JP5816126B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグに関する。
スパークプラグは、内燃機関(エンジン)等に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられる。一般的にスパークプラグは、軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、軸孔の先端側に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部に固定される接地電極とを備える。接地電極は、自身の略中間部分に設けられた屈曲部において、自身の先端部が中心電極の先端部と対向するように曲げ返されており、接地電極の先端部と中心電極の先端部との間には間隙が形成される。そして、前記間隙に高電圧が印加され、火花放電が生じることで、混合気への着火がなされるようになっている。
ところで、接地電極が前記間隙と燃料噴射装置との間に位置するようにして、スパークプラグが内燃機関等に取付けられた場合には、間隙に対する混合気の流入が接地電極により阻害されてしまい、着火性の低下を招いてしまうおそれがある。そこで、接地電極を幅狭(小径)とする、つまり、接地電極の断面積を比較的小さなものとすることが考えられる。これにより、仮に接地電極が前記間隙と燃料噴射装置との間に配置された場合であっても、着火性の低下を極力抑えることができる。
しかしながら、接地電極を幅狭(小径)とした場合には、図12に示すように、前記間隙の気流により火花放電SPが吹き流されたときに、接地電極57の表面を這った火花放電SPの移動可能量が少なくなってしまう。従って、火花放電が比較的早期に吹き消えてしまい、すなわち、混合気に対する着火機会が減少してしまい、その結果、失火を招きやすくなってしまうおそれがある。そこで、上述した着火性の低下抑制効果を維持しつつ、吹き消えによる失火を防止するために、接地電極のうち前記間隙に対応する部位を幅狭としつつ、接地電極のうち前記間隙を形成する部位の幅を増大させることが考えられる(例えば、特許文献1等参照)。当該手法によれば、火花放電が吹き流された際における接地電極の表面を這った火花放電の移動可能量を増大させることができ、火花放電をより長期間に亘って維持することができる。
特開平10−223351号公報
しかしながら、接地電極のうち前記間隙に対応する部位を幅狭(小径)としつつ、接地電極のうち前記間隙を形成する部位の幅を増大させた場合には、振動に伴い接地電極に応力が加えられた際に、接地電極のうち特に幅狭とされた部位で折損が生じてしまうおそれがある。特に、近年の高出力、高圧縮エンジンにおいては、発生する振動が激しいため、接地電極の折損がより懸念される。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、接地電極の配置位置の相違に伴う着火性の低下を極力抑制できるとともに、吹き消えによる失火を効果的に抑制でき、さらには、接地電極の折損をより確実に防止することができるスパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔に挿設された中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に固定されるとともに、屈曲部にて前記中心電極側へと曲げられ、前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極とを備えたスパークプラグであって、
前記接地電極は、
その中心軸に沿った全域に亘って、前記中心軸と直交する断面における断面積が1.77mm2以下とされるとともに、
前記中心電極の先端面よりも前記軸線方向先端側かつ前記接地電極のうち前記先端面と対向する面よりも前記軸線方向後端側の部分、及び、前記屈曲部を含む基部と、
前記基部の先端部の延出方向に沿って前記基部の先端から延び、前記基部よりも幅広の幅広部とを有し、
前記間隙は、前記中心電極の先端面と前記幅広部のうち前記中心電極の先端面と対向する面との間に形成されるとともに、前記間隙の大きさが1.30mm以下とされ、
前記軸線方向先端側から見たときに、前記幅広部のうち前記間隙を形成する部位に対応する前記接地電極の中心軸方向に沿った範囲内において、前記幅広部の幅方向両端縁のうち少なくとも一端縁は、前記中心電極の先端面よりも外周側に位置するとともに、前記幅広部の幅方向に沿った前記一端縁から前記中心電極の先端面外周までの距離fが0.30mm以上とされ、
前記幅広部のうち前記間隙を形成する部位に対応する前記接地電極の中心軸方向に沿った範囲内において、前記幅広部の幅cが2.6mm以下とされることを特徴とする。
上記構成1によれば、中心電極の先端面よりも先端側かつ接地電極のうち中心電極の先端面と対向する面よりも後端側の部分(つまり、前記間隙に対応する部分)を含む基部の断面積が1.77mm2以下とされている。そのため、接地電極が仮に前記間隙と燃料噴射装置との間に配置された場合であっても、前記間隙に対して基部を回り込んで混合気が流入しやすくなる。従って、接地電極の配置位置の相違に伴う着火性の低下を極力抑制することができる。
加えて、上記構成1によれば、間隙の大きさが1.30mm以下とされているため、生成される火花放電が比較的短くなり、気流が火花放電に対して当たりにくくなる。そのため、火花放電の吹き流れが生じにくくなる。さらに、上記構成1によれば、基部よりも幅広に形成されるとともに、前記距離fが0.30mm以上とされた幅広部が設けられ、当該幅広部と中心電極の先端面との間に前記間隙が形成されている。従って、火花放電が吹き流された際における接地電極の表面を這った火花放電の移動可能量を増大させることができ、火花放電をより長期間に亘って維持することができる。その結果、吹き消えによる失火を効果的に抑制することができ、上述した着火性の低下抑制効果と相俟って、優れた着火性を実現することができる。
さらに、上記構成1によれば、接地電極は、その中心軸に沿った全域に亘って断面積が1.77mm2以下とされており、幅広部を設けながらも、当該幅広部の重量が比較的小さなものとなるように構成されている。従って、振動が加えられた際において、基部に加わる応力を低減させることができ、基部(特に屈曲部)の折損をより確実に防止することができる。
また、幅広部は、その幅cが2.6mm以下とされているため、その断面積が1.77mm2以下であっても、十分な厚みを有することとなる。従って、基部及び幅広部の連接部における機械的強度を十分に確保することができ、振動が加えられたときにおいて、前記連接部における接地電極の折損をより確実に防止することができる。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、前記接地電極は、前記幅広部の幅方向に沿って前記中心電極の先端面と対向する部位から外れた部位に、前記中心電極との間における最短距離が前記間隙の大きさよりも大きくなる突部を有することを特徴とする。
上記構成2によれば、接地電極のうち、中心電極の先端面と対向する部位から外れた部位には、中心電極との間における最短距離が前記間隙の大きさよりも大きくなる突部が設けられている。従って、突部と中心電極との間よりも前記間隙にて火花放電が生じやすくなり、前記間隙にて生じた火花放電が吹き流された際には、火花放電が突部に接触することで、火花放電のそれ以上の吹き流れを防止することができる。これにより、火花放電を一層長期間に亘って維持することができ、吹き消えによる失火抑制効果をより高めることができる。その結果、着火性を一層向上させることができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成2において、前記突部は、前記幅広部の少なくとも幅方向一端側において、前記接地電極の中心軸に沿った前記幅広部の全域に亘って設けられることを特徴とする。
上記構成3によれば、突部は、幅広部の少なくとも幅方向一端側において、接地電極の中心軸に沿った幅広部の全域に亘って形成されている。従って、火花放電が吹き流された際に、突部に対して火花放電がより確実に接触することとなる。その結果、吹き消えによる失火を一層効果的に抑制することができ、着火性の更なる向上を図ることができる。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成2において、前記突部は、前記幅広部の幅方向両端側において、前記接地電極の中心軸に沿った前記幅広部の全域に亘って設けられることを特徴とする。
上記構成4によれば、突部は、幅広部の幅方向両端側において、接地電極の中心軸に沿った幅広部の全域に亘って形成されている。従って、気流の向き(火花放電の吹き流れ方向)の相違に関わらず、火花放電が吹き流されたときに、火花放電を突部に対してより確実に接触させることができる。その結果、吹き消えによる失火抑制効果を顕著に向上させることができ、着火性を飛躍的に高めることができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す拡大正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す拡大底面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す拡大側面図である。 (a)は、スパークプラグの先端部の別例を示す拡大正面図であり、(b)は、スパークプラグの先端部の別例を示す拡大側面図である。 (a)は、スパークプラグの先端部の別例を示す拡大正面図であり、(b)は、スパークプラグの先端部の別例を示す拡大側面図である。 スパークプラグの先端部の別例を示す拡大側面図である。 スパークプラグの先端部の別例を示す拡大側面図である。 接地電極中間体を示す斜視図である。 (a)は、第1の型を示す斜視図であり、(b)は、第2の型を示す斜視図である。 (a),(b)は、幅広部の形成工程における第1の型等を示す断面模式図である。 従来技術における火花放電の吹き消えを説明するためのスパークプラグの先端部の拡大側面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って延びる軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、熱伝導性に優れる金属〔例えば、銅や銅合金、純ニッケル(Ni)等〕からなる内層5Aと、Niを主成分とする合金からなる外層5Bとを備えている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部分が絶縁碍子2の先端から突出している。さらに、中心電極5は、その先端部に貴金属合金等からなる円柱状のチップ31を備えている。
加えて、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その先端部外周にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側には座部16が外周側に向けて突出形成されており、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられている。また、主体金具3の後端部には、径方向内側に向けて屈曲する加締め部20が設けられている。
加えて、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3に対してその後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、前記段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間には滑石(タルク)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及び滑石25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、図2及び図3に示すように、主体金具3の先端部26には、Ni合金等により形成され、屈曲部27Bにて中心電極5側へと曲げられた接地電極27が接合されている。接地電極27は、主体金具3に固定され、中心電極5の先端面5Fよりも軸線CL1方向先端側かつ接地電極27のうち前記先端面5Fと対向する面よりも軸線CL1方向後端側の部分(図2中、斜線を付した部分であり、後述する間隙33に対応する部分)、及び、前記屈曲部27Bを含む基部28と、当該基部28の先端部の延出方向に沿って基部28の先端から延びる幅広部29とを備えている。
基部28は、主体金具3に固定され軸線CL1方向に沿って延びる直線状の部位と、当該部位に対して一端部が連接された前記屈曲部27Bと、屈曲部27Bの他端部に連接され軸線CL1と直交する方向に延びる直線状の部位とを備えている。また、基部28は、その幅a及びその厚さbがそれぞれ小さなもの(例えば、それぞれ1.5mm以下)とされている。尚、本実施形態において、基部28は、断面円形状をなしており、その外形が比較的小径(例えば、φ1.5mm以下)とされている。
幅広部29は、断面矩形状をなし、基部28の幅よりも幅広に形成されている。そして、中心電極5の先端面5Fと幅広部29のうち前記先端面5Fと対向する面との間には間隙33が形成されており、当該間隙33において、軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。尚、本実施形態では、前記間隙33の大きさG(幅広部29及び前記先端面5F間の最短距離)が1.30mm以下とされており、火花放電に必要な電圧の過大が抑制されている。また、本実施形態において、幅広部29は、その厚さdが所定値(例えば、0.50mm)以上とされており、その長さeが中心電極5の先端面5Fの外径以上とされている。
加えて、本実施形態において、接地電極27は、その中心軸CL2に沿った全域に亘って、前記中心軸CL2と直交する断面における断面積が1.77mm2以下とされている。すなわち、基部28及び幅広部29の双方において、これらの断面積が1.77mm2以下とされている。基部28の断面積が1.77mm2以下とされることで、間隙33と燃焼噴射装置との間に接地電極27が配置されてしまった場合であっても、混合気が接地電極27(基部28)を回り込んで間隙33へとスムーズに流入するようになっている。尚、十分な耐折損性を確保すべく、接地電極27の断面積を所定値(例えば、1.33mm2)以上とすることが好ましい。
さらに、図3に示すように、軸線CL1方向先端側から見たときに、幅広部29のうち間隙33を形成する部位に対応する前記中心軸CL2方向に沿った範囲(図3中、散点模様を付した部位)内において、幅広部29の幅方向両端縁29E1,29E2のうち少なくとも一方(本実施形態では、端縁29E1,29E2の双方)が、幅広部29の幅方向に沿って基部28の側面から張り出すように構成されており、中心電極5の先端面5Fよりも外周側に位置している。そして、図3及び図4に示すように、軸線CL1方向先端側から見たときにおいて、幅広部29の幅方向に沿った前記端縁29E1,29E2から中心電極5の先端面5F外周までの距離f1,f2がそれぞれ0.30mm以上とされている。すなわち、幅広部29のうち間隙33に対応する部位は、軸線CL1方向先端側から見たときに、自身の幅方向に沿って、中心電極5の先端面5F外周よりも0.3mm以上張り出すように構成されている。加えて、本実施形態では、距離f1及び距離f2がそれぞれ等しいものとされており、幅広部29の幅方向中心に中心電極5の先端面5F中心が対向するように構成されている。
尚、図5(a),(b)に示すように、幅広部29のうち間隙33を形成する部位に対応する前記中心軸CL2方向に沿った範囲〔図5(a)中、散点模様を付した部位〕内において、幅広部29の幅方向両端縁29E1,29E2のうち一方側の端縁(例えば、端縁29E1)のみが、幅広部29の幅方向に沿って基部28の側面から張り出すように構成してもよい。この場合には、軸線CL1方向先端側から見たときにおいて、幅広部29の幅方向に沿った前記端縁29E1から中心電極5の先端面5F外周までの距離f1が0.30mm以上とされる。
図4に戻り、本実施形態では、幅広部29のうち前記間隙33を形成する部位に対応する接地電極27の中心軸CL2方向に沿った範囲内において、幅広部29の幅cが2.6mm以下とされている。
また、本実施形態において、接地電極27は、幅広部29の幅方向に沿って中心電極5の先端面5Fと対向する部位から外れた部位に、中心電極5との間における最短距離gが前記間隙33の大きさGよりも大きくなる突部27P1,27P2を有している。突部27P1,27P2は、幅広部29の幅方向両端側に形成されており、図2に示すように、前記中心軸CL2に沿った幅広部29の全域に亘って設けられている。
尚、図5に示すように、突部27P1,27P2のうちの一方を、幅広部29の幅方向一端側にのみ設けることとしてもよい。また、図6(a),(b)に示すように、突部27P3を、前記中心軸CL2に沿った幅広部29の全域に亘って形成することなく、前記中心軸CL2に沿った幅広部29の一部にのみ設けることとしてもよい。さらに、図7及び図8に示すように、突部を設けることなく構成し、幅広部29のうち中心電極5側の面を平坦状に形成してもよい。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)に対して冷間鍛造加工等により概形を形成するとともに、貫通孔を形成する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
また、主体金具中間体とは別に接地電極27となる接地電極中間体37を製造しておく。より詳しくは、まず、Ni合金に対して冷間鍛造加工(伸線加工)を施すことで、前記合金を徐々に細くしていく。そして、十分に細くされた段階で合金を所定長さに切断することにより、図9に示すように、円柱状の接地電極中間体37が得られる。尚、接地電極中間体37は、その長手方向に沿って一定の断面積を有し、その断面積が1.77mm2以下とされている。
続いて、得られた接地電極中間体37が、主体金具中間体の先端面に抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極中間体37の溶接された主体金具3が得られる。
次いで、接地電極中間体37の溶接された主体金具3に、亜鉛メッキ或いはNiメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成形用素地造粒物を調製するとともに、当該成形用素地造粒物を用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され整形されるとともに、整形されたものが焼成炉で焼成されることにより、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金に鍛造加工を施すとともに、鍛造加工後の前記Ni合金の先端部にチップ31をレーザー溶接等により接合することで、中心電極5を製造する。
次に、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9は、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されたものが、抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱されることで焼成される。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極中間体37を備える主体金具3とが固定される。より詳しくは、主体金具3に絶縁碍子2を挿通した上で、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。
次いで、図10(a),(b)に示すように、前記幅広部29と同一の幅及び同一の長さを有し、前記突部27P1,27P2に対応する凹み部41D1,41D2が形成されてなる凹部41Aを有する第1の型41と、断面矩形状をなすとともに、前記凹部41Aに挿通可能な棒状の第2の型42とを用いて、接地電極中間体37の先端部に塑性加工を施す。より詳しくは、図11(a)に示すように、第1の型41の凹部41Aに接地電極中間体37の先端部を配置した上で、図11(b)に示すように、第2の型42を凹部41Aに挿通し、第2の型42により接地電極中間体37の先端部をプレスする。これにより、接地電極中間体37の先端部が凹部41Aに倣って変形し、幅広部29や突部27P1,27P2が形成されてなる接地電極27が得られる。
その後、接地電極27を中心電極5側に屈曲させるとともに、中心電極5及び接地電極27間に形成された間隙33の大きさを調整することにより上述したスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、基部28の断面積が1.77mm2以下とされているため、接地電極27が仮に間隙33と燃料噴射装置との間に配置された場合であっても、間隙33に対して接地電極27(基部28)を回り込んで混合気が流入しやすくなる。従って、接地電極27の配置位置の相違に伴う着火性の低下を極力抑制することができる。
加えて、本実施形態では、間隙33の大きさGが1.30mm以下とされているため、生成される火花放電が比較的短くなり、気流が火花放電に対して当たりにくくなる。そのため、火花放電の吹き流れが生じにくくなる。さらに、基部28よりも幅広に形成されるとともに、前記距離f1,f2が0.30mm以上とされた幅広部29が設けられ、当該幅広部29と中心電極5の先端面5Fとの間に間隙33が形成されている。従って、火花放電が吹き流された際における接地電極27の表面を這った火花放電の移動可能量を増大させることができ、火花放電をより長期間に亘って維持することができる。その結果、吹き消えによる失火を効果的に抑制することができ、上述した着火性の低下抑制効果と相俟って、優れた着火性を実現することができる。
さらに、接地電極27は、その中心軸CL2に沿った全域に亘って断面積が1.77mm2以下とされており、幅広部29を設けながらも、当該幅広部29の重量が比較的小さなものとなるように構成されている。従って、振動が加えられた際において、基部28に加わる応力を低減させることができ、基部28(特に屈曲部27B)の折損をより確実に防止することができる。
また、幅広部29は、その幅cが2.6mm以下とされているため、その断面積が1.77mm2以下であっても、十分な厚みを有することとなる。従って、基部28及び幅広部29の連接部における機械的強度を十分に確保することができ、振動が加えられた際において、前記連接部における接地電極27の折損をより確実に防止することができる。
加えて、本実施形態では、接地電極27のうち、中心電極5の先端面5Fと対向する部位から外れた部位には、中心電極5との間における最短距離gが間隙33の大きさGよりも大きくなる突部27P1,27P2が設けられている。従って、突部27P1,27P2と中心電極5との間よりも前記間隙33にて火花放電が生じやすくなり、間隙33にて生じた火花放電が吹き流された際には、火花放電が突部27P1,27P2に接触することで、火花放電のそれ以上の吹き流れを防止することができる。これにより、火花放電を一層長期間に亘って維持することができ、吹き消えによる失火抑制効果をより高めることができる。その結果、着火性を一層向上させることができる。
特に本実施形態では、突部27P1,27P2は、幅広部29の幅方向両端側において、接地電極27の中心軸CL2に沿った幅広部29の全域に亘って形成されている。従って、気流の向き(火花放電の吹き流れ方向)の相違に関わらず、火花放電が吹き流されたときに、火花放電を突部27P1,27P2に対してより確実に接触させることができる。その結果、吹き消えによる失火抑制効果を顕著に向上させることができ、着火性を飛躍的に高めることができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、基部の幅a、基部の厚さb、幅広部の幅c、幅広部の厚さd、幅広部の長さe、前記距離f1,f2(中心電極の先端面外周に対する幅広部の張り出し量)、基部の断面積、及び、幅広部の断面積を種々変更した接地電極を有してなるスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、耐吹き消え評価試験、耐折損性評価試験、及び、着火性評価試験を行った。
耐吹き消え評価試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルを、排気量1.8Lの4気筒ターボチャージャー付きエンジンに取付け、過給圧を1.4mbarとして、エンジンを全開状態(回転数4500rpm)で動作させた。そして、1分間における、吹き消えによるエンジンの失火回数を計測した。ここで、前記失火回数が10回未満となったサンプルは、吹き消えによる失火の抑制効果に優れるとして「○」の評価を下し、一方で、前記失火回数が10回以上となったサンプルは、吹き消えによる失火が比較的生じやすいとして「×」の評価を下すこととした。
また、耐折損性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルを上述のエンジンに取付けた上で、過給圧を2.1mbarとして、エンジンを全開状態(回転数2500rpm)で100時間に亘って動作させた。そして、100時間経過後に、接地電極において折損が生じているか否かを確認した。ここで、接地電極に折損が生じていなかったサンプルは、優れた耐折損性を有するとして「○」の評価を下し、一方で、接地電極に折損が生じていたサンプルは、耐折損性に劣るとして「×」の評価を下すこととした。
加えて、着火性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルを前記エンジンに対して、燃料噴射口及び間隙の間に接地電極が位置しないように取付けた上で、エンジンをアイドリング状態で動作させつつ、空燃比を徐々に減少させながら、放電1000回中に10回の失火が発生したときの空燃比(限界空燃比)を測定した。さらに、サンプルを前記エンジンに対して、燃料噴射口及び間隙の間に接地電極が位置するように取付けた上で、前記限界空燃比を測定した。そして、両ケースにおける限界空燃比の差を算出した。ここで、限界空燃比の差が所定値(3.0)以上となった場合には、接地電極の配置位置の相違により着火性が低下しやすいとして「×」の評価を下し、一方で、限界空燃比の差が所定値(3.0)未満となった場合には、接地電極の配置位置の相違による着火性の低下が生じにくいとして「○」の評価を下すこととした。
表1〜表4に、耐吹き消え評価試験、耐折損性評価試験、及び、着火性評価試験の試験結果をそれぞれ示す。尚、サンプルA,B1,B2,B3,B4は、接地電極がその中心軸に沿って一定の断面形状を有するように構成し、サンプルAは、断面矩形状とし、サンプルB1〜B4は、断面円形状とした。一方で、その他のサンプルは、基部及び幅広部を有し、基部を断面円形状(すなわち、幅a及び厚さbが等しくなる)とし、幅広部を断面矩形状とした。また、接地電極には、突部を形成することなく、中心電極側の面が平坦状となるように構成した。さらに、サンプル1〜24,31〜52,61〜80は、幅広部の幅方向両端縁が、自身の幅方向に沿って基部の側面よりも張り出すように構成した(すなわち、図7と同様の構成とした)。一方で、サンプル25,26,53,54,81,82は、幅広部の幅方向一端縁のみが基部の側面よりも張り出すように構成した(すなわち、図8と同様の構成とした)。尚、距離f1,f2がマイナスとあるのは、軸線方向先端側から見たときに、幅広部の幅方向端縁が中心電極の先端面外周よりも軸線側に位置し、距離f1,f2がプラスとあるのは、軸線方向先端側から見たときに、幅広部の幅方向端縁が中心電極の先端面外周よりも外周側に位置することを示す。
尚、各サンプルともに、間隙の大きさGを0.7mmとした。
Figure 0005816126
Figure 0005816126
Figure 0005816126
Figure 0005816126
表1〜表4に示すように、基部の断面積を1.77mm2超としたサンプル(サンプルA,B4,91〜99)は、基部の断面積に対して幅広部の断面積を過度に大きくしない限り、接地電極の折損は生じなかったが、着火性に劣ることが分かった。これは、基部の幅が比較的大きかったため、接地電極の存在によって間隙に対して混合気が流入しにくくなってしまったことによると考えられる。
また、基部の断面積を1.77mm2以下としたサンプル(サンプルB1〜B3,1〜26,31〜54,61〜82)は、優れた着火性を有していたが、幅広部の厚さdを基部の厚さbと略同一とするとともに、幅広部の幅cを基部の幅aよりも大きくし、幅広部の断面積を基部の断面積よりも大きくしたサンプル(サンプル1〜12,31〜41,61〜70)は、吹き消えによる失火の抑制効果及び耐折損性の少なくとも一方に劣ることが分かった。これは、次の(1)及び(2)が要因であると考えられる。
(1)幅広部の幅cひいては距離f1,f2を大きくした場合には、吹き消えによる失火を抑制できたものの、幅広部の断面積(重量)が増大したため、振動が加わった際に基部に加わる応力が大きくなってしまったこと。
(2)幅広部の幅cひいては距離f1,f2を比較的小さくした場合には、幅広部の断面積(重量)が減少したため、耐折損性は向上したものの、吹き消えによる失火を抑制する効果が弱まってしまったこと。
さらに、幅広部の断面積を基部の断面積以下とし、幅広部の重量低減を図ったサンプル(サンプル13〜26,42〜54,71〜82)のうち、幅広部の幅cを2.6mm超としたサンプル(サンプル13,14,42,43,71,72)は、接地電極のうち、特に基部及び幅広部の連接部において折損が生じてやすくなってしまうことが分かった。これには、幅広部の厚さdが過度に小さくなってしまったため、接地電極の厚さ方向に沿った応力に対して、前記連接部の機械的強度が不十分となってしまったことに起因すると考えられる。
併せて、幅広部の断面積を基部の断面積以下としたサンプルのうち、距離f1,f2を0.10mm未満としたサンプル(サンプル21〜24,50〜52,79,80)は、吹き消えによる失火が生じやすいことが確認された。これは、火花が吹き流れたときにおいて、幅広部の表面を這った火花放電の移動可能量が小さかったため、火花放電の維持時間が短くなってしまったことによると考えられる。
これに対して、幅広部の断面積を基部の断面積以下とするとともに、基部の幅cを2.6mm以下とし、かつ、距離f1,f2を0.15mm以上としたサンプル(サンプル15〜20,25,26,44〜49,53,54,73〜78,81,82)は、吹き消えによる失火が生じにくく、かつ、接地電極の耐折損性に優れることが明らかとなった。
次いで、幅広部の幅方向両端縁が、自身の幅方向に沿って基部の側面から均等に張り出すように構成する(すなわち、距離f1,f2が等しくなるように構成する)とともに、間隙の大きさG、及び、距離f1,f2を種々変更したスパークプラグのサンプルと、幅広部の幅方向一端縁のみが基部の側面から張り出すように構成するとともに、間隙の大きさG、及び、距離f1を種々変更したスパークプラグのサンプルとを作製し、各サンプルについて、上述の耐吹き消え評価試験を行った。表5に、幅広部の幅方向両端縁が基部の側面から張り出すサンプルの試験結果を示し、表6に、幅広部の一端縁が基部の側面から張り出すサンプルの試験結果を示す。尚、表5及び表6における回数は、火花の吹き消えによる失火回数を示し、「×」とあるのは、前記失火回数が10回以上となったことを示す。
Figure 0005816126
Figure 0005816126
表5及び表6に示すように、間隙の大きさGを1.30mm以下とするとともに、距離f1,f2を0.30mm以上とすることで、吹き消えによる失火を効果的に抑制できることが分かった。これは、次の(3)及び(4)に起因すると考えられる。
(3)間隙の大きさGを1.30mm以下としたことで、生成される火花放電が比較的短くなったため、気流が火花放電に当たりにくくなり、火花放電の吹き流れが生じにくくなったこと。
(4)距離f1,f2を0.30mm以上としたことで、火花が吹き流れたときに、火花放電が幅広部を這って比較的大きな距離を移動可能となったため、火花の維持される時間が長くなり、混合気への着火機会が増加したこと。
上記試験の結果より、接地電極の配置位置の相違に伴う着火性の低下抑制、及び、耐折損性の向上を実現しつつ、吹き消えによる失火をより確実に防止するという観点から、接地電極をその中心軸に沿った全域において断面積が1.77mm2以下となるように構成するとともに、間隙の大きさGを1.30mm以下とし、距離f1,f2を0.30mm以上とし、かつ、幅広部の幅cを2.6mm以下とすることが好ましいといえる。
次いで、間隙の大きさG、及び、接地電極の形状を種々変更したスパークプラグのサンプルC〜Hを作製し、各サンプルについて、エンジン回転数を6500rpmとして(つまり、吹き消えによる失火が一層生じやすい条件で)上述の耐吹き消え評価試験を行った。表7に、当該試験の試験結果を示す。尚、表5及び表6と同様に、表7における回数は、火花の吹き消えによる失火回数を示し、「×」とあるのは、前記失火回数が10回以上となったことを示す。
加えて、サンプルC〜Hは、それぞれ次のように構成した。すなわち、サンプルCは、比較例に相当するものであり、接地電極をその中心軸に沿った全域において断面円形状とした。また、サンプルD〜Hは、それぞれ実施例に相当するものであり、サンプルDは、幅広部の幅方向一端縁のみが基部の側面から張り出すように構成し、幅広部の中心電極側の面を平坦状とした(すなわち、図8と同様の構成とした)。さらに、サンプルEは、幅広部の幅方向両端縁が基部の側面から張り出すよう構成し、幅広部の中心電極側の面を平坦状とした(すなわち、図7と同様の構成とした)。加えて、サンプルFは、幅広部の幅方向一端縁のみが基部の側面から張り出すように構成し、突部を接地電極の中心軸に沿った幅広部の一部にのみ設けた(すなわち、図6と同様の構成とした)。併せて、サンプルGは、幅広部の幅方向一端縁のみが基部の側面から張り出すように構成し、突部を接地電極の中心軸に沿った幅広部の全域に亘って設けた(すなわち、図5と同様の構成とした)。また、サンプルHは、幅広部の幅方向両端縁が基部の側面から張り出すよう構成し、幅広部の両端側に、接地電極の中心軸に沿った幅広部の全域に亘って突部を設けた(すなわち、図2〜4と同様の構成とした)。
さらに、各サンプルともに、接地電極が同一の断面積を有するように構成し、その断面積を1.77mm2以下とした。加えて、幅広部を設けたサンプルD〜Hにおいては、幅広部の幅cを2.6mmとし、距離f1,f2を0.55mmとした。
尚、間隙の大きさGが大きいほど、火花が吹き流されやすく、吹き消えによる失火が生じやすいといえる。
Figure 0005816126
表7に示すように、突部を設けたサンプル(サンプルF,G,H)は、吹き消えによる失火が極めて生じやすい条件においても、吹き消えによる失火を十分に抑制できることが分かった。これは、火花が吹き流されたときに、火花放電が突部に接触することで、火花放電のそれ以上の移動が抑制されることとなり、火花の維持される時間がより長期化したためであると考えられる。
さらに、突部を、幅広部の少なくとも幅方向一端側において、接地電極の中心軸に沿った幅広部の全域に亘って設けたサンプル(サンプルG,H)は、吹き消えによる失火の抑制効果にさらに優れることが分かった。これは、突部を幅広部の全域に亘って設けたことで、火花放電が吹き流されたときに、火花放電が突部に対してより接触しやすくなったためであると考えられる。
加えて、突部を、幅広部の幅方向両端側において、幅広部の全域に亘って設けたサンプル(サンプルH)は、吹き消えによる失火の抑制効果に極めて優れることが確認された。これは、気流の向き(火花の吹き流れ方向)の相違に関わらず、火花放電が吹き流されたときに、火花放電が突部に対してより確実に接触することとなったためであると考えられる。
上記試験の結果より、吹き消えによる失火をより効果的に抑制するためには、幅広部の幅方向に沿って中心電極の先端面と対向する部位から外れた部位に、中心電極との間における最短距離が間隙の大きさよりも大きくなる突部を設けることが好ましいといえる。
また、吹き消えによる失火の抑制効果を一層向上させるべく、突部を、幅広部の少なくとも幅方向一端側において、接地電極の中心軸に沿った幅広部の全域に亘って設けることがより好ましく、突部を、幅広部の幅方向両端側において、接地電極の中心軸に沿った幅広部の全域に亘って設けることがより一層好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態において、中心電極5は、チップ31を備えているが、チップ31を設けなくてもよい。
(b)上記実施形態において、基部28は断面円形状に構成されているが、基部28を断面多角形状に構成してもよい。
(c)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(d)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
4…軸孔
5…中心電極
5F…(中心電極の)先端面
27…接地電極
27B…屈曲部
27P1,27P2…突部
28…基部
29…幅広部
33…間隙
CL1…軸線
CL2…(接地電極の)中心軸

Claims (4)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔に挿設された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に固定されるとともに、屈曲部にて前記中心電極側へと曲げられ、前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極とを備えたスパークプラグであって、
    前記接地電極は、
    その中心軸に沿った全域に亘って、前記中心軸と直交する断面における断面積が1.77mm2以下とされるとともに、
    前記中心電極の先端面よりも前記軸線方向先端側かつ前記接地電極のうち前記先端面と対向する面よりも前記軸線方向後端側の部分、及び、前記屈曲部を含む基部と、
    前記基部の先端部の延出方向に沿って前記基部の先端から延び、前記基部よりも幅広の幅広部とを有し、
    前記間隙は、前記中心電極の先端面と前記幅広部のうち前記中心電極の先端面と対向する面との間に形成されるとともに、前記間隙の大きさが1.30mm以下とされ、
    前記軸線方向先端側から見たときに、前記幅広部のうち前記間隙を形成する部位に対応する前記接地電極の中心軸方向に沿った範囲内において、前記幅広部の幅方向両端縁のうち少なくとも一端縁は、前記中心電極の先端面よりも外周側に位置するとともに、前記幅広部の幅方向に沿った前記一端縁から前記中心電極の先端面外周までの距離fが0.30mm以上とされ、
    前記幅広部のうち前記間隙を形成する部位に対応する前記接地電極の中心軸方向に沿った範囲内において、前記幅広部の幅cが2.6mm以下とされることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記接地電極は、前記幅広部の幅方向に沿って前記中心電極の先端面と対向する部位から外れた部位に、前記中心電極との間における最短距離が前記間隙の大きさよりも大きくなる突部を有することを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記突部は、前記幅広部の少なくとも幅方向一端側において、前記接地電極の中心軸に沿った前記幅広部の全域に亘って設けられることを特徴とする請求項2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記突部は、前記幅広部の幅方向両端側において、前記接地電極の中心軸に沿った前記幅広部の全域に亘って設けられることを特徴とする請求項2に記載のスパークプラグ。
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