JP2010015856A - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】着火性に優れた内燃機関用スパークプラグを提供する。
【解決手段】内燃機関用スパークプラグ1を、外周に取付用ネジ部111を設けた管状の取付金具11と、この取付金具11の中心軸側に保持される絶縁碍子12と、この絶縁碍子12の中心軸側に保持される中心電極13と、取付金具11に取り付けられるとともに、中心電極13の先端部131との間に火花放電ギャップを形成する接地電極14と、で構成し、特に、絶縁碍子12内にプラグホール側から燃焼室側へ貫通する管状の空隙15を設けるとともに、管状の空隙15の燃焼室側の孔15aを中心電極13と接地電極14との間に設けて、管状の空隙15の燃焼室側の孔15aから噴出する気体、例えば、空気Aが火花放電ギャップに向かうようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等のエンジンに着火手段として用いられる内燃機関用スパークプラグに関する。
図3及び図4に示す通りの、外周に取付用ネジ部111を設けた取付金具11と、この取付金具11の中心軸側に保持される絶縁碍子12と、この絶縁碍子12の中心軸側に保持される中心電極13と、取付金具11に取り付けられ、中心電極13の先端部131と対向する位置にて、先端部141が中心電極13の先端部131との間で火花放電ギャップを形成する接地電極14と、を有する内燃機関用スパークプラグ10に係る発明が、例えば、下記特許文献1又は特許文献2にて提案されている。
特開平11−3765号公報 特開2008−108481号公報
上記内燃機関用スパークプラグ10は、中心電極13の先端部131と接地電極14の先端部141との間に形成された火花放電ギャップにて放電することにより、放電火花を生じさせ、混合気に着火して火炎を形成し、その火炎が成長することにより爆発を起している。このため、内燃機関用スパークプラグ10には、混合気への高い着火性が求められている。
しかし、上記内燃機関用スパークプラグ10では、通常、火花放電が中心電極13の先端部131と接地電極14の先端部141との間を直線的に結んだ線上で起こるのであるが、接地電極14が火花放電を覆うようにして設けられているため、放電火花と混合気との接触が阻害されるケースがしばしば認められ、爆発に至らない場合がある。さらに、内燃機関の燃焼室では、流入する混合気に気流が生じているが、その気流が中心電極13の先端部131と接地電極14の先端部141との間を直線的に結んだ線上に向かわないことがあるほか、火花放電ギャップ周辺において形成された初期火炎核が、中心電極13の先端部131と接地電極14の先端部141との間を直線的に結んだ線上に形成されているため、これらの電極が初期火炎核の成長エネルギーを奪ってしまう、所謂消炎作用も知られる等、求められている着火性を充分に確保することが難しいという問題が生じている。
特に、最近の自動車用エンジンの開発では、排気環流(EGR)を増加させたり、直噴エンジンで成層燃焼を行う等、環境問題を考慮した取り組みが加速しているが、これらのケースでは、燃料と空気とを攪拌すべく混合気の流速が速くなるので、より一層消炎作用が起こる確率が高くなるという問題がある。
すなわち、従来の内燃機関用スパークプラグ10では、放電火花と混合気との接触が阻害され、爆発に至らない場合があるという問題があり、所謂消炎作用が生じる問題があり、排気環流(EGR)を増加させたエンジン、直噴エンジン等では上記消炎作用が頻発するおそれがある問題があることにより、求められている着火性を充分に確保することが難しいという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑み提案され、着火性に優れた内燃機関用スパークプラグを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、火花放電を行って混合気に着火し、火炎を形成するために、自動車等のエンジンルームのプラグホールと燃焼室とを貫通するように取り付けられる内燃機関用スパークプラグであって、外周に取付用ネジ部を設けた管状の取付金具と、この取付金具の中心軸側に保持される絶縁碍子と、この絶縁碍子の中心軸側に保持される中心電極と、前記取付金具に取付られるとともに、前記中心電極の先端部と対向する位置にて、先端部が前記中心電極の先端部との間で火花放電ギャップを形成する接地電極と、を有し、前記絶縁碍子内に、前記プラグホール側から前記燃焼室側へ貫通する管状の空隙が設けられるとともに、前記管状の空隙の燃焼室側の孔が前記中心電極と前記接地電極との間に設けられて、前記燃焼室側の孔から噴出する気体が前記火花放電ギャップに向かうようにされた、ことを特徴とする。
本発明では、内燃機関用スパークプラグにおける絶縁碍子内に、プラグホール側から燃焼室側へ貫通する管状の空隙が設けられるとともに、管状の空隙の燃焼室側の孔が中心電極と接地電極との間に設けられて、燃焼室側の孔から噴出する気体が火花放電ギャップに向かうようにされたので、着火時に、この管状の空隙の燃焼室側の孔から中心電極と接地電極との間の火花放電ギャップへ向けて、気体、例えば、空気を噴射することにより、中心電極と接地電極との間で放電している火花(放電火花)を強制的に湾曲させることができるため、放電火花を、中心電極と接地電極との間から突出させて、中心電極及び接地電極によって遮られることなく、混合気に接触させることができる。したがって、内燃機関用スパークプラグの火花放電による混合気への着火性を向上させることができる。また、例えば、自動車のエンジン等において排気環流(GER)を適用する場合には、上記管状の空隙から中心電極と接地電極との間へ向けて、所謂排気を再導入することもできる。なお、上記管状の空隙から中心電極と接地電極との間へ向けて、可燃混合気を噴射すれば、着火済みの火炎を燃焼室内に噴出させることも可能となり、内燃機関用スパークプラグの火花放電による混合気への着火性をさらに向上させることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて例示して詳述する。
図1は、本発明に係る内燃機関用スパークプラグを示す概略縦断面図、図2は、図1における要部拡大図である。なお、図3及び図4に従来例として示した部分と同一又は相当部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明に係る内燃機関用スパークプラグ1は、図1に示す通り、外周に取付用ネジ部111を設けた管状の取付金具11と、この取付金具11の中心軸側に保持される絶縁碍子12と、この絶縁碍子12の中心軸側に保持される中心電極13と、取付金具11に取り付けられるとともに、中心電極13の先端部131と対向する位置にて、先端部141が中心電極13の先端部131との間で火花放電ギャップを形成する接地電極14と、を有して構成されている。特に、絶縁碍子12内には、プラグホール側から燃焼室側へ貫通する管状の空隙15が設けられるとともに、管状の空隙15の燃焼室側の孔15aが中心電極13と接地電極14との間に設けられて、管状の空隙15の燃焼室側の孔15aから噴出する気体、例えば、空気Aが火花放電ギャップに向かうように構成されている。
具体的には、図2に示す通り、管状の空隙15の燃焼室側の孔15aは、中心電極13と接地電極14との間、例えば、中心電極13の先端部131の付近に設けられ、管状の空隙15を通って燃焼室側の孔15aから噴出する空気Aが、火花放電ギャップに向かうようにされている。さらに、着火時に、空気Aが、管状の空隙15の燃焼室側の孔15aから中心電極13の先端部131と接地電極14の先端部141との間を直線的に結んだ線上へ向けて噴射されるように、管状の空隙15の燃焼室側部分151が、燃焼室側の孔15aへ向けて折れ曲がるように形成されている。
また、図1に示す通り、管状の空隙15のプラグホール側部分152は、取付金具11の外周に設けられた取付用ネジ部111の上方からくの字に突出した構造を有している。そして、プラグホール側の孔15bは、着火時に、プラグホール内の空気Aを取り込みやすいように、プラグホールに対し平行に形成されている。
次に、本発明に係る内燃機関用スパークプラグ1を、自動車のエンジンに適用した場合における着火時の様子を、図2に基づいて説明する。
着火時において、本発明に係る内燃機関用スパークプラグ1では、まず、プラグホールに突出した管状の空隙15のプラグホール側の孔15bから空気Aが取り込まれ、中心電極13の先端部131の付近に設けられた管状の空隙15の燃焼室側の孔15aへ向けて送られ、さらに、取り込まれた空気Aが管状の空隙15の燃焼室側の孔15aから中心電極13と接地電極14との間へ噴射される。続いて、噴射された空気Aが、火花放電ギャップにて放電している火花(放電火花B)を強制的に湾曲させる。そうすると、湾曲させられた放電火花Bは、中心電極13と接地電極14との間から燃焼室側へ突出し、これにより、中心電極13及び接地電極14に遮られることなく混合気と接触し、着火して火炎を形成し、成長し、ついには爆発に至る。
なお、プラグホールに突出した管状の空隙15のプラグホール側の孔15bに取り込まれる気体は、排気環流(EGR)を適用している場合、所謂排気であってもよい。さらに、可燃混合気が気体として取り込まれてもよい。そして、可燃混合気が取り込まれて管状の空隙15の燃焼室側の孔15aから噴射される場合には、その着火性はいよいよ向上する。
したがって、本発明に係る内燃機関用スパークプラグ1は、絶縁碍子12内にプラグホール側から燃焼室側へ貫通する管状の空隙15が設けられ、この管状の空隙15の燃焼室側の孔15aが放電ギャップが形成されている中心電極13と接地電極14との間の、中心電極13の先端部131の付近に設けられ、さらに、管状の空隙15を通って燃焼室側の孔15aから噴出する空気Aが、火花放電ギャップに向かうようにされているので、空気Aを、管状の空隙15の燃焼室側の孔15aから中心電極13と接地電極14との間へ向けて噴射することにより、放電火花Bを強制的に湾曲させることができるため、放電火花Bが中心電極13及び接地電極14に遮られることなく、混合気に接触することができ、内燃機関用スパークプラグ1の火花放電による混合気への着火性を向上させることができる。さらに、管状の空隙15の燃焼室側の孔15aを、中心電極13と接地電極14との間、特に、中心電極13の先端部131の付近に設けるとともに、管状の空隙15の燃焼室側部分151を燃焼室側の孔15aへ向けて折れ曲がるように形成することにより、管状の空隙15を通って燃焼室側の孔15aから噴出する空気Aを、確実に中心電極13と接地電極14との間の火花放電ギャップに向かわせるようにしたので、着火時に、管状の空隙15の燃焼室側の孔15aから中心電極13と接地電極14との間へ向けて確実に、空気Aを噴射することが可能となり、内燃機関用スパークプラグ1の火花放電による混合気への着火性をいよいよ向上させることができる。
なお、自動車のエンジン等において排気環流(GER)を適用する場合には、管状の空隙15から中心電極13と接地電極14との間へ向けて、所謂排気を再導入することもできる。管状の空隙15から中心電極13と接地電極14との間へ向けて、可燃混合気を噴射すれば、着火済みの火炎を燃焼室内に噴出させることも可能となり、内燃機関用スパークプラグ1の火花放電による混合気への着火性をさらに向上させることができる。
以上、本発明における実施形態を例示して詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
すなわち、上記説明では、本発明に係る内燃機関用スパークプラグを自動車等のエンジンに適用した例を示したが、本発明は、自動車等に限ることなく、例えば、コジェネレーション、ガス圧送用ポンプ等に着火手段として用いられる箇所に適用することができるものである。
本発明の内燃機関用スパークプラグにおける概略縦断面図である。 図1における要部拡大図である。 従来の内燃機関用スパークプラグにおける概略正面図である。 従来の内燃機関用スパークプラグにおける概略縦断面図である。
符号の説明
1 内燃機関用スパークプラグ
10 従来の内燃機関用スパークプラグ
11 取付金具
111 取付ネジ部
12 絶縁碍子
13 中心電極
131 中心電極の先端部
14 接地電極
141 接地電極の先端部
15 管状の空隙
151 管状の空隙の燃焼室側部分
152 管状の空隙のプラグホール側部分
15a 燃焼室側の孔
15b プラグホール側の孔
A 空気(気体)
B 放電火花

Claims (1)

  1. 火花放電を行って混合気に着火し、火炎を形成するために、自動車等のエンジンルームのプラグホールと燃焼室とを貫通するように取り付けられる内燃機関用スパークプラグであって、
    外周に取付用ネジ部を設けた管状の取付金具と、この取付金具の中心軸側に保持される絶縁碍子と、この絶縁碍子の中心軸側に保持される中心電極と、前記取付金具に取付られるとともに、前記中心電極の先端部と対向する位置にて、先端部が前記中心電極の先端部との間で火花放電ギャップを形成する接地電極と、
    を有し、
    前記絶縁碍子内に、前記プラグホール側から前記燃焼室側へ貫通する管状の空隙が設けられるとともに、前記管状の空隙の燃焼室側の孔が前記中心電極と前記接地電極との間に設けられて、前記燃焼室側の孔から噴出する気体が前記火花放電ギャップに向かうようにされた、
    ことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011222205A (ja) * 2010-04-07 2011-11-04 Nippon Soken Inc 内燃機関用のスパークプラグ
US9853422B2 (en) 2015-12-09 2017-12-26 Hyundai Motor Company Spark plug

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