JP5268404B2 - フェノール系重合体、その製法およびその用途 - Google Patents

フェノール系重合体、その製法およびその用途 Download PDF

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本発明は、フェノール系重合体、その製法およびその用途に関する。さらに詳しくは、本発明は、低溶融粘度でかつ難燃性である半導体封止用途に適したフェノール系重合体、その組成物及びその製造方法に関する。
フェノ−ルアラルキル樹脂は、エポキシ樹脂の硬化剤として用いると耐熱性、耐湿性、機械的性質等の物性に優れ、しかも低粘度の樹脂が製造可能であり、作業性が良好であることから、挿入型用、表面実装用樹脂の用途、特に半導体封止用樹脂として使用されている。
近年半導体パッケージの小型・薄型化及び形状の複雑化に伴い、半導体封止用樹脂には益々低粘度のものが要求されるようになってきている。低粘度であればフィラーを高充填でき,半田耐熱性や耐湿信頼性の面でも有利になるばかりでなく、流動性も向上し、複雑形状のパッケージ、例えばBGAなどにも対応可能となる。
また、近年、地球環境に配慮した企業活動の重視により有害性のおそれのある物質の削減・撤廃の動きがあり、ハロゲン系難燃剤及びアンチモン化合物を使用しないで、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物が要求され、先端パッケージ用に使用されていたフェノ−ルアラルキル樹脂も、汎用パッケージにおいても、ハロゲン系難燃剤及びアンチモン化合物を使用しないで、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物が要求さ使用されているので使用されている(特許文献1、2)。現在、フェノ−ルアラルキル樹脂と比べて同等以上の難燃性でかつ低溶融粘度である硬化剤が望まれている。
特願平5−97965公報 特願平11−5831公報
低溶融粘度でかつ難燃性である半導体封止用途に適したフェノール系重合体、その組成物及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、下記一般式(1)で示されるフェノール類と、下記一般式(2)で示される芳香族化合物と、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物と、ホルムアルデヒドを、芳香族化合物のフェノール類に対するモル比が0.1〜0.6であり、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物がフェノール類に対し5〜25重量%であり、ホルムアルデヒドのフェノール類に対するモル比が0.01〜0.20である条件で反応させて得られるフェノール系重合体を提供する。
Figure 0005268404
Figure 0005268404
(式(1)中、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基であり、式(2)中、Xはハロゲン、OH基又はOCH基である。)
本発明は、前記したフェノール系重合体とエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明はまた、前記一般式(1)で示されるフェノール類と、前記一般式(2)で示される芳香族化合物と、m−キシレン・ホルムアルデヒド樹脂の縮合物を、芳香族化合物のフェノール類に対するモル比が0.1〜0.6であり、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物がフェノール類に対し5〜25重量%である条件で反応させた後に、さらにホルムアルデヒドをフェノール類に対するモル比が0.01〜0.20で加えて縮合させてなるフェノール系重合体の製造方法を提供する。
本発明によれば、成形材、各種バインダー、コーティング材、積層材などに有用な、低溶融粘度でありながら高軟化点で安価なフェノール系重合体及びその製造方法が提供される。
本発明により、とくにエポキシ樹脂硬化剤として有用であり、とりわけ半導体封止用として用いた場合に、低溶融粘度、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物を形成することができるフェノール系重合体、及びそのエポキシ樹脂組成物が提供される。
本発明は、前記一般式(1)で示されるフェノール類と、前記一般式(2)で示される芳香族化合物と、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物と、ホルムアルデヒドを、芳香族化合物の該フェノール類に対するモル比が0.1〜0.6であり、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物がフェノール類に対し5〜25重量%であり、ホルムアルデヒドのフェノール類に対するモル比が0.01〜0.20である条件で反応させて得られるフェノール系重合体を提供する。
で示されるフェノール系重合体を提供する。
本発明はまた、前記一般式(1)で示されるフェノール類と、前記一般式(2)で示される芳香族化合物と、m−キシレン・ホルムアルデヒド樹脂の縮合物を、芳香族化合物のフェノール類に対するモル比が0.1〜0.6であり、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物がフェノール類に対し5〜25重量%である条件で反応させた後に、さらにホルムアルデヒドをフェノール類に対するモル比が0.01〜0.20で加えて縮合させてなるフェノール系重合体の製造方法を提供する。
前記一般式(1)で示されるフェノール類としては、フェノール、(o−,m−,p−)クレゾール、キシレノール、(o−,p−)エチルフェノール、ブチルフェノール、ハロゲン化フェノール、カテコール、レゾルシンなどの単環型フェノール化合物、あるいはビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、α−ナフトール、β−ナフトールなどの多環型フェノール化合物が挙げられ、これらを1種もしくは2種以上使用することができるが特にフェノールが好ましい。
m−キシレン・ホルムアルデヒドの縮合物は、市販されており(例えばフドー(株)製「ニカノール」(商品名))、市販品から容易に入手することもできる。
一般式(2)で示される芳香族化合物の例として、1,2−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,2−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、1,3−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,3−ジ(フルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、1,4−ジ(フルオロメチル)ベンゼン等あげることができる。これらの芳香族ビスハロゲノメチル化合物のうち1,4−ジ(クロロメチル)ベンゼンが原料として最も入手しやすく一般的である。
前記
で示されるフェノール系重合体は、前記一般式(1)で示されるフェノール類と、前記一般式(2)で示される芳香族化合物と、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物を反応させた後に、さらにホルムアルデヒドを縮合させて得ることができる。
前記(1)、(2)及びm−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物の反応においては、適度な分子量とエポキシ樹脂用硬化剤としての優れた性能を有するフェノール系重合体を得るために、フェノール類に対する芳香族化合物のモル比が0.01〜0.60、好ましくは0.15〜0.48と、フェノール類の重量に対し5〜25重量%のm−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物を好ましくは10〜20重量%で反応させた後、さらにホルムアルデヒドを、ホルムアルデヒド/フェノール類の(モル比)が0.01〜0.20、好ましくは0.05〜0.15の割合で反応させるのがよい。
上記反応は、触媒の存在下又は不存在下、60〜150℃程度の温度で1〜10時間程度反応させることによって得ることができる。すなわち前記(2)式において、XがOH基又はOCH基の場合は酸触媒の存在下で反応させることが必要であり、また前記(2)式においてXがハロゲンの場合には、僅かな水を存在させることによって反応を開始させることができ、また反応によって生じるハロゲン化水素によって、反応を進行させることができる。
上記反応において使用可能な酸触媒としては、リン酸、硫酸、塩酸などの無機酸、蓚酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸などの有機酸、塩化亜鉛、塩化第2錫、塩化第2鉄、ジエチル硫酸などのフリーデルクラフツ触媒を、単独又は併用して用いることができる。
生成物のフェノール系重合体を半導体封止のような電子材料用途に使用する場合には、酸が残存するのは好ましくないため、酸触媒として塩酸を用いることにより、縮合反応混合物から減圧によって塩化水素を簡単に除去することができるので好ましい。
上記縮合反応によって得られる縮合反応混合物から、未反応原料(例えばフェノール類)、反応副生物(例えばハロゲン化水素やメタノール)、触媒(例えば塩酸)などを減圧下に除去することによって、反応生成物であるフェノール系重合体を分離することができる。このような反応生成物は、150℃におけるICI溶融粘度が10〜200mPa・s、好ましくは50〜180mPa・sの範囲にある。また上記反応生成物における未反応原料等の除去のために行われる上記減圧下の分離操作は、通常、130℃以上の温度で行なわれるので、該操作で得られる溶融状態の反応生成物をそのまま急冷・固化することにより、軟化点(JIS K2207)が50〜80℃程度の非晶性固体として単離することができる。
このようにして得られる上記反応生成物であるフェノール系重合体は、一般には透明性が優れ、成形温度域での溶融粘度も低く、加工性に優れている。したがって成形材、各種バインダー、コーティング材、積層材などに使用することができる。とりわけエポキシ樹脂硬化剤として有用であり、エポキシ樹脂系半導体封止材における硬化剤として使用すると、硬化が速く、また低吸湿性、熱時低弾性率、高接着性、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
上記エポキシ樹脂組成物において、上記フェノール系重合体とともに使用することができるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノール、ナフトールなどのキシリレン結合によるアラルキル樹脂のエポキシ化物、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタリン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などの分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が挙げられる。これらエポキシ樹脂は単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。耐湿性、熱時低弾性率、難燃性などを考慮すると、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などの2官能エポキシ樹脂や、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノール、ナフトールなどのキシリレン結合によるアラルキル樹脂のエポキシ化物などから選ばれる芳香環の多い多官能型エポキシ樹脂を使用するのが好ましい。
エポキシ樹脂の硬化に際しては、硬化促進剤を併用することが望ましい。かかる硬化促進剤としては、エポキシ樹脂をフェノール樹脂系硬化剤で硬化させるための公知の硬化促進剤を用いることができ、例えば3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール類及びそのテトラフェニルボロン塩、有機ホスフィン化合物およびそのボロン塩、4級ホスホニウム塩などを挙げることができる。より具体的には、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンー7などの3級アミン、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィンなどの有機ホスフィン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラナフトエ酸ボレートなどを挙げることができる。中でも低吸水性や信頼性の点から、有機ホスフィン化合物や4級ホスホニウム4級ボレート塩が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、無機充填剤、カップリング剤、離型剤、着色剤、難燃剤、難燃助剤、低応力剤等を、添加または予め反応して用いることができる。また他の硬化剤を併用することもできる。このような他の硬化剤の例として、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、フェノールビフェニルアラルキル樹脂、フェノールナフチルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン型ノボラック樹脂などを挙げることができる。
上記エポキシ樹脂組成物を半導体封止用に使用する場合は、無機充填剤の添加は必須である。このような無機充填剤の例として、非晶性シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、ガラス、珪酸カルシウム、石膏、炭酸カルシウム、マグネサイト、クレー、タルク、マイカ、マグネシア、硫酸バリウムなどを挙げることができるが、とくに非晶性シリカ、結晶性シリカなどが好ましい。また優れた成形性を維持しつつ、充填剤の配合量を高めるために、細密充填を可能とするような粒度分布の広い球形の充填剤を使用することが好ましい。
カップリング剤の例としては、メルカプトシラン系、ビニルシラン系、アミノシラン系、エポキシシラン系などのシラン系カップリング剤やチタン系カップリング剤を、離型剤の例としてはカルナバワックス、パラフィンワックス、ステアリン酸、モンタン酸、カルボキシル基含有ポリオレフィンワックスなど、また着色剤としては、カーボンブラックなどをそれぞれ例示することができる。難燃剤の例としては、ハロゲン化エポキシ樹脂、ハロゲン化合物、リン化合物など、また難燃助剤としては三酸化アンチモンなどを挙げることができる。低応力化剤の例としては、シリコンゴム、変性ニトリルゴム、変性ブタジエンゴム、変性シリコンオイルなどを挙げることができる。
本発明のフェノール系重合体とエポキシ樹脂の配合比は、耐熱性、機械的特性などを考慮すると、水酸基/エポキシ基の当量比が0.5〜1.5、とくに0.8〜1.2の範囲にあることが好ましい。また他の硬化剤と併用する場合においても、水酸基/エポキシ基の当量比が上記割合となるようにするのが好ましい。硬化促進剤は、硬化特性や諸物性を考慮すると、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲で使用するのが好ましい。さらに半導体封止用のエポキシ樹脂組成物においては、無機充填剤の種類によっても若干異なるが、半田耐熱性、成形性(溶融粘度、流動性)、低応力性、低吸水性などを考慮すると、無機充填剤を組成物全体の60〜93重量%を占めるような割合で配合することが好ましい。
エポキシ樹脂組成物を成形材料として調製する場合の一般的な方法としては、所定の割合の各原料を、例えばミキサーによって充分混合後、熱ロールやニーダーなどによって混練処理を加え、さらに冷却固化後、適当な大きさに粉砕し、必要に応じタブレット化するなどの方法を挙げることができる。このようにして得た成形材料は、例えば低圧トランスファー成形などにより半導体を封止し、半導体装置を製造することができる。エポキシ樹脂組成物の硬化は、例えば100〜250℃の温度範囲で行うことができる。
以下に実施例、比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
フェノール153.5g(1.633モル)、1,4−ジ(クロロメチル)ベンゼン60g(0.342モル)及びニカノール(Y−50)19.7gを、下部に抜出口のある4つ口フラスコに仕込み、温度を上昇させると、系内が50℃でスラリー状態になり、70℃で均一に溶け、HClの発生が始まり、70℃で1時間保持し後、37%ホルマリンを19.9g(0.245モル)添加し、添加終了後昇温させ95℃で2時間保持後、さらに150℃で1時間熱処理を加えた。反応で出てくるHClはそのまま系外へ揮散させ、アルカリ水でトラップした。この段階で未反応の1,4−ジ(クロロメチル)ベンゼンは残存しておらず、全て反応したことをガスクロマトグラフィで確認した。反応終了後、減圧することにより、系内に残存するHCl及び未反応のフェノールを系外へ除去した。最終的に30torrで150℃まで減圧処理することで、残存フェノールがガスクロマトグラフィで未検出になった。この反応生成物を150℃に保持しながら、抜き出し、淡黄褐黄色で透明なフェノール系重合体(I)143.7gを得た。
このフェノール系重合体のJIS K 2207に基づく軟化点は68℃であった。またICI溶融粘度計により測定した150℃における溶融粘度は70mPa・sであった。さらにアセチル化逆滴定法により測定した水酸基当量は151g/eqであった。
[実施例2]
フェノールの仕込み量を134.3g(1.429モル)、1,4−ジ(クロロメチル)ベンゼンの仕込み量を70.0g(0.400モル)、ニカノール(Y−101)の仕込み量を27.6gとした以外は、実施例1と同様にして行い、淡黄褐黄色の透明なフェノール系重合体(II)137.0gを得た。
このフェノール系重合体(II)のJIS K 2207に基づく軟化点は68℃であった。またICI溶融粘度計により測定した150℃における溶融粘度は70mPa・sであった。さらにアセチル化逆滴定法により測定した水酸基当量は166g/eqであった。
[実施例3]
フェノールの仕込み量を142.5g(1.516モル)、1,4−ジ(クロロメチル)ベンゼンの仕込み量を65.0g(0.3714モル)、ニカノール(Y−101)の仕込み量を25.6g、37%ホルマリンを6.1g(0.076モル)とした以外は、実施例1と同様にして行い、淡黄褐黄色の透明なフェノール系重合体(III)139.7gを得た。
このフェノール系重合体(III)のJIS K 2207に基づく軟化点は67℃であった。またICI溶融粘度計により測定した150℃における溶融粘度は60mPa・sであった。さらにアセチル化逆滴定法により測定した水酸基当量は159g/eqであった。
実施例1〜3で得られたフェノール系重合体(I)〜(III)の物性を、後記比較例1で使用したフェノールアラルキル樹脂と対比して表1に示した。
[実施例4]
下記一般式(3)で示されるエポキシ樹脂A(ビフェニルアラルキル型、エポキシ当量272g/eq、日本化薬(株)製NC−3000P)、実施例1で得たフェノール系重合体(I)、溶融シリカ及びリン系硬化促進剤(2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラート)を表2に示す割合で配合し、充分に混合した後、85℃±3℃の2本ロールで3分混練し、冷却、粉砕することにより、成形用組成物を得た。トランスファー成形機でこの成形用組成物を、圧力100kgf/cmで175℃、2分間成形した後、180℃、6時間のポストキュアを行い、ガラス転移温度(Tg)用及び難燃性試験用のテストピースを得た。
Figure 0005268404
(式中、Gはグリシジル基、nは1〜10の数)
これら成形材料の物性を、次の方法により測定した。
(1)ガラス転移温度(Tg)
TMAにより、昇温速度5℃/分の条件で線膨張係数を測定し、線膨張係数の変曲点をTgとした。
(2)難燃性
厚み1.6mm×幅10mm×長さ135mmのサンプルを用い、UL−V94に準拠して残炎時間を測定し、難燃性を評価した。
これらの評価結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例1で得たフェノール系重合体(I)の代わりに、実施例2で得たフェノール系重合体(II)を用い、配合割合を表1のようにした以外は、実施例4と同様にして成形用組成物を調製し、その評価を行った。その結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例1で得たフェノール系重合体(I)の代わりに、実施例3で得たフェノール系重合体(III)を用い、配合割合を表1のようにした以外は、実施例4と同様にして成形用組成物を調製し、その評価を行った。その結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1で得たフェノール系重合体(I)の代わりに、下記一般式(4)で示されるフェノールアラルキル樹脂(ICI溶融粘度計により測定した150℃における溶融粘度は100mPa・s、水酸基当量168g/eq)を用いると共に、配合割合を表2のようにした以外は、実施例4と同様にして成形用組成物を調製し、その評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0005268404
(式中、nは1〜10の数)
Figure 0005268404
Figure 0005268404
表1において、実施例1〜3と比較例1を対比すると、実施例1〜3の重合体が、低粘度化され、軟化点は高く、比較例1の樹脂より優れていた。
表2において、実施例4〜6の樹脂組成物は、ゲル化時間及びトルクが比較例1と同じレベルであり、成型硬化性には問題がない。また実施例4〜6の樹脂組成物は、比較例1より低粘度でありながらガラス転移温度は同じレベルであり、難燃性評価についても比較例1と同等もしくはそれ以上であった。
本発明により、低溶融粘度でかつ難燃性である半導体封止用途に適したフェノール系重合体組成物を提供することにある。
本発明により提供されるフェノール系重合体は、成形材、各種バインダー、コーティング材、積層材などに有用な、低溶融粘度でありながら高軟化点で安価なフェノール系重合体である。
本発明により提供されるフェノール系重合体は、とくにエポキシ樹脂硬化剤として有用であり、とりわけ半導体封止用として用いた場合に、低溶融粘度、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物を形成することができるフェノール系重合体である。
本発明により、低溶融粘度でかつ難燃性である半導体封止用途に適したフェノール系重合体組成物を簡便かつ安価に製造することができる方法が提供される。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で示されるフェノール類と、下記一般式(2)で示される芳香族化合物と、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物と、ホルムアルデヒドを、芳香族化合物のフェノール類に対するモル比が0.1〜0.6であり、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物がフェノール類に対し5〜25重量%であり、ホルムアルデヒドのフェノール類に対するモル比が0.01〜0.20である条件で反応させて得られるフェノール系重合体。
    Figure 0005268404

    Figure 0005268404
    (式(1)中、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基であり、式(2)中、Xはハロゲン、OH基又はOCH基である。)
  2. 150℃におけるICI溶融粘度が、10〜200mPa・sである請求項1に記載のフェノール系重合体。
  3. 前記フェノール類がフェノールである請求項1または2に記載のフェノール系重合体。
  4. 下記一般式(1)で示されるフェノール類と、下記一般式(2)で示される芳香族化合物と、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物を、芳香族化合物のフェノール類に対するモル比が0.1〜0.6であり、m−キシレン・ホルムアルデヒド縮合物がフェノール類に対し5〜25重量%である条件で反応させた後に、さらにホルムアルデヒドをフェノール類に対するモル比が0.01〜0.20で加えて縮合させてなるフェノール系重合体の製造方法。
    Figure 0005268404
    Figure 0005268404
    (式(1)中、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基であり、式(2)中、Xはハロゲン、OH基又はOCH基である。)
  5. 請求項項1〜3のいずれかに記載のフェノール系重合体からなるエポキシ樹脂用硬化剤。
  6. 請求項項1〜3のいずれかに記載のフェノール系重合体からなるエポキシ樹脂用硬化剤とエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  7. さらに無機充填剤を含有する請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. さらに硬化促進剤を含有する請求項6又は7に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 半導体封止用である請求項6〜8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
  11. 請求項9に記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置。
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