【発明の詳細な説明】
改良型点火栓システム技術分野
本発明は改良型の点火栓システムに関し、限定的ではないが特に内燃機関用の
点火栓システムに関する。背景技術
従来の点火栓システムでは、その点火栓システムに関連した内燃機関のシリン
ダにおいてまたはシリンダ内における燃焼を非効率で効果がなくおよび/または
均一でないものとする原因となる多くの欠点があり、これら結果の一つに、カー
ボンおよび/または他の不純物が点火栓システムの電極上に堆積してしまい、最
終的には点火栓システムの作動全体に対して悪影響を及ぼすということがある。
また公知の点火栓システムでは『早期に点火』してしまうものもある。更に公知
の点火栓システムでは、これら点火栓システムの近隣領域の状態が正常でないと
、例えば燃焼ガスやリーン混合が火炎伝搬を妨げるといった『点火』に関する信
頼性が幾分か損なわれる。
また従来の点火栓では、特に点火栓システムが高性能エンジンに取り付けられ
ると点火栓システムが過熱してしまうことが多く、点火栓の絶縁体を損傷してし
まうという伝熱問題が見られる。
公知の点火栓システムの一例として豪州特許明細書第159863号を見てみ
ると、ここには予燃焼室を形成するアダプタを備えた点火栓が開示されている。
この点火栓はアダプタがないとアダプタによる汚れ防止性能が損なわれるため性
能に問題が生じるが、上記点火栓は通常はアダプタなしでも作動可能な従来のも
のである。しかしながら、このように点火栓とアダプタとを組み合わせたもので
は伝熱経路が長くなり、より精巧な高性能エンジンの出現で豪州特許明細書第1
59863号に開示されたような構成では上述のように過熱が生じるという問題
がある。
本発明は公知の点火栓システムに関連した問題や欠点を軽減するものであり、
内燃機関のシリンダ内における燃焼ガスをより速く均一に燃焼可能な点火栓を提
供するものである。発明の開示
本発明の点火栓システムは、可燃ガスの初期のまたは予備の燃焼のため、およ
び長さを含む点火栓システム全体の実際の大きさを増大することなく望ましく素
早い後の燃焼を広げるための特別な予燃焼室を形成する手段を有する。実際には
本発明の点火栓システムでは、長さを含む点火栓システムの全体の大きさを低減
したり増大させたりすることができる。特に点火栓システムの直径によって、エ
ンジンの良好な性能のためのシリンダの形態およびバルブの数、配置および/ま
たは大きさにおける自由度が増す。更に本発明の点火栓システムは、完全に排除
できないとしても、過熱による問題を最小限に抑えることができる。
本発明によると、点火栓システムは点火栓および関連のベンチェリ通路を具備
しており、該点火栓は前記ベンチェリ通路から離間して設けられ、その一端から
外方へ突出しており、絶縁部材の一端を包囲する電極部材を具備しており、該電
極部材は前記絶縁部材により保持された主電極を包囲すると共に該主電極から離
間して設けられており、少なくとも前記主電極の先端は該先端自体と前記包囲型
の電極部材との間に火花を生成するように配置されており、前記電極部材は主電
極を包囲する予燃焼室を絶縁部材と協動して形成し、前記電極部材は前記絶縁部
材の主電極の先端と前記関連のベンチェリ通路とに空間的に関係する少なくとも
一つの穴を有し、それによ
り関連のエンジンのシリンダ室と前記予燃焼室との間の流通を可能とした。
電極と包囲型の電極部材との間には環状でリング状の火花が生成されるのが好
ましい。
また電極部材はアダプタであり、絶縁部材は該アダプタに関連しており、該ア
ダプタ内にはベンチェリ通路が設けられ、または選択可能には、電極部材は関連
したエンジンのシリンダブロックによって提供されてもよく、このような電極部
材において点火栓を収容するためのポートは関連のベンチェリ通路を有する。
点火栓用の予燃焼電極室を形成せずに、この効果を後述するが、また電極部材
は電極を完全に包囲した接地された電極の機能をし、後述するように点火栓をよ
り冷えた状態で作動するのを補助し、環状でリング状の火花が生成されたときの
電子蒸発用の質量金属堤防として機能し、空間的な特性が非常に重要な電極の寿
命を非常に長くする。図面の簡単な説明
添付図面を参照しつつ本発明の幾つかの好適実施形態を以下で説明する。
図1はアダプタに関連した点火栓システムの第一実施形態の部分断面側面図で
あり、アダプタは軸線方向のベンチェリ通路を提供し、内燃機関のシリンダヘッ
ドの従来の点火栓ポートに収容されるのに適している。
図2は図1の点火栓システムの絶縁部材および電極の斜視図である。
図3は図1のアダプタの断面側面図である。
図4は絶縁部材および電極部材の変更例の部分断面側面図である。
図5は上述した実施形態と同じアダプタと関連した点火栓システ
ムの絶縁部材と電極との組み合わせの第二実施形態の部分断面側面図である。
図6は図5の点火栓システムの絶縁部材および電極の組み合わせの部分断面側
面図である。
図7は上記実施形態において点火栓システムと関連したアダプタの変更例とし
ての軸線方向のベンチェリ通路を有する、点火栓ポートにおけるシリンダヘッド
の形状の変更した形態の断面図である。
図8はシリンダヘッド内のベンチェリ通路に軸線方向の空間的に関係があるシ
リンダヘッド内に収容された図2のタイプの絶縁部材および電極を備えた図7の
シリンダヘッドの断面図である。
図9はシリンダヘッド内に収容され、ここでもシリンダヘッド内のベンチェリ
通路に軸線方向の空間的に関係のある図1のタイプの点火栓およびアダプタを備
えた図7のシリンダヘッドの断面図である。発明を実施するための最良の形態
図面の図1〜図3を見ると、全体を参照番号20で示した本発明の点火栓シス
テムの第一実施形態は、円筒形状の絶縁部材21と、その中央を通して配置され
た導体とを有し、その導体は図示したように一端から外方へ突出して主電極23
を提供し、他端から外方へ延びて従来と同じ電気接続端子24を提供する。絶縁
部材21は主電極23に隣接した端部において図示したように大きくなっており
、絶縁部材本体の残りの部分の直径よりも大きい直径の円筒形部分25と、その
円筒形部分25と絶縁部材本体の残りとの間で径に関して次第に小さくなるテー
パ部分26と、主電極23に隣接した更に円錐台形状の円錐台部分27とを提供
する。点火栓システムの残りの構成要素は接地された電極部材32により構成さ
れ、また絶縁部材21の円錐台部分27と適合する雌円錐部分36を有し、この
雌
円錐部分36は絶縁部材が所定位置に配置されたときの座部を提供し、これによ
り図1に示したように主電極23が正確に軸線方向に配置される。電極部材32
の先端にはその中央に位置する穴29が設けられ、主電極23の先端が所定距離
だけ離間して穴29と略整列するように穴29に隣接して主電極23が配置され
る。
中央穴29の直径は主電極23の直径よりも大きく、従って主電極を完全に周
回する環状の火花空間が形成される。所定位置にあるとき電極部材32内の円錐
状部分28と穴29との間に空間が形成されるため、主電極23を包囲した予燃
焼室30が電極部材と絶縁部材21の端部との間に形成される。選択可能な実施
形態では、電極部材32内において円錐台状の内壁を形成する円錐状部分28を
湾曲することにより湾曲した内壁を形成し、主電極23に関連した穴を上記湾曲
した内壁を通って設けてもよい。電極部材32の雌円錐部分36は、穴が所定位
置で絶縁部材21と整列されたときにその穴が予燃焼室30と直接連通するよう
に、穴29に対して配置されている。
本実施形態の点火栓システムは使用の際には電極部材32へ取り付けられるた
め、この電極部材32はアダプタとしても機能する。このアダプタ部材は円筒形
状の主要本体部分33を有し、この主要本体部分33の周りにはシリンダヘッド
の点火栓ポートへアダプタ部材を取り付ける際に適切な工具を係合する六角形の
フランジ34が設けられている。アダプタ部材の残りの部分はシリンダヘッドの
内ねじを備えた点火栓ポートと相補関係にある外ねじを備えた延在部37からな
る。アダプタ部材はアダプタ部材を通る軸線方向の通路を有し、点火栓システム
20の大きな端部を収容するのに適した大径の室35と、点火栓システムの絶縁
部材の円錐台部分27の角度に一致する角度で形成された雌円錐部分36とを提
供するため、
図1のように点火栓システムはアダプタ部材内へ挿入されるとしっかりと止めら
れ、絶縁部材の円錐台部分27に対してシールされる。
この特別なアダプタ部材では、穴29はベンチェリ通路38の一部を構成し、
このベンチェリ通路38は外ねじを備えた延在部37を通って延びてアダプタ部
材の端部を通って外方へ開口している。更にベンチェリ通路38は外側テーパ部
分39と、中央スロート部分40と、円筒形状の内側スロート部分41とからな
る。延在部37は先端で面取りされ、シリンダ内に乱流を形成し、その乱流を促
進し、軸線方向の通路への燃料/空気混合供給を低減し、その燃料/空気混合供
給を拡散するような形状をしている。
図1のように本発明の好適実施形態によると、絶縁部材21と電極部材23と
を具備した点火栓システム20は、アダプタ部材、即ち電極部材32内に配置さ
れると共に、内ねじを備えた部分45と協動する外ねじを備えた環状の保持リン
グ44によって所定位置に保持される。これは大量生産によりスウェージ加工さ
れた電極部材32の金属部分内および電極部材の室内に注入するセメントのよう
な接合剤で置き換えられる。
図5および図6に示した本発明の他の実施形態は変更型の点火栓システム20
’を有しており、ここでは第一実施形態と同じ特徴部分を示す場合には同じ参照
番号を使用している。電極部材32は第一実施形態の点火栓システムに関連した
アダプタ部材と全てにおいて同一であり、同一参照番号は構造的な詳細を示すた
めに使用した。
しかしながら本実施形態では中央の主電極23’を変えることも可能であり、
絶縁部材21の端部は凹状空間46を形成するよう成形されている。電極部材2
3’は凹状空間46と共に予燃焼室30’を形成し、この予燃焼室30’は第一
実施形態のようにアダプタ部材32内のベンチェリ通路38と連通している。
図4に示した本発明の第三実施形態では、絶縁部材の端部が主電極23に沿っ
て延びる延長部分27aを提供するように変更されており、この延長部分27a
は点火時に先端の小さな部分だけが使用可能であるようなところまで延びている
ため、絶縁部材の延長部分27aを含む包囲構造により形成された予燃焼室30
内において電極をより隔離しておける。
上記実施形態では、使用の際には点火栓システムを電極部材へ取り付け、電極
部材内には絶縁部材21が収容され、また電極部材にはベンチェリ通路が設けら
れている。
上記実施形態では、電極部材32は内燃機関のシリンダヘッドの従来と同じ点
火栓ポート内に収容される。選択可能には、シリンダヘッドを通る点火栓ポート
を変更してベンチェリ通路38’を提供してもよく、ここでは点火栓システムを
直接点火栓ポート内へ収容し、シリンダヘッドにより包囲型の電極が提供されて
、主電極と協動して火花空間が形成される。
上記のように変更した内燃機関のシリンダヘッド用の点火栓ポートは図7に示
してある。図示したように、シリンダヘッド52内の点火栓ポート51は上記実
施形態の点火栓システム20または20’のいずれか、即ち図2の絶縁部材21
と主電極23との組み合わせか、図6の絶縁部材21と主電極23’との組み合
わせかのいずれかを収容して保持するのに適した外側室53を有し、別のユニッ
トとしての電極部材が必要なくなり、または図1〜図3の実施形態の点火栓シス
テム全体を保持する。更に点火栓ポートは上記実施形態のアダプタ部材のものと
同様のベンチェリ通路38’を有し、このベンチェリ通路38’は外側部分39
’と、中央のスロート部分40’と、穴29’と、円筒形状の内側スロート41
’とを有し、一端では内燃機関のシリンダ室へと開口し、他端では穴29’を介
して予燃焼室30’へと開口している。
図面の図8は図7の変更したシリンダヘッド内に収容された図2の点火栓シス
テム21、23を示しており、ここでは構造の簡単なアダプタ60が用いられて
おり、このアダプタ60は適切な工具を係合する六角形のヘッド61と、ねじ付
き延在部62とを備え、このねじ付き延在部62は、ベンチェリ通路と連通する
シリンダヘッド内の開口部63内の対応した内ねじへ螺合されるのに適している
。アダプタ60、点火栓システム20、23、およびベンチェリ通路の配置は、
上記実施形態の予燃焼室30’がシリンダヘッド内に形成されるような配置であ
る。図8の実施形態では、図1〜図3の電極部材は必要なく、シリンダヘッド自
体が電極部材を提供する。
図面の図9には一つの実施形態が示されており、ここでは点火栓システム21
、23を保持した図1および図3の電極部材を保持しているため、予燃焼室30
および30’からなる延びた予燃焼室が形成され、ベンチェリ通路38および3
8’それぞれと、中央穴29および29’それぞれとが協動して、電極部材32
内に一方の予燃焼室30を形成し、シリンダヘッド内に他方の予燃焼室30’を
形成している。
本発明の上記実施形態では、主電極は中央に配置され、ベンチェリ通路から軸
線方向へ離間し、そのベンチェリ通路と包囲型の電極部材(電極部材またはシリ
ンダヘッド内の壁)との間の距離は、環状でリング状の火花を形成するよう等間
隔である。しかしながら本発明の(図示していない)他の実施形態では、主電極
を中央以外に配置してもよく、および/または予燃焼室の形状を軸線方向に関し
て対称にしなくてもよいが、少なくとも主電極の先端と包囲型の燃焼室の壁との
間の距離は同じにして環状でリング状の火花が形成されるようにする。
以下で好適実施形態を参照しながら本発明の点火栓システムの基本作動原理を
説明する。
先の吸気行程中にシリンダへ吸気された可燃ガス(チャージ)を圧縮する際に
、可燃ガスは軸線方向のベンチェリ通路38(図1および図3)またはベンチェ
リ通路38’(図7、図8および図9)に溜まり、また電極部材32内またはシ
リンダヘッド(図7、図8および図9)内の点火栓システム20または20’の
予燃焼室30または30’内にも溜まる。続く点火の際には、主電極23のちょ
うど先端にまたは先端周辺の予燃焼室内の可燃ガスのいくらかが点火され、その
後、主電極の先端と電極部材との間のチャージの大部分が点火される。これは行
った試験により確認され、この試験では使用後の点火栓システムを検査すると、
電極部材の表面に爆発の跡が見られ、また絶縁部材の表面は燃焼燃料がなく乾い
ていて汚れていなかった。これと同時に軸線方向のベンチェリ通路内の可燃ガス
が点火され、この可燃ガスはベンチェリ通路を通りシリンダ室へと移動する火炎
最前部(後述では『初期最前部燃焼』という。)の後ろ側で拡張し、この点火栓
システムの予燃焼室内で点火され拡張するガス(後述では『主要後続燃焼』とい
う。)は、他の逃げ道がないために、ベンチェリ通路を通って外方への素早く流
れる。
電極部材または火花を生成するために必要な一対の電極のうちの一つを提供し
なくてすむ本発明の点火栓システムの一部を構成するシリンダヘッドは、シリン
ダヘッドへの直接の主要な伝熱路を提供し、この伝熱路は点火栓システムを冷や
しておくことを維持するのを補助すると共にガスシールの雌部分として機能し、
そして絶縁部材からの伝熱を受ける。更に少なくとも主電極の先端は包囲型の電
極部材内の穴の軸線に対し正確に配置されているため、中央の主電極を360度
周回するリング状の火花が生成され、より効率的で対
称的な点火を提供し、これは次に本発明の点火栓システムが取り付けられたエン
ジンで見られたようなシリンダ内の可燃ガスの燃焼を良好にするのに寄与すると
思われる。
更に、大きな電極表面領域と対称な環状の火花とにより、特別で時には高価な
材料を使用する必要なく点火栓システムの寿命の間は汚れていないはっきりした
火花空間を劇的に変えることなく、均一な電子蒸発(または金属腐食)が提供さ
れる。点火栓システムが図1および図3のアダプタ部材に形成されたベンチェリ
通路(ベンチェリ通路38)、または図7の点火栓ポートに形成されたベンチェ
リ通路(ベンチェリ通路38’)へ取り付けられている場合には、以下の更なる
効果がある。『初期最前部燃焼』から燃焼ガスがベンチェリ通路を出ると、ベン
チェリ通路には部分的に真空または少なくとも低圧部分が形成され、これは『主
要後続燃焼』の生成物がベンチェリ通路を通る速度を増大するのを助け、そして
全体的な結果として、ベンチェリ通路を通る両燃焼の生成物の速度が増大され、
ベンチェリ通路および燃焼室内の圧力をかなり低減する効果がある。ダブル燃焼
効果がベンチェリ通路および予燃焼室内の速度の増大および圧力の低減をどのよ
うに行うかは全体として明らかではないが、一つの可能性としては、二番目の燃
焼の生成物が高速であるために、その生成物が始めの燃焼の生成物に追いついて
、それと協動し、これら生成物をベンチェリ通路のスロートを通して押し出すと
いうことが考えられる。『主要後続燃焼』がベンチェリ通路のスロートを通って
移動すると、始めの燃焼の火炎最前部の分解されたガスを主要後続燃焼が通って
流れるということが他の可能性として考えられる。『初期最前部燃焼』の速度は
初期の15〜18m/secの速度から30m/secの速度へと加速し、少な
くとも100m/secの速度で移動する『主要後続燃焼』によって捕らえられ
る前に
ベンチェリ通路のスロートへ近づく。火炎がシリンダ室へ入ったあとにはベンチ
ェリ通路および予燃焼室の圧力がかなり下がり、ピストンが関連のシリンダ内で
後退すると、予燃焼室には真空または低圧が残る。それからシリンダが再充填さ
れると、点火栓シリンダ内のベンチェリ通路および予燃焼室とが装填または再充
填され、その充填物が加熱されると共にベンチェリ通路を通って予燃焼室へと通
り、更に蒸発し、次の点火段階の準備がなされ、従って次の圧縮および点火段階
中における点火栓に隣接した空間の充填に係わる時間の遅れがなくなる。
概して本発明の点火栓システムは電極アダプタの性能を向上したことで寿命が
長くなる。また初期点火および火炎最前部の自己清掃効果により電極が炭化した
り汚れることが少なくなり、従ってエンジン動力が漸進的に損失されたり、従来
の点火栓システムに概して関連したように運転が非効率になったりといった不都
合を効果的に排除できる。エンジン回転が早ければ早いほど、点火栓システムの
点火および性能がよくなり、通常の使用で少なくともエンジンのシリンダヘッド
が綺麗になるという利点がある。
実際の作動において本発明の構成は移動や静止というエンジンの通常の作動状
態における内燃機関の六つの性能パラメータの少なくとも一つでかなりの改善が
なされた。つまり、
1.内燃機関で通常使用されるタイプの燃料にもかかわらず、燃焼室へ供給され
た燃料をより完全に燃焼、
2.燃焼室の清掃、
3.エンジン動力の増大、
4.燃料のオクタンの必要性の低減、
5.燃焼消費量の低減、
6.炭化水素、一酸化炭素、亜酸化窒素といった少なくとも幾ばく
かの汚染物質の低減
である。
モータまたはエンジンの排気行程および吸気行程の双方は、ベンチェリ通路を
使用した全ての局面で通常のものであり、このベンチェリ通路には燃焼ガスは残
らない。本発明の点火栓を収容するためにエンジンに対して必要な調整は、タイ
ミングと、炭化されたエンジン用の燃料供給と、コンピュータ燃料供給エンジン
のエンジン管理システムとに関してだけであった。更に特別には、インテークマ
ニホルドの真空の負圧を利用し、燃料の予備燃焼、および火花の代わりの火炎に
よる混合気の続く点火と、出力に関連した燃焼サイクルにおいて最も効果的なピ
ストン位置とによって生じた時間差を除くまたは吸収するために、モデルによっ
て5°から35°の間でタイミングを調節することが好ましいことが分かった。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項
【提出日】1995年10月31日
【補正内容】
請求の範囲
1. 点火栓および関連のベンチェリ通路を具備しており、該点火栓は前記ベン
チェリ通路から離間して設けられ、その一端から外方へ突出しており、絶縁部材
の一端を包囲する電極部材を具備しており、該電極部材は前記絶縁部材により保
持された主電極を包囲すると共に該主電極から離間して設けられており、少なく
とも前記主電極の先端は該先端自体と前記包囲型の電極部材との間に火花を生成
するように配置されており、前記電極部材は主電極を包囲する予燃焼室を前記絶
縁部材と協動して形成するような形状であり、前記電極部材は前記ベンチェリ通
路を画成すると共に前記絶縁部材の主電極の先端と前記関連のベンチェリ通路と
に空間的に関係する少なくとも一つの穴を有し、それにより関連のエンジンのシ
リンダ室と前記予燃焼室との間の流通を可能とし、前記主電極の先端は前記ベン
チェリ通路の最も狭い点から短い距離で終端していることを特徴とする点火栓シ
ステム。
2. 少なくとも前記主電極の先端は環状でリング状の火花を生成するように前
記包囲型の電極部材に対して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の
点火栓システム。
3. 前記絶縁部材は前記主電極に隣接して該絶縁部材の一端に形成された空間
を有し、前記電極部材の内部形状は円錐台状の内壁を提供する円錐台形状であり
、前記主電極に関連した前記穴は前記内壁を通って設けられた穴であることを特
徴とする請求項1に記載の点火栓システム。
4. 前記絶縁部材は前記予燃焼室の一部を構成し、前記電極部材は湾曲した内
壁を有し、前記主電極に関連した前記穴は前記湾曲した内壁を通って設けられた
穴であることを特徴とする請求項1に記
載の点火栓システム。
5. 前記絶縁部材は端部壁と、前記予燃焼室内において電極を包囲する盛り上
がった中央部分とを有することを特徴とする請求項1に記載の点火栓システム。
6. 前記電極部材は、前記電極から離間して設けられて該電極を包囲している
前記絶縁部材の表面に配置され、前記電極部材は使用の際には前記ベンチェリ通
路の隣接端部を包囲する適合面に当接することを特徴とする前記請求項のいずれ
か一つに記載の点火栓システム。
7. 前記ベンチェリ通路を備えたアダプタ部材と組み合わされており、前記点
火栓の一端は前記アダプタ内の室内に収容され、そこに保持され、前記ベンチェ
リ通路および関連のエンジンシリンダと連通することを特徴とする前記請求項の
いずれか一つに記載の点火栓システム。
8. 前記関連のベンチェリ通路は、関連のエンジンシリンダ本体の一部の点火
栓ポートに設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載
の点火栓システム。
9. 添付図面のうち図1〜図3、または図4、または図5および図6、または
図7および図8、または図7および図9を参照して説明した点火栓システム。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
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,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
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