JP6143710B2 - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ Download PDF

Info

Publication number
JP6143710B2
JP6143710B2 JP2014104937A JP2014104937A JP6143710B2 JP 6143710 B2 JP6143710 B2 JP 6143710B2 JP 2014104937 A JP2014104937 A JP 2014104937A JP 2014104937 A JP2014104937 A JP 2014104937A JP 6143710 B2 JP6143710 B2 JP 6143710B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gap
axis
spark plug
protrusion
ground electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014104937A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015220193A (ja
Inventor
卓也 河出
卓也 河出
直史 山村
直史 山村
浩盟 増田
浩盟 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2014104937A priority Critical patent/JP6143710B2/ja
Publication of JP2015220193A publication Critical patent/JP2015220193A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6143710B2 publication Critical patent/JP6143710B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Spark Plugs (AREA)

Description

本発明は、スパークプラグに関するものである。
従来から、内燃機関の燃焼室内の混合気等の点火のために、スパークプラグが用いられている。スパークプラグは、例えば、中心電極と接地電極とを備えており、中心電極と接地電極とによって形成される間隙で生じる火花放電によって、混合気が点火される。
特開2008−303840号公報 特開2002−237366号公報 特表2002−506278号公報
ところで、近年では、性能向上(例えば、燃費の向上)の観点から、種々の内燃機関の開発が進められている。内燃機関の開発が進むに従って、スパークプラグの性能(例えば、着火性)の更なる向上が、望まれている。しかし、スパークプラグの性能の向上は、容易ではなかった。
本発明の主な利点は、スパークプラグの性能を向上することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
軸線の方向に沿って貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、前記軸孔の先端側に配置される中心電極と、前記絶縁体の径方向の周囲に配置される主体金具と、前記主体金具に接合され前記中心電極との間で間隙を形成する接地電極と、を有するスパークプラグであって、
前記中心電極と前記接地電極との間の最短の間隙の距離を最短距離Gとし、
前記主体金具と前記接地電極との接合領域の重心から、前記スパークプラグの前記軸線に垂直に、前記軸線へ向かう径方向を接合径方向とし、
前記接合径方向に垂直な投影面上に前記接地電極と前記中心電極とを投影する場合の投影面を特定投影面とする場合に、
前記接地電極のうちの前記最短距離Gの間隙を形成する部分である第1形成部分は、前記中心電極のうちの前記最短距離Gの間隙を形成する部分である第2形成部分よりも、前記軸線の方向の先端側に配置され、
前記中心電極と前記接地電極とで形成される間隙のうち、前記G以上、かつ、G+0.1mm以下の距離の部分である特定間隙領域を前記特定投影面上に投影した場合、前記特定間隙領域における前記中心電極と前記接地電極の間の任意の直線の放電経路において、前記接地電極と重なる部分の割合が90%以下である
スパークプラグ。
この構成によれば、内燃機関の燃焼室内においてスパークプラグの接合径方向が種々の方向を向き得る場合であっても、特定間隙領域で生じる火花放電の吹き流れを大きく維持できるので、着火性を向上でき、また、着火性の燃焼室内における接合径方向への依存性を抑制できる。
[適用例2]
適用例1に記載のスパークプラグであって、
前記接地電極と前記中心電極とのうちの前記スパークプラグの前記軸線から最も遠い部分と前記軸線との間の距離は、前記主体金具の先端部分の外径の半分よりも小さい、スパークプラグ。
この構成によれば、スパークプラグを内燃機関の取付孔に取り付ける場合に、接地電極が内燃機関に干渉することと、中心電極が内燃機関に干渉することとを、抑制できる。
[適用例3]
適用例1または2に記載のスパークプラグであって、
前記最短距離Gは、前記中心電極のうち前記絶縁体の前記軸孔の外に露出している部分と前記主体金具との間の最短距離よりも短い、スパークプラグ。
この構成によれば、中心電極と主体金具との間で放電が生じる可能性を低減できるので、着火性を向上できる。
[適用例4]
適用例1から3のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
前記接地電極と前記中心電極とは、第1間隙と第2間隙とを形成し、
前記第1間隙の距離は、前記最短距離Gであり、
前記接地電極は、
前記第1間隙を形成する前記第1形成部分を含む第1端部を有し、前記特定投影面において前記軸線に対する平行成分と前記軸線に対する垂直成分とを有する第1方向に延びる第1突出部と、
前記第2間隙を形成する第2端部を有し、前記特定投影面において前記第1方向の前記垂直成分に反対の方向の垂直成分と前記軸線に対する平行成分とを有する第2方向に延びる第2突出部と、
を含む、
スパークプラグ。
この構成によれば、第1間隙と第2間隙との少なくとも一方で火花放電の吹き流れを大きく維持できるので、着火性を向上でき、また、着火性の燃焼室内における接合径方向への依存性を抑制できる。
[適用例5]
適用例1から4のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
前記接地電極と前記中心電極とは、第1間隙と第2間隙とを形成し、
前記第1間隙の距離は、前記最短距離Gであり、
前記中心電極は、
前記第1間隙を形成する前記第2形成部分を含む第3端部を有し、前記特定投影面において前記軸線に対する平行成分と前記軸線に対する垂直成分とを有する第3方向に延びる第3突出部と、
前記第2間隙を形成する第4端部を有し、前記特定投影面において前記第3方向の前記垂直成分に反対の方向の垂直成分と前記軸線に対する平行成分とを有する第4方向に延びる第4突出部と、
を含む、スパークプラグ。
この構成によれば、第1間隙と第2間隙との少なくとも一方で火花放電の吹き流れを大きく維持できるので、着火性を向上でき、また、着火性の燃焼室内における接合径方向への依存性を抑制できる。
[適用例6]
適用例4に従属する適用例5に記載のスパークプラグであって、
下記AからFに記載の少なくとも1つの要素において、2個のパラメータが互いに異なっている、スパークプラグ。
A)前記第1突出部の長さと、前記第2突出部の長さ
B)前記特定投影面上における、前記軸線と前記第1方向との間の角度と、前記軸線と前記第2方向との間の角度
C)前記第1端部と前記軸線との間の距離と、前記第2端部と前記軸線との間の距離
D)前記第3突出部の長さと、前記第4突出部の長さ
E)前記特定投影面上における、前記軸線と前記第3方向との間の角度と、前記軸線と前記第4方向との間の角度
F)前記第3端部と前記軸線との間の距離と、前記第4端部と前記軸線との間の距離
この構成によれば、接地電極と中心電極との少なくとも一方の2個の突出部の間で共振周波数が異なるので、振動によって2個の突出部の両方が折損する可能性を低減でき、着火性の向上を維持できる。また、折損片(折損した電極)が内燃機関のバルブに挟まる等の折損片に起因する内燃機関の破損の可能性を、2個の突出部の両方が折損する場合と比べて、低減できる。
[適用例7]
適用例4から6のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
前記第1間隙の中心位置と前記第2間隙の中心位置との間で、前記軸線の方向の位置が互いに異なっている、スパークプラグ。
この構成によれば、第1間隙と第2間隙との一方で火花放電の吹き流れを大きく維持できない場合であっても、他方で火花放電の吹き流れが大きく維持される可能性を向上できるので、着火性を向上でき、また、着火性の燃焼室内における接合径方向への依存性を抑制できる。
[適用例8]
適用例1から7のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
前記接地電極の前記第1形成部分と、前記中心電極の前記第2形成部分と、の少なくとも一方は、前記軸線よりも、前記接合径方向側に配置されている、スパークプラグ。
この構成によれば、接地電極が熱を吸収することによる火炎を消火する作用(消炎作用とも呼ばれる)を抑制できるので、着火性を向上できる。
[適用例9]
適用例4から8のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
前記第1間隙の中心位置と前記第2間隙の中心位置との間で、前記接合径方向の位置が互いに異なっている、スパークプラグ。
この構成によれば、第1間隙と第2間隙との一方で火花放電の吹き流れを大きく維持できない場合であっても、他方で火花放電の吹き流れが大きく維持される可能性を向上できるので、着火性を向上でき、また、着火性の燃焼室内における接合径方向への依存性を抑制できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、スパークプラグや、そのスパークプラグを搭載する内燃機関、等の態様で実現することができる。
スパークプラグの一例の断面図である。 中心放電部200と接地放電部300との説明図である。 第1評価試験の概略図である。 第1評価試験で試験されたスパークプラグのサンプルの説明図である。 第1評価試験の結果を示すグラフである。 ガス方向GDの説明図と、放電経路DP1、DP2の例の説明図である。 参考サンプルの試験結果を示すレーダーチャートである。 第1種サンプルの試験結果を示すレーダーチャートである。 第2種サンプルの試験結果を示すレーダーチャートである。 第2評価試験の結果を総合して示すグラフである。 第2実施形態のスパークプラグ100aの説明図である。 第3実施形態のスパークプラグ100bの説明図である。 第4実施形態のスパークプラグ100cの説明図である。 中心放電部と接地放電部との他の実施形態の概略図である。 中心放電部と接地放電部との他の実施形態の概略図である。
A.第1実施形態:
図1は、スパークプラグの一例の断面図である。図中には、スパークプラグ100の中心軸CLが示されている(「軸線CL」とも呼ぶ)。図示された断面は、中心軸CLを含む断面である。以下、中心軸CLと平行な方向を「軸線方向」とも呼ぶ。中心軸CLを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、中心軸CLを中心とする円の円周方向を「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から電極20、30に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側をスパークプラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側をスパークプラグ100の後端側と呼ぶ。
スパークプラグ100は、絶縁体10(「絶縁碍子10」とも呼ぶ)と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50と、導電性の第1シール部60と、抵抗体70と、導電性の第2シール部80と、先端側パッキン8と、タルク9と、第1後端側パッキン6と、第2後端側パッキン7と、を備えている。
絶縁体10は、中心軸CLに沿って延びて絶縁体10を貫通する貫通孔12(以下「軸孔12」とも呼ぶ)を有する略円筒状の部材である。絶縁体10は、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。絶縁体10は、先端側から後端方向Dfrに向かって順番に並ぶ、脚部13と、第1縮外径部15と、先端側胴部17と、鍔部19と、第2縮外径部11と、後端側胴部18と、を有している。第1縮外径部15の外径は、後端側から先端側に向かって、徐々に小さくなる。絶縁体10の第1縮外径部15の近傍(図1の例では、先端側胴部17)には、後端側から先端側に向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部16が形成されている。第2縮外径部11の外径は、先端側から後端側に向かって、徐々に小さくなる。
絶縁体10の軸孔12の先端側には、中心電極20が挿入されている。中心電極20は、中心軸CLに沿って延びる棒状の軸部27と、軸部27の先端に接合された放電部200(「中心放電部200」とも呼ぶ)と、を備えている。軸部27は、先端側から後端方向Dfrに向かって順番に並ぶ、脚部25と、鍔部24と、頭部23と、を有している。脚部25の先端(すなわち、軸部27の先端)に、放電部200が接合されている(例えば、レーザ溶接)。放電部200の少なくとも一部は、絶縁体10の先端側で、軸孔12の外に露出している。鍔部24の先端方向Df側の面は、絶縁体10の縮内径部16によって、支持されている。また、軸部27は、外層21と芯部22とを有している。外層21は、芯部22よりも耐酸化性に優れる材料、すなわち、内燃機関の燃焼室内で燃焼ガスに曝された場合の消耗が少ない材料(例えば、純ニッケル、ニッケルとクロムとを含む合金、等)で形成されている。芯部22は、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅合金、等)で形成されている。芯部22の後端部は、外層21から露出し、中心電極20の後端部を形成する。芯部22の他の部分は、外層21によって被覆されている。ただし、芯部22の全体が、外層21によって覆われていても良い。また、放電部200は、軸部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。なお、放電部200の一部と残りの部分との間で材料が異なっていても良い。例えば、放電部200の一部(例えば、後述する特定間隙領域を形成する部分を含む部分)がイリジウム等の放電に対する耐久性に優れる材料で形成され、放電部200の残りの部分がニッケルとクロムとを含む合金等の耐酸化性に優れる材料で形成されていてもよい。
絶縁体10の軸孔12の後端側には、端子金具40の一部が挿入されている。端子金具40は、導電性材料(例えば、低炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40と中心電極20との間には、電気的なノイズを抑制するための略円柱形状の抵抗体70が配置されている。抵抗体70は、例えば、導電性材料(例えば、炭素粒子)と、セラミック粒子(例えば、ZrO)と、ガラス粒子(例えば、SiO2−B23−LiO−BaO系のガラス粒子)と、を含む材料を用いて形成されている。抵抗体70と中心電極20との間には、導電性の第1シール部60が配置され、抵抗体70と端子金具40との間には、導電性の第2シール部80が配置されている。シール部60、80は、例えば、抵抗体70の材料に含まれるものと同じガラス粒子と、金属粒子(例えば、Cu)と、を含む材料を用いて、形成されている。中心電極20と端子金具40とは、抵抗体70とシール部60、80とを介して、電気的に接続されている。
主体金具50は、中心軸CLに沿って延びて主体金具50を貫通する貫通孔59を有する略円筒状の部材である。主体金具50は、低炭素鋼材を用いて形成されている(他の導電性材料(例えば、金属材料)も採用可能である)。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入されている。主体金具50は、絶縁体10の外周に固定されている。主体金具50の先端側では、絶縁体10の先端(本実施形態では、脚部13の先端側の部分)が、貫通孔59の外に露出している。主体金具50の後端側では、絶縁体10の後端(本実施形態では、後端側胴部18の後端側の部分)が、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、先端側から後端側に向かって順番に並ぶ、胴部55と、座部54と、変形部58と、工具係合部51と、加締部53と、を有している。座部54は、鍔状の部分である。胴部55は、座部54から中心軸CLに沿って先端方向Dfに向かって延びる略円筒状の部分である。胴部55の外周面には、内燃機関の取付孔にねじ込むためのねじ山52が形成されている。座部54とねじ山52との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット5が嵌め込まれている。
主体金具50は、変形部58よりも先端方向Df側に配置された縮内径部56を有している。縮内径部56の内径は、後端側から先端側に向かって、徐々に小さくなる。主体金具50の縮内径部56と、絶縁体10の第1縮外径部15と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。先端側パッキン8は、鉄製でO字形状のリングである(他の材料(例えば、銅等の金属材料)も採用可能である)。
工具係合部51は、スパークプラグ100を締め付けるための工具(例えば、スパークプラグレンチ)と係合するための部分である。本実施形態では、工具係合部51の外観形状は、中心軸CLに沿って延びる略六角柱である。また、加締部53は、絶縁体10の第2縮外径部11よりも後端側に配置され、主体金具50の後端(すなわち、後端方向Dfr側の端)を形成する。加締部53は、径方向の内側に向かって屈曲されている。加締部53の先端方向Df側では、主体金具50の内周面と絶縁体10の外周面との間に、第1後端側パッキン6とタルク9と第2後端側パッキン7とが、先端方向Dfに向かってこの順番に、配置されている。本実施形態では、これらの後端側パッキン6、7は、鉄製でC字形状のリングである(他の材料も採用可能である)。
スパークプラグ100の製造時には、加締部53が内側に折り曲がるように加締められる。そして、加締部53が先端方向Df側に押圧される。これにより、変形部58が変形し、パッキン6、7とタルク9とを介して、絶縁体10が、主体金具50内で、先端側に向けて押圧される。先端側パッキン8は、第1縮外径部15と縮内径部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。以上により、主体金具50が、絶縁体10に、固定される。
接地電極30は、本実施形態では、棒状の軸部37と、軸部37の先端部31に接合された放電部300(「接地放電部300」とも呼ぶ)と、を備えている。軸部37の後端は、主体金具50の先端面57(すなわち、先端方向Df側の面57)に接合されている(例えば、抵抗溶接)。軸部37は、主体金具50の先端面57から先端方向Dfに向かって延び、中心軸CLに向かって曲がって、先端部31に至る。図中の方向Daは、主体金具50と軸部37との接合領域から中心軸CLに垂直に中心軸CLへ向かう方向である(以下、「接合径方向Da」と呼ぶ)。先端部31は、中心電極20の先端方向Df側に配置されている。先端部31の表面のうち中心電極20側の表面に、放電部300が接合されている(例えば、レーザ溶接)。放電部300は、軸部37よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。中心電極20の中心放電部200と接地電極30の接地放電部300とは、火花放電のための間隙を形成する。放電部200、300と間隙との詳細については、後述する。なお、放電部300の一部と残りの部分との間で材料が異なっていても良い。例えば、放電部300の一部(例えば、後述する特定間隙領域を形成する部分を含む部分)がイリジウム等の放電に対する耐久性に優れる材料で形成され、放電部300の残りの部分がニッケルとクロムとを含む合金等の耐酸化性に優れる材料で形成されていてもよい。
接地電極30の軸部37は、軸部37の表面の少なくとも一部を形成する外層35と、外層35内に埋設された芯部36と、を有している。外層35は、耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルとクロムとを含む合金)を用いて形成されている。芯部36は、外層35よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅)を用いて形成されている。
図2は、中心放電部200と接地放電部300との説明図である。図2(A)は、接合径方向Daに反対の方向を向いて見た概略図であり、図2(B)は、中心軸CLと接合径方向Daとに垂直な方向DRを向いて見た概略図であり、図2(C)は、後端方向Dfrを向いて見た概略図である。図2(A)は、接合径方向Daに垂直な投影面上に中心電極20と接地電極30とを投影して得られる投影図に対応する。以下、接合径方向Daに垂直な投影面を「特定投影面」と呼び、特定投影面上の投影図を特定投影図と呼ぶ。図中の方向DLは、接合径方向Daと中心軸CLとの両方に垂直な特定の方向であり、図2(A)では左方向である(「左方向DL」と呼ぶ)。図中の方向DRは、左方向DLとは反対の方向である(「右方向DR」と呼ぶ)。図2(C)には、接地電極30と主体金具50の接合領域350が、ハッチングで示されている。重心350cは、接合領域350の重心である。接合領域350の重心350cは、接合領域350内に質量が均等に分布していると仮定した場合の重心である。接合径方向Daは、この重心350cから、中心軸CLに垂直に、中心軸CLへ向かう方向と平行な方向である。
図2(A)に示すように、接地放電部300は、中心放電部200の先端方向Df側に配置されている。接地放電部300は、共通の接続位置302で互いに接続された矩形断面を有する3本の棒310、320、390を含むY字形の部材である。基部390は、軸部37に接合され、軸部37から中心軸CLに沿って後端方向Dfrに延びて、接続位置302に至る。第1突出部310は、接続位置302で基部390に接続され、接続位置302から第1方向D1に延びている。第1方向D1は、中心軸CLに対して斜めに、接続位置302から左方向DL側、かつ、後端方向Dfr側に向かう方向である。第1方向D1は、中心軸CLに対する平行成分(後端方向Dfrの成分)と中心軸CLに対する垂直成分(左方向DLの成分)とを有している。図中の第1角度p1は、第1方向D1と中心軸CL(すなわち、後端方向Dfr)とがなす角度のうち小さい方の角度である。「p1=0(度)」は、「D1=Dfr(第1方向D1が後端方向Dfrと同じ)」を示し、「p1=90(度)」は、「D1=DL(第1方向D1が左方向DLと同じ)」を示している。本実施形態では、0<p1<90(度)である。以下、2つの方向が同じ場合に、それらの方向の符号をイコール記号(=)で関連付ける。
第2突出部320は、接続位置302で基部390に接続され、接続位置302から第2方向D2に延びている。第2方向D2は、中心軸CLに対して斜めに、接続位置302から右方向DR側、かつ、後端方向Dfr側に向かう方向である。第2方向D2は、中心軸CLに対する平行成分(後端方向Dfrの成分)と中心軸CLに対する垂直成分(右方向DRの成分)とを有している。第2方向D2の垂直成分(右方向DRの成分)は、第1方向D1の垂直成分(左方向DLの成分)とは反対方向の成分である。図中の第2角度p2は、第2方向D2と中心軸CL(すなわち、後端方向Dfr)とがなす角度のうち小さい方の角度である。「p2=0(度)」は、「D2=Dfr」を示し、「p2=90(度)」は、「D2=DR」を示している。本実施形態では、0<p2<90(度)である。
図中の第1長L1は、第1方向D1に延びる部分(ここでは、第1突出部310)の長さである。本実施形態では、図示を省略するが、基部390の中心軸と第1突出部310の中心軸とは接続位置302で接続されている。第1長L1は、この接続位置302と第1突出部310の端との間の距離を示している。また、第2長L2は、第2方向D2に延びる部分(ここでは、第2突出部320)の長さである。本実施形態では、図示を省略するが、基部390の中心軸と第2突出部320の中心軸とは接続位置302で接続されている。第2長L2は、この接続位置302と第2突出部320の端との間の距離を示している。
中心放電部200は、共通の接続位置202で互いに接続された矩形断面を有する3本の棒230、240、290を含むY字形の部材である。基部290は、絶縁体10の軸孔12内に配置された軸部27に接合され、軸部27から中心軸CLに沿って先端方向Dfに延びて、軸孔12の外の接続位置202に至る。第3突出部230は、接続位置202で基部290に接続され、接続位置202から第3方向D3に向かって延びている。第3方向D3は、中心軸CLに対して斜めに、接続位置302から左方向DL側、かつ、先端方向Df側に向かう方向である。第3方向D3は、中心軸CLに対する平行成分(先端方向Dfの成分)と中心軸CLに対する垂直成分(左方向DLの成分)とを有している。図中の第3角度p3は、第3方向D3と中心軸CL(すなわち、先端方向Df)とがなす角度のうち小さい方の角度である。「p3=0(度)」は、「D3=Df」を示し、「p3=90(度)」は、「D3=DL」を示している。本実施形態では、0<p3<90(度)である。
第4突出部240は、接続位置202で基部290に接続され、接続位置202から第4方向D4に延びている。第4方向D4は、中心軸CLに対して斜めに、接続位置202から右方向DR側、かつ、先端方向Df側に向かう方向である。第4方向D4は、中心軸CLに対する平行成分(先端方向Dfの成分)と中心軸CLに対する垂直成分(右方向DRの成分)とを有している。第4方向D4の垂直成分(右方向DRの成分)は、第3方向D3の垂直成分(左方向DLの成分)とは反対方向の成分である。図中の第4角度p4は、第4方向D4と中心軸CL(すなわち、先端方向Df)とがなす角度のうち小さい方の角度である。「p4=0(度)」は、「D4=Df」を示し、「p4=90(度)」は、「D4=DR」を示している。本実施形態では、0<p4<90(度)である。
図中の第3長L3は、第3方向D3に延びる部分(ここでは、第3突出部230)の長さである。本実施形態では、図示を省略するが、基部290の中心軸と第3突出部230の中心軸とは接続位置202で接続されている。第3長L3は、この接続位置202と第3突出部230の端との間の距離を示している。また、第4長L4は、第4方向D4に延びる部分(ここでは、第4突出部240)の長さである。本実施形態では、図示を省略するが、基部290の中心軸と第4突出部240の中心軸とは接続位置202で接続されている。第4長L4は、この接続位置202と第4突出部240の端との間の距離を示している。
第1突出部310の端部312の表面上の部分319と、第3突出部230の端部232の表面上の部分239とは、第1間隙g1を形成している。この第1間隙g1の距離は、中心放電部200と接地放電部300との間の最短距離、すなわち、中心電極20と接地電極30との間の最短距離である。以下、中心電極と接地電極との間の最短距離を「最短距離G」とも呼ぶ。最短距離Gを実現する間隙を、最短間隙とも呼ぶ。突出部のうち最短間隙を形成する部分を、形成部分とも呼ぶ。第1突出部310の形成部分319は、第3突出部230の形成部分239よりも、先端方向Df側に配置されている。
放電は、距離が最短距離Gである間隙とその近傍で生じ易い。一般的には、中心電極20と接地電極30とによって形成される間隙のうち、距離がG以上、G+0.1mm以下である部分において、放電が頻繁に生じ得る。以下、電極20、30によって形成される間隙のうち距離がG以上、G+0.1mm以下である部分を、「特定間隙領域」と呼ぶ。図2(A)の左部には、第1間隙g1の近傍の拡大図が示されている。ハッチングで示された領域g1Aは、第1間隙g1を含む特定間隙領域を示している(「第1特定領域g1A」と呼ぶ)。第1突出部310と第3突出部230との間で放電が生じる場合には、この第1特定領域g1Aで放電が生じ易い。
第1特定領域g1A内には、距離がG以上、G+0.1mm以下である多数の直線状の間隙(すなわち、放電経路)が含まれる。図2(A)の左上部には、距離がG+0.1mmである3つの放電経路gt1〜gt3が示されている。第1突出部310上の黒丸t1は、これらの放電経路gt1〜gt3の第1突出部310上の端を示している。第3突出部230上の白丸t2は、これらの放電経路gt1〜gt3の第3突出部230上の端を示している。これらの放電経路gt1〜gt3は、第1突出部310と第3突出部230との間で、互いに交差している。一般に、特定間隙領域の輪郭線の一部は、このように互いに交差する複数の直線状の放電経路に接する包絡線(すなわち、曲線)によって形成され得る。例えば、図2(A)の実施形態では、第1特定領域g1Aの部分輪郭線Lc1は、3つの放電経路gt1〜gt3を含む複数の直線状の間隙と接する包絡線(すなわち、曲線)である。
また、第2突出部320の端部322の表面上の部分329と、第4突出部240の端部242の表面上の部分249とは、第2間隙g2を形成している。この第2間隙g2の距離は、第1間隙g1の距離G(すなわち、最短距離G)と同じである。第2突出部320の形成部分329は、第4突出部240の形成部分249よりも、先端方向Df側に配置されている。
図2(A)の右部には、第2間隙g2の近傍の拡大図が示されている。ハッチングで示された領域g2Aは、第2間隙g2を含む特定間隙領域を示している(「第2特定領域g2A」と呼ぶ)。第2突出部320と第4突出部240との間で放電が生じる場合には、この第2特定領域g2Aで放電が生じ易い。なお、図2(A)の実施形態では、第2特定領域g2Aの輪郭線の一部である部分輪郭線Lc2は、第1特定領域g1Aの部分輪郭線Lc1と同様に、互いに交差する複数の直線状の放電経路に接する包絡線(すなわち、曲線)によって形成されている(図示省略)。
なお、第1実施形態では、最短距離Gを実現する間隙は、互いに離れた第1間隙g1と第2間隙g2との2つである。そして、図2(A)、図2(C)に示すように、第1間隙g1(すなわち、第1特定領域g1A)は、中心軸CLよりも左方向DL側に位置し、第2間隙g2(すなわち、第2特定領域g2A)は、中心軸CLよりも右方向DR側に位置している。放電は、互いに離れた2つの特定間隙領域g1A、g2Aのいずれかで生じる。
B.第1評価試験:
図3は、第1評価試験の概略図である。第1評価試験では、接合径方向Daに特定条件のガスGS(具体的には、空気)が流れる環境下にスパークプラグ100のサンプルを配置して、中心電極20と接地電極30との間に放電が発生するようにスパークプラグ100に電圧を印加し、ガス流による放電経路の変化を評価した。このガス流は、燃焼室内のガス(例えば、混合気)の流れに対応している。図3(A)は、右方向DRを向いて見た電極20、30の概略図であり、図3(B)は、後端方向Dfrを向いて見た電極20、30の概略図である。図中の放電経路DPは、第1間隙g1で生じた放電がガス流によって接合径方向Daに吹き流される場合の放電経路の例を示している。この放電経路DPは、第1突出部310の端部312と第3突出部230の端部232とを結ぶ経路である。
図中の距離DPpは、放電経路DPがガス流によって風下に流された度合いを示している。具体的には、距離DPpは、放電経路DP上の位置のうち最も放電部200、300から遠い位置Pfと、放電部200、300との間の距離である。流れ距離DPpが大きくなると、放電電圧が高くなり、着火性が良くなる。従って。着火性を向上するためには、放電経路DPがガス流によって風下に向かって延びるように(すなわち、第1間隙g1でのガス流が強くなるように)、混合気の流れが強い位置で放電を生じさせることが好ましい。以下、この距離DPpを、流れ距離DPpと呼ぶ。第2間隙g2で生じる放電の経路の流れ距離についても、第1間隙g1で生じる放電の経路の流れ距離DPpと同様に、算出可能である。以下、2つの間隙g1、g2を区別せずに、放電経路の流れ距離を「流れ距離DPp」と呼ぶ。
第1評価試験では、接地電極30の軸部37に対する間隙g1、g2の位置が互いに異なる複数種類のサンプルのそれぞれの流れ距離DPpが、評価された。図4は、第1評価試験で試験されたスパークプラグのサンプルの説明図である。図中には、接合径方向Daに反対の方向を向いて見たスパークプラグ100xの放電部200x、300xの概略図(特定投影図)が示されている。図2のスパークプラグ100との差異は、2つある。第1の差異は、最短距離Gを実現する第1間隙g1xを含む特定間隙領域g1xAの少なくとも一部が接地電極30(図4の例では、軸部37)と重なるように、第1突出部310xと第3突出部230xとが構成されている点である。第2の差異は、最短距離Gを実現する第2間隙g2xを含む特定間隙領域g2xAの少なくとも一部が接地電極30(図4の例では、軸部37)と重なるように、第2突出部320xと第4突出部240xとが構成されている点である。スパークプラグ100xの他の構成は、スパークプラグ100の構成と、同じである。スパークプラグ100xの要素のうち、スパークプラグ100の要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する。
図4では、中心電極20xの中心放電部200xと接地電極30xの接地放電部300xとのそれぞれの要素に、図2の放電部200、300の対応する要素の符号の末尾に文字「x」を追加した符号を、付している。例えば、接続位置302x、202xは、図2の接続位置302、202と同様に、特定される。方向D1x〜D4xは、突出部310x、320x、230x、240xの延びる方向を示している。パラメータL1x〜L4x、p1x〜p4xの定義は、図2のパラメータL1〜L4、p1〜p4の定義と、それぞれ同じである。図4の実施形態においても、0<p1x<90(度)、0<p2x<90(度)、0<p3x<90(度)、0<p4x<90(度)である。
第1突出部310xの端部312xの表面上の部分319xと、第3突出部230xの端部232xの表面上の部分239xとは、第1間隙g1xを形成している。第1間隙g1xの距離は、電極20x、30xの間の最短距離Gである。第1突出部310xの形成部分319xは、第3突出部230xの形成部分239xよりも、先端方向Df側に配置されている。第1間隙g1xを含む特定間隙領域である第1特定領域g1xAは、中心軸CLよりも左方向DL側に位置している。
第2突出部320xの端部322xの表面上の形成部分329xと、第4突出部240xの端部242xの表面上の形成部分249xとは、最短距離Gを実現する第2間隙g2xを形成している。第2突出部320xの形成部分329xは、第4突出部240xの形成部分249xよりも、先端方向Df側に配置されている。第2間隙g2xを含む特定間隙領域である第2特定領域g2xAは、中心軸CLよりも右方向DR側に位置している。
特定間隙領域g1xA、g2xAの上記のような配置を実現するために、図4の実施形態では、以下のパラメータが、図2の対応するパラメータと異なっている。
第1突出部310xの長さL1xと角度p1x
第2突出部320xの長さL2xと角度p2x
第3突出部230xの長さL3xと角度p3x
第4突出部240xの長さL4xと角度p4x
図4の左部には、第1特定領域g1xAの拡大図が示されている。拡大図中には、第1突出部310xの端部312xと、第3突出部230xの端部232xと、が示されている。図中の放電経路DPxは、第1間隙g1xを結ぶ直線の経路である。図中の第1長Laは、第1間隙g1xの長さ(すなわち、特定投影面上での放電経路DPxの長さ)である。第2長Lbは、放電経路DPxのうち、特定投影面上において、接地電極30と重なっていない部分の長さである。ここで、第1長Laに対する第2長Lbの割合を、はみ出し割合R1と呼ぶ。そして、全ての特定間隙領域内における直線の放電経路のはみ出し割合R1の最小値を、最小はみ出し割合R1mと呼ぶ。特定間隙領域(ここでは、特定間隙領域g1xA、g2xA)内の任意の直線の放電経路のはみ出し割合R1は、最小はみ出し割合R1m以上である。また、放電経路のうち接地電極30と重なる部分の割合、すなわち、「100−R1(%)」を、重畳割合R2とも呼ぶ。そして、全ての特定間隙領域内における直線の放電経路の重畳割合R2の最大値を、最大重畳割合R2mと呼ぶ(R2m=100−R1m(%))。特定間隙領域(ここでは、特定間隙領域g1xA、g2xA)内の任意の直線の放電経路の重畳割合R2は、最大重畳割合R2m以下である。
図5は、第1評価試験の結果を示すグラフである。横軸は、最小はみ出し割合R1m(単位は、%)を示し、縦軸は、流れ距離DPp(単位は、mm)を示している。横軸には、最大重畳割合R2mも併せて示されている。第1評価試験では、ガスの流速は、10m/secであった。また、第1評価試験では、第1種サンプルと第2種サンプルとの2種類のサンプルが、評価された。第1種サンプルの構成は、図2、図4に示す構成から第1突出部310、310xと第3突出部230、230xとを省略して得られる構成である。第1種サンプルは、軸線CLよりも右方向DR側に最短間隙(すなわち、1個の特定間隙領域)を形成する。第2種サンプルの構成は、図2、図4に示す構成と同じである。第2種サンプルは、軸線CLよりも左方向DL側と軸線CLよりも右方向DR側とに最短間隙(すなわち、2個の特定間隙領域)を形成する。図5中の第1グラフGR1は、第1種サンプルの試験結果を示し、第2グラフGR2は、第2種サンプルの試験結果を示している。
最小はみ出し割合R1m(すなわち、最大重畳割合R2m)は、図4に示すパラメータL1x〜L4x、p1x〜p4xを調整することによって、調整された。なお、R1m=100%(すなわち、R2m=ゼロ%)であるサンプルの構成は、図2に示す構成と同じである。いずれのサンプルにおいても、最短間隙g1、g2、g1x、g2xのそれぞれの距離(図2の最短距離G、図4の第1長La)は、1mmであった。また、第2種サンプルでは、2個の特定間隙領域の間で、最小はみ出し割合R1mは同じであった、すなわち、最大重畳割合R2mは同じであった。評価された最小はみ出し割合R1mは、0、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100(%)であった。
流れ距離DPpについては、以下の通りである。本評価試験では、高速度カメラを用いて5回の放電のそれぞれの経路を撮影した。そして、撮影された画像から流れ距離DPpを特定した。図5のグラフの流れ距離DPpは、5回の放電の平均値である。なお、第2種サンプルでは、1回の放電は、2個の特定間隙領域のうちのいずれか一方で生じた。5回の放電は、2個の特定間隙領域に分散して生じた。
図5に示すように、最大重畳割合R2mが大きいほど(すなわち、最小はみ出し割合R1mが小さいほど)、流れ距離DPpが短くなる傾向があった。この理由は、以下のように推定される。風上側からスパークプラグを見る場合に(接合径方向Daでスパークプラグを見る場合に)、最大重畳割合R2mが大きいほど、特定間隙領域における直線の放電経路のうちの接地電極30(ここでは、軸部37)の風下側(すなわち、接合径方向Da側)に隠れる部分の割合が大きい。接地電極30の風下側では、ガス流が接地電極30によって遮られるので、ガスが流れにくい。従って、最大重畳割合R2mが大きいほど、特定間隙領域でのガス流が弱い。この結果、最大重畳割合R2mが大きいほど、流れ距離DPpが短い。また、流れ距離DPpが短いことは、ガス(ひいては、混合気)が特定間隙領域を流れにくいこと、すなわち、着火性が低いことを示している。以上により、最大重畳割合R2mが大きいほど(すなわち、最小はみ出し割合R1mが小さいほど)着火性が低いということができる。
図5に示すように、第1グラフGR1と第2グラフGR2との間では、大きな差は無かった。また、R1m=ゼロ%(すなわち、R2m=100%)である場合には、流れ距離DPpが1mm以下であった。R1m=10%(すなわち、R2m=90%)である場合には、流れ距離DPpは、おおよそ6.5mmに改善した。R1m=20%(すなわち、R2m=80%)である場合には、流れ距離DPpは、おおよそ8mmに改善した。R1m≧30%(すなわち、R2m≦70%)である場合には、最小はみ出し割合R1mの増大(最大重畳割合R2mの減少)に応じて流れ距離DPpは緩やかに増大した。そして、R1m=100%(すなわち、R2m=ゼロ%)である場合には、流れ距離DPpは、おおよそ11mmであった。
以上のように、R1m≧10%(すなわち、R2m≦90%)である場合、R1m=ゼロ%(すなわち、R2m=100%)である場合と比べて、流れ距離DPpを大幅に改善できた。従って、最小はみ出し割合R1mが10%以上であること、すなわち、最大重畳割合R2mが90%以下であることが好ましい。また、R1m≧20%(すなわち、R2m≦80%)である場合、流れ距離DPpを更に改善できた。従って、最小はみ出し割合R1mが20%以上であること、すなわち、最大重畳割合R2mが80%以下であることが更に好ましい。なお、最小はみ出し割合R1mとしては、100%以下の種々の値を採用可能である。すなわち、最大重畳割合R2mとしては、ゼロ%以上の種々の値を採用可能である。
また、6mm以上の流れ距離DPpを実現した最大重畳割合R2mは、0、10、20、30、40、50、60、70、80、90(%)であった。これら10個の値から任意に選択された値を、最大重畳割合R2mの好ましい範囲(下限以上、上限以下)の下限として採用可能である。また、10個の値のうち、下限以上の任意の値を、上限として採用可能である。このような好ましい範囲内の最大重畳割合R2mを採用することによって、着火性を向上できる。例えば、最大重畳割合R2mが、0%以上、かつ、10%以下であってもよい(すなわち、最小はみ出し割合R1mが、90%以上、かつ、100%以下であってもよい)。最小はみ出し割合R1mの好ましい範囲としては、最大重畳割合R2mの好ましい範囲に対応する範囲を、採用可能である。以下、最大重畳割合R2mが好ましい範囲内である中心電極と接地電極との構成を、第1電極構成と呼ぶ。
なお、最大重畳割合R2m(すなわち、最小はみ出し割合R1m)の変化に対する流れ距離DPpの変化の傾向は、中心電極と接地電極との形状と寸法とに拘わらずに、同様であると推定される。従って、最大重畳割合R2mの上記の好ましい範囲(すなわち、最小はみ出し割合R1mの上記の好ましい範囲)は、種々の構成のスパークプラグに適用可能と推定される。
C.第2評価試験:
第2評価試験では、スパークプラグのサンプルを用いて、接合径方向Daに対するガスの流れる方向と流れ距離との関係が、評価された。図6(A)は、接合径方向Daに対するガスの流れる方向GD(ガス方向GDと呼ぶ)の説明図である。ガス方向GDは、後端方向Dfr(すなわち、中心軸CL)に垂直な方向である。図6(A)に示すように、ガス方向GDは、接合径方向Daに反対の方向を基準とする角度で特定される。具体的には、接合径方向Daに反対の方向がゼロ度であり、右方向DRが90度であり、接合径方向Daが180度であり、左方向DLが270度である。
図6(B)は、ガス方向GDが180度である場合の放電経路DP1、DP2の例を示し、図6(C)は、ガス方向GDが150度である場合の放電経路DP1、DP2の例を示している。図6(B)、図6(C)には、後端方向Dfrを向いて見た電極30の概略図が示されている。第1経路DP1は、第1特定領域g1Aで生じる放電の経路を示し、第2経路DP2は、第2特定領域g2Aで生じる放電の経路を示している。
図6(B)の例では(GD=180度)、風上側からスパークプラグを見る場合に、2つの特定間隙領域g1A、g2Aの両方が、接地電極30(ここでは、軸部37)の風下側に隠れる領域である風下領域A1の外に配置されている。従って、2つの特定間隙領域g1A、g2Aのいずれで放電が生じた場合であっても、放電経路DP1、DP2は、風下側(ガス方向GD側)に大きく吹き流される。すなわち、放電経路DP1、DP2の流れ距離DP1p、DP2pが、長くなる。
図6(C)の例では(GD=150度)、第1特定領域g1Aは、接地電極30(ここでは、軸部37)の風下側に隠れる領域である風下領域A2の外に配置されているが、第2特定領域g2Aは、風下領域A2内に配置されている。従って、放電が第1特定領域g1Aで生じる場合には、放電経路DP1は、風下側(ガス方向GD側)に大きく吹き流される。すなわち、第1経路DP1の流れ距離DP1pが長くなる。しかし、放電が第2特定領域g2Aで生じる場合には、第2経路DP2がガス流に流される度合いが小さいので、第2経路DP2の流れ距離DP2pは、第1経路DP1の流れ距離DP1pよりも、小さくなる。
このように、流れ距離は、ガス方向GDに応じて変化する。図4の電極20x、30xを採用する場合も、同様である。そこで、第2評価試験では、0、30、60、90、120、150、180、210、240、270、300、330(度)の12個のガス方向GDにおいて、中心電極20と接地電極30との間の放電が発生するようにスパークプラグ100に電圧を印加し、放電を発生させて、流れ距離を測定した。これら12個のガス方向GDは、ガス方向GDの全範囲に均等に分布するように、決定されている。ガスの流速は、10m/secであった。第2評価試験では、第1評価試験で評価された第1種と第2種とのサンプルに加えて、参考サンプルも評価された。図示を省略するが、参考サンプルの構成は、図1、図2の放電部200、300を省略し、中心軸CL上における中心電極と接地電極との間の距離を短くすることによって得られる構成と、同じである。参考サンプルは、中心軸CL上に1個の最短間隙を形成している。いずれのサンプルにおいても、最短間隙の距離は、1mmであった。
図7は、参考サンプルの試験結果を示すレーダーチャートである。中心から外側に向かって延びる各軸は、ガス方向GDを示している(単位は「度」)。各軸上の位置は、流れ距離を示している(単位は「mm」)。チャート中の流れ距離は、5回の放電の平均値である。図示するように、参考サンプルでは、最短間隙が中心軸CL上に位置するので、ガス方向GDが180度である場合に、最短間隙が接地電極の風下に位置する。従って、GD=180度である場合に、流れ距離が小さい(おおよそ、ゼロ)。また、ガス方向GDが180度とは異なる場合には、流れ距離は5mmよりも大きい。そして、ガス方向GDが60度、または、300度に近い場合に、流れ距離は、おおよそ12mmまで増大する。GD=ゼロ度である場合には、流れ距離が局所的に小さくなる(おおよそ8mm)。この理由は、GD=ゼロ度である場合には、最短間隙の風下に接地電極が位置するので、最短間隙を通過するガスの流れが接地電極によって抑制されるからである。
図8は、第1種サンプルの試験結果を示すレーダーチャートである。第2評価試験では、10、20、40、60、80、100(%)の6個の最小はみ出し割合R1m(すなわち、90、80、60、40、20、0(%)の6個の最大重畳割合R2m)のそれぞれが、評価された。図8(A)〜図8(F)は、6個のはみ出し割合R1(すなわち、6個の最大重畳割合R2m)の試験結果を示している。レーダーチャートの各軸は、図7のレーダーチャートの各軸と、同じである。
図示するように、最小はみ出し割合R1m(すなわち、最大重畳割合R2m)に拘わらず、ガス方向GDが150度に近い場合に、流れ距離が小さい。この理由は、図6(C)で説明したように、特定間隙領域g2A、g2xAが接地電極30の風下に位置するからである。ただし、ガス方向GDが150度に近い場合であっても、流れ距離の最低値は、5mmよりも大きい。図7のGD=ゼロ度である場合のように流れ距離がゼロまで低下しない理由は、以下の通りである。
図6(B)、図6(C)には、接地電極30(ここでは、軸部37)の中心軸CL側の面37sが示されている(内面37sと呼ぶ)。図2(B)に示すように、この内面37sは、軸部37のうちの先端方向Dfの位置が特定間隙領域g1A、g2Aと同じ部分(すなわち、軸部37のうちの特定間隙領域g1A、g2Aを通過するガスが接触し得る部分)の表面である。図6の実施形態では、内面37sは、接合径方向Daに垂直な平面である。従って、GD=180度である場合(図6(B))、内面37sは、ガス方向GDに垂直である。この場合、ガスは、内面37sの風下側、すなわち、風下領域A1に回り込み難い。一方、GD=150度である場合(図6(C))、内面37sは、ガス方向GDに対して斜めに傾斜している。従って、ガスは、内面37sの風下側、すなわち、風下領域A2に回り込み易い。具体的には、図6(C)の例では、ガスは、軸部37の左方向DL側から内面37sの風下側に回り込み易い。この結果、最短間隙が軸部37の風下領域A2内に位置する場合であっても、流れ距離の減少が緩和される。ガス方向GDが150度とは異なる場合も、同様である。
また、図8の評価試験結果では、R1m≧10%(すなわち、R2m≦90%)である。そして、流れ距離は、ガス方向GDに拘わらずに、5mmよりも大きい。このように、最小はみ出し割合R1mが10%以上である場合(すなわち、最大重畳割合R2mが90%以下である場合)、参考サンプル(図7)のように特定のガス方向GD(図7の例では、180度)で流れ距離が著しく低下することを、抑制できた。従って、内燃機関に装着されるスパークプラグの接合径方向Daが燃焼室内の混合気の流れる方向に対して種々の方向を向き得る場合であっても、着火性の低下を抑制でき、また、着火性の燃焼室内における接合径方向への依存性を抑制できる。
図9は、第2種サンプルの試験結果を示すレーダーチャートである。試験された最小はみ出し割合R1m(すなわち、最大重畳割合R2m)は、図8の試験のものと同じである。図9(A)〜図8(F)は、6個の最小はみ出し割合R1m(すなわち、6個の最大重畳割合R2m)の試験結果を示している。レーダーチャートの各軸は、図7のレーダーチャートの各軸と、同じである。
図示するように、流れ距離は、ガス方向GDがゼロ度または180度である場合に若干小さくなるものの、ガス方向GDに依存せずにおおよそ均等であった。この理由は、以下の通りである。図6(B)に示すように、2つの特定間隙領域のうちの1つが風下領域A2内に位置する場合、別の特定間隙領域は、風下領域A2の外に位置する。そして、複数回の放電は、2つの特定間隙領域に分散して生じ得る。従って、5回の放電は、風下領域A2内の特定間隙領域で生じる放電と、風下領域A2外の特定間隙領域で生じる放電と、を含む。この結果、5回の放電の流れ距離の平均は、風下領域A2内の特定間隙領域で放電が生じる場合の流れ距離よりも、大きい。以上により、第2種サンプルは、第1種サンプル(図8)と比べて、流れ距離のガス方向GD依存性を緩和可能である。従って、内燃機関に装着されるスパークプラグの接合径方向Daが燃焼室内の混合気の流れる方向に対して種々の方向を向き得る場合であっても、第1特定領域g1A、g1xAと第2特定領域g2A、g2xAとの少なくとも一方において生じる火花放電の吹き流れを大きく維持できるので、着火性を向上でき、また、着火性の燃焼室内における接合径方向への依存性を抑制できる。
図10は、第2評価試験の結果を総合して示すグラフである。横軸は、最小はみ出し割合R1m(単位は、%)を示し、縦軸は、合計流れ距離TD(単位は、mm)を示している。横軸には、最大重畳割合R2mも併せて示されている。合計流れ距離TDは、図7〜図9で説明した12個のガス方向GDに対応付けられた12個の流れ距離の合計値である。このような合計流れ距離TDは、ガス方向GDの全範囲を総合して得られる流れ距離、すなわち、総合的な着火性を示している。図中の参考グラフGRrは、参考サンプルの試験結果(図7)を示し、第1グラフGRaは、第1種サンプルの試験結果(図8)を示し、第2グラフGRbは、第2種サンプルの試験結果(図9)を示している。
図示するように、最大重畳割合R2mが大きいほど(すなわち、最小はみ出し割合R1mが小さいほど)、合計流れ距離TDが短くなる傾向があった。この理由は、図5のグラフで説明した通りである。また、最大重畳割合R2m(すなわち、最小はみ出し割合R1m)に拘わらず、第2グラフGRbによって示される第2種サンプルの合計流れ距離TDは、第1グラフGRaによって示される第1種サンプルの合計流れ距離TDよりも、良好であった。この理由は、図6(C)、図9で説明したように、2個の特定間隙領域が、流れ距離のガス方向GD依存性を緩和するからである。
以上のように、90%以下の最大重畳割合R2mを採用することによって、R2m=100%である場合と比べて、合計流れ距離TD、ひいては、着火性を向上可能である。また、2個の特定間隙領域を形成する構成を採用することによって、特定間隙領域の数が1個である場合と比べて、合計流れ距離TD、ひいては、着火性を向上可能である。
なお、図8〜図9で説明した最小はみ出し割合R1m(最大重畳割合R2m)とガス方向GDとの変化に対する流れ距離DPpの変化の傾向は、中心電極と接地電極との形状と寸法とに拘わらずに、同様であると推定される。また、図10で説明した最小はみ出し割合R1m(最大重畳割合R2m)の変化に対する合計流れ距離TDの変化の傾向とは、中心電極と接地電極との形状と寸法とに拘わらずに、同様であると推定される。従って、最大重畳割合R2mの上記の好ましい範囲(すなわち、最小はみ出し割合R1mの上記の好ましい範囲)は、種々の構成のスパークプラグに適用可能と推定される。
D.中心電極と接地電極との構成:
以下、中心電極と接地電極との構成について、別の観点から説明する。
D−1.径方向のサイズ:
図2(A)に示す最大距離DFは、中心電極20と接地電極30とのうちの軸線CLから最も遠い部分と軸線CLとの間の距離である。図2の実施形態では、この最大距離DFは、主体金具50の先端部分(ねじ山52よりも先端方向Df側の部分)の外径Mの半分よりも小さい。外径Mは、内燃機関の取付孔に主体金具50の先端部分が入り得るように、取付孔の内径よりも若干小さい値に設定されている。従って、外径Mの半分よりも小さい最大距離DFを採用することによって、スパークプラグ100を内燃機関の取付孔に取り付ける際に、中心電極20が内燃機関(例えば、取付孔の内周面)に接触(干渉)することと、接地電極30が内燃機関に接触(干渉)することとを、抑制できる。図4に示す実施形態の中心電極20xと接地電極30xとについても、同様に構成されている。また、特定間隙領域の数が1である場合の中心電極と接地電極とについても、同様に構成されている。以下、最大距離DFが外径Mの半分よりも小さい中心電極と接地電極との構成を、第2電極構成と呼ぶ。なお、主体金具50の先端面57の外周側の隅が面取りされる場合がある。この場合、外径Mとしては、主体金具50の先端部分のうちの面取りされていない部分の外径を採用すればよい。また、中心放電部200、200xは、軸部27と絶縁体10と主体金具50とが互いに組み付けられた後に、軸部27に接合可能である。従って、最大距離DFは、主体金具50の貫通孔59の内径の半分よりも大きくても良い。
D−2.最短距離G:
図2(A)に示す距離Hは、中心電極20のうち絶縁体10の軸孔12の外に露出している部分(ここでは、中心放電部200)と、主体金具50との間の最短距離である。図2の実施形態では、中心電極20と接地電極30との間の最短距離Gは、この距離Hよりも短い。従って。中心電極20と主体金具50との間で放電が生じる可能性を低減できる。図4に示す実施形態の中心電極20xと接地電極30xとについても、同様に構成されている。特定間隙領域の数が1である場合の中心電極と接地電極とについても、同様に構成されている。以下、最短距離Gが距離Hよりも短い中心電極と接地電極との構成を、第3電極構成と呼ぶ。
D−3.非対称性:
振動に対する放電部300、300xの耐久性を向上するためには、第1突出部310、310xと第2突出部320、320xとの間で共振周波数が異なることが好ましい。こうすれば、万が一に振動によって放電部300、300xが破損する場合であっても、第1突出部310、310xと第2突出部320、320xとの両方が折損する可能性を低減できる。2個の突出部の間で共振周波数を異ならせるためには、以下の要素A〜Cの少なくとも1つの要素において、2個のパラメータが互いに異なっていることが好ましい。このような要素A〜Cを用いれば、2個の突出部の間で共振周波数を容易に異ならせることができる。
要素A)第1突出部310、310xの長さL1、L1xと、第2突出部320、320xの長さL2、L2x
要素B)特定投影面上における、軸線CLと第1方向D1、D1xとの間の角度p1、p1xと、軸線CLと第2方向D2、D2xとの間の角度p2、p2x
要素C)第1突出部310、310xの端部312、312xと軸線CLとの間の距離Dc1、Dc1xと、第2突出部320、320xの端部322、322xと軸線CLとの間の距離Dc2、Dc2x
なお、距離Dc1、Dc1xは、端部312、312xのうち軸線CLから最も遠い部分と軸線CLとの間の距離である。距離Dc2、Dc2xは、端部322、322xのうち軸線CLから最も遠い部分と軸線CLとの間の距離である。また、上記の評価試験で用いられた第2種サンプルの各要素A〜Cでは、2個のパラメータが互いに同じであった。
振動に対する放電部200、200xの耐久性を向上するためには、第3突出部230、230xと第4突出部240、240xとの間で共振周波数が異なることが好ましい。こうすれば、万が一に振動によって放電部200、200xが破損する場合であっても、振動によって第3突出部230、230xと第4突出部240、240xと両方が折損する可能性を低減できる。2個の突出部の間で共振周波数を異ならせるためには、以下の要素D〜Fの少なくとも1つの要素において、2個のパラメータが互いに異なっていることが好ましい。このような要素D〜Fを用いれば、2個の突出部の間で共振周波数を容易に異ならせることができる。
要素D)第3突出部230、230xの長さL3、L3xと、第4突出部240、240xの長さL4、L4x
要素E)特定投影面上における、軸線CLと第3方向D3、D3xとの間の角度p3、p3xと、軸線CLと第4方向D4、D4xとの間の角度p4、p4x
要素F)第3突出部230、230xの端部232、232xと軸線CLとの間の距離Dc3、Dc3xと、第4突出部240、240xの端部242、242xと軸線CLとの間の距離Dc4、Dc4x
なお、距離Dc3、Dc3xは、端部232、232xのうち軸線CLから最も遠い部分と軸線CLとの間の距離である。距離Dc4、Dc4xは、端部242、242xのうち軸線CLから最も遠い部分と軸線CLとの間の距離である。また、上記の評価試験で用いられた第2種サンプルの各要素D〜Fでは、2個のパラメータが互いに同じであった。
なお、同じ要素の2個のパラメータが互いに異なる場合の2個のパラメータの差の絶対値としては、例えば、以下の範囲内の値を採用してもよい。
1)要素Aの2個の長さの差の絶対値:0.05mm以上、かつ、6mm以下
2)要素Bの2個の角度の差の絶対値:0.5度以上、かつ、80度以下
3)要素Cの2個の距離の差の絶対値:0.05mm以上、かつ、6mm以下
4)要素Dの2個の長さの差の絶対値:0.05mm以上、かつ、6mm以下
5)要素Eの2個の角度の差の絶対値:0.5度以上、かつ、80度以下
6)要素Fの2個の距離の差の絶対値:0.05mm以上、かつ、6mm以下
E.第2実施形態:
図11は、第2実施形態のスパークプラグ100aの説明図である。図中には、接合径方向Daに反対の方向を向いて見たスパークプラグ100aの放電部200a、300aの概略図(特定投影図)が示されている。図11のスパークプラグ100aでは、第1間隙g1aの中心位置g1amと第2間隙g2aの中心位置g2amとの間で、軸線CLの方向(具体的には、先端方向Df)の位置が異なるように、中心放電部200aと接地放電部300aとが構成されている。スパークプラグ100aの他の構成は、図1、図2のスパークプラグ100の構成と、同じである。スパークプラグ100aの要素のうち、スパークプラグ100の要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する。
接地放電部300aの基部390aは、軸部37に接合され、軸部37から中心軸CLに沿って後端方向Dfrに延びて、第1接続位置303に至る。第1突出部310aは、第1接続位置303で基部390aに接続され、第1接続位置303から第1方向D1に延びている。第2突出部320aは、第1接続位置303よりも先端方向Df側の位置である第2接続位置304で基部390aに接続され、第2接続位置304から第2方向D2に延びている。
中心放電部200aの基部290aは、軸部27に接合され、軸部27から中心軸CLに沿って先端方向Dfに延びて、第4接続位置203に至る。第4突出部240aは、第4接続位置203で基部290aに接続され、第4接続位置203から第4方向D4に延びている。第3突出部230aは、第4接続位置203よりも後端方向Dfr側の位置である第3接続位置204で基部290aに接続され、第3接続位置204から第3方向D3に延びている。
第1突出部310aの端部312aの表面上の部分319aと、第3突出部230aの端部232aの表面上の部分239aとは、第1間隙g1aを形成している。第1間隙g1aの距離は、電極20a、30a間の最短距離Gである。第1突出部310aの形成部分319aは、第3突出部230aの形成部分239aよりも、先端方向Df側に配置されている。第1中心位置g1amは、第1間隙g1aを直線で結ぶ放電経路の中心位置である。
第2突出部320aの端部322aの表面上の部分329aと、第4突出部240aの端部242aの表面上の部分249aとは、第2間隙g2aを形成している。第2間隙g2aの距離は、電極20a、30a間の最短距離Gである。第2突出部320aの形成部分329aは、第4突出部240aの形成部分249aよりも、先端方向Df側に配置されている。第2中心位置g2amは、第2間隙g2aを直線で結ぶ放電経路の中心位置である。
第2中心位置g2amは、第1中心位置g1amよりも先端方向Df側に配置されている。図中の距離Dmは、これらの中心位置g1am、g2amの間の先端方向Dfの距離である(Dm>0)。このように、2つの間隙g1a、g2aの間で軸線CLの方向の位置(すなわち、先端方向Dfの位置)が異なっていることによる利点は、以下の通りである。内燃機関の燃焼室内では、混合気の流れが一様ではない場合がある。例えば、燃焼室内における軸線CLの方向の位置に応じて混合気の流れの強さが異なる場合がある。ここで、軸線CLの方向の位置が2個の間隙の間で同じである場合には、一方の間隙の位置で混合気の流れが弱いと、他方の間隙の位置でも混合気の流れが弱い可能性が高い。しかし、軸線CLの方向の位置が2個の間隙の間で異なっている場合には、一方の間隙の位置で混合気の流れが弱くても、他方の間隙の位置で混合気の流れが弱い可能性を低減できる。従って、内燃機関の構成によらず、着火性を向上できる。
なお、図11に示す特定投影図では、第1間隙g1aのうちの接地電極30aと重なる部分の割合がゼロ%である。また、第2間隙g2aのうちの接地電極30aと重なる部分の割合がゼロ%である。また、図示を省略するが、最大重畳割合R2mはゼロ%である。ただし、最大重畳割合R2mがゼロ%よりも大きくてもよい。この場合、最大重畳割合R2mが上記の好ましい範囲内であることが好ましい。また、図示を省略するが、図11のスパークプラグ100aの中心電極20aと接地電極30aとには、上記の第2電極構成と第3電極構成とが適用されている。また、第1突出部310aの長さは、第2突出部320aの長さと異なっており(要素A)、第3突出部230aの長さは、第4突出部240aの長さと異なっている(要素D)。
図2、図4に示す実施形態においても、第1間隙g1、g1xの中心位置の先端方向Dfの位置が、第2間隙g2、g2xの中心位置の先端方向Dfの位置と異なっていることが好ましい。ただし、2つの間隙の間で中心位置の先端方向Dfの位置が同じであってもよい。なお、1つの特定間隙領域内にその特定間隙領域内での最短距離を実現する複数の直線経路が存在する場合がある。このような場合には、少なくとも1つの直線経路の中心位置を、他の特定間隙領域の直線経路の中心位置と比較すればよい。一般的には、軸線CLよりも左方向DL側の特定間隙領域と軸線CLよりも右方向DR側の特定間隙領域とが形成される場合に、一方の特定間隙領域内の少なくとも1つの最短の直線経路の中心位置と、他方の特定間隙領域内の少なくとも1つの最短の直線経路の中心位置との間で、軸線CLの方向の位置が異なることが好ましい。
F.第3実施形態:
図12は、第3実施形態のスパークプラグ100bの説明図である。図中には、右方向DRを向いて見たスパークプラグ100bの放電部200b、300bの概略図が示されている。図2(B)のスパークプラグ100との差異は、4つ突出部310b、320b、230b、240bが、基部390、290から、中心軸CLに対して斜めに接合径方向Daに向かって延びている点だけである。なお、図12中では、第1突出部310bは第2突出部320bに重なって示され、第3突出部230bは第4突出部240bに重なって示されている。図示を省略するが、接合径方向Daに反対の方向を向いて見た放電部200b、300bの形状、すなわち、特定投影面上に投影された放電部200b、300bの形状は、図2(A)に示す放電部200、300の形状と、おおよそ同じである。放電部200b、300bの要素のうち、図2の放電部200、300の要素と同じ要素には、同じ符号が付されている。また、放電部200b、300bの他の要素には、図2の放電部200、300の対応する要素の符号の末尾に文字「b」を付加した符号が、付されている。例えば、図12の突出部310b、320b、230b、240bは、図2(A)の突出部310、320、230、240に、対応する。スパークプラグ100bの他の構成は、スパークプラグ100の構成と同じである。スパークプラグ100bの要素のうち、スパークプラグ100の要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する。
詳細な図示を省略するが、図2(A)の実施形態と同様に、第1突出部310bの端部312bの表面上の部分319bと、第3突出部230bの端部232bの表面上の部分239bとは、第1間隙g1bを形成している。第1間隙g1bの距離は、電極20b、30b間の最短距離Gである。第1突出部310bの形成部分319bは、第3突出部230bの形成部分239bよりも、先端方向Df側に配置されている。また、これらの形成部分319b、239bは、軸線CLよりも接合径方向Da側に配置されている。従って、第1間隙g1bは、軸線CLよりも接合径方向Da側に配置されている。すなわち、第1間隙g1bは、図2(B)の第1間隙g1と比べて、接地電極30bの軸部37から遠い位置に配置されている。この結果、接地電極30bが熱を吸収することによる火炎を消火する作用(消炎作用とも呼ばれる)を抑制できる。
また、詳細な図示を省略するが、図2(A)の実施形態と同様に、第2突出部320bの端部322bの表面上の部分329bと、第4突出部240bの端部242bの表面上の部分249bとは、第2間隙g2bを形成している。第2間隙g2bの距離は、電極20b、30b間の最短距離Gである。第2突出部320bの形成部分329bは、第4突出部240bの形成部分249bよりも、先端方向Df側に配置されている。また、これらの形成部分329b、249bは、軸線CLよりも接合径方向Da側に配置されている。従って、第2間隙g2bは、軸線CLよりも接合径方向Da側に配置されている。すなわち、第2間隙g2bは、図2(B)の第2間隙g2と比べて、接地電極30bの軸部37から遠い位置に配置されている。この結果、消炎作用を抑制できる。
一般的には、消炎作用を抑制するためには、接地電極の表面のうちの最短間隙を形成する部分である第1形成部分と中心電極の表面のうちのその最短間隙を形成する部分である第2形成部分との少なくとも一方が、軸線CLよりも接合径方向Da側に配置されていることが好ましい。こうすれば、間隙を結ぶ直線経路の少なくとも一部を、接地電極のうちの主体金具50に接合された部分(例えば、軸部37)から遠い位置に配置可能なので、消炎作用を抑制できる。図2、図4、図11に示す実施形態においても、消炎作用を抑制するための上記構成を適用することが好ましい。
接地電極の表面のうちの最短間隙を形成する形成部分がゼロよりも大きな面積を有する領域である場合には、形成部分の少なくとも一部が軸線CLよりも接合径方向Da側に配置されていることが好ましく、形成部分の全体が軸線CLよりも接合径方向Da側に配置されていることが特に好ましい。中心電極の表面のうちの最短間隙を形成する形成部分がゼロよりも大きな面積を有する領域である場合には、形成部分の少なくとも一部が軸線CLよりも接合径方向Da側に配置されていることが好ましく、形成部分の全体が軸線CLよりも接合径方向Da側に配置されていることが特に好ましい。
いずれの場合も、第1形成部分が軸線CLよりも接合径方向Da側に配置される構成を採用する場合には、第1形成部分と軸線CLとの間の接合径方向Daの最短距離としては、例えば、0.05mm以上、かつ、6mm以下の距離を採用してもよい。また、第2形成部分が軸線CLよりも接合径方向Da側に配置される構成を採用する場合には、第2形成部分と軸線CLとの間の接合径方向Daの最短距離としては、例えば、0.05mm以上、かつ、6mm以下の距離を採用してもよい。
なお、図示を省略するが、図12の実施形態では、図2の実施形態と同様に、特定投影図上では、第1間隙g1bのうちの接地電極30bと重なる部分の割合は、ゼロ%である。また、第2間隙g2bのうちの接地電極30bと重なる部分の割合は、ゼロ%である。そして、最大重畳割合R2mは、ゼロ%である。ただし、最大重畳割合R2mがゼロ%よりも大きくてもよい。この場合、最大重畳割合R2mが上記の好ましい範囲内であることが好ましい。また、図示を省略するが、図12のスパークプラグ100bの中心電極20bと接地電極30bとには、上記の第2電極構成と第3電極構成とが適用されている。また、図12の実施形態においても、上記の要素A〜Cの少なくとも1つの要素において、2個のパラメータが互いに異なっていることが好ましい。また、上記の要素D〜Fの少なくとも1つの要素において、2個のパラメータが互いに異なっていることが好ましい。
G.第4実施形態:
図13は、第4実施形態のスパークプラグ100cの説明図である。図中には、後端方向Dfrを向いて見たスパークプラグ100cの放電部200c、300cの概略図が示されている。図2(C)のスパークプラグ100との差異は、左方向DL側の第1の最短間隙g1cを形成する突出部310c、230cが、基部390、290から、左方向DLに対して斜めに接合径方向Daに向かって延びている点だけである。図示を省略するが、接合径方向Daに反対の方向を向いて見た放電部200c、300cの形状、すなわち、特定投影面上に投影された放電部200c、300cの形状は、図2(A)に示す放電部200、300の形状と、おおよそ同じである。図13中では、接地放電部300cは、中心放電部200cに重なって示されている。また、放電部200c、300cの要素のうち、図2の放電部200、300の要素と同じ要素には、同じ符号が付されている。また、放電部200c、300cの他の要素には、図2の放電部200、300の対応する要素の符号の末尾に文字「c」を付加した符号が、付されている。例えば、図12の突出部310c、230cは、図2(A)の突出部310、230に、対応する。スパークプラグ100cの他の構成は、スパークプラグ100の構成と同じである。スパークプラグ100cの要素のうち、スパークプラグ100の要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する。
詳細な図示を省略するが、図2(A)の実施形態と同様に、第1突出部310cの端部312cの表面上の部分319cと、第3突出部230cの端部232cの表面上の部分239cとは、第1間隙g1cを形成している。第1間隙g1cの距離は、電極20c、30c間の最短距離Gである。第1突出部310cの形成部分319cは、第3突出部230cの形成部分239cよりも、先端方向Df側に配置されている。第1中心位置g1cmは、第1間隙g1cを直線で結ぶ放電経路の中心位置である。
また、詳細な図示を省略するが、図2(A)の実施形態と同じく、第2突出部320の端部322の表面上の形成部分329と、第4突出部240の端部242の表面上の形成部分249とは、第2間隙g2を形成している。第2突出部320の形成部分329は、第4突出部240の形成部分249よりも、先端方向Df側に配置されている。第2中心位置g2mは、第2間隙g2を直線で結ぶ放電経路の中心位置である。
第1中心位置g1cmは、第2中心位置g2mよりも接合径方向Da側に配置されている。図中の距離Dnは、これらの中心位置g1cm、g2mの間の接合径方向Daの距離である(Dn>0)。このように、2つの間隙g1c、g2の間で接合径方向Daの位置が異なっていることによる利点は、以下の通りである。内燃機関の燃焼室内では、混合気の流れが一様ではない場合がある。例えば、燃焼室内における接合径方向Daの位置に応じて混合気の流れの強さが異なる場合がある。ここで、接合径方向Daの位置が2個の間隙の間で同じである場合には、一方の間隙の位置で混合気の流れが弱いと、他方の間隙の位置でも混合気の流れが弱い可能性が高い。しかし、接合径方向Daの位置が2個の間隙の間で異なっている場合には、一方の間隙の位置で混合気の流れが弱くても、他方の間隙の位置で混合気の流れが弱い可能性を低減できる。従って、内燃機関の構成によらず、着火性を向上できる。
なお、図示を省略するが、図13の実施形態では、図2の実施形態と同様に、特定投影図上では、第1間隙g1cのうちの接地電極30cと重なる部分の割合は、ゼロ%である。また、第2間隙g2のうちの接地電極30cと重なる部分の割合は、ゼロ%である。そして、最大重畳割合R2mは、ゼロ%である。ただし、最大重畳割合R2mがゼロ%よりも大きくてもよい。この場合、最大重畳割合R2mが上記の好ましい範囲内であることが好ましい。また、図示を省略するが、図13のスパークプラグ100cの中心電極20cと接地電極30cとには、上記の第2電極構成と第3電極構成とが適用されている。また、図13の実施形態においても、上記の要素A〜Cの少なくとも1つの要素において、2個のパラメータが互いに異なっていることが好ましい。また、上記の要素D〜Fの少なくとも1つの要素において、2個のパラメータが互いに異なっていることが好ましい。
また、図2、図4、図11、図12に示す実施形態においても、第1間隙g1、g1x、g1a、g1bの中心位置の接合径方向Daの位置が、第2間隙g2、g2x、g2a、g2bの中心位置の接合径方向Daの位置と異なっていることが好ましい。なお、1つの特定間隙領域内にその特定間隙領域内での最短距離を実現する複数の直線経路が存在する場合がある。このような場合には、少なくとも1つの直線経路の中心位置を、他の特定間隙領域の直線経路の中心位置と比較すればよい。一般的には、軸線CLよりも左方向DL側の特定間隙領域と軸線CLよりも右方向DR側の特定間隙領域とが形成される場合に、一方の特定間隙領域内の少なくとも1つの最短の直線経路の中心位置と、他方の特定間隙領域内の少なくとも1つの最短の直線経路の中心位置との間で、接合径方向Daの位置が異なることが好ましい。
H.他の実施形態:
図14、図15は、中心放電部と接地放電部との他の実施形態の概略図である。図14(A)〜図14(D)、図15(A)、図15(B)は、スパークプラグ100d〜100iを接合径方向Daに反対の方向を向いて見た概略図(特定投影図)であり、図15(C)は、スパークプラグ100jを後端方向Dfrを向いて見た概略図である。スパークプラグ100d〜100jの構成のうち、中心放電部200d〜200jと接地放電部300d〜300jとを除いた他の要素の構成は、図1、図2のスパークプラグ100の構成と同じである。スパークプラグ100d〜100jの要素のうち、スパークプラグ100の要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する。
図14(A)のスパークプラグ100dでは、中心放電部200dは、棒状の部材であり、軸部27に接合され、軸部27から中心軸CLに沿って先端方向Dfに突出している。接地放電部300dの構成は、図2の接地放電部300から基部390を省略して得られる構成と同じである。すなわち、第1突出部310と第2突出部320とは、軸部37の軸線CLと重なる部分に、直接的に接合されている。
第1突出部310の端部312の表面上の形成部分319dと、中心放電部200dの端部202dの表面上の形成部分239dとは、最短距離Gを実現する第1間隙g1dを形成している。第1突出部310の形成部分319dは、中心放電部200dの形成部分239dよりも先端方向Df側に配置されている。
第2突出部320の端部322の表面上の形成部分329dと、中心放電部200dの端部202dの表面上の形成部分249dとは、最短距離Gを実現する第2間隙g2dを形成している。第2突出部320の形成部分329dは、中心放電部200dの形成部分249dよりも先端方向Df側に配置されている。
図14(A)の特定投影図に示すように、第1間隙g1dの一部は、軸線CLよりも左方向DL側で、接地電極30dと重ならない領域に配置されている。第2間隙g2dの一部は、軸線CLよりも右方向DRで、接地電極30dと重ならない領域に配置されている。
このように、中心電極20dの中心放電部200dは、特定投影図において接地電極30dと重なる位置に配置されている。一方、接地電極30dの接地放電部300dの端部312、322(具体的には、形成部分319d、329d)は、特定投影図において接地電極30dと重ならない位置に配置されている。この結果、電極20d、30dは、特定投影図において接地電極30dと重ならない部分を含む間隙g1d、g2dを、形成可能である。
図14(B)のスパークプラグ100eの構成は、図14(A)のスパークプラグ100dから第2突出部320を省略して得られる構成と、同じである。このように、接地電極30eの突出部の数が1である。ここで、その突出部310の端部312(具体的には、形成部分319d)が、特定投影図上の接地電極30eと重ならない位置に配置されている。従って、電極20d、30eは、特定投影図において接地電極30eと重ならない部分を含む間隙g1dを、形成可能である。
図14(C)のスパークプラグ100fの構成は、図14(A)のスパークプラグ100dにおいて中心放電部200dと接地放電部300fとを置換して得られる構成と、同じである。接地放電部300fは、棒状の部材であり、軸部37に接合され、軸部37から中心軸CLに沿って後端方向Dfrに突出している。中心電極20fの中心放電部200fは、2つの突出部230f、240fを有している。特定投影図上で、第3突出部230fは、軸線CLから左方向DL側に突出し、第4突出部240fは、軸線CLから右方向DR側に突出している。
第3突出部230fの端部232fの表面上の形成部分239fと、接地放電部300fの端部302fの表面上の形成部分319fとは、最短距離Gを実現する第1間隙g1fを形成している。接地放電部300fの形成部分319fは、第3突出部230fの形成部分239fよりも先端方向Df側に配置されている。
第4突出部240fの端部242fの表面上の形成部分249fと、接地放電部300fの端部302fの表面上の形成部分329fとは、最短距離Gを実現する第2間隙g2fを形成している。接地放電部300fの形成部分329fは、第4突出部240fの形成部分249fよりも先端方向Df側に配置されている。
接地電極30fの接地放電部300fは、特定投影図において接地電極30fと重なる位置に配置されている。一方、中心電極20fの中心放電部200fの端部232f、242f(具体的には、形成部分239f、249f)は、特定投影図において接地電極30fと重ならない位置に配置されている。この結果、電極20f、30fは、特定投影図において接地電極30fと重ならない部分を含む間隙g1f、g2fを、形成可能である。
図14(D)のスパークプラグ100gでは、中心電極20gの中心放電部200gとして、図14(C)の第3突出部230fが採用されている。接地電極としては、図14(B)の接地電極30eが採用されている。第1突出部310の端部312の表面上の形成部分319gと、第3突出部230fの端部232fの表面上の形成部分239gとは、最短距離Gを実現する間隙g1gを形成している。第1突出部310の形成部分319gは、第3突出部230fの形成部分239gよりも先端方向Df側に配置されている。これらの形成部分319g、239gは、特定投影図上の接地電極30eと重ならない位置に配置されている。従って、電極20g、30eは、特定投影図において接地電極30eと重ならない間隙g1gを、形成可能である。
図15(A)のスパークプラグ100hでは、中心電極は、図14(A)の中心電極20dと同じである。接地電極30hは、軸部37と接地放電部300hとを有している。接地放電部300hは、軸部37の接合径方向Da側の端面に接合されている。接地放電部300hは、軸部37よりも左方向DL側から軸部37よりも右方向DR側まで右方向DRに平行に延びる基部360hと、基部360hの左方向DL側の端から後端方向Dfrに延びる第1突出部310hと、基部360hの右方向DR側の端から後端方向Dfrに延びる第2突出部320hと、を有している。第1突出部310hの端部312hと第2突出部320hの端部322hとは、軸部37よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム合金)で形成されている。接地放電部300hの他の部分は、金属材料(例えば、軸部37と同じ材料)で形成されている。
第1突出部310hの端部312hの表面上の形成部分319hと、中心放電部200dの端部202dの表面上の形成部分239hとは、最短距離Gを実現する第1間隙g1hを形成している。第1突出部310hの形成部分319hは、中心放電部200dの形成部分239hよりも先端方向Df側に配置されている。
第2突出部320hの端部322hの表面上の形成部分329hと、中心放電部200dの端部202dの表面上の形成部分249hとは、最短距離Gを実現する第2間隙g2hを形成している。第2突出部320hの形成部分329hは、中心放電部200dの形成部分239hよりも先端方向Df側に配置されている。
図15(A)の特定投影図に示すように、第1間隙g1hの一部は、軸線CLよりも左方向DL側で、接地電極30hと重ならない領域に配置されている。第2間隙g2hの一部は、軸線CLよりも右方向DRで、接地電極30hと重ならない領域に配置されている。
このように、中心電極20dの中心放電部200dは、特定投影図において接地電極30hと重なる位置に配置されている。一方、接地電極30hの接地放電部300hの端部312h、322h(具体的には、形成部分319h、329h)は、特定投影図において接地電極30hと重ならない位置に配置されている。この結果、電極20d、30hは、特定投影図において接地電極30hと重ならない部分を含む間隙g1h、g2hを、形成可能である。
図15(B)のスパークプラグ100iでは、接地電極としては、図15(A)の接地電極30hが採用されている。中心電極20iの中心放電部200iとしては、接地放電部300hと同じ構成の部材が採用されている。中心放電部200iは、基部260iと第3突出部230iと第4突出部240iとを有している。基部260iは、中心電極20iの軸部27iの先端に接合されており、接地電極30hの軸部37よりも左方向DL側から軸部37よりも右方向DR側まで右方向DRに平行に延びている。軸部27iは、先端が貫通孔12の外に位置するように軸部27(図2)を修正したものである。第3突出部230iは、第1突出部310hの後端方向Dfr側に位置し、第4突出部240iは、第2突出部320hの後端方向Dfr側に位置している。
第1突出部310hの端部312hの表面上の形成部分319iと、第3突出部230iの端部232iの表面上の形成部分239iとは、最短距離Gを実現する第1間隙g1iを形成している。また、第2突出部320hの端部322hの表面上の形成部分329iと、第4突出部240iの端部242iの表面上の形成部分249iとは、最短距離Gを実現する第2間隙g2iを形成している。これらの間隙g1i、g2iは、特定投影図において、接地電極30hと重ならない領域に配置されている。
図15(C)のスパークプラグ100jの構成は、図2(C)のスパークプラグ100の第1突出部310と第3突出部230とを、接合径方向Daに移動させた構成と同じである。図示を省略するが、接合径方向Daに反対の方向を向いて見た放電部200j、300jの形状、すなわち、特定投影面上に投影された放電部200j、300jの形状は、図2(A)に示す放電部200、300の形状と、おおよそ同じである。
第1突出部310jの端部312jの表面上の形成部分319jと、第3突出部230jの端部232jの表面上の形成部分239jとは、最短距離Gを実現する第1間隙g1jを形成している。この第1間隙g1j(ひいては、第1間隙g1jを含む特定間隙領域g1jA)は、図2(A)の第1間隙g1と同様に、特定投影図において、接地電極30jと重ならない領域に配置されている。
以上、図14(A)〜図14(D)、図15(A)〜図15(C)を参照して、中心電極と接地電極との種々の構成について説明した。これらの構成において、最大重畳割合R2mが上記の好ましい範囲内であることが好ましい。また、特定投影図上において、軸線CLよりも左方向DL側と軸線CLよりも右方向DR側との両方に、距離がG+0.1mm以下の間隙が形成されていることが好ましい。すなわち、接地電極と中心電極との少なくとも一方が、軸線CLよりも左方向DL側に配置された端部を有する突出部と軸線CLよりも右方向DR側に配置された端部を有する突出部との2つの突出部を有することが好ましい。この場合、図9で説明したように、着火性を向上できる。また、図示を省略するが、図14(A)〜図14(D)、図15(A)〜図15(C)の中心電極と接地電極とには、上記の第2電極構成と第3電極構成とが適用されている。また、図14(A)〜図14(D)、図15(A)〜図15(C)の実施形態においても、上記の要素A〜Cの少なくとも1つの要素において、2個のパラメータが互いに異なっていることが好ましい。また、上記の要素D〜Fの少なくとも1つの要素において、2個のパラメータが互いに異なっていることが好ましい。
I.変形例:
(1)上記の各実施形態において、軸線CLよりも左方向DL側に形成される間隙と、軸線CLよりも右方向DR側に形成される間隙と、のいずれか一方の最短距離が、中心電極と接地電極との間の最短距離Gよりも大きくてもよい。ここで、大きな間隙の距離がG+0.1(mm)以下であることが好ましい。こうすれば、小さい間隙に放電が集中することを抑制でき、小さい間隙と大きい間隙とに放電を分散できる。
(2)中心電極と接地電極との構成としては、上記の構成に代えて他の種々の構成を採用可能である。例えば、図14(B)のスパークプラグ100eにおいて中心放電部200dと接地放電部300eとを置換して得られる構成を採用してもよい。図15(A)のスパークプラグ100hにおいて、接地放電部300hと中心放電部200dとを置換して得られる構成を採用してもよい。図15(A)のスパークプラグ100hにおいて、第2突出部320hを省略してもよい。図15(B)のスパークプラグ100iにおいて、第2突出部320hと第4突出部240iとを省略してもよい。また、中心放電部を構成する棒状の部材の断面形状としては、矩形に代えて他の種々の形状(例えば、円形や多角形)を採用可能である。接地放電部を構成する棒状の部材の断面形状としては、矩形に代えて他の種々の形状(例えば、円形や多角形)を採用可能である。また、中心電極の軸部27の一部が絶縁体10の貫通孔12の外に配置されてもよい。
(3)スパークプラグ100の構成としては、図1で説明した構成に代えて他の種々の構成を採用可能である。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
5...ガスケット、6...第1後端側パッキン、7...第2後端側パッキン、8...先端側パッキン、9...タルク、10...絶縁体(絶縁碍子)、11...第2縮外径部、12...貫通孔(軸孔)、13...脚部、15...第1縮外径部、16...縮内径部、17...先端側胴部、18...後端側胴部、19...鍔部、20、20x、20a〜20j...中心電極、21...外層、22...芯部、23...頭部、24...鍔部、25...脚部、27、27i...軸部、30、30x、30a〜30j...接地電極、31...先端部、35...外層、36...芯部、37...軸部、37s...内面、40...端子金具、50...主体金具、51...工具係合部、52...ねじ山、53...加締部、54...座部、55...胴部、56...縮内径部、57...先端面、58...変形部、59...貫通孔、60...第1シール部、70...抵抗体、80...第2シール部、100、100x、100a〜100j...スパークプラグ、200、200x、200a〜200j...中心放電部、230、230x、230a〜230j...第3突出部、232、232x、232a〜232j...端部、239、239x、239a〜239j...形成部分、240、240x、240a〜240i...第4突出部、242、242x、242a〜242i...端部、249、249x、249a〜249i...形成部分、260i、290、290a...基部、300、300x、300a〜300j...接地放電部、302f...端部、310、310x、310a〜310j...第1突出部、312、312x、312a〜312j...端部、319、319x、319a〜319j...形成部分、320、320x、320a〜320h...第2突出部、322、322x、322a〜322h...端部、329、329x、329a〜329i...形成部分、350...接合領域、350c...重心、360h、390、390a...基部、CL...中心軸(軸線)、G...最短距離、g1xA...第1特定領域、g2xA...第2特定領域、GD...ガス方向、M...外径、H...距離、g1、g1x、g1a〜g1j...第1間隙、g2、g2x、g1a〜g2i...第2間隙、g1A、g1xA、g1cA、g2A、g2xA...特定間隙領域、g1m、g1am...第1中心位置、g2m、g2am...第2中心位置、p1〜p4、p1x〜p4x...角度、A1、A2...風下領域、D1〜D4、D1x〜D4x...方向、L1〜L4、L1x〜L4x...長さ、Da...接合径方向、Df...先端方向、Dfr...後端方向、DL...左方向、DR...右方向、GS...ガス、

Claims (9)

  1. 軸線の方向に沿って貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、前記軸孔の先端側に配置される中心電極と、前記絶縁体の径方向の周囲に配置される主体金具と、前記主体金具に接合され前記中心電極との間で間隙を形成する接地電極と、を有するスパークプラグであって、
    前記中心電極と前記接地電極との間の最短の間隙の距離を最短距離Gとし、
    前記主体金具と前記接地電極との接合領域の重心から、前記スパークプラグの前記軸線に垂直に、前記軸線へ向かう径方向を接合径方向とし、
    前記接合径方向に垂直な投影面上に前記接地電極と前記中心電極とを投影する場合の投影面を特定投影面とする場合に、
    前記接地電極のうちの前記最短距離Gの間隙を形成する部分である第1形成部分は、前記中心電極のうちの前記最短距離Gの間隙を形成する部分である第2形成部分よりも、前記軸線の方向の先端側に配置され、
    前記中心電極と前記接地電極とで形成される間隙のうち、前記G以上、かつ、G+0.1mm以下の距離の部分である特定間隙領域を前記特定投影面上に投影した場合、前記特定間隙領域における前記中心電極と前記接地電極の間の任意の直線の放電経路において、前記接地電極と重なる部分の割合が90%以下である
    スパークプラグ。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記中心電極とのうちの前記スパークプラグの前記軸線から最も遠い部分と前記軸線との間の距離は、前記主体金具の先端部分の外径の半分よりも小さい、スパークプラグ。
  3. 請求項1または2に記載のスパークプラグであって、
    前記最短距離Gは、前記中心電極のうち前記絶縁体の前記軸孔の外に露出している部分と前記主体金具との間の最短距離よりも短い、スパークプラグ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記中心電極とは、第1間隙と第2間隙とを形成し、
    前記第1間隙の距離は、前記最短距離Gであり、
    前記接地電極は、
    前記第1間隙を形成する前記第1形成部分を含む第1端部を有し、前記特定投影面において前記軸線に対する平行成分と前記軸線に対する垂直成分とを有する第1方向に延びる第1突出部と、
    前記第2間隙を形成する第2端部を有し、前記特定投影面において前記第1方向の前記垂直成分に反対の方向の垂直成分と前記軸線に対する平行成分とを有する第2方向に延びる第2突出部と、
    を含む、
    スパークプラグ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記中心電極とは、第1間隙と第2間隙とを形成し、
    前記第1間隙の距離は、前記最短距離Gであり、
    前記中心電極は、
    前記第1間隙を形成する前記第2形成部分を含む第3端部を有し、前記特定投影面において前記軸線に対する平行成分と前記軸線に対する垂直成分とを有する第3方向に延びる第3突出部と、
    前記第2間隙を形成する第4端部を有し、前記特定投影面において前記第3方向の前記垂直成分に反対の方向の垂直成分と前記軸線に対する平行成分とを有する第4方向に延びる第4突出部と、
    を含む、スパークプラグ。
  6. 請求項4に従属する請求項5に記載のスパークプラグであって、
    下記AからFに記載の少なくとも1つの要素において、2個のパラメータが互いに異なっている、スパークプラグ。
    A)前記第1突出部の長さと、前記第2突出部の長さ
    B)前記特定投影面上における、前記軸線と前記第1方向との間の角度と、前記軸線と前記第2方向との間の角度
    C)前記第1端部と前記軸線との間の距離と、前記第2端部と前記軸線との間の距離
    D)前記第3突出部の長さと、前記第4突出部の長さ
    E)前記特定投影面上における、前記軸線と前記第3方向との間の角度と、前記軸線と前記第4方向との間の角度
    F)前記第3端部と前記軸線との間の距離と、前記第4端部と前記軸線との間の距離
  7. 請求項4から6のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
    前記第1間隙の中心位置と前記第2間隙の中心位置との間で、前記軸線の方向の位置が互いに異なっている、スパークプラグ。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
    前記接地電極の前記第1形成部分と、前記中心電極の前記第2形成部分と、の少なくとも一方は、前記軸線よりも、前記接合径方向側に配置されている、スパークプラグ。
  9. 請求項4から8のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
    前記第1間隙の中心位置と前記第2間隙の中心位置との間で、前記接合径方向の位置が互いに異なっている、スパークプラグ。
JP2014104937A 2014-05-21 2014-05-21 スパークプラグ Active JP6143710B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014104937A JP6143710B2 (ja) 2014-05-21 2014-05-21 スパークプラグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014104937A JP6143710B2 (ja) 2014-05-21 2014-05-21 スパークプラグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015220193A JP2015220193A (ja) 2015-12-07
JP6143710B2 true JP6143710B2 (ja) 2017-06-07

Family

ID=54779393

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014104937A Active JP6143710B2 (ja) 2014-05-21 2014-05-21 スパークプラグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6143710B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5477838A (en) * 1977-12-02 1979-06-21 Sakai Teizou Ignition plug
JPH01264187A (ja) * 1988-04-12 1989-10-20 Ryohei Kashiwabara 点火栓の速燃焼装置
JP3849159B2 (ja) * 1995-09-22 2006-11-22 保 仲野 スパークプラグ
JP2000252039A (ja) * 1999-02-26 2000-09-14 Ngk Spark Plug Co Ltd 内燃機関用スパークプラグ
DE50300292D1 (de) * 2002-07-22 2005-03-10 Jenbacher Ag Jenbach Zündkerze
JP5321431B2 (ja) * 2009-12-03 2013-10-23 株式会社デンソー 筒内噴射式内燃機関
JP5451510B2 (ja) * 2010-04-28 2014-03-26 株式会社日本自動車部品総合研究所 内燃機関用のスパークプラグ
JP5667936B2 (ja) * 2011-07-01 2015-02-12 株式会社日本自動車部品総合研究所 内燃機関用のスパークプラグ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015220193A (ja) 2015-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6750598B2 (en) Spark plug
JP5166277B2 (ja) 点火プラグ
US9929539B2 (en) Prechamber spark plug
US7183702B2 (en) Spark plug with high insulation properties and high capability to ignite air-fuel mixture
US8987981B2 (en) Spark plug
JP6254969B2 (ja) スパークプラグ
US10734791B2 (en) Pre-chamber spark plug with surface discharge spark gap
JPS5936390B2 (ja) 内燃機関用スパ−クプラグ
JP2017157451A (ja) 点火プラグ
JP6143710B2 (ja) スパークプラグ
JP2010118236A (ja) 内燃機関の点火プラグ
JP2013073709A (ja) 点火プラグ
JP2017182995A (ja) 内燃機関用の点火プラグ及びその製造方法
JP2015185285A (ja) スパークプラグ、および、点火システム
WO2018070129A1 (ja) スパークプラグ及びその製造方法
JP2014107128A (ja) スパークプラグ
JP2008218204A (ja) 多点点火プラグ
JP5982425B2 (ja) スパークプラグ
US20140361676A1 (en) Spark plug
US9935429B2 (en) Ignition control system
JP6661243B2 (ja) 点火プラグ
JP4532009B2 (ja) スパークプラグ
JP2019102368A (ja) 点火プラグ
JPS60232679A (ja) スパ−クプラグ
JP6632577B2 (ja) 点火プラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6143710

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250