JP5451510B2 - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents
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該スパークプラグ9は中心電極94と接地電極95とを有する。
該接地電極95はその一端が取付金具92に固定されるとともに屈曲して、他端を中心電極94に対向する位置に配置している。
ところが、その場合、混合気の流速を大きくする分、火花放電ギャップにおいて混合気が放電される火花によって温められる前に、放電が引き伸ばされて切れてしまうという問題が生じていた。
そこで、放電切れを防ぐべく、火花放電ギャップの前に混合気の流れを遮る装置を設けたスパークプラグが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、中心電極と接地電極とに、互いの対向部からそれぞれプラグ径方向に延設した電極延長部を設けたスパークプラグが提案されている(例えば特許文献2参照)。
ところが、上記特許文献1のように混合気の流れを遮ると火炎の外形に乱れが生じず、火炎が成長しにくく着火性が低下してしまうことが懸念される。
しかし、上記電極延長部は電極中心部を起点に半径方向の一方へ延びている短いものであるため、放電の維持時間を充分に稼ぎにくい。
特に、希薄燃焼による内燃機関の高気流速度場においては、放電の維持時間が短くなりすぎ、混合気の加熱時間が短くなるため、着火性を充分に改善できなかった。
上記中心電極における上記電極先端部から、軸方向に略直交する方向であって互いに反対方向の双方に延設された高電圧側延設電極と、
上記中心電極の上記電極先端部に対向する上記接地電極の対向部から、上記高電圧側延設電極と略同一方向に延設された低電圧側延設電極とを備え、
上記高電圧側延設電極の一端部と上記低電圧側延設電極の一端部との間の一端ギャップと、上記高電圧側延設電極の他端部と上記低電圧側延設電極の他端部との間の他端ギャップとは、互いに異なる大きさを有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項1)。
上記中心電極における上記電極先端部から、軸方向に略直交する方向に延設された高電圧側延設電極と、
上記中心電極の上記電極先端部に対向する上記接地電極の対向部から、上記高電圧側延設電極と略同一方向に延設された低電圧側延設電極と、
燃焼室内における上記火花放電ギャップ付近の気流を減速させるための気流減速機構を備え、
上記高電圧側延設電極の延設側端部と上記低電圧側延設電極の延設側端部との間の端部ギャップは、上記中心電極の上記電極先端部と上記接地電極の上記対向部との間の中心ギャップよりも大きく、
上記高電圧側延設電極及び上記低電圧側延設電極は、延設方向の長さが3mm以上であって、
上記気流減速機構は、上記中心ギャップを上記端部ギャップとの間に挟む位置において、上記取付金具から先端側に突出形成され、かつ軸方向及び上記高電圧側延設電極の延設方向に直交する方向の上記気流減速機構の幅が2mm以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項2)。
したがって、放電が高気流速度の混合気により引き伸ばされて切れるまでの時間を稼ぐことができる。しかも、混合気と共に放電が移動する。
それ故、この間に放電によって混合気の温度が充分に高まり、着火しやすくなる。
その結果、火花放電ギャップにおいて発生した放電の維持時間を略直径長さに亘り稼ぐことができ、着火性を向上させることができる。
それ故、上記一端ギャップと上記他端ギャップのうち小さい方(以下これを「小ギャップ」という。)を混合気の流れの上流側に、大きい方(以下これを「大ギャップ」という。)を下流側に配置することによって、確実に上記のような混合気との放電の併走現象が実現でき、着火の確実性を向上できる。
よって、上述したごとく、放電の維持時間を稼ぐとともに、放電によって混合気の温度を高めやすくなるため、放電電流を高くすることなく着火性を向上させることができる。
すなわち、上述したごとく、混合気の流れによって生じる火炎の外形の乱れによって、火炎が周囲の混合気と伝播して、火炎が成長することとなるが、本発明の構成によれば、このような火炎の成長を妨げることはない。それ故、着火性を充分に確保できる。
これによって、混合気の流れが生じている燃焼室内において、上記高電圧側延設電極及び上記低電圧側延設電極の延設方向を混合気の流れと略平行に配置することにより、火花放電ギャップに発生した放電は引き伸ばされることなく、上記高電圧側延設電極と上記低電圧側延設電極との間を、混合気と併走するように移動することができる。
その結果、火花放電ギャップに発生した放電が、上記高電圧側延設電極と上記低電圧側延設電極との間において、これらに沿って流される速度を小さくすることができる。
これにより、放電が混合気と併走する時間を稼ぐことができる。
したがって、この間に放電によって混合気の温度が充分に高まり着火しやすくなる。
それ故、上記気流減速機構を上記中心ギャップよりも混合気の流れの上流側となるように配置したとき、より小さい小ギャップである上記中心ギャップが混合気の流れの上流側に、より大きい大ギャップである上記端部ギャップが下流側に配置されることとなる。
これによって、確実に、上記のような混合気との放電の併走現象が実現でき、着火の確実性を向上できる。
よって、上述したごとく、放電の維持時間を稼ぐとともに、放電によって混合気の温度を高めやすくなるため、放電電流を高くすることなく着火性を向上させることができる。
また、上記気流減速機構の幅は2mm以下である。そのため、上記気流減速機構が、火花放電ギャップへの気流を遮りすぎることも特にないため、火炎の成長が妨げられることもなく、充分な着火性を得ることができる。
すなわち、上述したごとく、混合気の流れによって生じる火炎の外形の乱れによって、火炎が周囲の混合気と伝播して、火炎が成長することとなるが、本発明の構成によれば、このような火炎の成長を妨げることはない。それ故、着火性を充分に確保できる。
また、本願発明のスパークプラグにおいて、内燃機関の燃焼室内に挿入される側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
また、上記気流減速機構の幅が1.6〜1.9mmであることが好ましい(請求項3)。
この場合には、火花放電ギャップにおける混合気の気流を適度に減速し、着火性の一層の向上を図ることができる(図16参照)。
また、上記気流減速機構の幅が1.6mm未満の場合には、上記気流減速機構が気流を減速する効果が低くなるおそれがある(図16参照)。
この場合には、上記中心ギャップを容易に、上記端部ギャップよりも小さくすることができ、中心ギャップにおいて、最初にブレイクダウン(放電)させやすくすることができる。
この場合も、上記中心ギャップを容易に、上記端部ギャップよりも小さくすることができ、中心ギャップにおいて、最初にブレイクダウン(放電)させやすくすることができる。
この場合には、上記高電圧側延設電極及び上記低電圧側延設電極が、火花放電ギャップにおける混合気の流れ方向に略平行となるように、スパークプラグを燃焼機関に取り付けたとき、上記立設部が混合気の気流を妨げにくい。
この場合には、上記一端ギャップと上記他端ギャップとを互いに異なる大きさとなる構成、あるいは上記端部ギャップと上記中心ギャップとを互いに異なる大きさとなる構成を簡単な構成にて実現することができる。
本願発明の第1の発明の実施例に係る内燃機関用のスパークプラグについて、図1〜図4及び図13を用いて説明する。
本例のスパークプラグ1は、図1に示すように、外周に取付用ネジ部20を設けた取付金具2と、取付金具2に保持される絶縁碍子3と、電極先端部40が突出するように絶縁碍子3に保持される中心電極4と、取付金具2に固定されるとともに中心電極4との間に火花放電ギャップを形成する接地電極5とを有する。
そして、高電圧側延設電極42及び低電圧側延設電極52は、図3に示すとおり、軸方向から見たとき、上記横設部51と直交して形成される。
また、低電圧側延設電極52の一端部521には、低電圧側延設電極52から基端側(高電圧側延設電極42側)へ突出した接地突起部53が形成されている。
これにより、一端ギャップEG1は、中心突起部43と接地突起部53との間に形成され、EG1<EG2の関係となる。
上記中心突起部43及び接地突起部53は、例えば、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、あるいはこれらの合金からなる。
スパークプラグ1は上述のように、外周に取付用ネジ部20を有する取付金具2を有する。そして、取付用ネジ部20において、内燃機関用の燃焼室(図示略)の壁部に螺合される。
また、高電圧側延設電極42と低電圧側延設52の延設方向の長さは、例えば、高電圧側延設電極42及び低電圧側延設電極52の両端が、中心電極4の外形よりも外側へ突出し、取付用ネジ部20よりは外側へ突出しない程度とする。
すなわち、中心電極4の直径よりも大きく、取付用ネジ部20の直径よりも小さい。
また、低電圧側延設電極52は接地電極5の立設部50及び横設部51と共に一体的に成形されてなる。そして、低電圧側延設電極52における一端部521の基端側の面に接地突起部53が溶接されている。
本例のスパークプラグ1は、中心電極4における電極先端部40から、軸方向に略直交する方向であって互いに反対方向の双方に延設された高電圧側延設電極42と、接地電極5の対向部55から、高電圧側延設電極42と略同一方向に延設された低電圧側延設電極52とを備える。
したがって、放電Eが高気流速度の混合気Mにより引き伸ばされて切れるまでの時間を稼ぐことができる。しかも、混合気Mと共に放電Eが移動する。
それ故、この間に放電Eによって混合気Mの温度が充分に高まり、着火しやすくなる。
その結果、火花放電ギャップにおいて発生した放電Eの維持時間を略直径長さに亘り稼ぐことができ、着火性を向上させることができる。
それ故、一端ギャップEG1と他端ギャップEG2のうち小さい方(小ギャップ)を混合気Mの流れの上流側に、大きい方(大ギャップ)を下流側に配置することによって、確実に上記のような混合気Mとの放電Eの併走現象が実現でき、着火の確実性を向上できる。
よって、上述したごとく、放電Eの維持時間を稼ぐとともに、放電Eによって混合気Mの温度を高めやすくなるため、放電電流を高くすることなく着火性を向上させることができる。
すなわち、上述したごとく、混合気Mの流れによって生じる火炎Fの外形の乱れによって、火炎Fが周囲の混合気Mと伝播して、火炎Fが成長することとなるが、本発明の構成によれば、このような火炎Fの成長を妨げることはない。それ故、着火性を充分に確保できる。
本例は、図5に示すとおり、軸方向及び高電圧側延設電極42の延設方向に直交する方向から見たとき、低電圧側延設電極52が高電圧側延設電極42に対して傾斜したスパークプラグ1の例である。
高電圧側延設電極42は、軸方向に直交する方向に延設されている。
そして、軸方向及び高電圧側延設電極42の延設方向に直交する方向から見たとき、低電圧側延設電極52は、高電圧側延設電極42に対して傾斜するように形成してある。
本例のスパークプラグ1は、一端ギャップEG1が混合気Mの流れの上流側に、他端ギャップEG2が下流側となるように、内燃機関の燃焼室内に取り付けられる。その他は、実施例1と同様である。
すなわち、小ギャップが混合気Mの上流側となるようにスパークプラグ1を配設することで、放電Eは、混合気Mの上流側で最初にブレイクダウン(発生)し、高電圧側延設電極42及び低電圧側延設電極52の延設方向に沿って、略直径長さに亘り大ギャップへ向かって、混合気Mと併走することができる。
その他は実施例1と同様の作用効果を有する。
本願の第2の発明の実施例に係る内燃機関用のスパークプラグについて、図6〜図9及び図14を用いて説明する。
本例のスパークプラグ1は図6に示すように、中心電極4における電極先端部40から、軸方向に略直交する方向に延設された高電圧側延設電極42と、中心電極4の電極先端部40に対向する接地電極5の対向部55から、高電圧側延設電極42と略同一方向に延設された低電圧側延設電極52と、燃焼室内における火花放電ギャップ付近の気流を減速させるための気流減速機構22を備える。
すなわち、CG<EGの関係で形成される。
そして、気流減速機構22は、中心ギャップCGを端部ギャップEGとの間に挟む位置において、取付金具20から先端側に突出形成されている。また、軸方向及び高電圧側延設電極42の延設方向に直交する方向の気流減速機構22の幅は2mm以下である。
これにより、中心ギャップCGは、中心突起部43と接地突起部53との間に形成され、CG<EGの関係となる。
また、高電圧側延設電極42及び低電圧側延設52の延設方向の長さは、例えば、中心電極4の外形よりも外側へ突出し、取付用ネジ部20よりは外側へ突出しない程度とする。
本例では、高電圧側延設電極42及び低電圧側延設電極52は、延設方向の長さが3mm以上に構成される。
高電圧側延設電極42は中心電極4に対して溶接され、電極先端部40は高電圧側延設電極42における先端側の面に中心突起部43を溶接することにより形成されている。
また、上記中心突起部43及び接地突起部53は中心電極4の中心軸上に配置されている。
ここで、軸方向及び高電圧側延設電極42の延設方向に直交する方向の気流減速機構22の幅は2mm以下に形成される。
また、図8に示すごとく、気流減速機構22は、略四角柱状の金属部材によって構成することができる。
本例のスパークプラグ1は、中心電極4における電極先端部40と、接地電極5の対向部55から、互いに略同一方向に延設された高電圧側延設電極42と低電圧側延設電極52とを備える。
その結果、火花放電ギャップに発生した放電Eが、高電圧側延設電極42と低電圧側延設電極52との間において、それらに沿って流される速度を小さくすることができる。
これにより、放電Eが混合気Mと併走する時間を稼ぐことができる。
したがって、この間に放電Eによって混合気Mの温度が充分に高まり着火しやすくなる。
それ故、気流減速機構22を中心ギャップCGよりも混合気Mの流れの上流側となるように配置したとき、より小さい小ギャップである中心ギャップCGが混合気Mの流れの上流側に、より大きい大ギャップである端部ギャップEGが下流側に配置されることとなる。これによって、確実に、上記のような混合気Mとの放電Eの併走現象が実現でき、着火の確実性を向上できる。
よって、上述したごとく、放電Eの維持時間を稼ぐとともに、放電Eによって混合気Mの温度を高めやすくなるため、放電電流を高くすることなく着火性を向上させることができる。
また、気流減速機構22の幅は2mm以下である。
そのため、気流減速機構22が火花放電ギャップへの気流を遮りすぎることも特にないため、火炎Fの成長が妨げられることもなく、充分な着火性を得ることができる。
すなわち、上述したごとく、混合気Mの流れによって生じる火炎Fの外形の乱れによって、火炎Fが周囲の混合気Mと伝播して、火炎Fが成長することとなるが、本発明の構成によれば、このような火炎Fの成長を妨げることはない。それ故、着火性を充分に確保できる。
本例は、図10に示すとおり、軸方向及び高電圧側延設電極42の延設方向に直交する方向から見たとき、低電圧側延設電極52が高電圧側延設電極42に対して傾斜した第2の発明にかかるスパークプラグ1の例である。
すなわち、中心ギャップCGが端部ギャップEGよりも小さく、CG<EGの関係が成立する。
また、本例のスパークプラグ1は、中心突起部43及び接地突起部53を設けていない。
そして、本例のスパークプラグ1は、高電圧側延設電極42及び低電圧側延設電極52の、電極先端部40及び対向部55からの延設方向が、混合気Mの流れの下流側方向となるように、内燃機関の燃焼室内に取り付けられる。その他は、実施例3と同様である。
すなわち、小ギャップが混合気Mの上流側となるようにスパークプラグ1を配設することで、放電Eは、混合気Mの上流側で最初にブレイクダウン(発生)し、高電圧側延設電極42及び低電圧側延設電極52の延設方向に沿って、大ギャップへ向かって、混合気Mと併走することができる。
その他は実施例3と同様の作用効果を有する。
本例は、図11に示すごとく、上記高電圧側延設電極42及び低電圧側延設電極52を有していないスパークプラグ9の例である。
気流速度が特に大きくない低気流速度場の燃焼室内にスパークプラグ9を設置した場合、図11(A)に示すごとく、スパークプラグ9における中心電極94と接地電極95との火花放電ギャップに生じた放電Eが、上流から流れる混合気Mにさらされることで、混合気Mが温められ、着火に至る。
本例は、図12に示すごとく、中心電極94と接地電極95とに、互いの対向部からそれぞれプラグ径方向に延設した中心電極延長部96及び接地電極延長部97を設けたスパークプラグ90の例である。
ここで、気流の速度が小さければ、この間に放電Eによって、混合気Mが温められ着火に至る。
実施例1のスパークプラグ1における高電圧側延設電極42及び低電圧側延設電極52は、中心電極4の電極先端部40及び接地電極5の対向部55からそれぞれ、径方向の双方へ延設されており、その長さを図12に示すスパークプラグ90の中心電極延長部96と接地電極延長部97よりも長くすることができる。
すなわち、混合気Mが放電Eにより温められ着火するまで、放電Eが高気流速度の混合気Mにより引き伸ばされて、放電切れ及び消炎することなく維持できる[図13(C)参照]。
その結果、上記比較例にかかるスパークプラグ9及びスパークプラグ90に比べ着火性を大きく向上させることができる。
その結果、火花放電ギャップに発生した放電Eが、高電圧側延設電極42と低電圧側延設電極52との間において、これらに沿って流される速度を小さくすることができる。
これにより、放電Eが混合気Mと併走する時間を稼ぐことができる。
したがって、この間に放電Eによって混合気Mの温度が充分に高まり着火しやすくなる。[図14(B)、(C)参照]。
よって、混合気Mが放電Eにより温められ着火するまで、放電Eが高気流速度の混合気Mにより引き伸ばされて、放電切れ及び消炎することなく維持できる[図14(C)参照]。
その結果、上記比較例にかかるスパークプラグ9及びスパークプラグ90に比べ着火性を向上することができる。
本例は、図15に示すごとく、上記実施例1に示したスパークプラグ1と、上記比較例1のスパークプラグ9とによる着火性能の比較を行った実験例である。
まず、内燃機関の燃焼室と同様の状況を作ることができる試験容器にスパークプラグを取り付け、空燃比(A/F)が23.5の混合気Mを試験容器内に噴射するとともに、火花放電ギャップにおける混合気Mの流速が25m/秒となるような気流を形成した。
このとき、放電Eによって火花放電ギャップに火炎核が形成され成長する。この火炎核の大きさを観察窓から観察し、スパークプラグの接地電極における横設部(図2の符号51参照)の延設方向(図1のように見える方向)から見た火炎核の面積を遂時測定した。
同図から分かるように実施例1のスパークプラグ1は、放電時間の経過に伴い、火炎核の面積が大きくなっている。
一方、比較例のスパークプラグ9は放電時間が経過しても、火炎核の面積は大きくならない。これは、放電、放電切れ、再放電を繰り返して、火炎核が成長せず着火に至らないことを意味する。
なお、上記の実験は、スパークプラグ1、スパークプラグ9のプラグ径(直径)が12mmのものを用いて行ったが、少なくともプラグ径10〜14mmのものについては、同様の傾向が得られる。
本例は、上記実施例3に示したスパークプラグ1における気流減速機構22の幅W(mm)と、高電圧側延設電極42及び低電圧側延設電極52の間における気流速度V(m/秒)との相関関係を調べた実験例である。
まず、内燃機関の燃焼室と同様の状況を作ることができる試験容器にスパークプラグを取り付け、空燃比(A/F)が23.5の混合気Mを試験容器内に噴射するとともに、火花放電ギャップにおける混合気Mの流速が30m/秒となるような気流を形成した。
また、軸方向及び高電圧側延設電極42の延設方向に直交する方向の気流減速機構22の厚みは1.3mmにて一定とした。
そして、気流減速機構22の外縁から電極先端部40の中央までの径方向の距離を4.7mmとする。
このとき、上記実施例3に示したスパークプラグ1における気流減速機構22の幅Wと、高電圧側延設電極42及び低電圧側延設電極52の間における気流速度Vとの相関関係を図16に示す。
そして、幅Wが2.0mmを超え、2.3mmとなると気流減速機構22が気流を完全に遮蔽し、電極延設部間の気流がほとんどなくなってしまう。
これは気流減速機構22の幅Wを広げれば気流の減速効果が確実に高まるが、幅Wが広すぎると、高電圧側延設電極42と低電圧側延設電極52との間の混合気Mの流動を遮蔽してしまうことを意味する。
したがって、この結果から鑑みて、気流減速機構22の幅Wは2.0mm以下とする必要があることがわかる。
また、気流減速機構22の幅Wが1.3mm以下のとき、気流速度Vは20m/秒以上であり、気流減速機構22による気流の減速の効果が不十分であり、放電Eの維持時間を充分に稼げない。
それ故、気流減速機構22の幅を1.6mm〜1.9mmとすることによって、火炎Fの外形を適度に乱しつつ、放電Eの維持時間を充分に長くすることができるため、着火性を確保することができる。
したがって、気流減速機構22の幅Wが1.6〜1.9mmであることがより好ましい。
2 取付金具
20 取付用ネジ部
3 絶縁碍子
4 中心電極
40 電極先端部
42 高電圧側延設電極
421 一端部
422 他端部
5 接地電極
52 低電圧側延設電極
521 一端部
522 他端部
55 対向部
EG1 一端ギャップ
EG2 他端ギャップ
Claims (7)
- 外周に取付用ネジ部を設けた取付金具と、上記取付金具に保持される絶縁碍子と、電極先端部が突出するように上記絶縁碍子に保持される中心電極と、上記取付金具に固定されるとともに上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
上記中心電極における上記電極先端部から、軸方向に略直交する方向であって互いに反対方向の双方に延設された高電圧側延設電極と、
上記中心電極の上記電極先端部に対向する上記接地電極の対向部から、上記高電圧側延設電極と略同一方向に延設された低電圧側延設電極とを備え、
上記高電圧側延設電極の一端部と上記低電圧側延設電極の一端部との間の一端ギャップと、上記高電圧側延設電極の他端部と上記低電圧側延設電極の他端部との間の他端ギャップとは、互いに異なる大きさを有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。 - 外周に取付用ネジ部を設けた取付金具と、上記取付金具に保持される絶縁碍子と、電極先端部が突出するように上記絶縁碍子に保持される中心電極と、上記取付金具に固定されるとともに上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
上記中心電極における上記電極先端部から、軸方向に略直交する方向に延設された高電圧側延設電極と、
上記中心電極の上記電極先端部に対向する上記接地電極の対向部から、上記高電圧側延設電極と略同一方向に延設された低電圧側延設電極と、
燃焼室内における上記火花放電ギャップ付近の気流を減速させるための気流減速機構を備え、
上記高電圧側延設電極の延設側端部と上記低電圧側延設電極の延設側端部との間の端部ギャップは、上記中心電極の上記電極先端部と上記接地電極の上記対向部との間の中心ギャップよりも大きく、
上記高電圧側延設電極及び上記低電圧側延設電極は、延設方向の長さが3mm以上であって、
上記気流減速機構は、上記中心ギャップを上記端部ギャップとの間に挟む位置において、上記取付金具から先端側に突出形成され、かつ軸方向及び上記高電圧側延設電極の延設方向に直交する方向の上記気流減速機構の幅が2mm以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。 - 請求項2に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記気流減速機構の幅が1.6〜1.9mmであることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
- 請求項2又は3に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記中心電極における上記電極先端部は、上記高電圧側延設電極よりも、先端側へ突出した中心突起部を形成してなることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
- 請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記接地電極における上記対向部は、上記低電圧側延設電極よりも、中心電極側へ突出した接地突起部を形成してなることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記接地電極は、上記取付金具から先端側へ立設された立設部と、該立設部から略直角に屈曲されてその先端部に上記対向部を有する横設部とを有し、上記高電圧側延設電極及び上記低電圧側延設電極は、上記軸方向から見たとき、上記横設部と直交していることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記高電圧側延設電極は、上記軸方向に直交する方向に延設され、上記軸方向及び上記高電圧側延設電極の延設方向に直交する方向から見たとき、上記低電圧側延設電極は、上記高電圧側延設電極に対して傾斜していることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
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JP2010103282A JP5451510B2 (ja) | 2010-04-28 | 2010-04-28 | 内燃機関用のスパークプラグ |
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JP2010103282A JP5451510B2 (ja) | 2010-04-28 | 2010-04-28 | 内燃機関用のスパークプラグ |
Publications (2)
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