JP4963579B2 - 多糖類変性フェノール樹脂、多糖類変性フェノール樹脂の製造方法、レジンコーテッドサンド、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、電極用炭素材料、二次電池用電極、電気二重層キャパシタ分極性電極 - Google Patents

多糖類変性フェノール樹脂、多糖類変性フェノール樹脂の製造方法、レジンコーテッドサンド、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、電極用炭素材料、二次電池用電極、電気二重層キャパシタ分極性電極 Download PDF

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Description

本発明は、多糖類で変性した多糖類変性フェノール樹脂及びその製造方法に関するものであり、またこの多糖類変性フェノール樹脂を用いたレジンコーテッドサンド、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、電極用炭素材料に関するものであり、さらに多糖類変性フェノール樹脂から得た電極用炭素材料で形成される二次電池用電極、電気二重層キャパシタ用電極に関するものである。
本出願人は従前に、セルロースとフェノール類とを反応させることによって、フェノール樹脂と同等の樹脂を得ることができることを見出している(特許文献1参照)。
特許文献1の発明は、セルロースの粉体とフェノール類とを酸の存在下で反応させたものであり、このように反応させて得たフェノール系樹脂はノボラック型に相当するものであって、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤と混合して加熱することによって、硬化させることができるものである。
このように特許文献1のものは、反応を終了して得たフェノール系樹脂は自硬化性を有するものではなく、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を配合して使用する必要があり、用途が制限されることになる。
特開平4−39001号公報
一方、本発明者は、セルロースの代わりに、セルロースと同じ多糖類を用いることを検討しているが、特許文献1と同様にして多糖類とフェノール類とを反応させた場合、分子量が小さく、同様に自硬化性を有する樹脂を得ることはできない。仮にフェノール類に対する多糖類の反応モル比を上げても分子量の増加はわずかであり、熱を加えただけで硬化反応して不溶不融になる樹脂を得ることはできない。このため、特許文献1のものと同様に用途が限定され、種々の用途に応用することができないという問題を有するものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、多様な用途に用いることができる多糖類変性フェノール樹脂及びその製造方法を提供することを目的とするものであり、またこの多糖類変性フェノール樹脂を用いた、性能の高いレジンコーテッドサンド、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、電極用炭素材料、二次電池用電極、電気二重層キャパシタ分極性電極を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る多糖類変性フェノール樹脂の製造方法は、多糖類とフェノール類とを酸性触媒の存在下で反応させる一次反応を行なった後、これにアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で付加縮合反応させる二次反応を行なうことを特徴とするものである。
この発明によれば、多糖類とフェノール類とを一次反応させた後に、二次反応でアルデヒド類と反応させることによって、レゾール型の多糖類変性フェノール樹脂を得ることができるものであり、加熱することによって不溶不融状態にすることができ、多様な用途に用いることができるものである。そして、多糖類変性フェノール樹脂の硬化物は柔軟性が発現して衝撃に強いという特性を有し、またこれを加熱すると容易に熱分解をして脆くなって急激に強度を低下させることができるという特性を有し、さらに酸素のない雰囲気で加熱すると炭化物収率が下がって炭化物の比表面積を増加させることができるという特性を有するものであり、これらの特性を利用した多用な用途に用いることができるものである。
また請求項2の発明は、請求項1において、二次反応を分散剤の存在下、攪拌しながら行なうことを特徴とするものである。
この発明によれば、球状の粒子の形態に多糖類変性フェノール樹脂を調製することができるものである。
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、二次反応を、生成される多糖類変性フェノール樹脂が熱硬化性を有する状態で停止することを特徴とするものである。
この発明によれば、未硬化であって熱を加えることによって硬化する状態に多糖類変性フェノール樹脂を調製することができ、成形材料やバインダーなどとして使用することができるものである。
また請求項4の発明は、請求項1又は2において、二次反応を、生成される多糖類変性フェノール樹脂が不溶不融状態になるまで継続した後に停止することを特徴とするものである。
この発明によれば、得られた多糖類変性フェノール樹脂は硬化した状態にあるので、多糖類変性フェノール樹脂をフィラーなどとして使用することができるものである。
本発明の請求項5に係る多糖類変性フェノール樹脂は、上記の請求項に記載の製造方法で得られたことを特徴とするものである。
この発明によれば、得られた多糖類変性フェノール樹脂を上記のように成形材料やバインダーなど多様な用途に用いることができるものである。
また本発明の請求項6に係る多糖類変性フェノール樹脂は、上記の請求項に記載の製造方法で得られたことを特徴とするものである。
この発明によれば、得られた多糖類変性フェノール樹脂を上記のようにフィラーなど多様な用途に用いることができるものである。
また請求項7の発明は、請求項5の多糖類変性フェノール樹脂を加熱処理して不溶不融状態にしたことを特徴とするものである。
また請求項の発明は、請求項5乃至7のいずれかにおいて、多糖類の含有量が1.0〜60質量%であることを特徴とするものである。
この発明によれば、多糖類変性フェノール樹脂に、多糖類変性による特性を必要且つ十分に与えることができるものである。
本発明の請求項に係るレジンコーテッドサンドは、請求項に記載の多糖類変性フェノール樹脂が、耐火骨材の表面にコーティングされたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、レジンコーテッドサンドの多糖類変性フェノール樹脂をバインダーとして、鋳型を成形する用途に使用することができるものである。
本発明の請求項10に係る多糖類変性フェノール樹脂炭化材料は、請求項6又は7に記載の多糖類変性フェノール樹脂が、非酸化性雰囲気下で熱処理して炭化されたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、多糖類変性フェノール樹脂を炭化して炭化材料とすることによって、導電性フィラーや、電極材料などの用途に使用することができるものである。
本発明の請求項11に係る導電性樹脂組成物は、請求項10に記載の多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を、導電性フィラーとして樹脂に配合して成ることを特徴とするものである。
この発明によれば、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を導電性フィラーとして用いて、導電性に優れた成形品などを成形することができるものである。
本発明の請求項12に係る二次電池用電極は、請求項10に記載の多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とするものである。
この発明によれば、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を用いて電極特性の優れた電極を形成することができるものである。
本発明の請求項13に係る電極用炭素材料は、請求項10に記載の多糖類変性フェノール樹脂炭化材料が賦活処理されたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を賦活処理することによって比表面積や細孔容積を大きくすることができ、電極特性の優れた電極を形成することができるものである。
本発明の請求項14に係る電気二重層キャパシタ分極性電極は、請求項10に記載の多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とするものである。
この発明によれば、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を用いて電極特性の優れた電気二重層キャパシタ分極性電極を形成することができるものである。
また本発明の請求項15に係る電気二重層キャパシタ分極性電極は、請求項13に記載の電極用炭素材料を電極材料として形成されたことを特徴とするものである。
この発明によれば、賦活処理して比表面積や細孔容積を大きくした多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を用いることによって、放・充電容量の高い電気二重層キャパシタ分極性電極を形成することができるものである。
本発明によれば、多糖類とフェノール類と一次反応させた後に、二次反応でアルデヒド類と反応させることによって、レゾール型の多糖類変性フェノール樹脂を得ることができるものであり、加熱することによって不溶不融状態にすることができ、レジンコーテッドサンド、炭化材料、導電性樹脂組成物、電極用炭素材料、二次電池用電極、電気二重層キャパシタ分極性電極など多様な用途に用いることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の多糖類変性フェノール樹脂は、多糖類とフェノール類とを酸性触媒の存在下で加熱して一次反応を行ない、次に、これにアルデヒド類、攪拌に足りる水を添加し、反応触媒の存在下で付加縮合反応させる二次反応を行なうことによって得ることができるものである。
一次反応で使用するフェノール類としては、フェノールの他にフェノールの誘導体を用いることができる。フェノールの誘導体としては、例えばm−クレゾール、レゾルシノール、3,5−キシレノールなどの3官能性のもの、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルメタンなどの4官能性のもの、o−クレゾール、p−クレゾール、p−ter−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−又は2,6−キシレノールなどの2官能性のo−又はp−置換のフェノール類などを挙げることができ、さらに塩素又は臭素で置換されたハロゲン化フェノールなどを用いることもできる。フェノール類としてはこれらから1種を選択して用いる他、複数種のものを混合して用いることもできる。
また、一次反応で使用する多糖類としては、でんぷん糖、デキストリン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、キチン、セルロース、でんぷんなどがあり、これらのうち一種を選択して、あるいは複数種を併用して、用いることができる。またでんぷんとしては、未加工でんぷん及び加工でんぷんが挙げられる。具体的には馬鈴薯でんぷん、コーンスターチ、ハイアミロース、甘藷でんぷん、タピオカでんぷん、サゴでんぷん、米でんぷん、アマランサスでんぷんなどの未加工でんぷん、及びこれらの加工でんぷん(焙焼デキストリン、酵素変性デキストリン、酸処理でんぷん、酸化でんぷん、ジアルデヒド化でんぷん、エーテル化でんぷん(カルボキシメチルでんぷん、ヒドロキシアルキルでんぷん、カチオンでんぷん、メチロール化でんぷんなど)、エステル化でんぷん(酢酸でんぷん、リン酸でんぷん、コハク酸でんぷん、オクテニルコハク酸でんぷん、マレイン酸でんぷん、高級脂肪酸エステル化でんぷんなど)、架橋でんぷん、クラフト化でんぷん、及び湿熱処理でんぷんなどが挙げられる。これらのなかでも、焙焼デキストリン、酵素変性デキストリン、酸処理でんぷん、酸化でんぷんのように低分子化されたもの、及び架橋でんぷんなどの粘度の低いでんぷんが好ましい。
また多糖類とフェノール類とを反応させる一次反応に用いる酸性触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、コハク酸などの有機酸を用いることができる。
一次反応において、フェノール類に添加する多糖類の量は、フェノール類100質量部に対して、多糖類1〜70質量部の範囲が好ましい。また酸触媒の添加量は、酸の種類によって大きく異なるが、フェノール類100質量部に対して0.1〜20質量部の範囲が好ましい。そして一次反応は、10〜420分間程度、還流温度で加熱することによって行なうことができるものである。
二次反応で使用するアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドの水溶液の形態であるホルマリンが最適であるが、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサンのような形態のものを用いることもでき、その他アルデヒドの一部あるいは大部分をフルフラールやフルフリルアルコールに置き換えたものを用いることも可能である。
さらに二次反応で使用する反応触媒としては、フェノール類とアルデヒド類を反応させ、ベンゼン核とベンゼン核の間に=NCH−結合を生成するような塩基性物質、例えばヘキサメチレンテトラミン、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン等の第1級や第2級のアミン類などを用いることができる。また、ナトリウム、カリウム、リチウムなどアルカリ金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、あるいはカルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、あるいは第3級アミン化合物などを挙げることもできる。これらの具体例を挙げると、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7などがある。
二次反応において、アルデヒド類の添加量は、フェノール類1モルに対してアルデヒド類1.0〜3.0モルの範囲が好ましい。また反応触媒の配合量は、反応触媒の種類によって大きく異なるが、フェノール類に対して0.05〜10質量%の範囲が好ましい。
上記のようにして、レゾール型の多糖類変性フェノール樹脂を調製することができるが、球状粒子の多糖類変性フェノール樹脂を調製する場合には、二次反応を、分散剤を添加した状態で行なうものである。分散剤は、一種の乳化剤としても作用するものであり、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール、ニカワ、グアーゴム、タラガム、ガッテガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、可溶化でんぷん、寒天、アルギン酸ソーダなどを挙げることができ、これらのうちから一種単独で、あるいは複数種を併用して使用することができる。これらの中でも、アラビアゴム、タラガム、ポリビニルアルコールを好ましく用いることができる。分散剤の添加量は、分散剤が有する乳化効果によって大きく異なり、特に限定されるものではないが、フェノール類に対して0.1〜10.0質量%の範囲が好ましく、特に0.5〜7.0質量%の範囲がより好ましい。
分散剤を添加して行なう付加縮合反応の二次反応は、反応系を攪拌するに足る量の水中で、攪拌しつつ行なわれるものであり、反応の初期では反応液は透明であるが、付加縮合反応が進むと縮合反応物が系中の水分と分離し始め、これが分散剤の作用で凝集して球状になり、反応系中に析出する。そして所望する程度に反応を進めた後に、冷却し、攪拌を停止すると、反応系の水中で沈降し、水と分離する。このように沈降した材料は微小球形の含水粒状物となっているが、ろ過することによって容易に水から分離することができるものであり、これを乾燥することによって、球状の多糖類変性フェノール樹脂を得ることができるものである。
上記のようにして得られる多糖類変性フェノール樹脂において、多糖類の含有量は、多糖類変性による特性を必要且つ十分に得るために、1.0〜60質量%の範囲が好ましい。例えば後述のようにレジンコーテッドサンドのバインダーとして多糖類変性フェノール樹脂を用いる場合、多糖類の含有量が1.0質量%未満では、崩壊性の良好な鋳型を成形することができなくなり、また多糖類の含有量が60質量%を超えると、鋳型の曲げ強度が不十分となって、溶湯を鋳込む際に折れ等が生じて良好な鋳物を製造できなくなるおそれがある。あるいは、後述のように炭素材料として用いる場合、多糖類の含有量が1.0質量%未満では、比表面積の増加が少なく、また多糖類の含有量が60質量%を超えると、比表面積は増加するが炭化物が脆くなって、良い電極を得ることが難しくなる。
そしてこの多糖類変性フェノール樹脂は、一次反応で多糖類とフェノール類を反応させた後、二次反応でアルデヒド類を反応させているために、樹脂の分子量が大きくなり、またレゾール型に調製されるために、熱硬化性を有するものである。このため、二次反応を樹脂が熱硬化性を有する状態で停止することによって、未硬化で熱硬化性を有する多糖類変性フェノール樹脂を得ることができる。
この未硬化で熱硬化性の多糖類変性フェノール樹脂は、加熱することによって溶融・硬化するので、成形材料として用いることができるものである。成形は、多糖類変性フェノール樹脂を金型に射出する射出成形や、金型に充填して加熱・加圧する圧縮成形など任意の成形法で行なうことができる。このときの加熱は、金型の温度を130〜250℃の範囲に設定して行なうのが好ましく、加圧は、10〜200MPaの範囲の面圧で行なうのが好ましい。
またこの未硬化で熱硬化性の多糖類変性フェノール樹脂を用いて、レジンコーテッドサンドを得ることができる。レジンコーテッドサンドの製造は、例えば、けい砂など鋳型用の耐火骨材を150℃程度に加熱し、この加熱した耐火骨材に未硬化で熱硬化性の多糖類変性フェノール樹脂0.8〜3.0質量%程度添加して、混練した後に、冷却することによって行なうことができ、さらさらとしたレジンコーテッドサンドを得ることができるものである。
このレジンコーテッドサンドは、耐火骨材にコーティングされる多糖類変性フェノール樹脂がバインダーとなって、シェルモールドなどの鋳型を成形することができるものである。ここで、例えば自動車産業では、軽量化して燃費の低減を図るため、鋳鉄に比較して軽いアルミニウムやマグネシウム合金を使用して鋳造を行なうことが多いが、これらの金属の溶融温度は600〜700℃と低い。そして、従来からレジンコーテッドサンドに汎用されているフェノール樹脂は耐熱性が高いので、このようなフェノール樹脂をバインダーとするレジンコーテッドサンドで作製した鋳型は、溶融金属の温度でフェノール樹脂バインダーを十分に熱分解することができず、鋳造後の鋳型の崩壊性に問題がある。一方、本発明の多糖類変性フェノール樹脂は多糖類変性によって熱分解温度を低くすることができるものであり、この多糖類変性フェノール樹脂をレジンコーテッドサンドのバインダーとして用いることによって、崩壊性の良好な鋳型を成形することができるものである。
また、上記のようにして多糖類変性フェノール樹脂を調製するにあたって、二次反応の付加縮合反応を、生成される多糖類変性フェノール樹脂が不溶不融性になるまで持続した後に、停止させることによって、完全硬化状態の多糖類変性フェノール樹脂を得ることができるものである。尚、完全硬化状態の多糖類変性フェノール樹脂を得るにあたっては、このように生成される多糖類変性フェノール樹脂が不溶不融性になるまで二次反応の付加縮合反応を持続するようにする他に、上記のように未硬化の多糖類変性フェノール樹脂を調製した後に、これを加熱処理して多糖類変性フェノール樹脂を完全硬化させるようにしてもよい。
この完全硬化して不溶不融状態になった多糖類変性フェノール樹脂は、例えばフィラーなどとして使用することができる。特に、分散剤の存在下で二次反応を行なって球状に調製される多糖類変性フェノール樹脂は、流動性に優れたフィラーとして使用することができるものである。
またこの完全硬化した状態の多糖類変性フェノール樹脂を、非酸化性雰囲気で熱処理して、多糖類変性フェノール樹脂を炭化させることによって、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を得ることができるものである。非酸化性雰囲気は、多糖類変性フェノール樹脂が酸化されないものであればよく、例えば不活性ガス雰囲気としてアルゴン、ヘリウム、窒素ガスなどの雰囲気に設定することができる。熱処理の条件は、多糖類変性フェノール樹脂を焼成して炭化するために、400〜3000℃、1〜100時間程度に設定するのが好ましい。
この多糖類変性フェノール樹脂炭化材料は導電性フィラーとして用いることができ、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を樹脂に配合することによって、導電性樹脂組成物を得ることができるものである。特に、分散剤の存在下で二次反応を行なって球状に調製される多糖類変性フェノール樹脂を炭化させた多糖類変性フェノール樹脂炭化材料は、流動性に優れた導電性フィラーとして使用することができるものである。
導電性樹脂組成物の樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、液晶ポリマー、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。導電性フィラーとして配合する多糖類変性フェノール樹脂炭化材料の配合量は任意に設定することができるが、質量比で樹脂1に対して、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を0.01〜1.5程度の範囲に設定するのが好ましい。
このように調製される導電性樹脂組成物を射出成形や圧縮成形などの任意の方法で成形することによって、導電性の高い電気・電子機器の部品などを製造することができるものである。
また、上記のように多糖類変性フェノール樹脂を非酸化性雰囲気で熱処理する際に、多糖類変性フェノール樹脂は熱に曝されることによって熱分解を起こし、低分子量物質となった分解生成物が揮散し、その抜け跡が空隙となるので、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料の粒子には多数の細孔が形成されるものである。特に多糖類変性フェノール樹脂の炭化物収率は一般のフェノール樹脂よりも小さく、その分、熱分解ガスが抜け易いものであり、細孔容積が大きく、また比表面積が大きくなる。このため、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料の粒子には活性炭と同様な効果を発揮させることもできるものである。
従って、この多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を、リチウムイオン二次電池の負極など二次電池の電極を形成する炭素材料として使用することができるものである。多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を電極用炭素材料として用いて、リチウムイオン二次電池の負極などの電極を作製するにあたっては、例えば、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料をバインダーと共に溶剤等に分散してスラリー状にし、銅箔等の金属箔にこのスラリーを塗布して乾燥し、プレス成形等することによって行なうことができるものである。
さらに、この電極を分極性電極として用い、電解液の界面で形成される電気二重層を形成する電気二重層キャパシタを形成することができるものである。
このように、本発明の多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を用いて二次電池用電極や、電気二重層キャパシタ分極性電極を作製することによって、充・放電容量が高い二次電池や電気二重層キャパシタを得ることができるものである。
ここで、電気二重層キャパシタの分極性電極は、多くのイオンを吸着できるように比表面積の大きい活性炭が電極材料として用いられており、本発明に係る多糖類変性フェノール樹脂炭化材料も既述のように、熱処理して多糖類変性フェノール樹脂を炭化させることによって活性炭と同じ効果を有する細孔を具備し、大きな比表面積や細孔容積を有している。
しかしこのように多糖類変性フェノール樹脂の炭化で生成される細孔では、比表面積や細孔容積は十分に大きいものではなく、必ずしも満足できるものではない。そこで本発明では多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を、水蒸気や二酸化炭素等による気相賦活法、溶融水酸化カリウム等による薬液賦活法などにより賦活処理して、多糖類変性フェノール樹脂炭化材料の単位質量当りの比表面積及び細孔容積をさらに大きくし、物理的化学的吸着性能を向上させた電極用炭素材料を製造するようにしている。そしてこの電極用炭素材料で電気二重層キャパシタ分極性電極を作製することによって、充・放電容量が高い電気二重層キャパシタを得ることができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1:未硬化のでんぷん変性フェノール樹脂の製造)
反応容器に、フェノールを300質量部、でんぷんとして日澱化學(株)製焙焼デキストリン「ND−S」を100質量部、酸性触媒としてパラトルエンスルホン酸の70質量%水溶液を13質量部仕込み、これを攪拌しながら約60分を要して還流するまで昇温させ、還流開始後120分間反応させて、フェノールとデキストリンとを反応させる一次反応を行なった。
次に、パラトルエンスルホン酸を中和するため水酸化ナトリウムの20質量%水溶液を10.6質量部加え、5分間攪拌混合した後、さらに水を500質量部、37質量%濃度のホルマリンを100質量部、反応触媒としてヘキサメチレンテトラミンを45質量部加え、加熱して内温70℃で6時間、付加縮合反応をさせて二次反応を行なった。
次に、0.01MPa(100トール)で減圧脱液を開始し、90℃まで行なった後、反応生成物をステンレス製のバットに払い出して冷却した。
得られたレゾール型のでんぷん変性フェノール樹脂の軟化点とゲル化時間をJIS K 6910に準拠して測定したところ、軟化点は79.5℃、150℃におけるゲル化時間は103秒であった。また固定炭素量は46.7質量%であった。
(実施例2:未硬化の球状のでんぷん変性フェノール樹脂の製造)
上記の実施例1と同様にして一次反応を行なった後、実施例1と同様に水酸化ナトリウム、水、ホルマリン、ヘキサメチレンテトラミンを加え、さらに分散剤として(株)クラレ製ポリビニルアルコール「PVA−224」を12質量部加え、加熱して内温70℃で6時間、付加縮合反応をさせて二次反応を行なうようにした。
そして減圧脱液をせずに冷却し、ヌッチェで濾別して、球状の生成物を取り出し、バットに載せた紙の上で一週間風乾させることによって、球状のでんぷん変性フェノール樹脂を得た。
得られた球状のでんぷん変性フェノール樹脂の軟化点は74.5℃、150℃におけるゲル化時間は124秒、固定炭素量は44.3質量%であった。また平均粒径は43μmであった。
(実施例3:硬化したでんぷん変性フェノール樹脂の製造)
上記の実施例1で得たでんぷん変性フェノール樹脂をステンレス製のバットに広げ、予め100℃に庫内温度を設定した乾燥器中に入れて、10時間養生し、さらに120℃にして5時間養生することによって、でんぷん変性フェノール樹脂を硬化させた。
次に冷却した後、0.5mmの網を備えたハンマークラッシャーで粉砕して、不溶不融状態に硬化したでんぷん変性フェノール樹脂を得た。
(実施例4:硬化した球状のでんぷん変性フェノール樹脂の製造)
上記の実施例2において、ポリビニルアルコールを加えた後の、二次反応を、攪拌しながら60分を要して沸騰還流状態にし、この温度で4時間、付加縮合反応をさせて行なうようにした。その他は、上記の実施例2と同様にして不溶不融状態に硬化した球状のでんぷん変性フェノール樹脂を得た。得られた球状のでんぷん変性フェノール樹脂の平均粒径は47μmであった。
(実施例5:硬化した球状のでんぷん変性フェノール樹脂の製造)
上記の実施例1と同様にして一次反応を行ない、次に上記の実施例4と同様にして二次反応を行ない、不溶不融状態に硬化した球状のでんぷん変性フェノール樹脂を調製するにあたって、でんぷんとして日澱化學(株)製架橋でんぷん「セレックス」を用いた。得られた球状のでんぷん変性フェノール樹脂の平均粒径は53μmであった。
(比較例1:未硬化のフェノール樹脂の製造)
反応容器にフェノールを660質量部、37質量%濃度のホルマリンを712質量部、ヘキサメチレンテトラミンを75質量部、水を120質量部仕込み、約60分を要して70℃に昇温し、このまま4時間反応を行なった。
次に、0.01MPa(100トール)で減圧脱液を開始し、90℃まで行なった後、反応生成物をステンレス製のバットに払い出して冷却した。
得られたレゾール型のフェノール樹脂の軟化点は77.3℃、150℃におけるゲル化時間は93秒であった。また固定炭素量は51.2質量%であった。
(比較例2:未硬化の球状のフェノール樹脂の製造)
攪拌装置を備えた反応容器にフェノールを450質量部、37質量%濃度のホルマリンを460質量部、ヘキサメチレンテトラミンを50質量部、分散剤としてアラビアゴムを4.5質量部、水を120質量部仕込み、これを攪拌しながら約60分を要して80℃に昇温し、このまま3時間、付加縮合反応を行なった。
次に反応容器の内温が30℃になるまで冷却した後、ヌッチェで濾別して、球状の生成物を取り出し、バットに載せた紙の上で一週間風乾させることによって、球状のフェノール樹脂を得た。
得られた球状のフェノール樹脂の軟化点は76.5℃、150℃におけるゲル化時間は98秒、固定炭素量は52.3質量%であった。また平均粒径は43μmであった。
(比較例3:硬化したフェノール樹脂の製造)
上記の比較例1で得たフェノール樹脂を、上記の実施例3と同様にして加熱養生すると共に粉砕することによって、不溶不融状態に硬化したフェノール樹脂を得た。
(比較例4:硬化した球状のフェノール樹脂の製造)
上記の比較例2において、付加縮合反応を、攪拌しながら60分を要して沸騰還流状態にし、この温度で4時間行なうことによって、不溶不融状態に硬化した球状のフェノール樹脂を得た。
(実施例6〜7)
145℃に加熱したフラタリーけい砂30kgをワールミキサーにいれ、これに実施例1あるいは実施例2で得た未硬化のでんぷん変性フェノール樹脂450gを加え、30秒間混練した後、さらに水450gを添加し、砂粒が崩壊するまで混練した。次いで、ステアリン酸カルシウム30gを添加して30秒間混練した後、これをワールミキサーから払い出し、エアレーションを行なって冷却することによって、けい砂の表面にでんぷん変性フェノール樹脂を被覆したレジンコーテッドサンドを得た。
このレジンコーテッドサンドは、けい砂に対するでんぷん変性フェノール樹脂の被覆量が1.5質量%であり、さらさらとして流動性が良好なものであった。
(比較例5〜6)
比較例1あるいは比較例2で得た未硬化のフェノール樹脂を用いるようにした他は、実施例6〜7と同様にして、けい砂の表面にフェノール樹脂を被覆したレジンコーテッドサンドを得た。このレジンコーテッドサンドは、けい砂に対するフェノール樹脂の被覆量が1.5質量%であった。
上記のようにして実施例6〜7及び比較例5〜6で得たレジンコーテッドサンドについて、融着点、かさ比重、流下時間、安息角を測定した。融着点の測定はJACT試験法C−1に準拠して行ない、かさ比重の測定は共和理化工業株式会社製のかさ比重測定器A型を用いて、JIS K 6721に準拠して行なった。流下時間の測定はJIS K 5402に規定されるフォードカップを用い、JACT試験法S−5に準拠して行なった。安息角は、筒井理化学器械株式会社製「AOD粉体特性測定器」を用いて測定した。
また、実施例6〜7及び比較例5〜6で得たレジンコーテッドサンドを用い、JIS K 6910の曲げ強さ試験法に従って試験片を作製し、曲げ強さを測定した。そしてこの未焼成時の曲げ強さと、熱に暴露して焼成した後の曲げ強さとを比較し、(焼成後の曲げ強さ/焼成前の曲げ強さ)を強度の保持率として、鋳型の崩壊性を評価した。焼成は、上記のように曲げ強さ測定用に作製した試験片をアルミニウム箔に包み、これを350℃あるいは400℃に設定した電気炉に30秒あるいは60秒入れて熱処理することによって行ない、冷却後に曲げ強さを測定した。
Figure 0004963579
表1にみられるように、実施例6,7のものは、焼成後の保持率が低く、鋳型の崩壊性が良好であることが確認される。
(実施例8:でんぷん変性フェノール樹脂炭化材料の製造)
実施例3で得た硬化したでんぷん変性フェノール樹脂を、窒素雰囲気下、100℃/hの昇温速度で800℃まで昇温し、800℃で3時間保持する条件で熱処理することによって焼成し、でんぷん変性フェノール樹脂炭化材料の粒子を得た。このでんぷん変性フェノール樹脂炭化材料の収率は45.8質量%であった。
(実施例9:でんぷん変性フェノール樹脂炭化材料の製造)
実施例4で得た硬化したでんぷん変性フェノール樹脂を用いるようにした他は、実施例8と同様にして焼成し、でんぷん変性フェノール樹脂炭化材料の粒子を得た。このでんぷん変性フェノール樹脂炭化材料の収率は43.3質量%であった。
(実施例10:でんぷん変性フェノール樹脂炭化材料の製造)
実施例5で得た硬化したでんぷん変性フェノール樹脂を用いるようにした他は、実施例8と同様にして焼成し、でんぷん変性フェノール樹脂炭化材料の粒子を得た。このでんぷん変性フェノール樹脂炭化材料の収率は43.8質量%であった。
(比較例7:フェノール樹脂炭化材料の製造)
比較例3で得た硬化したフェノール樹脂を用いるようにした他は、実施例8と同様にして焼成し、フェノール樹脂炭化材料の粒子を得た。このフェノール樹脂炭化材料の収率は51.3質量%であった。
(比較例8:フェノール樹脂炭化材料の製造)
比較例4で得た硬化したフェノール樹脂を用いるようにした他は、実施例8と同様にして焼成し、フェノール樹脂炭化材料の粒子を得た。このフェノール樹脂炭化材料の収率は52.1質量%であった。
(実施例11〜13、比較例9〜10)
上記の実施例8〜10及び比較例7〜8で得た炭化材料を40質量部、ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製「ユピエースAH8」)を60質量部とり、これをドライブレンドした後、ラボテストミルを用いて320℃で均一に溶融混練した。そしてこれを冷却して固化させた後、粉砕することによって、導電性樹脂組成物を得た。
次に、この導電性樹脂組成物を射出成形することによって、縦・横が100mm、厚さ2mmの樹脂成形体を作製した。この樹脂成形体について、抵抗率をJIS K 7194に準拠して測定し、その結果を表2に示す。
Figure 0004963579
表2にみられるように、各実施例のものは抵抗率が小さく、導電性に優れることが確認される。
(実施例14〜15及び比較例11〜12)
実施例8〜9及び比較例7〜8で得た炭化材料3gに、ポリビニリデンフルオライドをN−メチルピロリドンに10質量%溶解させて調製したバインダー3gを加え、これを混合してスラリー状にした。そしてこのスラリーを厚さ20μm、直径12mmの円形の銅箔に塗布し、130℃で10時間真空乾燥した後、減圧下でプレス成形して電極を作製した。
上記の実施例14〜15及び比較例11〜12で得た電極について、充・放電容量を測定した。充・放電容量測定には2電極セルを用いた。対極に金属リチウム、作用極に炭素材料を使用し、セパレータにはポリプロピレン製多孔質膜を用いた。電解液は1モル濃度の過塩素酸リチウムのエチレンカーボネート/ジエチレンカーボネート溶液(50/50質量%)を用いた。そして充・放電は正極、負極間に25mA/gの定電流を流して行ない、両極間の電位差の経時変化を測定することにより放電時間と充電時間を求めた。放電容量は、電流密度が一定であるため電流密度に放電時間又は充電時間を積算することにより求めた。またこの放電を1サイクルとして、20サイクル充・放電を繰り返した後についても、同様に放電容量を求めた。結果を表3に示す。
Figure 0004963579
表3にみられるように、各実施例のものは、放電容量が大きく、また充・放電を繰り返しても放電容量の低下が少なく、電池寿命を延ばすことができることが確認される。
(実施例16〜17及び比較例13〜14)
実施例8〜9及び比較例7〜8で得た炭化材料を、水蒸気流量5ml、窒素流量2l/分の流速で流通されるロータリーキルン炉の混合ガス雰囲気下、850℃で2時間処理して賦活し、活性炭を得た。得られた活性炭について、比表面積をQUANTACHROME社製比表面積測定装置「NOVE2000」により、BET多点法で測定し、また充てん密度をJIS K 1474に準拠して測定した。結果を表4に示す。
また、上記のようにして得た活性炭を1質量部とり、活性炭に対して1.0質量%の割合でカーボンナノチューブ(昭和電工(株)製「VGCF−H」)を加えた後に、30質量%濃度の硫酸を1.5質量部含浸して混練し、ペースト状にした。このペースト0.9gを直径30mmの円形の二枚の白金電極にそれぞれ塗付し、ポリプロピレン製セパレータを介して両電極を圧密着することによって、電気二重層キャパシタを製造した。
そしてこの実施例16〜17及び比較例13〜14の電気二重層キャパシタに0.9Vで1時間充電した後、放電電流10mAの放電を行ない、電気二重層キャパシタの電圧が0.54〜0.45Vまで低下するのに要した時間を測定し、単位時間当たりの静電容量である重量静電容量と単位体積当りの静電容量である容量静電容量を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0004963579
表4にみられるように、各実施例のものは、比表面積が大きく、静電容量が大きいことが確認される。

Claims (15)

  1. 多糖類とフェノール類とを酸性触媒の存在下で反応させる一次反応を行なった後、これにアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で付加縮合反応させる二次反応を行なうことを特徴とする多糖類変性フェノール樹脂の製造方法。
  2. 二次反応を分散剤の存在下、攪拌しながら行なうことを特徴とする請求項1に記載の多糖類変性フェノール樹脂の製造方法。
  3. 二次反応を、生成される多糖類変性フェノール樹脂が熱硬化性を有する状態で停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の多糖類変性フェノール樹脂の製造方法。
  4. 二次反応を、生成される多糖類変性フェノール樹脂が不溶不融状態になるまで継続した後に停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の多糖類変性フェノール樹脂の製造方法。
  5. 請求項に記載の製造方法で得られたことを特徴とする多糖類変性フェノール樹脂。
  6. 請求項に記載の製造方法で得られたことを特徴とする多糖類変性フェノール樹脂。
  7. 請求項5の多糖類変性フェノール樹脂を加熱処理して不溶不融状態にしたことを特徴とする多糖類変性フェノール樹脂。
  8. 多糖類の含有量が1.0〜60質量%であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の多糖類変性フェノール樹脂。
  9. 請求項に記載の多糖類変性フェノール樹脂が、耐火骨材の表面にコーティングされたものであることを特徴とするレジンコーテッドサンド。
  10. 請求項6又は7に記載の多糖類変性フェノール樹脂が、非酸化性雰囲気下で熱処理して炭化されたものであることを特徴とする多糖類変性フェノール樹脂炭化材料。
  11. 請求項10に記載の多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を、導電性フィラーとして樹脂に配合して成ることを特徴とする導電性樹脂組成物。
  12. 請求項10に記載の多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とする二次電池用電極。
  13. 請求項10に記載の多糖類変性フェノール樹脂炭化材料が賦活処理されたものであることを特徴とする電極用炭素材料。
  14. 請求項10に記載の多糖類変性フェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とする電気二重層キャパシタ分極性電極。
  15. 請求項13に記載の電極用炭素材料を電極材料として形成されたことを特徴とする電気二重層キャパシタ分極性電極。
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