JP2003317896A - スパークプラグ - Google Patents
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Abstract
極の対向面に貴金属チップを固定してなるスパークプラ
グにおいて、貴金属チップの耐消耗性を向上させる。 【解決手段】 接地電極40における貴金属チップ45
は、接地電極40の対向面43からの突き出し量tが
0.3mm以上であり、耐酸化揮発性が中心電極30に
おける貴金属チップ35よりも優れている。
Description
関し、特に、中心電極および接地電極に細形状の貴金属
チップを接合することにより高着火性を具備した上で、
貴金属チップの耐消耗性を改善し、従来よりもさら熱負
荷の厳しいエンジンに適合できる内燃機関用スパークプ
ラグに関する。
報に記載されているように、高着火性を有するスパーク
プラグを得るために、中心電極および接地電極をともに
電極支持部から突起させ、かつ細電極とすることが提案
されている。
に、細電極の構成として、例えばPt、Pd、Au等ま
たはこれらの合金からなる貴金属チップを中心電極およ
び接地電極の放電ギャップを隔てた対向面に固着したも
のが提案されている。
高出力、低燃費、低排出ガス等のエンジンにおける傾向
により、従来のエンジンに比して高温の燃焼雰囲気とな
り、スパークプラグの電極温度が非常に高くなってく
る。
金属チップが突き出した構成をとった場合、該貴金属チ
ップがヒートスポットとなり加速的に消耗してしまい、
短時間で寿命に至るいった問題が顕在化してきた。
隔てた中心電極および接地電極の対向面に貴金属チップ
を固定してなるスパークプラグにおいて、貴金属チップ
の耐消耗性を向上させることを目的とする。
め、鋭意検討を行った。貴金属チップの消耗は、放電エ
ネルギーによる溶融によって消耗する火花消耗と、高温
による酸化揮発によって消耗する酸化揮発消耗の合計で
あるが、中心電極と接地電極とでは、貴金属チップの消
耗形態が異なるためそれぞれの割合に大きく差が生じ
る。ここで、酸化揮発消耗は、高温によりチップ表面に
酸化膜が形成され該酸化膜が脱落して消耗するものと推
定される。
マイナス極性であるため、火花消耗の割合が高く、酸化
揮発消耗は少ない。これに対し、接地電極における貴金
属チップは中心電極に比べて温度が高いため、酸化揮発
消耗の割合が高いが、プラス極性であるため火花消耗は
少ない。
属チップ、接地電極の貴金属チップをそれぞれの消耗形
態に適応した材料組成とすることに着目し、実験検討し
た結果、本発明を創出するに至った。
心電極(30)と、中心電極と放電ギャップ(50)を
介して対向する接地電極(40)とを備え、中心電極お
よび接地電極における互いの対向面(32、43)に
は、それぞれ貴金属チップ(35、45)が固定されて
いるスパークプラグにおいて、接地電極における貴金属
チップ(45)は、接地電極の対向面からの突き出し量
tが0.3mm以上であり、耐酸化揮発性が中心電極に
おける貴金属チップ(35)よりも優れていることを特
徴とする。
せるために接地電極における貴金属チップを接地電極の
対向面から突き出させたとき、その突き出し量tが0.
3mm以上の場合に、接地電極における貴金属チップの
消耗形態は、火花消耗よりも酸化揮発消耗の割合が高く
なることがわかった(図3、図4参照)。
0.3mm以上の場合に、接地電極における貴金属チッ
プを、中心電極における貴金属チップよりも耐酸化揮発
性に優れたものにすることで、特に接地電極における貴
金属チップの耐消耗性を向上させることができる。
極(30)および接地電極(40)における貴金属チッ
プ(35、45)を大気中、1100℃で30時間放置
した後の中心電極における貴金属チップ(35)の最大
酸化揮発幅Lmax1に対する接地電極における貴金属
チップ(45)の最大酸化揮発幅Lmax2の比Lma
x2/Lmax1を酸化揮発比Xとしたとき、X≦0.
8であることを特徴とする。
に、実質的に、接地電極における貴金属チップのほうが
中心電極における貴金属チップよりも耐酸化揮発性に優
れたものになると言えるが、本発明者の検討によれば、
酸化揮発比Xが0.8以下であれば、接地電極における
貴金属チップの酸化揮発消耗を大幅に低減することがで
きる(図6参照)。
極(40)における貴金属チップ(45)の断面積Aは
0.1mm2以上1.15mm2以下であり、突き出し量
tは1.5mm以下であることを特徴とする。
断面積Aおよび突き出し量tが上記範囲であれば、耐消
耗性の向上と高着火性との両立にとって有利である。
あるとチップの消耗量が大幅に増大しやすくなり(図7
参照)、1.15mm2超であると高着火性の確保が困
難になりやすい。また、突き出し量tが1.5mmより
大であると、やはりチップ消耗量が大幅に増大しやすい
(図8参照)。
属チップの酸化揮発消耗による耐消耗性を向上させるた
めには、貴金属チップを構成する貴金属にそれ自体が酸
化しやすい添加物を加え、この添加物による酸化膜を形
成して一種の保護膜を形成してやれば良いのではないか
と考えた。
貴金属チップにおいて、上記添加物の含有比を変えて耐
消耗性を調べるという検討を行った。請求項4に記載の
発明は、この検討結果に基づいてなされたものである。
心電極(30)と、中心電極と放電ギャップ(50)を
介して対向する接地電極(40)とを備え、中心電極お
よび接地電極における互いの対向面(32、43)に
は、それぞれ貴金属チップ(35、45)が固定されて
いるスパークプラグにおいて、接地電極における貴金属
チップ(45)は、接地電極の対向面からの突き出し量
tが0.3mm以上であり、中心電極および接地電極に
おける貴金属チップはともに、50重量%を超えるIr
に少なくとも1種の添加物を含有したIr合金からな
り、接地電極における貴金属チップに含有される添加物
の合計は15重量%以上であることを特徴とする。
おける貴金属チップをともに、50重量%以上のIrに
少なくとも1種の添加物を含有したIr合金からなるも
のとすることで、高融点であり耐熱性に優れたチップ特
性を確保できる。
含有される添加物の合計は15重量%以上50重量以下
となるが、それにより、当該貴金属チップは耐消耗性が
大幅に向上する。ここで、当該添加物の合計が15重量
%よりも小さいと、酸化揮発消耗を抑制することが困難
となり消耗量が増大し、また、50重量%よりも大きい
と融点が低下してしまい消耗量が増大してしまう(図9
参照)。
グにおいても、貴金属チップの耐消耗性を向上させるこ
とができる。
含有される添加物の重量%の合計について、より好まし
い範囲を求めるべく検討を進めた結果、請求項5に記載
の発明を得るに至った。
地電極(40)における貴金属チップ(45)に含有さ
れる添加物の重量%の合計は、中心電極(30)におけ
る貴金属チップ(35)に含有される添加物の重量%の
合計の1.5倍以上であることを特徴とする。
る添加物の添加量に関係なく、中心電極における貴金属
チップに含有される添加物の重量%の合計に対して、接
地電極における貴金属チップに含有される添加物の重量
%の合計が1.5倍以上であれば、接地電極における貴
金属チップも酸化揮発消耗を抑制し、スパークプラグの
寿命を拡大するためには有利である(図10参照)。
極(30)と、中心電極と放電ギャップ(50)を介し
て対向する接地電極(40)とを備え、中心電極および
接地電極における互いの対向面(32、43)には、そ
れぞれ貴金属チップ(35、45)が固定されているス
パークプラグにおいて、接地電極における貴金属チップ
(45)は、接地電極の対向面からの突き出し量tが
0.3mm以上であり、中心電極における貴金属チップ
(35)は、50重量%を越えるIrに少なくとも1種
の添加物を含有したIr合金からなり、接地電極におけ
る貴金属チップは、50重量%を越えるPtに少なくと
も1種の添加物を含有したPt合金からなることを特徴
とする。
電極における貴金属チップに高融点材料であるIr合金
を用い、酸化揮発消耗の割合が高い接地電極における貴
金属チップに耐酸化揮発性に優れるPt合金を用いてい
るため、貴金属チップの耐消耗性を向上させることがで
きる。
クプラグにおいても、請求項7に記載の発明のように、
接地電極(40)における貴金属チップ(45)の断面
積Aは0.1mm2以上1.15mm2以下であり、突き
出し量tは1.5mm以下であることが好ましい。これ
は、請求項3の発明と同様に理由による。
クプラグにおいては、中心電極(30)および接地電極
(40)における貴金属チップ(35、45)に含有さ
れる添加物は、Ir、Pt、Rh、Ni、W、Pd、R
u、Os、Al,Y、Y2O3、Reの少なくとも1種で
あることが好ましい。もちろん、これらの中から2種以
上の添加物、また、中心電極と接地電極とで異なる添加
物でも良い。
おいては、請求項9に記載の発明のように、接地電極
(40)における貴金属チップ(45)に含有される添
加物がPtよりも融点が高いもののみからなり、且つ、
このような添加物が少なくとも1種含有されていること
が好ましい。
性を考えた場合にはPtのみすなわち添加物無しが良い
が、Ptのみでは強度が弱く高温で割れや破損等の問題
がある。そのため、Ptに少なくとも1種の添加物を含
有させ、チップの強度を確保することになる。
高いもののみとすることで、Pt100%の貴金属チッ
プに比べても、実用的に耐消耗性に問題のない貴金属チ
ップを実現することができる(図11参照)。
項6または請求項9に記載のスパークプラグにおいて、
接地電極(40)における貴金属チップ(45)に含有
される添加物は、Ptよりも線膨張係数が小さいものの
みであるとともに少なくとも1種含有されているもので
あり、接地電極における貴金属チップは、レーザ溶接に
より固定されていることを特徴とする。
ップにおいて、火花消耗性と接合信頼性とを両立させる
ためには好ましい。
ように、接地電極における貴金属チップに含有される添
加物がPtよりも融点が高いもののみからなる場合、そ
のような添加物は、Ptよりも線膨張係数が小さいもの
である場合が多い。そのとき、接地電極における貴金属
チップをレーザ溶接により固定すれば、接合信頼性を容
易に確保することができる(図12参照)。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
について説明する。図1は本発明の実施形態に係る内燃
機関用スパークプラグS1の全体構成を示す半断面図で
ある。このスパークプラグS1は、自動車用エンジンの
点火栓等に適用されるものであり、該エンジンの燃焼室
を区画形成するエンジンヘッド(図示せず)に設けられ
たネジ穴に挿入されて固定されるようになっている。
(例えば低炭素鋼等)等よりなる筒形状のハウジング
(取付金具)10を有しており、このハウジング10
は、図示しないエンジンブロックに固定するための取付
ネジ部11を備えている。ハウジング10の内部には、
アルミナセラミック(Al2O3)等からなる絶縁碍子
(絶縁体)20が固定されており、この絶縁碍子20の
一端部21は、ハウジング10の一端部12から露出す
るように設けられている。
が固定されており、この中心電極30はハウジング10
に対して絶縁保持されている。中心電極30は、例え
ば、内材がCu等の熱伝導性に優れた金属材料、外材が
Ni基合金等の耐熱性および耐食性に優れた金属材料に
より構成された円柱体で、図1に示すように、その一端
部31が、絶縁碍子20の一端部21から露出するよう
に設けられている。
る例えば角柱等の柱状形状をなしており、その一端部4
1が中心電極30の一端部31と放電ギャップ50を介
して対向し、途中で曲げられて、その他端部42にてハ
ウジング10の一端部12に抵抗溶接により固定されて
いる。
ける放電ギャップ50近傍を拡大して示す説明図であ
る。図2に示すように、上記のように放電ギャップ50
を介して中心電極30の一端部31の端面32と接地電
極40の一端部41の側面43とが対向して配置されて
おり、これら対向する面32、43は、放電ギャップ5
0を隔てた中心電極30及び接地電極40における互い
の対向面32、43として構成されている。
れぞれ貴金属チップ35、45が抵抗溶接やレーザ溶接
等により接合され固定されている。本例では、これら両
チップ35、45は円柱状であり、両チップ35、45
ともに、対向面32、43に対して抵抗溶接により接合
され固定されている。
プ35を以下、中心電極側チップ35といい、また、接
地電極40における貴金属チップ45を以下、接地電極
側チップ45ということとする。
の細径化を図り高着火性を実現するために、接地電極側
チップ45は、接地電極40の対向面43から突き出し
量tだけ突き出た形となっている。そして、両チップ3
5、45の最短距離Gが放電ギャップ50として形成さ
れており、放電ギャップ50の大きさGは例えば1mm
程度である。
は、両電極30、40のチップ35、45間に形成され
た放電ギャップ50において放電し、上記燃焼室内の混
合気に着火させる。着火後、火花ギャップ50に形成さ
れた火炎核は、成長していき、燃焼室内にて燃焼が行わ
れるようになっている。
述べるような独自の構成を採用している。
として、接地電極側チップ45は、接地電極40の対向
面43からの突き出し量tが0.3mm以上であり、耐
酸化揮発性が中心電極側チップ35よりも優れている
(第1の構成)。この第1の構成を採用する根拠につい
て、図3、図4を参照して述べる。
極側チップ45の突き出し量t(単位:mm)がスパー
クプラグの寿命へ及ぼす影響をギャップ拡大量(単位:
mm)として調べた結果を示す図である。
0rpm)からスロットル全開(5000rpm)を複
合させた高速模擬パターンにて800時間行った。これ
は、走行距離に換算すると約10万kmに相当する。
期ギャップからの拡大量である。図3では、各突き出し
量tにおいて、斜線ハッチングで示す分が中心電極側チ
ップ35の消耗によるギャップ拡大分であり、点々ハッ
チングで示す分が接地電極側チップ45の消耗によるギ
ャップ拡大分であり、これら両方のギャップ拡大分の合
計が、放電ギャップ50のギャップ拡大量となる。
合、中心電極側チップ35の消耗によるギャップ拡大分
は0.2mmであり、接地電極側チップ45の消耗によ
るギャップ拡大分は0.45mmであり、トータルのギ
ャップ拡大量は0.65mmであることを示している。
属チップ35、45が、中心側、接地側ともに断面積
(チップ断面積)Aが0.1mm2のIr−10Rh
(Ir90重量%、Rh10重量%の合金)である場合
を示す。これは、消耗に対してかなり厳しいレベルの条
件である。なお、チップの断面積Aは、突き出し方向と
直交する方向の断面の面積である。
極側チップ45が接地電極40の対向面43に埋め込ま
れた形のもので、従来のスパークプラグである。従来で
は、接地電極側チップ45が突き出たものは、チップが
ヒートスポットとなり加速的に消耗するため、実際に製
品としては実現されていない。
き出し量t=0)では、接地電極側チップ45よりも中
心電極側チップ35の消耗の方が多い。図示例では、中
心電極側チップの消耗分:接地電極側チップの消耗分=
4:1である。これは、マイナス極性である中心電極3
0では、火花消耗が接地電極40よりも多いためであ
り、この消耗形態がスパークプラグでは一般的である。
地電極40の対向面43から突き出した形状において
は、突き出し量tが大きければ大きい程、接地電極側チ
ップ45の消耗が多くなり、スパークプラグの寿命が短
縮してしまう。これは、上述したように、接地電極側チ
ップ45を突き出すと、そこがヒートスポットとなり、
チップ温度が上昇し、高温による酸化揮発消耗が増大す
るためである。
量t(単位:mm)を変えたスパークプラグについて、
上記のエンジン耐久評価にて接地電極側チップ45のみ
の消耗体積比を算出した結果を示す図である。
同様に接地電極側チップ45と中心電極側チップ35と
を同じ組成の材料(同一材:Ir−10Rh)を用いた
場合を示す。また、白丸プロットは中心電極側チップ3
5よりも耐酸化揮発性が優れている材料(耐酸化揮発性
向上材:Ir−30Rh)を接地電極側チップ45に用
いた場合を示す。また、各チップ35、45の断面積A
は0.1mm2としており、消耗に対してかなり厳しい
レベルの条件としている。
同一材の場合における接地電極側チップ45の消耗体積
を1と規格化している。例えば、突き出し量tが1.5
mmである同一材の場合は、突き出し量tが0である同
一材の場合と比べて、接地電極側チップ45の消耗体積
が約9倍に多くなっていることが示される。
一材を接地電極側チップ45に用いた場合は、上述した
ヒートスポットになるという理由により、突き出し量t
が0.3mmよりも大きいと接地電極側チップ45の消
耗量が大幅に増大してしまうことがわかる。
電極側チップ45に用いた場合は、突き出し量tが0.
3mmよりも小さいと、わずかに消耗量が増加するもの
の、突き出し量tが0.3mm以上であれば消耗量を大
幅に低減することができることがわかる。
量tが0.3mmより小さい場合、すなわち接地電極側
チップ45がヒートスポットとならずにチップ温度がそ
れほど高くならない場合は、接地電極側チップ45にお
いても、酸化揮発消耗よりも火花消耗の割合が高くな
る。そのため、耐酸化揮発性向上材を用いた接地電極側
チップ45では、融点が低く火花消耗性が悪化してしま
う。
ップを構成する貴金属にそれ自体が酸化しやすい添加物
を加え、この添加物による酸化膜を形成して一種の保護
膜を形成してやれば良いと考えられる。そのため、耐酸
化揮発性向上材としては、中心電極側チップ35よりも
添加元素量を増やしたものを用いると良い。
10Rhに対して、添加元素Rhを30重量%と増やし
た耐酸化揮発性向上材を接地電極側チップ45に用いて
いる。しかし、一般に添加元素量を増やすと融点は低下
してしまうため、突き出し量tが0.3mmよりも小さ
く火花消耗の割合が高い場合には、耐酸化揮発性向上材
を用いた場合の方が消耗量が増加する。
合、すなわち接地電極側チップ45がヒートスポットと
なりチップ温度が極めて高くなる場合は、火花消耗より
も酸化揮発消耗の割合が高くなる。そのため、耐酸化揮
発性向上材を用いた場合は、同一材に対して大幅に消耗
量を低減することができる。
から、本実施形態では、接地電極側チップ45は、突き
出し量tが0.3mm以上であり、かつ耐酸化揮発性が
中心電極側チップ35よりも優れているという第1の構
成を採用する。それにより、接地電極側チップ45の耐
消耗性を向上させることができ、チップ消耗量を大幅に
低減でき、スパークプラグS1の寿命を大幅に拡大する
ことができる。
チップ35にIr−10Rh、接地電極側チップ45に
Ir−30Rhを用いているが、これは一例であり、限
定するものではない。すなわち、チップの主成分、添加
物の種類を間わず接地電極側チップ45に中心電極側チ
ップ35よりも耐酸化揮発性に優れたチップを用いれ
ば、同様の効果は得られる。
極側および接地電極側の両チップ35、45を大気中、
1100℃で30時間放置した後の中心電極側チップ3
5の最大酸化揮発幅Lmax1に対する接地電極側チッ
プ45の最大酸化揮発幅Lmax2の比Lmax2/L
max1を酸化揮発比Xとしたとき、X≦0.8である
ことが好ましい。
発性について、さらに具体的に評価し、その効果につい
て検討した結果に基づくものである。その検討結果の一
例を図5、図6を参照して述べる。
明図である。この方法は、中心電極側チップ35、接地
電極側チップ45を大気中、1100℃という高温下で
30時間放置した後のそれぞれの最大酸化揮発幅にて評
価するものである。
わち初期形状は、図5中、破線にて示される。上記高温
下に放置した後、各チップ35、45は外周側から揮発
して消耗し、元の材質からなる健全部K1とこの健全部
K1の表面に形成された酸化層K2からなるものにな
る。
ax1、Lmax2は、初期形状から揮発して無くなっ
た揮発部K3の最大幅である。そして、接地電極側チッ
プ45の最大酸化揮発幅Lmax2の中心電極側チップ
35の最大酸化揮発幅Lmax1に対する比Lmax2
/Lmax1を酸化揮発比Xとしている。
あるスパークプラグについて上記のエンジン耐久評価を
実施し、接地電極側チップ45の消耗体積比を算出した
結果を示す図である。
場合における接地電極側チップ45の消耗体積を1と規
格化している。なお、評価に用いたチップは、接地電極
側チップ45が断面積A=0.1mm2、突き出し量t
=1.5mmと消耗に対してかなり厳しいレベルの条件
であり、中心電極側チップ35の材料組成は全て同じで
ある。
が0.8を超えると接地電極側チップ45の消耗体積が
大幅に増大している。したがって、接地電極側チップ4
5の酸化揮発消耗を大幅に低減させるためには、酸化揮
発比Xが0.8以下であることが好ましい。
極側チップ45の断面積Aは0.1mm2以上1.15
mm2以下であり、その突き出し量tは1.5mm以下
であることが好ましい。その根拠は図7、図8に示され
る。
(単位:mm2)とその消耗体積比との関係について上
記のエンジン耐久評価にて調べた結果を示す図である。
断面積Aが0.1mm2の場合における接地電極側チッ
プ45の消耗体積を1と規格化している。なお、評価に
用いた接地電極側チップ45は、突き出し量t=1.5
mm、酸化揮発比X=0.8としており、消耗に対して
かなり厳しいレベルの条件としている。
0.1mm2よりも小さいと接地電極側チップ45の消
耗量が大幅に増大してしまう。これは、チップ断面積A
が小さすぎると、チップ温度が加速的に上昇してしま
い、酸化揮発消耗を抑制することが困難になるからであ
る。
た検討によれば、チップ断面積Aが1.15mm2より
も大きいと、スパークプラグにおける高着火性の確保が
困難となる。
き出し量t(単位:mm)とその消耗体積比との関係に
ついて上記のエンジン耐久評価にて調べた結果を示す図
である。
ップ45は、断面積A=0.1mm 2、酸化揮発比X=
0.2、0.8であり、適切な酸化揮発比Xの範囲の中
で消耗に対してかなり厳しいレベルの断面積条件として
いる。そして、突き出し量tが0.3mmの場合におけ
る接地電極側チップ45の消耗体積を1と規格化してい
る。
係なく、チップ突き出し量tが1.5mmよりも大きい
と接地電極側チップ45の消耗量が大幅に増大してしま
う。これは、チップ突き出し量tが大きすぎると、チッ
プ温度が加速的に上昇してしまい、酸化揮発消耗を抑制
することが困難になるからである。
り、高着火性を確保し、酸化揮発消耗を抑制するために
は、接地電極側チップ45の断面積Aが0.1mm2以
上1・15mm2以下であり、チップ突き出し量tが
1.5mm以下であることが好ましい。
クプラグS1において、接地電極側チップ45の突き出
し量tが0.3mm以上である場合に、貴金属チップ3
5、45の耐消耗性を向上させるためには、次のような
第2の構成を採用しても良い。
35、45を、ともに50重量%を超えるIrに少なく
とも1種の添加物を含有したIr合金からなるものと
し、接地電極側チップ45に含有される添加物の合計を
15重量%以上とした構成である。この第2の構成を採
用する根拠について、次に述べる。
チップ35、45をともに、50重量%以上のIrに少
なくとも1種の添加物を含有したIr合金からなるもの
とすることで、高融点であり耐熱性に優れたチップ特性
を確保できる。さらに、接地電極側チップ45に含有さ
れる添加物の合計は15重量%以上50重量以下となる
が、この根拠は次の図9に示す結果による。
る添加物の合計(単位:重量%)とエンジン耐久評価に
よる接地電極側チップ45の消耗体積比との関係を調べ
た結果を示す図である。
あるIrに含有される添加物としては、Rh、Rh−P
t、Ptを用いた。そして、添加物をRhとしその量が
15重量%の場合における接地電極側チップ45の消耗
体積を1と規格化している。なお、評価に用いた接地電
極側チップ45は、突き出し量t=1.5mm、断面積
A=0.1mm2としており、消耗に対してかなり厳し
いレベルの条件としている。
添加物の種類及び数に関係なく、添加物の合計が15重
量%よりも小さいと酸化揮発消耗を抑制することが困難
となり、接地電極側チップ45の消耗量が増大してしま
う。また、添加物の合計が50重量%よりも大きいと融
点が低下してしまい、接地電極側チップ45の消耗量が
増大してしまう。
量tが0.3mm以上のスパークプラグにおいて消耗量
を抑制するためには、高融点材であるIrを主成分(5
0重量%よりも多い)とし、少なくとも1種の添加物を
含有したIr合金からなり、その添加物の合計が15重
量%以上であるチップを接地電極側チップ45に用いる
ことが好ましい。
−Pt、Ptを用いた例を示しているが、この他にもN
i、W、Pd、Ru、Os、Al、Y、Y2O3、Reを
添加したチップや、これらの添加物が3種以上含有され
たチップについても同様の結果が得られた。
記第2の構成を採用したスパークプラグS1によって
も、結果的に、接地電極側チップ45の突き出し量tが
0.3mm以上の場合に耐酸化揮発性が中心電極側チッ
プ35よりも優れた接地電極側チップ45を実現できる
ため、貴金属チップの耐消耗性を向上させることができ
る。
極側チップ45に含有される添加物の重量%の合計が、
中心電極側チップ35に含有される添加物の重量%の合
計の1.5倍以上であることが好ましい。その根拠は図
10に示される。
れる添加物の重量%の合計をT2、中心電極側チップ3
5に含有される添加物の重量%の合計をT1としたとき
の比T2/T1である合計添加量比(接地側チップ/中
心側チップ)と、ギャップ拡大量である消耗比(ΔGA
P)との関係について調べた結果を示す図である。
電極側チップ35にIr−10Rhを用い、上記のエン
ジン耐久評価を実施した結果を示す。また、白丸プロッ
トは、中心電極側チップ35にIr−15Rhを用い、
上記のエンジン耐久評価よりもさらに厳しいエンジン耐
久評価を実施した結果である。
0の一端部41の温度すなわち先端部温度が950℃程
度であるのに対し、さらに厳しいエンジン耐久評価で
は、点火時期を変更する等により当該先端部温度を10
00℃と高くした。要するに、中心電極側チップ35の
添加量をスパークプラグの使用環境に適応させた場合の
スパークプラグのギャップ拡大量に対する影響を合計添
加量比について調べた。
5もIr−Rh合金を用い、この接地電極側チップ45
におけるRhの重量%と中心電極側チップ35における
Rhの重量%とを、合計添加量比としている。なお、評
価に用いた接地電極側チップ45は、突き出し量t=
1.5mm、断面積A=0.1mm2としており、消耗
に対してかなり厳しいレベルの条件としている。
Ir−10Rhであり合計添加量比が1.5の場合にお
けるギャップ拡大量を1と規格化している。このギャッ
プ拡大量は、上記図3における突き出し量t=1.5m
mの場合に示されるように、接地電極側チップ45の消
耗の寄与が大きい。
酸化揮発消耗を抑制し、スパークプラグの寿命を拡大す
るためには、中心電極側チップ35の添加量に関係なく
合計添加量比が1.5以上であることが好ましい。
hを示しているが、限定するものではない。この他にも
Ni、Pt、W、Pd、Ru、Os、Al、Y、Y2O3
についても同様の結果が得られた。また、これらの添加
物が2種以上含有されたチップや、中心電極側チップ3
5と接地電極側チップ45とで添加物の種類が異なるも
のについても同様の結果が得られた。
クプラグS1において、接地電極側チップ45の突き出
し量tが0.3mm以上である場合に、貴金属チップ3
5、45の耐消耗性を向上させるためには、次のような
第3の構成を採用しても良い。
を主成分とし(50重量%を越えるIrに)少なくとも
1種の添加物を含有したIr合金からなるものとし、接
地電極側チップ45を、Ptを主成分とし(50重量%
を越えるPtに)少なくとも1種の添加物を含有したP
t合金からなるものとした構成である。
が高い中心電極側チップ35に高融点材料であるIr合
金を用い、酸化揮発消耗の割合が高い接地電極側チップ
45に耐酸化揮発性に優れるPt合金を用いている。そ
のため、上記第1または第2の構成に代えて第3の構成
を採用したスパークプラグS1によっても、貴金属チッ
プの耐消耗性を向上させることができ、スパークプラグ
の寿命を大幅に拡大することができる。
5、45における添加物をIr、Pt、Rh、Ni、
W、Pd、Ru、Os、Al、Y、Y2O3とすること
で、より効果が発揮されるだけでなくチップ強度を増大
することもでき、高温によるチップ割れ、亀裂等を防止
できる。
40における貴金属チップすなわち接地電極側チップ4
5に含有される添加物が、Ptよりも融点が高いものの
みからなり、且つ、このような添加物が少なくとも1種
含有されていることが好ましい。
チップ45に含有される添加物がPtよりも線膨張係数
が小さいもののみからなり、且つこのような添加物が少
なくとも1種含有されており、さらに、接地電極側チッ
プ45は、レーザ溶接により接地電極40に固定されて
いることが好ましい。これらの第3の構成における好ま
しい形態の根拠は、次の通りである。
し少なくとも1種の添加物を含有したPt合金からなる
ものとした場合、その添加物としては、Ir、Rh、N
i、W、Pd、Ru、Os、Al、Y2O3、Re等が挙
げられる。ここで、Ptの融点(℃)、線膨張係数(×
106/℃)は、1769、9.0である。
張係数(×106/℃)は、Irが2443、6.8、
Rhが1966、8.5、Niが1453、13.3、
Wが3400、4.5、Pdが1552、11.0、R
uが2250、9.6、Osが3030、4.6、Al
が660、23.5、Y2O3が4300、7.2、Re
が3180、6.6である。
る添加物の種類と火花消耗性との関係を実験で調べた。
その結果の一例を図11に示す。
と火花消耗性としての消耗体積比との関係を示してお
り、消耗体積比は、接地電極側チップ45の組成が10
0Ptすなわち接地電極側チップ45がPtのみ(添加
物無し)からなる場合の消耗体積を1と規格化したもの
である。
て主成分Ptに含有される添加物として、Rh、Ir、
Pd、Ni、Ir−Rh、Ir−Niとした。また、そ
の評価方法は、高温による酸化揮発消耗の影響を除外す
るために、常温での火花ベンチ耐久試験を700時間実
施し、その試験実施後の消耗体積比をみたものである。
花消耗性に最も優れているが、100Ptは強度が極め
て小さいため、高温によるチップ割れ、亀裂の発生等の
問題があり、実用的ではない。そのため、上記した添加
物によって強度の向上を図っているが、図11に示され
るように火花消耗量を増大させてしまう。特に、Pdや
NiといったPtよりも融点が低い添加物が1種でも含
有されている場合は、大幅に消耗量が増大してしまう。
量の増大を最小限に抑制し、且つ強度向上も図るために
は、図11に示すように、Ptよりも融点の高い添加物
のみを含有させることが好ましい。
r、Pd、Ni、Ir−Rh、Ir−Niを用いたが、
その他の添加物やこれらの添加物が2種以上含有された
接地電極側チップ45についても、図11と同様の傾向
が得られた。
に含有される添加物がPtよりも融点が高いもののみか
らなり、且つ、このような添加物が少なくとも1種含有
されていることが好ましい。そして、そのような添加物
としては、Ir、Rh、W、Ru、Os、Y2O3、Re
等が挙げられる。
成の接地電極側チップ45について、抵抗溶接にて接地
電極40に固定した場合およびレーザ溶接にて接地電極
40に固定した場合での接合信頼性を調べた結果を示す
図表である。
エンジンに実装し耐久試験を行った。耐久試験は、6気
筒2000ccエンジンで実施し、運転条件はアイドル
1分保持、スロットル全開6000rpm1分保持の繰
返しを100時間行った。
した。図13は接地電極側チップ45の接合形態を示す
断面図であり、(a)は抵抗溶接による場合を示し、
(b)はレーザ溶接による場合を示す。レーザ溶接の場
合は、接地電極側チップ45と接地電極40との接合部
に溶融部47が形成されている。
5と接地電極40との界面またはチップ45と溶融部4
7との界面において、本来接合されている部分の長さ
(すなわち接合長さ)をa、a1、a2で示し、これら
各接合長さのうち剥離している部分の長さ(すなわち剥
離長さ)をb1、b2で示している。これら各長さや切
断面形状は、当該切断面を金属顕微鏡等で観察すること
で知ることができる。
の場合の剥離率は、{(b1+b2)/a}×100
(%)にて求められ、図13(b)に示されるレーザ溶
接の場合の剥離率は、{(b1+b2)/(a1+a
2)}×100(%)にて求められる。
剥離率を求めるのであるが、図12では、これら剥離率
が、0〜25%のとき「○」、25〜50%のとき
「△」、50%以上のとき「×」として示した。
たPtよりも線膨張係数が小さい添加物のみが含有され
ている場合は、抵抗溶接での接合信頼性の確保は困難で
ある。また、上記図11にて火花消耗性に優れるチップ
組成において接合信頼性が低い傾向にある。
び線膨張係数のデータの例に示すように、Ptよりも融
点が高い添加物は、Ptよりも線膨張係数が小さいもの
である場合が多い。
ならば、接地電極側チップの組成に関係なく、接合信頼
性を確保できることがわかる。なお、図12では、添加
物としてRh、Ir、Pd、Ni、Ir−Rh、Ir−
Niを用いたが、その他の添加物やこれらの添加物が2
種以上含有された接地電極側チップ45についても、図
12と同様の傾向が得られた。
火花消耗性と接合信頼性とを両立させるためには、接地
電極側チップ45に含有される添加物は、Ptよりも線
膨張係数が小さいもののみであるとともに少なくとも1
種含有されているものであり、且つ接地電極側チップ4
5が、レーザ溶接により固定されていることが好まし
い。
も、高着火性を確保し、酸化揮発消耗を抑制するために
は、Pt合金チップである接地電極側チップ45の断面
積Aが0.1mm2以上1.15mm2以下、チップ突き
出し量tが1.5mm以下であることが好ましい。これ
は、上述と同様の理由である。
おいては、上記した第1、第2および第3の構成のいず
れかを備えることにより、貴金属チップの耐消耗性を向
上させることができ、スパークプラグの寿命を大幅に拡
大することができる。
5、45は、中心電極側、接地電極側ともに、例えば円
柱形状(楕円も含む)、角柱形状、円錐形状、リベット
形状等、どのような形状であっても、上記した効果は同
様に発揮される。
に、中心電極30及び接地電極40と貴金属チップ3
5、45との接合は、レーザ溶接、アーク溶接、抵抗溶
接等、どのような溶接方法であっても良い。図14にお
いて、溶融部37、47が図示されている接合部はレー
ザ溶接またはアーク溶接であり、図示されていない接合
部は抵抗溶接である。
としては、その内部に母材49よりも熱伝導性に優れた
例えばCu、Cu+Niクラッド等からなる芯材48を
収納するものでも良い。それによれば、接地電極40の
先端部すなわち一端部41の温度が低減でき、結果とし
て、接地電極側チップ45の酸化揮発消耗をさらに低減
できることから好ましい。
導材としてのCu材からなる芯材48を有し、この芯材
48をNi基合金からなる母材49にて被覆してなる接
地電極40であり、(b)は、芯材48を、Ni材48
aをCu材48bにて被覆した2層構造とし、これを母
材49にて被覆してなる接地電極40である。
を斜めに配置しても良い。それにより、接地電極40を
短化し、その先端部温度を低減できるため、結果とし
て、接地電極側チップ45の酸化揮発消耗をさらに低減
できることから好ましい。
ラグの全体構成を示す半断面図である。
近傍の拡大説明図である。
久評価によるギャップ拡大量との関係を示す図である。
久評価による接地電極側チップの消耗体積比との関係を
示す図である。
極側チップの消耗体積比との関係を示す図である。
価による接地電極側チップの消耗体積比との関係を示す
図である。
久評価による接地電極側チップの消耗体積比との関係を
示す図である。
エンジン耐久評価による接地電極側チップ45の消耗体
積比との関係を示す図である。
%の合計と中心電極側チップに含有される添加物の重量
%の合計との比である合計添加量比と、ギャップ拡大量
である消耗比との関係を示す図である。
を調べた結果の一例を示す図である。
を調べた結果の一例を示す図である。
価方法を示す図である。
々の例を示す図である。
す図である。
す図である。
…中心電極における貴金属チップ(中心電極側チッ
プ)、40…接地電極、43…接地電極における対向
面、45…接地電極における貴金属チップ(接地電極側
チップ)、50…放電ギャップ。
Claims (10)
- 【請求項1】 中心電極(30)と、 この中心電極と放電ギャップ(50)を介して対向する
接地電極(40)とを備え、 前記中心電極および前記接地電極における互いの対向面
(32、43)には、それぞれ貴金属チップ(35、4
5)が固定されているスパークプラグにおいて、 前記接地電極における前記貴金属チップ(45)は、前
記接地電極の対向面からの突き出し量tが0.3mm以
上であり、耐酸化揮発性が前記中心電極における前記貴
金属チップ(35)よりも優れていることを特徴とする
スパークプラグ。 - 【請求項2】 前記中心電極(30)および前記接地電
極(40)における前記貴金属チップ(35、45)を
大気中、1100℃で30時間放置した後の前記中心電
極における前記貴金属チップ(35)の最大酸化揮発幅
Lmax1に対する前記接地電極における前記貴金属チ
ップ(45)の最大酸化揮発幅Lmax2の比Lmax
2/Lmax1を酸化揮発比Xとしたとき、X≦0.8
であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラ
グ。 - 【請求項3】 前記接地電極(40)における前記貴金
属チップ(45)の断面積Aは0.1mm2以上1.1
5mm2以下であり、前記突き出し量tは1.5mm以
下であることを特徴とする請求項1または2に記載のス
パークプラグ。 - 【請求項4】 中心電極(30)と、 この中心電極と放電ギャップ(50)を介して対向する
接地電極(40)とを備え、 前記中心電極および前記接地電極における互いの対向面
(32、43)には、それぞれ貴金属チップ(35、4
5)が固定されているスパークプラグにおいて、 前記接地電極における前記貴金属チップ(45)は、前
記接地電極の対向面からの突き出し量tが0.3mm以
上であり、 前記中心電極および前記接地電極における前記貴金属チ
ップはともに、50重量%を超えるIrに少なくとも1
種の添加物を含有したIr合金からなり、 前記接地電極における前記貴金属チップに含有される添
加物の合計は15重量%以上であることを特徴とするス
パークプラグ。 - 【請求項5】 前記接地電極(40)における前記貴金
属チップ(45)に含有される添加物の重量%の合計
は、前記中心電極(30)における前記貴金属チップ
(35)に含有される添加物の重量%の合計の1.5倍
以上であることを特徴とする請求項4に記載のスパーク
プラグ。 - 【請求項6】 中心電極(30)と、 この中心電極と放電ギャップ(50)を介して対向する
接地電極(40)とを備え、 前記中心電極および前記接地電極における互いの対向面
(32、43)には、それぞれ貴金属チップ(35、4
5)が固定されているスパークプラグにおいて、 前記接地電極における前記貴金属チップ(45)は、前
記接地電極の対向面からの突き出し量tが0.3mm以
上であり、 前記中心電極における前記貴金属チップ(35)は、5
0重量%を越えるIrに少なくとも1種の添加物を含有
したIr合金からなり、 前記接地電極における前記貴金属チップは、50重量%
を越えるPtに少なくとも1種の添加物を含有したPt
合金からなることを特徴とするスパークプラグ。 - 【請求項7】 前記接地電極(40)における前記貴金
属チップ(45)の断面積Aは0.1mm2以上1.1
5mm2以下であり、前記突き出し量tは1.5mm以
下であることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか
一つに記載のスパークプラグ。 - 【請求項8】 前記中心電極(30)および前記接地電
極(40)における貴金属チップ(35、45)に含有
される添加物は、Ir、Pt、Rh、Ni、W、Pd、
Ru、Os、Al,Y、Y2O3、Reの少なくとも1種
であることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか一
つに記載のスパークプラグ。 - 【請求項9】 前記接地電極(40)における前記貴金
属チップ(45)に含有される添加物は、Ptよりも融
点が高いもののみであるとともに少なくとも1種含有さ
れているものであることを特徴とする請求項6に記載の
スパークプラグ。 - 【請求項10】 前記接地電極(40)における前記貴
金属チップ(45)に含有される添加物は、Ptよりも
線膨張係数が小さいもののみであるとともに少なくとも
1種含有されているものであり、前記接地電極における
前記貴金属チップは、レーザ溶接により固定されている
ことを特徴とする請求項6または9に記載のスパークプ
ラグ。
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