JP2010192184A - 内燃機関用スパークプラグ。 - Google Patents

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Abstract

【課題】加締め力の増大により気密性の向上を図りつつ、加締め力の増大に伴う板パッキンの変形を抑制し、ひいては絶縁体の破損をより確実に防止する。
【解決手段】スパークプラグ1は、外周部分に軸線CL1方向先端側に向けて先細る段部14を具備する絶縁碍子2と、環状の板パッキン22と、内周部分に軸線CL1方向先端側に向けて先細るテーパ部21を有し、当該テーパ部21に前記板パッキン22を介して前記段部14が係止された状態で、後端部が加締められることにより前記絶縁碍子2を保持する主体金具2とを備える。また、前記テーパ部21には、溝部40が設けられる。このため、板パッキン22のうち、テーパ部21を平坦状とした場合であれば径方向外側や径方向内側へと広がってしまう部分の少なくとも一部が前記溝部40に入り込むこととなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグに関する。
スパークプラグは、例えば、内燃機関(エンジン)に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられるものである。一般的にスパークプラグは、軸孔を有する絶縁体と、当該軸孔の先端側に挿通される中心電極と、軸孔の後端側に挿通される端子電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部に設けられ、中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。そして、中心電極に高電圧が印加されることで、両電極間の火花放電間隙において放電が生じ、混合気へと着火される。
また、前記絶縁体は、主体金具の内部に挿入され、自身の外周部分に形成された段部が、主体金具の内周部に形成されたテーパ部に係止された状態で、前記主体金具の後端開口部を径方向内側に加締めることにより、主体金具に保持される。このとき、主体金具のテーパ部及び絶縁体の段部の間には、主体金具と絶縁体との間に入り込む混合気等が外部に漏れ出してしまうことを防止すべく、円環状の板パッキンが介在される(例えば、特許文献1等参照)。
ところで近年、内燃機関の高出力化の要請から、混合気の高圧縮化が図られている。このため、混合気等の漏れ出しをより確実に防止し、良好な気密性を確保するという観点から、前記主体金具の後端開口部の加締め力を増大させ、前記テーパ部及び段部と板パッキンとの間のシール性をより向上させることが考えられる。
特開2005−190762号公報
しかしながら、前記加締め力を増大させた場合には、板パッキンが大きく変形してしまい、前記テーパ部及び段部の間から板パッキンが径方向内側や径方向外側へとはみ出してしまうおそれがある。その結果、板パッキンのうち径方向内側にはみ出した部分によって絶縁体が挟み込まれてしまったり、径方向外側にはみ出した部分が絶縁体と主体金具との間に入り込んでしまったりして、絶縁体に割れ等の破損が生じてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、加締め力の増大により気密性の向上を図りつつ、加締め力の増大に伴う板パッキンの変形を抑制することができ、ひいては絶縁体の破損をより確実に防止できる内燃機関用スパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に延びる軸孔を有し、外周部分に前記軸線方向先端側に向けて先細る段部を具備する絶縁体と、
環状の板パッキンと、
略筒状をなすとともに、内周部分に前記軸線方向先端側に向けて先細るテーパ部を有し、当該テーパ部に前記板パッキンを介して前記段部が係止された状態で、後端部が加締められることにより前記絶縁体を保持する主体金具と
を備えた内燃機関用スパークプラグであって、
前記テーパ部に溝部を設けたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
上記構成1によれば、テーパ部には溝部が設けられている。このため、主体金具の後端部を加締めることで、前記板パッキンが変形することとなったとき、板パッキンの一部が溝部に入り込むこととなる。つまり、板パッキンのうち、テーパ部を平坦状とした場合であれば径方向外側や径方向内側へと広がってしまう部分の少なくとも一部を溝部に入り込ませることができる。その結果、板パッキンの径方向外側や径方向内側へのはみ出しをより確実に防止することができる。
さらに、テーパ部に溝部を設けることで、テーパ部表面の摩擦抵抗を増加させることができる。このため、上述の通り、溝部に対して板パッキンの一部が入り込むことと相俟って、テーパ部に対して板パッキンが(径方向外側や径方向内側へと)相対移動してしまうことをより確実に抑制することができ、板パッキンのはみ出しをより一層抑制できる。
尚、板パッキンのはみ出しを抑制できることから、主体金具後端部の加締め力をより増大させることができ、ひいては気密性の一層の向上を図ることができる。
構成2.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1において、前記溝部の深さを、0.005mm以上、かつ、前記板パッキンの厚さの半分以下としたことを特徴とする。
上記構成2によれば、溝部の深さが0.005mm以上とされているため、板パッキンのうち溝部に入り込む部位の体積をより増大させることができるとともに、テーパ部表面の摩擦抵抗の更なる増大を図ることができる。その結果、板パッキンのはみ出しを一層確実に抑制することができ、絶縁体の破損をより一層確実に防止することができる。
加えて、溝部の深さが板パッキンの厚さの半分以下とされているため、テーパ部及び板パッキン間において十分なシール性を確保することができ、優れた気密性を実現することができる。
構成3.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1又は2において、前記溝部の幅を、0.005mm以上、かつ、前記板パッキンの幅の70%以下としたことを特徴とする。
上記構成3によれば、溝部の幅が0.005mm以上とされるため、より広範囲に亘って板パッキンを溝部に対して入り込ませることができる。そのため、板パッキンのはみ出しを一層抑制することができ、絶縁体の破損防止を一層図ることができる。
また、溝部の幅を板パッキンの幅の70%以下とすることで、テーパ部に対して板パッキンをより確実に密着させることができ、気密性の更なる向上を図ることができる。
構成4.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記溝部は、前記軸線を中心として環状に形成されていることを特徴とする。
上記構成4によれば、溝部が軸線を中心として環状に形成されるため、テーパ部のうち溝部が形成されていない部位の表面と板パッキンとの接触部分、すなわち、テーパ部と板パッキンとが隙間なく密着する部分を環状に形成することができる。従って、主体金具及び絶縁体間に入り込む混合気等の外部への漏れ出しをより効果的に防止でき、気密性を一層向上させることができる。
また、周方向に延びる連続的な溝部を設けることで、周方向に沿って板パッキンを溝部に入り込ませることができる。これにより、周方向全域において、板パッキンのはみ出しを均等に抑制することができ、絶縁体の破損防止をより確実に図ることができる。
構成5.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記軸線を含む断面における、前記板パッキン及び前記テーパ部の接触部分の最外周部分と、前記接触部分の最内周部分との距離をLとしたとき、
前記溝部は、
前記接触部分のうち内周側1/3の領域内において、0.1L以上の幅を有する第1の溝部と、
前記接触部分のうち外周側1/3の領域内において、0.1L以上の幅を有する第2の溝部とを備えることを特徴とする。
尚、第1(第2)の溝部の幅を0.1L以上とするにあたっては、0.1L以上の幅を有する溝部を1つ設けることとしてもよいし、幅の合計が0.1L以上となるように複数の溝部を設けることとしてもよい。従って、例えば、内周側1/3の領域内に、0.1Lの幅を有する溝部を1つ設ける一方で、外周側1/3の領域内に、0.05Lの幅を有する溝部を2つ設けるようにしてもよい。
上記構成5によれば、板パッキン及びテーパ部の接触部分のうち、内周側の1/3の領域と外周側1/3の領域との双方に0.1L以上の幅を有する溝部が設けられている。このため、板パッキンのうち、特にはみ出しが懸念される内周側部分及び外周側部分を、第1の溝部及び第2の溝部に対して入り込ませることができる。また、溝部が0.1L以上の幅を有するため、板パッキンの内周側部分及び外周側部分の広範囲を溝部に対して入り込ませることができる。その結果、径方向内側及び径方向外側の両方向への板パッキンのはみ出しをより確実に防止することができ、絶縁体の損傷を一層確実に防止することができる。
構成6.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記主体金具は、
内燃機関のヘッドの取付孔に螺合するためのねじ部と、
前記ねじ部の後端側に設けられ、前記ねじ部のねじ径よりも大径に形成された座部とを備え、
前記軸線に沿った、前記主体金具の先端と前記座部との間の距離が25mm以上とされていることを特徴とする。
近年、放熱性向上を図るべく、主体金具の先端から座部までの距離をより長くしたスパークプラグ(いわゆる、ロングリーチタイプのプラグ)が提案されている。ところで、このようなスパークプラグは、主体金具の後端部分(加締め部分)から板パッキンまでの距離、すなわち、主体金具のうち絶縁体を保持する部分(絶縁体保持部)の軸線に沿った距離が比較的長いものとなる。そのため、プラグ使用時には、熱膨張により絶縁体保持部の延び量が比較的大きくなってしまいやすく、主体金具及び絶縁体間のシール性の低下、ひいては燃焼室内の気密性の低下を招いてしまいやすい。そこで、気密性の低下を防止すべく、主体金具後端部の加締め力を増大させることが考えられるが、加締め力を増大させれば、上述の通り、板パッキンの変形やそれに伴う絶縁体の破損といった不具合が発生してしまうおそれがある。すなわち、ロングリーチタイプのスパークプラグは、十分な気密性を維持しようとした場合において、上記不具合の発生がより懸念されるものである。
ここで、上記構成6のスパークプラグは、主体金具の先端と座部との間の軸線に沿った距離が25mm以上と比較的長くされており、上述した不具合の発生がより懸念されるものであるが、上記各構成を採用することで、不具合の発生をより確実に防止することができる。換言すれば、上記各構成は、主体金具の先端から座部までの距離を比較的長くしたスパークプラグにおいて、特に有意であるといえる。
構成7.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至6のいずれかにおいて、前記テーパ部の表面、及び、前記板パッキンの表面のうち少なくとも一方は、メッキで覆われていることを特徴とする。
上記構成7によれば、テーパ部の表面及び板パッキンの表面のうち少なくとも一方には、メッキで覆われている。そのため、テーパ部及び板パッキン間の摩擦抵抗の更なる増大を図ることができ、テーパ部に対する板パッキンの相対移動をより確実に規制することができる。その結果、板パッキンのはみ出しを一層確実に防止することができる。
構成8.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成7において、前記メッキは亜鉛メッキであることを特徴とする。
上記構成8によれば、メッキとして亜鉛メッキを用いることで、テーパ部及び板パッキン間の摩擦抵抗を飛躍的に増大させることができ、板パッキンのはみ出しをより一層確実に防止することができる。
構成9.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成8において、前記テーパ部の表面、及び、前記板パッキンの表面は、それぞれ亜鉛メッキで覆われていることを特徴とする。
上記構成9によれば、テーパ部及び板パッキンの双方が亜鉛メッキで覆われるため、テーパ部と板パッキンとの間の摩擦抵抗の更なる増大を図ることができる。その結果、板パッキンのはみ出しをより効果的に防止することができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 テーパ部の構成等を模式的に示す拡大断面端面図である。 溝部の形状を示す拡大平面模式図である。 溝部の深さとパッキン最大変形量との関係を表すグラフである。 溝部の幅とパッキン最大変形量との関係を表すグラフである。 (a)〜(c)は、評価試験における、所定サンプルの溝部の形成位置と、溝部の幅の大きさとを模式的に説明するための拡大断面端面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、内燃機関用スパークプラグ(以下、「スパークプラグ」と称す)1を示す一部破断正面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。また、脚長部13と中胴部12との連接部には、軸線CL1方向先端側へと先細るテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとにより構成されている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されるとともに、絶縁碍子2の先端から突出している。さらに、中心電極5の先端部には、貴金属合金(例えば、イリジウム合金)により形成された円柱状の貴金属チップ31が接合されている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、スパークプラグ1をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。尚、本実施形態においては、スパークプラグ1の放熱性を向上させるべく、座部16から主体金具3の先端までの軸線CL1に沿った距離Dmが比較的長く(例えば、25mm以上に)されている。
さらに、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するための軸線CL1先端側へと先細るテーパ部21が設けられている。そして、前記絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の前記テーパ部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に保持される。尚、絶縁碍子2の段部14及び主体金具3のテーパ部21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む混合気等が外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、自身の略中間が曲げ返されて、その側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。加えて、接地電極27の先端部には、貴金属合金(例えば、白金合金)よりなる円柱状の貴金属チップ32が接合されている。そして、前記貴金属チップ31,32の間には、火花放電間隙33が形成されており、当該火花放電間隙33において、前記軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われる。
さらに、図2及び図3に示すように、前記主体金具3のテーパ部21のうち、前記板パッキン22に接触する面には、軸線CL1を中心として円環状をなす溝部40が形成されており、当該溝部40は、第1の溝部41、第2の溝部42、及び、第3の溝部43を備えている。尚、本実施形態では、各溝部41〜43は、それぞれ等しい幅Wgを有しており、各溝部41〜43の幅Wgが0.005mm以上とされる一方で、前記板パッキン22の幅(例えば、1mm)Wpの70%以下とされている。また、各溝部41〜43の深さDgについても、それぞれ等しいものとされており、各溝部41〜43の深さDgは、0.005mm以上とされる一方で、前記板パッキン22の厚さ(例えば、0.2mm)Tpの半分以下とされている。
さらに、軸線CL1を含む断面における、板パッキン22及びテーパ部21の接触部分の最外周部分と前記接触部分の最内周部分との距離をL(本実施形態では、前記板パッキン22の幅Wpと等しい)としたとき、前記接触部分のうち内周側1/3の領域(内周側領域)IA内に、前記第1の溝部41が設けられている。さらに、前記接触部分のうち外周側1/3の領域(外周側領域)OA内に、前記第2の溝部42が設けられている。加えて、両溝部41,42の幅Wgについては、0.1L以上の大きさを有するように設定されている。
加えて、前記板パッキン22の表面全域は、メッキ(例えば、亜鉛メッキ)で覆われている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えばS17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金からなる直棒状の接地電極27を抵抗溶接する。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。また、接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。メッキ処理が施された後、接地電極27先端部のメッキが除去される。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成型用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され外形が整形された上で、焼成加工が施されることにより絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。次に、中心電極5の先端部に対して貴金属チップ31がレーザ溶接等により接合される。
加えて、前記主体金具3を構成する金属素材よりも軟質の軟鋼板を打抜くとともに、打抜いたものに浸炭処理、又は、浸炭窒化処理を施すことによって板パッキン22を作製する。次いで、板パッキン22に対して、亜鉛メッキ処理を施すことにより、板パッキン22の表面に亜鉛メッキ被膜を形成する。尚、組付け前の板パッキン22は、略平板状をなしている。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6が押圧された状態で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10の表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。すなわち、前記テーパ部21上に板パッキン22を配置した上で、前記主体金具3の貫通孔の後端側開口部から絶縁碍子2を挿入し、比較的薄肉に形成された前記主体金具3の後端側開口部を径方向内側に加締める(つまり、加締め部20を形成する)ことにより絶縁碍子2と主体金具3とが組付けられる。尚、上記加締めが行われることにより、略平板状であった板パッキン22は、絶縁碍子2の段部14及び主体金具3のテーパ部21に沿って変形する。これにより、板パッキン22は、段部14及びテーパ部21に密着するとともに、自身の一部が前記溝部41〜43に入り込むこととなる。尚、本実施形態においては、熱膨張等に伴い、主体金具3による絶縁碍子2の保持力が低下してしまうことを防止すべく、比較的大きな加締め力をもって主体金具3の後端側開口部が加締められる。
次いで、メッキが除去された接地電極27の先端部に、貴金属チップ32が抵抗溶接される。そして最後に、接地電極27の略中間部分を屈曲させることで、貴金属チップ31,32間の前記火花放電間隙33の大きさを調整する加工が実施され、上述のスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、テーパ部21のうち板パッキン22と接する面には、溝部40(第1〜第3の溝部41〜43)が設けられている。このため、主体金具3の後端部を加締めることで、前記板パッキン22が変形したとき、板パッキン22の一部が溝部40に入り込むこととなる。つまり、板パッキン22のうち、テーパ部を平坦状とした場合であれば径方向外側や径方向内側へと広がってしまう部分の少なくとも一部を溝部40に入り込ませることができる。その結果、板パッキン22の径方向外側や径方向内側へのはみ出しをより確実に防止することができる。
さらに、テーパ部21に溝部40を設けることで、テーパ部21表面の摩擦抵抗を増加させることができる。このため、上述の通り、溝部40に対して板パッキン22の一部が入り込むことと相俟って、テーパ部21に対して板パッキン22が(径方向外側や径方向内側へと)相対移動してしまうことをより確実に抑制することができ、板パッキン22のはみ出しを一層抑制することができる。
また、板パッキン22のはみ出しを抑制できることから、主体金具3後端部の加締め力をより増大させることができ、ひいては気密性の一層の向上を図ることができる。
加えて、溝部40の深さDgが0.005mm以上とされているため、板パッキン22のうち溝部40に入り込む部位の体積をより増大させることができるとともに、テーパ部21表面の摩擦抵抗の更なる増大を図ることができる。その結果、板パッキン22のはみ出しを一層確実に抑制することができ、絶縁碍子2の破損をより一層確実に防止することができる。併せて、溝部40の深さDgが板パッキン22の厚さTpの半分以下とされているため、テーパ部21及び板パッキン22間において十分なシール性を確保することができ、優れた気密性を実現することができる。
さらに、溝部40の幅Wgが0.005mm以上とされるため、より広範囲に亘って板パッキン22を溝部40に対して入り込ませることができる。そのため、板パッキン22のはみ出しを一層抑制することができ、絶縁碍子2の更なる破損防止を図ることができる。また、溝部40の幅Wgを板パッキン22の幅Wpの70%以下とすることで、テーパ部21に対して板パッキン22をより確実に密着させることができ、気密性の更なる向上を図ることができる。
また、溝部40が軸線CL1を中心として環状に形成されるため、テーパ部21のうち溝部40が形成されていない部位の表面と板パッキン22との接触部分、すなわち、テーパ部21と板パッキン22とが隙間なく密着する部分を環状に形成することができる。従って、主体金具3及び絶縁碍子2間に入り込む混合気等の外部への漏れ出しをより効果的に防止でき、気密性を一層向上させることができる。また、周方向に延びる連続的な溝部40を設けることで、周方向に沿って板パッキン22を溝部40に入り込ませることができる。これにより、周方向全域において、板パッキン22のはみ出しを抑制することができる。
加えて、板パッキン22及びテーパ部21の接触部分のうち、内周側領域IAと外周側領域OAとの双方に0.1L以上の幅を有する第1の溝部41及び第2の溝部42が設けられている。このため、板パッキン22のうち、特にはみ出しが懸念される内周側部分及び外周側部分を、第1の溝部41及び第2の溝部42に対して入り込ませることができる。また、溝部41,42が0.1L以上の幅を有するため、板パッキン22の内周側部分及び外周側部分の広範囲を溝部41,42に対して入り込ませることができる。その結果、径方向内側及び径方向外側の両方向への板パッキン22のはみ出しをより確実に防止することができ、絶縁碍子2の損傷を一層確実に防止することができる。
併せて、テーパ部21の表面が亜鉛メッキ被膜で覆われているため、テーパ部21及び板パッキン22間の摩擦抵抗の更なる増大を図ることができ、ひいては板パッキン22のはみ出しをより一層確実に防止することができる。
次に、本実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、パッキン変形量評価試験を行った。パッキン変形量評価試験の概要は次の通りである。すなわち、主体金具のテーパ部に種々異なる幅、及び、深さを有する溝部を形成した上で、絶縁碍子を主体金具に組付けてなるスパークプラグのサンプルを作製した。そして、組付け後における、絶縁碍子の段部及び前記テーパ部間からの径方向外側又は径方向内側への板パッキンのはみ出し量の最大値(パッキン最大変形量)を測定した。図4に、溝部の深さと、パッキン最大変形量との関係を表すグラフを示す。また、図5に、溝部の幅と、パッキン最大変形量との関係を表すグラフを示す。尚、図4に示す試験においては、溝部の幅を0.010mmとし、図5に示す試験においては、溝部の深さを0.010mmとした。加えて、板パッキンとしては、厚さが0.200mm、幅が1.000mmのものを用いた。尚、溝部の幅や深さ、板パッキンの厚さ等は、それぞれ組付け後において測定した値である(以下、同様)。
図4,5に示すように、テーパ部に溝部を設けたサンプルは、溝部を設けなかったサンプル(つまり、溝部の深さや幅が0.000mmのサンプル)と比較して、パッキン最大変形量が大幅に減少し、板パッキンのはみ出しが効果的に抑制されることが明らかとなった。これは、テーパ部に溝部を設けたことにより、溝部に板パッキンを入り込ませたり、テーパ部表面の摩擦抵抗を増大させることができたためであると考えられる。
また特に、溝部の深さを0.005mm以上としたり、溝部の幅を0.005mm以上としたサンプルは、パッキン最大変形量が0.03mm以下となり、板パッキンのはみ出しを非常に効果的に抑制できることがわかった。
次いで、溝部の深さや幅を種々変更したスパークプラグのサンプルについて、気密性評価試験を行った。気密性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルをエンジンヘッドを模した試験台に組付けた上で、サンプルの座部を200℃に加熱しつつ、空気により1.5MPaの圧力を加え続け、主体金具及び絶縁碍子間から空気の漏洩の有無を確認した。ここで空気の漏洩が認められた場合には、気密性が低下しているとして「×」の評価を下し、一方で、空気の漏洩が認められなかった場合には、十分な気密性を有するとして「○」の評価を下した。表1に、溝部の深さを種々変更したサンプルについての評価試験の結果を示す。また、表2に、溝部の幅を種々変更したサンプルについての評価試験の結果を示す。尚、板パッキンの厚さ等は、上記パッキン変形量評価試験と同様のものとした。
Figure 2010192184
Figure 2010192184
表1に示すように、溝部の深さを0.150mmとしたサンプル、すなわち、溝部の深さが板パッキンの厚さ(0.200mm)の半分を超えていたサンプルは、気密性が低下してしまうことがわかった。また、表2に示すように、溝部の幅が0.700mmを超えるサンプル、つまり、溝部の幅が板パッキンの幅の70%を超えるサンプルについても、気密性の低下が認められた。これは、溝部の深さや幅が過大なものとなったことで、テーパ部に対する板パッキンの密着性が損なわれてしまったことによると考えられる。
これに対して、溝部の深さを0.100mm以下(板パッキンの厚さの半分以下)としたり、溝部の幅を0.70mm以下(板パッキンの幅の70%以下)としたサンプルは、優れた気密性を有することが明らかとなった。
次に、テーパ部における溝部の形成位置と、当該溝部の幅とを種々変更したサンプルを作製し、上述のパッキン変形量評価試験及び気密性評価試験を行った。尚、今回のパッキン変形量評価試験においては、板パッキンのはみ出しが抑制されていたサンプルについて、さらに、次のような基準をもって細かく評価を行った。すなわち、径方向内側又は外側への板パッキンのはみ出し量が、従来技術に係るサンプル(溝部を設けなかったサンプル)と比較して低減されていた場合には、板パッキンのはみ出しを抑制できているとして「○」の評価を下し、径方向内側又は外側への板パッキンのはみ出し量が、従来技術に係るサンプルと比較して大幅に低減されていた場合には、板パッキンのはみ出しを極めて効果的に抑制できているとして「◎」の評価を下した。尚、各サンプルともに、溝部の深さを0.010mmとし、テーパ部及び板パッキンの接触部分の最内周部分から最外周部分までの距離(接触部分の幅)を1.000mmとした。
加えて、各サンプルにおける、溝部の形成位置及び溝部の幅は、それぞれ次の通りとした。すなわち、テーパ部及び板パッキンの接触部分の幅をLとしたとき、サンプル1は、当該接触部分のうち内周側1/3の領域(内周側領域)内に、0.2Lの幅を有する溝部を設けたものであり、サンプル2は、接触部分の外周側1/3の領域(外周側領域)内に、0.2Lの幅を有する溝部を設けたものである。また、サンプル3は、前記内周側領域及び外周側領域の間の領域(中央側領域)内に、0.2Lの幅を有する溝部を設けたものであり、サンプル4は、中央側領域の全域に1/3Lの幅を有する溝部を設けたものである。さらに、サンプル5は、外周側領域の内周側10%の領域から内周側領域の外周側10%の領域にかけて溝部を設けた、つまり、テーパ部の中央部分に8/15Lの幅を有する溝部を設けたものである。加えて、サンプル6は、外周側領域に0.05Lの幅を有する溝部を設けるとともに、内周側領域に0.05Lの幅を有する溝部を設けたものであり、サンプル7は、外周側領域に0.15Lの幅を有する溝部を設けるとともに、内周側領域に0.05Lの幅を有する溝部を設けたものである。併せて、サンプル8は、外周側領域に0.05Lの幅を有する溝部を設けるとともに、内周側領域に0.15Lの幅を有する溝部を設けたものであり、サンプル9は、内周側領域及び外周側領域にそれぞれ0.1Lの幅を有する溝部を設けたものである。例えば、サンプル1は、図6(a)に示すように溝部を設けたものであり、サンプル5は、図6(b)に示すように溝部を設けたものであり、サンプル9は、図6(c)に示すように溝部を設けたものである。表3に、径方向内側への板パッキンのはみ出し量の評価、径方向外側への板パッキンのはみ出し量の評価、及び、気密性評価試験の結果を示す。
Figure 2010192184
表3に示すように、各サンプルとも板パッキンのはみ出しが抑制されるとともに、優れた気密性を有していたものの、特に、外周側領域や内周側領域に0.1L以上の幅の溝部を設けたサンプル(サンプル1,2,5,7,8,9)は、径方向外側や径方向内側への板パッキンのはみ出しを大幅に抑制できることがわかった。また、これらサンプルの中でも、外周側領域及び内周側領域の双方に0.1L以上の幅を有する溝部を設けたサンプル(サンプル5,9)は、径方向外側及び内側の両方向への板パッキンのはみ出しが大幅に抑制されることが認められた。
次いで、テーパ部に溝部を形成するとともに、板パッキンの表面を亜鉛メッキ被膜で覆ったもの(サンプルA)、テーパ部に溝部を形成したが、板パッキンに亜鉛メッキ被膜を設けなかったもの(サンプルB)、並びに、溝部及び亜鉛メッキ被膜を設けなかったもの(サンプルC)について、主体金具後端部の加締め力を種々変更することで、それぞれが同等の気密性を有するようにしつつ、その気密性を段階的に変更した種々のスパークプラグのサンプルを作製した。そして、各サンプルについて上述のパッキン変形量評価試験を行い、パッキン最大変形量を測定した。尚、「同等の気密性を有する」とあるのは、上述した気密性評価試験における空気の漏洩量が等しい場合をいう。表4に、気密性(すなわち、加締め力)を種々変更させた場合における、サンプルA〜Cのパッキン最大変形量を示す。尚、同表中の「気密性」の欄には、漏洩量割合を示す。「漏洩量割合」とは、溝部や亜鉛メッキ被膜を設けなかったものであって、板パッキンにはみ出しが生じなかったときの最大加締め力で主体金具後端部を加締めたものについて、上述の気密性評価試験を行ったときの空気の漏洩量に対する、各サンプルについて気密性評価試験を行ったときの空気の漏洩量の割合である。尚、漏洩量割合が小さいほど、主体金具の後端部が大きな力をもって加締められたこととなる。
Figure 2010192184
表4に示すように、溝部及びメッキ被膜を設けなかったサンプルC(従来技術に係るもの)に関しては、気密性を高めるに従って、すなわち、主体金具後端部の加締め力を増大させるに従って、板パッキンのはみ出しが極度に増大してしまうことがわかった。
これに対して、テーパ部に溝部を設けたサンプルBは、気密性を高めるべく、前記加締め力を増大させた場合であっても、板パッキンのはみ出しを抑制できることが明らかとなった。また特に、溝部を設けるとともに、板パッキンの表面に亜鉛メッキ被膜を設けたサンプルAは、板パッキンのはみ出しをより一層抑制できることが認められた。これは、パッキンの表面に亜鉛メッキ被膜を設けたことで、テーパ部及び板パッキン間の摩擦抵抗が増大し、テーパ部に対する板パッキンの相対移動が規制されたことに起因すると考えられる。
以上、各評価試験の結果を総合的に勘案すると、絶縁碍子の損傷を防止すべく、板パッキンのはみ出しを抑制するという観点から、テーパ部に溝部を設けることが有意であるといえる。
また、板パッキンのはみ出しをより確実に防止する観点から、溝部の深さを0.005mm以上としたり、溝部の幅を0.005mm以上としたりすることが特に有意であるといえる。
加えて、板パッキンのはみ出しの更なる抑制を図るという観点から、外周側領域や内周側領域に0.1L以上の幅の溝部を設けることが好ましく、特に、外周側領域及び内周側領域の双方に、0.1L以上の幅を有する溝部を設けることが、径方向外側及び径方向内側の両方向への板パッキンのはみ出しを抑制するという点で、より好ましいといえる。
併せて、板パッキンの表面に亜鉛メッキ被膜を設けることで、板パッキンのはみ出しをより効果的に抑制できるといえる。
一方で、気密性を十分に維持するという観点からは、溝部の深さを板パッキンの厚さの半分以下としたり、溝部の幅を板パッキンの幅の70%以下としたりすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、第1の溝部41、第2の溝部42、及び、第3の溝部43と3つの溝部が設けられているが、溝部の数はこれに限定されるものではない。また、溝部40の形成位置に関しても、上記実施形態の形成位置に限定されるものではない。
(b)上記実施形態では、溝部40の幅Wg及び深さDgがそれぞれ等しいものとされているが、溝部40の幅Wgや深さDgをそれぞれ異ならせることとしてもよい。従って、上記実施形態においては、溝部40の深さDg、及び、溝部40の幅Wgがそれぞれ0.005mm以上とされているが、例えば、溝部40の深さDgや幅Wgを0.005mm未満としてもよい。
(c)上記実施形態において、溝部40は、軸線CL1を中心とする環状に形成されているが、溝部40の形状は環状に限定されるものではない。従って、溝部は、例えば、テーパ部21の表面に設けられた複数の凹部であってもよい。
(d)上記実施形態では、板パッキン22の表面全域が亜鉛メッキ被膜で覆われているが、板パッキン22のうちテーパ部21側の表面のみを亜鉛メッキ被膜で覆うこととしてもよい。また、板パッキン22の表面に代えて、テーパ部21の表面を亜鉛メッキ被膜で覆うこととしてもよいし、テーパ部21及び板パッキン22の双方の表面を亜鉛メッキ被膜で覆うこととしてもよい。
(e)上記実施形態では、板パッキン22に対して亜鉛メッキ処理が施されているが、Niメッキ等、他のメッキ処理を施すこととしてもよい。この場合であっても、テーパ部21及び板パッキン22間の摩擦抵抗の増大を図ることができ、テーパ部21に対する板パッキン22の相対移動をより確実に規制することができる。
(f)上記実施形態では、座部16から主体金具3の先端までの軸線CL1に沿った距離Dmが比較的長く(例えば、25mm以上に)されているが、座部16から主体金具3の先端までの軸線CL1に沿った距離Dmの大きさは何ら限定されるものではない。
(g)上記実施形態では、中心電極5及び接地電極27の先端部に、貴金属チップ31,32が設けられているが、貴金属チップ31,32の双方、或いは、一方を省略して構成することとしてもよい。
(h)上記実施形態では、主体金具3の先端面に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。また、主体金具3の先端部26の側面に接地電極27を接合することとしてもよい。
(i)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。従って、例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ(内燃機関用スパークプラグ)
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
4…軸孔
14…段部
15…ねじ部
16…座部
21…テーパ部
22…板パッキン
40…溝部
41…第1の溝部
42…第2の溝部
CL1…軸線

Claims (9)

  1. 軸線方向に延びる軸孔を有し、外周部分に前記軸線方向先端側に向けて先細る段部を具備する絶縁体と、
    環状の板パッキンと、
    略筒状をなすとともに、内周部分に前記軸線方向先端側に向けて先細るテーパ部を有し、当該テーパ部に前記板パッキンを介して前記段部が係止された状態で、後端部が加締められることにより前記絶縁体を保持する主体金具と
    を備えた内燃機関用スパークプラグであって、
    前記テーパ部に溝部を設けたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 前記溝部の深さを、0.005mm以上、かつ、前記板パッキンの厚さの半分以下としたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 前記溝部の幅を、0.005mm以上、かつ、前記板パッキンの幅の70%以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  4. 前記溝部は、前記軸線を中心として環状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 前記軸線を含む断面における、前記板パッキン及び前記テーパ部の接触部分の最外周部分と、前記接触部分の最内周部分との距離をLとしたとき、
    前記溝部は、
    前記接触部分のうち内周側1/3の領域内において、0.1L以上の幅を有する第1の溝部と、
    前記接触部分のうち外周側1/3の領域内において、0.1L以上の幅を有する第2の溝部とを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  6. 前記主体金具は、
    内燃機関のヘッドの取付孔に螺合するためのねじ部と、
    前記ねじ部の後端側に設けられ、前記ねじ部のねじ径よりも大径に形成された座部とを備え、
    前記軸線に沿った、前記主体金具の先端と前記座部との間の距離が25mm以上とされていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  7. 前記テーパ部の表面、及び、前記板パッキンの表面のうち少なくとも一方は、メッキで覆われていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  8. 前記メッキは亜鉛メッキであることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  9. 前記テーパ部の表面、及び、前記板パッキンの表面は、それぞれ亜鉛メッキで覆われていることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関用スパークプラグ。
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