JP4804524B2 - 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグ及びその製造方法に関する。
自動車エンジン等の内燃機関用のスパークプラグは、例えば軸線方向に延びる中心電極と、その外側に設けられた絶縁体と、当該絶縁体の外側に設けられた筒状の主体金具と、基端部が前記主体金具の先端面に接合された接地電極とを備える。接地電極は、断面略矩形状をなし、その先端部内側面が前記中心電極の先端部と対向するように配置され、これにより中心電極の先端部及び接地電極の先端部間に火花放電間隙が形成される。
また、近年では、中心電極の先端部、及び、接地電極の先端部に、それぞれ貴金属合金よりなるチップ(貴金属チップ)を接合することで、耐火花消耗性の向上を図ることも考えられている。また特に、角柱形状をなす貴金属チップを、接地電極の前記軸線側の先端面から軸線に向けて突出するよう溶接することで、着火性や火花伝播性の向上を図ることが考えられている(例えば、特許文献1,2等参照)。
特開昭61−45583号公報 特開2002−324650号公報
しかしながら、上記のように、貴金属チップが接地電極の先端面から軸線に向けて突出していると、貴金属チップの先端部分は、接地電極の母材から離間する位置に存在することとなるため、熱引きが悪く、より高温になりやすい。特に、昨今のエンジンでは、燃焼温度がより高くなる傾向にあり、接地電極の先端部分はより高温下に晒されることとなる。
この場合、貴金属チップ及び接地電極は熱膨張及び収縮を繰り返すのであるが、両者の熱膨張・収縮の程度差に起因して、接地電極の先端面から見たときの貴金属チップと接地電極と境界部分においては、応力差が生じ、歪みが生じやすい。従って、前記境界部分から酸素が侵入しやすく、酸化スケールが形成されてしまいやすい。そのため、溶接部位において酸化スケールが形成されてしまうことに起因する耐酸化性、耐剥離性の低下が懸念される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、着火性、火炎伝播性の向上を図ることができるとともに、酸化スケールが形成されてしまうことに起因する耐剥離性等の低下を防止することの可能な内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、
軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた略筒状の主体金具と、
基端が前記主体金具の先端面に接合され、先端が前記中心電極に向けて曲げられて配置された接地電極とを備え、
前記接地電極の先端部には、前記中心電極の先端部に、間隙を介して貴金属チップが溶接により接合されている内燃機関用スパークプラグであって、
前記貴金属チップは、
前記接地電極に対し、自身の一部が埋め込まれるようにして接合されているとともに、
前記接地電極の先端面から突出しており、
前記先端面からの突出長をA(mm)としたとき、A≧0.25mmを満たし、かつ、
前記貴金属チップと前記接地電極の先端面との幅方向に延びる境界には、少なくとも前記貴金属チップの中心部分を覆うようにして、前記接地電極と同一の金属素材を含んでなる膨出部を設け、さらに、
前記貴金属チップの幅をB(mm)とし、
前記膨出部のうち、
前記貴金属チップと前記接地電極の先端面との幅方向に延びる境界線から前記軸線方向に0.05mmだけずれた線の幅方向の長さをE1(mm)とし、
前記境界線から前記突出方向に0.05mmだけずれた線の幅方向の長さをE2(mm)とし、
前記長さE1、長さE2のうち、短い方の長さをE(mm)としたとき、
E/B≧0.5を満たすことを特徴とする。
上記構成1によれば、貴金属チップが、接地電極の先端面から突出しており、しかもその突出長をA(mm)としたとき、A≧0.25mmを満たす。このため、耐火花消耗性の向上を図ることは勿論のこと、着火性や火花伝播性の向上を図ることができる。
一方で、貴金属チップの先端部分は高温になりやすく、接地電極の先端面から見たときの貴金属チップと接地電極との境界部分においては、応力差が生じ、歪みが生じやすい。そのため、前記境界から酸素が侵入してしまうことが懸念される。特に、上記のように、A≧0.25mmを満たすよう構成されているような場合には、酸化スケールの形成に起因する剥離(チップの脱落)という懸念は一層助長される。しかしながらこの点、構成1では、貴金属チップと接地電極の先端面との幅方向に延びる境界には、少なくとも貴金属チップの中心部分を覆うようにして、接地電極と同一の金属素材を含んでなる膨出部が設けられている。このため、所定の厚みを有する膨出部が、貴金属チップ及び接地電極間の隙間を塞ぎ、酸素侵入のバリヤとして機能する。従って、境界部分から、酸素が侵入してしまうことに起因する酸化スケールの形成を抑制することができる。また、膨出部が、貴金属チップと接地電極との間の応力緩和層としての機能をも発揮する。これらのことが相俟って、貴金属チップの耐剥離性の低下を効果的に防止することができる。
また特に、前記境界部分のうち、少なくとも貴金属チップの中心部分(幅方向の中心部分)を覆うようにして膨出部が設けられていることから、膨出部が設けられていない領域があったとしても、膨出部が貴金属チップの端縁部に設けられる場合に比べて、当該領域は比較的狭いものとなりうる。それ故、より一層効果的に酸素の侵入を防止しやすいといえる。
また、構成1においては、要するに、膨出部としては、前記境界に位置する単なる薄っぺらなものではなく、所定のボリュームを有しているものであるということを意味する。
すなわち、構成では、前記幅方向に延びる境界線からそれぞれ前記軸線方向、及び、突出方向にずれた位置においても、膨出部の幅方向の寸法が貴金属チップの幅方向の半分以上を占めている。これにより、より確実に酸素侵入を防止でき、上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
上記構成に記載のスパークプラグにおける放電方向は、特に限定されるものではないが、以下の構成2,3,4のような態様であってもよいし、構成のような態様であってもよい。
構成.本構成のスパークプラグは、構成1に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップの前記突出方向における先端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向と直交する方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする。
構成.本構成のスパークプラグは、構成に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記膨出部の前記突出方向における先端部から、前記貴金属チップの前記突出方向における先端面までの距離をF(mm)とし、
前記間隙の最短距離をG(mm)としたとき、
F≧0.1Gを満たすことを特徴とする。
構成.本構成のスパークプラグは、構成又はに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記中心電極は、中心電極本体部と、その先端に溶接により接合された中心電極用貴金属チップとを備えるとともに、
前記中心電極本体部及び中心電極用貴金属チップは、両者を構成する金属成分が相互に溶融され混じり合うことによって形成された溶融部を介して接合されており、
前記中心電極用貴金属チップの外周面、及び、前記貴金属チップの突出方向先端部間に前記間隙を有してなり、
前記貴金属チップ及び前記溶融部間の最短距離をH(mm)とし、
前記間隙の最短距離をG(mm)としたとき、
H≧1.05×G
を満たすことを特徴とする。
上記構成2,3,4のように、所謂横方向に火花放電するタイプのスパークプラグに構成の技術思想を具現化することが考えられる。これにより、火炎伝播性のさらなる向上を図ることができる。
特に、構成では、膨出部の突出方向における先端部から、貴金属チップの突出方向における先端面までの距離をF(mm)とし、前記(火花放電のための)間隙の最短距離をG(mm)としたとき、F≧0.1Gを満たす。このため、貴金属チップと、中心電極の先端部との間で、より確実に火花放電が行われる。換言すれば、膨出部と、中心電極の先端部との間で火花放電が起こってしまうといった事態を起こりにくくすることができる。結果として、膨出部の焼損を招くことなく、膨出部をより長期に亘って維持することができ、ひいては、貴金属チップの剥離防止効果をより長期に亘って維持することができる。
また、上述した横方向に火花放電が行われるタイプのスパークプラグにおいては、構成のように、中心電極の先端に中心電極用貴金属チップが溶接により接合されることで形成された溶融部が存在している場合には、当該溶融部と、貴金属チップとの間で火花放電を起こしてしまうことが懸念される。この点、構成では、貴金属チップ及び溶融部間の最短距離をH(mm)とし、前記間隙の最短距離をG(mm)としたとき、H≧1.05×Gを満たしている。従って、溶融部と、貴金属チップとの間での飛火率が著しく少なくて済み、溶融部と貴金属チップとの間で火花放電が起こってしまうことに起因する不具合、例えば中心電極用貴金属チップの脱落等をより確実に防止することができる。
構成.本構成のスパークプラグは、構成1に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップの前記軸線方向における端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする。
また、特に、構成6,7,8を採用することとするのがより望ましい。
構成.本構成のスパークプラグは、構成1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップの軸線方向先端側の面は、前記中心電極の先端面よりも先端側に位置していることを特徴とする。
当該構成によれば、膨出部が中心電極の先端面よりも先端側に位置することとなるため、膨出部と、中心電極との間で火花放電が起こってしまうといった事態をより確実に起こりにくくすることができる。その結果、膨出部の損耗を防止しやすい。
構成.本構成のスパークプラグは、構成1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップの幅は、前記中心電極の先端部の径又は幅よりも大きいことを特徴とする。
当該構成によれば、中心電極の先端部と、接地電極(貴金属チップとは異なる部位)との間で火花放電してしまうといった事態が起こりにくい。すなわち、貴金属チップとの間での正常な火花放電をより確実に実現できる。
構成.本構成のスパークプラグは、構成1乃至7のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは角柱形状をなすことを特徴とする。
構成のように、角柱形状をなす貴金属チップを採用することで、エッジ部における火花放電が起こりやすくなり、貴金属チップとの間での正常な火花放電をより確実に実現できる。
また、上記各構成のスパークプラグにおいて、前記貴金属チップの溶接手法については特に限定されるものではないが、次のように構成することもできる。
構成.本構成のスパークプラグは、構成1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは抵抗溶接にて接合されていることを特徴とする。
上述した各構成のように、接地電極に対し、貴金属チップの一部が埋め込まれるようにして接合される場合においては、レーザ溶接や電子ビーム溶接では溶接作業が困難となってしまうことが懸念される。この点、構成のように抵抗溶接により貴金属チップを接合するようにすることで、溶接作業を比較的スムースに行うことができる。
上述した各構成のスパークプラグは、次のようにして製造することができる。
構成10.本構成の製造方法は、構成1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグの製造方法であって、
前記接合に際し、前記貴金属チップを、前記接地電極の平坦面に対し押し当てながら抵抗溶接を施して、前記平坦面に対する前記貴金属チップの没入量を0.3mm以上とし、前記接地電極の構成成分を前記境界部分にはみ出させることに基づき、前記膨出部を設けるようにしたことを特徴とする。
構成10によれば、前記境界部分に膨出部を別途設けるという手間を省くことができる。つまり、抵抗溶接により貴金属チップを接合するに際し、その没入量を0.3mm以上と比較的多くし、接地電極の構成成分を前記境界部分にはみ出させることで、膨出部を設けることができる。結果として、作業工数の増大やコストの増大等を抑制することができる。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側をスパークプラグ1の後端側として説明する。
スパークプラグ1は、長尺状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されている。そして、軸孔4の先端部側には中心電極5が挿入、固定され、後端部側には端子電極6が挿入、固定されている。軸孔4内における中心電極5と端子電極6との間には、抵抗体7が配置されており、この抵抗体7の両端部は導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
中心電極5は、絶縁碍子2の先端から突出し、端子電極6は絶縁碍子2の後端から突出した状態でそれぞれ固定されている。また、中心電極5には、その先端に、イリジウムを主成分とする貴金属チップ(中心電極用貴金属チップ)31が溶接により接合されている。
一方、絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、軸線CL1方向略中央部において径方向外向きに突出形成されたフランジ状の大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成され、内燃機関(エンジン)の燃焼室に晒される脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、脚長部13を含む先端側は、筒状に形成された主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部には段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンのシリンダヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3をシリンダヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するための段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。なお、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようにしている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端面26には、略L字状をなす接地電極27が接合されている。すなわち、接地電極27は、前記主体金具3の先端面26に対しその基端部が溶接されるとともに、先端側が前記軸線CL1側に曲げ返されて、その先端面が中心電極用貴金属チップ31の外周面とほぼ対向するように配置されている。また、本実施形態では、当該接地電極27には、前記中心電極用貴金属チップ31に対向するようにして貴金属チップ32が設けられている。より詳しくは、貴金属チップ32は、接地電極27に対し、自身の一部が埋め込まれるようにして溶接されているとともに、接地電極27の軸線CL1側の先端面27sから軸線CL1に向けて突出している(図2参照)。そして、これら貴金属チップ31,32間の隙間が火花放電間隙33となっている。つまり、本実施形態では、軸線CL1方向と直交する方向にほぼ沿って火花放電が行われるようになっている。
尚、図2に示すように、中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)合金からなる外層5Bとにより構成されている。中心電極5は、その先端側が縮径されるとともに、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されている。ここに円柱状をなす上記中心電極用貴金属チップ31を重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザ溶接、或いは、電子ビーム溶接等を施すことにより中心電極用貴金属チップ31と中心電極5とが溶け合い、溶融部41が形成される。すなわち、中心電極用貴金属チップ31は、中心電極5先端に対し、溶融部41で固着されることで接合されている。
一方、接地電極27は、内層27A及び外層27Bからなる2層構造となっている。本実施形態における外層27Bは、インコネル600やインコネル601(いずれも登録商標)等のニッケル合金で構成されている。これに対し、内層27Aは、前記ニッケル合金よりも良熱伝導性金属である銅合金或いは純銅で構成されている。当該内層27Aの存在によって、熱引き性の向上が図られている。また、本実施形態では、接地電極27は、基本的には、断面略矩形状をなしている。
また、上記中心電極5側の中心電極用貴金属チップ31がイリジウムを主成分としている点については言及したが、接地電極27側の貴金属チップ32は、例えば白金を主成分とし、20質量%のロジウムを含有する貴金属合金により構成されている。但し、これらの素材構成はあくまでも例示であって、上記記載に何ら限定されるものではない。これら貴金属チップ31,32は、例えば次のようにして製造される。まず、主成分をイリジウム、或いは白金とするインゴットを用意し、上述した所定の組成となるよう各合金成分を配合・溶融し、当該溶融合金に関し再度インゴットを形成し、その後、当該インゴットについて熱間鍛造、熱間圧延(溝ロール圧延)を施す。その後、線引き加工を施すことで、棒状素材を得た後、それを所定長に切断することで、円柱状の中心電極用貴金属チップ31、角柱状の貴金属チップ32が得られる。
さて、前記貴金属チップ32が、接地電極27の先端面27sから軸線CL1に向けて突出している点については上述した。特に、本実施形態では、図3,4,5に示すように、貴金属チップ32は、接地電極27に対し、自身の一部が埋め込まれるようにして抵抗溶接されているとともに、貴金属チップ32の前記先端面27sからの突出長をA(mm)としたとき、A≧0.25mmを満たしている。また、貴金属チップ32と接地電極27の先端面27sとの幅方向に延びる境界部分Dには、少なくとも前記貴金属チップ27の中心部分を覆うようにして、接地電極27の外層27Bと同一のニッケル合金よりなる膨出部51が設けられている(図5(a),(b)等参照)。当該膨出部51についてより詳細に説明すると、貴金属チップ32の幅をB(mm)とし、前記膨出部51のうち、前記幅方向の境界部分(境界線)Dから軸線CL1方向に0.05mmだけずれた線の幅方向の長さをE1(mm)とし、前記幅方向の境界部分Dから前記突出方向に0.05mmだけずれた線の幅方向の長さをE2(mm)とし、前記長さE1、長さE2のうち、短い方の長さをE(mm)としたとき、E/B≧0.5を満たしている。すなわち、膨出部51としては、前記幅方向の境界部分Dを比較的厚肉の膨出部51で覆うべく、十分なボリュームを有している。
また、本実施形態では、膨出部51の前記突出方向における先端部から、貴金属チップ32の前記突出方向における先端面までの距離をF(mm)とし、火花放電間隙33の最短距離をG(mm)としたとき、F≧0.1Gを満たしている(図3参照)。これにより、膨出部51と、中心電極用貴金属チップ31との間で火花放電が起こってしまうといった事態が起こりにくくなっている。さらに、貴金属チップ32及び前記溶融部41間の最短距離をH(mm)としたとき、H≧1.05×Gを満たしている(図3参照)。これにより、溶融部41と、貴金属チップ32との間での飛火率の低減が図られている。
併せて、貴金属チップ32の軸線CL1方向先端側の面32aは、中心電極用貴金属チップ31の先端面よりも先端側(図3の上側)に位置している(換言すれば、膨出部51は、中心電極用貴金属チップ31の先端面よりも先端側に位置している)。これにより、膨出部51と、中心電極用貴金属チップ31との間で火花放電が起こってしまうといった事態がより起こりにくくなっている。加えて、貴金属チップ32の幅Bは、中心電極用貴金属チップ31の径Zよりも大きく形成されている。これにより、中心電極用貴金属チップ31と、貴金属チップ32との間での正常な火花放電をより確実に実現できるようになっている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について、前記接地電極27の製造過程等を中心に説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状に形成された金属素材(例えばS15CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
一方で、接地電極27の中間体を製造する。すなわち、接地電極27の中間体は、未だ屈曲前の直棒状のものである。当該屈曲前の接地電極27は、例えば次のようにして得られる。
すなわち、内層27Aを構成する金属材料よりなる芯材と、外層27Bを構成する金属材料よりなる有底筒状体とを用意する(いずれも図示略)。そして、有底筒状体の凹部に対し、芯材を嵌入することにより、カップ材を形成する。次に、当該2層構造をもつカップ材に関し、冷間にて細化加工を施す。冷間での細化加工としては、例えば、ダイス等を用いた線引き加工、雌型等を用いた押出成形加工等が挙げられる。その後、スウェージング加工等が施されることにより、細径化された棒状体が形成される。
続いて、前記主体金具中間体の先端面に、屈曲前、チップ接合前の接地電極27(棒状体)を抵抗溶接により接合する。尚、抵抗溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去する作業が行われる。また、本例では、スウェージング加工、切削加工等を施した後、屈曲前の接地電極27を抵抗溶接により接合することとしているが、細化加工後、棒状体を主体金具中間体に接合した後、スウェージング加工を行い、その後、切削を行うこととしてもよい。この場合、スウェージングに際しては、主体金具中間体を保持した状態で、その先端面に接合された棒状体をその先端側からスウェージャーの加工部(スウェージングダイス)に導入することができる。従って、スウェージングに際し保持するための部位を確保するために、棒状体をわざわざ長めに設定したりすることが不要となる。
その後、主体金具中間体の所定部位に、ねじ部15が転造によって形成される。これにより、屈曲前の接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。主体金具3等には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方で、上述のように、貴金属チップ32を形成しておき、当該貴金属チップ32を接地電極27に対し、抵抗溶接により接合する。このとき、接地電極27には、切欠き溝等を形成することなく、接地電極27の平坦面(図2の下端面)に対し押し当てながら抵抗溶接を施して、前記平坦面に対する貴金属チップ32の没入量を0.3mm以上とし、接地電極27の外層27Bの構成成分たるニッケル合金を前記境界部分Dにはみ出させることに基づき、膨出部51を設ける。尚、溶接をより確実なものとするべく、当該溶接に先だって溶接部位のメッキ除去が行われたり、或いは、メッキ工程に際し溶接予定部位にマスキングが施されたりする。また、当該貴金属チップ32の溶接を、後述する組付けの後に行うこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成形用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成されることで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、Ni系合金が鍛造加工され、その中央部に放熱性向上を図るべく銅芯が設けられる。そして、その先端部には、上述した中心電極用貴金属チップ31が、レーザ溶接等により接合される。
そして、上記のようにして得られた中心電極用貴金属チップ31が接合された中心電極5と、端子電極6とが、やはり図示しないガラスシールによって前記絶縁碍子2の軸孔4へ封着固定される。ガラスシールとしては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されたものが用いられる。そして先ず中心電極5を絶縁碍子2の軸孔4へ挿通した状態とし、前記調製されたシール材が絶縁碍子2の軸孔4に注入された後、後方から前記端子電極6が押圧された状態とした上で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側の胴部表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、直棒状の接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端部に対し、冷間加締めや熱間加締めが行われることで、周方向から絶縁碍子2の一部が主体金具3に取り囲まれるようにして保持される。
そして、最後に、直棒状の接地電極27を屈曲させることで、中心電極用貴金属チップ31及び貴金属チップ32間の前記火花放電間隙33を調整する加工が実施される。
このように一連の工程を経ることで、上述した構成を有するスパークプラグ1が製造される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、角柱形状をなす貴金属チップ32が、接地電極27の先端面27sから軸線CL1に向けて突出しており、しかもその突出長をA(mm)としたとき、A≧0.25mmを満たす。このため、耐火花消耗性の向上を図ることは勿論のこと、着火性や火花伝播性の向上を図ることができる。
一方で、A≧0.25mmを満たすよう構成されていることから、酸化スケールの形成に起因する剥離(チップの脱落)という懸念が生じうる。この点、本実施形態では、貴金属チップ32と接地電極27の先端面27sとの幅方向に延びる境界部分Dには、少なくとも前記貴金属チップ32の中心部分を覆うようにして、接地電極27の外層27Bと同一のニッケル合金よりなる膨出部51が設けられている。また、当該膨出部51は十分なボリューム及び幅を有している。このため、膨出部51が酸素侵入のバリヤとして機能し、酸化スケールの形成を抑制することができる。また、膨出部51が応力緩和層としても機能する。これらのことが相俟って、貴金属チップ32の耐剥離性の低下を効果的に防止することができる。
ここで、上記効果を確認するべく、突出長Aを変更したり、膨出部51を変更したりすることで種々のサンプルを作製し、種々の評価を試みた。その実験結果を以下に記す。
先ず第1の実験として、突出長Aを種々変更したサンプルを作成し、酸化スケールの進展のしやすさを評価した。より詳しくは、突出長Aを種々変更した接地電極サンプルを作成し、机上バーナー評価試験[サンプルを、その先端チップ温度が1100℃となるようバーナーで2分間加熱後、1分間徐冷することを1サイクルとして、1000サイクル繰り返す試験]を実施し、その後のサンプル断面を観察し、接地電極27と貴金属チップ32との境界面領域の長さJ(模式図たる図9参照)に対する、形成された酸化スケールの長さK(同じく、図9参照)の割合を評価した。尚、ここでは、酸化スケール割合が50%を超えてしまうと剥離限界であると捉えることとしている。当該試験の結果を図6に示す。
図6より明らかなように、貴金属チップの突出長Aが0.25mm以上の場合に酸化スケール割合が50%を上回り、剥離限界に達してしまうといえる。すなわち、突出長Aを0.25mm以上とすることで、着火性や火花伝播性の向上を図ることができるものの、当該効果に相反して、酸化スケールの形成に起因する剥離(チップの脱落)という懸念が一層助長されるといえる。
次に、第2の実験として、貴金属チップの幅をB(mm)とし、膨出部のうち、幅方向に延びる境界線から軸線方向(上方)に0.05mmだけずれた線における幅方向の長さをE1(mm)とし、前記境界線から突出方向(上方)に0.05mmだけずれた部位における幅方向の長さをE2(mm)とし、前記長さE1、長さE2のうち、短い方の長さをE(mm)としたときの、E/Bの値を種々変更させたサンプルを作成し、上記同様机上バーナー試験を実施し、そのときの酸化スケール割合を評価した。当該試験結果を図7に示す。但し、図7中、菱形のプロットは、E1=E2としたときのものであり、丸形のプロットは、E1<E2(E1/B=0.4、E2/B=0.6)としたときのものであり、三角形のプロットは、E1>E2(E1/B=0.6、E2/B=0.4)としたときのものである。
図7より明らかなように、E/Bが0.5以上の場合に、酸化スケールが50%を下回るものとすることができるといえる。すなわち、膨出部としては、所定のボリュームを有しており、幅方向の境界部分からそれぞれ軸線方向、及び、突出方向にずれた位置においても、膨出部の幅方向の寸法が貴金属チップの幅の半分以上を占めるように構成することで、より確実に酸素侵入を防止でき、酸化スケールの発生を効果的に抑制できるといえる。尚、長さE1,E2が互いに等しくないときには、長さの小さい方に依存することが明らかとなった(丸形プロット、三角形プロットのいずれも、E/B=0.4に準じた結果が得られた)。
最後に、第3の実験として、膨出部の突出方向における先端部から、貴金属チップの前記突出方向における先端面までの距離をF(mm)とし、火花放電間隙の最短距離をG(mm)としたとき、最短距離Gに対する距離Fの割合を種々変更したスパークプラグサンプルを作成し、そのときの膨出部での飛火(火花放電)の発生率を計測した。その試験結果を図8に示す。
同図に示すとおり、F/Gの値が0.10以上の場合には、膨出部での飛火が発生することなく、正常に火花放電が行われることが明らかとなった。逆に、F/Gの値が0.10を下回り、その値が小さくなるほど、膨出部での飛火が発生する割合が増大することが判った。このことから、F≧0.1Gを満たすよう構成することで、膨出部51と、中心電極用貴金属チップ31との間で火花放電が起こってしまうといった事態を起こりにくくすることができ、ひいては、貴金属チップ32の剥離防止効果をより長期に亘って維持することができるといえる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、貴金属チップ32は、接地電極27の先端面27sから軸線CL1に向けて突出し、中心電極用貴金属チップ31の外周と、貴金属チップ32との間の隙間が火花放電間隙33となっている。つまり、上記実施形態では、軸線CL1方向と直交する方向にほぼ沿って火花放電が行われるようになっている。これに対し、図10に示すように、貴金属チップ32の軸線CL1方向における端面(図の下端面)が、中心電極用貴金属チップ31の先端面(又は中心電極5の先端面)と対向して配置された構成を採用することとしてもよい。すなわち、前記軸線CL1方向にほぼ沿って火花放電が行われるタイプのスパークプラグに具体化することとしてもよい。
(b)上記実施形態では、断面矩形状の接地電極27を用いることとしているが、当該接地電極27の断面形状は、矩形状に限定されるものではなく、例えば、図11(a)に示すように、断面多角形状(図では8角形状)をなす接地電極271としてもよいし、図11(b)に示すように、断面長円形状をなす接地電極272としてもよいし、図11(c)に示すように、断面円形状の一部を破断することで平坦面を具備する接地電極273としてもよい。また、図示は省略するが、断面楕円形状としてもよいし、断面台形状としてもよい。
(c)上記実施形態において図示した膨出部51はあくまでも模式的な図である。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において膨出部を構成すればよい。例えば、図12はスパークプラグの一部を正面から見た写真であり、図13は、接地電極及び貴金属チップを正面から見た写真であり、図14は接地電極、貴金属チップ及び中心電極用貴金属チップを先端側から見た写真であり、図15は中心電極側から貴金属チップ等をみた写真であり、図16は接地電極、貴金属チップ及び中心電極用貴金属チップを後端側から見た写真である。
また、上記変形例(a)で説明した、軸線CL1方向にほぼ沿って火花放電が行われるタイプのスパークプラグの写真を図17〜図21に示す。すなわち、図17はスパークプラグの一部を正面から見た写真であり、図18は、接地電極及び貴金属チップを正面から見た写真であり、図19は接地電極及び貴金属チップを先端側から見た写真であり、図20は中心電極側から貴金属チップ等をみた写真であり、図21は接地電極、貴金属チップ及び中心電極用貴金属チップを後端側から見た写真である。
尚、各図面中に記されている数値は、各部位の寸法を示すものであり、各数値の単位は「mm」である。
(d)上記実施形態では、接地電極27に切欠き溝等を形成することなく、接地電極27の平坦面に対し押し当てながら抵抗溶接を施して、前記平坦面に対する貴金属チップ32の没入量を0.3mm以上とし、接地電極27の外層27Bの構成成分たるニッケル合金を前記境界部分Dにはみ出させることに基づき、膨出部51を設けることとしている。これに対し、切欠き溝を形成して、貴金属チップの一部を埋め込むようにして溶接することとしてもよい。また、別途ニッケル合金等を前記境界部分Dに対応して付着させることで、前記膨出部51を設けることとしてもよい。
(e)上記実施形態では、中心電極5の先端に中心電極用貴金属チップ31が溶接により接合されている場合について具体化したが、当該中心電極用貴金属チップ31を省略した構成としてもよい。
(f)上記実施形態では、説明の便宜上、接地電極27を単なる2層構造をなすものとして説明しているが、3層構造或いは4層以上の多層構造をなしていてもよい。但し、外層27Bに対し、その内側の層は、外層27Bよりも良熱伝導性金属を含んでいることが望ましい。例えば、外層27Bの内側に銅合金或いは純銅で構成された中間層が設けられ、中間層の内側に純ニッケルで構成された最内層が設けられていてもよい。また、複層構造ではなく、ニッケル単層のみからなる接地電極27を用いてもよい。
本実施形態のスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの部分拡大断面図である。 主要部分を拡大して示す模式図である。 図3に対し直交する方向から見た接地電極を示す側面図である。 (a)は接地電極先端の主要部分を示す斜視図であり、(b)は膨出部等を説明するための部分斜視図である。 突出量に対する酸化スケール割合の関係を示すグラフである。 E/Bに対する酸化スケール割合の関係を示すグラフである。 F/Gに対する膨出率での飛火率の関係を示すグラフである。 酸化スケールの長さ等の概念を示す断面模式図である。 別の実施形態におけるスパークプラグを示す部分拡大断面図である。 (a)〜(c)は別の実施形態における接地電極を模式的に示す断面図である。 スパークプラグの一部を正面から見た写真図である。 接地電極及び貴金属チップを正面から見た写真図である。 接地電極、貴金属チップ及び中心電極用貴金属チップを先端側から見た写真図である。 中心電極側から貴金属チップ等をみた写真図である。 接地電極、貴金属チップ及び中心電極用貴金属チップを後端側から見た写真図である。 スパークプラグの一部を正面から見た写真図である。 接地電極及び貴金属チップを正面から見た写真図である。 接地電極及び貴金属チップを先端側から見た写真図である。 中心電極側から貴金属チップ等をみた写真図である。 接地電極、貴金属チップ及び中心電極用貴金属チップを後端側から見た写真図である。
1…スパークプラグ、2…絶縁碍子、3…主体金具、5…中心電極、27…接地電極、31…中心電極用貴金属チップ、32…貴金属チップ、33…火花放電間隙(間隙)、51…膨出部、D…境界部分、CL1…軸線。

Claims (10)

  1. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた略筒状の主体金具と、
    基端が前記主体金具の先端面に接合され、先端が前記中心電極に向けて曲げられて配置された接地電極とを備え、
    前記接地電極の先端部には、前記中心電極の先端部に、間隙を介して貴金属チップが溶接により接合されている内燃機関用スパークプラグであって、
    前記貴金属チップは、
    前記接地電極に対し、自身の一部が埋め込まれるようにして接合されているとともに、
    前記接地電極の先端面から突出しており、
    前記先端面からの突出長をA(mm)としたとき、A≧0.25mmを満たし、かつ、
    前記貴金属チップと前記接地電極の先端面との幅方向に延びる境界には、少なくとも前記貴金属チップの中心部分を覆うようにして、前記接地電極と同一の金属素材を含んでなる膨出部を設け、さらに、
    前記貴金属チップの幅をB(mm)とし、
    前記膨出部のうち、
    前記貴金属チップと前記接地電極の先端面との幅方向に延びる境界線から前記軸線方向に0.05mmだけずれた線の幅方向の長さをE1(mm)とし、
    前記境界線から前記突出方向に0.05mmだけずれた線の幅方向の長さをE2(mm)とし、
    前記長さE1、長さE2のうち、短い方の長さをE(mm)としたとき、
    E/B≧0.5を満たすことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 前記貴金属チップの前記突出方向における先端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向と直交する方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 前記膨出部の前記突出方向における先端部から、前記貴金属チップの前記突出方向における先端面までの距離をF(mm)とし、
    前記間隙の最短距離をG(mm)としたとき、
    F≧0.1Gを満たすことを特徴とする請求項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  4. 前記中心電極は、中心電極本体部と、その先端に溶接により接合された中心電極用貴金属チップとを備えるとともに、
    前記中心電極本体部及び中心電極用貴金属チップは、両者を構成する金属成分が相互に溶融され混じり合うことによって形成された溶融部を介して接合されており、
    前記中心電極用貴金属チップの外周面、及び、前記貴金属チップの突出方向先端部間に前記間隙を有してなり、
    前記貴金属チップ及び前記溶融部間の最短距離をH(mm)とし、
    前記間隙の最短距離をG(mm)としたとき、
    H≧1.05×G
    を満たすことを特徴とする請求項又はに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 前記貴金属チップの前記軸線方向における端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする請求項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  6. 前記貴金属チップの軸線方向先端側の面は、前記中心電極の先端面よりも先端側に位置していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  7. 前記貴金属チップの幅は、前記中心電極の先端部の径又は幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  8. 前記貴金属チップは角柱形状をなすことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  9. 前記貴金属チップは抵抗溶接にて接合されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグの製造方法であって、
    前記接合に際し、前記貴金属チップを、前記接地電極の平坦面に対し押し当てながら抵抗溶接を施して、前記平坦面に対する前記貴金属チップの没入量を0.3mm以上とし、前記接地電極の構成成分を前記境界部分にはみ出させることに基づき、前記膨出部を設けるようにしたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグの製造方法。
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