JP5667936B2 - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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本発明は、自動車のエンジン等に用いる内燃機関用のスパークプラグに関する。
自動車のエンジン等の内燃機関における着火手段として用いられるスパークプラグとして、軸方向に中心電極と接地電極とを対向させて火花放電ギャップを形成したものがある。かかるスパークプラグは、火花放電ギャップに放電を生じさせ、この放電により、燃焼室内の混合気に着火している。
ここで、燃焼室内においては、例えばスワール流やタンブル流といった混合気の気流が形成されており、この気流が火花放電ギャップにおいても適度に流れることにより、着火性を確保することができる。
ところが、内燃機関へのスパークプラグの取付姿勢によっては、ハウジングの先端部に接合された接地電極の一部が、気流における火花放電ギャップの上流側に配置されることがある。この場合、燃焼室内の気流が接地電極によって遮られ、火花放電ギャップ付近の気流が停滞するおそれがある。その結果、スパークプラグの着火性が低下するおそれがある。すなわち、内燃機関への取付姿勢によって、スパークプラグの着火性がばらつくという問題が生じるおそれがある。特に近年、希薄燃焼による内燃機関が多く用いられているが、このような内燃機関においては、スパークプラグの取付姿勢によって、燃焼安定性が低下するおそれがある。
また、内燃機関へのスパークプラグの取付姿勢、すなわち周方向についての接地電極の位置を制御することは困難である。これは、ハウジングにおける取付用ネジの形成状態や内燃機関への取り付け作業時におけるスパークプラグの締付度合い等によって、取付姿勢が変化してしまうからである。
そこで、接地電極による気流の阻害を抑制するために、接地電極に穴開け加工を施した構成や、複数の薄い板状部材によって接地電極をハウジングに接合した構成が開示されている(特許文献1)。
特開平9−148045号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の「接地電極に穴開け加工を施した構成」では、接地電極の強度低下を招くおそれがある。また、それを防ぐために接地電極を太く形成すれば、結局、混合気の気流を妨げやすくなる。
また、同じく特許文献1に記載の「複数の薄い板状部材によって接地電極をハウジングに接合した構成」では、接地電極の形状が複雑になり、製造工数も増加し、製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、内燃機関に対する取付姿勢に関わらず安定した着火性を確保することができる簡易な構成の内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状のハウジングと、該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子と、先端部が突出するように上記絶縁碍子の内側に保持された中心電極と、上記ハウジングに接続されると共に上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグであって、
上記接地電極は、上記ハウジングの先端面から先端側へ立設する立設部と、該立設部の先端から屈曲して、上記中心電極の先端部に対してプラグ軸方向に対向する対向面を備えた対向部とを有してなり、
上記立設部は、基端が上記ハウジングの上記先端面に接続するようにプラグ軸方向に立設した立設根元側部と、先端が上記対向部に接続するようにプラグ軸方向に立設した立設先端側部と、上記立設根元側部の先端と上記立設先端側部の基端とを連結する連結部とからなり、
上記立設根元側部と上記立設先端側部とは、互いにプラグ周方向にオフセットして配置されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項1)。
上記スパークプラグは、上記立設部が、上記立設根元側部と上記立設先端側部と上記連結部とから構成されていると共に、上記立設根元側部と上記立設先端側部とは、互いにプラグ周方向にオフセットして配置されている。これにより、上記スパークプラグが内燃機関に対してどのような姿勢で取付けられても、上記立設部の立設方向の全領域が、気流における火花放電ギャップの上流側に位置することを防ぐことができる。つまり、例えば、上記立設根元側部が上流側に配置された場合では、上記立設先端側部が上記立設根元側部とずれて位置されることになる。そのため、上記立設根元側部よりも先端側から、火花放電ギャップへ気流が侵入することができる。また、上記立設先端側部が上流側に配置された場合では、上記立設根元側部が上記立設先端側部とずれて位置されることになる。そのため、上記立設先端側部よりも基端側から火花放電ギャップへ気流が侵入することができる。
また、上記構成は、上記立設部を、上記立設先端側部と上記立設根元側部とがプラグ周方向にオフセットした簡易な構成とすることによって実現される。そのため、上記立設部によって火花放電ギャップへ向かう燃焼室内の気流が遮られることを防ぐことができ、火花放電ギャップ付近の気流の停滞を防ぐことができる。その結果、上記スパークプラグの安定した着火性を確保することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、内燃機関に対する取付姿勢に関わらず安定した着火性を確保することができる簡易な構成の内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
実施例1における、スパークプラグの先端部の斜視図。 図1のA方向から見たスパークプラグの先端部の側面図。 実施例1における、立設根元側部を気流の上流側に取り付けた場合のプラグ軸方向先端側から見た平面図。 図3のB−B線矢視部分断面図。 実施例1における、立設先端側部を気流の上流側に取り付けた場合のプラグ軸方向先端側から見た平面図。 図5のC−C線矢視部分断面図。 実施例2における、スパークプラグの先端部の図2に相当する側面図。 比較例1における、スパークプラグの先端部の斜視図。 比較例1における、(A)上流側に接地電極の立設部が配されたときの放電の説明図、(B)気流と直交する位置に接地電極の立設部が配されたときの放電の説明図、(C)下流側に接地電極の立設部が配されたときの放電の説明図。 比較例1における、放電長さの比較グラフ。 比較例1における、放電長さとA/F限界との関係を示す線図。 実験例1における、流速14m/sのときのスパークプラグの取付姿勢とA/F限界との関係を示す線図。 (a)比較例1における、立設部を気流の上流側に取り付けた場合、図4に相当する側面図、(b)(a)のI−I線矢視断面図。 実験例2における、オフセット量とA/F限界との関係を示す線図。
上記内燃機関用のスパークプラグにおいて、燃焼室へ挿入される側を先端側、その反対側を基端側とする。
また、上記連結部は、プラグ軸方向に対して直交するように形成されてもよいし、プラグ軸方向に対して傾斜するように形成されてもよい。
また、上記対向部の上記対向面は、上記立設根元側部の先端よりも先端側に配置されてもよいし、例えば、上記対向部の上記対向面を、上記立設根元側部の先端よりも基端側、あるいは上記立設根元側部の先端に対してプラグ軸方向の同等の位置に配置するように形成してもよい。
また、上記立設先端側部は、該立設先端側部の中心軸が上記立設根元側部の中心軸に対して、上記立設根元側部のプラグ周方向の幅の0.5倍以上オフセットするように配置していることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記立設部によって、気流が遮られることを効果的に防ぐことができ、火花放電ギャップ付近の気流の停滞を確実に防ぐことができる。
また、上記対向部の上記対向面は、上記立設根元側部の先端に対して、プラグ軸方向の同等の位置もしくは先端側に配置していることが好ましい(請求項3)。この場合には、上記立設根元側部の先端側からの火花放電ギャップへの気流の侵入を効果的に行うことができ、火花放電ギャップ付近の気流の停滞を確実に防ぐことができる。
また、上記対向部の上記対向面は、上記立設根元側部の先端よりも先端側に配置していることが好ましい(請求項4)。この場合には、上記立設根元側部の先端側からの火花放電ギャップへの気流の侵入をより効果的に行うことができ、火花放電ギャップ付近の気流の停滞をより確実に防ぐことができる。
(実施例1)
内燃機関用のスパークプラグにつき、図1〜図6を用いて説明する。
本例のスパークプラグ1は、図1、図2に示すごとく、筒状のハウジング2と、ハウジング2の内側に保持された筒状の絶縁碍子3と、先端部41が突出するように絶縁碍子3の内側に保持された中心電極4と、ハウジング2に接続されると共に中心電極4との間に火花放電ギャップGを形成する接地電極5とを有する。
接地電極5は、ハウジング2の先端面21から先端側へ立設する立設部51と、立設部51の先端から屈曲して、中心電極4の先端部41に対してプラグ軸方向に対向する対向面520を備えた対向部52とを有している。
また、立設部51は、基端がハウジング2の先端面21に接続するようにプラグ軸方向に立設した立設根元側部511と、先端が対向部52に接続するようにプラグ軸方向に立設した立設先端側部512と、立設根元側部511の先端と立設先端側部512の基端とを連結する連結部513とから構成されている。
また、立設根元側部511と立設先端側部512とは、互いにプラグ周方向にオフセットして配置されている。
具体的には、立設先端側部512は、立設先端側部512の中心軸Eが立設根元側部511の中心軸Fに対して、立設根元側部511のプラグ周方向の幅W1の0.5倍以上オフセットするように配置されている。
また、立設根元側部511と、立設先端側部512とは、それぞれの軸方向に直交する断面形状が同等になるように形成されている。
また、立設根元側部511の先端面と、立設先端側部512の基端面は、軸方向に直交するように形成されている。そして、連結部513は、プラグ軸方向に対して直交するように形成されている。
また、対向部52は、プラグ軸方向に対して直交するように形成されている。
また、対向部52の対向面520は、立設根元側部511の先端よりも先端側に配置されている。
また、立設先端側部512の基端面とハウジング2の先端面21との間には、隙間部510が形成されている。
また、ハウジング2の直径は10.2mm、ハウジング2の先端部における肉厚は1.4mmである。また、図1に示すごとく、立設根元側部511及び立設先端側部512の幅W1、W2は2.6mm、厚みは1.3mmである。また、連結部513の幅W3は1.3mm、厚みは1.3mmである。
また、図2に示すごとく、ハウジング2の先端面21と立設根元側部511の上端面との間のプラグ軸方向の高さH1は、ハウジング2の先端面21と対向部52の対向面520とのプラグ軸方向の高さH2より低い。
また、中心電極4の先端部41は、絶縁碍子3の先端から軸方向に1.5mm突出している。そして、火花放電ギャップGは1.1mmである。
また、中心電極4の先端部41はイリジウム合金からなる貴金属チップによって構成されている。また、ハウジング2及び接地電極5はニッケル合金からなる。
なお、本例のスパークプラグ1は、自動車等の車両用の内燃機関に用いられる。
次に、本例の作用効果につき、図1〜図6を用いて説明する。
上記スパークプラグ1は、立設部51が、立設根元側部511と立設先端側部512と連結部513とから構成されていると共に、立設根元側部511と立設先端側部512とは、互いにプラグ周方向にオフセットして配置されている。これにより、スパークプラグ1が内燃機関に対してどのような姿勢で取付けられても、立設部51の立設方向の全領域が、気流Fにおける火花放電ギャップGの上流側に位置することを防ぐことができる。
つまり、例えば、図3、図4に示すごとく、立設根元側部511が、気流Fにおける火花放電ギャップGの上流側に位置するように配置した場合、同図に示すごとく、立設先端側部512が立設根元側部511とずれて位置されることになる。そのため、立設根元側部511よりも先端側から、火花放電ギャップGへ気流Fが侵入することができる。すなわち、火花放電ギャップG付近の気流Fが、接地電極5の立設部51によって遮られて停滞することがない。なお、図4の符号Zで示す領域は、気流Fのよどみが生じる領域を示す。
また、火花放電ギャップGを気流Fが流れることにより放電Sが引き伸ばされる。この放電Sの引き伸ばしも着火性向上の要因となると考えられる。
また、図5、図6に示すごとく、立設先端側部512が気流Fにおける火花放電ギャップGの上流側に位置した場合、同図に示すごとく、立設根元側部511が立設先端側部512とずれて位置されることになる。そのため、立設先端側部512よりも基端側、すなわち、立設先端側部512とハウジング2の先端面21との間(隙間部510)から火花放電ギャップGへ気流Fが侵入することができる。すなわち、火花放電ギャップG付近の気流Fが、接地電極5の立設部51によって遮られて停滞することがない。なお、図6の符号Zで示す領域は、気流Fのよどみが生じる領域を示す。
また、火花放電ギャップGを気流Fが流れることにより放電Sが引き伸ばされる。この放電Sの引き伸ばしも着火性向上の要因となると考えられる。
また、上記構成は、立設部51を、立設先端側部512と立設根元側部511とがプラグ周方向にオフセットした簡易な構成とすることによって実現される。そのため、立設部51によって、火花放電ギャップGへ向かう燃焼室内の気流Fが遮られることを防ぐことができ、火花放電ギャップG付近の気流Fの停滞を防ぐことができる。その結果、スパークプラグ1の安定した着火性を確保することができる。
また、図1に示すごとく、立設先端側部512は、立設先端側部512の中心軸Eが立設根元側部511の中心軸Fに対して、立設根元側部511のプラグ周方向の幅W1の0.5倍以上オフセットするように配置されている。これにより、立設部51によって、気流Fが遮られることを効果的に防ぐことができ、火花放電ギャップG付近の気流Fの停滞を確実に防ぐことができる。
また、本例では、図2に示すごとく、対向部52の対向面520は、立設根元側部511の先端よりも先端側に配置されている。これにより、立設根元側部511の先端側からの火花放電ギャップGへの気流Fの侵入を効果的に行うことができ、火花放電ギャップG付近の気流Fの停滞をより確実に防ぐことができる。
また、本例では、対向部52の対向面520は、立設根元側部511の先端よりも先端側に配置されているがこれに限定されるものではなく、例えば、対向面520を立設根元側部511の先端に対して、プラグ軸方向の同等の位置もしくは先端側に配置しても構わない。これにより、立設根元側部511の先端側からの火花放電ギャップGへの気流Fの侵入を効果的に行うことができ、火花放電ギャップG付近の気流Fの停滞を確実に防ぐことができる。
以上のごとく、本例によれば、内燃機関に対する取付姿勢に関わらず安定した着火性を確保することができる簡易な構成の内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図7に示すごとく、接地電極5の立設部51における連結部513をプラグ軸方向に対して傾斜するように形成した例である。
本例の連結部513は、立設根元側部511の先端と立設先端側部512の基端とを連結すると共に、プラグ軸方向に対して傾斜するように形成されている。
また、図7に示すごとく、連結部513は、立設先端側部512との接合部が、立設根元側部511との接合部よりも、プラグ軸方向においてハウジング2から遠い位置に配置されるように傾斜している。
その他は、実施例1と同様である。本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(比較例1)
本例は、図8〜図11に示すごとく、接地電極95が、立設部951と対向部952とから構成される通常のスパークプラグ9の例である。
図8に示すごとく、接地電極95は、ハウジング92の先端面921から先端側に立設する立設部951と、立設部951の先端から屈曲して、中心電極94の先端部941に対してプラグ軸方向に対向する対向面953を備えた対向部952とを有している。
つまり、立設部951は、実施例1、実施例2のように、連結部513によって連結された立設根元側部511と立設先端側部512とが互いに周方向にオフセット配置されるような構成(図1、図7参照)を有しない。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、スパークプラグ9を内燃機関に取り付けて使用する際に、図9(A)〜(C)に示すごとく、スパークプラグ9の取付け向きによって、火花放電ギャップGにおける放電Sの放電長さLが大きく変化してしまう。これは、燃焼室における気流Fの方向との関係による。
つまり、図9(A)に示すごとく、接地電極95の立設部951が火花放電ギャップGの上流側に配置されるようにスパークプラグ9が内燃機関に取り付けられた場合には、放電長さLが極めて小さくなる。
一方、図9(B)に示すごとく、火花放電ギャップGに対する接地電極95の立設部951の位置が気流Fの方向に直交する位置に配置されるようにスパークプラグ9が内燃機関に取り付けられた場合には、放電長さLが極めて大きくなる。
また、図9(C)に示すごとく、接地電極95の立設部951が火花放電ギャップGの下流側に配置されるようにスパークプラグ9が内燃機関に取り付けられた場合には、放電長さLは、ある程度大きくなるが、上記図9(B)に示す場合に比べて小さくなる。
なお、ここで、放電長さLとは、スパークプラグの軸方向に対して直交する方向の放電の長さをいうものとする。
上記放電長さLは、気流Fの流速を15m/sとして、火花放電ギャップGに生じた放電Sの放電長さLを測定することにより得られた知見であり、具体的には、図10に示すごとく、それぞれのスパークプラグ9の取付姿勢に応じて放電長さLに大きな差が生じていた。
図10におけるA、B、Cは、それぞれ図9(A)、(B)、(C)に示す取付姿勢におけるデータを表す。
また、放電長さLとスパークプラグ9の着火性能との関係についても、図11に示すごとく、放電長さLが長いほど、着火性能が向上することが確認されている。ここで、着火性能は、A/F限界、すなわち、混合気に着火することができる空燃比の限界値によって評価したものであり、A/F限界が高いほど(混合気が希薄であるほど)着火性能が高いこととなる。
図10、図11から分かるように、比較例1のスパークプラグ9は、内燃機関への取付姿勢によって、着火性能が大きく変動してしまう。
(実験例1)
本例は、図12、図13に示すごとく、実施例1のスパークプラグ1と、比較例1のスパークプラグ9とを用いて、それぞれのA/F限界が、気流Fに対する接地電極5、95における立設先端側部512、立設部951の配置位置によってどのように変化するかを調べた例である。
具体的には、実施例1のスパークプラグ1を軸方向先端側から見たときに、気流Fの上流方向が、火花放電ギャップGに対する接地電極5の立設先端側部512の配置位置となす角度αを、0°〜330°まで、30°おきに変化させ、それぞれの状態で、A/F限界を測定した。つまり、角度αが0°のときは、接地電極5の立設先端側部512が火花放電ギャップGの上流側に配置され、角度αが180°のときは、接地電極5の立設先端側部512が、火花放電ギャップGの下流側に配置されていることになる。また、比較例1のスパークプラグ9についても上記と同様の測定を行った。
実施例1のスパークプラグ1と比較例1のスパークプラグ9のそれぞれについて、上記のように気流Fの上流方向を変化させつつ、気流Fの流速を14m/sとして、それぞれA/F限界を測定した。
その結果を、図12に示す。同図において、符号J1を付した一点差線で示す折れ線が比較例1のスパークプラグ9の測定結果であり、符号J2を付した実線で示す折れ線が実施例1のスパークプラグ1の測定結果である。
また、折れ線グラフJ1、J2では、破線で示す同心円の中心(原点)より外側に向かうほど、A/F限界が高いことを意味する。すなわち、図中に示すグラフにおけるA/F限界の値は、破線で示される同心円の中心(原点)が24であり、最も外側の円が26である。また、その間に等間隔に存在する複数の同心円は、内側からそれぞれA/F限界の値が24.4、24.8、25.2、25.6であることを表す目盛である。
図12に示すごとく、比較例1のスパークプラグ9におけるA/F限界を示す折れ線グラフJ1は、いびつな形状となっている。これは、比較例1のスパークプラグ9のA/F限界つまり着火性が、気流Fの上流方向、換言すれば、スパークプラグ9の内燃機関への取付姿勢によって大きく変動することを意味する。また特に、角度αが0°となる部分においては、A/F限界が極めて低くなっていることが分かる。つまり、接地電極95の立設部951が火花放電ギャップGに対して気流Fの上流側に配置されたときに、A/F限界が極端に低下し、着火性能が大きく低下するおそれがあることが分かる。
これは、図13(a)、(b)に示すごとく、スパークプラグ9における立設部951が、気流Fにおける火花放電ギャップGの上流側に配置された場合、立設部951の全領域によって、気流Fが遮られ、火花放電ギャップG付近の気流Fが停滞してしまうことに起因すると考えられる。より具体的には、同図の符号Zで示す領域である気流Fのよどみの中に、火花放電ギャップGが入ってしまうと、放電Sが伸びにくく、充分な放電長さLが得られなくなってしまう。その結果、スパークプラグ9は、安定した着火性能を得ることが困難となる。すなわち、図12から分かるように、比較例1のスパークプラグ9は、内燃機関への取付姿勢によって、着火性能が大きく変動してしまう。
これに対して、図12に示すごとく、実施例1のスパークプラグ1におけるA/F限界を示す折れ線グラフJ2は、原点を中心とした円形に近い形状となっている。これは、スパークプラグ1は、取付姿勢に関わらず、A/F限界をある程度高く維持することができ、充分な着火性を確保することができていることを意味する。それゆえ、実施例1のスパークプラグ1は、取付姿勢に関わらず、着火性を確保することができていることが分かる。
(実験例2)
本例は、図14に示すごとく、実施例1のスパークプラグ1を用いて、上記実験例1で
得られるA/F限界が、立設部51における立設先端側部512と立設根元側部511とのオフセット量によってどのように変化するか、その関係を調べた例である。
具体的には、図1で示すごとく、立設先端側部512の中心軸Eの、立設根元側部511の中心軸Fに対するオフセット量W4につき、立設根元側部511のプラグ周方向の幅W1の0〜2.0倍まで、0.5倍おきに変化させ、それぞれの状態で、A/F限界を測定した。かかる測定は、実験例1の上記折れ線グラフJ2のうちA/F限界が最も低い、角度αが0°となる部分、すなわち、接地電極5の立設部51における立設先端側部512を気流Fの上流側に配置した状態で測定した。
その結果を図14に示す。
図14における横軸は、上記W4の上記W1に対する比率を示す。また、縦軸はA/F限界の高低を示し、上方に位置するほどA/F限界が高く、下方に位置するほどA/F限界が低いことを示す。すなわち、図中に示すグラフにおけるA/F限界の値は、原点が24であり、最も上方の目盛が26である。また、その間に等間隔に存在する複数の目盛は、下方からそれぞれA/F限界の値が24.4、24.8、25.2、25.6であることを表す目盛である。
また、図中の、符号K1を付した線グラフは、上述した本例の測定結果、すなわち、上記W4の上記W1に対する比率を0〜2.0倍まで、0.5倍おきに変化させたときの、それぞれのA/F限界を示す。また、符号K2を付した線グラフは、上記実験例1で得られる実施例1のスパークプラグ1のA/F限界のうち、最も高かった条件にて角度αを設定(つまりα=150°に設定)したときのA/F限界を示す。
図14に示すごとく、上記グラフK1は、上記W4の上記W1に対する比率を大きくするに伴って、上記グラフK2のA/F限界に近づくようにA/F限界が大きくなることが分かる。そして、上記W4の上記W1に対する比率が0.5倍以上の場合には、上記グラフK1のA/F限界が急激に向上し、さらに、上記W4の上記W1に対する比率が1.0倍以上の場合には、上記グラフK1のA/F限界が上記グラフK2のA/F限界に近づくようになっている。
これは、スパークプラグ1は、立設先端側部512の中心軸Eの、立設根元側部511の中心軸Fに対するオフセット量W4を、立設根元側部511のプラグ周方向の幅W1の0.5倍以上とすれば、取付姿勢に依存しにくい安定した着火性を得ることができることを意味する。さらに、上記オフセット量W4を、立設根元側部511のプラグ周方向の幅W1の1.0倍以上とすることにより、一層安定した着火性を確保することができることが分かる。
1 スパークプラグ
2 ハウジング
21 先端面
3 絶縁碍子
4 中心電極
5 接地電極
51 立設部
511 立設根元側部
512 立設先端側部
513 連結部
52 対向部
520 対向面

Claims (4)

  1. 筒状のハウジングと、該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子と、先端部が突出するように上記絶縁碍子の内側に保持された中心電極と、上記ハウジングに接続されると共に上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグであって、
    上記接地電極は、上記ハウジングの先端面から先端側へ立設する立設部と、該立設部の先端から屈曲して、上記中心電極の先端部に対してプラグ軸方向に対向する対向面を備えた対向部とを有してなり、
    上記立設部は、基端が上記ハウジングの上記先端面に接続するようにプラグ軸方向に立設した立設根元側部と、先端が上記対向部に接続するようにプラグ軸方向に立設した立設先端側部と、上記立設根元側部の先端と上記立設先端側部の基端とを連結する連結部とからなり、
    上記立設根元側部と上記立設先端側部とは、互いにプラグ周方向にオフセットして配置されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記立設先端側部は、該立設先端側部の中心軸が上記立設根元側部の中心軸に対して、上記立設根元側部のプラグ周方向の幅の0.5倍以上オフセットするように配置していることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記対向部の上記対向面は、上記立設根元側部の先端に対して、プラグ軸方向の同等の位置もしくは先端側に配置していることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 請求項3に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記対向部の上記対向面は、上記立設根元側部の先端よりも先端側に配置していることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
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