JP4422759B2 - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグに関する。
自動車エンジン等の内燃機関用のスパークプラグは、例えば軸線方向に延びる中心電極と、その外側に設けられた絶縁体と、当該絶縁体の外側に設けられた筒状の主体金具と、基端部が前記主体金具の先端面に接合された接地電極とを備える。接地電極は、断面略矩形状をなし、その先端部内側面が前記中心電極の先端部と対向するように曲げ返されて配置され、これにより中心電極の先端部及び接地電極の先端部間に火花放電間隙が形成される。
また、近年では、中心電極の先端部、及び、接地電極の先端部に、それぞれ貴金属合金よりなるチップ(貴金属チップ)を接合することで、耐火花消耗性の向上を図ることも考えられている。また特に、角柱形状をなす貴金属チップを、接地電極の前記軸線側の先端面から軸線に向けて突出するよう溶接し、中心電極の先端部外周(中心電極用貴金属チップ外周)との間で、前記軸線方向と直交する方向に火花放電させることで、着火性や火花伝播性の向上を図ることが考えられている(例えば、特許文献1等参照)。
尚、上述のスパークプラグにあっては、直棒状をなす接地電極の先端部分の所定部位に接地電極用貴金属チップの溶接が行われ、その後に、接地電極の曲げ加工が行われるのが一般的である。
特開昭61−45583号公報
しかしながら、上記のように軸線方向と直交する方向に火花放電が行われるタイプのスパークプラグにおいては、接地電極の曲げ部分がいわば窮屈なものとなりやすい。より詳しく説明すると、軸線方向に火花放電させる場合には、接地電極をその先端部分が前記軸線に及ぶように形成することができるため、余裕をもって接地電極の曲げ加工を実現できる。換言すれば、接地電極の先端部分を直線状とすることにさほどの困難が伴うわけではない。これに対し、軸線方向と直交する方向に火花放電させようとすると、接地電極の先端面を軸線まで及ばせるわけにはいかない。そのため、接地電極の先端部分には、未だ曲げ形状が残ってしまったり(直線状にすることが困難となってしまったり)、曲げ加工に伴う応力が残留してしまうおそれがある。当該残留応力が接地電極の先端部分に残ったまま使用に供された場合、冷熱サイクルの繰り返しにより貴金属チップと接地電極との溶接部分に作用する応力が大きくなり、貴金属チップの耐剥離性の低下を招いてしまうことが懸念される。
特に、スパークプラグの小径化が要請されている昨今においては、主体金具の径も小さくなる傾向にあり、上記課題はより顕著となる。また、主体金具の径が小さいような場合には、軸線方向と直交する方向に火花放電が行われるタイプに限られず、例えば軸線方向に火花放電が行われるタイプにおいても、上記課題は内在するといえる。
一方で、接地電極の曲げ部の曲率を大きくする(曲率半径を小さくする)ことで、上記課題はある程度解消される。ところが、この場合には、曲げ部分の強度が確保できず、曲げ部分での折損という別の問題が生じてしまうおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、接地電極の曲げによる残留応力に起因する貴金属チップの耐剥離性等の低下を防止することの可能な内燃機関用スパークプラグを提供することにある。とりわけ、本発明では、貴金属チップが埋め込まれることで膨出形成され、接地電極と同一の金属成分を含む膨出部を考慮した上で、耐剥離性の低下を防止することをも目的としている。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、
軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
基端が前記主体金具の軸線方向先端部に接合され、先端が前記軸線に向けて曲げられて配置された接地電極とを備えた内燃機関用スパークプラグであって、
前記接地電極は、
前記基端側に設けられた厚肉部と、
前記先端側に設けられた薄肉部と、
前記厚肉部と薄肉部との間の内周面側に設けられた段部とを備え、
前記薄肉部の内周面には、自身の一部が埋め込まれるようにして接合され、前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する貴金属チップを備え、
前記接地電極の側面方向から見た場合において、
前記貴金属チップが埋め込まれることで膨出形成され、前記接地電極と同一の金属成分を含む部分を膨出部としたとき、
[前記薄肉部の内周面からの前記貴金属チップの突出高さ]
≧[前記薄肉部の内周面からの前記膨出部の突出高さ]
の関係を満たすことを特徴とする。
上記構成1によれば、接地電極は、その先端が軸線に向けて曲げられて配置されている。このため、接地電極の先端部分、特に、接地電極の厚さ方向の中心(線)から離間した位置においては、曲げによる残留応力(例えば圧縮応力)が残存していることが懸念される。
この点、構成1では、接地電極は、基端側に設けられた厚肉部と、先端側に設けられた薄肉部と、厚肉部と薄肉部との間の内周面側に設けられた段部とを備える。そして、薄肉部の内周面に、自身の一部が埋め込まれるようにして貴金属チップが接合されている。このため、段部及び薄肉部が設けられていない場合に比べて、貴金属チップの接合面を、接地電極の厚さ方向の中心により近づけることができる。すなわち、貴金属チップの接合部位を、曲げによる残留応力の比較的小さいところに位置させることができる。従って、長期間使用した場合でも、前記残留応力に起因して耐剥離性が低下してしまうといった事態を防止することができる。尚、薄肉部としては、あまりにも長すぎたのでは厚肉部及び薄肉部を設けた意義が阻害されてしまう。かかる観点からすれば、前記接地電極先端から段差部までの長さ(薄肉部の長さ)は1.2(mm)以下であることが望ましい。
また、構成1では、貴金属チップが埋め込まれることによって、接地電極と同一の金属成分を含む部分が膨出形成される。そして、当該部分を膨出部としたとき、[前記薄肉部の内周面からの前記貴金属チップの突出高さ]≧[前記薄肉部の内周面からの前記膨出部の突出高さ]の関係を満たしている。換言すれば、接地電極の側面方向から見た場合において、貴金属チップの後端側の端部から前記段部に向けて水平線を引いたとき、膨出部が当該水平線を超えて突出していない。このため、接地電極が曲げられる際に、当該曲げに起因する反力が膨出部から貴金属チップにかかり難いものとなる。そのため、膨出部の存在に起因する貴金属チップの耐剥離性の低下を防止することができる。
また、膨出部の存在による耐剥離性の低下を防止するという観点からは、構成2とするのがより望ましい。
構成2.本構成のスパークプラグは、構成1に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記接地電極の側面方向から見た場合において、
前記段部と前記膨出部との間に、空間が形成されていることを特徴とする。
構成2のように、段部と膨出部との間に、空間を形成することで、接地電極を曲げる際に、段部から膨出部に加えられる応力が著しく低減される。そのため、膨出部から貴金属チップへ加えられる応力も低減されることとなり、結果として、膨出部の存在による貴金属チップの耐剥離性の低下をより一層防止することができる。
また、上記構成1,2のように、膨出部を形成するには、次の構成3とするのがより望ましい。
構成3.本構成のスパークプラグは、構成1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記接地電極の側面方向から見た場合において、
軸線方向に直交する方向における前記貴金属チップの後端側の端部と、前記段部との距離が0.1mm以上であることを特徴とする。
構成3のように、軸線方向に直交する方向における貴金属チップの段部側の端部と、段部との距離、すなわち、水平方向の距離が0.1mm以上であることで、貴金属チップが埋め込まれることによって膨出形成される膨出部の突出高さが少なくて済み、さらには段部の方にまで形成されずに済むこともある。結果として、上述した構成1、或いは構成2の内燃機関用スパークプラグをさほどの困難を伴うことなく、より確実に得ることができる。
但し、単に薄肉部の長さを大きくしただけでは、無理な曲げ応力がかかることとなってしまう。そのため、次の構成4とするのがより望ましい。
構成4.本構成のスパークプラグは、構成1乃至3のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記接地電極の側面方向から見た場合において、
前記段部は直線状部分を有しており、当該直線状部分の延長線と前記厚肉部の内周面の延長線との交点を境界点γ1とし、
軸線方向に直交する方向における前記接地電極の先端面と前記境界点γ1との距離をM1(mm)とし、
軸線方向に直交する方向における前記接地電極の先端面と前記接地電極の内周面の基端との距離をB(mm)としたとき、
M1≦0.75B
を満たすことを特徴とする。
構成4によれば、薄肉部の長さがさほど長くなく、M1≦0.75Bを満たしていることから、接地電極の曲げ部分に極端な曲げ応力がかからなくて済む。そのため、接地電極の曲げ部における折損強度の低下を抑制することができる。
また、スパークプラグの小径化が要請されている昨今においては、主体金具の径も小さくなる傾向にある。そういう意味において、次述する構成5の場合には、上記作用効果がより効果的に奏されるといえる。
構成5.本構成のスパークプラグは、構成1乃至4のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記接地電極の側面方向から見た場合において、
前記接地電極の厚肉部の厚みをA(mm)とし、
軸線方向に直交する方向における前記接地電極の先端面と前記接地電極の内周面の基端との距離をB(mm)としたとき、
B/A≦2.5を満たすことを特徴とする。
このように、構成5では、接地電極の厚肉部の厚みをA(mm)とし、前記接地電極の内周面の基端と、前記先端面との水平方向の距離をB(mm)としたとき、B/A≦2.5を満たしていることから、接地電極は、いわば比較的窮屈に曲げられたものとなっているといえる。この場合、接地電極の先端部分における、接地電極の厚さ方向の中心(線)から離間した位置においては、曲げによる残留応力がより多く残存していることが懸念される。
この点、上述のとおり、薄肉部の内周面に、自身の一部が埋め込まれるようにして貴金属チップが接合されていることから、貴金属チップの接合面を、接地電極の厚さ方向の中心により近づけることができる。その結果、長期間使用した場合でも、前記残留応力に起因して耐剥離性が低下してしまうといった事態を防止することができる。
構成6.本構成のスパークプラグは、構成1乃至5のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップの前記薄肉部の内周面からの埋没量をE(mm)としたとき、
0.1≦E≦0.5
を満たすことを特徴とする。
貴金属チップの埋没量であるEが0.1mmよりも小さい場合には、溶接自体が十分であるとはいえず、満足できる接合強度を確保できないおそれがある。一方、Eが0.5mmを超える場合には、接合強度は向上するが、溶接が困難となる。特に、抵抗溶接により接合する場合には、0.5mmを超えて埋没させるために過大な電流を流す必要が生じ、接地電極を構成する母材中に、デンドライトと称される融解凝固物が形成されてしまい、その存在によって耐酸化性の低下等を招いてしまうことも懸念される。この点、構成6では、埋没量であるEが、0.1≦E≦0.5を満たしているため、上記懸念を払拭することができる。
構成7.本構成のスパークプラグは、構成1乃至6のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
直棒状をなす接地電極の先端部分に関し、切削又はプレスを行うことで前記段部及び薄肉部が形成され、その後に、前記貴金属チップの溶接が行われ、さらにその後に、前記接地電極の曲げ加工が行われていることを特徴とする。
接地電極を加工するに際しては、例えば構成7のように、厚さが一様の厚肉部からなり直棒状をなす接地電極の先端部分の一部を切削したり、接地電極の先端部分をプレスしたりすることで、段部及び薄肉部を形成することが行われる。また、貴金属チップの溶接が行われ、さらにその後に、接地電極の曲げ加工が行われることで、間隙の微調整も容易に行うことができる。その一方で、曲げ加工後に貴金属チップを溶接する場合に比べて、残留応力が貴金属チップの接合面に伝わりやすいのであるが、上述のとおり、切削又はプレス加工により形成された薄肉部内周面に対し、貴金属チップが溶接されている。このため、貴金属チップの接合部位を、曲げによる残留応力の比較的小さいところに位置させることができ、耐剥離性の低下を防止することができる。
構成8.本構成のスパークプラグは、構成1乃至7のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは、角柱形状をなすことを特徴とする。
構成8のように、角柱形状をなす貴金属チップを用いることで、放電電圧の増大を招きにくくすることができ、また特に貴金属チップと、中心電極先端部外周との間で放電を行うような場合には、安定した火花放電を実現しやすい。
構成9.本構成のスパークプラグは、構成1乃至8のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記段部の深さが、前記貴金属チップの厚みよりも大きいことを特徴とする。
上記構成9によれば、段部の深さが、前記貴金属チップの厚みよりも大きく、その分だけ薄肉部が薄いものとなっている。従って、薄肉部における曲げによる残留応力をより小さいものとすることができ、結果として上記作用効果がより確実に図られることとなる。
上述した各構成のスパークプラグにおける放電方向は、特に限定されるものではないが、以下の構成10のような態様であってもよいし、構成11のような態様であってもよいし、構成12のような態様であってもよい。
構成10.本構成のスパークプラグは、構成1乃至9のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
前記貴金属チップの前記突出方向における先端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向と直交する方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする。
構成10のように、所謂横方向に火花放電するタイプのスパークプラグにおいて上述の各構成の技術思想を具現化することが考えられる。これにより、火炎伝播性のさらなる向上を図ることができる。
また特に、構成10では、接地電極の先端面を軸線まで及ばせるわけにはいかないため、接地電極の先端部分には、曲げ加工に伴う応力が残留してしまうおそれがあるのであるが、上述のとおり、貴金属チップの接合部位を、曲げによる残留応力の比較的小さいところに位置させることができる。従って、長期間使用した場合でも、残留応力に起因して耐剥離性が低下してしまうといった事態を防止できる。
構成11.本構成のスパークプラグは、構成1乃至9のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
前記貴金属チップの前記軸線方向における端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする。
構成11のように、所謂縦方向に放電するタイプのスパークプラグに上述の各構成の技術思想を具現化してもよい。
構成12.本構成のスパークプラグは、構成1乃至9のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
前記貴金属チップの前記突出方向における先端面が、前記中心電極よりも先端側の軸線と対向して配置されており、前記軸線方向に対し斜めに火花放電が行われることを特徴とする。
構成12のように、所謂斜め方向に放電するタイプのスパークプラグに上述の各構成の技術思想を具現化してもよい。
構成13.本構成のスパークプラグは、構成1乃至12のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記接地電極の薄肉部の内周面は、前記軸線方向に直交する平坦面であることを特徴とする。
構成13によれば、貴金属チップが接合される面が平坦面となっていることから、湾曲面や斜面に対し接合する場合に比べて接合状態の安定化を図ることができる。
また、上記各構成のスパークプラグは、例えば次述する構成14の製造方法により製造することが望ましい。
構成14.本構成の製造方法は、構成1乃至13のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグの製造方法において、
直棒状の接地電極の先端部分に関し、切削又はプレスを行うことで前記段部及び薄肉部を形成する先端部加工工程と、
前記薄肉部の内周面に対し、前記貴金属チップをその一部が埋め込まれるようにして溶接する溶接工程と、
前記溶接工程後に、前記接地電極の曲げ加工を行い、前記間隙を調整する曲げ加工工程とを備え、
前記先端部加工工程に際しては、前記接地電極を側面方向から見た場合に前記段部が直線状部分を有するよう切削加工又はプレス加工を行い、
前記曲げ加工前における前記接地電極を側面方向から見た場合において、
前記接地電極先端と、前記厚肉部との距離をM2(mm)とし、
前記接地電極先端と、前記貴金属チップの段部側の端部との距離をN(mm)としたとき、
M2−N≧0.3(mm)、
0.5(mm)≦N≦1.5(mm)
を満たすよう、前記溶接工程を実施することを特徴とする。
構成14によれば、前記曲げ加工前における前記接地電極を側面方向から見た場合において、接地電極先端と、厚肉部との距離をM2(mm)とし、接地電極先端と、貴金属チップの段部側の端部との距離をN(mm)としたとき、M2−N≧0.3(mm)を満たしている。このため、貴金属チップが埋め込まれることによって、膨出形成される膨出部の突出高さが少なくて済み、さらには段部の方にまで形成されずに済むこともある。結果として、上述した構成1、或いは構成2等の内燃機関用スパークプラグを、さほどの困難を伴うことなく、より確実に得ることができる。
また、0.5(mm)≦N≦1.5(mm)を満たしていることから、酸化スケールが形成されにくく、結果として耐剥離性の一層の向上を図ることができる。ここで、Nが0.5mmよりも小さい場合には、接合面積を十分に確保することができないおそれがある。一方、Nが1.5mmを超える場合には、貴金属チップの接地電極への溶け込みが均一になり難く、その結果、接合強度(溶接強度)が不均一となり、耐剥離性能の低下が懸念されることになる。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断側面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側をスパークプラグ1の後端側として説明する。
スパークプラグ1は、長尺状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されている。そして、軸孔4の先端部側には中心電極5が挿入、固定され、後端部側には端子電極6が挿入、固定されている。軸孔4内における中心電極5と端子電極6との間には、抵抗体7が配置されており、この抵抗体7の両端部は導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
中心電極5は、絶縁碍子2の先端から突出し、端子電極6は絶縁碍子2の後端から突出した状態でそれぞれ固定されている。また、中心電極5は、その本体部の先端に、イリジウムを主成分とする貴金属チップ(中心電極用貴金属チップ)31が溶接により接合されている。
一方、絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、軸線CL1方向略中央部において径方向外向きに突出形成されたフランジ状の大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成され、内燃機関(エンジン)の燃焼室に晒される脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、脚長部13を含む先端側は、筒状に形成された主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部には段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンのシリンダヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3をシリンダヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するための段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。なお、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようにしている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端面26には、接地電極27が接合されている。すなわち、接地電極27は、前記主体金具3の先端面26に対しその基端部が溶接されるとともに、先端側が前記軸線CL1側に曲げ返されて、その先端面が中心電極5の先端部外周面(本実施形態では貴金属チップ31の外周面)とほぼ対向するように配置されている。また、本実施形態では、当該接地電極27には、前記貴金属チップ31の外周面に対向するようにして貴金属チップ(接地電極用貴金属チップ)32が設けられている。より詳しくは、貴金属チップ32は、接地電極27に対し、自身の一部が埋め込まれるようにして溶接されているとともに、接地電極27の軸線CL1側の先端面27sから軸線CL1に向けて突出している(図2参照)。そして、これら貴金属チップ31,32間の間隙が火花放電間隙33となっている。つまり、本実施形態では、軸線CL1方向と直交する方向(図の横方向)にほぼ沿って火花放電が行われるようになっている。
尚、図2に示すように、中心電極5の本体部は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)合金からなる外層5Bとにより構成されている。中心電極5の本体部は、その先端側が縮径されるとともに、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されている。ここに円柱状をなす上記貴金属チップ31を重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザー溶接、或いは、電子ビーム溶接等を施すことにより貴金属チップ31と中心電極5の本体部とが溶け合い、溶融部41が形成される。すなわち、中心電極用貴金属チップ31は、中心電極5の本体部先端に対し、溶融部41で固着されることで接合されている。
一方、接地電極27は、内層27A及び外層27Bからなる2層構造となっている。本実施形態における外層27Bは、インコネル600やインコネル601(いずれも登録商標)等のニッケル合金で構成されている。これに対し、内層27Aは、前記ニッケル合金よりも良熱伝導性金属である銅合金或いは純銅で構成されている。当該内層27Aの存在によって、熱引き性の向上が図られている。また、本実施形態では、接地電極27は、基本的には、断面略矩形状をなしている。
また、上記中心電極5側の貴金属チップ31がイリジウムを主成分としている点については言及したが、接地電極27側の貴金属チップ32は、例えば白金を主成分とし、20質量%のロジウムを含有する貴金属合金により構成されている。但し、これらの素材構成はあくまでも例示であって、上記記載に何ら限定されるものではない。これら貴金属チップ31,32は、例えば次のようにして製造される。まず、主成分をイリジウム、或いは白金とするインゴットを用意し、上述した所定の組成となるよう各合金成分を配合・溶融し、当該溶融合金に関し再度インゴットを形成し、その後、当該インゴットについて熱間鍛造、熱間圧延(溝ロール圧延)を施す。その後、線引き加工を施すことで、棒状素材を得た後、それを所定長に切断することで、それぞれ円柱状、角柱状の貴金属チップ31,32が得られる。
さて、前記接地電極27側の貴金属チップ32が、接地電極27の軸線CL1側の先端面27sから軸線CL1に向けて突出している点については上述した。特に、本実施形態では、図2、図3に示すように、接地電極27は、基端側に位置する厚肉部271と、先端側に位置する薄肉部272と、厚肉部271と薄肉部272との間の内周面側(図の下面側)に設けられた段部273とを備えている。また、本実施形態において、薄肉部272の内周面は、軸線CL1方向に直交する方向に延びる平坦面27fとなっている。つまり、接地電極27の先端部分の内周側は、前記段部273及び平坦面27fを具備するよう鉤状の切欠き加工が施されている。そして、当該平坦面27fに対し、自身の一部が埋め込まれるようにして貴金属チップ32が溶接されているのである。
また、図3(a)に示すように、接地電極27の側面方向から見た場合において、前記貴金属チップ27が埋め込まれることで、前記接地電極27(外層27B)と同一の金属成分よりなる膨出部分(図中網目模様を付した部分)が形成されている(本実施形態では、「膨出部51」と称する)。そして、本実施形態では、[前記薄肉部272の内周面からの前記貴金属チップ32の突出高さH1]≧[前記薄肉部272の内周面からの前記膨出部51の突出高さH2]の関係が満たされている。
また、軸線CL1方向に直交する方向(水平方向)における貴金属チップ32の段部側の端部(図3(a)の点α1)と、前記段部273との距離(図3(a)の線分α1−β1間の距離)が0.1mm以上となっている。
さらに、同図に示すように、段部273は直線状部分を有しており、当該直線状部分の延長線L11と厚肉部271の内周面の延長線L12との交点を境界点γ1とし、軸線CL1方向に直交する方向における接地電極27の先端面27sと前記境界点γ1との距離をM1(mm)とし、軸線CL1方向に直交する方向における接地電極27の先端面27sと前記接地電極27の内周面の基端との距離をB(mm)としたとき、M1≦0.75Bを満たしている。
併せて、接地電極27の厚肉部271の厚みをA(mm)としたとき、B/A≦2.5を満たしている。このため、接地電極27は、いわば比較的窮屈に曲げられたものとなっている。
その上、貴金属チップ32の前記薄肉部272の内周面からの埋没量をE(mm)としたとき(図3(b)参照)、0.1≦E≦0.5を満たしている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について、前記接地電極27の製造過程等を中心に説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状に形成された金属素材(例えばS15CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
一方で、断面矩形状の接地電極27の中間体を製造する。すなわち、接地電極27の中間体は、未だ屈曲前の直棒状のものである。当該屈曲前の接地電極27は、例えば次のようにして得られる。
すなわち、内層27Aを構成する金属材料よりなる芯材と、外層27Bを構成する金属材料よりなる有底筒状体とを用意する(いずれも図示略)。そして、有底筒状体の凹部に対し、芯材を嵌入することにより、カップ材を形成する。次に、当該2層構造をもつカップ材に関し、冷間にて細化加工を施す。冷間での細化加工としては、例えば、ダイス等を用いた線引き加工、雌型等を用いた押出成形加工等が挙げられる。その後、スウェージング加工等が施されることにより、細径化された棒状体が形成される。
続いて、前記主体金具中間体の先端面に、屈曲前、チップ接合前の接地電極27(棒状体)を抵抗溶接により接合する。尚、抵抗溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去する作業が行われる。また、本例では、スウェージング加工、切削加工等を施した後、屈曲前の接地電極27を抵抗溶接により接合することとしているが、細化加工後、棒状体を主体金具中間体に接合した後、スウェージング加工を行い、その後、切削等を行うこととしてもよい。この場合、スウェージングに際しては、主体金具中間体を保持した状態で、その先端面に接合された棒状体をその先端側からスウェージャーの加工部(スウェージングダイス)に導入することができる。従って、スウェージングに際し保持するための部位を確保するために、棒状体をわざわざ長めに設定したりすることが不要となる。
その後、主体金具中間体の所定部位に、ねじ部15が転造によって形成される。これにより、屈曲前の接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。主体金具3等には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
また、図4(a),(b)に示すように、前記接地電極27の先端部分に関し、切削又はプレスを行うことで鉤状の切欠き加工を施し、平坦面27f(薄肉部272及び段部273)を形成する。当該切欠き加工は、ねじ部15の転造の後段階に行われてもよいし、前段階に行われてもよい。ねじ部15の転造の前段階に行われる場合には、主体金具中間体への溶接の前段階に行われてもよいし、後段階に行われてもよい。
一方で、上述のように、角柱状の貴金属チップ32を形成しておき、当該貴金属チップ32を、図5(a)に示すように、接地電極27に対し、抵抗溶接により接合する。このとき、接地電極27の平坦面27fに対し貴金属チップ32を押し当てながら抵抗溶接を施して、前記平坦面27fに対する貴金属チップ32の埋没量たるE(mm)が0.1≦E≦0.5を満たすようにする。
但し、この場合において、図5(b)に示すように、接地電極27(曲げ加工前)を側面方向から見た場合において、接地電極27先端(先端面27s)と、厚肉部271との距離をM2(mm)とし、接地電極27先端(先端面27s)と、貴金属チップ32の段部273側の端部との距離をN(mm)としたとき、M2−N≧0.3(mm)、0.5(mm)≦N≦1.5(mm)を満たすよう、抵抗溶接が実施される。尚、接地電極27先端(先端面27s)と、厚肉部271との距離の算出方法としては、例えば、同図に示すように、段部273の直前状部分の延長線L21と厚肉部271の内周面の延長線L22との交点γ2と、接地電極27先端(先端面27s)との距離を計測することが挙げられる。また、接地電極27先端(先端面27s)と、貴金属チップ32の段部273側の端部との距離の算出方法としては、貴金属チップ32の後端側の端部(前述した点α1に相当する点;図5(b)では点α2と表記する)と接地電極27先端(先端面27s)との距離を計測することが挙げられる。
尚、上記溶接をより確実なものとするべく、当該溶接に先だって溶接部位のメッキ除去が行われたり、或いは、メッキ工程に際し溶接予定部位にマスキングが施されたりする。また、当該貴金属チップ32の溶接を、後述する組付けの後(曲げ加工の前)に行うこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成形用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成されることで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、Ni系合金が鍛造加工され、その中央部に放熱性向上を図るべく銅芯が設けられることで本体部が得られる。さらに、その先端部には、上述した貴金属チップ31が、レーザー溶接等により接合される。
そして、上記のようにして得られた貴金属チップ31が接合された中心電極5と、端子電極6とが、やはり図示しないガラスシールによって前記絶縁碍子2の軸孔4へ封着固定される。ガラスシールとしては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されたものが用いられる。そして先ず中心電極5を絶縁碍子2の軸孔4へ挿通した状態とし、前記調製されたシール材が絶縁碍子2の軸孔4に注入された後、後方から前記端子電極6が押圧された状態とした上で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側の胴部表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、直棒状の接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端部に対し、冷間加締めや熱間加締めが行われることで、周方向から絶縁碍子2の一部が主体金具3に取り囲まれるようにして保持される。
そして、最後に、直棒状の接地電極27を曲げ返すことで、中心電極5(の貴金属チップ31)及び接地電極27(の貴金属チップ32)間の前記火花放電間隙33を調整する加工が実施される。
このように一連の工程を経ることで、上述した構成を有するスパークプラグ1が製造される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、角柱形状をなす貴金属チップ32が、接地電極27の先端面27sから軸線CL1に向けて突出するようにして溶接されており、いわば横方向に火花放電が行われる。このため、耐火花消耗性の向上を図ることは勿論のこと、着火性や火花伝播性の向上を図ることができる。
一方で、本実施形態の接地電極27は、比較的窮屈に曲げられたものとなっており、接地電極27の先端部分、特に接地電極27の厚さ方向の中心(線)から離間した位置においては、曲げによる残留応力(例えば圧縮応力)が比較的多く残存していることが懸念される。この点、本実施形態では、接地電極27の先端部の内側に、平坦面27fを具備するよう切欠き加工が施され、その平坦面27fに対し、自身の一部が埋め込まれるようにして貴金属チップ32が溶接されている。貴金属チップ32の接合面を、接地電極27の厚さ方向の中心により近づけることができる。すなわち、貴金属チップ32の接合部位を、曲げによる残留応力の比較的小さいところに位置させることができる。従って、長期間使用した場合でも、前記残留応力に起因して耐剥離性が低下してしまうといった事態を防止することができる。
また、本実施形態では、貴金属チップ32が埋め込まれることによって、接地電極27と同一の金属成分を含む部分が膨出形成される。そして、当該部分を膨出部51としたとき、[前記薄肉部272の内周面からの前記貴金属チップ32の突出高さH1]≧[前記薄肉部272の内周面からの前記膨出部51の突出高さH2]の関係を満たしている。換言すれば、接地電極27の側面方向から見た場合において、貴金属チップ32の後端側の端部から前記段部273に向けて水平線を引いたとき、膨出部51が当該水平線を超えて突出していない。このため、接地電極27が曲げられる際に、当該曲げに起因する反力が膨出部51から貴金属チップ32に加わり難いものとなる。そのため、膨出部51の存在に起因する貴金属チップ32の耐剥離性の低下を防止することができる。
ここで、上記効果を確認するべく、種々のサンプルを作製し、種々の評価を試みた。その実験結果を以下に記す。
ところで、本実施形態の効果を評価する前に、従来の技術に相当する、切欠き加工の施されていない(いわば厚肉部のみからなる)接地電極において、その内周面に、軸線方向に突出するよう貴金属チップを溶接した場合について、種々の実験を行うこととした。まず、図6(a)に示すように、貴金属チップが接合される際に当接する当接面の距離に相当する距離であるD1(上記実施形態では「N」にほぼ対応している)を、0.5mm、1.0mm、1.5mmにそれぞれ設定した上で、それぞれのD1に対応させて、接地電極の先端部分のストレート長ST[先端内側面が平坦面(断面直線状)となっている部分の長さ]を種々変更したサンプルを作製し、酸化スケールの進展のしやすさを評価した。より詳しくは、距離D1及び先端ストレート長STを種々変更した接地電極サンプル(切欠きは形成せず)を作製し、机上バーナー評価試験[サンプルを、その先端チップ温度が1100℃となるようバーナーで2分間加熱後、1分間徐冷することを1サイクルとして、これ繰り返す試験]を実施し、その後のサンプル断面を観察し、接地電極と貴金属チップとの境界面領域の長さJ(模式図たる図6(a)参照)に対する、形成された酸化スケールの長さK(同じく、図6(a)参照)の割合を計測し、酸化スケール割合が50%を超えてしまったときのサイクル数を評価した。ここでは、酸化スケール割合が50%を超えてしまったときのサイクル数が、1000サイクル未満であった場合に、剥離限界であると捉えることとしている(但し、上記冷熱サイクルを1500サイクル行っても酸化スケール割合が50%を超えなかった場合には、耐剥離性は十分であるものとして当該1500サイクルにて試験を終了することとしている)。当該試験の結果を図7に示す。
図7より明らかなように、距離D1が0.5〜1.5mmの範囲において、接地電極の先端部分のストレート長STが1.0mm以上ある場合には、酸化スケール50%到達サイクルが1000サイクルを上回ることが明らかとなった。つまり、接地電極の先端部分のストレート長STが1.0mm以上ある場合には、貴金属チップの耐剥離性については、さほど懸念する必要がない。これに対し、接地電極の先端部分のストレート長STが1.0mm未満しかない場合には、貴金属チップの耐剥離性に悪影響が及ぶことが明らかとなった。換言すれば、接地電極先端部分に曲げ応力が残っている場合には、貴金属チップの耐剥離性が低下しやすいといえる。
さて、上記試験結果より、接地電極の先端部分(内側)のストレート長STが1.0mm以上ある場合には、貴金属チップの耐剥離性については、さほど懸念する必要がないといえる。この点を踏まえて、接地電極の先端部分(内側)のストレート長STが1.0mmとなるように、かつ、接地電極の厚肉部の厚みであるAを、1.0mm、1.3mm、1.6mmと変更させるとともに、B/Aの値が「1.5」、「2.0」、「2.5」、「3.0」となるよう種々変更したサンプルを作製し、加熱振動耐久試験を行った。より詳しくは、各サンプルにおいて接地電極の曲げ部を900℃に加熱しつつ、周波数200Hzの振動を与え続け、曲げ部の折損までに要した時間(耐久時間)を計測した。10時間以上折損が発生しなかった場合に、十分な折損強度を有しているものとして評価した。そのときの結果を図8に示す。
同図より明らかなように、B/Aの値が2.5以上の場合には、十分な折損強度を具備しているといえる。これに対し、B/Aの値が2.5を下回る場合には、曲げ部での折損が起こりやすく、十分な折損強度が得られないといえる。すなわち、接地電極の先端部分(内側)のストレート長を1.0mm以上確保するために、無理な曲げ加工を施した場合には、曲げ部での折損強度の低下が懸念されるといえる。
これに対し、本実施形態では、B/Aの値が2.5以下であるものについて、上述の切欠き加工を施し、薄肉部272及び段部273を形成することとしている。つまり、B/Aの値が2.5以下の場合には、所定のストレート長を確保しようとすると曲率の大きな無理な曲げ加工を行わざるを得ず、この場合に折損強度の低下を招いてしまう。これに対し、本実施形態では、切欠き加工により平坦面27fを形成することで、B/Aの値が2.5以下の場合であっても、曲率の大きな無理な曲げ加工により折損強度の低下を招くことなく、かつ、十分なストレート長を確保して、耐剥離性の低下の防止が図られているのである。
次に、軸線CL1方向に直交する方向(水平方向)における貴金属チップ32の後端側の端部と、段部273との距離(すなわち、図3(a)の線分α1−β1間の距離)を変更するとともに、上述した貴金属チップ32の突出高さH1に対する膨出部51の突出高さH2を種々変更したサンプルを作製し、机上バーナー評価試験(上記同様)を1000サイクル実施し、その後のサンプル断面を観察し、接地電極と貴金属チップとの境界面領域の長さJ(模式図たる図6(a)参照)に対する、形成された酸化スケールの長さK(同じく、図6(a)参照)の割合を計測し、酸化スケール割合を評価した。その結果を表1に示す。但し、これ以降においては接地電極の先端部分に切欠きを形成することで平坦面を設けた上で種々の試験を行うこととしている。すなわち、酸化スケール割合は、平坦面を有する接地電極において、図6(b)の模式図に示すように、接地電極と貴金属チップとの境界面領域の長さJに対する、形成された酸化スケールの長さKの割合を意味する。尚、表1中、酸化スケール割合が50%以下の場合には、○の評価を、酸化スケール割合が50%以上80%未満の場合には、△の評価を、酸化スケール割合が80%以上の場合には、□の評価を下すこととしている。
Figure 0004422759
表1に示すように、[薄肉部272の内周面からの貴金属チップ32の突出高さH1]≧[前記薄肉部272の内周面からの前記膨出部51の突出高さH2]の関係が満たされている場合(表の上段)には、上記関係が満たされていない場合(表の下段)に比べて酸化スケール割合を著しく低いものとすることができることが明らかとなった。これは、曲げに起因する反力が膨出部から貴金属チップに加わり難いものとなるためであると考えられる。また、H1≧H2の関係を満たす場合においては、特に、貴金属チップの段部側の端部と、段部との水平距離(図3(a)の線分α1−β1間の距離)が、0.1(mm)以上の場合に、酸化スケール割合を著しく低くできることが明らかとなった。
次に、接地電極27の先端面27sと前記境界点γ1との距離をM1(mm)とし、軸線方向に直交する方向における接地電極の先端面と接地電極の内周面の基端との距離をB(mm)とした場合において、M1/Bを種々変更したサンプルを作成し、加熱振動耐久試験を行った。より詳しくは、各サンプルにおいて接地電極の曲げ部を900℃に加熱しつつ、周波数200Hzの振動を与え続け、曲げ部の折損までに要した時間(耐久時間)を計測した。10時間以上折損が発生しなかった場合に、十分な折損強度を有しているものとして評価した。そのときの結果を図9に示す。
同図に示すように、M1/Bの値が0.75を超える場合に、折損強度が著しく低いものとなってしまった。このことから、M1/Bの値が0.75以下であること、つまり、M1≦0.75Bを満たしていることにより、薄肉部の長さがさほど長いものではなくなり、接地電極の曲げ部分に極端な曲げ応力がかからなくて済み、その結果、接地電極の曲げ部における折損強度の低下を抑制することができるといえる。
次に、貴金属チップ32の埋没量であるE(mm)が「0.05」、「0.1」、「0.2」、「0.3」、「0.5」の各サンプルについて、貴金属チップ32が接合される際に当接する当接面の距離に相当するN(mm)[すなわち、曲げ加工前における前記接地電極を側面方向から見た場合において、接地電極先端と、貴金属チップの段部側の端部との距離]]を0.3mm〜1.7mmに種々変更した場合における、酸化スケール50%到達サイクルを評価した。その結果を図10に示す。
同図に示すように、距離Nが0.5≦N≦1.5を満たす場合には、耐剥離性が良好なものとなった。これに対し、Nが0.5mmよりも小さい場合には、耐剥離性が十分とはいえない。これは、接合面積を十分に確保することができないことが要因であると考えられる。一方、Nが1.5mmを超える場合にも、耐剥離性が十分とはいえない。これは、Nが1.5mmを超えると貴金属チップの接地電極への溶け込みが均一になり難く、その結果、溶接強度が不均一となってしまうことが原因であると考えられる。
また、貴金属チップの埋没量であるE(mm)が0.1≦E≦0.5を満たす場合には耐剥離性が良好なものとなることが明らかとなった。これに対し、Eが0.1mmよりも小さい場合には、耐剥離性が十分とはいえない。これは、溶接自体が十分であるとはいえず、満足できる接合強度を確保できないためであると考えられる。一方、Eが0.5mmを超える場合には、接合強度は向上するが、溶接が困難となる。実際に、E=0.6mmのサンプルを作製しようと試みたが作製することはできなかった。仮に、作製できたとしても、0.5mmを超えて埋没させようとすると過大な電流を流す必要が生じ、接地電極を構成する母材中に、デンドライトと称される融解凝固物が形成されてしまい、その存在によって耐酸化性の低下等を招いてしまうことが懸念される。
次に、貴金属チップ32の埋没量であるE(mm)を「0.1」、「0.3」、「0.5」と変更するとともに、曲げ加工前における接地電極を側面方向から見た場合において、接地電極先端と厚肉部との距離をM2(mm)とし、接地電極先端と貴金属チップの段部側の端部との距離をN(mm)としたとき、M2−Nの値を種々変更した各サンプルについて、曲げ加工後における[薄肉部272の内周面からの貴金属チップ32の突出高さH1]及び[前記薄肉部272の内周面からの前記膨出部51の突出高さH2]の関係について評価した。その結果を表2に示す。尚、表2中、H1≧H2の場合には、いわゆる膨出部のはみ出しがないものとして○の評価を、H1<H2の場合には、いわゆる膨出部が線分α1−β1をはみ出してしまったものとして×の評価を下すこととしている。
Figure 0004422759
表2に示すように、貴金属チップ32の埋没量であるE(mm)が「0.1」〜「0.5」の範囲内において、M2−Nの値が0.3(mm)以上である場合には、H1≧H2となる、つまり、膨出部のはみ出しのないスパークプラグを得ることができるといえる。このことから、貴金属チップ32の接合に際しては、M2−Nの値が0.3(mm)以上となるよう、溶接を施すのが望ましいといえる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、貴金属チップ32は、接地電極27に対し、抵抗溶接で接合される場合について具体化されているが、必ずしも抵抗溶接に限定されるものではない。従って、例えばレーザー溶接や電子ビーム溶接で接合することとしてもよい。
(b)上記実施形態では、1本の接地電極27が設けられたスパークプラグについて例示されているが、2本以上の接地電極を有するタイプのスパークプラグに具現化することもできる。
(c)上記実施形態では、断面矩形状の接地電極27を用いることとしているが、背面側が湾曲面となっていてもよいし、断面台形状をなしていてもよい。
(d)上記実施形態では、中心電極5の本体部の先端に貴金属チップ31が溶接により接合されている場合について具体化したが、当該中心電極用貴金属チップ31を省略した構成としてもよい。この場合には、本体部が中心電極5を構成する。
(e)上記実施形態では、説明の便宜上、接地電極27を単なる2層構造をなすものとして説明しているが、3層構造或いは4層以上の多層構造をなしていてもよい。但し、外層27Bに対し、その内側の層は、外層27Bよりも良熱伝導性金属を含んでいることが望ましい。例えば、外層27Bの内側に銅合金或いは純銅で構成された中間層が設けられ、中間層の内側に純ニッケルで構成された最内層が設けられていてもよい。また、複層構造ではなく、ニッケル単層のみからなる接地電極27を用いてもよい。
(f)上記実施形態では、図3等に示す膨出部51は、その突出側の面が、説明の便宜上、平坦面状をなすこととしているが、必ずしも平坦面状でなくてもよい。また、膨出部51は、全ての領域において図3(a)の線分α1−β1よりも軸線方向先端側に位置しているが、線分α1−β1よりも後端側にはみだしていなければよい。
従って、例えば、図11(a)に示すように、接地電極27の側面方向から見た場合において、膨出部51の軸線方向後端側の面(図の下側面)が、線分α1−β1と面一になっていてもよい。
また、例えば図11(b)に示すように、接地電極27の側面方向から見た場合において、膨出部51の軸線方向後端側の面が凹んでいてもよい。
さらに、例えば図11(c)に示すように、接地電極の側面方向から見た場合において、段部273と膨出部51との間に、空間Zが形成されていてもよい。換言すれば、段部273と膨出部51とが非接触状態となっていてもよい。このように段部273と膨出部51との間に、空間Zを形成することで、接地電極27を曲げる際に、段部273から膨出部51に加えられる応力が著しく低減される。そのため、膨出部51から貴金属チップ32へ加えられる応力も低減されることとなり、結果として、膨出部51の存在による貴金属チップ32の耐剥離性の低下をより一層防止することができる。
(g)上記実施形態では、貴金属チップ32は、接地電極27の先端面27sから軸線CL1に向けて突出し、中心電極用貴金属チップ31の外周と、貴金属チップ32との間の隙間が火花放電間隙33となっている。つまり、上記実施形態では、軸線CL1方向と直交する方向にほぼ沿って(いわば横方向に)火花放電が行われるようになっている。これに対し、図12に示すように、貴金属チップ32の軸線CL1方向における端面(図の下端面)が、中心電極用貴金属チップ31の先端面(又は中心電極5の先端面)と対向して配置された構成を採用することとしてもよい。すなわち、前記軸線CL1方向にほぼ沿って火花放電が行われるタイプのスパークプラグに具体化することとしてもよい。
また、図13に示すように、貴金属チップ32の前記突出方向における先端面が、中心電極用貴金属チップ31よりも先端側の軸線CL1と対向して配置された構成を採用することとしてもよい。すなわち、前記軸線CL1方向に対し斜めに火花放電が行われるタイプのスパークプラグに具体化することとしてもよい。
(h)上記実施形態では、特に、段部273の深さと、貴金属チップ32の厚みとの関係については言及していないが、段部273の深さが貴金属チップ32の厚みよりも大きくなるよう構成するのがより望ましい。これにより、薄肉部272がより薄いものとなり、薄肉部272における曲げによる残留応力をより小さいものとすることができる。
(i)上記実施形態では特に言及していないが、薄肉部272としては、あまりにも長すぎたのでは厚肉部271及び薄肉部272を設けた意義が阻害されてしまう。かかる観点からすれば、前記接地電極27の先端面27sから段差部273までの長さ(薄肉部272の長さ)は1.2(mm)以下であることが望ましい。
本実施形態のスパークプラグの構成を示す一部破断側面図である。 スパークプラグの部分拡大断面図である。 (a)は接地電極等の主要部分を拡大して示す側面模式図であり、(b)は先端面側からみた接地電極を示す正面図(奥側は図示略)である。 (a),(b)は接地電極の製造過程を説明する模式的に示す側面図であって、(a)は切り欠き加工前、(b)は切り欠き加工後を示す図である。 (a),(b)は接地電極の製造過程を説明する模式的に示す側面図であって、(a)は溶接直前、(b)は溶接後を示す図である。 (a),(b)ともに、評価実験で用いるサンプルの概念を説明するための断面端面図である(但し便宜上ハッチングを省略してある)。 当接面の距離D1及び先端ストレート長STを種々変更した接地電極サンプルにおいて、先端ストレート長STに対する酸化スケール50%到達サイクルの関係を示すグラフである。 加熱振動試験結果を示す図であって、B/Aに対する耐久時間の関係を示すグラフである。 加熱振動試験結果を示す図であって、M1/Bに対する耐久時間の関係を示すグラフである。 貴金属チップの埋没量であるEを種々変更したサンプルについて、貴金属チップが接地電極に接合される際に当接する当接面の距離に相当するNに対する酸化スケール50%到達サイクルの関係を示すグラフである。 (a)〜(c)は、別の実施形態における膨出部のバリエーションを示す接地電極等の側面模式図である。 別の実施形態におけるスパークプラグの主要部分を拡大して示す側面模式図である。 別の実施形態におけるスパークプラグの主要部分を拡大して示す側面模式図である。
符号の説明
1…スパークプラグ、2…絶縁碍子、3…主体金具、5…中心電極、27…接地電極、27s…先端面、27f…平坦面、27n…内壁面、31…(中心電極用)貴金属チップ、32…貴金属チップ、33…(火花放電)間隙、51…膨出部。

Claims (14)

  1. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    基端が前記主体金具の軸線方向先端部に接合され、先端が前記軸線に向けて曲げられて配置された接地電極とを備えた内燃機関用スパークプラグであって、
    前記接地電極は、
    前記基端側に設けられた厚肉部と、
    前記先端側に設けられた薄肉部と、
    前記厚肉部と薄肉部との間の内周面側に設けられた段部とを備え、
    前記薄肉部の内周面には、自身の一部が埋め込まれるようにして接合され、前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する貴金属チップを備え、
    前記接地電極の側面方向から見た場合において、
    前記貴金属チップが埋め込まれることで膨出形成され、前記接地電極と同一の金属成分を含む部分を膨出部としたとき、
    [前記薄肉部の内周面からの前記貴金属チップの突出高さ]
    ≧[前記薄肉部の内周面からの前記膨出部の突出高さ]
    の関係を満たすことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 前記接地電極の側面方向から見た場合において、
    前記段部と前記膨出部との間に、空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 前記接地電極の側面方向から見た場合において、
    軸線方向に直交する方向における前記貴金属チップの段部側の端部と、前記段部との距離が0.1mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  4. 前記接地電極の側面方向から見た場合において、
    前記段部は直線状部分を有しており、当該直線状部分の延長線と前記厚肉部の内周面の延長線との交点を境界点γ1とし、
    軸線方向に直交する方向における前記接地電極の先端面と前記境界点γ1との距離をM1(mm)とし、
    軸線方向に直交する方向における前記接地電極の先端面と前記接地電極の内周面の基端との距離をB(mm)としたとき、
    M1≦0.75B
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 前記接地電極の側面方向から見た場合において、
    前記接地電極の厚肉部の厚みをA(mm)とし、
    軸線方向に直交する方向における前記接地電極の先端面と前記接地電極の内周面の基端との距離をB(mm)としたとき、
    B/A≦2.5を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  6. 前記貴金属チップの前記薄肉部の内周面からの埋没量をE(mm)としたとき、
    0.1≦E≦0.5
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  7. 直棒状をなす接地電極の先端部分に関し、切削又はプレスを行うことで前記段部及び薄肉部が形成され、その後に、前記貴金属チップの溶接が行われ、さらにその後に、前記接地電極の曲げ加工が行われていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  8. 前記貴金属チップは、角柱形状をなすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  9. 前記段部の深さが、前記貴金属チップの厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  10. 前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
    前記貴金属チップの前記突出方向における先端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向と直交する方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  11. 前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
    前記貴金属チップの前記軸線方向における端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  12. 前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
    前記貴金属チップの前記突出方向における先端面が、前記中心電極よりも先端側の軸線と対向して配置されており、前記軸線方向に対し斜めに火花放電が行われることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  13. 前記接地電極の薄肉部の内周面は、前記軸線方向に直交する平坦面であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグの製造方法であって、
    直棒状の接地電極の先端部分に関し、切削又はプレスを行うことで前記段部及び薄肉部を形成する先端部加工工程と、
    前記薄肉部の内周面に対し、前記貴金属チップをその一部が埋め込まれるようにして溶接する溶接工程と、
    前記溶接工程後に、前記接地電極の曲げ加工を行い、前記間隙を調整する曲げ加工工程とを備え、
    前記先端部加工工程に際しては、前記接地電極を側面方向から見た場合に前記段部が直線状部分を有するよう切削加工又はプレス加工を行い、
    前記曲げ加工前における前記接地電極を側面方向から見た場合において、
    前記接地電極先端と、前記厚肉部との距離をM2(mm)とし、
    前記接地電極先端と、前記貴金属チップの段部側の端部との距離をN(mm)としたとき、
    M2−N≧0.3(mm)、
    0.5(mm)≦N≦1.5(mm)
    を満たすよう、前記溶接工程を実施することを特徴とする内燃機関用スパークプラグの製造方法。
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