JP5246728B2 - フェノール樹脂の製造方法、フェノール樹脂、フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、二次電池用電極、電極用炭素材料、医薬用吸着剤、電気二重層キャパシタ分極性電極 - Google Patents

フェノール樹脂の製造方法、フェノール樹脂、フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、二次電池用電極、電極用炭素材料、医薬用吸着剤、電気二重層キャパシタ分極性電極 Download PDF

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Description

本発明は、フェノール樹脂及びその製造方法に関するものであり、またこのフェノール樹脂を用いたフェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、電極用炭素材料、医薬用吸着剤に関するものであり、さらにフェノール樹脂から得た電極用炭素材料で形成される二次電池用電極、電気二重層キャパシタ用電極に関するものである。
フェノール樹脂の合成は、フェノール類とアルデヒド類とを反応触媒の存在下、攪拌しながら、大気圧下で加熱して内温を昇温させ、所定の反応温度で目的とする分子の大きさまで付加縮合反応させることによって、行なわれている。そして必要に応じて、減圧しながら水、未反応のフェノール類やアルデヒド類を留去することによって、フェノール樹脂を得ることができる。
また、フェノール類とアルデヒド類とを反応触媒及び分散剤の存在下、攪拌しながら、大気圧下で加熱して付加縮合反応させることによって、球状粒子としてフェノール樹脂を調製することもできる(例えば特許文献1等参照)。
特開昭63−48320号公報
上記のようにフェノール類とアルデヒド類を大気圧下で攪拌しながら加熱して付加縮合反応させるにあたって、フェノール類とアルデヒド類の付加縮合反応は発熱を伴ないながら進行し、その発熱の度合いは内温が高くなるほど大きくなり、反応の制御が難しくなる。このため、触媒量を減らしたり、昇温速度を抑えたりしながら、反応を行なわせる必要がある。また反応熱が大きくなる高い温度で反応させると、急激な反応によって付加縮合物の分子量のばらつきが大きくなったり、未反応モノマーの残存量が多くなったりする。
さらに、固形のフェノール樹脂として調製する場合、攪拌により巻き込まれた気体や蒸発した水蒸気などが逃げられないまま、固形のフェノール樹脂中にこれらが気泡として包含されることになる。そしてこのようにフェノール樹脂中に多くの気泡が含まれていると、例えばフェノール樹脂を接着剤などとして使用する場合に、樹脂の融点以上の硬化温度に加熱して硬化させても、気泡は包含されたままそれがボイドとなり、接着不良等の問題が生じるおそれがある。このため、脱気工程を設けてボイドを除去することが必要な場合がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、反応の制御が容易であり、また気泡の少ないフェノール樹脂を得ることができるフェノール樹脂及びその製造方法を提供することを目的とするものであり、またこのフェノール樹脂を用いた、性能の高い、フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、電極用炭素材料、医薬用吸着剤、二次電池用電極、電気二重層キャパシタ分極性電極を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るフェノール樹脂の製造方法は、フェノール類とアルデヒド類とを塩基性物質からなる反応触媒の存在下で付加縮合反応させるにあたって、水の沸騰還流下、0.007〜0.095MPaの減圧雰囲気で付加縮合反応させ、この付加縮合反応を、生成されるフェノール樹脂が不溶不融状態になるまで継続した後に停止することを特徴とするものである。
この発明によれば、付加縮合反応を減圧雰囲気で行なうことによって、反応速度が抑制され、反応制御が容易になるものであり、また攪拌により巻き込まれた気体や蒸発した水蒸気などは減圧によって、反応途中に樹脂中から脱気されて除去され、気泡の少ないフェノール樹脂を得ることができるものである。
また減圧条件を0.007〜0.095MPaの範囲に設定することによって、反応制御が容易になり、気泡の少ないフェノール樹脂を得ることができるものである。
さらにこの発明によれば、得られたフェノール樹脂は硬化した状態にあるので、フェノール樹脂をフィラーなどとして使用することができるものである。
また請求項の発明は、請求項において、付加縮合反応を分散剤の存在下、攪拌しながら行なうことを特徴とするものである。
この発明によれば、球状の粒子の形態にフェノール樹脂を調製することができるものである。
また本発明の請求項に係るフェノール樹脂は、上記の請求項1又は2に記載の製造方法で得られたことを特徴とするものである。
この発明によれば、得られたフェノール樹脂を上記のようにフィラーなど多様な用途に用いることができるものである。
本発明の請求項に係るフェノール樹脂炭化材料は、請求項に記載のフェノール樹脂が、非酸化性雰囲気下で熱処理して炭化されたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、フェノール樹脂を炭化して炭化材料とすることによって、導電性フィラーや、電極材料などの用途に使用することができるものである。
本発明の請求項に係る導電性樹脂組成物は、請求項に記載のフェノール樹脂炭化材料を、導電性フィラーとして樹脂に配合して成ることを特徴とするものである。
この発明によれば、フェノール樹脂炭化材料を導電性フィラーとして用いて、導電性に優れた成形品などを成形することができるものである。
本発明の請求項に係る二次電池用電極は、請求項に記載のフェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とするものである。
この発明によれば、フェノール樹脂炭化材料を用いて電極特性の優れた電極を形成することができるものである。
本発明の請求項に係る電極用炭素材料は、請求項に記載のフェノール樹脂炭化材料が賦活処理されたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、フェノール樹脂炭化材料を賦活処理することによって比表面積や細孔容積を大きくすることができ、電極特性の優れた電極を形成することができるものである。
本発明の請求項に係る医薬用吸着剤は、請求項に記載のフェノール樹脂炭化材料が賦活処理されたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、フェノール樹脂炭化材料を賦活処理することによって比表面積や細孔容積を大きくすることができ、吸着性能の高い医薬用吸着剤を得ることができるものである。
本発明の請求項に係る電気二重層キャパシタ分極性電極は、請求項に記載のフェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とするものである。
この発明によれば、フェノール樹脂炭化材料を用いて電極特性の優れた電気二重層キャパシタ分極性電極を形成することができるものである。
また本発明の請求項10に係る電気二重層キャパシタ分極性電極は、請求項に記載の電極用炭素材料を電極材料として形成されたことを特徴とするものである。
この発明によれば、賦活処理して比表面積や細孔容積を大きくしたフェノール樹脂炭化材料を用いることによって、放・充電容量の高い電気二重層キャパシタ分極性電極を形成することができるものである。
フェノール類とアルデヒド類とを塩基性物質からなる反応触媒の存在下で付加縮合反応させるにあたって、水の沸騰還流下、0.007〜0.095MPaの減圧雰囲気で付加縮合反応させ、この付加縮合反応を、生成されるフェノール樹脂が不溶不融状態になるまで継続した後に停止することによって、気泡の少ないフェノール樹脂を得ることができるものであり、このフェノール樹脂を、フェノール樹脂炭化材料、導電性樹脂組成物、電極用炭素材料、医薬用吸着剤、二次電池用電極、電気二重層キャパシタ用電極など多様な用途に用いることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを反応触媒の存在下、減圧雰囲気で付加縮合反応することによって得ることができるものである。
反応に使用するフェノール類としては、フェノールの他にフェノールの誘導体を用いることができる。フェノールの誘導体としては、例えばm−クレゾール、レゾルシノール、3,5−キシレノールなどの3官能性のもの、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルメタンなどの4官能性のもの、o−クレゾール、p−クレゾール、p−ter−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−又は2,6−キシレノールなどの2官能性のo−又はp−置換のフェノール類などを挙げることができ、さらに塩素又は臭素で置換されたハロゲン化フェノールなどを用いることもできる。フェノール類としてはこれらから1種を選択して用いる他、複数種のものを混合して用いることもできる。
また反応に使用するアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドの水溶液の形態であるホルマリンが最適であるが、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサンのような形態のものを用いることもでき、その他アルデヒドの一部あるいは大部分をフルフラールやフルフリルアルコールに置き換えたものを用いることも可能である。
さらに付加縮合反応に使用する反応触媒としては、フェノール類とアルデヒド類を反応させ、ベンゼン核とベンゼン核の間に=NCH−結合を生成するような塩基性物質、例えばヘキサメチレンテトラミン、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロペレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノジメチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキスピロ(5,5)ウンデカン、キシレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等の第1級や第2級のアミン類などを用いることができる。また、ナトリウム、カリウム、リチウムなどアルカリ金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、あるいはカルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、あるいは第3級アミン化合物などを挙げることもできる。これらの具体例を挙げると、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7などがある。
上記各成分の配合量は、フェノール類1モルに対してアルデヒド類1.0〜3.0モルの範囲になるように、フェノール類に対するアルデヒド類の配合量を設定するのが好ましく、また反応触媒の配合量は、反応触媒の種類によって大きく異なるが、フェノール類に対して0.05〜10質量%の範囲が好ましい。
そして反応は、反応の開始初期から、あるいは反応の途中から、反応容器内を減圧して減圧雰囲気で行なうものである。この反応は、反応溶液中に含まれている水の沸騰還流下で行なうことができるが、沸騰温度以下でも行なうことができる。このように減圧雰囲気でフェノール類とアルデヒド類を付加縮合反応させることによって、攪拌により巻き込まれた空気や蒸発した水蒸気などの気体は、減圧によって反応途中に樹脂中から脱気されて除去されるものであり、また未反応のモノマーも樹脂中から脱気されて除去されるものであり、気泡の少ないフェノール樹脂を調製することができるものである。また、減圧雰囲気下では、反応溶液に含まれている水の沸騰温度が低くなり、反応温度が高くならないように反応温度を制御することが容易になる。このため急激な反応が生じて付加縮合物の分子量にばらつきが大きく発生したり、未反応モノマーの残存量が多くなったりすることを防ぐことができ、安定した品質のフェノール樹脂を製造することができるものである。
ここで減圧雰囲気は、0.007〜0.095MPa(0.07〜0.97kgf/cm)程度の範囲に設定するのが好ましい。減圧度が大きいほうがより気泡の少ないフェノール樹脂を製造することが可能になるが、反応溶液中に含まれている水の沸騰還流下で反応を行なう場合、沸騰温度は減圧度に依存し、0.007MPa未満の減圧雰囲気では水の沸騰温度は約40℃以下であり、これ以上の温度に上昇させることはできないので、反応を進行させるためには反応触媒の添加量が多く必要になって、経済性のうえで好ましくない。逆に0.095MPaを超える減圧雰囲気では、フェノール樹脂中の気泡を少なくする効果が不十分になり、また水の沸騰温度は約97.5℃以上になるので、反応が激しくなって反応を制御することが難しくなる。
上記のようにして、レゾール型のフェノール樹脂を調製することができるが、球状粒子のフェノール樹脂を調製する場合には、上記の付加縮合反応を、分散剤を添加した状態で行なうものである。分散剤は、一種の乳化剤としても作用するものであり、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール、ニカワ、グアーゴム、タラガム、ガッテガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、可溶化でんぷん、寒天、アルギン酸ソーダなどを挙げることができ、これらのうちから一種単独で、あるいは複数種を併用して使用することができる。これらの中でも、アラビアゴム、タラガム、ポリビニルアルコールを好ましく用いることができる。分散剤の添加量は、分散剤が有する乳化効果によって大きく異なり、特に限定されるものではないが、フェノール類に対して0.1〜10.0質量%の範囲が好ましく、特に0.5〜7.0質量%の範囲がより好ましい。
分散剤を添加して行なう付加縮合反応は、反応系を攪拌するに足る量の水中で、攪拌しつつ行なわれるものであり、反応の初期では反応液は透明であるが、付加縮合反応が進むと縮合反応物が系中の水分と分離し始め、これが分散剤の作用で凝集して球状になり、反応系中に析出する。そして所望する程度に反応を進めた後に、冷却し、攪拌を停止すると、反応系の水中で沈降し、水と分離する。このように沈降した材料は微小球形の含水粒状物となっているが、ろ過することによって容易に水から分離することができるものであり、これを乾燥することによって、球状のフェノール樹脂を得ることができるものである。
上記のように製造されるフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を縮合させているために、樹脂の分子量が大きくなり、またレゾール型に調製されるために、熱硬化性を有するものである。このため、付加縮合反応を樹脂が熱硬化性を有する状態で停止することによって、未硬化で熱硬化性を有するフェノール樹脂を得ることができる。
この未硬化で熱硬化性のフェノール樹脂は、加熱することによって溶融・硬化するので、成形材料として用いることができるものである。成形は、フェノール樹脂を金型に射出する射出成形や、金型に充填して加熱・加圧する圧縮成形など任意の成形法で行なうことができる。このときの加熱は、金型の温度を130〜250℃の範囲に設定して行なうのが好ましく、加圧は、10〜200MPaの範囲の面圧で行なうのが好ましい。
またこの未硬化で熱硬化性のフェノール樹脂を用いて、レジンコーテッドサンドを得ることができる。レジンコーテッドサンドの製造は、例えば、けい砂など鋳型用の耐火骨材を150℃程度に加熱し、この加熱した耐火骨材に未硬化で熱硬化性のフェノール樹脂0.8〜3.0質量%程度添加して、混練した後に、冷却することによって行なうことができ、さらさらとしたレジンコーテッドサンドを得ることができるものである。
このレジンコーテッドサンドは、耐火骨材にコーティングされるフェノール樹脂がバインダーとなって、シェルモールドなどの鋳型を成形することができるものである。ここで、フェノール樹脂は上記のように減圧雰囲気で調製されており、未反応のモノマーは樹脂中から脱気されて除去されている。このため、レジンコーテッドサンドを製造する際や、レジンコーテッドサンドでシェルモールドなどの鋳型を成形する際に、フェノール樹脂中から未反応のフェノール類やアルデヒド類などのモノマーが揮散することを低減することができ、作業環境汚染や大気汚染を抑制することができるものである。
本発明では、上記のようにしてフェノール樹脂を製造するにあたって、付加縮合反応を、生成されるフェノール樹脂が不溶不融性になるまで持続した後に、停止させることによって、完全硬化状態のフェノール樹脂を得るようにしているものである。尚、完全硬化状態のフェノール樹脂を得るにあたっては、このように生成されるフェノール樹脂が不溶不融性になるまで付加縮合反応を持続するようにする他に、上記のように未硬化のフェノール樹脂を調製した後に、これを加熱処理してフェノール樹脂を完全硬化させるようにしてもよい。
この完全硬化して不溶不融状態になったフェノール樹脂は、例えばフィラーなどとして使用することができる。特に、分散剤の存在下で付加縮合反応を行なって球状に調製されるフェノール樹脂は、流動性に優れたフィラーとして使用することができるものである。
またこの完全硬化した状態のフェノール樹脂を、非酸化性雰囲気で熱処理して、フェノール樹脂を炭化させることによって、フェノール樹脂炭化材料を得ることができるものである。非酸化性雰囲気は、フェノール樹脂が酸化されないものであればよく、例えば不活性ガス雰囲気としてアルゴン、ヘリウム、窒素ガスなどの雰囲気に設定することができる。熱処理の条件は、フェノール樹脂を焼成して炭化するために、400〜3000℃、1〜100時間程度に設定するのが好ましい。
このフェノール樹脂炭化材料は導電性フィラーとして用いることができ、フェノール樹脂炭化材料を樹脂に配合することによって、導電性樹脂組成物を得ることができるものである。特に、分散剤の存在下で付加縮合反応を行なって球状に調製されるフェノール樹脂を炭化させたフェノール樹脂炭化材料は、流動性に優れた導電性フィラーとして使用することができるものである。
導電性樹脂組成物の樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、液晶ポリマー、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。導電性フィラーとして配合するフェノール樹脂炭化材料の配合量は任意に設定することができるが、質量比で樹脂1に対して、フェノール樹脂炭化材料を0.01〜1.5程度の範囲に設定するのが好ましい。
このように調製される導電性樹脂組成物を射出成形や圧縮成形などの任意の方法で成形することによって、導電性の高い電気・電子機器の部品などを製造することができるものである。
また、上記のようにフェノール樹脂を非酸化性雰囲気で熱処理する際に、フェノール樹脂は熱に曝されることによって熱分解を起こし、低分子量物質となった分解生成物が揮散し、その抜け跡が空隙となるので、フェノール樹脂炭化材料の粒子には多数の細孔が形成されるものである。このため、フェノール樹脂炭化材料の粒子には活性炭と同様な効果を発揮させることもできるものである。
従って、このフェノール樹脂炭化材料を、リチウムイオン二次電池の負極など二次電池の電極を形成する炭素材料として使用することができるものである。フェノール樹脂炭化材料を電極用炭素材料として用いて、リチウムイオン二次電池の負極などの電極を作製するにあたっては、例えば、フェノール樹脂炭化材料をバインダーと共に溶剤等に分散してスラリー状にし、銅箔等の金属箔にこのスラリーを塗布して乾燥し、プレス成形等することによって行なうことができるものである。
さらに、この電極を分極性電極として用い、電解液の界面で形成される電気二重層を形成する電気二重層キャパシタを形成することができるものである。
このように、本発明のフェノール樹脂炭化材料を用いて二次電池用電極や、電気二重層キャパシタ分極性電極を作製することによって、充・放電容量が高い二次電池や電気二重層キャパシタを得ることができるものである。
ここで、電気二重層キャパシタの分極性電極は、多くのイオンを吸着できるように比表面積の大きい活性炭が電極材料として用いられており、本発明に係るフェノール樹脂炭化材料も既述のように、熱処理してフェノール樹脂を炭化させることによって活性炭と同じ効果を有する細孔を具備し、大きな比表面積や細孔容積を有している。
しかしこのようにフェノール樹脂の炭化で生成される細孔では、比表面積や細孔容積は十分に大きいものではなく、必ずしも満足できるものではない。そこで本発明ではフェノール樹脂炭化材料を、水蒸気や二酸化炭素等による気相賦活法、溶融水酸化カリウム等による薬液賦活法などにより賦活処理して、フェノール樹脂炭化材料の単位質量当りの比表面積及び細孔容積をさらに大きくし、物理的化学的吸着性能を向上させた電極用炭素材料を製造するようにしている。そしてこの電極用炭素材料で電気二重層キャパシタ分極性電極を作製することによって、充・放電容量が高い電気二重層キャパシタを得ることができるものである。
また、消化管内で速やかに有害な吸着対象物質を吸着しないと有害物質が体内に吸収されるので、吸着速度の速い吸着剤が求められている。上記のようにフェノール樹脂炭化材料を賦活処理することによって、単位質量当りの比表面積及び細孔容積を大きくして物理的化学的吸着性能を向上させることができるので、これを医薬用の経口吸着炭素剤として使用することができるものである。例えば慢性腎不全治療薬、クローン病など胃腸疾患治療薬、潰瘍性大腸炎や過敏性腸症候群などの治療薬として使用することができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
参考例1:未硬化のフェノール樹脂の製造)
反応容器に、フェノールを400質量部、37質量%濃度のホルマリンを405質量部、水を300質量部、塩基性反応触媒としてヘキサメチレンテトラミンを50質量部仕込み、攪拌を開始した後、減圧ポンプを作動させて、水の沸騰温度が85℃になるように、反応容器内の圧力を0.60kgf/cm(0.06MPa)に減圧した。
そして約60分を要して内温85℃になるまで昇温して沸騰還流させ、そのまま3時間、付加縮合反応をさせた。
次に、減圧を解き、反応容器内の分離水を傾斜法で流出させた後、反応生成物をステンレス製のバットに払い出し、このバットを−15℃にセットした冷凍庫に入れて冷凍した。次にこれを粗砕機で2mm以下の大きさに粗砕し、粗砕後ただちに流動層乾燥装置で乾燥した。
得られたレゾール型のフェノール樹脂は黄色無色透明であり、軟化点、ゲル化時間、固定炭素量をJIS K 6910に準拠して、また密度をJIS A 1202(1999)に準拠して、それぞれ測定した。その結果、軟化点は81.8℃、150℃におけるゲル化時間は93秒、固定炭素量は49.3質量%、密度は1.248g/cmであった。またフェノール樹脂中の遊離ホルムアルデヒド量をJIS K 6910の塩酸ヒドロキシルアミン法に準拠して測定したところ、遊離ホルムアルデヒド量は1.38質量%であった。
参考例2:未硬化の球状のフェノール樹脂の製造)
上記の参考例1において、フェノール、ホルマリン、ヘキサメチレンテトラミンのほかに分散剤として(株)クラレ製ポリビニルアルコール「PVA−224」を10質量部仕込むようにした他は、参考例1と同様にして付加縮合反応をさせた。
そして減圧を解いた後に冷却し、ヌッチェで濾別して、球状の生成物を取り出し、バットに載せた紙の上で一週間風乾させることによって、球状のフェノール樹脂を得た。
得られた球状のレゾール型フェノール樹脂は、黄色透明であり、軟化点は82.6℃、150℃におけるゲル化時間は91秒、固定炭素量は49.8質量%、密度は1.256g/cm、遊離ホルムアルデヒド量は1.45質量%であった。
参考例3:未硬化の球状のフェノール樹脂の製造)
上記の参考例2において、水の沸騰温度が95℃になるように、反応容器内の圧力を0.86kgf/cm(0.084MPa)に減圧し、内温95℃になるまで昇温して沸騰還流下で付加縮合反応させるようにした他は、参考例2と同様にして、球状のフェノール樹脂を得た。
得られた球状のフェノール樹脂は、黄色透明であり、軟化点は83.5℃、150℃におけるゲル化時間は89秒、固定炭素量は50.2質量%、密度は1.251g/cm、遊離ホルムアルデヒド量は1.18質量%であった。
(比較例1:未硬化のフェノール樹脂の製造)
上記の参考例1において、反応容器内の圧力を大気圧(0.101MPa)にし、内温100℃になるまで昇温して沸騰還流下で付加縮合反応させるようにした他は、参考例1と同様にして、フェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂は、黄色不透明であり、軟化点は78.3℃、150℃におけるゲル化時間は99秒、固定炭素量は48.4質量%、密度は1.160g/cm、遊離ホルムアルデヒド量は2.18質量%であった。
(比較例2:未硬化の球状のフェノール樹脂の製造)
上記の参考例2において、反応容器内の圧力を大気圧(0.101MPa)にし、内温100℃になるまで昇温して沸騰還流下で付加縮合反応させるようにした他は、参考例2と同様にして、球状のフェノール樹脂を得た。
得られた球状のフェノール樹脂は、黄色不透明であり、軟化点は80.3℃、150℃におけるゲル化時間は103秒、固定炭素量は47.6質量%、密度は1.163g/cm、遊離ホルムアルデヒド量は2.24質量%であった。
上記の参考例1〜3及び比較例1〜2で得た未硬化のフェノール樹脂の、外観、軟化点、ゲル化時間、固定炭素量、密度、遊離フェノール量をまとめて表1に示す。また各フェノール樹脂を破断してその断面を顕微鏡で観察し、その結果を表1に示す。
表1にみられるように、比較例1〜2のものは気泡を多く含有するために不透明であるが、参考例1〜3のフェノール樹脂は透明であり、また比較例1〜2のものより密度が高く、参考例1〜3のフェノール樹脂は気泡の含有率が小さいことが確認される。このことは顕微鏡による観察で実証されている通りである。
参考例4:硬化したフェノール樹脂の製造)
上記の参考例1で得たフェノール樹脂をステンレス製のバットに広げ、予め100℃に庫内温度を設定した乾燥器中に入れて、10時間養生し、さらに120℃にして5時間養生することによって、フェノール樹脂を硬化させた。
次に冷却した後、0.5mmの網を備えたハンマークラッシャーで粉砕して、不溶不融状態に硬化したフェノール樹脂を得た。
得られた球状のフェノール樹脂は、黄褐色透明であり、加熱養生前に対する加熱養生後の重量減少率は3.6質量%であった。
(実施例:硬化した球状のフェノール樹脂の製造)
上記の参考例2において、付加縮合反応を8時間行なうようにした他は、参考例2と同様に反応させて、硬化させた。さらに参考例2と同様に濾別して風乾した後、硬化を完全にするために120℃で5時間養生し、不溶不融状態にした。
得られた球状のフェノール樹脂は、黄褐色透明であり、加熱養生前に対する加熱養生後の重量減少率は3.6質量%であった。
(実施例:硬化したフェノール樹脂の製造)
上記の参考例3において、付加縮合反応を8時間行なうようにした他は、参考例2と同様に反応させて、硬化させた。さらに参考例2と同様に濾別して風乾した後、硬化を完全にするために120℃で5時間養生し、不溶不融状態にした。
得られた球状のフェノール樹脂は、黄褐色透明であり、加熱養生前に対する加熱養生後の重量減少率は3.6質量%であった。
(比較例3:硬化したフェノール樹脂の製造)
上記の比較例1で得たフェノール樹脂を、参考例4と同様にして加熱養生すると共に粉砕することによって、不溶不融状態に硬化したフェノール樹脂を得た。
得られた球状のフェノール樹脂は、黄褐色不透明であり、加熱養生前に対する加熱養生後の重量減少率は4.1質量%であった。
(比較例4:硬化した球状のフェノール樹脂の製造)
上記の比較例2において、付加縮合反応を8時間行なうようにした他は、比較例2と同様に反応させて、硬化させた。さらに比較例2と同様に濾別して風乾した後、硬化を完全にするために120℃で5時間養生し、不溶不融状態にした。
得られた球状のフェノール樹脂は、黄褐色不透明であり、加熱養生前に対する加熱養生後の重量減少率は4.3質量%であった。
上記の実施例1〜2及び参考例4のものは、比較例3〜4のものよりも重量減少率が小さく、硬化前のフェノール樹脂中の未反応モノマーの含有率が低いことが確認される。また実施例及び比較例4の球状のフェノール樹脂を破断し、その破断面の電子顕微鏡(SEM)写真を図1(a)(b)に示す。
参考例5〜6
145℃に加熱したフラタリーけい砂30kgをワールミキサーにいれ、これに参考例1あるいは参考例2で得た未硬化のフェノール樹脂450gを加え、30秒間混練した後、さらに水450gを添加し、砂粒が崩壊するまで混練した。次いで、ステアリン酸カルシウム30gを添加して30秒間混練した後、これをワールミキサーから払い出し、エアレーションを行なって冷却することによって、けい砂の表面にフェノール樹脂を被覆したレジンコーテッドサンドを得た。このとき、混練中のホルムアルデヒド臭は弱いものであった。
このレジンコーテッドサンドは、けい砂に対するフェノール樹脂の被覆量が1.5質量%であり、さらさらとして流動性が良好なものであった。
(比較例5〜6)
比較例1あるいは比較例2で得た未硬化のフェノール樹脂を用いるようにした他は、参考例5〜6と同様にして、けい砂の表面にフェノール樹脂を被覆したレジンコーテッドサンドを得た。このとき、混練中のホルムアルデヒド臭は強いものであった。
このレジンコーテッドサンドは、けい砂に対するフェノール樹脂の被覆量が1.5質量%であった。
上記のようにして参考例5〜6及び比較例5〜6で得たレジンコーテッドサンドについて、融着点、かさ比重を測定した。融着点の測定はJACT試験法C−1に準拠して行ない、かさ比重の測定は共和理化工業株式会社製のかさ比重測定器A型を用いて、JIS K 6721に準拠して行なった。また、参考例5〜6及び比較例5〜6で得たレジンコーテッドサンドを用い、JIS K 6910の曲げ強さ試験法に従って試験片を作製し、曲げ強さを測定した。結果を表2に示す。
参考例7:フェノール樹脂炭化材料の製造)
参考例4で得た硬化したフェノール樹脂を、窒素雰囲気下、100℃/hの昇温速度で800℃まで昇温し、800℃で3時間保持する条件で熱処理することによって焼成し、フェノール樹脂炭化材料の粒子を得た。このフェノール樹脂炭化材料の収率は51.8質量%であった。
(実施例:フェノール樹脂炭化材料の製造)
実施例で得た硬化したフェノール樹脂を用いるようにした他は、参考例7と同様にして焼成し、フェノール樹脂炭化材料の粒子を得た。このフェノール樹脂炭化材料の収率は52.5質量%であった。
(比較例7:フェノール樹脂炭化材料の製造)
比較例3で得た硬化したフェノール樹脂を用いるようにした他は、参考例7と同様にして焼成し、フェノール樹脂炭化材料の粒子を得た。このフェノール樹脂炭化材料の収率は51.3質量%であった。
(比較例8:フェノール樹脂炭化材料の製造)
比較例4で得た硬化したフェノール樹脂を用いるようにした他は、参考例7と同様にして焼成し、フェノール樹脂炭化材料の粒子を得た。このフェノール樹脂炭化材料の収率は52.1質量%であった。
(実施例4、参考例8、比較例9〜10)
上記の実施例3、参考例7及び比較例7〜8で得た炭化材料を40質量部、ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製「ユピエースAH8」)を60質量部とり、これをドライブレンドした後、ラボテストミルを用いて320℃で均一に溶融混練した。そしてこれを冷却して固化させた後、粉砕することによって、導電性樹脂組成物を得た。
次に、この導電性樹脂組成物を射出成形することによって、縦・横が100mm、厚さ2mmの樹脂成形体を作製した。この樹脂成形体について、抵抗率をJIS K 7194に準拠して測定し、その結果を表3に示す。
(実施例5、参考例9及び比較例11〜12)
実施例3、参考例7及び比較例7〜8で得た炭化材料3gに、ポリビニリデンフルオライドをN−メチルピロリドンに10質量%溶解させて調製したバインダー3gを加え、これを混合してスラリー状にした。そしてこのスラリーを厚さ20μm、直径12mmの円形の銅箔に塗布し、130℃で10時間真空乾燥した後、減圧下でプレス成形して電極を作製した。
上記の実施例5、参考例9及び比較例11〜12で得た電極について、充・放電容量を測定した。充・放電容量測定には2電極セルを用いた。対極に金属リチウム、作用極に炭素材料を使用し、セパレータにはポリプロピレン製多孔質膜を用いた。電解液は1モル濃度の過塩素酸リチウムのエチレンカーボネート/ジエチレンカーボネート溶液(50/50質量%)を用いた。そして充・放電は正極、負極間に25mA/gの定電流を流して行ない、両極間の電位差の経時変化を測定することにより放電時間と充電時間を求めた。放電容量は、電流密度が一定であるため電流密度に放電時間又は充電時間を積算することにより求めた。またこの放電を1サイクルとして、20サイクル充・放電を繰り返した後についても、同様に放電容量を求めた。結果を表4に示す。
(実施例6、参考例10及び比較例13〜14)
実施例3、参考例7及び比較例7〜8で得た炭化材料を、水蒸気流量5ml、窒素流量2l/分の流速で流通されるロータリーキルン炉の混合ガス雰囲気下、850℃で2時間処理して賦活し、活性炭を得た。得られた活性炭について、比表面積をQUANTACHROME社製比表面積測定装置「NOVE2000」により、BET多点法で測定し、また充てん密度をJIS K 1474に準拠して測定した。結果を表5に示す。
また、上記のようにして得た活性炭を1質量部とり、活性炭に対して1.0質量%の割合でカーボンナノチューブ(昭和電工(株)製「VGCF−H」)を加えた後に、30質量%濃度の硫酸を1.5質量部含浸して混練し、ペースト状にした。このペースト0.9gを直径30mmの円形の二枚の白金電極にそれぞれ塗付し、ポリプロピレン製セパレータを介して両電極を圧密着することによって、電気二重層キャパシタを製造した。
そしてこの実施例6、参考例10及び比較例13〜14の電気二重層キャパシタに0.9Vで1時間充電した後、放電電流10mAの放電を行ない、電気二重層キャパシタの電圧が0.54〜0.45Vまで低下するのに要した時間を測定し、単位時間当たりの静電容量である重量静電容量と単位体積当りの静電容量である容量静電容量を求めた。結果を表5に示す。
(実施例7、参考例11及び比較例15〜16)
実施例6、参考例10及び比較例13〜14で得た賦活した活性炭を予め105℃で4時間乾燥させた。そしてこの活性炭5mLを100mLの三角フラスコに入れ、ここに、予めDL-β-アミノイソ酪酸100.0mgを0.05mol/Lのリン酸塩緩衝液(pH7.4)に溶解させた溶液50mLを加えた。次にこれを37±2℃に保った恒温振とう器に設置し、振とう数160回/分、振幅40mmの条件で振とうし、10分後、20分後、30分後、及び60分後にそれぞれ上澄み液1mLを採取した。
この採取液を高速クロマトグラフィーで分析してDL-β-アミノイソ酪酸を定量し、DL-β-アミノイソ酪酸の吸着率を次の式から求めた。結果を表6に示す。
DL-β-アミノイソ酪酸吸着率(%)
=100−{(振とう前濃度−振とう後濃度))/振とう前濃度)}×100
表6にみられるように、実施例7の活性炭は、吸着開始10分後に既に50%以上の高い吸着率を示している。従って本実施例の活性炭は、医薬品用として使用した場合、消化管内で短時間に吸着対象物質を吸着除去することができ、吸着対象物質が体内に吸収されることを防ぐ医薬用吸着剤として有用であることが確認される。
(a)は実施例の電子顕微鏡写真(80倍)、(b)は比較例4の電子顕微鏡写真(80倍)である。

Claims (10)

  1. フェノール類とアルデヒド類とを塩基性物質からなる反応触媒の存在下で付加縮合反応させるにあたって、水の沸騰還流下、0.007〜0.095MPaの減圧雰囲気で付加縮合反応させ、この付加縮合反応を、生成されるフェノール樹脂が不溶不融状態になるまで継続した後に停止することを特徴とするフェノール樹脂の製造方法。
  2. 付加縮合反応を分散剤の存在下、攪拌しながら行なうことを特徴とする請求項に記載のフェノール樹脂の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られたことを特徴とするフェノール樹脂。
  4. 請求項に記載のフェノール樹脂が、非酸化性雰囲気下で熱処理して炭化されたものであることを特徴とするフェノール樹脂炭化材料。
  5. 請求項に記載のフェノール樹脂炭化材料を、導電性フィラーとして樹脂に配合して成ることを特徴とする導電性樹脂組成物。
  6. 請求項に記載のフェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とする二次電池用電極。
  7. 請求項に記載のフェノール樹脂炭化材料が賦活処理されたものであることを特徴とする電極用炭素材料。
  8. 請求項に記載のフェノール樹脂炭化材料が賦活処理されたものであることを特徴とする医薬用吸着剤。
  9. 請求項に記載のフェノール樹脂炭化材料を電極材料として形成されたことを特徴とする電気二重層キャパシタ分極性電極。
  10. 請求項に記載の電極用炭素材料を電極材料として形成されたことを特徴とする電気二重層キャパシタ分極性電極。
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