性炭を得た。得られた活性炭について、比表面積をQUANTACHROME社製比表面積測定装置「NOVE2000」により、BET多点法で測定し、また充てん密度をJIS K 1474に準拠して測定した。結果を表5に示す。
また、上記のようにして得た活性炭を1質量部とり、活性炭に対して1.0質量%の割合でカーボンナノチューブ(昭和電工(株)製「VGCF−H」)を加えた後に、30質量%濃度の硫酸を1.5質量部含浸して混練し、ペースト状にした。このペースト0.9gを直径30mmの円形の二枚の白金電極にそれぞれ塗付し、ポリプロピレン製セパレータを介して両電極を圧密着することによって、電気二重層キャパシタを製造した。
そしてこの実施例8及び比較例7の電気二重層キャパシタに0.9Vで1時間充電した後、放電電流10mAの放電を行ない、電気二重層キャパシタの電圧が0.54〜0.45Vまで低下するのに要した時間を測定し、単位時間当たりの静電容量である重量静電容量と単位体積当りの静電容量である容量静電容量を求めた。結果を表5に示す。
表5にみられるように、実施例8のものは、比表面積が大きく、静電容量が大きいことが確認される。
本発明に係る導電性球状粒子を示す、拡大した断面図である。 導電性球状粒子をハンダボールとして用いたBGA接続を示す側面図である。 (a)は実施例1の球状フェノール樹脂の破断面のSEM写真(150倍)、(b)は比較例1の球状フェノール樹脂の破断面のSEM写真(100倍)である。
符号の説明
1 多気泡質球状フェノール樹脂を球状コア
2 導電層
A 導電性球状粒子

Claims (15)

  1. フェノール類とアルデヒド類とを分散剤の存在下、水中に分散させ、アンモニア、分子中に第1級アミン又は第2級アミンの基を含有するアミン化合物、加熱することによって分解して第1級又は第2級アミンを生成するアミン化合物から選ばれるアミン系化合物を反応触媒として用いると共にフェノール類100質量部に対して0.5〜25質量部の範囲でこの反応触媒を配合し、常圧下・水の沸騰還流下の条件で反応させることによって、球状フェノール樹脂を調製し、この球状フェノール樹脂を200〜350℃の雰囲気下で熱処理して、多気泡化させることを特徴とする多気泡質球状フェノール樹脂の製造方法。
  2. 常圧下・水の沸騰還流下の条件で反応して得られた球状フェノール樹脂は、窒素成分量が0.2質量%以上であることを特徴とする請求項に記載の多気泡質球状フェノール樹脂の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られたことを特徴とする多気泡質球状フェノール樹脂。
  4. 気泡の含有率が3〜30体積%であることを特徴とする請求項に記載の多気泡質球状フェノール樹脂。
  5. 圧縮した際に破壊に至るまでの変形率が3%以上であることを特徴とする請求項3又は4に記載の多気泡質球状フェノール樹脂。
  6. 破壊に至る変形率の90%まで圧縮した後、圧縮を解除したときの復元率が80%以上であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の多気泡質球状フェノール樹脂。
  7. 請求項3乃至6のいずれかに記載の多気泡質球状フェノール樹脂の表面に導電層を被覆して成ること特徴とする導電性球状粒子。
  8. 導電層は少なくとも最外周部が350℃以下の温度で溶融することを特徴とする請求項に記載の導電性球状粒子。
  9. 直径が1000μm以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の導電性球状粒子。
  10. 請求項3乃至6のいずれかに記載の多気泡質球状フェノール樹脂が、非酸化性雰囲気下で熱処理して炭化されたものであることを特徴とするフェノール樹脂炭化材料。
  11. 請求項10に記載のフェノール樹脂炭化材料を、導電性フィラーとして樹脂に配合して成ることを特徴とする導電性樹脂組成物。
  12. 請求項10に記載のフェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とする二次電池用電極。
  13. 請求項10に記載のフェノール樹脂炭化材料が賦活処理されたものであることを特徴とする電極用炭素材料。
  14. 請求項10に記載のフェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とする電気二重層キャパシタ分極性電極。
  15. 請求項13に記載の電極用炭素材料を電極材料として形成されたことを特徴とする電気二重層キャパシタ分極性電極。
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