JP6632577B2 - 点火プラグ - Google Patents

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Description

本明細書は、内燃機関用の点火プラグに関する。
内燃機関用の点火プラグとして、筒状の主体金具と、主体金具の内周側に固定された絶縁体と、絶縁体に保持された中心電極と、主体金具に接合された接地電極と、を備える点火プラグが、利用されている。中心電極と接地電極とに電圧が印加されることによって、中心電極と接地電極との間に形成されたギャップで、火花が生じる。また、着火性を向上するために、接地電極の正面に対して左右方向にガスが流れるように、エンジンヘッドに対する点火プラグの位置合わせを行う技術が提案されている。
特開2016−184558号公報
ところが、ガスの流れる方向に対する接地電極の配置の個体差を抑制することは容易ではなく、ひいては、着火性を向上することは容易ではなかった。
本明細書は、点火プラグの着火性を向上できる技術を開示する。
本明細書は、例えば、以下の態様または適用例を開示する。
[態様]
軸線の方向に延びる貫通孔を有する主体金具と、
前記主体金具の内周側に固定された絶縁体と、
前記絶縁体の先端部に配置される部分を含むとともに、先端側を向く第1放電面を形成する中心電極と、
棒状の接地電極であって、第1端が前記主体金具の先端面に接合されるとともに、第2端を含む第2端部に前記中心電極の前記第1放電面との間で放電ギャップを形成する第2放電面を形成する接地電極と、
を備える点火プラグであって、
前記軸線に垂直な第1投影面に、前記接地電極の前記第2放電面と、前記中心電極の前記第1放電面と、を投影する場合に、前記接地電極の前記第2放電面の少なくとも一部は、前記中心電極の前記第1放電面に重なる位置に配置され、
前記軸線に平行な第2投影面に、前記第1端の中心の位置と前記軸線とが重なるように、前記接地電極を投影する場合に、
前記第2投影面上において、前記第2端部は、前記第1端の前記軸線に垂直な第1方向側の端を通り前記軸線に平行な直線よりも、前記第1方向の反対の第2方向側に位置し、且つ前記第2端部のうち少なくとも一部が、前記第1端の前記第2方向側の端を通り前記軸線に平行な直線よりも、前記第2方向側に位置しており、
前記接地電極のうちの前記絶縁体の先端よりも先端側の部分は、前記軸線に垂直な方向に捻れた部分を含む、
点火プラグ。
[適用例1]
軸線の方向に延びる貫通孔を有する主体金具と、
前記主体金具の内周側に固定された絶縁体と、
前記絶縁体の先端部に配置される部分を含むとともに、先端側を向く第1放電面を形成する中心電極と、
棒状の接地電極であって、第1端が前記主体金具の先端面に接合されるとともに、第2端を含む第2端部に前記中心電極の前記第1放電面との間で放電ギャップを形成する第2放電面を形成する接地電極と、
を備える点火プラグであって、
前記軸線に垂直な第1投影面に、前記接地電極の前記第2放電面と、前記中心電極の前記第1放電面と、を投影する場合に、前記接地電極の前記第2放電面の少なくとも一部は、前記中心電極の前記第1放電面に重なる位置に配置され、
前記軸線に平行な第2投影面に、前記第1端の中心の位置と前記軸線とが重なるように、前記接地電極を投影する場合に、
前記第2投影面上において、前記第2端部は、前記第1端の前記軸線に垂直な第1方向側の端を通り前記軸線に平行な直線よりも、前記第1方向の反対の第2方向側に位置し、且つ前記第2端部のうち少なくとも一部が、前記第1端の前記第2方向側の端を通り前記軸線に平行な直線よりも、前記第2方向側に位置している、
点火プラグ。
この構成によれば、第2投影面上において、接地電極の第2放電面が形成される第2端部は、軸線に対して第2方向側にずれた位置に配置されるので、放電ギャップの近傍で生じた火炎は、容易に、点火プラグの先端側に向かって拡がることができる。この結果、点火プラグの着火性を向上できる。
[適用例2]
適用例1に記載の点火プラグであって、
前記接地電極は、前記第2放電面を形成するチップと、棒状の電極母材とを含み、
前記軸線に垂直な前記第1投影面に、前記接地電極と、前記中心電極の前記第1放電面と、を投影する場合に、
前記チップは、前記電極母材の短手方向側の端から突出した部分を有し、
前記接地電極の前記電極母材は、前記中心電極の前記第1放電面に重ならない位置に配置され、
前記チップの前記突出した部分は、前記中心電極の前記第1放電面に重なる部分を含む、
点火プラグ。
この構成によれば、第1投影面上において、電極母材が中心電極の第1放電面に重ならない位置に配置されているので、点火プラグの先端側に向かって拡がる火炎が電極母材に接触することが抑制され、そして、点火プラグの着火性を向上できる。また、チップのうちの電極母材の短手方向側の端から突出した部分が、中心電極の第1放電面に重なる部分を含むので、チップの消耗を抑制できる。
[適用例3]
適用例1または2に記載の点火プラグであって、
前記絶縁体は、前記主体金具の前記先端面よりも先端側に位置する部分を含み、
前記接地電極は、前記主体金具の前記先端面に接合されるとともに、前記主体金具の前記先端面から前記絶縁体の先端よりも先端側まで延びる、四角棒状の部分である四角棒部分を含み、
前記四角棒部分のうちの前記絶縁体の前記先端よりも先端側の部分は、前記軸線に垂直な方向に捻れた部分を含み、
前記絶縁体の前記先端よりも後端側では、前記四角棒部分の前記軸線に垂直な方向の捻れは、前記捻れた部分の捻れよりも小さい、
点火プラグ。
この構成によれば、絶縁体の先端よりも後端側では、四角棒部分は、捻れた部分よりも軸線に垂直な方向の捻れが小さいので、絶縁体の先端よりも後端側において、接地電極の四角棒部分と中心電極との間の距離が短くなることが抑制される。この結果、絶縁体の先端よりも後端側において、接地電極の四角棒部分と中心電極との間で放電が生じることを抑制できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関や、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
内燃機関の一例と、点火プラグ100と吸気バルブ730と排気バルブ740との配置例と、の説明図である。 一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。 点火プラグ100の概略図である。 点火プラグの別の実施形態の概略図である。 点火プラグの別の実施形態の概略図である。 点火プラグの別の実施形態の概略図である。
A.第1実施形態:
図1(A)は、内燃機関の一例の説明図である。図中には、内燃機関700の複数(例えば、4個)の燃焼室(シリンダとも呼ばれる)のうちの1個の燃焼室790の概略断面図が示されている。内燃機関700は、エンジンヘッド710と、シリンダブロック720と、ピストン750と、点火プラグ100と、を含んでいる。ピストン750は、図示しないコネクティングロッドに連結され、コネクティングロッドは、図示しないクランクシャフトに連結されている。
シリンダブロック720は、燃焼室790のうちの一部(略円筒状の空間)を形成するシリンダ壁729を有している。シリンダブロック720の一方向側(図1(A)の上側)には、エンジンヘッド710が固定されている。エンジンヘッド710は、燃焼室790の端部を形成する内壁719と、燃焼室790に連通する吸気ポート712を形成する第1壁711と、吸気ポート712を開閉可能な吸気バルブ730と、燃焼室790に連通する排気ポート714を形成する第2壁713と、排気ポート714を開閉可能な排気バルブ740と、点火プラグ100を取り付けるための取付孔718と、を有している。ピストン750は、シリンダ壁729によって形成される空間内を、往復動する。ピストン750のエンジンヘッド710側の面759と、シリンダブロック720のシリンダ壁729と、エンジンヘッド710の内壁719と、に囲まれる空間が、燃焼室790に相当する。点火プラグ100の中心電極20と接地電極30とは、燃焼室790に露出している。図中の中心軸CLは、点火プラグ100の中心軸CLである(軸線CLとも呼ぶ)。
図1(B)は、点火プラグ100と吸気バルブ730と排気バルブ740との配置例を示す投影図である。この投影図は、点火プラグ100の軸線CLに垂直な投影面上に要素100、730、740を軸線CLに平行に投影することによって得られる投影図である。図示された要素100、730、740は、1個の燃焼室790(図1)の要素である。図中では、バルブ730、740を表す領域のそれぞれに、ハッチングが付されている。
図1(B)に示すように、本実施形態の内燃機関700の1個の燃焼室790には、1個の点火プラグ100と、2個の吸気バルブ730と、2個の排気バルブ740と、が設けられている。投影図中のバルブ730、740は、いずれも、閉じた状態のバルブ730、740を示している。また、投影図中のバルブ730、740は、いずれも、燃焼室790内に露出する部分を示している。以下、2個の吸気バルブ730を区別する場合には、符号「730」の末尾に識別子(ここでは、「a」または「b」)を付加する。2個の排気バルブ740についても、同様である。
図中には、バルブ730a、730b、740a、740bのそれぞれの中心位置C3a、C3b、C4a、C4bが、示されている。これらの中心位置C3a、C3b、C4a、C4bは、それぞれ、図1(B)に示す投影面上におけるバルブ730a、730b、740a、740bを表す領域の重心位置を示している。例えば、第1中心位置C3aは、第1吸気バルブ730aを表す領域の重心位置である。なお、領域の重心は、領域内に質量が均等に分布していると仮定した場合の重心の位置である。
図中には、2個の重心位置C3、C4が示されている。吸気重心位置C3は、2個の吸気バルブ730a、730bのそれぞれの中心位置C3a、C3bの重心位置である。排気重心位置C4は、2個の排気バルブ740a、740bのそれぞれの中心位置C4a、C4bの重心位置である。なお、複数の中心位置の重心位置は、各中心位置に同じ質量が配置されていると仮定した場合の重心の位置である。
図中には、バルブ配置方向Dvと、方向Dpと、が示されている。バルブ配置方向Dvは、吸気重心位置C3から排気重心位置C4へ向かう方向である。方向Dpは、軸線CLからバルブ配置方向Dvに向かう方向である。図1(B)の実施形態では、点火プラグ100は、2個の吸気バルブ730a、730bと、2個の排気バルブ740a、740bと、の間に取り付けられる。この場合、図1(B)の投影図上において、点火プラグ100の点火時に電極20、30の近傍を流れるガスの移動方向は、方向Dpとおおよそ同じであり得る(以下、方向Dpを、ガス方向Dpとも呼ぶ)。なお、実際のガスの流れる方向は、軸線CLに対して斜めの方向であり得る。
次に、点火プラグ100の構成について、説明する。図2は、一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。図中には、点火プラグ100の中心軸CL(「軸線CL」とも呼ぶ)と、点火プラグ100の中心軸CLを含む平らな断面と、が示されている。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」または「前後方向」とも呼ぶ。軸線CLを中心とする円の径方向を「径方向」とも呼ぶ。径方向は、軸線CLに垂直な方向である。軸線CLを中心とする円の円周方向を、「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図2における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から中心電極20に向かう方向である。また、図2における先端方向Df側を点火プラグ100の先端側と呼び、図2における後端方向Dfr側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、軸線CLに沿って延びる貫通孔12(軸孔12とも呼ぶ)を有する筒状の絶縁体10と、貫通孔12の先端側で保持される中心電極20と、貫通孔12の後端側で保持される端子金具40と、貫通孔12内で中心電極20と端子金具40との間に配置された抵抗体73と、中心電極20と抵抗体73とに接触してこれらの部材20、73を電気的に接続する導電性の第1シール部72と、抵抗体73と端子金具40とに接触してこれらの部材73、40を電気的に接続する導電性の第2シール部74と、絶縁体10の外周側に固定された筒状の主体金具50と、一端が主体金具50の先端面55に接合されるとともに他端が中心電極20とギャップgを介して対向するように配置された接地電極30と、を有している。なお、本実施形態では、先端面55は、軸線CLに垂直な平らな面である。
絶縁体10の軸線方向の略中央には、外径が最も大きな大径部14が形成されている。大径部14より後端側には、後端側胴部13が形成されている。大径部14よりも先端側には、後端側胴部13よりも外径の小さな先端側胴部15が形成されている。先端側胴部15よりもさらに先端側には、縮外径部16と、脚部19とが、先端側に向かってこの順に形成されている。縮外径部16の外径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている。縮外径部16の近傍(図2の例では、先端側胴部15)には、前方向Dfに向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部11が形成されている。絶縁体10は、機械的強度と、熱的強度と、電気的強度とを考慮して形成されることが好ましく、例えば、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。
中心電極20は、金属製の部材であり、絶縁体10の貫通孔12内の前方向Df側の端部に配置されている。中心電極20は、略円柱状の棒部28と、棒部28の先端に接合(例えば、レーザ溶接)された第1チップ29と、を有している。棒部28は、後方向Dfr側の部分である頭部24と、頭部24の前方向Df側に接続された軸部27と、を有している。軸部27は、軸線CLに平行に前方向Dfに向かって延びている。頭部24のうちの前方向Df側の部分は、軸部27の外径よりも大きな外径を有する鍔部23を形成している。鍔部23の前方向Df側の面は、絶縁体10の縮内径部11によって、支持されている。軸部27は、鍔部23の前方向Df側に接続されている。第1チップ29は、軸部27の先端に接合されている。棒部28は、第1チップ29が接合される基部の例である。
棒部28は、外層21と、外層21の内周側に配置された芯部22と、を有している。外層21は、芯部22よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを主成分として含む合金)で形成されている。ここで、主成分は、含有率(重量パーセント(wt%))が最も高い成分を意味している。芯部22は、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅を主成分として含む合金、等)で形成されている。第1チップ29は、軸部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属)を用いて形成されている。中心電極20のうち第1チップ29を含む前方向Df側の一部分は、絶縁体10の軸孔12から前方向Df側に露出している。中心電極20のうち後方向Dfr側の部分20tは、軸孔12内に配置されている。このように、中心電極20は、絶縁体10の先端部10tに配置される部分(部分20tのうちの少なくとも一部)を含むように、絶縁体10の軸孔12内に配置されている。絶縁体10の先端部10tは、絶縁体10のうちの先端を含む部分であり、主体金具50の先端面55よりも前方向Df側に位置する部分である。なお、第1チップ29は、省略されてよい。また、芯部22は、省略されてもよい。いずれの場合も、中心電極のうちの前方向Df側の少なくとも一部が、絶縁体10の先端よりも前方向Df側に位置していることが好ましい。
端子金具40は、軸線CLに平行に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性材料を用いて形成されている(例えば、鉄を主成分として含む金属)。端子金具40は、前方向Dfに向かって順番で並ぶ、キャップ装着部49と、鍔部48と、軸部41と、を有している。軸部41は、絶縁体10の軸孔12の後方向Dfr側の部分に挿入されている。キャップ装着部49は、絶縁体10の後端側で、軸孔12の外に露出している。
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40と中心電極20との間には、電気的なノイズを抑制するための抵抗体73が配置されている。抵抗体73は、導電性材料(例えば、ガラスと炭素粒子とセラミック粒子との混合物)を用いて形成されている。抵抗体73と中心電極20との間には、第1シール部72が配置され、抵抗体73と端子金具40との間には、第2シール部74が配置されている。これらのシール部72、74は、導電性材料(例えば、金属粒子と抵抗体73の材料に含まれるものと同じガラスとの混合物)を用いて形成されている。中心電極20は、第1シール部72、抵抗体73、第2シール部74によって、端子金具40に電気的に接続されている。
主体金具50は、軸線CLに沿って延びる貫通孔59を有する筒状の部材である。本実施形態では、主体金具50の中心軸は、軸線CLと同じである。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入され、主体金具50は、絶縁体10の外周に固定されている。主体金具50は、導電材料(例えば、主成分である鉄を含む炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。絶縁体10の前方向Df側の一部は、貫通孔59の外に露出している。また、絶縁体10の後方向Dfr側の一部は、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、工具係合部51と、先端側胴部52と、を有している。工具係合部51は、点火プラグ用のレンチ(図示せず)が嵌合する部分である。先端側胴部52は、主体金具50の先端面55を含む部分である。先端側胴部52の外周面には、内燃機関の取付孔(例えば、図1の内燃機関700の取付孔718)に螺合するためのネジ部57が形成されている。ネジ部57は、軸線CLの方向に延びる雄ねじが形成された部分である。
主体金具50の工具係合部51と先端側胴部52との間の外周面には、径方向外側に張り出したフランジ状の中胴部54が形成されている。中胴部54の外径は、ネジ部57の最大外径(すなわち、ネジ山の頂の外径)よりも、大きい。中胴部54の前方向Df側の面54fは、座面であり、内燃機関のうちの取付孔を形成する部分である取り付け部(例えば、エンジンヘッド)とのシールを形成する(座面54fと呼ぶ)。
先端側胴部52のネジ部57と中胴部54の座面54fとの間には、環状のガスケット90が配置されている。ガスケット90は、点火プラグ100が内燃機関に取り付けられた際に押し潰されて変形し、主体金具50の座面54fと、図示しない内燃機関の取り付け部(例えば、エンジンヘッド)と、の隙間を封止する。なお、ガスケット90が省略されてもよい。この場合、主体金具50の座面54fは、直接に内燃機関の取り付け部に接触することによって、座面54fと、内燃機関の取り付け部と、の隙間を封止する。
主体金具50の先端側胴部52には、径方向の内側に向かって張り出した張り出し部56が形成されている。張り出し部56は、少なくとも張り出し部56の後方向Dfr側の部分の内径と比べて内径が小さい部分である。本実施形態では、張り出し部56の後方向Dfr側の面56r(後面56rとも呼ぶ)では、内径が、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなる。張り出し部56の後面56rと、絶縁体10の縮外径部16と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。本実施形態では、先端側パッキン8は、例えば、鉄製の板状リングである(他の材料(例えば、銅等の金属材料)も採用可能である)。張り出し部56は、パッキン8を介して間接的に、絶縁体10の縮外径部16を前方向Df側から支持している。なお、パッキン8は、省略されてもよい。この場合、張り出し部56(具体的には、張り出し部56の後面56r)は、絶縁体10の縮外径部16に接触してよい。すなわち、張り出し部56は、直接的に、絶縁体10を支持してよい。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、主体金具50の後端を形成するとともに工具係合部51と比べて薄肉の部分である後端部53が形成されている。また、中胴部54と工具係合部51との間には、中胴部54と工具係合部51とを接続する接続部58が形成されている。接続部58は、中胴部54と工具係合部51と比べて薄肉の部分である。主体金具50の工具係合部51から後端部53にかけての内周面と、絶縁体10の後端側胴部13の外周面との間には、円環状のリング部材61、62が挿入されている。さらに、これらのリング部材61、62の間には、タルク70の粉末が充填されている。点火プラグ100の製造工程において、後端部53が内側に折り曲げられて加締められると、接続部58が圧縮力の付加に伴って外向きに変形し、この結果、主体金具50と絶縁体10とが固定される。タルク70は、この加締め工程の際に圧縮され、主体金具50と絶縁体10との間の気密性が高められる。また、パッキン8は、絶縁体10の縮外径部16と主体金具50の張り出し部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。
接地電極30は、金属製の部材であり、棒状の母材37と、母材37の先端部34に接合された第2チップ39と、を有している。母材37の他方の端部33(基端部33とも呼ぶ)は、主体金具50の先端面55に接合されている(例えば、抵抗溶接)。母材37は、主体金具50に接合された基端部33から先端方向Dfに向かって延び、中心軸CLに向かって曲がり、軸線CLに交差する方向に延びて、先端部34に至る。第2チップ39は、先端部34の後方向Dfr側の部分に固定されている(例えば、抵抗溶接やレーザ溶接)。接地電極30の第2チップ39と、中心電極20の第1チップ29とは、ギャップgを形成している。すなわち、接地電極30の第2チップ39は、中心電極20の第1チップ29の前方向Df側に配置されており、第1チップ29とギャップgを介して対向している。第2チップ39は、母材37よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属)を用いて形成されている。なお、第2チップ39は、省略されてもよい。
なお、第2チップ39は、母材37と比べて、小さい。従って、母材37と第2チップ39とを含む接地電極30は、全体として、棒状の部材である。以下、棒状の接地電極30の両端部のうち、第2チップ39を含む端部を、先端部34xとも呼ぶ。先端部34xは、母材37の先端部34と、第2チップ39と、を含む端部である。
母材37は、外層31と、外層31の内周側に配置された内層32と、を有している。外層31は、内層32よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを主成分として含む合金)で形成されている。内層32は、外層31よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅を主成分として含む合金、等)で形成されている。なお、内層32は、省略されてもよい。
図3(A)〜図3(C)は、点火プラグ100の電極20、30を含む一部分の概略図である。図3(A)は、後述する第1方向D1に垂直な投影面上に点火プラグ100を投影して得られる投影図であり、図3(B)は、後述する第3方向D3に垂直な投影面上に点火プラグ100を投影して得られる投影図であり、図3(C)は、軸線CLに垂直な投影面上に点火プラグ100を軸線CLに平行に投影して得られる投影図である。図中の方向D1、D2、D3、D4は、それぞれ、軸線CLに垂直な方向である。これらの方向D1、D2、D3、D4の詳細については、後述する。
図3(C)の投影図では、接地電極30の母材37の基端部33のうちの主体金具50の先端面55に接合された端33sが、ハッチングで示されている。図示された端33sは、接地電極30のうち、主体金具50の先端面55に接合された端面を示している。図中の中心位置33cは、端33sの中心の位置である。端33sの中心位置33cは、図3(C)に示すような軸線CLに垂直な投影面上における端33s(ここでは、端面)を表す領域に質量が均等に分布していると仮定した場合の重心である。
本実施形態では、接地電極30は、主体金具50の先端面55に、溶接(例えば、抵抗溶接)によって、接合されている。接地電極30と主体金具50との間には、接地電極30と主体金具50とを接合する接合部が形成され得る(図示省略)。接合部は、溶接時に接地電極30と主体金具50との溶融した部分が冷えて固まった部分である(溶融部とも呼ぶ)。このような接合部は、接地電極30と主体金具50とが一体化した部分である。また、接合部は、接地電極30と主体金具50とのそれぞれの成分を含んでいる。接合部の形状は、複数の点火プラグ100の間で、個々に異なり得る。接地電極30の端33sは、接地電極30から接合部を除いた残りの部分のうち、主体金具50に直接的または接合部を介して間接的に接合された面を示している。
第3方向D3は、軸線CLに垂直な方向であって、軸線CLから端33sの中心位置33cへ向かう方向である。第1方向D1は、軸線CLに垂直、かつ、第3方向D3に垂直な方向である。第2方向D2は、第1方向D1の反対の方向である。第4方向D4は、第3方向D3の反対の方向である。
本実施形態では、接地電極30の母材37は、四角棒状の部材である。図3(C)の投影図において、接地電極30の端33sの形状は、略矩形状である。この端33sの輪郭の形状は、軸線CLから中心位置33cへ向かう第3方向D3に平行な2辺と、第3方向D3に垂直な2辺と、を含む略矩形状である。このように、接地電極30の端33sは、軸線CLから端33sの中心位置33cに向かう方向D3に対して傾斜しないように、主体金具50の先端面55に接合される。仮に、端33sが第3方向D3に対して斜めに傾斜している場合には、端33sの角が先端面55の外にはみ出得る。端33sが先端面55からはみ出ないようにするために、端33sのサイズが、小さいサイズに制限され得る。この場合、接地電極30から主体金具50への熱引きが抑制されるので、接地電極30が消耗し易くなり得る。また、接地電極30と主体金具50との接合の強度が、低下し得る。本実施形態では、端33sは第3方向D3に対して傾斜していないので、大きい端33sを利用できる。従って、接地電極30の消耗が抑制され、そして、接地電極30と主体金具50との接合の強度を向上できる。ただし、端33sは、第3方向D3に対して斜めに傾斜してもよい。
図3(A)の投影図は、第1方向D1に垂直な投影面上に点火プラグ100を第1方向D1に向かって投影して得られる投影図である。図示するように、接地電極30の母材37は、主体金具50に接合された端33sから、前方向Dfに向かって延び、そして、軸線CLに向かって曲がり、軸線CLに交差する方向に延びて、端34sへ至る。基端部33は、端33sを含む端部であり、先端部34は、端34sを含む端部である。第2チップ39は、母材37の先端部34の後方向Dfr側の面に、接合されている。また、絶縁体10の先端10sは、主体金具50の先端面55よりも前方向Df側に位置している。そして、接地電極30の母材37は、主体金具50の先端面55から絶縁体10の先端10sよりも前方向Df側まで延びている。
図3(A)には、中心電極20の放電面20sと、接地電極30の放電面30sとが、示されている。本実施形態では、中心電極20の放電面20sは、第1チップ29の前方向Df側の面であり、前方向Df側を向いている。本実施形態では、放電面20sは、軸線CLにおおよそ垂直な平面である。また、接地電極30の放電面30sは、第2チップ39の後方向Dfr側の面であり、後方向Dfr側を向いている。本実施形態では、放電面30sは、軸線CLにおおよそ垂直な平面である。これらの放電面20s、30sが、放電ギャップgを形成している。接地電極30の放電面30sは、中心電極20の放電面20sよりも、前方向Df側に配置されている。
図3(C)の投影図に示すように、接地電極30は、主体金具50に接合された端33sの位置から、第3方向D3に反対の第4方向D4側に向かって延びて、先端部34xへ至る。図中の方向Dxは、接地電極30の延びる方向を示している。接地電極30の延びる方向Dxは、第4方向D4に対して、斜めに傾斜している(この理由については、後述する)。図3(C)の実施形態では、方向Dxは、第4方向D4に対して、第2方向D2側に傾斜している。このような方向Dxに延びる接地電極30を実現するために、本実施形態では、四角棒状の部材である母材37(図3(A))のうちの、絶縁体10の先端10sよりも前方向Df側の部分36のうちの一部35が、軸線CLに垂直な方向D35に捻られている。これにより、母材37のうちの捻れた部分35よりも端34s側の部分(先端部34xを含む)は、第4方向D4(図3(C))に対して斜めの方向Dxに向かって、延びる。
なお、図3(A)に示すように、母材37の部分35が軸線CLに垂直な方向D35に捻られると、部分35の外面のうちの一部35xは、捻られない場合と比べて、内周側(すなわち、軸線CL側)に移動し得る。仮に、絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側において、接地電極30(ここでは、母材37)が軸線CLに垂直な方向に捻られると仮定する。この場合、絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側において、接地電極30の外面と絶縁体10の外周面との間の最短距離が短くなる。この結果、絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側において、絶縁体10の外周面と接地電極30との間で、意図しない放電が生じ得る。本実施形態では、母材37のうちの絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側の部分は、捻られておらず、捻られた部分35は、絶縁体10の先端10sよりも前方向Df側に設けられている。従って、絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側において、意図しない放電が生じることを、抑制できる。
図3(C)の投影図では、接地電極30の放電面30sと中心電極20の放電面20sとに、ハッチングが付されている。接地電極30の第2チップ39は、母材37の先端34sに第2チップ39の端が重なり、かつ、母材37の短手方向(すなわち、幅方向)の両端から離れた中央の位置に、配置されている。また、図示するように、接地電極30の放電面30sは、軸線CLから離れた位置に、配置されている。そして、放電面30sの一部は、中心電極20の放電面20sに重なる位置に配置されている。仮に、接地電極30の放電面30sの全体が、中心電極20の放電面20sに重ならない位置に配置されていると仮定する。この場合、放電面20s、30sの間の最短距離を実現する放電経路は、接地電極30の放電面30sの縁と、中心電極20の放電面20sの縁と、を結ぶ経路であり得る。放電は、放電面30sの縁と放電面20sの縁との間で、繰り返し、生じ得る。放電面の縁は、電極の角などの凸状の部分によって形成される場合が多い。凸状の部分は、平らな部分と比べて、消耗し易い。従って、放電面30sの縁と放電面20sの縁との間で放電が繰り返し生じる場合、電極の消耗に起因して、ギャップgの距離が大きくなり易い。本実施形態では、接地電極30の放電面30sのうちの縁よりも内側の部分と、中心電極20の放電面20sのうちの縁よりも内側の部分と、の間で、放電は、容易に、生じる。従って、電極20、30(ここでは、チップ29、39)の消耗が抑制され、そして、ギャップgの距離の増大が抑制される。
図3(A)〜図3(C)には、方向Dpが示されている。図1(B)で説明したように、電極20、30の近傍において、ガスは、方向Dpに流れ得る。接地電極30は、放電ギャップgの近傍におけるガスの流れに影響を与え得る。従って、燃焼室790に対する接地電極30の周方向の位置(すなわち、軸線CLを中心とする点火プラグ100の周方向の向き)に応じて、内燃機関の性能が変化し得る。内燃機関700によっては、点火プラグ100の好ましい周方向の向きが予め決められている場合がある。図3(A)〜図3(C)の方向Dpは、点火プラグ100の周方向の向きが好ましい向きに調整された場合の、点火プラグ100に対する方向Dpの例を示している。本実施形態では、図3(C)に示すように、方向Dpは、第1方向D1と、おおよそ同じである。点火プラグ100の周方向の向きは、接地電極30の基端部33が、軸線CLを基準として、方向Dpに垂直な方向側に位置するように、調整される。これにより、接地電極30が、ガスの流れを妨げることが、抑制される。
なお、燃焼室790(すなわち、内燃機関700)に対する点火プラグ100の周方向の適切な向きを特定する方法は、任意の方法であってよい。例えば、内燃機関700のエンジンヘッド710にマークが設けられてよい。そして、点火プラグ100に設けられたマークがエンジンヘッド710のマークの方向を向く場合に、点火プラグ100の周方向の向きが適切であることとしてよい。点火プラグ100のマークは、例えば、絶縁体10の後端側胴部13に印刷されたマークであってよく、また、主体金具50に設けられた刻印であってもよい。
図3(B)の投影図は、第3方向D3に垂直な投影面上に点火プラグ100を第3方向D3に向かって投影して得られる投影図である。この投影面は、軸線CLに平行な投影面であり、この投影面上では、端33sの中心位置33cと軸線CLとは重なっている。図中には、端33s(ここでは、端面)の端33s1、33s2が示されている。第1端33s1は、母材37の端33sのうちの第1方向D1側の端である。第2端33s2は、母材37の端33sのうちの第2方向D2側の端である。図中の第1直線L1は、第1端33s1を通り、軸線CLに平行な直線である。第2直線L2は、第2端33s2を通り、軸線CLに平行な直線である。
図3(C)で説明したように、接地電極30のうちの捻れた部分35よりも端34s側の部分は、第4方向D4に対して第2方向D2側に向かって斜めに傾斜する方向Dxに向かって、延びている。これにより、図3(B)の投影図において、接地電極30の先端部34xは、第1直線L1よりも第2方向D2側に位置している。また、先端部34xの一部は、第2直線L2よりも第2方向D2側に位置している。このように、図3(B)の投影図において、接地電極30の先端部34xは、接地電極30の端33sに対して、第2方向D2側にずれた位置に配置されている。本実施形態では、このような配置の先端部34xは、中心電極20の放電面20sに対して、第2方向D2側にずれた位置に配置されている。
図3(B)には、さらに、放電ギャップgでの放電によって生じた火炎が拡がる方向D9の例が示されている。接地電極30の先端部34xは、火炎に接触することによって、火炎の拡がりを抑制し得る。上述したように、本実施形態では、接地電極30の先端部34xは、中心電極20の放電面20sに対して、第2方向D2側にずれた位置に配置されている。従って、接地電極30の先端部34xの反対側(ここでは、第1方向D1側)では、放電ギャップgで生じた火炎は、前方向Df側に向かって(すなわち、燃焼室790(図1(B))の中央部分に向かって)、容易に拡がることができる。このように接地電極30による消炎作用が抑制される。この結果、着火性が向上する。
特に、本実施形態では、第1方向D1は、ガス方向Dpと、おおよそ同じである。そして、図3(B)、図3(C)に示すように、接地電極30の先端部34xは、軸線CL(ひいては、中心電極20の放電面20s)に対して、このガス方向Dpとは反対の方向側にずれた位置に配置されている。燃焼室内でガスがガス方向Dpに流れる場合には、火花放電、ひいては、火炎は、放電ギャップgからガス方向Dp側に向かって流される。ここで、接地電極30の先端部34xは、中心電極20の放電面20sに対して、ガス方向Dpとは反対の方向側(ここでは、第2方向D2側)にずれた位置に配置されている。従って、火炎は、接地電極30の先端部34xのガス方向Dp側(ここでは、第1方向D1側)において、前方向Dfに向かって(すなわち、燃焼室790(図1(B))の中央部分に向かって)、容易に拡がることができる。このように接地電極30による消炎作用が抑制される。この結果、着火性が向上する。
以上のような接地電極30は、例えば、以下に説明するように製造される。母材37に相当する棒状の部材を製造する。そして、棒状の部材のうちの先端部34に対応する端部に、第2チップ39を接合する(例えば、抵抗溶接、または、レーザ溶接)。棒状の部材のうちの端33sに対応する端を、主体金具50の先端面55に接合する(例えば、抵抗溶接)。そして、棒状の部材の途中の部分を、図3(A)に示す母材37のように、軸線CLに向けて曲げ、そして、図3(A)、図3(C)に示す母材37のように、母材37のうちの絶縁体10の先端10sよりも前方向Df側の特定の部分35を、軸線CLに垂直な方向D35に捻る。そして、母材37の曲がりと捻れとを調整することによって、放電ギャップgの距離を調整する。点火プラグ100の他の部分の製造方法は、公知の任意の方法であってよい。
なお、主体金具50の先端面55上の接地電極30の端33sの位置を、第2方向D2側に移動させれば、母材37を捻らずに、先端部34xを、中心電極20の放電面20sに対して、第2方向D2側にずれた位置に配置できる。しかし、この場合、母材37の端33sの一部が、先端面55の外にはみ出得る。はみ出た部分が他の部材(例えば、内燃機関700のエンジンヘッド710など)に接触すると、接地電極30が破損し得る。端33sを小さくすれば、端33sのはみ出しを抑制できる。ただし、端33sが小さい場合には、接地電極30から主体金具50への熱引きが抑制されるので、接地電極30が消耗し易くなり得る。また、接地電極30と主体金具50との接合の強度が、低下し得る。本実施形態では、略矩形状の端33sは、軸線CLから端33sの中心位置33cに向かう方向D3に対して傾斜しないように、主体金具50の先端面55に接合される。従って、そのような不具合が抑制される。
B.第2実施形態:
図4(A)〜図4(C)は、点火プラグの別の実施形態の概略図である。図4(A)〜図4(C)は、図3(A)〜図3(C)と同じ投影面上の投影図を、それぞれ示している。第1実施形態との差異は、本実施形態では、図4(C)の投影図に示すように、第2チップ39の配置が異なっている点だけである。本実施形態の点火プラグ100aのうちの第2チップ39の位置以外の部分の構成は、第1実施形態の点火プラグ100の対応する部分の構成と、同じである。(対応する部分と同じ部分には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
図4(C)の投影図において、本実施形態では、第2チップ39は、図3(A)の第2チップ39と比べて、第1方向D1側に位置している。具体的には、第2チップ39は、母材37の先端34sに第2チップ39の端が重なり、かつ、母材37の短手方向Dy側の端38に第2チップ39の端が重なるように、配置されている。ここで、短手方向Dyは、接地電極30aの長手方向に垂直な方向である。図4(C)の投影図では、接地電極30aの長手方向は、接地電極30aの先端部34axの延びる方向、すなわち、母材37の先端部34の延びる方向Dxと同じである。短手方向Dyは、長手方向Dxに垂直な方向である。短手方向Dyは、接地電極30aから第1方向D1側へ向かう方向である。母材37の短手方向Dy側の端38は、母材37の第1方向D1側の端である。なお、接地電極30aの先端部34axは、母材37の先端部34と、第2チップ39と、を含む端部である。
このように、本実施形態では、第2チップ39は、第1実施形態の第2チップ39と比べて、第1方向D1側に位置している。これにより、第2チップ39の放電面30sは、軸線CLに重なる位置に、配置されている。また、本実施形態では、図3(C)の実施形態と比べて、放電面30sのうちの中心電極20の放電面20sに重なる部分の面積が、増大している。これにより、本実施形態では、放電が、接地電極30aの放電面30sのうちの縁よりも内側の部分と、中心電極20の放電面20sのうちの縁よりも内側の部分と、の間で生じる可能性が、さらに高くなる。この結果、電極20、30a(ここでは、チップ29、39)の消耗が抑制され、そして、ギャップgの距離の増大が抑制される。
また、本実施形態の点火プラグ100aの構成は、第2チップ39の配置を除いて、第1実施形態の点火プラグ100の構成と同じである。従って、本実施形態の点火プラグ100aは、第1実施形態の点火プラグ100と同様の種々の利点を実現できる。
C.第3実施形態:
図5(A)〜図5(C)は、点火プラグの別の実施形態の概略図である。図5(A)〜図5(C)は、図3(A)〜図3(C)と同じ投影面上の投影図を、それぞれ示している。第1実施形態との差異は、2点ある。第1の差異は、本実施形態では、図5(C)の投影図に示すように、接地電極30bの第2チップ39bは、母材37bの短手方向Dby側の端38bから突出した部分39b1を含む点である。第2の差異は、図5(C)の投影図に示すように、母材37bは、中心電極20の放電面20sに重ならない位置に配置されている点である。本実施形態の点火プラグ100bのうちの他の部分の構成は、第1実施形態の点火プラグ100の対応する部分の構成と、同じである。(対応する部分と同じ部分には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
図5(A)の投影図に示すように、接地電極30bの母材37bは、主体金具50の先端面55に接合された端33sから、前方向Dfに向かって延び、軸線CLに向かって曲がり、軸線CLに交差する方向に延びて、端34bsへ至る。基端部33bは、端33sを含む端部であり、先端部34bは、端34bsを含む端部である。第2チップ39bは、母材37bの先端部34bの後方向Dfr側の面に、接合されている(例えば、レーザ溶接)。第2チップ39bは、母材37bと比べて、小さい。従って、母材37bと第2チップ39bとを含む接地電極30bは、全体として、棒状の部材である。以下、棒状の接地電極30bの両端部のうち、第2チップ39bを含む端部を、先端部34bxとも呼ぶ。先端部34bxは、母材37bの先端部34bと、第2チップ39bと、を含む端部である。
図5(C)の投影図上では、接地電極30bは、主体金具50に接合された端33sの位置から、第4方向D4側に向かって延びて、先端部34bxへ至る。ここで、接地電極30bの延びる方向Dbxは、第4方向D4に対して、第2方向D2側に傾斜している。また、四角棒状の部材である母材37b(図3(A))のうちの、絶縁体10の先端10sよりも前方向Df側の部分36bのうちの一部35bが、軸線CLに垂直な方向D35bに捻られている。これにより、母材37bのうちの捻れた部分35bよりも端34bs側の部分(先端部34bxを含む)は、第4方向D4(図5(C))に対して斜めの方向Dbxに向かって、延びる。
なお、本実施形態では、母材37bのうちの絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側の部分は、捻られておらず、捻られた部分35bは、絶縁体10の先端10sよりも前方向Df側に設けられている。従って、絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側において、接地電極30bと絶縁体10の外周面との間の最短距離が小さくなることが抑制され、意図しない放電が生じることが抑制される。
また、図5(B)、図5(C)に示すように、第2チップ39bは、第1方向D1に向かって延びる棒状の部材である。第2チップ39bのうちの第2方向D2側の第2部分39b2は、母材37bの先端部34bの後方向Dfr側の面に、接合されている(例えば、レーザ溶接)。図5(C)の投影図上において、第2チップ39bのうちの第1方向D1側の第1部分39b1は、母材37bの短手方向Dby側の端38bから、第1方向D1側に突出している。この短手方向Dbyは、母材37bから第1方向D1側に向かう方向である。このような第2チップ39bの後方向Dfr側の面が、放電面30bsを形成している。放電面30bsは、軸線CLにおおよそ垂直な平面である。
図5(C)に示す投影図上において、第2チップ39bの第1部分39b1は、中心電極20の放電面20sに重なる部分39b1oを含んでいる。従って、接地電極30bの放電面30bsのうちの縁よりも内側の部分と、中心電極20の放電面20sのうちの縁よりも内側の部分と、の間で、放電は、容易に、生じる。従って、電極20、30b(ここでは、チップ29、39b)の消耗が抑制され、そして、ギャップgの距離の増大が抑制される。特に、本実施形態では、中心電極20の放電面20sの全体が、接地電極30bの放電面30bsに重なっている。従って、電極20、30b(ここでは、チップ29、39b)の消耗が、適切に、抑制される。
図5(B)に示す投影図上において、接地電極30bの先端部34bxは、第1直線L1よりも第2方向D2側に位置している。また、先端部34bxの一部は、第2直線L2よりも第2方向D2側に位置している。このように、図5(B)の投影図において、接地電極30bの先端部34bxは、接地電極30bの端33sに対して、第2方向D2側にずれた位置に配置されている。本実施形態では、このような配置の先端部34bxは、中心電極20の放電面20sに対して、第2方向D2側にずれた位置に配置されている。従って、図3(B)の実施形態と同様に、接地電極30bの先端部34bxの反対側(ここでは、第1方向D1側)では、放電ギャップgで生じた火炎は、前方向Df側に向かって(すなわち、燃焼室790(図1(B))の中央部分に向かって)、容易に拡がることができる。このように接地電極30による消炎作用が抑制される。この結果、着火性が向上する。特に、第1方向D1は、ガス方向Dpとおおよそ同じである。従って、火炎が、ガスによってガス方向Dp側に流れる場合に、火炎は、先端部34bxのガス方向Dp側(ここでは、第1方向D1側)において、前方向Dfに向かって、容易に拡がることができる。このように接地電極30による消炎作用が抑制される。この結果、着火性が向上する。
また、図5(C)の投影図上において、母材37bは、中心電極20の放電面20sに重ならない位置に配置されている。従って、中心電極20の放電面20sの近傍で生じた火炎は、母材37bに接触せずに、前方向Dfに向かって容易に拡がることができる。この結果、着火性が向上する。
D.第4実施形態:
図6(A)〜図6(C)は、点火プラグの別の実施形態の概略図である。図6(A)〜図6(C)は、図3(A)〜図3(C)と同じ投影面上の投影図を、それぞれ示している。図5(A)〜図5(C)の第3実施形態との差異は、本実施形態では、図6(C)の投影図において、第2チップ39cが、第1方向D1に対して斜めの方向Dcに向かって延びている点だけである。本実施形態の点火プラグ100cのうちの第2チップ39cの延びる方向Dc以外の部分の構成は、第1実施形態の点火プラグ100の対応する部分の構成と、同じである。(対応する部分と同じ部分には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
図6(C)の投影図上において、第2チップ39cは、方向Dcに向かって延びる棒状の部材である。図6(B)、図6(C)に示すように、第2チップ39cのうちの第2方向D2側の第2部分39c2は、母材37bの先端部34bの後方向Dfr側の面に、接合されている(例えば、レーザ溶接)。図6(C)の投影図上において、第2チップ39cのうちの第1方向D1側の第1部分39c1は、母材37bの短手方向Dby側の端38bから、第1方向D1側に突出している。このような第2チップ39cの後方向Dfr側の面が、放電面30csを形成している。放電面30csは、軸線CLにおおよそ垂直な平面である。また、接地電極30cの先端部34cxは、母材37bの先端部34bと、第2チップ39cと、を含む端部である。
図6(C)に示す投影図上において、第2チップ39cの第1部分39c1は、中心電極20の放電面20sに重なる部分39c1oを含んでいる。従って、図5(C)の実施形態と同様に、電極20、30c(ここでは、チップ29、39c)の消耗が抑制され、そして、ギャップgの距離の増大が抑制される。特に、本実施形態では、中心電極20の放電面20sの全体が、接地電極30cの放電面30csに重なっている。従って、電極20、30c(ここでは、チップ29、39c)の消耗が、適切に、抑制される。
また、接地電極30cの母材37bの構成は、図5(A)〜図5(C)の実施形態の母材37bの構成と、同じである。従って、本実施形態の点火プラグ100cは、第3実施形態の点火プラグ100bと同様の種々の利点を実現できる。例えば、図6(B)の投影図上において、接地電極30cの先端部34cxは、第1直線L1よりも第2方向D2側に位置し、また、先端部34cxの一部は、第2直線L2よりも第2方向D2側に位置している。従って、接地電極30cの先端部34cxの反対側(ここでは、第1方向D1側)では、放電ギャップgで生じた火炎は、前方向Df側に向かって(すなわち、燃焼室790(図1(B))の中央部分に向かって)、容易に拡がることができる。この結果、着火性が向上する。特に、第1方向D1は、ガス方向Dpとおおよそ同じである。従って、火炎が、ガスによってガス方向Dp側に流れる場合に、着火性が、適切に、向上する。
E.変形例:
(1)中心電極と接地電極とのそれぞれの構成は、上記の構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、上記各実施形態において、中心電極20の放電面20sのうちの少なくとも一部が、軸線CLに対して斜めに傾斜してもよい。また、接地電極30、30a、30b、30cの放電面30s、30bs、30csの少なくとも一部が、軸線CLに対して斜めに傾斜してもよい。また、図5(C)、図6(C)の投影図上において、中心電極20の放電面20sの一部が、接地電極30b、30cの第2チップ39b、39c(より具体的には、放電面30bs、30cs)に重ならないように、第2チップ39b、39cが配置されてもよい。
また、接地電極の第2チップが省略されてもよい。この場合、母材37、37bの先端部34、34bの後方向Dfr側の面が、放電面を形成する。また、中心電極の第1チップが省略されてもよい。いずれの場合も、電極の放電面は、例えば、以下のように特定されてよい。空気が充填されたチャンバー内に点火プラグを配置し、高電圧の印加によって接地電極と中心電極との間で火花放電を発生させる。ここで、接地電極の外面のうち火花放電が生じ得る部分が、接地電極の放電面に対応し、中心電極の外面のうち火花放電が生じ得る部分が、中心電極の放電面に対応する。このように、ガス流の無い環境下において、放電面が特定されてよい。
(2)棒状の接地電極のうち、軸線CLに垂直な方向に捻れる部分は、任意の部分であってよい。例えば、図3(A)、図4(A)、図5(A)、図6(A)の実施形態において、絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側で、母材37、37bが捻れていてもよい。いずれの場合も、絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側では、母材の軸線CLに垂直な方向の捻れは、母材のうちの絶縁体10の先端10sよりも前方向Df側の部分における捻れた部分の捻れよりも、小さいことが好ましい。この構成によれば、絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側で、接地電極と絶縁体との間の最短距離が短くなることが抑制される。この結果、絶縁体10の先端10sよりも後方向Dfr側において、意図しない放電が生じることを、抑制できる。
なお、母材の軸線CLに垂直な方向の捻れの大きさは、例えば、以下のように特定されてよい。母材が軸線CLに垂直な方向に捻れている場合には、母材の外面は、軸線CLに平行な方向に向かって、螺旋状に、変形している。すなわち、母材の断面であって軸線CLに垂直な断面は、軸線CLに平行な方向の位置の変化に応じて、回転する。ここで、軸線CLに平行な方向の単位長さ当りの、母材の断面の回転角度を、捻れの大きさとして採用してよい。この回転角度が大きいほど、捻れが大きい。
なお、母材から、軸線CLに垂直な方向に捻れる部分が、省略されてもよい。すなわち、母材の全体が、捻れずに延びるように、構成されてよい。この場合、母材は、主体金具50の先端面55に接合された端(例えば、端33s(図3(A)))から前方向Df側に向かって延び、そして、軸線CLに向かって曲がるのではなく、軸線CLよりも第2方向D2側にずれた位置に向かって曲がってよい。この構成によれば、図3(B)等に示す投影面上において、接地電極のうち放電面を形成する第2端部(例えば、先端部34x)は、第1直線L1よりも第2方向D2側に容易に配置され、そして、第2端部の少なくとも一部は、第2直線L2よりも第2方向D2側に容易に配置される。第2端部がこのように配置される場合、第2端部の消炎作用が抑制されるので、火炎が前方向Df側へ容易に拡がることができる。
(3)棒状の接地電極の断面形状は、矩形に限らず、他の任意の形状であってよい。例えば、円柱状の棒部材を用いて、接地電極の母材が形成されてもよい。
(4)接地電極の構成は、上記の構成に代えて、他の種々の構成であってよい。いずれの場合も、接地電極は、以下のように構成されていることが好ましい。主体金具50の軸線CLに垂直な投影面を、第1投影面と呼ぶ。例えば、図3(C)、図4(C)、図5(C)、図6(C)の投影図は、第1投影面上の投影図の例である。この第1投影面上に中心電極の第1放電面と接地電極の第2放電面とを軸線CLに平行に投影する場合に、第2放電面の少なくとも一部は、第1放電面に重なる位置に配置されていることが好ましい。これにより、電極の消耗を抑制できる。
また、軸線CLに平行な投影面であって、軸線CLから、軸線CLに垂直に、棒状の接地電極の両端のうち主体金具50の先端面55に接合された第1端の中心の位置に向かう方向に垂直な投影面を、第2投影面と呼ぶ。例えば、図3(B)、図4(B)、図5(B)、図6(B)の投影図は、第2投影面上の投影図の例である。この第2投影面上に接地電極を投影する場合に、接地電極の放電面を形成する第2端部(例えば、先端部34x)は、第1直線L1よりも第2方向D2側に位置することが好ましく、さらに、第2端部の少なくとも一部は、第2直線L2よりも第2方向D2側に位置することが好ましい。このように、第2端部が、主体金具50に接合された端33sに対して、軸線CLに垂直な方向(例えば、第2方向D2)にずれた位置に配置されている場合、接地電極の消炎作用を抑制できる。
(5)内燃機関の燃焼室における点火プラグの周方向の向きは、種々の方向であってよい。例えば、上記各実施形態において、ガスの流れる方向は、第1方向D1とは異なる方向であってよい。いずれの場合も、図3(B)、図4(B)、図5(B)、図6(B)に示す投影図において、接地電極のうちの放電面を形成する第2端部(例えば、先端部34x)が、主体金具50に接合された端33sに対して、軸線CLに垂直な方向(例えば、第2方向D2)にずれた位置に配置されている場合、火炎は、第2端部の反対側で、前方向Dfに向かって容易に拡がることができる。従って、ガスの流れる向きに拘わらずに、着火性を向上できる。
なお、さらに着火性を向上するためには、中心電極と接地電極との配置が、ガスの流れる方向に適した配置であることが、好ましい。例えば、点火プラグの取付構造は、以下のような構造であってよい。N個(Nは1以上の整数)の吸気バルブとM個(Mは1以上の整数)の排気バルブとが設けられた燃焼室において、点火プラグは、N個の吸気バルブとM個の排気バルブとの間に取り付けられる。例えば、図1(B)の実施形態では、点火プラグ100は、2個の吸気バルブ730a、730bと、2個の排気バルブ740a、740bと、の間に取り付けられる。
そして、燃焼室に取り付けられた点火プラグと、N個の吸気バルブと、M個の排気バルブとを、点火プラグの主体金具の軸線に垂直な第1投影面上に、軸線に平行に投影する(例えば、図1(B)の投影図参照)。この第1投影面上において、N個の吸気バルブのN個のそれぞれの中心位置の重心位置から、M個の排気バルブのM個のそれぞれの中心位置の重心位置へ向かう方向を、バルブ配置方向とし、軸線からバルブ配置方向に向かう方向を、プラグバルブ方向とする(図1(B)の方向Dpは、プラグバルブ方向の例である)。1個のバルブの中心位置は、この第1投影面上において、閉じた状態のバルブのうちの燃焼室内に露出する部分を示す領域の重心位置である。図1(B)の実施形態では、2個の吸気バルブ730a、730bのそれぞれの中心位置C3a、C3bの重心位置C3から、2個の排気バルブ740a、740bのそれぞれの中心位置C4a、C4bの排気重心位置C4へ向かう方向Dvが、バルブ配置方向Dvである。そして、軸線CLからバルブ配置方向Dvに向かう方向が、プラグバルブ方向Dpである。
点火プラグが燃焼室に取り付けられたときに、中心電極と接地電極とは、燃焼室内の所定の位置に配置される。この所定位置は、以下のような位置である。すなわち、軸線から、軸線に垂直に、棒状の接地電極の主体金具の先端面に接合された第1端の中心の位置に向かう方向である第2投影方向に垂直な第2投影面上に、主体金具と接地電極とを第2投影方向に沿って投影する(例えば、図3(B)、図4(B)、図5(B)、図6(B))。この第2投影面上において、投影された接地電極のうちの放電面を形成する第2端部は、主体金具に接合された第1端に対して、軸線CLに垂直な特定方向にずれた位置に配置されている。この特定方向は、第2投影面上において、軸線を挟む両側のうち、軸線からバルブ配置方向に向かう第1方向側とは反対側に向かう方向である。例えば、図3(B)、図4(B)、図5(B)、図6(B)の実施形態では、先端部34x、34ax、34bx、34cxは、軸線CLを挟む両側のうち、プラグバルブ方向Dpとは反対の方向側(ここでは、第2方向D2側)にずれた位置に、配置されている。
点火プラグの上記の取付構造が採用される場合には、点火プラグの電極の近傍においては、ガスは、第1方向に向かって流れ得る。従って、第2投影面上において、接地電極のうちの放電面を形成する第2端部は、軸線を挟む両側のうちのガスの流れる方向とは反対側に、ずれた位置に配置される。この結果、火花放電、ひいては、火炎が、ガスによって流れる場合に、火炎は、前方向Df側、すなわち、燃焼室の中央部分に向かって、容易に拡がることができる。この結果、着火性が、更に、向上する。また、図3(A)、図4(A)、図5(A)、図6(A)の実施形態のように、プラグバルブ方向Dpを向いて点火プラグを見る場合に、接地電極の基端部(ひいては、接地電極の全体)は、中心電極20に重ならない位置に配置されていることが好ましい。これにより、ガスの流れが接地電極によって遮られることが抑制されるので、着火性を向上できる。
なお、1個の燃焼室において、吸気バルブの総数Nは、1以上の任意の数であってよく、N個の吸気バルブの配置は、種々の配置であってよい。また、1個の燃焼室において、排気バルブの総数Mは、1以上の任意の数であってよく、M個の排気バルブの配置は、種々の配置であってよい。また、内燃機関の構成は、図1(A)、図1(B)に示す構成に代えて、他の種々の構成であってよい。
(6)点火プラグの構成としては、図2に示す構成に代えて、他の構成を採用してもよい。例えば、先端側パッキン8が省略されてもよい。この場合、主体金具の張り出し部56は、直接的に、絶縁体の縮外径部16を、支持する。また、抵抗体73が省略されてもよい。絶縁体の貫通孔内の中心電極と端子金具との間に、磁性体が配置されてもよい。また、中心電極の放電面は、軸線CLに重なる位置に配置されてよい(例えば、図3(C)、図4(C)、図5(C)、図6(C))。また、中心電極の放電面は、軸線CLから離れた位置に配置されてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
8…先端側パッキン、10…絶縁体、10s…先端、10t…先端部、11…縮内径部、12…貫通孔(軸孔)、13…後端側胴部、14…大径部、15…先端側胴部、16…縮外径部、19…脚部、20…中心電極、20s…放電面、20t…部分、21…外層、22…芯部、23…鍔部、24…頭部、27…軸部、28…棒部、29…第1チップ、30、30a、30b、30c…接地電極、30s、30bs、30cs…放電面、31…外層、32…内層、33、33b…基端部、33c…中心位置、33s…端、33s1…第1端、33s2…第2端、34、34b…先端部、34s、34bs…端(先端)、34x、34ax、34bx、34cx…先端部、35、35b…捻れた部分、36、36b…部分、37、37b…母材、38、38b…端、39、39b、39c…第2チップ、39b1o、39c1o…部分、39b1、39c1…第1部分、39b2、39c2…第2部分、40…端子金具、41…軸部、48…鍔部、49…キャップ装着部、50…主体金具、51…工具係合部、52…先端側胴部、53…後端部、54…中胴部、54f…座面、55…先端面、56…張り出し部、56r…後面、57…ネジ部、58…接続部、59…貫通孔、61…リング部材、70…タルク、72…第1シール部、73…抵抗体、74…第2シール部、90…ガスケット、100、100a、100b、100c…点火プラグ、700…内燃機関、710…エンジンヘッド、711…第1壁、712…吸気ポート、713…第2壁、714…排気ポート、718…取付孔、719…内壁、720…シリンダブロック、729…シリンダ壁、730、730a、730b…吸気バルブ、740、740a、740b…排気バルブ、750…ピストン、759…面、790…燃焼室、g…放電ギャップ、D1…第1方向、L1…第1直線、D2…第2方向、L2…第2直線、C3…吸気重心位置、D3…第3方向、C4…排気重心位置、D4…第4方向、D9…方向、CL…中心軸(軸線)、Dc…方向、Dp…プラグバルブ方向(ガス方向)、Dv…バルブ配置方向、Dx、Dbx…長手方向、Dy、Dby…短手方向、D35…方向、C3a…第1中心位置、C4a…中心位置、Df…先端方向(前方向)、Dfr…後端方向(後方向)

Claims (3)

  1. 軸線の方向に延びる貫通孔を有する主体金具と、
    前記主体金具の内周側に固定された絶縁体と、
    前記絶縁体の先端部に配置される部分を含むとともに、先端側を向く第1放電面を形成する中心電極と、
    棒状の接地電極であって、第1端が前記主体金具の先端面に接合されるとともに、第2端を含む第2端部に前記中心電極の前記第1放電面との間で放電ギャップを形成する第2放電面を形成する接地電極と、
    を備える点火プラグであって、
    前記軸線に垂直な第1投影面に、前記接地電極の前記第2放電面と、前記中心電極の前記第1放電面と、を投影する場合に、前記接地電極の前記第2放電面の少なくとも一部は、前記中心電極の前記第1放電面に重なる位置に配置され、
    前記軸線に平行な第2投影面に、前記第1端の中心の位置と前記軸線とが重なるように、前記接地電極を投影する場合に、
    前記第2投影面上において、前記第2端部は、前記第1端の前記軸線に垂直な第1方向側の端を通り前記軸線に平行な直線よりも、前記第1方向の反対の第2方向側に位置し、且つ前記第2端部のうち少なくとも一部が、前記第1端の前記第2方向側の端を通り前記軸線に平行な直線よりも、前記第2方向側に位置しており、
    前記接地電極のうちの前記絶縁体の先端よりも先端側の部分は、前記軸線に垂直な方向に捻れた部分を含む、
    点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグであって、
    前記接地電極は、前記第2放電面を形成するチップと、棒状の電極母材とを含み、
    前記軸線に垂直な前記第1投影面に、前記接地電極と、前記中心電極の前記第1放電面と、を投影する場合に、
    前記チップは、前記電極母材の短手方向側の端から突出した部分を有し、
    前記接地電極の前記電極母材は、前記中心電極の前記第1放電面に重ならない位置に配置され、
    前記チップの前記突出した部分は、前記中心電極の前記第1放電面に重なる部分を含む、
    点火プラグ。
  3. 請求項1または2に記載の点火プラグであって、
    前記絶縁体は、前記主体金具の前記先端面よりも先端側に位置する部分を含み、
    前記接地電極は、前記主体金具の前記先端面に接合されるとともに、前記主体金具の前記先端面から前記絶縁体の前記先端よりも先端側まで延びる、四角棒状の部分である四角棒部分を含み、
    前記四角棒部分のうちの前記絶縁体の前記先端よりも先端側の部分は、前記軸線に垂直な方向に捻れた前記部分を含み、
    前記絶縁体の前記先端よりも後端側では、前記四角棒部分の前記軸線に垂直な方向の捻れは、前記捻れた部分の捻れよりも小さい、
    点火プラグ。
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