JP5301253B2 - エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、およびエポキシ樹脂硬化方法 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、およびエポキシ樹脂硬化方法 Download PDF

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本発明は、エポキシ樹脂を硬化させる際に使用されるエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂、およびそのエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は作業性及びその硬化成形物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
通常、エポキシ樹脂を硬化する際には、硬化剤が用いられている。エポキシ樹脂用の硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂が用いられている(例えば特許文献1および非特許文献1)。
特開平8−73551号公報 「総説エポキシ樹脂 基礎編I」、エポキシ樹脂技術協会、2003年11月、p.119−122,175−185
近年、高いフレキシブル性を有する商品の需要が高まっており、エポキシ樹脂硬化成形物についても弾性率が低いものが求められている。
ところが、特許文献1および非特許文献1に記載のフェノール樹脂をエポキシ樹脂用の硬化剤として使用すると、得られるエポキシ樹脂硬化成形物の諸物性(強度、耐熱性、耐湿性等)を維持したまま弾性率を低くすることができないため、脆く、撓ませると割れてしまうことがあった。そのため、エポキシ樹脂硬化成形物の諸物性(強度、耐熱性、耐湿性等)を維持したまま弾性率を低くできる硬化剤が求められていた。
また、近年、植物由来の成分をプラスチックの原材料として使用することが求められている。植物は、繰り返し同じ土地で生産できる上に石油や鉱物よりも短時間で再生される資源である。そのため、植物由来の成分をプラスチックの原材料として使用することで、石油等の鉱物資源から製造した原材料を使用するよりも二酸化炭素排出量を削減できるようになる。
本発明は、原材料に植物由来成分を使用でき、また、得られるエポキシ樹脂硬化成形物の諸物性(強度、耐熱性、耐湿性等)をほぼ維持したまま弾性率を低くできるエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂およびエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1] フェノール類と、フルクトースを固形分全体の50質量%以上含有する糖質類とを、酸性触媒下で反応させて得られた、下記式(1)で表わされる化合物を含有するフェノール樹脂からなることを特徴とするエポキシ樹脂硬化
(式(1)におけるR,Rは、各々独立して、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、クミル基、ヒドロキシクミル基のいずれかである。)
Figure 0005301253
[2] エポキシ樹脂と、[1]に記載のエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
[3] エポキシ樹脂が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂および/またはビスフェノールA型エポキシ樹脂である[2]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[4] [1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤を用いてエポキシ樹脂を硬化させることを特徴とするエポキシ樹脂硬化方法。
本発明のエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂およびエポキシ樹脂組成物では、原材料に植物由来成分を使用でき、また、得られるエポキシ樹脂硬化成形物の諸物性(強度、耐熱性、耐湿性等)をほぼ維持したまま弾性率を低くできる。
<エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂>
本発明のエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂は、上記式(1)で表わされる化合物(以下、化合物aという。)を含有するものである。
式(1)におけるフェノール部位のR,Rは、各々独立して、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基等)、ハロゲン基(例えば、ブロモ基等)、フェニル基、クミル基、ヒドロキシクミル基のいずれかである。フェノールノボラック樹脂においては、上記の置換基を有するフェノール部位は周知である。化合物aにおいても、フェノール部位として、フェノールノボラック樹脂と同じものが使用できる。
上記の中でも、化合物aが容易に得られる点では、水素原子、アルキル基、ヒドロキシクミル基が好ましく、R,Rの一方が水素原子で、他方が水素原子、アルキル基、ヒドロキシクミル基のいずれかであることがより好ましい。
化合物aのうち、より好ましいものとしては、下記式(2)〜(6)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005301253
化合物aにおいて、ヒドロキシメチルフルフラール部位は、フェノール部位のヒドロキシ基に対してパラ位またはオルト位に結合していることが好ましい。
化合物aを含有するエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂は、例えば、酸性触媒存在下、糖質類と、フェノール類および必要に応じてホルムアルデヒドとの反応によって製造される。
化合物aは、フェノール類とヒドロキシメチルフルフラールとの反応物であるが、ヒドロキシメチルフルフラールは糖質類に含まれていない。ヒドロキシメチルフルフラールは、フェノール類と糖質類との反応時に酸性触媒が存在することによって、糖質類から生成する。
エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を得るために用いるフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ブチルクレゾール、フェニルフェノール、クミルフェノール、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、レゾルシノール、カテコールなどが挙げられる。
これらの中でも、反応性が高く、しかも入手容易な点で、フェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールA、レゾルシノールが好ましい。
糖質類としては、単糖類、2糖類、3糖類、少糖類、多糖類が挙げられる。具体的には、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、マルトース、イソマルソース、ラクトース、スクロース、トレハロース、ラフィノース、異性化糖、デキストリン、オリゴ糖、フラクタン、フラクトオリゴ糖、澱粉、粗澱粉、アミロース、アミロペクチン、廃棄糖蜜(澱粉かす)などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、ヒドロキシメチルフルフラールを生成しやすく、化合物aが得られやすいことから、フルクトース、フルクトースを含有する糖類が好ましい。フルクトース含有糖類としては、具体的には、異性化糖、ショ糖が挙げられる。
また、糖質類は、ヒドロキシメチルフルフラールを生成しやすく、化合物aが得られやすいことから、澱粉液化処理液であることも好ましい。澱粉を液化処理する方法としては、例えば、水溶液化した澱粉を酸または酵素によって糖化する方法などが挙げられる。糖化に使用できる酸としては、例えば、硫酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸などが挙げられ、酵素としては、例えば、アミラーゼ、グルコシダーゼ、イソメラーゼなどが挙げられる。
糖質類は、フルクトースを、糖質類の固形分全体を100質量%とした際に5質量%以上含有することが好ましく、30質量%以上含有することがより好ましく、55質量%以上含有することが特に好ましい。さらには、糖質類の100質量%がフルクトースであることが最も好ましい。糖質類がフルクトースを5質量%以上含有すれば、化合物aを充分量形成できるため、エポキシ樹脂硬化成形物の弾性率をより低くできる。
エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を得る際の糖質類とフェノール類との質量比率は、糖質類を1とした際にフェノール類が2〜20倍であることが好ましく、3〜6倍であることがより好ましい。フェノール類が糖質類の2倍以上であれば、反応率を高くして収率を高くできる上に分子量を高くでき、20倍以下であれば、得られるエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂について充分な植物由来率を確保できる。
また、糖質類を1とした際にフェノール類が2〜20倍であれば、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂中の化合物aを、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂全体を100質量%とした際の1〜25質量%にすることが容易になる。
糖質類とフェノール類とを反応させる際には、酸性触媒が用いられる。酸性触媒としては、例えば、鉱酸類(例えば、塩酸、硫酸等)、有機酸類(例えば、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等)などが使用される。
酸性触媒の使用量は、糖質類の固形分とフェノール類との合計を100質量%とした際に0.1〜50質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることがより好ましい。酸性触媒の使用量が0.1質量%以上であれば、充分な量の化合物aを生成でき、50質量%以下であれば、酸分解やゲル化を抑制できる。
反応温度は20〜200℃であることが好ましく、120〜160℃であることがより好ましい。反応温度が20℃以上であれば、充分に反応させることができ、200℃以下であれば、分解を抑制できる。
反応時間は0.5〜20時間であることが好ましく、1〜3時間であることがより好ましい。反応時間が0.5時間以上であれば、高い収率でエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を得ることができ、20時間以下であれば、生産性の低下を抑制できる。
エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂における化合物a以外の成分としては、化合物aにさらにフェノール類および/または糖質類が反応した化合物が挙げられる。例えば、化合物aに1分子のフェノールが反応したもの、化合物aに1分子のヒドロキシメチルフルフラールが反応したもの、化合物aに1分子のフェノールと1分子のヒドロキシメチルフルフラールが反応したもの、化合物aに2分子以上のフェノールが反応したもの、化合物aに2分子以上のヒドロキシメチルフルフラールが反応したもの、化合物aに2分子以上のフェノールと2分子以上のヒドロキシメチルフルフラールが反応したものなどが挙げられる。
反応の際に、ホルムアルデヒドを共存させる場合には、一部のフェノールはホルムアルデヒドを介して化合物aに反応する。また、フェノール同士がアルデヒドを介して結合したものも生成する。
エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂の軟化点は70〜150℃であることが好ましく、80〜140℃であることがより好ましい。エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂の軟化点が70℃以上であれば、硬化性が向上し、該エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を用いて得たエポキシ樹脂の硬化成形物の耐熱性を確保でき、150℃以下であれば、該エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を用いて得たエポキシ樹脂の硬化成形物の機械的特性を実用的なものとすることができる。
エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂の軟化点は、化合物aの含有量によって調整することができる。エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂の軟化点を70〜150℃にするための化合物aの含有量は、化合物aのR,Rの種類によって異なるため、一概には言えない。化合物aの含有量が多くなる程、軟化点が低くなる。軟化点を70℃以上にするためには、化合物aの含有量を、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂全体を100質量%とした際の25質量%以下にすることが好ましい。
エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂における化合物aの含有量は、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂全体を100質量%とした際の1.0〜25質量%であることが好ましく、1.5〜17質量%であることがより好ましく、2.0〜15質量%であることが特に好ましい。化合物aの含有量が1質量%以上であれば、該エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を用いて得たエポキシ樹脂の硬化成形物の植物由来率をより向上させることができ、25質量%以下であれば、該エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を用いて得たエポキシ樹脂の硬化成形物の耐熱性、耐湿性を確保できる。具体的には、フェノールノボラック樹脂を用いた場合と同等の耐熱性、耐湿性を確保できる。
上記エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂に含まれるフェノール樹脂は、糖質類とフェノールとの反応により得ることが可能で、糖質類としては植物由来成分を用いることができる。したがって、上記エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂は、原材料に植物由来成分を用いることができる。
また、本発明者らが調べた結果、上記エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を用いて得たエポキシ樹脂の硬化成形物は充分に低い弾性率を有することが分かった。
なお、RとRが水素原子以外である場合に、RとRが水素原子である場合と同様に弾性率が低くなるのは、R,Rの置換基による効果よりも、フラン環の構造に起因する弾性率低下の効果が大きいためである。
<エポキシ樹脂組成物>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、上記エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂とを含有するものである。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、イソシアヌレートのエポキシ化物などが挙げられる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂は容易に入手できる上に、実用上充分な硬化性を有し、しかも、該エポキシ樹脂組成物から得られるエポキシ樹脂硬化成形物の耐熱性、機械特性を向上させることができる。
エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂とエポキシ樹脂との含有割合は、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂の水酸基/エポキシ樹脂のエポキシ基の当量比が0.5〜2.0になる割合が好ましく、0.7〜1.3になる割合がより好ましい。水酸基/エポキシ基の当量比が0.5以上になる割合であれば、硬化性が向上し、エポキシ樹脂硬化成形物の耐熱性、機械特性を実用的なものとし、2.0以下になる割合であれば、フェノールノボラック樹脂を用いたときと同様の耐熱性、耐湿性を確保できる。
エポキシ樹脂組成物は硬化促進剤を含有することができる。
硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、トリブチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルフォスフィンなどが挙げられる。
これらの中でも、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、トリフェニルフォスフィンが好ましい。硬化促進剤として2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、トリフェニルフォスフィンを用いれば、充分な硬化促進効果が得られる上に、耐水性、流動性が良好である。また、経済性も良好である。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。硬化促進剤が0.01質量部以上であれば、硬化促進効果がより高くなるが、10質量部を超えて含有しても硬化の促進が頭打ちになるため、コストを高めるだけである。
また、エポキシ樹脂組成物は、機械的強度を向上させる目的で、無機充填剤を含有してもよい。無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタンホワイト等の粉体、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維体が挙げられる。これらの中でも、熱膨張率と熱伝導率の点から、結晶性シリカおよび/または溶融シリカが好ましい。
無機充填剤の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体を100質量%とした際の50〜92質量%であることが好ましく、70〜92質量%であることがより好ましい。無機充填剤の含有量が50質量%以上であれば、充分に機械的強度を向上させることができ、92質量%以下であれば、耐湿性の低下を防止できる。
エポキシ樹脂組成物が無機充填剤を含有する場合、エポキシ樹脂と無機充填剤との接着性を向上させるために、カップリング剤を含有することが好ましい。カップリング剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤などが挙げられる。
これらの中でも、エポキシ樹脂との反応性が高いことから、シラン系カップリング剤が好ましい。シラン系カップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂組成物は、流動性を向上させるために滑剤を含有してもよい。滑剤としては、例えば、カルナバワックス、モンタン酸ワックス、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、低分子量ポリエチレン(ポリエチレンワックス)などが用いられる。
エポキシ樹脂組成物には、フェノール樹脂以外の硬化剤、例えば、有機酸無水物、アミン化合物、p−ジアリルフェノール化合物などが含まれてもよい。
また、エポキシ樹脂組成物には、例えば、顔料、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤が含まれてもよい。
エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂とを混合することで得られる。その混合の際、ミキシングロール等の混合機を用いてもよい。また、混合の際には、80〜150℃に加熱してもよい。また、加熱後、必要に応じて、粉砕してもよい。
上記エポキシ樹脂組成物を用いた成型方法としては、例えば、溶融注型法、トランスファー成型法、インジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、150〜200℃で加熱してエポキシ樹脂を硬化させる方法などが挙げられる。
上述したエポキシ樹脂組成物は、上記エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を含有するため、植物由来率の向上を図ることができ、また、得られるエポキシ樹脂の硬化成形物の弾性率を低下させることができる。
このようなエポキシ樹脂組成物は、成形材料、塗料、フェルト用等の各種バインダーに好適に使用できる。
以下の実施例および比較例では、得られたフェノール樹脂について、軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率(植物由来率)を以下の方法で調べた。
[軟化点]
JIS K 2207に従って軟化点を測定した。
[水酸基当量]
JIS K 0070に従って水酸基当量を測定した。
[化合物aの含有量]
得られたフェノール樹脂をテトラヒドロフランに溶解した溶液を測定試料とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を下記条件により測定し、下記式(7)で表される数平均分子量202のピーク面積率を化合物aの含有量とした。
・GPC測定条件
GPC測定装置:東ソー社製 HLC8120GPC
カラム:TSKgel G3000H+G2000H+G2000H
ピークの物質の同定:日本電子社製 質量分析計SX−102A、及び日本電子社製 核磁気共鳴装置 LA−400
[天然由来率]
天然由来率 =100−{100×[(フェノール仕込み質量)−(留去した未反応フェノール質量)]/(樹脂収量)}
なお、この天然由来率が高い程、二酸化炭素排出量が少なくなる。
Figure 0005301253
[フェノール樹脂の合成」
(合成例1)
温度計、攪拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、フェノール1128g、グルコース376g、パラトルエンスルホン酸15.0gを仕込んだ。なお、フェノールと糖質類の質量比率は3:1、パラトルエンスルホン酸の添加量は糖質類の固形分とフェノールの合計量100質量%に対して1.0質量%であった。
次いで、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱し、150℃を保ったまま、1時間攪拌した。少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム3.2gを添加して中和した。その後、200℃、11kPaの減圧下で未反応のフェノール490gを留去し、875gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率を表1に示す。
(合成例2)
温度計、攪拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、フェノール1128g、群栄化学工業製異性化糖HF95(フルクトース含有率95質量%、固形分75質量%)501g(固形分376g)、パラトルエンスルホン酸15.0gを仕込んだ。なお、フェノールと糖質類の質量比率は3:1、パラトルエンスルホン酸の添加量は糖質類の固形分とフェノールの合計量100質量%に対して1.0質量%であった。
次いで、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱し、150℃を保ったまま、1時間攪拌した。少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム3.2gを添加して中和した。その後、200℃、11kPaの減圧下で未反応のフェノール735gを留去し、639gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率を表1に示す。
(合成例3)
温度計、攪拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、フェノール1128g、群栄化学工業製異性化糖HF55(フルクトース含有率55質量%、固形分75質量%)501g(固形分376g)、パラトルエンスルホン酸15.0gを仕込んだ。なお、フェノールと糖質類の質量比率は3:1、パラトルエンスルホン酸の添加量は糖質類の固形分とフェノールの合計量100質量%に対して1.0質量%であった。
次いで、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱し、150℃を保ったまま、1時間攪拌した。少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム3.2gを添加して中和した。その後、200℃、11kPaの減圧下で未反応のフェノール622gを留去し、742gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率を表1に示す。
(合成例4)
温度計、攪拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、フェノール1128g、群栄化学工業製異性化糖HF55(フルクトース含有率55質量%、固形分75質量%)376g(固形分282g)、パラトルエンスルホン酸14.0gを仕込んだ。なお、フェノールと糖質類の質量比率は4:1、パラトルエンスルホン酸の添加量は糖質類の固形分とフェノールの合計量100質量%に対して1.0質量%であった。
次いで、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱し、150℃を保ったまま、1時間攪拌した。少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム2.9gを添加して中和した。その後、200℃、11kPaの減圧下で未反応のフェノール724gを留去し、598gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率を表1に示す。
(合成例5)
温度計、攪拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、フェノール1128g、ショ糖376g、パラトルエンスルホン酸15.0gを仕込んだ。なお、フェノールと糖質類の質量比率は3:1、パラトルエンスルホン酸の添加量は糖質類の固形分とフェノールの合計量100質量%に対して1.0質量%であった。
次いで、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱し、150℃を保ったまま、1時間攪拌した。少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム3.2gを添加して中和した。その後、200℃、11kPaの減圧下で未反応のフェノール580gを留去し、769gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率を表1に示す。
(合成例6)
温度計、攪拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、水道水1128g、タピオカ澱粉(固形分濃度88質量%)427g(固形分376g)、パラトルエンスルホン酸15.0gを仕込み、100℃にて1時間攪拌し、タピオカ澱粉の液化を行った。80℃以下に冷却した後、フェノール1128gを添加した。なお、フェノールと糖質類の質量比率は3:1、パラトルエンスルホン酸の添加量は糖質類の固形分とフェノールの合計量100質量%に対して1.0質量%であった。
次いで、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱し、150℃を保ったまま、1時間攪拌した。少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム3.2gを添加して中和した。その後、200℃、11kPaの減圧下で未反応のフェノール490gを留去し、820gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率を表1に示す。
(合成例7)
温度計、攪拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、フェノール1128g、群栄化学工業製異性化糖HF55(フルクトース含有率55質量%、固形分75質量%)501g(固形分376g)、パラトルエンスルホン酸11.3gを仕込んだ。なお、フェノールと糖質類の質量比率は3:1、パラトルエンスルホン酸の添加量は糖質類の固形分とフェノールの合計量100質量%に対して0.75質量%であった。
次いで、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱し、150℃を保ったまま、1時間攪拌した。少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム2.4gを添加して中和した。その後、200℃、11kPaの減圧下で未反応のフェノール724gを留去し、598gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率を表1に示す。
(合成例8)
温度計、攪拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、フェノール1128g、群栄化学工業製異性化糖HF95(フルクトース含有率95質量%、固形分75質量%)501g(固形分376g)、パラトルエンスルホン酸0.15gを仕込んだ。なお、フェノールと糖質類の質量比率は3:1、パラトルエンスルホン酸の添加量は糖質類の固形分とフェノールの合計量100質量%に対して0.01質量%であった。
次いで、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱し、150℃を保ったまま、1時間攪拌した。少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム0.03gを添加して中和した。その後、200℃、11kPaの減圧下で未反応のフェノール948gを留去し、460gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率を表2に示す。
(比較合成例1)
温度計、攪拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、フェノール1128g、グルコース1128g、硫酸11.3gを仕込んだ。なお、フェノールと糖質類の質量比率は1:1、硫酸の添加量は糖質類の固形分とフェノールの合計量100質量%に対して0.5質量%であった。
次いで、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱し、150℃を保ったまま、1時間攪拌した。少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム9.2gを添加して中和した。その後、200℃、11kPaの減圧下で未反応のフェノール226gを留去し、1172gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率を表2に示す。
(比較合成例2)
温度計、攪拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三口フラスコに、フェノール1128g、グルコース376g、パラトルエンスルホン酸0.75gを仕込んだ。なお、フェノールと糖質類の質量比率は3:1、パラトルエンスルホン酸の添加量は糖質類の固形分とフェノールの合計量100質量%に対して0.05質量%であった。
次いで、昇温途中で生成する水を除きながら150℃まで加熱し、150℃を保ったまま、1時間攪拌した。少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム0.16gを添加して中和した。得られた反応物は不均一で一部沈殿が発生しており有機溶剤には不溶であったため、樹脂化反応は生じていないことが確認された。そのため、軟化点、水酸基当量、化合物aの含有量、天然由来率は求めなかった。
Figure 0005301253
Figure 0005301253
「エポキシ樹脂組成物の配合・調製」
以下の実施例および比較例においては、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂の水酸基とエポキシ樹脂のエポキシ基との当量比が1:1になるように配合した。
参考例1)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名ES−30、瀬戸窯業原料社製)384.0質量部、エポキシ樹脂としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名EPICLON N−660、DIC社製、エポキシ当量206、軟化点65℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として合成例1で得たフェノール樹脂(水酸基当量134、軟化点134℃)65.0質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.38質量部、滑剤としてカルナバワックス0.76質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403 信越化学工業社製)16.5質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
(実施例2)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名ES−30、瀬戸窯業原料社製)405.0質量部、エポキシ樹脂としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名 EPICLON N−670、DIC社製、エポキシ当量210、軟化点73℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として合成例2で得たフェノール樹脂(水酸基当量155、軟化点112℃)74.0質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.41質量部、滑剤としてカルナバワックス0.82質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403、信越化学工業社製)17.4質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
(実施例3)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名 ES−30、瀬戸窯業原料社製)384.0質量部、エポキシ樹脂としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名 EPICLON N−690、DIC社製、エポキシ当量212、軟化点92℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として合成例3で得たフェノール樹脂(水酸基当量138、軟化点116℃)65.0質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.38質量部、滑剤としてカルナバワックス0.76質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403、信越化学工業社製)16.5質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
(実施例4)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名 ES−30、瀬戸窯業原料社製)349.0質量部、エポキシ樹脂としてシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(商品名 EPICLON HP−7200H、DIC社製、エポキシ当量278、軟化点84℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として合成例4で得たフェノール樹脂(水酸基当量139、軟化点118℃)50.0質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.35質量部、滑剤としてカルナバワックス0.70質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403 信越化学工業社製)15.0質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
(実施例5)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名 ES−30、瀬戸窯業原料社製)280.0質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名 EPICLON 1050、DIC社製、エポキシ当量470、軟化点68℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として合成例5で得たフェノール樹脂(水酸基当量131、軟化点120℃)28.0質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.30質量部、滑剤としてカルナバワックス0.60質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403、信越化学工業社製)12.8質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
参考例6)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名 ES−30、瀬戸窯業原料社製)277.0質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名 EPICLON 2050、DIC社製、エポキシ当量640、軟化点87℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として合成例6で得たフェノール樹脂(水酸基当量121、軟化点130℃)19.0質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.27質量部、滑剤としてカルナバワックス0.54質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403、信越化学工業社製)11.9質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
(実施例7)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名 ES−30、瀬戸窯業原料社製)266.0質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名 EPICLON 4050、DIC社製、エポキシ当量960、軟化点100℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として合成例7で得たフェノール樹脂(水酸基当量139、軟化点110℃)14.5質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.27質量部、滑剤としてカルナバワックス0.54質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403、信越化学工業社製)11.5質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
(実施例8)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名 ES−30、瀬戸窯業原料社製)503.0質量部、エポキシ樹脂としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名 EPICLON N−660、DIC社製、エポキシ当量206、軟化点65℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として合成例8で得たフェノール樹脂(水酸基当量240、軟化点68℃)116.5質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.50質量部、滑剤としてカルナバワックス1.00質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403、信越化学工業社製)21.6質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
(比較例1)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名 ES−30、瀬戸窯業原料社製)342.0質量部、エポキシ樹脂としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名 EPICLON N−660、DIC社製、エポキシ当量206、軟化点65℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として比較合成例1で得たフェノール樹脂(水酸基当量122、軟化点155℃)59.2質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.37質量部、滑剤としてカルナバワックス0.74質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403、信越化学工業社製)15.9質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
(比較例2)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名 ES−30、瀬戸窯業原料社製)352.0質量部、エポキシ樹脂としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名 EPICLON N−690、DIC社製、エポキシ当量212、軟化点92℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として通常のフェノールノボラック樹脂(商品名PSM−4261、群栄化学工業社製、水酸基当量108、軟化点82℃)51.0質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.35質量部、滑剤としてカルナバワックス0.70質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403 信越化学工業社製)15.1質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
(比較例3)
無機充填剤として平均粒径80μmの球状溶融シリカ(商品名 ES−30、瀬戸窯業原料社製)272.0質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名 EPICLON 2050、エポキシ当量640、軟化点87℃)100.0質量部、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂として通常のフェノールノボラック樹脂、群栄化学工業社製(商品名PSM−4261、水酸基当量108、軟化点82℃)17.0質量部、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール0.27質量部、滑剤としてカルナバワックス0.54質量部、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM−403、信越化学工業社製)11.7質量部をミキシングロールにて110℃で5分間溶融混練し、冷却後、粗砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
上記実施例2〜5,7,8、参考例1,6および比較例1〜3の各エポキシ樹脂組成物を、幅10mm、長さ100mm、厚さ4mmの成型品を作製できるキャビティを有する金型を備えた低圧トランスファー成形機を用い、金型温度175℃、180秒で成型し、180℃で8時間ポストキュアし、冷却した。これにより得た成型品をテストピースとして用い、下記に示す評価を行った。評価結果を表3,4に示す。
[曲げ強度・曲げ弾性率]
上記テストピースを用い、25℃、曲げ速度10mm/分の条件下、東洋精機製作所社製ストログラフV10−Cにより、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
[ガラス転移温度]
上記テストピースを用い、熱機械分析装置(セイコーインスツルメンツ社製 TMA/SS120)により測定した。
[熱分解温度]
上記テストピースの一部を粉砕、微粉化し、示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6300)により、窒素雰囲気下で熱重量減量を測定し、熱分解開始温度を求めた。
[吸湿率]
上記テストピースを温度85℃、相対湿度85%の環境下、168時間放置して、吸湿処理を施した。そして、下記式に基づき、吸湿率を求めた。
吸湿率=[(吸湿処理後テストピース質量/吸湿処理前テストピース質量)×100]−100
Figure 0005301253
Figure 0005301253
化合物aを含有するエポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂を用いた実施例2〜5,7,8、参考例1,6では、得られたエポキシ樹脂硬化成形物の曲げ弾性率が低かった。また、充分な曲げ強度を有していた。
また、エポキシ樹脂硬化用フェノール樹脂における化合物aの含有量が25質量%以下であった実施例2〜5,7、参考例1,6では、得られたエポキシ樹脂硬化成形物のガラス転移温度および熱分解開始温度が高く、耐熱性に優れていた。また、耐湿性にも優れていた。
これに対し、糖質類を用いて得たが、化合物aを含有しないフェノール樹脂を硬化剤として用いた比較例1では、得られたエポキシ樹脂硬化成形物の曲げ弾性率が高かった。
硬化剤として通常のフェノールノボラック樹脂を用いた比較例2,3では、同じエポキシ樹脂を用いた実施例または参考例(比較例2については実施例3、比較例3については参考例6)と比較して、エポキシ樹脂硬化成形物の曲げ弾性率が高かった。

Claims (4)

  1. フェノール類と、フルクトースを固形分全体の50質量%以上含有する糖質類とを、酸性触媒下で反応させて得られた、下記式(1)で表わされる化合物を含有するフェノール樹脂からなることを特徴とするエポキシ樹脂硬化
    Figure 0005301253
    (式(1)におけるR,Rは、各々独立して、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、クミル基、ヒドロキシクミル基のいずれかである。)
  2. エポキシ樹脂と、請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  3. エポキシ樹脂が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂および/またはビスフェノールA型エポキシ樹脂である請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化剤を用いてエポキシ樹脂を硬化させることを特徴とするエポキシ樹脂硬化方法。
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