JP5906670B2 - 内燃機関用のスパークプラグ及びその取付構造 - Google Patents

内燃機関用のスパークプラグ及びその取付構造 Download PDF

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Description

本発明は、自動車、自動二輪、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等に使用する内燃機関用のスパークプラグ及びその取付構造に関する。
従来より、図21に示すごとく、例えば、自動車等の内燃機関の燃焼室に導入される混合気の着火手段として用いられる内燃機関用のスパークプラグ9がある。
上記スパークプラグ9は、中心電極94と接地電極95とを有する。該接地電極95はその一端がハウジング92に固定されると共に屈曲して、他端を中心電極94に対向する位置に配置されることで、中心電極94との間に火花放電ギャップ911を形成している。
また、上記接地電極95には、火花放電ギャップ911へ向かって突出した突起部96が配されている。また、突起部96は、上記中心電極94と対向する対向面960を有している。そして、図22(A)、(B)に示すごとく、火花放電ギャップ911において放電がなされ、この放電により混合気に着火する。なお、図中の符号Eは放電により形成される放電火花を示し、符号Fは混合気の気流を示し、符号Iは火炎を示す(特許文献1参照)。
なお、特許文献2には、接地電極の磨耗を抑制すべく、接地電極の形状を工夫したスパークプラグが開示されている。
特開2003−317896号公報 特開2009−252525号公報
しかしながら、近年では、燃費向上を企図した希薄燃焼による内燃機関が種々開発されており、かかる希薄燃焼においては混合気への着火性を保持すべく、燃焼室内の混合気の流速を大きくする必要がある。そのため、上述した特許文献1に示すようなスパークプラグ9を使用した場合は、混合気の流速が大きくなる分、図22(C)に示すごとく、火花放電ギャップ911において混合気が放電火花Eによって温められる前に、放電火花Eが引き伸ばされて切れやすくなってしまう。放電火花Eが消えた場合は、再度放電する現象(以下、これを再放電という)が生じ、これが繰り返されることとなる。そして、気流によって一定の方向、すなわち下流側に絶えず放電火花Eが流されることで、突起部96の下流側の角部966において再放電が繰り返され、この部分が偏って消耗しやすくなる(以下、これを偏消耗という)。その結果、スパークプラグの寿命が低下してしまうという問題が生じていた。
これに対して、一般的には、突起部96を太径化することで耐消耗性を向上させ、スパークプラグの寿命を向上させることが考えられる。
しかし、この場合、突起部96の上記対向面960が拡大するため、火炎成長時において対向面960が火炎Fから熱を奪い、火炎Fの成長を阻害してしまうおそれがある(以下、これを消炎作用という)。その結果、スパークプラグの着火性の低下を招くおそれがある。
また、内燃機関の燃焼室内の高圧縮化に伴い、放電電圧の上昇が懸念され、これを抑制することが要求される。そこで、火花放電ギャップを小さく設定することが考えられるが、この場合、消炎作用が生じやすくなり、着火性を向上させることが困難となる。
また、特許文献2に記載のスパークプラグは、接地電極の形状を、混合気の気流の上流側よりも下流側の体積が大きくなるようにしているが、突起部がないと消炎作用が大きくなりやすいため、着火性向上には不利である。また、特許文献2に記載のスパークプラグは、接地電極に突起部を有さず、上述の突起部の消耗の問題を解決するものではない。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであって、消炎作用及び放電電圧を抑制しつつ、着火性及び寿命を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びその取付構造を提供しようとするものとする。
本発明の一態様は、筒状のハウジングと、該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子と、先端部が突出するように上記絶縁碍子の内側に保持された中心電極と、上記ハウジングに接続されると共に上記中心電極にプラグ軸方向から対向する対向部を有して上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
上記中心電極の上記先端部及び上記接地電極の上記対向部の双方には、上記火花放電ギャップに向かって突出した突起部が各々配されており、
該突起部のうち少なくとも一方は、上記火花放電ギャップに対向する対向面がプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜しており、
上記火花放電ギャップは、プラグ軸方向に直交する一つの方向において、一端側における小ギャップから他端側における大ギャップに向かって徐々に拡大するように構成されており、
上記突起部のうち少なくとも一方は、プラグ軸方向に直交する断面形状が、その輪郭のうち最も曲率半径の小さい最小曲率半径部を有すると共に、以下の条件を満たす特定形状であって、上記条件は、上記断面形状における上記最小曲率半径部と幾何学的重心とを結ぶ第一直線を想定し、次いで、該第一直線が上記断面形状の輪郭と交差する2つの交点間を結ぶ第一線分を想定し、次いで、上記第一線分の中点において該第一線分と直交する第二直線を想定し、上記断面形状を上記第二直線によって、上記最小曲率半径部を含む第1領域と上記最小曲率半径部を含まない第2領域とに分割したとき、上記第2領域の面積が上記第1領域の面積よりも大きいという条件であり、上記第2領域において大ギャップが形成され、上記第1領域の上記最小曲率半径部において上記小ギャップが形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項1)。
また、他の態様は、筒状のハウジングと、該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子と、先端部が突出するように上記絶縁碍子の内側に保持された中心電極と、上記ハウジングに接続されると共に上記中心電極にプラグ軸方向から対向する対向部を有して上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
上記中心電極の上記先端部及び上記接地電極の上記対向部の双方には、上記火花放電ギャップに向かって突出した突起部が各々配されており、
該突起部のうち少なくとも一方は、上記火花放電ギャップに対向する対向面がプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜しており、
上記火花放電ギャップは、プラグ軸方向に直交する一つの方向において、一端側における小ギャップから他端側における大ギャップに向かって徐々に拡大するように構成されており、
上記突起部のうち少なくとも一方は、プラグ軸方向に直交する断面形状が、その輪郭のうち最も曲率半径の小さい最小曲率半径部を有すると共に、以下の条件を満たす特定形状であって、上記条件は、上記断面形状における上記最小曲率半径部と幾何学的重心とを結ぶ第一直線を想定し、次いで、該第一直線が上記断面形状の輪郭と交差する2つの交点間を結ぶ第一線分を想定し、次いで、上記第一線分の中点において該第一線分と直交する第二直線を想定し、上記断面形状を上記第二直線によって、上記最小曲率半径部を含む第1領域と上記最小曲率半径部を含まない第2領域とに分割したとき、上記第2領域の面積が上記第1領域の面積よりも大きいという条件であり、上記第1領域の上記最小曲率半径部において大ギャップが形成され、上記第2領域に上記小ギャップが形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項2)。
また、さらに他の態様は、上記スパークプラグを内燃機関に取り付けてなるスパークプラグの取付構造であって、上記火花放電ギャップは、上記小ギャップ側が上記大ギャップ側よりも、燃焼室に供給される混合気の気流の上流側となるように配置されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの取付構造にある(請求項)。
上記スパークプラグは、上記突起部のうち少なくとも一方は、上記火花放電ギャップに対向する対向面がプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜している。そして、上記火花放電ギャップが、プラグ軸方向に直交する一つの方向において、一端側に小ギャップが形成され、かつ他端側に大ギャップが形成されるように、一端側から他端側に向かって徐々に拡大して構成されている。これによって、上記スパークプラグを内燃機関の燃焼室に取付ける際、上記突起部の上記小ギャップ側が上記大ギャップ側よりも上記燃焼室における混合気の気流の上流側となるように配置すれば、スパークプラグの放電電圧の抑制、耐消耗性及び着火性の向上を図ることができる。
このメカニズムにつき、以下において説明する。
内燃機関に対するスパークプラグの配置を上記のような配置とすれば、上記小ギャップが上流側に配置される。上記小ギャップの付近は最も電界集中させやすく、上記突起部における一端側が放電の起点となりやすい。その結果、放電電圧を抑制することもできる。そして、上記小ギャップを形成する一端側を上流側に配置することにより、上記突起部の中でもその上流側において初期の放電火花を得ることができ、放電火花が混合気によって下流側まで流されて吹き消されるまでの時間を稼ぐことができる。そのため、火炎による着火機会を充分確保することができると共に、これによって、再放電発生回数を抑制して、突起部の消耗の促進も抑制しやすくすることができる。その結果、スパークプラグの耐消耗性及び着火性を向上させることができる。
また、上記のような配置とすれば、上記突起部における気流の下流側には、上記大ギャップが配置されることとなる。そのため、上述のごとく、上記突起部の下流側に放電火花が流された場合に、上記中心電極と上記接地電極との間の放電火花の距離(以下、これを放電距離という)を長くできる。そのため、放電火花の放電距離を長く確保しやすく、混合気への着火機会を充分に得ることができる。その結果、スパークプラグの着火性を向上させることができる。
上記構成は、上記突起部のうち少なくとも一方を、上記火花放電ギャップに対向する対向面がプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜して、上記火花放電ギャップが、プラグ軸方向に直交する一つの方向において、一端側における小ギャップから他端側における大ギャップに向かって徐々に拡大するように構成することによって実現されている。これによって、上記突起部自体を特に太径化することなく、耐消耗性を向上させることができる。したがって、消炎作用を抑制しつつ、スパークプラグの寿命を向上させることができる。
以上のごとく、本発明によれば、消炎作用及び放電電圧を抑制しつつ、着火性及び寿命を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びその取付構造を提供することができる。
参考例1における、スパークプラグの部分断面による説明図。 図1のA矢視図。 参考例1における、スパークプラグの燃焼室内への取付状態の説明図。 図3のB−B線矢視断面図。 参考例1における、突起部6の説明図であって、(A)放電時の状態を示す説明図、(B)放電火花の移動を示す説明図、(C)放電火花の引き伸ばし状態を示す説明図。 参考例2における、スパークプラグの図2に相当する説明図。 参考例3における、突起部6の説明図であって、放電時の状態を示す説明図。 参考例4における、突起部6の説明図であって、放電後の状態を示す説明図。 実施例における、スパークプラグの先端部分の部分断面による説明図。 図9のC−C矢視断面図。 実施例における、図4に相当する説明図。 実施例における、突起部6の斜視による説明図。 実施例における、突起部6の説明図であって、(A)放電時の状態を示す説明図、(B)放電火花の移動を示す説明図。 実施例における、突起部6の説明図であって、(A)放電時の状態を示す説明図、(B)放電火花の移動を示す説明図。 実施例における、突起部6の説明図であって、(A)図10に相当する断面による説明図、(B)図12に相当する斜視による説明図。 実施例における、突起部6の説明図であって、(A)図10に相当する断面による説明図、(B)図12に相当する斜視による説明図。 比較例1における、スパークプラグ9における突起部96の説明図であって、(A)放電時の状態を示す説明図、(B)放電火花の移動を示す説明図、(C)放電火花の吹き消えと再放電を示す説明図、(D)偏消耗の状態を示す説明図。 実験例1における、耐久時間とギャップとの関係を示す線図。 実験例2における、耐久時間と放電電圧との関係を示す線図。 実験例3における、耐久時間とA/F限界との関係を示す線図。 背景技術における、スパークプラグの先端部分の説明図。 背景技術における、スパークプラグの先端部分の説明図であって、(A)放電時の状態を示す説明図、(B)放電火花が気流によって引き伸ばされた状態の説明図、(C)放電切れの状態を示す説明図。
上記内燃機関用のスパークプラグは、例えば、自動車、自動二輪、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等における内燃機関の着火手段として用いることができる。
また、上記スパークプラグにおいて、内燃機関の燃焼室内に挿入される側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
なお、上記小ギャップ側が上記大ギャップ側よりも上記気流の上流側に配されるように上記スパークプラグを上記燃焼室に取付ける方法は、既存の周知技術を用いることで実現できる。つまり、例えば、特開平11−324878号公報、特開平11−351115号公報等に開示された周知技術を用いることで、上述のような上記スパークプラグの配置を容易に実現できる。
また、上記火花放電ギャップに対向する対向面がプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜した構成は、上記中心電極または上記接地電極のいずれか一方の上記突起部に構成してもよいし、或いは上記中心電極及び上記接地電極の双方の上記突起部に構成してもよい。
また、上記中心電極及び上記接地電極の双方の上記突起部における上記対向面は、プラグ軸方向に直交する面に対して同一方向に、かつ小ギャップ側から大ギャップ側へ行くほど上記スパークプラグの先端側へ向かうように傾斜していることが好ましい(請求項)。この場合には、上記火花放電ギャップに入った気流の方向を変えることができ、火炎を燃焼室内に広げやすい。そのため、上記スパークプラグの着火性を効果的に向上させることができる。
また、上記火花放電ギャップは、上記接地電極の上記対向部の延設方向に対して交差する方向に沿って徐々に拡大するように構成されていることが好ましい(請求項)。この場合には、上記接地電極によって火花放電ギャップに向かう気流を遮蔽することを防ぎつつ、気流の下流側に上記大ギャップが配置され、気流の上流側に上記小ギャップが配置されるようにスパークプラグを配置することができる。そのため、上述のごとく、上記突起部の耐消耗性を向上させることができると共に、上記着火機会を充分確保することができる。その結果、スパークプラグの寿命を向上させつつ、着火性をより向上させることができる。また、放電電圧を効果的に抑制することもできる。
また、上記火花放電ギャップは、上記接地電極の上記対向部の延設方向に対して直交する方向に沿って徐々に拡大するように構成されていることが好ましい(請求項)。この場合には、上記接地電極によって火花放電ギャップに向かう気流を遮蔽することをより確実に防ぎつつ、気流の下流側に上記大ギャップが配置され、気流の上流側に上記小ギャップが配置されるようにスパークプラグを配置することができる。そのため、上述のごとく、上記突起部の耐消耗性を向上させることができると共に、上記着火機会を充分確保することができる。その結果、スパークプラグの寿命を向上させつつ、着火性をより効果的に向上させることができる。また、放電電圧をより効果的に抑制することもできる。
また、上記一態様において、上記突起部のうち少なくとも一方は、プラグ軸方向に直交する断面形状が、その輪郭のうち最も曲率半径の小さい最小曲率半径部を有すると共に、以下の条件を満たす特定形状であって、上記条件は、上記断面形状における上記最小曲率半径部と幾何学的重心とを結ぶ第一直線を想定し、次いで、該第一直線が上記断面形状の輪郭と交差する2つの交点間を結ぶ第一線分を想定し、次いで、上記第一線分の中点において該第一線分と直交する第二直線を想定し、上記断面形状を上記第二直線によって、上記最小曲率半径部を含む第1領域と上記最小曲率半径部を含まない第2領域とに分割したとき、上記第2領域の面積が上記第1領域の面積よりも大きいという条件であり、上記第2領域において大ギャップが形成され、上記第1領域の上記最小曲率半径部において上記小ギャップが形成されている。
この場合には、上記突起部のうち少なくとも一方のプラグ軸方向に直交する断面形状が、上記特定形状に形成されている。すなわち、上記断面形状における上記第2領域の面積が上記第1領域の面積よりも大きくなるように形成されている。これによって、上記スパークプラグを内燃機関の燃焼室に取付ける際、上記突起部の上記第1領域が上記第2領域よりも上記燃焼室における混合気の気流の上流側となるように配置すれば、スパークプラグの長寿命化を図ることができる。すなわち、上記のような配置とすれば、上記突起部における気流の下流側には、面積の大きい上記第2領域が配置されることとなる。そのため、上述のごとく上記突起部の下流側の角部において再放電が繰り返されても、面積が大きい分、再放電による上記突起部の消耗範囲の拡大を抑制することができる。そのため、上記突起部の偏消耗を抑制し、耐消耗性をより向上させることができる。その結果、スパークプラグの寿命を効果的に向上させることができる。
また、上記のような配置とすれば、上記第1領域における上記最小曲率半径部が上流側に配置される。上記最小曲率半径部の付近は、最も電界集中させやすく、上記最小曲率半径部が放電の起点となりやすい。そのため、上記最小曲率半径部を上流側に配置することにより、上記突起部の中でもその上流側において初期の放電火花を得ることができ、放電火花が混合気によって下流側まで流されて吹き消されるまでの時間を稼ぐことができる。そのため、火炎による着火機会を充分確保することができる。その結果、スパークプラグの着火性を効果的に向上させることができる。
上記構成は、上記突起部のうち少なくとも一方の上記断面形状を、上記特定形状とすることによって実現されている。これによって、上記突起部自体を特に太径化することなく、消炎作用を抑制することもできる。その結果、スパークプラグの着火性の低下を効果的に防ぐことができる。
また、上記他の態様において、上記突起部のうち少なくとも一方は、プラグ軸方向に直交する断面形状が、その輪郭のうち最も曲率半径の小さい最小曲率半径部を有すると共に、以下の条件を満たす特定形状であって、上記条件は、上記断面形状における上記最小曲率半径部と幾何学的重心とを結ぶ第一直線を想定し、次いで、該第一直線が上記断面形状の輪郭と交差する2つの交点間を結ぶ第一線分を想定し、次いで、上記第一線分の中点において該第一線分と直交する第二直線を想定し、上記断面形状を上記第二直線によって、上記最小曲率半径部を含む第1領域と上記最小曲率半径部を含まない第2領域とに分割したとき、上記第2領域の面積が上記第1領域の面積よりも大きいという条件であり、上記第1領域の上記最小曲率半径部において大ギャップが形成され、上記第2領域において上記小ギャップが形成されている。
この場合には、上記小ギャップを形成する上記第2領域が上流側に配置される。上記小ギャップは電界集中させやすく、放電の起点となりやすい。そのため、面積の大きい上記第2領域を上流側に配置することにより、上記小ギャップの拡大を抑制し、放電電圧の上昇を抑制することができる。また、断面積の小さい上記第1領域が下流側に配されるため、上記大ギャップにおいて形成された火炎核に対する消炎作用が働きにくく、火炎核が成長しやすい。そのため、スパークプラグの着火性を効果的に向上させることができる。
また、上記中心電極と上記接地電極との双方の上記突起部の上記断面形状が、上記特定形状であることが好ましい(請求項)。この場合には、着火機会の確保、消炎作用の抑制、耐消耗性の一層の向上を図ることができる。そのため、上記スパークプラグの着火性及び寿命をより効果的に向上させることができる。
また、少なくとも一方の上記突起部は、貴金属チップから構成されていることが好ましい(請求項)。この場合には、上記突起部の耐消耗性をより向上させることができる。その結果、一層のスパークプラグの長寿命化を図ることができる。
参考例1)
参考例にかかるスパークプラグにつき、図1〜図5を用いて説明する。
本例のスパークプラグ1は、図1に示すごとく、筒状のハウジング2と、ハウジング2の内側に保持された筒状の絶縁碍子3と、先端部が突出するように絶縁碍子3の内側に保持された中心電極4と、ハウジング2に接続されると共に中心電極4にプラグ軸方向から対向する対向部52を有して中心電極4との間に火花放電ギャップ11を形成する接地電極5とを備えている。
また、中心電極4の先端部及び接地電極5の対向部52の双方には、火花放電ギャップ11に向かって突出した突起部41、突起部6が各々配されている。
また、図2に示すごとく、接地電極5に配された突起部6は、火花放電ギャップ11に対向する対向面60がプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜している。
また、同図に示すごとく、火花放電ギャップ11は、プラグ軸方向に直交する一つの方向において、一端側における小ギャップ111から他端側における大ギャップ112に向かって徐々に拡大するように構成されている。
また、本例では、火花放電ギャップ11は、接地電極5の対向部52の延設方向(図4に示す破線L5)に対して直交する方向に沿って徐々に拡大するように構成されている。
また、本例のスパークプラグ1において、例えばハウジング2の直径は10mmである。また、中心電極4の先端部は、絶縁碍子3の先端から軸方向に1.5mm突出している。
また、突起部41は、プラグ軸方向に直交する断面形状が円形であり、全体を略円柱形状をなしている。また、突起部41のプラグ軸方向高さは0.6mmである。
また、図1に示すごとく、接地電極5は、一端がハウジング2の先端部に固定されると共に先端側に立設する立設部51と、立設部51の他端から屈曲して中心電極4にプラグ軸方向から対向する対向部52とを有している。
また、突起部6は、例えば、白金合金等の貴金属チップによって構成されている。そして、本例では、接地電極5の対向部52に貴金属チップが溶接によって接合され、この貴金属チップによって、突起部6が構成されている。
また、突起部6は、一方の端面(対向面60)が軸方向に対して傾斜した略円柱形状を有する。
また、ハウジング2及び接地電極5の母材(突起部6以外の部位)はニッケル合金からなる。
また、本例においては、中心電極4の先端部は、貴金属チップからなる略円柱状をなす突起部41によって構成されている。また、この貴金属チップは、例えば、イリジウム合金から構成することができる。
なお、本例のスパークプラグ1は、自動車等の車両用の内燃機関に用いられる。
次に、本例のスパークプラグ1の内燃機関7への取付構造につき、図3、図4を用いて説明する。
スパークプラグ1の内燃機関7への取付に際して、例えば、周知技術(特開平11−324878号公報、特開平11−351115号公報等)を用いて、燃焼室70における混合気の気流Fの気流方向に対して接地電極5の位置を調節して、スパークプラグ1を内燃機関7へ取付ける。
具体的には、図3、図4に示すごとく、気流Fの気流方向に対して、接地電極5の対向部52の延設方向(図4に示す破線L5)が直交するように調節して、スパークプラグ1を内燃機関7に取付ける。つまり、接地電極5の立設部51が気流Fを遮蔽しないようにスパークプラグ1を内燃機関7に取付ける。また、同図に示すごとく、燃焼室70に配された突起部6が、小ギャップ111が大ギャップ112よりも燃焼室70に供給される混合気の気流Fの上流側となるように配置する。
次に、本例のスパークプラグ1の放電時の突起部6における放電火花Eの移動と形状及びそれによる混合気への着火の様子につき、図5を用いて詳細に説明する。
中心電極4と接地電極5との間に所定の電圧を印加することにより、火花放電ギャップ11に放電させる際には、図5(A)に示すごとく、突起部6の上流側において初期の放電火花Eを得ることができる。つまり、電界強度が高くなりやすい小ギャップ111において、初期の放電火花Eが生じる。そして、図5(B)に示すごとく、放電火花Eは、混合気の気流Fによって下流側まで、その放電距離を拡大しながら流される。そして、図5(C)に示すごとく、突起部6の下流側の角部66において放電火花Eが大きく引き伸ばされる。この間に放電火花Eによって混合気に着火する。
次に、本例の作用効果につき、図1〜図5を用いて説明する。
上記スパークプラグの突起部6は、図1、図2に示すごとく、火花放電ギャップ11に対向する対向面60がプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜している。そして、火花放電ギャップ11が、プラグ軸方向に直交する一つの方向において、一端側に小ギャップ111が形成され、かつ他端側に大ギャップ112が形成されるように、一端側から他端側に向かって徐々に拡大して構成されている。これによって、スパークプラグ1を内燃機関7の燃焼室70に取付ける際、突起部6の小ギャップ111側が大ギャップ112側よりも燃焼室70における混合気の気流Fの上流側となるように配置すれば、スパークプラグ1の放電電圧の抑制、耐消耗性及び着火性の向上を図ることができる。
このメカニズムにつき、以下において説明する。
内燃機関7に対するスパークプラグ1の配置を上記のような配置とすれば、小ギャップ111が上流側に配置される。小ギャップ111の付近は、最も電界集中させやすく突起部6における一端側が放電の起点となりやすい。その結果、放電電圧を抑制することもできる。そして、小ギャップ111を形成する一端側を上流側に配置することにより、突起部6の中でもその上流側において初期の放電火花Eを得ることができ、放電火花Eが混合気によって下流側まで流されて吹き消されるまでの時間を稼ぐことができる。そのため、火炎による着火機会を充分確保することができると共に、これによって、再放電発生回数を抑制して、突起部6の消耗の促進も抑制しやすくすることができる。その結果、スパークプラグ1の耐消耗性及び着火性を向上させることができる。
また、上記のような配置とすれば、突起部6における気流の下流側には、大ギャップ112が配置されることとなる。そのため、上述のごとく、突起部6の下流側に放電火花Eが流された場合に、中心電極4と接地電極5との間の放電火花Eの放電距離を長くできる(図3参照)。そのため、放電火花Eの放電距離を長く確保しやすく、混合気への着火機会を充分に得ることができる。その結果、スパークプラグ1の着火性を向上させることができる。
上記構成は、突起部6を、火花放電ギャップ11に対向する対向面60がプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜して、火花放電ギャップ11が、プラグ軸方向に直交する一つの方向において、一端側における小ギャップ111から他端側における大ギャップ112に向かって徐々に拡大するように構成することによって実現されている。これによって、突起部自体を特に太径化することなく、耐消耗性を向上させることができる。したがって、消炎作用を抑制しつつ、スパークプラグ1の寿命を向上することができる。
また、火花放電ギャップ11は、接地電極5の対向部52の延設方向(図4に示す破線L5)に対して直交する方向に沿って徐々に拡大するように構成されている。これによって、接地電極5によって火花放電ギャップ11に向かう気流Fを遮蔽することをより確実に防ぎつつ、気流Fの下流側に大ギャップ112が配置され、気流Fの上流側に小ギャップ111が配置されるようにスパークプラグ1を配置することができる。そのため、上述のごとく、突起部6の耐消耗性を向上させることができると共に、着火機会を充分確保することができる。その結果、スパークプラグ1の寿命を向上させつつ、着火性をより効果的に向上させることができる。また、放電電圧をより効果的に抑制することもできる。
以上のごとく、本例によれば、消炎作用及び放電電圧を抑制しつつ、着火性及び寿命を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びその取付構造を提供することができる。
なお、本例の突起部6を第一直線L1が接地電極5の対向部52の延設方向を示す破線L5に対して45°で交差するなど、斜めに交差するように配しても構わない。この場合にも、接地電極5によって火花放電ギャップ11に向かう気流Fを遮蔽することを防ぎつつ、気流Fの下流側に大ギャップ112が配置され、気流の上流側に小ギャップ111が配置されるようにすることができる。そのため、上述のごとく、突起部6の耐消耗性を向上させることができると共に、着火機会を充分確保することができる。その結果、スパークプラグ1の寿命を向上させつつ、着火性をより向上させることができる。また、放電電圧を効果的に抑制することもできる。
参考例2)
本例は、図6に示すごとく、中心電極4及び接地電極5の双方の突起部41、6の対向面410、60を傾斜させた例である。
本例では、中心電極4及び接地電極5の双方の突起部41、6における対向面410、60は、プラグ軸方向に直交する面に対して同一方向に、かつ小ギャップ111側から大ギャップ112側へ行くほどスパークプラグ1の先端側へ向かうように傾斜している。
本例においても、内燃機関7に対するスパークプラグ1の配置は、混合気の気流Fの上流側に小ギャップ111が配され、気流Fの下流側に大ギャップ112が配されるような配置とする。そして、これにより、中心電極4及び接地電極5の双方の突起部41、6における対向面410、60は、気流Fの上流側から下流側へ行くほどスパークプラグ1の先端側へ向かう状態となっている。
その他は、参考例1と同様である。
本例の場合には、火花放電ギャップ11に入った気流Fの方向を変えることができ、火炎を燃焼室内に広げやすい。そのため、スパークプラグ1の着火性を効果的に向上させることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
参考例3)
本例は、図7に示すごとく、スパークプラグ1の接地電極5に、火花放電ギャップ11の小ギャップ111に面する角部66が貴金属によって構成され、その他の部位がニッケル合金によって構成された突起部6を配した例である。
その他は、参考例1と同様である。
本例の場合には、初期放電が行われる小ギャップ111における突起部6の一端側の耐消耗性を向上させることができる。その結果、一層のスパークプラグ1の長寿命化を図ることができる。また、突起部6の製造コストを低減することもできる。
その他、参考例1と同様の作用効果を有する。
参考例4)
本例は、図8に示すごとく、スパークプラグ1の接地電極5に、火花放電ギャップ11の大ギャップ112に面する角部66が貴金属によって構成され、その他の部位がニッケル合金によって構成された突起部6を配した例である。
その他は、参考例1と同様である。
本例の場合には、放電火花Eが流される大ギャップ112における突起部6の他端側の耐消耗性を向上させることができる。その結果、一層のスパークプラグ1の長寿命化を図ることができる。また、突起部6の製造コストを低減することもできる。
その他、参考例1と同様の作用効果を有する。
(実施例
本例は、図9〜図13に示すごとく、スパークプラグ1の接地電極5及び中心電極4に、プラグ軸方向に直交する断面形状が図10に示す特定形状をなす突起部6、突起部41を配した例である。
突起部6と突起部41とは、プラグ軸方向に直交する断面形状が同一である。それゆえ、まず、突起部6の形状を説明する。
突起部6は、図9、図10に示すごとく、プラグ軸方向に直交する断面形状が、その輪郭61のうち最も曲率半径の小さい最小曲率半径部62を有すると共に、以下の条件を満たす特定形状である。
その条件は、以下のように定められる。すなわち、図10に示すごとく、まず、上記断面形状における最小曲率半径部62と幾何学的重心P1とを結ぶ第一直線L1を想定する。次いで、第一直線L1が上記断面形状の輪郭61と交差する2つの交点P2間を結ぶ第一線分Mを想定する。次いで、第一線分Mの中点P3において第一線分Mと直交する第二直線L2を想定する。次いで、上記断面形状を第二直線L2によって、最小曲率半径部62を含む第1領域Bと最小曲率半径部62を含まない第2領域Cとに分割する。このとき、第2領域Cの面積は第1領域Bの面積よりも大きいという条件である。
そして、本例では、第2領域Cに大ギャップ112が形成され、第1領域Bの最小曲率半径部62において小ギャップ111が形成されている。
また、本例における突起部6は、図10に示すごとく、第一直線L1が接地電極5の対向部52の延設方向(図11に示す破線L5)に対して直交するように配されている。なお、突起部6は、第一直線L1と同一方向の全長W1が、対向部52の延設方向に直交する方向の幅W2よりも小さくなるように形成されている。
また、図10に示すごとく、突起部6は、上記断面形状の輪郭61が、第一直線L1を基準として線対称形状となっている。そして、輪郭61は、第二直線L2方向の幅が、第1領域Bの最小曲率半径部62(第1領域B側の交点P2)から第2領域Cへ向かって徐々に拡大し、第2領域Cにおいて最大幅部63を形成すると共に、該最大幅部63を基点として第2領域C側の交点P2に向かい窄まった形状となっている。そして、最大幅部63は、第2領域Cにおける輪郭61のうちで最も曲率半径が小さい部分となっている。
また、第一直線L1に沿った突起部6の全長W1は0.88mm、第一直線L1と同一方向とプラグ軸方向の双方に直交する方向の幅W3(図3参照)は0.88mmである。
なお、これに限定されるものではなく、例えば、突起部6の全長W1を0.83mmとし、幅W3を0.96mmに設定してもよい。
また、突起部6の第1領域Bにおける最小曲率半径部62の曲率半径Rは0.1であり、第2領域Cにおける最大幅部63の曲率半径Rは0.2である。また、接地電極5の対向部52の幅W2は2.4mmである。
そして、図12に示すごとく、突起部6は、上記断面形状が上記特定形状を満たす略柱状体である。また、突起部6は、プラグ軸方向に直交する方向の一端側においてプラグ軸方向の最大高さT1を有すると共に、他端側においてプラグ軸方向の最小高さT2を有する。つまり、突起部6は、火花放電ギャップ11に対向する対向面60が、プラグ軸方向に直交する面に対して傾斜している。
突起部41も、プラグ軸方向に直交する断面形状が上記特定形状を満たす柱状体である。そして、突起部41は、プラグ軸方向の高さが一定に形成されている。
次に、本例のスパークプラグ1の放電時の突起部における放電火花Eの移動と突起部の消耗との関係につき、図13を用いて詳細に説明する。
中心電極4と接地電極5との間に所定の電圧を印加することにより、火花放電ギャップ11に放電させる際には、図13(A)に示すごとく、突起部6の上流側において初期の放電火花Eを得ることができる。つまり、電界強度が高くなりやすい最小曲率半径部62(図10参照)において、初期の放電火花Eが生じる。
そして、図13(B)に示すごとく、放電火花Eは、混合気の気流Fによって下流側まで、その放電距離を拡大しながら流される。そして、突起部6の下流側の角部66において放電火花Eが引き伸ばされる。この間に放電火花Eによって、混合気に着火する。また、突起部6の下流側の角部66において、放電火花Eが引き伸ばされ消滅するが、同じ箇所、すなわち、突起部6の下流側の角部66において再放電が繰り返される。
その他は、参考例1と同様である。
本例の場合には、突起部6のプラグ軸方向に直交する断面形状が、上記特定形状に形成されている。すなわち、図10に示すごとく、上記断面形状における第2領域Cの面積が第1領域Bの面積よりも大きくなるように形成されている。これによって、図11に示すごとく、スパークプラグ1を内燃機関7の燃焼室70に取付ける際、突起部6の第1領域B(小ギャップ111側)が第2領域C(大ギャップ側112側)よりも燃焼室70における混合気の気流Fの上流側となるように配置すれば、スパークプラグ1の長寿命化を図ることができる。すなわち、上記のような配置とすれば、突起部6における気流Fの下流側には、面積の大きい第2領域Cが配置されることとなる。そのため、上述のごとく突起部6の下流側の角部66において再放電が繰り返されても、面積が大きい分、再放電による突起部6の消耗範囲の拡大を抑制することができる。そのため、突起部6の偏消耗を抑制し、耐消耗性をより向上させることができる。その結果、スパークプラグ1の寿命を効果的に向上させることができる。
また、最小曲率半径部62の付近は、最も電界集中させやすく、最小曲率半径部62が放電の起点となりやすい。そのため、最小曲率半径部62を上流側に配置することにより、図13(A)に示すごとく、突起部6の中でもその上流側において初期の放電火花Eを得ることができる。そして、図13(B)に示すごとく、放電火花Eが混合気によって下流側まで流されて吹き消されるまでの時間を稼ぐことができる。そのため、火炎による着火機会を充分確保することができる。その結果、スパークプラグ1の着火性を効果的に向上させることができる。
上記構成は、突起部6の上記断面形状を、上記特定形状とすることによって実現されている。これによって、突起部6自体を特に太径化することなく、消炎作用を抑制することもできる。その結果、スパークプラグ1の着火性の低下を効果的に防ぐことができる。
また、突起部6は、図11に示すごとく、第一直線L1が接地電極5の対向部52の延設方向に対して直交するように配されている。これによって、接地電極5によって放電火花ギャップ11に向かう気流Fを遮蔽することをより確実に防ぎつつ、気流Fの下流側に第2領域Cが配置され、気流Fの上流側に第1領域Bが配置されるようにすることができる。そのため、上述のごとく、突起部6の耐消耗性を向上させることができると共に、着火機会を充分確保することができる。その結果、スパークプラグ1の寿命を向上させつつ、着火性をより効果的により向上させることができる。
その他、参考例1と同様の作用効果を有する。
(実施例
本例は、図14に示すごとく、スパークプラグ1の接地電極5に、プラグ軸方向に直交する断面形状が図10に示す特定形状をなす突起部6を配すると共に、突起部6の第2領域Cが第1領域Bよりも燃焼室70における混合気の気流Fの上流側となるように配置した例である。
本例においても、突起部6は、プラグ軸方向に直交する断面形状が、その輪郭61のうち最も曲率半径の小さい最小曲率半径部62を有すると共に、実施例で示した条件を満たす特定形状である(図10参照)。
そして、本例では、図14に示すごとく、第1領域Bの最小曲率半径部62において大ギャップ112が形成され、第2領域Cに小ギャップ111が形成されている。
特に、本例においては、スパークプラグ1を内燃機関7の燃焼室70に取付ける際、突起部6の第2領域C(小ギャップ111側)が第1領域B(大ギャップ112側)よりも燃焼室70における混合気の気流Fの上流側となるように配置される。
その他は、実施例と同様である。
本例の場合には、突起部6のプラグ軸方向に直交する断面形状が、上記特定形状に形成されている。すなわち、上記断面形状における第2領域Cの面積が第1領域Bの面積よりも大きくなるように形成されている(図10参照)。これによって、図14に示すごとく、スパークプラグ1を内燃機関7の燃焼室70に取付ける際、突起部6の第2領域Cが第1領域Bよりも燃焼室70における混合気の気流Fの上流側となるように配置すれば、スパークプラグ1の長寿命化を図ることができる。すなわち、上記のような配置とすれば、初期放電が行われる突起部6における気流Fの上流側(小ギャップ111側)には、面積の大きい第2領域Cが配置されることとなる。そのため、突起部6の上流側の角部66において初期放電が繰り返されても、図14(A)に示すごとく、面積が大きい分、放電による突起部6の消耗範囲の拡大を抑制することができる。そのため、突起部6の消耗を抑制することができ、耐消耗性をより向上させることができる。つまり、小ギャップ111の拡大を抑制することができ、放電電圧を抑制することができる。その結果、スパークプラグ1の寿命を効果的に向上させることができる。
また、上記のような配置とすれば、第1領域Bにおける最小曲率半径部62が下流側に配置される。最小曲率半径部62の付近は、最も体積が小さい。そのため、放電火花Eが引き伸ばされる突起部6の下流側の角部66において、消炎作用をより抑制しやすくできる。そして、図14(B)に示すごとく、放電火花Eが混合気によって下流側まで流されて吹き消されるまでの時間を稼ぐこともできる。そのため、火炎による着火機会を充分確保することができる。その結果、スパークプラグ1の着火性をより効果的に向上させることができる。
その他、実施例と同様の作用効果を有する。
(実施例
本例は、図15(A)、(B)に示すごとく、上記特定形状をなす突起部6を、第1領域Bと第2領域Cの面積差を大きくして形成した例である。
本例における突起部6は、プラグ軸方向に直交する断面形状の輪郭61が、上記断面形状における第1領域Bの最小曲率半径部62から第2領域Cの一部に亘る輪郭61の一部において、第1線分Mの中点P3側に向って窪んだ窪み部64を形成してなる。これによって、図15(A)に示すごとく、突起部6のプラグ軸方向に直交する断面形状が、第1領域Bの面積が第2領域Cの面積よりも特に小さく、その面積差が大きくなるように形成されている。
また、突起部41も本例における突起部6と同様の上記断面形状としてもよい。
また、本例のスパークプラグ1は、第1領域Bの最小曲率半径部62において小ギャップ111が形成され、第2領域Cに大ギャップ112が形成されるように構成される。
その他は、実施例と同様である。
本例の場合には、突起部6において、最小曲率半径部62を含んだ第1領域B側において電界集中させやすく、最小曲率半径部62を放電の起点とさせやすい。そのため、着火機会を確保しやすくできる。また、第2領域C側の耐消耗性をより向上させやすくすることができる。その結果、スパークプラグ1の着火性及び寿命を効果的に向上させることができる。
その他、実施例と同様の作用効果を有する。
(実施例
本例も、図16(A)、(B)に示すごとく、上記特定形状をなす突起部6の輪郭61に窪み部64を設けて第1領域Bと第2領域Cの面積差を大きくして形成した例である。
また、本例においては、突起部6の上記断面形状における第2領域Cの輪郭61の一部に、上記第一直線L1と直交するストレート部65を形成している。
その他は、実施例と同様である。
また、本例のスパークプラグ1は、第1領域Bの最小曲率半径部62において小ギャップ111が形成され、第2領域Cに大ギャップ112が形成されるように構成される。
その他、実施例と同様の作用効果を有する。
上記実施例、実施例においては、第1領域Bの最小曲率半径部62において小ギャップ111が形成され、第2領域Cに大ギャップ112が形成される構成を示したが、第1領域Bの最小曲率半径部62において大ギャップ112が形成され、第2領域Cにおいて小ギャップ111が形成されるように構成してもよい。この場合には、実施例に示した作用効果をより発揮させることができる。
(比較例1)
本例は、図17に示すごとく、通常のスパークプラグ9の放電時の突起部96における放電火花Eの移動と突起部96の消耗との関係を示した例である。
本例のスパークプラグ9は、中心電極94の先端部及び接地電極95の対向部952の双方に突起部941、96を配してなる。各突起部941、96は、火花放電ギャップ911に向かって突出しており、また略円柱状をなしている(図21参照)。
その他は、参考例1と同様である。
スパークプラグ9を内燃機関に取り付けて使用する際、すなわち放電時には、図17(A)に示すごとく、放電火花Eは、突起部96の角部966のいずれかの部位において最初に生じることとなるが、その位置は特に特定されるわけではなく、気流Fの気流方向の上流位置とは限らない。それゆえ、初期放電の発生する位置によっては、放電火花Eが混合気によって下流側まで流されて吹き消されるまでの時間が短くなりやすく、着火機会が少なくなってしまう。そして、図17(B)に示すごとく、放電火花Eは、気流Fによって突起部96の下流側に流される。そして、図17(C)に示すごとく、火花放電ギャップ911において混合気が放電火花Eによって温められる前に、放電火花Eが引き伸ばされて消滅する。そして、同じ箇所、すなわち、突起部96の下流側の角部966において再放電が繰り返される。そのため、図17(D)に示すごとく、突起部96の下流側の角部966において偏消耗が生じてしまう。その結果、スパークプラグ9の寿命が低下してしまう。
(実験例1)
本例は、図18に示すごとく、スパークプラグの突起部の耐消耗性について、火花放電ギャップの拡大量(以下、これを適宜、ギャップ拡大量という。)の測定によって調べた例である。
評価対象としては、参考例1で示した、接地電極5に設けた突起部6の対向面60をプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜させたスパークプラグ1を「試料1」、「試料2」として用意した。また、比較例1で示した、接地電極95に設けた突起部96の対向面960をプラグ軸方向に直交するようにしたスパークプラグ9を「試料3」、「試料4」として用意した。
試料1〜試料4のスパークプラグにおいて、中心電極に設けた突起部の対向面は、プラグ軸方向に対して直交している。
また、試料1において、中心電極の突起部は、直径0.7mm、プラグ軸方向の長さが0.6mmの円柱形状である。また、接地電極の突起部は、直径0.7mmであり、プラグ軸方向の長さが、最も短い部分において0.5mm、最も長い部分において0.7mmである。さらに、火花放電ギャップの寸法は、小ギャップにおいて0.7mm、大ギャップにおいて0.9mmである。
また、試料2において、中心電極の突起部および接地電極の突起部は、直径1.0mmである。さらに、火花放電ギャップの寸法は、小ギャップにおいて0.5mm、大ギャップにおいて0.7mmである。その他は、試料1と同様である。
また、試料3において、中心電極の突起部および接地電極の突起部は、直径0.7mm、プラグ軸方向の長さが0.6mmの円柱形状である。また、火花放電ギャップの寸法は、0.8mmである。
また、試料4において、中心電極の突起部および接地電極の突起部は、直径1.0mm、プラグ軸方向の長さが0.6mmの円柱形状である。また、火花放電ギャップの寸法は、0.6mmである。
また、試料1〜試料4において、中心電極の突起部は、イリジウム合金からなる貴金属チップによって構成され、接地電極の突起部は、白金合金からなる貴金属チップによって構成されている。そして、試料1と試料3、試料2と試料4は、それぞれ、突起部の体積が同等であり、材料使用量が同等である。また、試料3と試料4とは、初期の要求電圧が同等となるように設定してある。
また、試料1〜試料4のスパークプラグは、それぞれ3個ずつサンプルとして用意した。
これらの試料を用いて以下の耐久試験を行った。
耐久試験にあたっては、各試料のスパークプラグを、燃焼室を模した試験装置に装着し、装置内を窒素雰囲気とすると共に、圧力を0.6MPaとした。
また、スパークプラグの先端部分付近に流速30m/秒の気流が形成されるように、装置内に混合気を送りこみ、放電周期30Hzにて、スパークプラグに電圧を印加した。このときの点火エネルギは70mJとした。
また、装置に対するスパークプラグの取付姿勢は、気流の方向に対して直交する位置に、接地電極の立設部(図1における符号51参照)が配置されるような姿勢とした。
この耐久試験の結果を図18に示す。同図において、符号D1を付した◆のプロットを結んだ折れ線グラフが試料1の測定結果であり、符号D2を付した×のプロットを結んだ折れ線グラフが試料2の測定結果である。また、符号D3を付した■のプロットを結んだ折れ線グラフが試料3の測定結果である。符号D4を付した△のプロットを結んだ折れ線グラフが試料4の測定結果である。なお、測定値は、各試料における3つのサンプルについての実測値の平均値である。
同図に示すグラフの縦軸は、火花放電ギャップにおけるギャップ(mm)を示し、横軸は、耐久時間(時間)を示す。
図18から分かるように、何れの試料も、耐久時間の経過に従い、徐々にギャップが拡大している。そして、試料1(D1)については、試料3(D3)に対して、ギャップが大きくなり難い。すなわち、試料1は、耐久試験の初期において、小ギャップの拡大速度が速いために火花放電ギャップの拡大が速いが、その後のギャップ拡大は抑制される。そして、試料1の火花放電ギャップの大きさは、試料3の火花放電ギャップの大きさよりも小さい値で、同等のゆるやかな拡大速度にて拡大する。これにより、最終的には、同等の体積および材料使用量である試料3に比べて、試料1の火花放電ギャップの拡大を抑制することができる。
また、試料2(D2)についても、同等の体積および材料使用量である試料4(D4)に対して、同様に火花放電ギャップが大きくなり難い。
以上のごとく、本例によれば、参考例1のスパークプラグは、比較例1のスパークプラグよりも、火花放電ギャップの拡大を抑制することができることが分かる。
(実験例2)
本例は、図19に示すごとく、スパークプラグの突起部の耐消耗性を、放電電圧の測定によって調べた例である。
一般に、火花放電ギャップが拡大するに伴い放電電圧も増加する。そこで、本例では、耐久試験において、火花放電の電圧をそれぞれ計測し、参考例1のスパークプラグの放電電圧が、比較例1のそれに比べて抑制されているか確認を行った。
本例における、耐久試験方法及び評価対象(試料1〜試料4)の各条件は、それぞれ上記実験例1と同様である。そして、各試料について、耐久時間100時間の経過の区切りごとに1000回の火花放電の放電電圧を計測した。なお、この測定は、各試料における3個のサンプルのうちの放電電圧の最大値を測定し、その3つの最大値を平均したものが図19における各プロットである。
その測定結果を図19に示す。同図において、符号D1を付した◆のプロットを結んだ折れ線グラフが試料1の測定結果であり、符号D2を付した×のプロットを結んだ折れ線グラフが試料2の測定結果である。また、符号D3を付した■のプロットを結んだ折れ線グラフが試料3の測定結果である。符号D4を付した△のプロットを結んだ折れ線グラフが試料4の測定結果である。なお、測定値は、各試料における3つのサンプルについての実測値の平均値である。
同図に示すグラフの縦軸は、放電電圧(kV)を示し、横軸は耐久時間(時間)を示す。
図19から分かるように、何れの試料も耐久時間の経過に従い、徐々に放電電圧が増加している。そして、試料1(D1)については、試料3(D3)に対して、放電電圧が高くなり難い。すなわち、試料1は、耐久試験の初期において、小ギャップの拡大に伴って放電電圧が比較的速く上昇するが、その後の放電電圧の上昇は抑制される。そして、試料1の火花放電ギャップの放電電圧は、試料3の放電電圧よりも小さい値で、同等のゆるやかな上昇速度にて上昇する。これにより、最終的には、同等の体積および材料使用量である試料3に比べて、試料1の放電電圧の上昇を抑制することができる。
また、試料2(D2)についても、同等の体積および材料使用量である試料4(D4)に対して、同様に放電電圧が大きくなり難い。
以上のごとく、本例によれば、参考例1のスパークプラグは、比較例1のスパークプラグよりも、放電電圧の上昇を抑制することができることが分かる。
(実験例3)
本例は、図20に示すごとく、スパークプラグの着火性を、A/F限界の値の測定によって調べた例である。
本例では、耐久試験において、A/F限界の値をそれぞれ計測することにより、参考例1のスパークプラグの着火性が、比較例のそれに比べて向上しているか確認を行った。
本例における、耐久試験方法及び評価対象(試料1〜試料4)の各条件は、それぞれ上記実験例1と同様である。そして、各試料について、耐久時間100時間の経過の区切りごとにA/F限界の値を計測した。A/F限界の値の測定は、直列4気筒エンジンを用いて計測した。なお、この測定は、各試料における3個のサンプルのA/F限界の値を測定し、その3つの実測値を平均したものが図20における各プロットである。
その測定結果を図20に示す。同図において、符号D1を付した◆のプロットを結んだ折れ線グラフが試料1の測定結果であり、符号D2を付した×のプロットを結んだ折れ線グラフが試料2の測定結果である。また、符号D3を付した■のプロットを結んだ折れ線グラフが試料3の測定結果である。符号D4を付した△のプロットを結んだ折れ線グラフが試料4の測定結果である。
同図に示すグラフの縦軸は、A/F限界の値を示し、横軸は耐久時間(時間)を示す。
図20から分かるように、何れの試料も耐久時間の経過に従い、徐々にA/F限界の値が増加している。そして、試料1(D1)については、試料3(D3)に対してA/F限界が高い。つまり、試料1は、同等の体積および材料使用量である試料3よりも着火性に優れている。
同様に、試料2(D2)についても、試料4(D4)に対してA/F限界が高く、試料2は、同等の体積および材料使用量である試料4よりも着火性に優れている。
以上のごとく、本例によれば、参考例1のスパークプラグは、比較例1のスパークプラグよりも、着火性に優れていることが分かる。
1 スパークプラグ
2 ハウジング
3 絶縁碍子
4 中心電極
41 突起部
410 対向面
5 接地電極
52 対向部
6 突起部
60 対向面
11 火花放電ギャップ
111 小ギャップ
112 大ギャップ

Claims (8)

  1. 筒状のハウジングと、該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子と、先端部が突出するように上記絶縁碍子の内側に保持された中心電極と、上記ハウジングに接続されると共に上記中心電極にプラグ軸方向から対向する対向部を有して上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
    上記中心電極の上記先端部及び上記接地電極の上記対向部の双方には、上記火花放電ギャップに向かって突出した突起部が各々配されており、
    該突起部のうち少なくとも一方は、上記火花放電ギャップに対向する対向面がプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜しており、
    上記火花放電ギャップは、プラグ軸方向に直交する一つの方向において、一端側における小ギャップから他端側における大ギャップに向かって徐々に拡大するように構成されており、
    上記突起部のうち少なくとも一方は、プラグ軸方向に直交する断面形状が、その輪郭のうち最も曲率半径の小さい最小曲率半径部を有すると共に、以下の条件を満たす特定形状であって、上記条件は、上記断面形状における上記最小曲率半径部と幾何学的重心とを結ぶ第一直線を想定し、次いで、該第一直線が上記断面形状の輪郭と交差する2つの交点間を結ぶ第一線分を想定し、次いで、上記第一線分の中点において該第一線分と直交する第二直線を想定し、上記断面形状を上記第二直線によって、上記最小曲率半径部を含む第1領域と上記最小曲率半径部を含まない第2領域とに分割したとき、上記第2領域の面積が上記第1領域の面積よりも大きいという条件であり、上記第2領域において大ギャップが形成され、上記第1領域の上記最小曲率半径部において上記小ギャップが形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  2. 筒状のハウジングと、該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子と、先端部が突出するように上記絶縁碍子の内側に保持された中心電極と、上記ハウジングに接続されると共に上記中心電極にプラグ軸方向から対向する対向部を有して上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
    上記中心電極の上記先端部及び上記接地電極の上記対向部の双方には、上記火花放電ギャップに向かって突出した突起部が各々配されており、
    該突起部のうち少なくとも一方は、上記火花放電ギャップに対向する対向面がプラグ軸方向に直交する面に対して傾斜しており、
    上記火花放電ギャップは、プラグ軸方向に直交する一つの方向において、一端側における小ギャップから他端側における大ギャップに向かって徐々に拡大するように構成されており、
    上記突起部のうち少なくとも一方は、プラグ軸方向に直交する断面形状が、その輪郭のうち最も曲率半径の小さい最小曲率半径部を有すると共に、以下の条件を満たす特定形状であって、上記条件は、上記断面形状における上記最小曲率半径部と幾何学的重心とを結ぶ第一直線を想定し、次いで、該第一直線が上記断面形状の輪郭と交差する2つの交点間を結ぶ第一線分を想定し、次いで、上記第一線分の中点において該第一線分と直交する第二直線を想定し、上記断面形状を上記第二直線によって、上記最小曲率半径部を含む第1領域と上記最小曲率半径部を含まない第2領域とに分割したとき、上記第2領域の面積が上記第1領域の面積よりも大きいという条件であり、上記第1領域の上記最小曲率半径部において大ギャップが形成され、上記第2領域に上記小ギャップが形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記中心電極及び上記接地電極の双方の上記突起部における上記対向面は、プラグ軸方向に直交する面に対して同一方向に、かつ小ギャップ側から大ギャップ側へ行くほど上記スパークプラグの先端側へ向かうように傾斜していることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記火花放電ギャップは、上記接地電極の上記対向部の延設方向に対して交差する方向に沿って徐々に拡大するように構成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記火花放電ギャップは、上記接地電極の上記対向部の延設方向に対して直交する方向に沿って徐々に拡大するように構成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記中心電極と上記接地電極との双方の上記突起部の上記断面形状が、上記特定形状であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、少なくとも一方の上記突起部は、貴金属チップから構成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグを内燃機関に取り付けてなるスパークプラグの取付構造であって、上記火花放電ギャップは、上記小ギャップ側が上記大ギャップ側よりも、燃焼室に供給される混合気の気流の上流側となるように配置されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの取付構造
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