JP5593236B2 - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のエンジン等の内燃機関における着火手段として用いられる内燃機関用のスパークプラグに関する。
内燃機関用のスパークプラグとしては、例えば、外周に取付用ネジ部を設けたハウジングと、該ハウジングの内側に保持される絶縁碍子と、該絶縁碍子の内側に保持される中心電極と、該中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えたものが知られている。そして、接地電極は、ハウジングの先端面から中心電極に沿って延び、途中で内側に折り曲げられ、中心電極の先端部に対向する位置へと形成されている。
ところで、スパークプラグは、内燃機関の燃焼室の壁部に設けられたネジ孔に取付用ネジ部を螺合させて装着されている。このとき、取付用ネジ部は、ネジ孔に対して十分な締結力が得られるまで回転されることとなり、取り付け後における接地電極の向きは、個々のスパークプラグによって異なる。そして、スパークプラグの装着姿勢によって接地電極が燃焼室内の混合気流に影響を与えることがある。
例えば、接地電極が中心電極よりも混合気流の上流側(以下、適宜、単に上流側という)に位置するように、スパークプラグが燃焼室の壁部に装着された場合には、接地電極によって混合気の流れが妨げられて火花放電の流れが弱められ、火炎が成長し難くなって着火性が低下することがある。
また、接地電極が中心電極より混合気流の下流側(以下、適宜、単に下流側という)に位置するように、スパークプラグが燃焼室の壁部に装着された場合には、接地電極がガイドになって混合気がハウジング内に流れ込み、それに伴って火炎もハウジング内に流れ込んで消失する等して着火性が低下することがある。
そこで、従来から、内燃機関用のスパークプラグにおいては、接地電極による混合気流への阻害を防止するために、様々な接地電極の形状が提案されている。
例えば、特許文献1には、接地電極にスロット状の穴を設けたり、接地電極を分割して枝分かれさせたりすることにより、混合気流をスムーズにする構造が提案されている。
また、特許文献2には、接地電極に貫通孔を設け、その貫通孔が中心電極に向かって縮径しており、混合気が貫通孔を通って火花放電ギャップに効率よく流れ込むようにする構造が提案されている。
特開平9−148045号公報 特開2006−286402号公報
しかしながら、上記特許文献1、2のように、接地電極に穴(孔)を設けた構造や接地電極を分割して枝分かれさせた構造では、接地電極自体の強度が低下してしまう。また、接地電極の耐熱強度が低下し、溶損・脱落が生じるおそれもある。そのため、耐久性を十分に確保することができなかった。
また、上記特許文献1、2の構造であっても、接地電極が中心電極よりも上流側及び下流側に位置する場合は存在する。すなわち、接地電極における穴(孔)の開いていない部分や分割して枝分かれした接地電極が中心電極よりも上流側及び下流側に位置する場合があり、接地電極によって混合気流が阻害される問題点を根本的に解消することはできなかった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、接地電極による混合気流への影響を抑制し、安定した着火性を得ることができる内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、外周に取付用ネジ部を設けたハウジングと、該ハウジングの内側に保持される絶縁碍子と、該絶縁碍子の内側に保持される中心電極と、該中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
上記接地電極は、上記ハウジングの先端面に接合される接合部と、上記スパークプラグの軸方向において上記中心電極の上記先端部に対向する対向面を設けた対向部と、上記接合部と上記対向部とを繋ぐ連結部とを有し、
上記接地電極は、長手方向に直交する断面の形状が長方形状の平角棒状の金属部材を螺旋状に捻ることにより形成されており、
上記スパークプラグの上記軸方向に直交する方向のいずれの方向から見た場合であっても、上記ハウジングの上記先端面を含む平面及び上記接地電極の上記対向部の上記対向面と上記中心電極の中心軸との交点を両端とする中心軸線分は、上記接地電極によって隠されない開放部を少なくとも一部に有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項1)。
第2の発明は、上記第1の発明の内燃機関用のスパークプラグを製造する方法であって、
上記接地電極を形成するに当たっては、直線状の金属部材を上記ハウジングの先端面に対して斜めに接合する接合工程と、
上記金属部材の先端部が上記スパークプラグの上記軸方向において上記中心電極の上記先端部に対向するように、上記金属部材を折り曲げる曲げ工程とを行うことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法にある(請求項9)。
上記第1の発明のスパークプラグにおいて、上記接地電極は、上記接合部と上記対向部とを上記連結部によって繋いで形成されている。そして、中心電極の中心軸における上記中心軸線分は、上記スパークプラグの軸方向に直交する方向(径方向)のいずれの方向から見た場合であっても、接地電極によって隠されない開放部を少なくとも一部に有する。すなわち、上記スパークプラグは、径方向のいずれの方向から見た場合であっても、上記中心軸線分のすべてが接地電極によって覆われることなく、その少なくとも一部が見えるよう(少なくとも開放部を有するよう)になっている。
そのため、上記スパークプラグが内燃機関の燃焼室に装着されたとき、中心電極の中心軸に対する接地電極の位置がどのような位置となっても、混合気が接地電極によって大きく妨げられることがなくなる。また、混合気が中心電極の中心軸に向かって直線的に流れることのできる空間(以下、流通空間という)が必ず存在することになるため、混合気を火花放電ギャップに対して常にスムーズに流れ込ませ、接地電極によって混合気の流れが極端に遅くなることを防止することができる。
これにより、上記スパークプラグがどのような姿勢で内燃機関の燃焼室に装着されても、混合気の流れをばらつきなく、より均一化することができる。その結果、接地電極による混合気流への影響を極力抑えることができ、上記スパークプラグの装着姿勢にかかわらず、安定した着火性を確実に得ることができる。
また、上記第2の発明のスパークプラグの製造方法は、上記接合工程において、直線状の金属部材をハウジングの先端面に対して斜めに接合し、上記曲げ工程において、金属部材の先端部が所定の位置となるように金属部材を折り曲げ、接地電極を形成する。これにより、上記中心軸線分における上記開放部が十分に確保されるように接地電極を形成することが容易となる。また、接地電極全体の長さを短く設定することができるという効果も得られる。
このように、上記第1及び第2の発明によれば、接地電極による混合気流への影響を抑制し、安定した着火性を得ることができる内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法を提供することができる。
実施例1における、スパークプラグの全体構造を示す説明図。 実施例1における、スパークプラグの先端部を示す斜視図。 実施例1における、スパークプラグを軸方向先端側から見た図。 実施例1における、スパークプラグを図3の径方向P1から見た図。 実施例1における、スパークプラグを図3の径方向P2から見た図。 実施例1における、スパークプラグを図3の径方向P3から見た図。 実施例1における、スパークプラグを図3の径方向P4から見た図。 実施例1における、スパークプラグを図3の径方向P5から見た図。 実施例1における、接地電極となる金属部材をハウジングの先端面に対して接合した状態を示す説明図。 実施例1における、別例のスパークプラグを軸方向先端側から見た図。 実施例1における、別例のスパークプラグを図10の径方向P6から見た図。 実施例1における、別例のスパークプラグを図10の径方向P7から見た図。 実施例2における、スパークプラグの先端部の構造を示す説明図。 実施例3における、スパークプラグの先端部を示す斜視図。 実施例4における、スパークプラグの先端部の構造を示す説明図。 実施例5、6における、本発明品E11、E21のスパークプラグの接地電極の位置を示す説明図。 実施例5、6における、本発明品E12、E22のスパークプラグの接地電極の位置を示す説明図。 実施例5、6における、本発明品E13、E23のスパークプラグの接地電極の位置を示す説明図。 実施例5、6における、比較品C11、C21のスパークプラグの接地電極の位置を示す説明図。 実施例5、6における、比較品C12、C22のスパークプラグの接地電極の位置を示す説明図。 実施例5、6における、比較品C13、C23のスパークプラグの接地電極の位置を示す説明図。 実施例5における、各試料の初期火炎面積を示す説明図。 実施例6における、各試料のリーン限界A/Fを示す説明図。
上記第1の発明において、上記スパークプラグは、例えば、自動車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等における内燃機関の着火手段として用いることができる。
また、上記スパークプラグにおいては、内燃機関の燃焼室内に挿入される側を「先端側」、その反対側を「基端側」とする。
また、上記中心軸線分の長さに対する上記開放部の長さの割合は、25%以上であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記中心軸線分における上記開放部を十分に確保することができる。これにより、上記流通空間を十分に確保することができ、混合気の流れをばらつきなく、均一化するという効果を十分に発揮することができる。
なお、上記開放部の長さとは、該開放部が複数箇所にある場合にはその各開放部の長さの合計をいう。
また、上記中心軸線分の長さに対する上記開放部の長さの割合を大きくしようとすると、該開放部を確保するために、構造上、接地電極の長さを長くする必要がある。この場合、接地電極の熱容量が増大し、耐熱性が低下するおそれがある。そのため、上記開放部の割合は、70%以下とすることが好ましい。
また、上記スパークプラグを上記軸方向に直交する平面に投影した投影平面上では、上記中心電極の上記中心軸を中心点とし、上記接地電極の上記接合部の内周面の中点を円周上の一点とする仮想円を想定した場合に、上記投影平面上における上記接地電極が占める領域内において上記中点から上記中心点までの最短経路の距離である最短経路長は、上記仮想円の半径よりも長いことが好ましい(請求項3)。
この場合には、接地電極による混合気流への影響を抑制するという効果を十分に発揮することができる。
なお、上記中点とは、上記投影平面上において、上記接地電極の上記接合部の内周面の両端から等しい距離にある点のことをいう。
また、上記最短経路長とは、上記投影平面上において、上記接地電極が占める領域内を通ることを条件とした場合の上記仮想円の上記中点から上記中心点までの最短経路の距離のことをいう。
また、上記接地電極の上記対向部の上記対向面は、上記対向部の形成方向においても、該形成方向に直交する方向においても、上記中心電極の上記中心軸に直交する平面に対する対向面傾斜角が3°以下であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、接地電極による混合気流への影響を抑制するという効果を十分に発揮することができる。
上記対向面傾斜角が3°を超える場合には、上記スパークプラグの装着姿勢によって混合気の流れにばらつきが生じ、安定した着火性を得ることができないおそれがある。
なお、上記対向部の形成方向とは、中心電極の中心軸に直交する方向において、対向部が形成されている方向をいう。また、上記対向面傾斜角が3°以下であるというのは、該対向面傾斜角が0°であることを含む。つまり、接地電極の対向部の対向面が中心電極の中心軸に対して直交する方向(中心電極の中心軸に直交する平面に対して平行)に形成されていることを含む。
また、上記対向面傾斜角が3°以下とは、接地電極の対向部の対向面が中心電極の中心軸に直交する平面に対して、中心軸の軸方向のどちら側(先端側及び基端側)においてもその傾斜角が3°以下(±3°)であることをいう。
また、上記スパークプラグを上記軸方向の先端側から見た場合に、上記接地電極における上記接合部から上記対向部までの捻り角が30°以上であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、接地電極による混合気流への影響を抑制するという効果を十分に発揮することができる。また、接地電極を例えば螺旋状(スパイラル状)に捻った形状とすることにより、接地電極の剛性を高めることができる。これにより、接地電極全体の強度を高め、耐久性を向上させることができる。そして、上記スパークプラグの耐久性、信頼性を向上させることができる。
上記捻り角が30°未満の場合には、上記中心軸線分における上記開放部を十分に確保することができないおそれがある。そして、上記流通空間を十分に確保することが困難となり、接地電極による混合気流への影響を十分に抑制することができないおそれがある。また、接地電極を例えば螺旋状(スパイラル状)に捻って剛性を高めるという効果を十分に得られないおそれがある。
なお、上記流通空間を確保するために接地電極を細くすることも考えられるが、この場合には、接地電極の強度が低下するおそれがある。
一方、上記捻り角を大きくしようとすると、該捻り角を確保するために、構造上、接地電極の長さを長くする必要がある。この場合、接地電極の熱容量が増大し、耐熱性が低下するおそれがある。そのため、上記捻り角は、90°以下とすることが好ましい。
ここで、上記捻り角とは、上記スパークプラグを軸方向から見た場合に、接地電極における接合部から対向部までを直線状に形成したときを基準とし(このときの捻り角を0°とする)、これに対して接地電極における接合部から対向部までを連結部を介してどれくらい捻って形成しているか、その捻った角度を表したものである。
また、上記接地電極は、上記スパークプラグを軸方向から見た場合に、接合部から対向部までを連結部を介して捻るようにして形成されているが、接地電極の捻りの回転方向は、どちらの方向でも構わない。すなわち、上記スパークプラグを軸方向の先端側から見た場合に、接合部から対向部にかけて右回り(時計回り)であってもよいし、左回り(反時計回り)であってもよい。
また、上記接地電極の上記接合部は、上記ハウジングの上記先端面に対して斜めに接合されていることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記中心軸線分における上記開放部を確保することが容易となる。また、接地電極全体の長さを短く設定することができる。
また、上記ハウジングの上記先端面と上記接地電極の中心軸とが成す接合傾斜角は、30〜60°であることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記中心軸線分における上記開放部を確保することが容易となるという効果及び接地電極の長さを短く設定することができるという効果を十分に得ることができる。
上記接合傾斜角が30°未満の場合には、上記中心軸線分における上記開放部を十分に確保することができないおそれがある。そして、上記流通空間を十分に確保することが困難となり、接地電極による混合気流への影響を十分に抑制することができないおそれがある。
一方、上記接合傾斜角が60°を超える場合には、接地電極の長さを短く設定することができるという効果を十分に得ることができないおそれがある。また、接地電極の長さが長くなり、該接地電極の熱容量が増大して耐熱性が低下するおそれがある。
また、上記中心電極の上記先端部には、上記接地電極の上記対向部に向かって突出してなる先端突出部が設けられていることが好ましい。
また、上記接地電極の上記対向部には、上記中心電極の上記先端部に向かって突出してなる対向突出部が設けられていることが好ましい。
いずれの場合にも、火花放電ギャップにおいて良好に放電を行うことができると共に、発生した火炎をより一層成長させることができる。
また、上記接地電極の上記対向部は、先端に近づくに従って幅狭となっていることが好ましい。
この場合には、火花放電ギャップにおいて発生した火炎をより一層成長させることができる。
また、上記絶縁碍子は、上記ハウジングの上記先端面よりも上記軸方向の先端側に突出しており、上記ハウジングと上記絶縁碍子との間には、上記軸方向の先端側に開口したポケット部が形成されており、上記ハウジングの上記先端面には、内側に行くに従って上記ポケット部の奥へ向かうように傾斜している傾斜部が形成されていることが好ましい(請求項8)。
この場合には、上記ポケット部に侵入して該ポケット部から押し出される混合気流が形成される。また、ハウジングの先端面が内側に向かって上記ポケット部の奥へ傾斜していることにより、このような混合気流の形成が促進される。そして、上記ポケット部から押し出される混合気流が形成されることにより、火花放電ギャップにおいて発生した火炎をより一層成長させることができる。特に、本発明のような接地電極による混合気流への影響を小さくした構造の場合には、上記の効果をより一層有効に発揮することができる。
上記第2の発明において、上記ハウジングの上記先端面と上記金属部材の中心軸とが成す接合傾斜角は、30〜60°であることが好ましい(請求項10)。
この場合には、上記中心軸線分における上記開放部が十分に確保されるように接地電極を形成することが容易となる。また、接地電極全体の長さを短く設定することができるという効果も得られる。
上記接合傾斜角が30°未満の場合には、上記中心軸線分における上記開放部を十分に確保することができないおそれがある。そして、上記流通空間を十分に確保することが困難となり、接地電極による混合気流への影響を十分に抑制することができないおそれがある。
一方、上記接合傾斜角が60°を超える場合には、接地電極の長さを短く設定することができるという効果を十分に得ることができないおそれがある。また、接地電極の長さが長くなり、該接地電極の熱容量が増大して耐熱性が低下するおそれがある。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法について、図を用いて説明する。
本例のスパークプラグ1は、図1〜図3に示すごとく、外周に取付用ネジ部21を設けたハウジング2と、ハウジング2の内側に保持される絶縁碍子3と、絶縁碍子3の内側に保持される中心電極4と、中心電極4の先端部40との間に火花放電ギャップGを形成する接地電極5とを備えている。
接地電極5は、ハウジング2の先端面201に接合される接合部51と、スパークプラグ1の軸方向Xにおいて中心電極4の先端部40に対向する対向面531を設けた対向部53と、接合部51と対向部53とを繋ぐ連結部52とを有する。
スパークプラグ1の軸方向Xに直交する方向(径方向Y)のいずれの方向から見た場合であっても、ハウジング2の先端面201を含む平面及び接地電極5の対向部53の対向面531と中心電極4の中心軸400との交点A1、A2を両端とする中心軸線分Aは、接地電極5によって隠されない開放部Bを少なくとも一部に有する。
以下、これを詳説する。
本例のスパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等における内燃機関(エンジン)の着火手段として用いられるものである。
図1に示すごとく、スパークプラグ1は、ハウジング2の外周に取付用ネジ部21が設けられており、内燃機関の燃焼室の壁部に設けられたネジ孔(図示略)に取付用ネジ部21を螺合させて装着される。
ハウジング2の内側には、絶縁碍子3が挿通保持されている。絶縁碍子3は、その先端部30がハウジング2の先端部20よりも突出して配置されている。ハウジング2と絶縁碍子3との間には、軸方向Xの先端側に開口したポケット部11が形成されている。
絶縁碍子3の内側には、中心電極4が保持されている。中心電極4は、その先端部40が絶縁碍子3の先端部30よりも突出して配置されている。中心電極4の先端部40には、接地電極5の対向部53に向かって突出してなる先端突出部401が設けられている。
図1〜図3に示すごとく、ハウジング2の先端面201には、接地電極5が接合されている。接地電極5は、接合部51と連結部52と対向部53とにより構成されており、全体として螺旋状(スパイラル状)に捻って形成されている。接地電極5の捻りの回転方向は、軸方向Xの先端側から見た場合に、接合部51から対向部53にかけて左回り(反時計回り)である。
接合部51は、ハウジング2の先端面201に対して斜めに接合されている。ハウジング2の先端面201と接地電極5の中心軸500とが成す接合傾斜角(スラント角)αは、45°である(図4参照)。
対向部53は、軸方向Xにおいて中心電極4の先端部40に対向するように配置されている。また、対向部53は、中心電極4の先端部40に対向する対向面531を有しており、この対向面531と中心電極4の先端部40との間に火花放電ギャップGを形成している。
連結部52は、ハウジング2の先端面201に対して接合された接合部51と、軸方向Xにおいて中心電極4の先端部40に対向する対向部53とを滑らかに繋いでいる。
また、図3に示すごとく、スパークプラグ1を軸方向Xに直交する平面に投影した投影平面上では、中心電極4の中心軸400を中心点D1とし、接地電極5の接合部51の内周面511の中点D2を円周上の一点とする仮想円Dを想定した場合に、投影平面上における接地電極5が占める領域59(図中の斜線部分)内において中点D2から中心点D1までの最短経路の距離である最短経路長Fは、仮想円Dの半径d(中点D2から中心点D1までの直線距離)よりも長い。
また、同図に示すごとく、接地電極5における接合部51から対向部53までの捻り角βが45°である。すなわち、接地電極5における接合部51から対向部53までを直線状に形成したときを基準(捻り角0°)とし、本例では、接地電極5における接合部51から対向部53までを連結部52を介して45°捻っている。
また、図4〜図8に示すごとく、径方向Yのいずれの方向から見た場合であっても、中心電極4の中心軸400における中心軸線分Aは、接地電極5によって隠されない開放部Bを少なくとも一部に有する。ここで、中心軸線分Aとは、ハウジング2の先端面201を含む平面と中心電極4の中心軸400との交点A1を一端とし、接地電極5の対向部53の対向面531と中心電極4の中心軸400との交点A2を他端とする線分のことである。
すなわち、径方向Yのいずれの方向から見た場合であっても、中心電極4の中心軸400における中心軸線分Aのすべてが接地電極5によって覆われることなく、その少なくとも一部が見えるよう(少なくとも開放部Bを有するよう)構成されている。本例では、中心軸線分Aの長さaに対する開放部Bの長さbの割合が25%以上となっている。なお、開放部Bの長さbとは、開放部Bが複数箇所にある場合にはその各開放部Bの長さの合計を表す。
次に、本例のスパークプラグ1の製造方法について簡単に説明する。
接地電極5を形成するに当たっては、まず、図9に示すごとく、直線状の金属部材50をハウジング2の先端面201に対して斜めに接合する(接合工程)。このとき、ハウジング2の先端面201と金属部材50の中心軸500とが成す接合傾斜角(スラント角)αを45°に設定した。
その後、金属部材50の先端部501が軸方向Xにおいて中心電極4の先端部40に対向するように、金属部材50を螺旋状(スパイラル状)に捻って折り曲げる(曲げ工程)。これにより、接地電極5を形成する(図4参照)。
次に、本例のスパークプラグ1における作用効果について説明する。
本例のスパークプラグ1において、接地電極5は、接合部51と対向部53とを連結部52によって繋いで形成されている。そして、中心電極4の中心軸400における中心軸線分Aは、スパークプラグ1の軸方向Xに直交する方向(径方向Y)のいずれの方向から見た場合であっても、接地電極5によって隠されない開放部Bを少なくとも一部に有する。すなわち、スパークプラグ1は、径方向Yのいずれの方向から見た場合であっても、中心軸線分Aのすべてが接地電極5によって覆われることなく、その少なくとも一部が見えるよう(少なくとも開放部Bを有するよう)になっている。
そのため、スパークプラグ1が内燃機関の燃焼室に装着されたとき、中心電極4の中心軸400に対する接地電極5の位置がどのような位置となっても、直線状に形成した場合に比べて混合気が接地電極5によって大きく妨げられることがなくなる。また、混合気が中心電極4の中心軸400に向かって直線的に流れることのできる流通空間Sが必ず存在することになるため、混合気を火花放電ギャップGに対して常にスムーズに流れ込ませ、接地電極5によって混合気の流れが極端に遅くなることを防止することができる。
これにより、スパークプラグ1がどのような姿勢で内燃機関の燃焼室に装着されても、混合気の流れをばらつきなく、より均一化することができる。その結果、接地電極5による混合気流への影響を極力抑えることができ、スパークプラグ1の装着姿勢にかかわらず、安定した着火性を確実に得ることができる。
また、本例では、中心軸線分Aの長さaに対する開放部Bの長さbの割合は、25%以上である。そのため、中心軸線分Aにおける開放部Bを十分に確保することができる。これにより、流通空間Sを十分に確保することができ、混合気の流れをばらつきなく、均一化するという効果を十分に発揮することができる。
また、図3に示すごとく、スパークプラグ1を軸方向Xに直交する平面に投影した投影平面上では、中心電極4の中心軸400を中心点D1とし、接地電極5の接合部51の内周面511の中点D2を円周上の一点とする仮想円Dを想定した場合に、投影平面上における接地電極5が占める領域59内において仮想円Dの中点D2から中心点D1までの最短経路の距離である最短経路長Fは、仮想円Dの半径dよりも長い。そのため、接地電極5による混合気流への影響を抑制するという効果を十分に発揮することができる。
また、図3に示すごとく、スパークプラグ1を軸方向Xの先端側から見た場合に、接地電極5における接合部51から対向部53までの捻り角βが30°以上である。そのため、接地電極5による混合気流への影響を抑制するという効果を十分に発揮することができる。また、接地電極5を螺旋状(スパイラル状)に捻った形状とすることにより、接地電極5の剛性を高めることができる。これにより、接地電極5全体の強度を高め、耐久性を向上させることができる。そして、スパークプラグ1の耐久性、信頼性を向上させることができる。
また、図4に示すごとく、接地電極5の接合部51は、ハウジング2の先端面201に対して斜めに接合されている。また、ハウジング2の先端面201と接地電極5の中心軸500とが成す接合傾斜角αは、30〜60°の範囲内である。そのため、中心軸線分Aにおける開放部Bを確保することが容易となるという効果及び接地電極5の長さを短く設定することができるという効果を十分に得ることができる。
また、中心電極4の先端部40には、接地電極5の対向部53に向かって突出してなる先端突出部401が設けられている。そのため、火花放電ギャップGにおいて良好に放電を行うことができると共に、発生した火炎をより一層成長させることができる。
このように、本例によれば、接地電極5による混合気流への影響を抑制し、安定した着火性を得ることができる内燃機関用のスパークプラグ1及びその製造方法を提供することができる。
また、本例では、図1〜図8に示すごとく、接地電極5の対向部53の対向面531は、中心電極4の中心軸400に対して略直交する方向(中心電極4の中心軸400に直交する平面に対して略平行)に形成されているが、例えば、図10〜図12に示すごとく、中心電極4の中心軸400に直交する平面(直交平面)409に対して傾斜させて形成してもよい。
この場合、接地電極5の対向部53の対向面531は、図11に示すごとく、対向部53の形成方向K1において、直交面409に対する対向面傾斜角γ1が3°以下であり、図12に示すごとく、対向部53の形成方向53に直交する方向K2において、直交平面409に対する対向面傾斜角γ2が3°以下であることが好ましい。このようにすることで、接地電極5による混合気流への影響を抑制するという効果を十分に発揮することができる。
なお、対向部53の形成方向K1とは、中心電極4の中心軸400に直交する方向において、対向部53が形成されている方向をいう。
(実施例2)
本例は、図13に示すごとく、スパークプラグ1における接地電極5の構成を変更した例である。
本例のスパークプラグ1において、同図に示すごとく、接地電極5の対向部53には、中心電極4の先端部40に向かって突出してなる対向突出部532が設けられている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、中心電極4の先端部40に先端突出部401を設け、さらに接地電極5の対向部53に対向突出部532を設けることにより、火花放電ギャップGにおいてさらに良好に放電を行うことができると共に、発生した火炎をより一層十分に成長させることができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図14に示すごとく、スパークプラグ1における接地電極5の構成を変更した例である。
本例のスパークプラグ1において、同図に示すごとく、接地電極5の対向部53は、先端に近づくに従って幅狭となっている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、火花放電ギャップGにおいて発生した火炎をより一層成長させることができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例4)
本例は、図15に示すごとく、スパークプラグ1におけるハウジング2の構成を変更した例である。
本例のスパークプラグ1において、同図に示すごとく、ハウジング2の先端面201には、内側に行くに従ってポケット部11の奥へ向かうように傾斜している傾斜部202が形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、ポケット部11に侵入してそのポケット部11から押し出される混合気流が形成される。また、ハウジング2の先端面201が内側に向かってポケット部11の奥へ傾斜していることにより、このような混合気流の形成が促進される。そして、ポケット部11から押し出される混合気流が形成されることにより、火花放電ギャップGにおいて発生した火炎をより一層成長させることができる。特に、本例のような接地電極5による混合気流への影響を小さくした構造の場合には、上記の効果をより一層有効に発揮することができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例5)
本例は、本発明のスパークプラグの着火性について評価した例である。
本例では、本発明品のスパークプラグ(本発明品E11〜E13)と、従来のスパークプラグ(比較品C11〜C13)とを準備し、これらをエンジンの燃焼室を模した燃焼容器内に取り付けて着火性の評価を行った。
なお、本発明品E11〜E13は、図16〜図18に示すごとく、接地電極5における捻りの回転方向が軸方向先端側から見た場合に接合部51から対向部53にかけて右回り(時計回り)であることを除いては、実施例2のスパークプラグ1と同様の構成のものである。
また、比較品C11〜C13は、図19〜図21に示すごとく、接地電極5の接合部51から対向部53までを軸方向から見た場合に直線状に形成したスパークプラグである。具体的には、接地電極5は、ハウジング2の先端面201から中心電極4に沿って延び、途中で内側に折り曲げられ、中心電極4に対向する位置へと形成されている。その他は、実施例2のスパークプラグ1と同様の構成のものである。
次に、着火性の評価方法について説明する。
まず、本発明品E11〜E13及び比較品C11〜C13のスパークプラグをそれぞれ燃焼容器内に取り付ける。このとき、図16〜図21に示すごとく、それぞれの接地電極5が混合気Rの流れ方向に対して異なる位置となるように取り付ける。
具体的には、本発明品E11及び比較品C11は、図16(a)、(b)及び図19(a)、(b)に示すごとく、接地電極5が中心電極4よりも上流側Q1となるように(接地電極5の先端が下流側Q2を向くように)取り付ける。
また、本発明品E12及び比較品C12は、図17(a)、(b)及び図20(a)、(b)に示すごとく、接地電極5が中心電極4の横側となるように(接地電極5の先端が横側を向くように)取り付ける。すなわち、本発明品E1及び比較品C1を軸方向先端側から見て時計回り(右回り)に90°回転させた状態で取り付ける。
また、本発明品E13及び比較品C13は、図18(a)、(b)及び図21(a)、(b)に示すごとく、接地電極5が中心電極4よりも下流側Q2となるように(接地電極5の先端が上流側Q1を向くように)取り付ける。すなわち、本発明品E2及び比較品C2を軸方向先端側から見て時計回り(右回り)に90°回転させた状態で取り付ける。
次いで、図16〜図21に示すごとく、燃焼容器内において一定方向に混合気R(流速15m/秒)を流す。そして、火花放電ギャップGにおいて火花放電を行い、その火花に混合気Rを接触させ、点火する。
次いで、発生した火炎(可視光)を高速カメラで撮影し、点火直後から一定時間経過後(本例では4.5m秒後)の火炎の大きさを求める。火炎の大きさは、画像処理によって火炎を2値化し、その面積(初期火炎面積)を求める。
着火性の評価結果を図22に示す。なお、縦軸は初期火炎面積であり、各本発明品及び各比較品の初期火炎面積は、比較品C12の初期火炎面積を1として表している。
同図から、比較品C11は、接地電極が中心電極の上流側にあり、混合気の流れを遮断するように設置されているため、初期火炎面積が非常に小さくなっている。このことから、接地電極が火花放電ギャップ近傍の混合気の流れを阻害し、混合気が火花に接触する機会を減少させ、着火性能の低下を招いていると考えられる。
また、比較品C11〜C13の初期火炎面積の最大値と最小値の差(ばらつきc1)が非常に大きくなっている。このことから、接地電極の位置によって着火性能にばらつきがあり、安定した着火性を得ることができないことがわかる。
一方、本発明品E11は、接地電極が中心電極の上流側にあるが、混合気が接地電極によって妨げられることなく中心電極に向かって流れることのできる流通空間(隙間)が存在するため、比較品C11に比べて初期火炎面積が極端に小さくなっていない。このことから、接地電極による混合気流への影響を抑制していることがわかる。
また、本発明品E11〜E13の初期火炎面積の最大値と最小値の差(ばらつきe1)も比較品C11〜C13に比べて非常に小さくなっている。このことから、接地電極の位置にかかわらず、安定した着火性を得ることができることがわかる。
以上の結果より、本発明品のスパークプラグは、従来のスパークプラグに比べて、接地電極による混合気流への影響を抑制し、安定した着火性を得ることができることがわかった。
(実施例6)
本例は、本発明のスパークプラグの着火性について、実機のエンジンを用いて評価した例である。
本例では、本発明品のスパークプラグ(本発明品E21〜E23)と従来のスパークプラグ(比較品C21〜C23)とを準備し、これらをエンジンの燃焼室内に取り付けて着火性の評価を行った。
なお、本発明品E21〜E23は、図16〜図18に示すごとく、実施例5の本発明品E11〜E13のスパークプラグと同様の構成のものである。
また、比較品C21〜C23は、図19〜図21に示すごとく、実施例5の比較品C11〜C13のスパークプラグと同様の構成のものである。
次に、着火性の評価方法について説明する。
まず、本発明品E11〜E13及び比較品C11〜C13のスパークプラグをそれぞれ1800cc、4気筒のエンジンのうち燃焼圧センサーの取り付けられた特定1気筒の燃焼室内に取り付ける。このとき、図16〜図21に示すごとく、それぞれの接地電極5が混合気Rの流れ方向に対して異なる位置となるように取り付ける。
具体的には、本発明品E21及び比較品C21は、図16(a)、(b)及び図19(a)、(b)に示すごとく、実施例5の本発明品E11及び比較品C11と同様である。
また、本発明品E22及び比較品C22は、図17(a)、(b)及び図20(a)、(b)に示すごとく、実施例5の本発明品E12及び比較品C12と同様である。
また、本発明品E23及び比較品C23は、図18(a)、(b)及び図21(a)、(b)に示すごとく、実施例5の本発明品E13及び比較品C13と同様である。
次いで、エンジン回転数が2000rpm、図示平均有効圧Pmiが0.3MPaの条件の下、A/F(空燃比)の値を変化させながら燃焼圧センサーの出力より燃焼変動率を測定し、リーン限界A/Fを調べる。
なお、燃焼変動率とは、図示平均有効圧Pmiの(標準偏差/平均)×100%で示されるものである。また、リーン限界A/Fとは、着火可能な空燃比の限界である。本例では、エンジンの円滑な運転が可能な燃焼変動率の値よりも大きくなったA/Fの値をリーン限界A/Fとする。
着火性の評価結果を図23に示す。
同図から、比較品C21は、リーン限界A/Fの値が低くなっている。これは、実施例4の比較品C11と同様の理由によるものであると考えられる。
また、比較品C23も、リーン限界A/Fの値が低くなっている。これは、接地電極が中心電極の下流側にあるため、接地電極がガイドになって混合気がハウジング内に流れ込み、それに伴って火炎もハウジング内に流れ込んで消失する等して着火性能の低下を招いていると考えられる。
また、比較品C21〜C23のリーン限界A/Fの最大値と最小値の差(ばらつきc2)が非常に大きくなっている。このことから、接地電極の位置によって着火性能にばらつきがあり、安定した着火性を得ることができないことがわかる。
一方、本発明品E21、E23は、比較品C21、C23に比べてリーン限界A/Fが極端に小さくなっていない。これは、実施例4の本発明品E11と同様の理由によるものであると考えられる。
また、本発明品E21〜E23のリーン限界A/Fの最大値と最小値の差(ばらつきe2)も比較品C21〜C23に比べて非常に小さくなっている。このことから、接地電極の位置にかかわらず、安定した着火性を得ることができることがわかる。
以上の結果より、本発明品のスパークプラグは、実機のエンジンを用いた場合でも、従来のスパークプラグに比べて、接地電極による混合気流への影響を抑制し、安定した着火性を得ることができることがわかった。
(実施例7)
本例は、本発明のスパークプラグの着火性について、実機のエンジンを用いて評価した例である。
本例では、表1に示すごとく、接合傾斜角α及び捻り角βが異なる本発明品のスパークプラグを複数準備し、これらをエンジンの燃焼室内に取り付けて着火性の評価を行った。
次に、着火性の評価方法について説明する。
本例では、実施例6と同様に、接地電極が混合気の流れに対して異なる位置となるように取り付け(実施例6の本発明品E21〜E23、図16〜図18参照)、それぞれについてリーン限界A/Fを調べる。そして、リーン限界A/Fの最大値と最小値の差(ばらつき幅e2(図23参照))を求める。
次に、着火性の評価の判定について説明する。
本例では、リーン限界A/Fのばらつき幅e2が、従来のスパークプラグである実施例6の比較品C21〜C23のリーン限界A/Fのばらつき幅c2(図23参照)より小さい場合には「○」、同等もしくは大きい場合には「×」とした。
Figure 0005593236
着火性の評価結果を表1に示す。
同表からわかるように、接合傾斜角αが30°以上の場合、捻り角βを30〜90°の範囲で変化させても、着火性の評価の判定はすべて○であった。また、接合傾斜角αが20°の場合、捻り角βを75°、90°と大きくすれば着火性の評価の判定は○であった。すなわち、いずれの場合にも、接地電極の位置にかかわらず、安定した着火性を得ることができる。
一方、接合傾斜角αが20°であって捻り角βが60°以下の場合、接合傾斜角αが15°の場合、着火性の評価の判定は×であった。
なお、接合傾斜角αが20°であって捻り角が30°の場合、接合傾斜角αが15°であって捻り角βが30°、45°の場合については、接合傾斜角αと捻り角βと関係から、製造することが困難であった(表1には「−」と示した)。
以上の結果から、従来のスパークプラグに比べて、接地電極による混合気流への影響を抑制し、安定した着火性を得るためには、接合傾斜角αが30°以上であることが好ましいことがわかった。また、接合傾斜角αが30°未満であっても、捻り角βを大きくすれば、従来のスパークプラグよりも優れた性能が得られることがわかった。
ただし、接合傾斜角αが60°を超えると、接地電極の長さが長くなり、接地電極の熱容量が増大して耐熱性が低下するおそれがある。そのため、接合傾斜角αは、60°以下とすることが好ましい。
また、同様に、従来のスパークプラグに比べて、接地電極による混合気流への影響を抑制し、安定した着火性を得るためには、捻り角βが30°以上であることが好ましいことがわかった。
ただし、捻り角βが30°以上とした場合であっても、接合傾斜角αとの関係で、構造上、製造することが困難となることがある。また、捻り角βが90°を超えると、接地電極の長さが長くなり、接地電極の熱容量が増大して耐熱性が低下するおそれがある。そのため、捻り角βは、90°以下とすることが好ましい。
Figure 0005593236
次に、本例において着火性の評価を行った接合傾斜角α及び捻り角βが異なるスパークプラグについて、中心軸線分の長さに対する開放部の長さの割合を表2に示す。
同表には、中心軸線分の長さに対する開放部の長さの割合(%)が示してある。この数値は、スパークプラグを図3の径方向P1から見た場合(図4参照)における中心軸線分Aの長さaに対する開放部Bの長さbの割合(%)である。
表2を表1の結果と照らし合わせて見てみると、従来のスパークプラグに比べて、接地電極による混合気流への影響を抑制し、安定した着火性を得るためには(着火性の評価の判定が○となるためには)、中心軸線分の長さに対する開放部の長さの割合が25%以上であることが好ましいことがわかった。
ただし、接合傾斜角αが60°を超えたり、捻り角βが90°を超えたりすると、接地電極の長さが長くなり、接地電極の熱容量が増大して耐熱性が低下するおそれがある。そのため、中心軸線分の長さに対する開放部の長さの割合は、70%以下とすることが好ましい。
1 スパークプラグ
2 ハウジング
201 先端面(ハウジングの先端面)
21 取付用ネジ部
3 絶縁碍子
4 中心電極
40 先端部(中心電極の先端部)
400 中心軸(中心電極の中心軸)
5 接地電極
51 接合部
52 連結部
53 対向部
531 対向面
A 中心軸線分
B 開放部
G 火花放電ギャップ

Claims (10)

  1. 外周に取付用ネジ部を設けたハウジングと、該ハウジングの内側に保持される絶縁碍子と、該絶縁碍子の内側に保持される中心電極と、該中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
    上記接地電極は、上記ハウジングの先端面に接合される接合部と、上記スパークプラグの軸方向において上記中心電極の上記先端部に対向する対向面を設けた対向部と、上記接合部と上記対向部とを繋ぐ連結部とを有し、
    上記接地電極は、長手方向に直交する断面の形状が長方形状の平角棒状の金属部材を螺旋状に捻ることにより形成されており、
    上記スパークプラグの上記軸方向に直交する方向のいずれの方向から見た場合であっても、上記ハウジングの上記先端面を含む平面及び上記接地電極の上記対向部の上記対向面と上記中心電極の中心軸との交点を両端とする中心軸線分は、上記接地電極によって隠されない開放部を少なくとも一部に有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記中心軸線分の長さに対する上記開放部の長さの割合は、25%以上であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、該スパークプラグを上記軸方向に直交する平面に投影した投影平面上では、上記中心電極の上記中心軸を中心点とし、上記接地電極の上記接合部の内周面の中点を円周上の一点とする仮想円を想定した場合に、上記投影平面上における上記接地電極が占める領域内において上記中点から上記中心点までの最短経路の距離である最短経路長は、上記仮想円の半径よりも長いことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記接地電極の上記対向部の上記対向面は、上記対向部の形成方向においても、該形成方向に直交する方向においても、上記中心電極の上記中心軸に直交する平面に対する対向面傾斜角が3°以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、該スパークプラグを上記軸方向の先端側から見た場合に、上記接地電極における上記接合部から上記対向部までの捻り角が30°以上であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記接地電極の上記接合部は、上記ハウジングの上記先端面に対して斜めに接合されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  7. 請求項6に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記ハウジングの上記先端面と上記接地電極の中心軸とが成す接合傾斜角は、30〜60°であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記絶縁碍子は、上記ハウジングの上記先端面よりも上記軸方向の先端側に突出しており、上記ハウジングと上記絶縁碍子との間には、上記軸方向の先端側に開口したポケット部が形成されており、上記ハウジングの上記先端面には、内側に行くに従って上記ポケット部の奥へ向かうように傾斜している傾斜部が形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関用のスパークプラグを製造する方法であって、
    上記接地電極を形成するに当たっては、直線状の金属部材を上記ハウジングの先端面に対して斜めに接合する接合工程と、
    上記金属部材の先端部が上記スパークプラグの上記軸方向において上記中心電極の上記先端部に対向するように、上記金属部材を折り曲げる曲げ工程とを行うことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
  10. 請求項9に記載の内燃機関用のスパークプラグの製造方法において、上記ハウジングの上記先端面と上記金属部材の中心軸とが成す接合傾斜角は、30〜60°であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
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