JP6347712B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等において着火に用いられるスパークプラグに関する。
スパークプラグは、絶縁体によって互いに絶縁された中心電極と接地電極とに電圧が印加されることによって、中心電極の先端部と接地電極の先端部との間に形成された間隙に、火花を発生させる。ここで、スパークプラグには、間隙より先端側に、孔を有するキャップを備えるタイプや、キャップを備えないタイプなどの様々なタイプが存在する(例えば、特許文献1)。
特開平2011−214492
しかしながら、スパークプラグは、タイプごとに専用に設計される部品が多く、スパークプラグの部品の種類や開発工数が増加する問題があった。
本発明の目的は、スパークプラグの部品の種類や開発工数を低減することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[形態1]軸線方向に延びる中心電極と、
前記軸線方向に延びる軸孔を有し、前記軸孔に前記中心電極が配置される絶縁体と、
前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
前記中心電極との間に間隙を形成する棒状の接地電極と、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極は、前記主体金具と接合される一端を含む第1部分と、他端を含む第2部分と、を含み、
前記主体金具に接合される中空の筒状部と、前記筒状部の先端側に位置する天井部と、を含み、周方向の特定の位置における少なくとも前記筒状部の後端を含む部分に切り欠きが形成されたキャップを備え、
前記切り欠きには、前記接地電極の前記第1部分の少なくとも一部が配置され、
前記筒状部と前記第1部分との間に溶融部が形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
[形態2]軸線方向に延びる中心電極と、
前記軸線方向に延びる軸孔を有し、前記軸孔に前記中心電極が配置される絶縁体と、
前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
前記中心電極との間に間隙を形成する棒状の接地電極と、
を備えるスパークプラグの製造方法であって、
前記接地電極の一端を、前記主体金具に接合する第1の接合工程と、
前記主体金具に接合される中空の筒状部と、前記筒状部の先端側に位置する天井部と、を含み、周方向の特定の位置における少なくとも前記筒状部の後端を含む部分に切り欠きが形成されたキャップを、前記接地電極の前記一端を含む第1部分の少なくとも一部が前記切り欠きに配置されるように、前記筒状部と前記主体金具とを接合し、前記筒状部と前記第1部分との間に溶融部が形成されるように、前記筒状部と前記接地電極とを接合する第2の接合工程と、
を備えることを特徴とするスパークプラグの製造方法。



[適用例1]軸線方向に延びる中心電極と、
前記軸線方向に延びる軸孔を有し、前記軸孔に前記中心電極が配置される絶縁体と、
前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
前記中心電極との間に間隙を形成する棒状の接地電極と、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極は、前記主体金具と接合される一端を含む第1部分と、他端を含む第2部分と、を含み、
前記主体金具に接合される中空の筒状部と、前記筒状部の先端側に位置する天井部と、を含み、周方向の特定の位置における少なくとも前記筒状部の後端を含む部分に切り欠きが形成されたキャップを備え、
前記切り欠きには、前記接地電極の前記第1部分の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする、スパークプラグ。
主体金具に接続された一端を含む第1部分と、他端を含む第2部分と、を含む接地電極は、キャップを備えないタイプのスパークプラグでも採用され得る。したがって、上記構成によれば、キャップを備えないタイプのスパークプラグとキャップを備えるタイプのスパークプラグとの部品の共通化を実現できる。この結果、スパークプラグの部品の種類や開発工数を低減することができる。
[適用例2]適用例1に記載のスパークプラグであって、
前記筒状部と前記第1部分との間に溶融部が形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
上記構成によれば、キャップから径方向に火炎が噴出することを防ぐことができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載のスパークプラグであって、
前記キャップは、前記切り欠きが形成されている周方向の位置とは異なる周方向の位置に形成され、前記キャップの内側と外側とを連通する貫通部を有し、
前記貫通部の先端は、前記接地電極の前記間隙を形成する面より先端側に位置し、
前記貫通部の後端は、前記中心電極の前記間隙を形成する面より後端側に位置することを特徴とする、スパークプラグ。
上記構成によれば、キャップに形成された貫通部から間隙を観察することや、間隙を調整することができる。
[適用例4]適用例3に記載のスパークプラグであって、
前記貫通部は、前記切り欠きと同じ形状であることを特徴とする、スパークプラグ。
上記構成によれば、製造時に、貫通部と、第1部分が配置される切り欠きと、を区別する必要がないので、製造が容易になる。
[適用例5]適用例1〜4のいずれかに記載のスパークプラグであって、
前記切り欠きの先端は、前記天井部に位置し、
前記切り欠きの先端側の部分には、前記接地電極の前記第2部分が配置されることを特徴とする、スパークプラグ。
上記構成によれば、キャップが燃焼室内に突出する長さを短くすることができるので、キャップの温度上昇を抑制することができる。
[適用例6]適用例5に記載のスパークプラグであって、さらに、
前記切り欠きの後端側の部分において、前記筒状部と前記第1部分との間に溶融部が形成され、
前記切り欠きの先端側の部分において、前記天井部と前記第2部分との間の少なくとも一部に空隙が形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
上記構成によれば、間隙の大きさを調整する作業が容易になる。
[適用例7]適用例6に記載のスパークプラグであって、
前記天井部において前記キャップの内側と外側とを連通する部位は、前記切り欠きの先端側の部分において、前記天井部と前記第2部分との間に形成された前記空隙のみであることを特徴とする、スパークプラグ。
上記構成によれば、切り欠き以外に、天井部に貫通孔などを形成しないので、スパークプラグの製造が容易となる。
[適用例8]軸線方向に延びる中心電極と、
前記軸線方向に延びる軸孔を有し、前記軸孔に前記中心電極が配置される絶縁体と、
前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
前記中心電極との間に間隙を形成する棒状の接地電極と、
を備えるスパークプラグの製造方法であって、
前記接地電極の一端を、前記主体金具に接合する第1の接合工程と、
前記主体金具に接合される中空の筒状部と、前記筒状部の先端側に位置する天井部と、を含み、周方向の特定の位置における少なくとも前記筒状部の後端を含む部分に切り欠きが形成されたキャップを、前記接地電極の前記一端を含む第1部分の少なくとも一部が前記切り欠きに配置されるように、前記筒状部と前記主体金具とを接合する第2の接合工程と、
を備えることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
主体金具に一端が接合される第1部分を含む接地電極は、キャップを備えないタイプのスパークプラグでも採用され得る。したがって、上記構成によれば、第2の接合工程を実行することで、キャップを備えないタイプのスパークプラグを用いて、容易にキャップを備えるタイプのスパークプラグを製造することができる。この結果、スパークプラグの部品の種類や開発工数を低減することができる。
[適用例9]適用例8に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第2の接合工程において、互いに同一の形状を有し周方向の位置が互いに異なる複数個の前記切り欠きが形成された前記キャップを、前記接地電極の前記第1部分の少なくとも一部が複数個の前記切り欠きのうちの任意の一つに配置されるように、前記筒状部と前記主体金具とを接合し、
前記筒状部と前記主体金具とが接続された状態で、
複数個の前記切り欠きのそれぞれの先端は、前記間隙を形成する前記接地電極の面より先端側に位置し、
複数個の前記切り欠きのそれぞれの後端は、前記間隙を形成する前記中心電極の面より後端側に位置することを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
上記構成によれば、接地電極の第1部分が配置される切り欠きと、間隙を観察するための貫通部を備えるスパークプラグを、容易に製造することができる。
[適用例10]適用例8または9に記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記第2の接合工程において、前記切り欠きの先端が前記天井部に位置する前記キャップを、前記接地電極の前記第1部分と前記接地電極の他端を含む第2部分とが前記切り欠きに配置されるように、前記筒状部と前記主体金具とを接合し、
前記切り欠きの先端側の部分において前記天井部と前記第2部分との間の少なくとも一部に空隙が残るように、前記切り欠きの先端側の部分において前記筒状部と前記第1部分とを溶接する溶接工程をさらに備えることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
上記構成によれば、天井部と第2部分との間に空隙が残るので、切り欠き以外に、天井部に貫通孔などを形成する工程を省略できる。この結果、スパークプラグの製造がより容易となる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、スパークプラグやスパークプラグを用いた点火装置、そのスパークプラグを搭載する内燃機関や、そのスパークプラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
スパークプラグの断面図である。 スパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。 スパークプラグの製造方法の一例を示すフローチャートである。 スパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。 スパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。 スパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。 スパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。 スパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。 スパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。 貫通部の形状の例を示す図である。
A.第1実施例:
A−1.スパークプラグ100の構成:
図1は、本実施例のスパークプラグ100の断面図である。図1の断面は、スパークプラグ100の中心軸CLを含む断面である。以下、中心軸CLと平行な方向を「軸線方向」とも呼ぶ。中心軸CLを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、中心軸CLを中心とする円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLと平行な方向のうち、図1における上方向を先端方向Dfと呼び、下方向を後端方向Drとも呼ぶ。また、図1における先端方向Df側をスパークプラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dr側をスパークプラグ100の後端側と呼ぶ。また、「径方向」のうちの特定の1個の方向を第1方向D1とし、「径方向」のうちの第1方向D1と垂直な方向を第2方向D2とする。
スパークプラグ100は、絶縁体10(以下「絶縁碍子10」とも呼ぶ)と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50と、導電性の第1シール部60と、抵抗体70と、導電性の第2シール部80と、キャップ90と、先端側パッキン8と、タルク9と、第1後端側パッキン6と、第2後端側パッキン7と、を備えている。
絶縁体10は、中心軸CLに沿って軸線方向に延びて絶縁体10を貫通する貫通孔12(以下「軸孔12」とも呼ぶ)を有する略円筒状の部材である。絶縁体10は、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。絶縁体10は、先端側から後端方向Drに向かって順番に並ぶ、脚部13と、第1縮外径部15と、先端側胴部17と、鍔部19と、第2縮外径部11と、後端側胴部18と、を有している。第1縮外径部15の外径は、後端側から先端側に向かって、徐々に小さくなる。絶縁体10の第1縮外径部15の近傍(図3の例では、先端側胴部17)には、後端側から先端側に向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部16が形成されている。第2縮外径部11の外径は、先端側から後端側に向かって、徐々に小さくなる。
絶縁体10の軸孔12の先端側には、中心軸CLに沿って延びる棒状の中心電極20が配置されている。中心電極20は、軸部27と、中心軸CLを中心として中心軸CLに沿って延びる略円柱状の中心電極チップ28と、を備えている。軸部27は、先端側から後端方向Drに向かって順番に並ぶ、脚部25と、鍔部24と、頭部23と、を有している。脚部25の先端(すなわち、軸部27の先端)には、中心電極チップ28が接合されている(例えば、レーザ溶接)。中心電極チップ28の全体は、絶縁体10の先端側で、軸孔12の外に露出している。鍔部24の先端方向Df側の面は、絶縁体10の縮内径部16によって、支持されている。また、軸部27は、外層21と芯部22とを有している。外層21は、導電性を有し、芯部22よりも耐酸化性に優れる材料、すなわち、内燃機関の燃焼室内で燃焼ガスに曝された場合の消耗が少ない材料(例えば、純ニッケル、ニッケルとクロムとを含む合金、等)で形成されている。芯部22は、導電性を有し、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅合金、等)で形成されている。芯部22の後端部は、外層21から露出し、中心電極20の後端部を形成する。芯部22の他の部分は、外層21によって被覆されている。ただし、芯部22の全体が、外層21によって覆われていても良い。また、中心電極チップ28は、軸部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。
絶縁体10の軸孔12の後端側には、端子金具40の一部が挿入されている。端子金具40は、導電性材料(例えば、低炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40と中心電極20との間には、電気的なノイズを抑制するための、略円柱形状の抵抗体70が配置されている。抵抗体70は、例えば、導電性材料(例えば、炭素粒子)と、セラミック粒子(例えば、ZrO)と、ガラス粒子(例えば、SiO2−B23−LiO−BaO系のガラス粒子)と、を含む材料を用いて形成されている。抵抗体70と中心電極20との間には、導電性の第1シール部60が配置され、抵抗体70と端子金具40との間には、導電性の第2シール部80が配置されている。シール部60、80は、例えば、抵抗体70の材料に含まれるものと同じガラス粒子と、金属粒子(例えば、Cu)と、を含む材料を用いて、形成されている。中心電極20と端子金具40とは、抵抗体70とシール部60、80とを介して、電気的に接続される。
主体金具50は、中心軸CLに沿って延びて主体金具50を貫通する貫通孔59を有する略円筒状の部材である。主体金具50は、低炭素鋼材を用いて形成されている(他の導電性材料(例えば、金属材料)も採用可能である)。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入されている。主体金具50は、絶縁体10の外周に配置されている。主体金具50の先端側では、絶縁体10の先端(本実施例では、脚部13の先端側の部分)が、貫通孔59の外に露出している。主体金具50の後端側では、絶縁体10の後端(本実施例では、後端側胴部18の後端側の部分)が、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、先端側から後端側に向かって順番に並ぶ、胴部55と、座部54と、変形部58と、工具係合部51と、加締部53と、を有している。座部54は、鍔状の部分である。胴部55の外周面には、内燃機関(例えば、ガソリンエンジン)の取付孔に螺合するためのネジ部52が形成されている。ネジ部52の呼び径は、例えば、M12(12mm(ミリメートル))とされている。ネジ部52の呼び径は、M8、M10、M14、M18のいずれかであっても良い。座部54とネジ部52との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット5が嵌め込まれている。
主体金具50は、変形部58よりも先端方向Df側に配置された縮内径部56を有している。縮内径部56の内径は、後端側から先端側に向かって、徐々に小さくなる。主体金具50の縮内径部56と、絶縁体10の第1縮外径部15と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。先端側パッキン8は、鉄製でO字形状のリングである(他の材料(例えば、銅等の金属材料)も採用可能である)。
工具係合部51の形状は、スパークプラグレンチが係合する形状(例えば、六角柱)である。また、加締部53は、絶縁体10の第2縮外径部11よりも後端側に配置され、主体金具50の後端(すなわち、後端方向Dr側の端)を形成する。加締部53は、径方向の内側に向かって屈曲されている。加締部53の先端方向Df側では、主体金具50の内周面と、絶縁体10の外周面と、の間に、第1後端側パッキン6と、タルク9と、第2後端側パッキン7とが、先端方向Dfに向かってこの順番に、配置されている。本実施例では、これらの後端側パッキン6、7は、鉄製でC字形状のリングである(他の材料も採用可能である)。
スパークプラグ100の製造時には、加締部53が内側に折り曲がるように加締められる。そして、加締部53が先端方向Df側に押圧される。これにより、変形部58が変形し、後端側パッキン6、7とタルク9とを介して、絶縁体10が、主体金具50内で、先端側に向けて押圧される。先端側パッキン8は、第1縮外径部15と縮内径部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。以上により、主体金具50が、絶縁体10に、固定される。
図2は、スパークプラグ100の先端近傍の構成を示す図である。図2(A)には、スパークプラグ100の先端近傍の断面(図1)の拡大図が示されている。図2(B)には、スパークプラグ100を、軸線方向の先端側から後端方向Drに向かって見た図が示されている。ただし、図2(B)では、図の煩雑を避けるために、キャップ90と、接地電極30と、後述する溶融部WD以外の図示が省略されている。図2(C)には、スパークプラグ100の先端近傍を、第1方向D1の反対側から第1方向D1に向かって見た図が示されている。
接地電極30は、湾曲した棒状の接地電極本体35と、接地電極本体35に接合された接地電極チップ38と、を備えている。接地電極本体35は、耐酸化性に優れる導電性の材料(例えば、ニッケルとクロムとを含む合金)を用いて形成されている。接地電極チップ38は、接地電極本体35よりも放電に対する耐久性に優れる導電性の材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。
接地電極本体35は、一端を含む後端側部分35rと、他端を含む先端側部分35fと、後端側部分35rと先端側部分35fとの間の湾曲した部分である湾曲部分35cを含む。後端側部分35rの一端は、主体金具50の先端面57に接合され、当該一端から先端方向Dfに向かって延びている。先端側部分35fは、径方向の外側から径方向の内側に向かって、第1方向D1に延びている。
接地電極チップ38は、先端側部分35fの後端側の面に接合されている(例えば、抵抗溶接)。接地電極チップ38の後端側の面と、中心電極チップ28の先端側の面とは、軸線方向に対向して、火花が発生する間隙GA(ギャップとも呼ぶ)を形成している。
キャップ90は、例えば、接地電極本体35と同様に、耐酸化性に優れる導電性の材料(例えば、ニッケルとクロムとを含む合金)を用いて形成されている。キャップ90は、中空の筒状部92と、筒状部92の先端側に配置される天井部94(中心軸CLとほぼ垂直な部分)と、を備えている。キャップ90の厚さ、すなわち、筒状部92および天井部94の厚さは、例えば、0.3mm〜1.0mmである。
キャップ90の天井部94には、キャップ90の内側と外側とを連通する4個の貫通孔96が形成されている。図2の貫通孔96の個数は、一例であり、1個、2個などの他の個数であっても良い。
キャップ90には、切り欠き95が形成されている。切り欠き95は、周方向の特定の位置に形成されている。図2(A)、(B)に示すように、切り欠き95の後端は、キャップ90の後端(すなわち、筒状部92の後端)に位置し、切り欠き95の先端は、キャップ90の先端より後端側に位置している。換言すれば、切り欠き95は、周方向の特定の位置において、筒状部92の後端を含む部分に形成されている。
キャップ90の後端、すなわち、筒状部92の後端は、切り欠き95が形成されている部分を除いて、主体金具50の先端面57にレーザー溶接によって接合されている。この結果、筒状部92の後端と、主体金具50の先端面57との間には、レーザー溶接によって、筒状部92を形成する材料の成分と主体金具50を形成する材料の成分とが溶融された溶融部WDが形成されている。キャップ90の内側の空間CM内のほぼ中央部に、接地電極チップ38と中心電極チップ28との間の間隙GAが位置している。
図2(A)に示すように、キャップ90の切り欠き95には、接地電極本体35の後端側部分35rが配置されている。図2(A)に示すように、接地電極本体35の後端側部分35rの径方向外側の面と、キャップ90の筒状部92の外周面と、の中心軸CLからの距離は、ほぼ同じである。したがって、キャップ90に切り欠き95がなければ、キャップ90と接地電極本体35とが干渉する。換言すれば、キャップ90に切り欠き95が形成されていることによって、キャップ90と接地電極本体35とが干渉しないように、キャップ90を主体金具50に接合することができる。
なお、図2(C)に示すように、接地電極本体35の後端側部分35rの第2方向D2側の面および第2方向と反対方向側の面と、切り欠き95を形成するキャップ90(筒状部92)の面と、の間の空間の幅Sは、例えば、0.1〜0.15mmである。
A−2.スパークプラグ100の製造方法
上述したスパークプラグ100は、例えば、以下のような製造方法によって製造することが可能である。図3は、スパークプラグ100の製造方法の一例を示すフローチャートである。
S1では、絶縁体10や中心電極20を含む組立体が作製される。すなわち、絶縁体10の軸孔12に、上述した中心電極20、端子金具40、第1シール部60、抵抗体70、第2シール部80が組み付けられた組立体が作製される。
S2では、主体金具50に、湾曲されていない棒状の接地電極30の一端(後端側部分35rの一端)が接合される。S3では、主体金具50に、S1で作製された組立体が組み付けられる。S4では、接地電極30の曲げ加工が行われて、上述した湾曲部分35cが形成される。この結果、中心電極20と接地電極30との間隙GAが形成される。
S1〜S4までの工程は、キャップ90を備えないタイプのスパークプラグの一般的な製造方法である。S1〜S4までの工程は、キャップ90を備えないタイプのスパークプラグを準備する工程である、とも言うことができる。図3のS1〜S4に示した工程は、単なる一例であり、例えば、ステップS1〜S4の工程の順序は、適宜に変更可能である。
S5では、キャップ90が主体金具50に配置される。具体的には、図2(A)、(C)に示すように、キャップ90に形成された切り欠き95に、接地電極30の接地電極本体35の後端側部分35rが配置され、かつ、キャップ90の後端(すなわち、筒状部92の後端)が主体金具50の先端面57と接するように、キャップ90が配置される。
S6では、S5にてキャップ90が主体金具50の先端面57に配置された状態で、キャップ90(筒状部92)と主体金具50とがレーザー溶接を用いて接合される。この結果、図2を参照して説明したように、キャップ90の後端と、主体金具50の先端面57と、の間に溶融部WDが形成され、スパークプラグ100が完成する。
図1に破線で示すS7とS8は、後述する別の実施例のスパークプラグを製造する際に、行われる工程であるので、別の実施例を説明する際に、併せて説明する。
A−3.スパークプラグ100の動作
次に、スパークプラグ100の動作について説明する。スパークプラグ100は、ガスエンジンなどの内燃機関に取り付けられて使用される。所定の電源を含む点火装置(例えば、フルトランジスタ点火装置)によって、スパークプラグ100の接地電極30と中心電極20との間に電圧が印加される。この結果、接地電極30と中心電極20との間隙GAに、火花放電が生じる。すなわち、キャップ90内の空間CMで火花放電が生じる。内燃機関の燃焼室内の燃料ガスが、キャップ90の貫通孔96や、切り欠き95と接地電極本体35との隙間を通って、空間CM内に導入される。空間CMで生じた火花によって、空間CM内の燃料ガスが点火される。点火された燃料ガスの燃焼によって生じた火炎は、キャップ90の貫通孔96を通って、外部(内燃機関の燃焼室)へと噴出される。噴出された火炎によって、内燃機関の燃焼室内の燃料ガスが点火される。この結果、特に、燃焼室の容積が比較的大きな内燃機関であっても、速やかに燃焼室内の燃料ガスの全体を燃焼させることができる。
以上説明した第1実施例のスパークプラグ100によれば、主体金具50に接続された一端を含む第1部分としての後端側部分35rと、他端を含む第2部分としての先端側部分35fとを含む接地電極30は、キャップ90を備えないタイプのスパークプラグでも採用され得る。したがって、キャップ90を備えないタイプのスパークプラグとキャップ90を備えるタイプのスパークプラグ100との部品の共通化を実現できる。この結果、スパークプラグの部品の種類や開発工数を低減することができる。
図2を参照して説明したスパークプラグ100の製造方法によれば、キャップ90を備えないタイプのスパークプラグにキャップ90を接合する接合工程(図3のS7)を実行することで、キャップ90を備えないタイプのスパークプラグ100を用いて、容易に、キャップ90を備えるタイプのスパークプラグ100を製造することができる。この結果、スパークプラグの部品の種類や開発工数を低減することができる。
B.第2実施例:
図4は、第2実施例のスパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。図4には、図2(C)と同様に、スパークプラグの先端近傍を、第1方向D1の反対側から第1方向D1に向かって見た図が示されている。第2実施例のスパークプラグでは、キャップ90の後端と主体金具50の先端面57との間に加えて、切り欠き95の後端側の部分において、切り欠き95を形成する筒状部92の部分と、接地電極本体35の後端側部分35rと、の間が、レーザー溶接によって接合されている。すなわち、切り欠き95の後端側の部分において、筒状部92と接地電極本体35との間に溶融部WDが形成されている。第2実施例のスパークプラグの他の構成は、第1実施例のスパークプラグ100と同じである。
第2実施例のスパークプラグの製造方法では、図3のS1〜S6の後に、切り欠き95の後端側の部分において、筒状部92と接地電極本体35との間をレーザー溶接によって接合する工程(S7)が実行される。レーザー溶接前には、筒状部92と接地電極本体35との間には、上述したように、0.1mm〜0.15mmの隙間があるが、十分にレーザー溶接によって接合することができる。
以上説明した第2実施例のスパークプラグによれば、さらに、切り欠き95の後端側の部分において、筒状部92と接地電極本体35との間に溶融部WDが形成されているので、空間CM内の火炎が、空間CMから径方向に噴出されることを防ぐことができる。この結果、空間CMから先端方向Dfに噴出される火炎の量を第1実施例のスパークプラグ100より多くすることができる。したがって、スパークプラグの着火性能を向上することができる。
C.第3実施例:
図5は、第3実施例のスパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。図5(A)には、スパークプラグを、軸線方向の先端側から後端方向Drに向かって見た図が示されている。図5(B)には、スパークプラグの先端近傍を、第1方向D1の反対側から第1方向D1に向かって見た図が示されている。図5(C)には、スパークプラグの先端近傍を、第1方向D1側から第1方向D1の反対方向に向かって見た図が示されている。
第3実施例のキャップ90cの筒状部92cは、軸線CLから見て、切り欠き95と反対側の周方向の位置に形成され、キャップ90cの内側と外側とを連通する貫通部97を有している。この貫通部97は、図5(C)に示すように、略矩形である。図5(C)の例では、貫通部97の第2方向D2の幅(図5(C)の横方向の長さ)は、接地電極本体35の第2方向D2の幅とほぼ同じである。貫通部97の軸線方向の長さ(図5(C)の縦方向の長さ)は、少なくとも中心電極20と接地電極30との間の間隙GAより長く、図5(C)の例では、間隙GAの2倍より長い。貫通部97の先端は、接地電極30の間隙GAを形成する面、すなわち、接地電極チップ38の後端側の面より先端側に位置している。貫通部97の後端は、中心電極20の間隙GAを形成する面、すなわち、中心電極チップ28の先端側の面より後端側に位置している。第3実施例のスパークプラグの他の構成は、第2実施例のスパークプラグと同じである。
以上説明した第3実施例のスパークプラグによれば、さらに、図5(C)に示すように、スパークプラグの先端近傍を、外部から見たとき、貫通部97から中心電極20と接地電極30との間の間隙GAを観察することができる。また、貫通部97から隙間ゲージなどを挿入することで、間隙GAの長さを測定することができる。また、貫通部97から調整用の棒状の工具を挿入することで、間隙GAの長さを調整することができる。例えば、図3のS8に示すように、キャップ90を主体金具50の先端面57に接合した後においても、中心電極20と接地電極30との間隙GAの確認および調整を行うことができる。また、スパークプラグを使用して、中心電極チップ28や接地電極チップ38が消耗することによって、間隙GAが変動した後に、間隙GAの確認および調整を行うことができる。
D.第4実施例:
図6は、第4実施例のスパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。図6(A)には、スパークプラグを、軸線方向の先端側から後端方向Drに向かって見た図が示されている。図6(B)には、スパークプラグの先端近傍を、第1方向D1の反対側から第1方向D1に向かって見た図が示されている。図6(C)には、スパークプラグの先端近傍を、第1方向D1側から第1方向D1の反対方向に向かって見た図が示されている。
第4実施例のキャップ90dは、第3実施例のキャップ90cの貫通部97と同じ位置に形成された貫通部98を有している。貫通部98は、切り欠き95と同じ形状の切り欠きである。換言すれば、キャップ90dには、互いに同一の形状を有し周方向の位置が互いに異なる2個の切り欠き95、98が形成されている。貫通部(切り欠き)98の先端は、接地電極30の間隙GAを形成する面、すなわち、接地電極チップ38の後端側の面より先端側に位置している。貫通部(切り欠き)98の後端は、中心電極20の間隙GAを形成する面、すなわち、中心電極チップ28の先端側の面より後端側に位置している。第4実施例のスパークプラグの他の構成は、第3実施例のスパークプラグと同じである。
第4実施例のスパークプラグ100を製造する際には、図3のS3において、キャップ90dを主体金具50に配置するときに、2個の切り欠き95、98を区別する必要がない。したがって、S3では、接地電極本体35の後端側部分35rが、2個の切り欠き95、98のうちの任意の一つに配置されるように、キャップ90dが主体金具50に配置される。そして、S4において、キャップ90d(筒状部92d)と主体金具50とがレーザー溶接によって接合される。
以上説明した第4実施例のスパークプラグによれば、第2実施例のスパークプラグと同様に、貫通部98から間隙GAの確認および調整を行うことができる。そして、製造時に、間隙GAの確認および調整を行う貫通部(切り欠き)と、接地電極本体35の後端側部分35rが配置される切り欠きと、を区別する必要がない。この結果、接地電極本体35の後端側部分35rが配置される切り欠きと、間隙GAを観察するための貫通部を備えるスパークプラグを、容易に製造することができる。
E.第5実施例:
図7は、第5実施例のスパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。図7(A)には、スパークプラグの先端近傍の断面の拡大図が示されている。図7(B)には、スパークプラグを、軸線方向の先端側から後端方向Drに向かって見た図が示されている。図7(C)には、スパークプラグの先端近傍を、第1方向D1の反対側から第1方向D1に向かって見た図が示されている。
第5実施例のキャップ90eは、第1実施例のキャップ90と比較して、筒状部92eの軸線方向の長さが短い。このために、キャップ90eの全体の軸線方向の長さは、第1実施例のキャップ90より短い。具体的には、キャップ90eの全体の軸線方向の長さは、主体金具50の先端面57から接地電極30の先端までの長さと、ほぼ等しい。
キャップ90eの切り欠き95eの後端は、第1実施例の切り欠き95と同様に、キャップ90eの後端に位置している。キャップ90eの切り欠き95eの先端は、第1実施例の切り欠き95と異なり、天井部94eに位置している。具体的には、切り欠き95eの先端は、天井部94eにおける中心軸CLとの交点より第1方向D1側に位置している。この結果、キャップ90eの切り欠き95eの形状および大きさは、図9(A)、(B)に示すように、接地電極本体35の形状および大きさに類似している。
キャップ90eが主体金具50に接合された状態で、キャップ90eの切り欠き95eには、接地電極本体35が全長に亘って配置される。すなわち、切り欠き95eの先端側の部分には、接地電極本体35の先端側部分35fが配置される。そして、切り欠き95eの後端側の部分には、接地電極本体35の後端側部分35rが配置され、切り欠き95eの中央の部分には、接地電極本体35の湾曲部分35cが配置される。第5実施例のスパークプラグの他の構成は、第1実施例のスパークプラグと同じである。
以上説明した第5実施例のスパークプラグによれば、さらに、スパークプラグが内燃機関に取り付けられたときに、キャップ90eが内燃機関の燃焼室内に突出する長さを短くすることができる。この結果、キャップの温度上昇、すなわち、スパークプラグの先端の温度上昇を抑制することができるので、プレイグニッション(過早着火)の発生を抑制することができる。さらには、接地電極本体35の先端側部分35fが、外部に露出しているので、例えば、第3実施例や第4実施例のような貫通部97、98を備えていなくても、間隙GAの調整を実行することができる。
F.第6実施例:
図8は、第6実施例のスパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。図8(A)には、図7(B)と同様に、スパークプラグを、軸線方向の先端側から後端方向Drに向かって見た図が示されている。図8(B)には、図7(C)と同様に、スパークプラグの先端近傍を、第1方向D1の反対側から第1方向D1に向かって見た図が示されている。
第6実施例のスパークプラグでは、キャップ90の後端と主体金具50の先端面57との間に加えて、切り欠き95eの後端側の部分において、切り欠き95eを形成するキャップ90e(筒状部92e)の部分と、接地電極本体35と、の間が、レーザー溶接によって接合されている。すなわち、切り欠き95eの後端側の部分において、キャップ90e(筒状部92e)と接地電極本体35(後端側部分35rおよび湾曲部分35c)との間に溶融部WDが形成されている。
そして、切り欠き95eの先端側の部分において、キャップ90e(天井部94e)と接地電極本体35(先端側部分35f)との間に溶融部WDが形成されていない。換言すれば、切り欠き95eの先端側の部分において、キャップ90e(天井部94e)と接地電極本体35(先端側部分35f)との間に幅Sの空隙が形成されている。第6実施例のスパークプラグの他の構成は、第5実施例のスパークプラグと同じである。
第6実施例のスパークプラグの製造方法では、図3のS5において、切り欠き95eの先端が天井部94eに位置するキャップ90eは、接地電極本体35(後端側部分35rおよび先端側部分35f)が切り欠き95eに配置されるように、配置される。そして、S7において、切り欠き95eの先端側の部分においてキャップ90e(天井部94e)と接地電極本体35(先端側部分35f)との間に空隙が残るように、切り欠き95eの後端側の部分においてキャップ90e(筒状部92e)と接地電極本体35(後端側部分35r)とをレーザー溶接によって接合する工程(S7)が実行される。
以上説明した第6実施例のスパークプラグによれば、さらに、切り欠き95eの後端側の部分において、キャップ90e(筒状部92e)と接地電極本体35(後端側部分35r)との間に溶融部WDが形成されているので、空間CM内の火炎が、空間CMから径方向に噴出されることを防ぐことができる。この結果、空間CMから先端方向Dfに噴出される火炎の量を第1実施例のスパークプラグ100より多くすることができる。したがって、スパークプラグの着火性能を向上することができる。
さらに、切り欠き95eの先端側の部分において、キャップ90e(天井部94e)と接地電極本体35(先端側部分35f)との間に空隙が形成されている(すなわち、溶融部WDが形成されていない)。この結果、例えば、第3実施例や第4実施例のような貫通部97、98を備えていなくても、間隙GAの調整を実行することができる。
G.第7実施例:
図9は、第7実施例のスパークプラグの先端近傍の構成を示す図である。図9には、スパークプラグを、軸線方向の先端側から後端方向Drに向かって見た図が示されている。第7実施例のキャップ90gの天井部94gには、4個の貫通孔96が形成されていない。第7実施例のスパークプラグの他の構成は、第6実施例のスパークプラグと同じである。すなわち、第7実施例では、キャップ90gの天井部94gにおいて、キャップ90gの内側と外側とを連通する部位は、切り欠き95eの先端側の部分において、キャップ90g(天井部94g)と接地電極本体35(先端側部分35f)との間に形成された幅Sの空隙のみである。第7実施例のスパークプラグの製造方法は、第6実施例のスパークプラグの製造方法と同じである。
以上説明した第7実施例のスパークプラグによれば、さらに、切り欠き95e以外に、天井部94gに貫通孔などを形成しないので、キャップ90gの製造、ひいては、スパークプラグの製造が容易となる。製造方法の観点から見れば、第7実施例のスパークプラグの製造方法によれば、切り欠き95eの先端側の部分においてキャップ90gと接地電極本体35との間に空隙が残るように、切り欠き95eの後端側の部分においてキャップ90gと接地電極本体35とをレーザー溶接によって接合するので、キャップ90g(天井部)と接地電極本体35(先端側部分35f)との間に空隙が残る。この結果、当該空隙を介して、キャップ90e内の空間CMへの燃料ガスの流入や、キャップ90e内の空間CMからの火炎の噴出が、行われる。したがって、切り欠き95e以外に、貫通孔などを形成する工程を省略でき、スパークプラグの製造がより容易となる。
H.変形例:
(1)第3実施例のキャップ90cの貫通部97(図5)の形状は、一例であり、これに限られない。図10は、貫通部の形状の例を示す図である。図10(A)のキャップ90h(筒状部92h)に形成された貫通部97hは、後端がキャップ90hの後端に至る切り欠きである。また、貫通部97hの第2方向D2の長さは、第3実施例の貫通部97より短い。
図10(B)のキャップ90i(筒状部92i)に形成された貫通部97iは、軸線方向の長さが第3実施例の貫通部97とほぼ同じであるが、第2方向D2の長さが第3実施例の貫通部97より短い。
図10(C)のキャップ90j(筒状部92j)に形成された貫通部97jは、正方形の形状を有している。貫通部97jの軸線方向の長さおよび第2方向D2の長さは、第3実施例の貫通部97より短い。
図10(D)のキャップ90k(筒状部92k)に形成された貫通部97kは、円形状を有している。貫通部97kの軸線方向の長さおよび第2方向D2の長さは、第3実施例の貫通部97より短い。
図10(E)のキャップ90m(筒状部92m)に形成された貫通部97mは、第3実施例の貫通部97と異なり、軸線方向の長さが第2方向D2の長さより短い。
貫通部97h〜97mのいずれであっても、先端が、接地電極30の間隙GAを形成する面、すなわち、接地電極チップ38の後端側の面より先端側に位置し、後端が、中心電極20の間隙GAを形成する面、すなわち、中心電極チップ28の先端側の面より後端側に位置している。この結果、貫通部97h〜97mから間隙GAの確認および調整を行うことができる。
(2)上記第3実施例のキャップ90cの貫通部97は、中心軸CLから見て切り欠き95とは反対側の周方向の位置に形成されている。これに限らず、キャップ90cの貫通部97は、切り欠き95とは、45度あるいは90度あるいは120度だけ周方向にずれた位置に形成されても良い。一般的には、キャップ90cの貫通部97は、切り欠き95が形成されている周方向の位置とは異なる周方向の位置に形成されていれば良い。第4実施例のキャップ90dの貫通部98(図6)についても同様である。
(3)上記各実施例では、キャップ90の後端と、接地電極本体35(後端側部分35r)の後端とは、ともに同じ先端面57に接合されているので、キャップ90の後端(切り欠き95の後端の位置とも言うことができる)と、接地電極本体35の後端と、は軸線方向の位置が一致している。これに代えて、例えば、接地電極本体35の後端は、主体金具50の先端面57に形成された凹部に接合されていても良い。この場合には、キャップ90の後端と、接地電極本体35の後端とは、軸線方向の位置が異なる。この結果、キャップ90の切り欠き95には、接地電極本体35(後端側部分35r)の後端は配置されないが、接地電極本体35(後端側部分35r)の後端より先端側の一部が、配置される。このように、切り欠き95には、接地電極本体35の後端側部分35rの少なくとも一部が配置されれば良い。
(4)上記各実施例は、適宜に組み合わされても良い。例えば、第5〜第7実施例のキャップ90e〜90gの筒状部92e〜92g(図7〜図9)は、第3、第4実施例における間隙GAの観察および調整のための貫通部97、98(図5、図6)や、変形例の貫通部97h〜97m(図10)を備えていても良い。
(5)接地電極30や中心電極20の間隙GAの近傍の構成(発火部の構成)としては、上述の構成に限らず、他の構成を採用してもよい。例えば、接地電極本体35は、銅などで形成された芯部を備える2層構造を有していても良い。また、接地電極チップ38は、接地電極本体35から突出する台座にレーザー溶接によって溶接されていても良い。あるいは、接地電極チップ38を備えず、接地電極本体35の中心電極20側の面が、間隙GAを形成する構成を採用しても良い。また、中心電極20は、中心電極チップ28と、軸部27と、の2個の部材から構成されていなくても良く、1個の部材で構成されていても良い。
(6)上記実施例のキャップ90は、接地電極本体35と同じ材料(例えば、ニッケルとクロムとを含む合金)で形成されている。これに代えて、キャップ90は、主体金具50と同じ材料(例えば、低炭素鋼材)で形成されても良く、接地電極本体35や主体金具50とは異なる材料(例えば、所定の金属材料)で形成されても良い。
(7)上記実施例のスパークプラグ100の部品の種類や開発工数を着火性と耐久性の向上は、キャップ90と、接地電極30と、の構造によって達成されると考えられる。したがって、主体金具50の材質や細部の寸法、絶縁体10の材質や細部の寸法などの他の構成要素の構成は、様々に変更可能である。例えば、主体金具50の材質は、亜鉛めっきまたはニッケルめっきされた低炭素鋼でも良いし、めっきがなされていない低炭素鋼 でも良い。また、絶縁体10の材質は、アルミナ以外の様々な絶縁性セラミックスでもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
5...ガスケット、6...第1後端側パッキン、7...第2後端側パッキン、8...先端側パッキン、9...タルク、10...絶縁体、11...第2縮外径部、12...軸孔、13...脚部、15...第1縮外径部、16...縮内径部、17...先端側胴部、18...後端側胴部、19...鍔部、20...中心電極、21...外層、22...芯部、23...頭部、24...鍔部、25...脚部、27...軸部、28...中心電極チップ、30...接地電極、35...接地電極本体、38...接地電極チップ、40...端子金具、50...主体金具、51...工具係合部、52...ネジ部、53...加締部、54...座部、55...胴部、56...縮内径部、57...先端面、58...変形部、59...貫通孔、60...第1シール部、70...抵抗体、80...第2シール部、90、90c〜90m...キャップ、92、92c〜92m...筒状部、94、94e〜94g...天井部、95、95e...切り欠き、96...貫通孔、97、97h〜97m、98...貫通部、100...スパークプラグ、GA...間隙、WD...溶融部、CL...軸線、CM...空間

Claims (8)

  1. 軸線方向に延びる中心電極と、
    前記軸線方向に延びる軸孔を有し、前記軸孔に前記中心電極が配置される絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
    前記中心電極との間に間隙を形成する棒状の接地電極と、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極は、前記主体金具と接合される一端を含む第1部分と、他端を含む第2部分と、を含み、
    前記主体金具に接合される中空の筒状部と、前記筒状部の先端側に位置する天井部と、を含み、周方向の特定の位置における少なくとも前記筒状部の後端を含む部分に切り欠きが形成されたキャップを備え、
    前記切り欠きには、前記接地電極の前記第1部分の少なくとも一部が配置され
    前記筒状部と前記第1部分との間に溶融部が形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグであって、
    前記キャップは、前記切り欠きが形成されている周方向の位置とは異なる周方向の位置に形成され、前記キャップの内側と外側とを連通する貫通部を有し、
    前記貫通部の先端は、前記接地電極の前記間隙を形成する面より先端側に位置し、
    前記貫通部の後端は、前記中心電極の前記間隙を形成する面より後端側に位置することを特徴とする、スパークプラグ。
  3. 請求項1または2に記載のスパークプラグであって、
    前記切り欠きの先端は、前記天井部に位置し、
    前記切り欠きの先端側の部分には、前記接地電極の前記第2部分が配置されることを特徴とする、スパークプラグ。
  4. 請求項に記載のスパークプラグであって、さらに、
    前記切り欠きの後端側の部分において、前記筒状部と前記第1部分との間に溶融部が形成され、
    前記切り欠きの先端側の部分において、前記天井部と前記第2部分との間の少なくとも一部に空隙が形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
  5. 請求項に記載のスパークプラグであって、
    前記天井部において前記キャップの内側と外側とを連通する部位は、前記切り欠きの先端側の部分において、前記天井部と前記第2部分との間に形成された前記空隙のみであることを特徴とする、スパークプラグ。
  6. 軸線方向に延びる中心電極と、
    前記軸線方向に延びる軸孔を有し、前記軸孔に前記中心電極が配置される絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
    前記中心電極との間に間隙を形成する棒状の接地電極と、
    を備えるスパークプラグの製造方法であって、
    前記接地電極の一端を、前記主体金具に接合する第1の接合工程と、
    前記主体金具に接合される中空の筒状部と、前記筒状部の先端側に位置する天井部と、を含み、周方向の特定の位置における少なくとも前記筒状部の後端を含む部分に切り欠きが形成されたキャップを、前記接地電極の前記一端を含む第1部分の少なくとも一部が前記切り欠きに配置されるように、前記筒状部と前記主体金具とを接合し、前記筒状部と前記第1部分との間に溶融部が形成されるように、前記筒状部と前記接地電極とを接合する第2の接合工程と、
    を備えることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  7. 請求項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記第2の接合工程において、互いに同一の形状を有し周方向の位置が互いに異なる複数個の前記切り欠きが形成された前記キャップを、前記接地電極の前記第1部分の少なくとも一部が複数個の前記切り欠きのうちの任意の一つに配置されるように、前記筒状部と前記主体金具とを接合し、
    前記筒状部と前記主体金具とが接続された状態で、
    複数個の前記切り欠きのそれぞれの先端は、前記間隙を形成する前記接地電極の面より先端側に位置し、
    複数個の前記切り欠きのそれぞれの後端は、前記間隙を形成する前記中心電極の面より後端側に位置することを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
  8. 請求項またはに記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記第2の接合工程において、前記切り欠きの先端が前記天井部に位置する前記キャップを、前記接地電極の前記第1部分と前記接地電極の他端を含む第2部分とが前記切り欠きに配置されるように、前記筒状部と前記主体金具とを接合し、
    前記切り欠きの先端側の部分において前記天井部と前記第2部分との間の少なくとも一部に空隙が残るように、前記切り欠きの後端側の部分において前記筒状部と前記第1部分とを溶接する溶接工程をさらに備えることを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
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