JP5259814B2 - 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグ及びその製造方法に関する。
一般的に自動車エンジン等の内燃機関に使用されるスパークプラグは、中心電極と接地電極との間の火花放電間隙において火花を生じさせることにより、内燃機関の燃焼室に供給される混合気に点火する構成となっている。
近年では、排ガス規制への対応や燃費向上の観点から、リーンバーンエンジンや直噴エンジン、低排ガスエンジン等の内燃機関の開発が積極的に行われている。このような内燃機関においては、従来よりも着火性に優れたスパークプラグが要求される。
そこで、着火性の向上を図るべく、接地電極の先端部に細径化された柱状の突部を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。当該技術によれば、突部によって火炎の成長が阻害されてしまうことを防止できるとされている。
特開2009−54574号公報
ところが、上記技術を採用した場合であっても、着火性を十分に向上させることは困難である。これは、細径化された突部を設けたとしても、接地電極のうち前記突部の基端部が連接される部位(接地電極の先端部)の存在によって、火炎の成長が阻害されてしまうことによる。尚、上記従来技術においては、接地電極の先端部の幅を比較的狭くする旨が記載されているが、この場合には、突部から主体金具への熱伝達の経路にあたる部分の断面積が小さくなってしまう。そのため、突部の熱を主体金具側へと十分に引くことができず、ひいては耐消耗性の低下を招いてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、接地電極の先端部に突部を有してなる内燃機関用スパークプラグにおいて、優れた着火性及び耐消耗性を実現することができる内燃機関用スパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
一端部が前記主体金具に固定されるとともに、他端部が前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する接地電極とを備え、
前記接地電極は、
前記一端部から前記他端部側に向けて延びる基部と、
前記基部の先端から前記他端部側に向けて徐々に幅狭となる連接部と、
前記連接部の先端から前記他端部側に向けて延びるとともに、一定の幅を有する柱状部と、
前記柱状部のうち前記中心電極の先端部と対向する部位から突出し、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で前記間隙を形成する突部とを具備し、
前記柱状部の前記中心電極側の内側面から前記突部の先端までの突出長が0.3mm以上1.0mm以下である内燃機関用スパークプラグであって、
前記突部は、前記柱状部と同一の材料により形成され、
前記柱状部の幅をWA(mm)とし、前記突部の幅をWX(mm)としたとき、
1.0<WA/WX≦1.6
を満たすことを特徴とする。
尚、「一定の幅」とあるのは、柱状部の幅が厳密に一定であることを意味するものではなく、柱状部の長手方向に沿って幅の変動が多少あることとしてもよい。この場合、前記柱状部の幅WAは、長手方向に沿った柱状部の幅の平均値をいう。
また、中心電極の先端部に貴金属合金等からなるチップを接合することとしてもよい。この場合には、当該チップと突部との間に前記間隙が形成されることとなる。
上記構成1によれば、接地電極には、前記中心電極の先端部との間で間隙を形成する突部が設けられており、当該突部の突出長が0.3mm以上と十分に大きくされている。従って、前記間隙において生じた火炎の熱が、接地電極の柱状部等によって引かれてしまうことを極力抑制することができる。また、突部の突出長が1.0mm以下とされているため、突部の過熱をより確実に防止することができる。
加えて、柱状部の幅は、基部の幅よりも小さくされるとともに、柱状部の幅をWA(mm)とし、突部の幅をWX(mm)としたとき、WA/WX≦1.6を満たすように(すなわち、柱状部の幅が突部の幅の1.6倍以下となるように)両者の幅の関係が規定されている。従って、突部にかかることなく広がることができた火炎が、柱状部の存在によってその広がりを阻害されてしまうといった事態をより確実に抑制することができる。その結果、上述したように突部の突出長が十分に大きいことと相俟って、突部の大きさを何ら考慮せずに単に幅狭の柱状部を形成した場合と比較して、着火性(火炎伝播性)の飛躍的な向上を図ることができる。
さらに、本構成1によれば、柱状部の幅WA及び突部の幅WXに関して、1.0<WA/WXを満たすように(すなわち、突部の幅が柱状部の幅よりも小さくなるように)両者の幅が設定されている。これにより、突部のボリュームが過大なものとなって、突部に溜まり得る熱量が増大してしまうことを防止でき、柱状部の幅を狭くしたとしても(つまり、突部から主体金具へと至る熱伝達の経路の断面積を比較的小さくしたとしても)、突部の熱を主体金具側へと問題なく移動させることができる。その結果、突部の突出長を1.0mm以下とすることと相俟って、耐消耗性を著しく向上させることができる。
また、突部は前記柱状部と同一の材料により、すなわち、突部及び柱状部等は一体的に形成されている。従って、接地電極に突部を別体として設ける場合と比べて、生産性の向上や製造コストの低減を図ることができる。
構成2.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1において、前記柱状部の延出方向に沿った、前記柱状部の長さをLA(mm)とし、前記柱状部の延出方向に沿った、前記突部の長さをLX(mm)としたとき、
X≦LA≦2WA
を満たすことを特徴とする。
上記構成2によれば、LX≦LAとされるため、前記突部及び中心電極間に形成される間隙に、幅の比較的広い連接部や基部が極端に接近してしまうことをより確実に防止することができる。その結果、着火性(火炎伝播性)のより一層の向上を図ることができる。
さらに、本構成2によれば、LA≦2WAと(すなわち、柱状部の長さが柱状部の幅の2倍以下と)される。そのため、突部の熱を伝達する経路となる柱状部が極端に長くなりすぎてしまい、突部から主体金具への熱移動がスムーズに行えないといった事態をより確実に防止することができる。結果として、突部から主体金具側へと熱がより一層引かれやすくなり、耐消耗性の更なる向上を図ることができる。
構成3.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1又は2において、
記接地電極のうち前記内側面に隣接する側面において、連接部が平坦状であり、
前記連接部と前記柱状部とのなす角度が100°以上であることを特徴とする。
上記構成3によれば、連接部と柱状部とのなす角度を100°以上とすることで、火炎の成長が連接部によって阻害されてしまうといった事態を効果的に抑制することができる。その結果、着火性の更なる向上を図ることができる。
ところで、突部及び柱状部を一体的に形成するにあたっては、所定の材料に成形加工を施すことで、突部及び柱状部を一体的に有する接地電極を形成することが考えられる。ここで、前記成形加工としては、例えば、後述する構成7等のように、接地電極一端部の両側面を型により挟み込み、押圧変形させることで柱状部及び連接部を形成するとともに、前記一端部のうち幅方向に減肉した部分を用いて前記突部を形成する手法が考えられる。ところが、この場合において、前記連接部と柱状部とのなす角度を直角又は直角に近いものとすれば、型による押圧時に連接部と柱状部との境界部分に応力が集中してしまい、ひいては当該境界部分にクラック(割れ)が発生してしまうおそれがある。さらに、形成された接地電極にクラックが発生していなくても、連接部と柱状部とのなす角度が直角又は直角に近いものであれば、内燃機関の動作に伴う振動等により連接部及び柱状部の境界部分に応力が集中しやすくなってしまい、接地電極の折損等、機械的強度の低下も懸念される。
この点、上記構成3によれば、連接部と柱状部とのなす角度が100°以上とされている。従って、上述したように型を用いた押圧変形により前記突部等を形成する手法を採用した場合であっても、連接部及び柱状部の境界部分におけるクラックの発生をより確実に防止することができる。また、接地電極自体に着目したとき、連接部と柱状部とのなす角度が比較的緩やかなものとされるため、内燃機関での使用時等において前記境界部分に対する応力の集中を効果的に抑制することができる。従って、前記クラックの発生防止という作用効果と相俟って、接地電極について十分な機械的強度を確保することができる。
構成4.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、
記接地電極のうち前記内側面に隣接する両側面において、前記連接部の先端部は、
凹状の湾曲形状、及び、テーパ状のいずれか一方に形成されており、
前記湾曲形状の部分について、その曲率半径が0.1mm以上であり、
前記テーパ状の部分について、その幅が0.1mm以上であることを特徴とする。
尚、「テーパ状の部分の幅」とあるのは、接地電極の延出方向に沿った当該テーパ状の部分の長さをいう。
上記構成4によれば、接地電極を形成するにあたって、型による押圧加工を施すことで柱状部や突部等を形成する上述の手法を採用した場合、成形時における連接部及び柱状部の境界部分でのクラックの発生を一層確実に防止することができる。また、内燃機関での使用時等において連接部及び柱状部の境界部分へと応力が集中してしまうことをより確実に抑制でき、接地電極の機械的強度の更なる向上を図ることができる。
構成5.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記柱状部の内側面と前記突部との境界は、凹状の湾曲形状、及び、テーパ状のいずれかとなっており、
前記湾曲形状の部分について、その曲率半径が0.1mm以上であり、
前記テーパ状の部分について、その長さが0.1mm以上であることを特徴とする。
尚、「テーパ状の部分の長さ」とあるのは、テーパ状部分の突部の突出方向と直交する方向に沿った長さをいう。
上記構成5によれば、型による押圧加工を施して接地電極を形成する場合において、柱状部及び突部の境界部分におけるクラックの発生を抑制することができ、ひいては突部の欠落といった事態をより確実に防止することができる。
さらに、突部の基端部の断面積を増大させることができるため、突部の熱を柱状部側へとよりスムーズに移動させることができ、耐消耗性の更なる向上を図ることができる。
構成6.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記主体金具は、内燃機関のヘッドの取付孔に螺合するためのねじ部を有し、
前記ねじ部のねじ径をM12以下としたことを特徴とする。
近年、エンジンレイアウトの自由度の向上等を図るべく、スパークプラグの小型化(小径化)が要求されている。ここで、スパークプラグを小径化するにあたっては、主体金具が小径化されることとなるが、この場合には、主体金具の先端部に端部が固定される接地電極についても相対的に細径化せざるを得ない。そのため、突部から主体金具側へと熱が引かれにくくなってしまい、耐消耗性の低下が懸念される。
この点、上記構成6のスパークプラグは、ねじ部のねじ径がM12以下と小径化されており、耐消耗性の低下が懸念されるところであるが、上記構成1等を採用することで、突部から主体金具側へとスムーズに熱を移動させることができる。従って、スパークプラグの小径化に伴う耐消耗性の低下という懸念を払拭することができる。
構成7.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
一端部が前記主体金具に固定されるとともに、他端部が前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する接地電極とを備え、
前記接地電極は、
前記一端部から前記他端部側に向けて延びる基部と、
前記基部の先端から前記他端部側に向けて徐々に幅狭となる連接部と、
前記連接部の先端から前記他端部側に向けて延びるとともに、一定の幅を有する柱状部と、
前記接地電極と同一材料により形成されるとともに、前記柱状部のうち前記中心電極の先端と対向する部位から突出し、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で前記間隙を形成する突部とを有するスパークプラグの製造方法であって、
前記突部の形状に対応する凹部を有する第1の型と、平坦面を有する第2の型とによって、前記接地電極と同一の材料により形成された棒状部材の端部を挟み込んだ上で、
前記棒状部材の端部を、前記柱状部及び前記連接部に対応する形状をなす一対の型により挟み込み押圧することで、前記接地電極を形成し、
前記接地電極の形成時において、
前記突部の目標体積をV1(mm 3 )とし、
前記接地電極のうち前記突部を除いた部位の目標体積をV2(mm 3 )とし、
前記棒状部材の体積をV3(mm 3 )としたとき、
V3−V2≧1.38×V1を満たすように、前記一対の型によって前記棒状部材を押圧することを特徴とする。
上記構成7によれば、形成されるスパークプラグは、上記構成1等のスパークプラグと同様の構成を有するため、着火性及び耐消耗性の向上を図ることができる。
加えて、本構成7によれば、接地電極と同一の材料で形成された棒状部材を、所定の型を用いて成形することにより接地電極が形成される。従って、突部及び柱状部等は同一材料から形成されることとなり、突部を柱状部とは別体で設ける場合と比較して、製造コストの抑制を図ることができる。また、第1、第2の型で棒状部材の端部を挟み込んだ上で、当該端部を一対の型により挟み込むことによって、柱状部、連接部、及び、突部が一度に形成される。そのため、生産性の飛躍的な向上を図ることができる。
また、上記製造方法を採用すると、棒状部材の端部のうち一対の型によって押圧され、幅方向に減肉した部分を用いて突部が形成されることとなる。ところが、型同士の間への肉の逃げ等の要因から、減肉した部分と同体積の突部が形成されることとはならず、減肉部分の体積よりも小さい体積の突部が形成される。そのため、突部を十分なボリュームをもって形成するためには、減肉部分の体積〔すなわち、V3−V2(mm 3 )〕を、突部の目標体積V1よりも十分に大きなものとすることが好ましい。
そこで、上記構成7によれば、V3−V2≧1.38×V1を満たすように、すなわち、減肉部分の体積が突部の目標体積よりも十分に大きくなるようにして、一対の型により前記棒状部材が押圧される。このため、上記製造方法を用いて接地電極を形成する際に、十分なボリュームを有する突部をより確実に形成することができる。
構成8.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
一端部が前記主体金具に固定されるとともに、他端部が前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する接地電極とを備え、
前記接地電極は、
前記一端部から前記他端部側に向けて延びる基部と、
前記基部の先端から前記他端部側に向けて徐々に幅狭となる連接部と、
前記連接部の先端から前記他端部側に向けて延びるとともに、一定の幅を有する柱状部と、
前記接地電極と同一材料により形成されるとともに、前記柱状部のうち前記中心電極の先端と対向する部位から突出し、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で前記間隙を形成する突部とを有するスパークプラグの製造方法であって、
前記突部の形状に対応する凹部を有する第1の型を、前記接地電極と同一の材料により形成された棒状部材の端部に接するようにして配置した上で、前記柱状部及び前記連接部に対応する形状をなす一対の型によって、前記棒状部材の端部を挟み込んで押圧し、前記棒状部材の端部を幅狭に形成するとともに、
前記第1の型と、平坦面を有する第2の型とによって、前記棒状部材の端部を挟み込み押圧することで、前記接地電極を形成し、
前記接地電極の形成時において、
前記突部の目標体積をV1(mm 3 )とし、
前記接地電極のうち前記突部を除いた部位の目標体積をV2(mm 3 )とし、
前記棒状部材の体積をV3(mm 3 )としたとき、
V3−V2≧1.38×V1を満たすように、前記一対の型によって前記棒状部材を押圧することを特徴とする。
上記構成8によれば、形成されるスパークプラグは、上記構成1等のスパークプラグと同様の構成を有するため、着火性及び耐消耗性の向上を図ることができる。
また、本構成8によれば、棒状部材の端部を一対の型で挟み込み、柱状部に相当する幅の狭い部分を形成し、次いで、第1、第2の型により棒状部材の端部を挟み込むことで、突部が形成される。そのため、上記構成7と同様に、突部及び柱状部等は同一材料から形成されることとなり、製造コストの抑制を図ることができる。
また、上記構成8においても、V3−V2≧1.38×V1を満たすように、すなわち、減肉部分の体積が突部の目標体積よりも十分に大きくなるようにして、一対の型により前記棒状部材が押圧される。このため、上記製造方法を用いて接地電極を形成する際に、十分なボリュームを有する突部をより確実に形成することができる。
構成.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成7又は8において、前記一対の型による前記棒状部材の端部の押圧時において、前記棒状部材の長手方向に沿った、前記棒状部材の端部とは反対側の端部の前記一対の型に対する相対移動を規制する規制手段を設けたことを特徴とする。
上述のとおり、前記一対の型は連接部に対応する部位を有する。そのため、棒状部材の端部を一対の型によって押圧した際には、棒状部材のうち、押圧される端部とは反対側に位置する部位が一対の型から逃げるようにして移動してしまうおそれがある。その結果、棒状部材のうち突部となり得る部分が減少してしまい、ひいては形成される突部の体積が不十分なものとなってしまうおそれがある。
この点、上記構成によれば、一対の型による棒状部材の端部の押圧時には、規制手段によって、棒状部材の長手方向に沿った、棒状部材のうち前記一対の型により押圧される端部とは反対側の端部の一対の型に対する相対移動が規制される。これにより、棒状部材のうち突部となる部分が減少してしまうことをより確実に防止でき、突部を十分な体積をもって形成することができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 接地電極の先端部の構成を示す部分拡大平面図である。 接地電極の先端部の構成を示す部分拡大背面図である。 接地電極の先端部の構成を示す部分拡大斜視図である。 (a),(b)は、接地電極成形前における型の配置等を示す拡大断面図である。 (a),(b)は、接地電極成形時における型の配置等を示す拡大断面図である。 接地電極成形時における突部の目標体積や棒状部材の減肉部分を示すための拡大斜視模式図である。 柱状部の幅及び突部の幅と、点火角度との関係を示すグラフである。 柱状部の幅及び突部の幅と、先端温度との関係を示すグラフである。 柱状部の長さ及び突部の長さと、点火角度との関係を示すグラフである。 柱状部の長さ及び柱状部の幅と、先端温度との関係を示すグラフである。 目標体積を変更した2種のサンプルについて、(VA+VB)/V1と体積割合との関係を示すグラフである。 連接部及び柱状部のなす角度と、点火角度との関係を示すグラフである。 連接部及び柱状部のなす角度と、クラック発生率との関係を示すグラフである。 (a),(b)は、第2実施形態における接地電極の先端部の構成を示す部分拡大平面図である。 連接部の先端部に形成された湾曲面部の曲率半径と、クラック発生率との関係を示すグラフである。 連接部の先端部に形成されたテーパ部の幅と、クラック発生率との関係を示すグラフである。 (a)は、第3実施形態における突部と柱状部との境界に形成された湾曲面部の構成を示す部分拡大背面図であり、(b)は、第3実施形態における湾曲面部の構成を示す部分拡大側面図である。 (a)は、第3実施形態における突部と柱状部との境界に形成されたテーパ部の構成を示す部分拡大背面図であり、(b)は、第3実施形態におけるテーパ部の構成を示す部分拡大側面図である。 突部と柱状部との境界に形成された湾曲面部の曲率半径と、クラック発生率との関係を示すグラフである。 突部と柱状部との境界に形成されたテーパ部の長さと、クラック発生率との関係を示すグラフである。 (a),(b)は、別の実施形態における、一対の型による押圧時に配置される規制手段を説明するための一部破断正面図である。 別の実施形態における規制手段を説明するための一部破断正面図である。
〔第1実施形態〕
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。図1は、内燃機関用スパークプラグ(以下、「スパークプラグ」と称す)1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12とを備えている。また、絶縁碍子2は、前記中胴部12よりも先端側に、中胴部12よりも細径に形成された脚長部13を備えており、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されるとともに、絶縁碍子2の先端から突出している。また、中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとを備えている。さらに、前記中心電極5の先端部には、貴金属合金(例えば、イリジウム合金)により形成された円柱状の貴金属チップ31が接合されている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、スパークプラグ1をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。尚、本実施形態では、前記ねじ部15のねじ径がM12以下と比較的小径化されている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との間の空間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、Ni合金で構成された接地電極27が接合されている。より詳しくは、接地電極27は、前記主体金具3の先端部26に対して、自身の一端部が溶接されるとともに、略中間部分が曲げ返されて構成されている。前記貴金属チップ31と、次述する接地電極27の他端部側に位置する突部27Dとの間には、間隙としての火花放電間隙35が形成されており、当該火花放電間隙35において、前記軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われる。
また、図2,3,4,5に示すように、接地電極27は、基部27Aと、連接部27Bと、柱状部27Cと、突部27Dとを備えている。
前記基部27Aは、接地電極27のうち、その一端から他端部側に向けて延びる部位であり、他端が前記連接部27Bの一端に連接されている。また、前記基部27Aは、一定の幅を有するように形成されている。加えて、前記連接部27Bは、基部27Aの他端から接地電極27の他端部側に向けて延びるとともに、徐々に幅が狭くなるように構成されている。尚、前記基部27Aの先端は、前記中心電極5の先端(火花放電間隙35の中央)よりも軸線CL1方向先端側に位置している。
さらに、前記柱状部27Cは、連接部27Bの他端に連接されており、接地電極27の他端部側に位置している。尚、柱状部27Cは、前記基部27Aの幅よりも小さい一定の幅WA(mm)を有するとともに、自身の延出(長手)方向に沿って所定の長さLA(mm)を有するように構成されている。また、柱状部27Cの厚さは、後述する突部27Dの突出長HX以上とされている。
加えて、前記柱状部27Cには、接地電極27のうち中心電極5側に位置する内側面27iから突出するようにして、先端面が前記貴金属チップ31の先端面に対向する前記突部27Dが形成されている。当該突部27Dは、柱状部27C等と同一の材料により形成されるとともに、断面矩形状をなしている。さらに、突部27Dは、前記柱状部27Cの幅WAよりも小さい一定の幅WX(mm)を有するとともに、柱状部27Cの延出方向に沿って所定の長さLX(mm)を有している。また、前記内側面27iから前記突部27Dの先端までの突出長(高さ)をHXとしたとき、0.3mm≦HX≦1.0mmを満たすように、突部27Dの高さが設定されている。尚、本実施形態においては、前記柱状部27Cの他端面(先端面)と突部27Dの側面とが面一となるように(すなわち、柱状部27Cの他端から突部27Dの他端が突出したり、引っ込んだりすることなく)形成されている。
さらに、本実施形態では、前記柱状部27Cや突部27Dについて、幅や長さが次の関係を満たすように設定されている。すなわち、柱状部27Cの幅WA、及び、突部27Dの幅WXについては、1.0<WA/WX≦1.6を満たすように設定されている。また、前記柱状部27Cの長さLA、及び、突部27Dの長さLXについては、LX≦LAを満たすように設定され、また、各長さLA,LXと前記柱状部27Cの幅WAについては、LX≦2WA、及び、LA≦2WAを満たすように設定されている。
加えて、接地電極27のうち前記内側面27iに隣接する側面27s1,27s2において、前記連接部27Bが平坦状に形成されており、連接部27Bと柱状部27Cとのなす角度α1,α2がそれぞれ100°以上(例えば、110°以上)とされている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、S17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、棒状部材の一端部が抵抗溶接される。棒状部材は、鍛造加工や切断加工を施すことにより形成され、前記接地電極27を構成する合金(Ni合金)と同一の材料からなり、前記基部27Aと同一の幅を有する四角柱状をなすものである。尚、溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成され、接地電極27が接合された主体金具3が得られる。また、主体金具3等の表面には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成型用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成され、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。次に、中心電極5の先端部に対して貴金属チップ31がレーザ溶接等により設けられる。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
次に、前記棒状部材を、前記接地電極27の形状に加工する。すなわち、図6(a),(b)に示すように、平坦面51fを有する第1の型51と、平坦面52fを有する第2の型52とによって、前記棒状部材STの一端部の側面(正面及び背面)を挟み込む。また、棒状部材STの一端側端面に接触するようにして第3の型53を配置する。尚、第1の型51は、前記平坦面51fに対して自身の先端面が没入移動可能な可動型51Mを有している。
第1、第2の型51,52によって棒状部材STを挟み込んだ後、図7(a),(b)に示すように、前記棒状部材STの一端部のうち前記正面及び背面に隣接する両側面を、前記柱状部27C及び連接部27Bに対応する形状を有する一対の型としての可動型54,55により挟み込み押圧する。これにより、前記棒状部材STの一端部が幅狭に形成されるとともに、前記第1の型51の可動型51Mが没入移動して形成された凹部51Cに棒状部材STが入り込む。その結果、前記凹部51Cによって前記突部27Dが形作られるとともに、前記可動型54,55によって連接部27B及び柱状部27Cが形成され、直棒状をなす接地電極27が形成される。
尚、前記接地電極27を形成するに際しては、突部27Dの目標体積をV1(mm3)とし、接地電極27のうち前記突部27Dを除いた部位の目標体積をV2(mm3)とし、棒状部材STの体積をV3(mm3)としたとき、V3−V2≧1.38×V1を満たすように、前記可動型54,55による前記棒状部材STの押圧量や前記可動型51Mの没入移動量が設定される。すなわち、図8に示すように、棒状部材STのうち、前記可動型55によって押圧変形される部位の体積をVAとし、前記可動型54によって押圧変形される部位の体積をVBとしたとき、VA+VB(=V3−V2)=1.38×V1を満たすように、前記可動型54,55の移動量や前記可動型51Mの没入移動量が設定されている。
そして最後に、接地電極27を中心電極5側に屈曲させるとともに、中心電極5(貴金属チップ31)及び前記突部27D間の火花放電間隙35の大きさを調整する加工が実施されることで、スパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、接地電極27には、中心電極5(貴金属チップ31)の先端部との間で火花放電間隙35を形成する突部27Dが設けられており、当該突部27Dの突出長HXが0.3mm以上と十分に大きくされている。従って、前記火花放電間隙35において生じた火炎の熱が、接地電極27の柱状部27C等によって引かれてしまうことを極力抑制することができる。また、突部27Dの突出長HXが1.0mm以下とされているため、突部27Dの過熱をより確実に防止することができる。
加えて、柱状部27Cの幅WAは、基部27Aの幅よりも小さくされるとともに、突部の幅WXに対して、WA/WX≦1.6を満たすように(すなわち、柱状部27Cの幅WAが突部27Dの幅WXの1.6倍以下となるように)両者の幅の関係が規定されている。従って、突部27Dにかかることなく広がることができた火炎が、柱状部27Cの存在によってその広がりを阻害されてしまうといった事態をより確実に抑制することができる。その結果、上述したように突部27Dの突出長HXが十分に大きいことと相俟って、着火性(火炎伝播性)の飛躍的な向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、柱状部27Cの幅WA及び突部27Dの幅WXに関して、1.0<WA/WXを満たすように(すなわち、突部27Dの幅WXが柱状部27Cの幅WAよりも小さくなるように)両者の幅が設定されている。これにより、突部27Dのボリュームが過大なものとなって、突部27Dに溜まり得る熱量が増大してしまうことを防止でき、柱状部27Cの幅WAを狭くしたとしても(つまり、突部27Dから主体金具3へと至る熱伝達の経路の断面積を比較的小さくしたとしても)、突部27Dの熱を主体金具3側へと問題なく移動させることができる。その結果、突部27Dの突出長HXを1.0mm以下とすることと相俟って、耐消耗性を著しく向上させることができる。
併せて、柱状部27Cの長さLA、及び、突部27Dの長さLXについて、LX≦LAとされるため、突部27D及び中心電極5(貴金属チップ31)間に形成される火花放電間隙35に、幅の比較的広い連接部27Bや基部27Aが極端に接近してしまうことをより確実に防止することができる。その結果、着火性(火炎伝播性)のより一層の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、LA≦2WAと(すなわち、柱状部27Cの長さLAが柱状部27Cの幅WAの2倍以下と)される。そのため、突部27Dの熱を伝達する経路となる柱状部27Cが極端に長くなりすぎてしまい、突部27Dから主体金具3への熱移動がスムーズに行えないといった事態をより確実に防止することができる。結果として、突部27Dから主体金具3側へと熱がより一層引かれやすくなり、耐消耗性の更なる向上を図ることができる。
さらに、前記側面27s1,27s2において、連接部27Bと柱状部27Cとのなす角度α1,α2が100°以上とされている。従って、可動型54,55を用いて、棒状部材STを押圧変形させることにより接地電極27を形成する手法を採用した場合であっても、連接部27B及び柱状部27Cの境界部分におけるクラックの発生をより確実に防止することができる。また、連接部27Bによる火炎の成長阻害をより一層確実に防止することができ、着火性の更なる向上を図ることができる。
加えて、接地電極27自体に着目したとき、連接部27Bと柱状部27Cとのなす角度α1,α2が比較的緩やかなものとなるため、内燃機関での使用時等において前記境界部分に対する応力の集中を抑制することができる。従って、クラックの発生防止という作用効果と相俟って、接地電極27について十分な機械的強度を確保することができる。
加えて、突部27D及び柱状部27C等は同一材料から形成されるため、突部27Dを柱状部27Cとは別体で設ける場合と比較して、製造コストの抑制を図ることができる。さらに、第1、第2の型51,52で棒状部材STの端部を挟み込んだ上で、当該端部を可動型54,55により挟み込むことで、柱状部27C、連接部27B、及び、突部27Dが一度に形成される。そのため、生産性の飛躍的な向上を図ることができる。
併せて、V3−V2≧1.38×V1を満たすように、すなわち、棒状部材STの減肉部分の体積(V3−V2)が突部27Dの目標体積(V1)よりも十分に大きくなるようにして、可動型54,55により前記棒状部材STが押圧される。このため、十分なボリュームを有する突部27Dをより確実に形成することができる。
次に、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、柱状部の幅WA及び突部の幅WXを種々変更した接地電極を有してなるスパークプラグのサンプルを作製した上で、各サンプルについて着火性評価試験及び机上バーナー試験を行った。
着火性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを4気筒、2.0Lのエンジンに装着した上で、エンジン回転数を750rpm、吸引負圧を−550mmHg、吸引混合気の空燃比を14.5とした条件にて運転させ、点火進角量を徐々に進めて、平均燃焼圧の変動率が20%に達したときの点火角度を求めた。図9に、柱状部の幅WA及び突部の幅WXと、点火角度(°CA)との関係を表すグラフを示す。
また、机上バーナー試験の概要は次の通りである。すなわち、先端部が平板状をなす(つまり、突部を有さない)接地電極を備えてなるスパークプラグのサンプルを作製し、当該サンプルを水冷式チャンバーに取付けた上で、接地電極先端部をバーナーで加熱し、当該先端部が900℃となる加熱条件を特定した。次いで、柱状部の幅WA及び突部の幅WXを種々変更してなる上記各サンプルを前記水冷式チャンパーに取付けた上で、各サンプルの接地電極を上述の特定された加熱条件で加熱し、接地電極先端部の温度(先端温度)を測定した。図10に、柱状部の幅WA及び突部の幅WXと、先端温度(℃)との関係を表すグラフを示す。尚、図9,10においては、突部の幅WXを1.1mmとしたサンプルの試験結果を黒四角印でプロットし、突部の幅WXを1.3mmとしたサンプルの試験結果を黒三角印でプロットし、突部の幅WXを1.5mmとしたサンプルの試験結果を黒丸印でプロットした。加えて、両試験においては、柱状部の長さを1.6mm、柱状部の厚さを1.3mm、突部の突出長を0.7mmとし、また、突部の長さを突部の幅WXと同一のものとした。また、火花放電間隙の軸線に沿った大きさを0.9mmとした。
図9に示すように、WA/WX≦1.6としたサンプルは、WA/WX≦1.6を満たさないサンプルと比較して、点火角度が増加し、着火性の向上が図られることが明らかとなった。これは、WA/WX≦1.6としたことで、突部にかかることなく広がることができた火炎が、柱状部の存在によってその広がりを阻害されてしまうことなく、より大きく成長できたためであると考えられる。従って、WA/WX≦1.6を満たすように柱状部の幅WA及び突部の幅WXの関係を設定することが、柱状部による火炎の成長阻害を抑制し、着火性の向上を図る点で有意であるといえる。
また、図10に示すように、WA/WX>1.0としたサンプルは、WA/WX>1.0を満たさないサンプルと比較して、先端温度が比較的低くなり、耐消耗性の向上が図られることがわかった。これは、WA/WX>1.0としたことで、突部から主体金具へと至る熱伝達の経路となる柱状部の断面積が、突部の大きさと比較して十分に大きなものとなったため、突部の熱が主体金具側へと十分に引かれたことによると考えられる。従って、WA/WX>1.0を満たすように柱状部の幅WAや突部の幅WXを設定することが、柱状部を介して突部の熱を効率よく引くという観点から有意であるといえる。
尚、図9に示すように、火炎の成長阻害要因たる突部について、その幅WXを比較的小さくすれば、点火角度が増加し、着火性の向上を図ることができるが、一方で、図10に示すように、突部の幅WXを小さくすれば、突部の熱引きが悪化してしまい、耐消耗性の低下を招いてしまう。従って、単に突部の幅WXや柱状部の幅WAを個別に設定するだけでは、着火性及び耐消耗性の双方を向上させることはできず、柱状部の幅WA及び突部の幅WXについて上述した両式を満たすように設定することが、着火性及び耐消耗性の双方を十分に向上させるという点で重要であるといえる。
次いで、柱状部の長さLA、及び、突部の長さLXを種々変更した接地電極を有してなるスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の着火性評価試験を行った。図11に、柱状部の長さLA及び突部の長さLXと、点火角度(°CA)との関係を表すグラフを示す。尚、図11においては、突部の長さLXを1.1mmとしたサンプルの試験結果を黒四角印でプロットし、突部の長さLXを1.3mmとしたサンプルの試験結果を黒三角印でプロットし、突部の長さLXを1.5mmとしたサンプルの試験結果を黒丸印でプロットした。尚、当該試験においては、柱状部の幅WAを1.6mm、突部の突出長を0.7mmとし、突部の幅WXを突部の長さLXと同一とした。
また、柱状部の長さLA、及び、柱状部の幅WAを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の机上バーナー試験を行った。図12に、柱状部の長さLA及び幅WAと、先端温度(℃)との関係を表すグラフを示す。尚、図12においては、柱状部の幅WAを1.1mmとしたサンプルの試験結果を黒四角印でプロットし、幅WAを1.3mmとしたサンプルの試験結果を黒三角印でプロットし、幅WAを1.5mmとしたサンプルの試験結果を黒丸印でプロットした。尚、当該試験において、突部の長さLXを1.0mm、突部の幅WXを1.0mm、突部の突出長を0.7mmとした。
図11に示すように、柱状部の長さLAを突部の長さLX以上としたサンプルは、点火角度が増加し、着火性を向上できることが明らかとなった。これは、柱状部の長さLAを突部の長さLX以上としたことで、幅の比較的広い連接部や基部が火花放電間隙から離間した位置に配置され、連接部や基部によって火炎の成長が阻害されてしまうという事態を抑制できたためであると考えられる。
また、図12に示すように、柱状部の長さLAを柱状部の幅WAの2倍以下としたサンプルは、先端温度の上昇が抑制され、耐消耗性に優れることがわかった。これは、接地電極のうち断面積の比較的小さな柱状部の長さが比較的短くされたため、突部から主体金具へとよりスムーズに熱を移動させることができたことによると考えられる。
以上、図11,12に示す試験結果から、柱状部の長さLA、突部の長さLX、及び、柱状部の幅WAについては、LX≦LA、かつ、LA≦2WAを満たすように(すなわち、LX≦LA≦2WAを満たすように)設定することが、着火性及び耐消耗性の双方を向上させるという点において好ましいといえる。
次いで、上述した手法により棒状部材から接地電極を形成するにあたって、突部の目標体積V1(mm3)を種々設定した上で、一対の型(前記可動型54,55)による棒状部材の押圧量(換言すれば、形成される柱状部の幅WA)を種々変更して接地電極のサンプルを作製するとともに、各サンプルについて形成された突部の体積を測定した。表1に、目標体積V1を0.507mm3(突部の目標幅を1.3mm、目標長さを1.3mm、目標突出長を0.3mm)としたときにおける、柱状部の幅WA(一対の型による押圧量に相当する)、目標体積V1に対する、棒状部材のうち一対の型によって押圧変形された部位の体積(VA+VB)の割合〔(VA+VB)/V1〕、及び、目標体積V1に対する実際に形成された突部の体積の割合(体積割合)を示す。また、表2に、目標体積V1を1.183mm3(突部の目標幅を1.3mm、目標長さを1.3mm、目標突出長を0.7mm)としたときにおける、柱状部の幅WA、(VA+VB)/V1、及び、体積割合を示す。加えて、図13に、目標体積V1を0.507mm3としたサンプル、及び、目標体積V1を1.183mm3としたサンプルについて、(VA+VB)/V1と、体積割合との関係を表すグラフを示す。尚、図13においては、目標体積V1を0.507mm3としたサンプルの試験結果を黒四角印でプロットし、目標体積V1を1.183mm3としたサンプルの試験結果を黒三角印でプロットした。また、前記棒状部材としては、幅2.7mm、厚さ1.3mmのものを用いた。
Figure 0005259814
Figure 0005259814
表1,2及び図13に示すように、(VA+VB)/V1が1.38以上となるようにして作製されたサンプルは、体積割合が75%以上となり、十分な体積を有する突部が形成されることがわかった。従って、一対の型で押圧することにより、突部を一体的に有する接地電極を形成するにあたっては、突部の体積を十分に大きなものとすべく、(VA+VB)/V1が1.38以上(望ましくは、1.58以上)となるようにして、前記一対の型による押圧量等を設定することが望ましい。
次に、前記連接部と柱状部とのなす角度αを種々変更した接地電極を有してなるスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の着火性評価試験を行った。図14に、角度αと点火角度との関係を表すグラフを示す。尚、当該試験においては、各サンプルともに、突部の長さLXを1.3mm、突部の幅WXを1.3mm、突部の突出長HXを0.7mm、柱状部の長さLAを1.4mm、柱状部の幅WAを1.6mmとした。
また、前記連接部に対応する部位と前記柱状部に対応する部位とのなす角度(角度A)を90°から110°の範囲で種々変更した前記一対の型を用いて、複数の接地電極のサンプルを各角度毎に20本ずつ作製した。そして、各サンプルについて連接部と柱状部との境界部分におけるクラック(割れ)の有無を確認し、クラックが発生した本数を確認した。図15に、各サンプルにおける連接部と柱状部とのなす角度(角度α;前記一対の型の角度Aと等しい角度となる)と、クラックの発生した本数の割合(クラック発生率)とを示す。尚、各サンプルは、柱状部の長さLAを2.0mm、柱状部の幅WAを1.6mm、突部の長さLX及び幅WXをそれぞれ1.3mm、突部の突出長を0.7mmとした。
図14に示すように、角度αを100°以上としたサンプルは、角度αを100°未満としたサンプルと比較して、優れた着火性を有することが分かった。これは、角度αを100°以上としたことで、連接部による火炎の成長阻害が抑制されたことに起因すると考えられる。
また、図15に示すように、角度Aを100°未満とした一対の型を用いて作製されたサンプルは、連接部と柱状部との境界部分においてクラックが発生してしまうことがわかった。これに対して、角度Aを100°以上とした一対の型を用いることにより作製されたサンプルは、前記境界部分におけるクラックの発生が認められなかった。
以上、図14及び図15に示す試験結果より、接地電極の角度αを100°以上とすること(換言すれば、一対の型の前記角度Aを100°以上とする)ことが、接地電極の機械的強度を十分に確保しつつ、着火性のより一層の向上を図るという点で有意であるといえる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について、特に上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本第2実施形態におけるスパークプラグ1Aは、図16(a),(b)に示すように、特に接地電極27のうち前記内側面27iに隣接する両側面27s1,27s2において、連接部27Bの先端部に、テーパ状のテーパ部27T、或いは、凹状の湾曲形状をなす湾曲面部27Wが形成されている。
加えて、前記テーパ部27Tについては、その幅WT(前記柱状部27Cの延出方向に沿った長さ)が0.1mm以上とされている。また、前記湾曲面部27Wについては、その曲率半径RWが0.1mm以上とされている。
以上詳述したように、本第2実施形態によれば、接地電極27の成形時において、連接部27B及び柱状部27Cの境界部分でのクラックの発生を一層確実に抑制することができる。また、内燃機関での使用時等において連接部27B及び柱状部27Cの境界部分へと応力が集中してしまうことをより確実に抑制でき、接地電極27の機械的強度の更なる向上を図ることができる。
次に、上記第2実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、前記一対の型の形状を変更することで、連接部の先端部に0.1mm又は0.2mmの曲率半径RWを有する湾曲面部が形成されてなるスパークプラグのサンプル、連接部の先端部に0.1mm又は0.2mmの幅WTを有するテーパ部が形成されてなるスパークプラグのサンプル、及び、連接部の先端部に湾曲面部及びテーパ部のいずれも形成されなかったスパークプラグのサンプルをそれぞれ20本ずつ作製し、連接部及び柱状部の境界部分にクラックが発生した本数を確認した。図17に、湾曲面部の曲率半径RWと、クラックの発生した本数の割合(クラック発生率)との関係を表すグラフを示す。また、図18に、テーパ部の幅WTと、クラック発生率との関係を表すグラフを示す。尚、曲率半径RW又はテーパ部の幅WTが0.0mmのサンプルとは、連接部の先端部に湾曲面部及びテーパ部のいずれも形成されなかったサンプルであることを意味する。
図17,18に示すように、連接部の先端部に曲率半径RWが0.1mm以上の湾曲面部、又は、幅WTが0.1mm以上のテーパ部を形成したサンプルは、20本中全てのサンプルにおいて境界部分におけるクラックの発生が抑制された。従って、境界部分におけるクラックの発生を防止し、接地電極の機械的強度の向上を図るためには、連接部の先端部分に曲率半径RWが0.1mm以上の湾曲面部、又は、幅WTが0.1mm以上のテーパ部を設けることが好ましいといえる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について、特に上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本第3実施形態におけるスパークプラグ1Bは、図19(a),(b)及び図20(a),(b)に示すように、特に前記柱状部27Cの内側面27iと突部27Dの側面部との境界に、凹状の湾曲形状をなす湾曲面部27J、又は、テーパ状のテーパ部27Kが設けられている点で相違する。
前記湾曲面部27Jについては、その曲率半径RJが0.1mm以上とされており、テーパ部27Kについては、その長さLK(突部27Dの突出方向と直交する方向に沿った長さ)が0.1mm以上とされている。
以上、本第3実施形態によれば、接地電極27を形成する際において、柱状部27C及び突部27Dの境界部分におけるクラックの発生を抑制することができ、ひいては突部27Dの欠落といった事態をより確実に防止することができる。
また、突部27Dの基端部の断面積を増大させることができるため、突部27Dの熱を柱状部27C側へとよりスムーズに移動させることができ、耐消耗性の更なる向上を図ることができる。
次に、上記第3実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、前記第1の型の形状を変更することで、柱状部の内側面と突部との境界に0.1mm又は0.2mmの曲率半径RJを有する湾曲面部を備えてなるスパークプラグのサンプル、前記境界に0.1mm又は0.2mmの長さLKを有するテーパ部を備えてなるスパークプラグのサンプル、及び、前記境界に湾曲面部及びテーパ部のいずれも設けなかったスパークプラグのサンプルをそれぞれ20本ずつ作製し、柱状部の内側面と突部との境界部分にクラックが発生した本数を確認した。図21に、湾曲面部の曲率半径RJと、クラックの発生した本数の割合(クラック発生率)との関係を表すグラフを示す。また、図22に、テーパ部の長さLKと、クラック発生率との関係を表すグラフを示す。尚、曲率半径RJ又はテーパ部の長さLKが0.0mmのサンプルとは、柱状部の内側面と突部との境界に湾曲面部及びテーパ部のいずれも設けなかった(つまり、柱状部の内側面と突部の側面とが直交していた)サンプルであることを意味する。
図21,22に示すように、柱状部の内側面と突部との境界に曲率半径RJが0.1mm以上の湾曲面部、又は、長さLKが0.1mm以上のテーパ部を設けたサンプルは、20本全てのサンプルにおいてクラックの発生が抑制された。当該試験の結果により、前記境界部分におけるクラックの発生を防止し、突部の欠け等を抑制するためには、柱状部の内側面と突部との境界に曲率半径RJが0.1mm以上の湾曲面部、又は、長さLKが0.1mm以上のテーパ部を設けることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、柱状部27Cの幅が一定とされているが、柱状部27Cの幅は厳密に一定なものに限定されるものではない。従って、柱状部27Cの側面27s1,27s2に若干の傾斜や湾曲が形成されること等により、柱状部27Cの長手方向に沿って、柱状部27Cの幅に多少(例えば、0.1mm程度)の変動があることとしてもよい。
(b)上記実施形態において、前記突部27Dは、前記接地電極27と一体的に形成され、突部27Dや柱状部27Cを構成する材料は同一材料とされているが、突部27Dを、柱状部27Cを構成する材料と異なる材料から形成することとしてもよい。従って、例えば、柱状部27C等を構成する材料よりも耐火花消耗性において優れる材料(例えば、Ir合金やPt合金等の貴金属材料)によって突部を形成し、当該突部を柱状部に接合することにより接地電極を形成することとしてもよい。
(c)上記実施形態では、突部27Dは断面矩形状をなしているが、突部27Dの形状はこれに限定されるものではない。従って、突部が他の多角柱状や円柱状をなしていたり、半球状をなしていたりすることとしてもよい。また、突部を多角柱状や円柱状に形成した場合には、突部の先端面と側面との連接部分に面取り加工を施すこととしてもよい。前記連接部分に面取り加工を施したり、突部を半球状に形成したりすれば、火炎の広がりがより阻害されにくくなり、着火性(火炎伝播性)の更なる向上を図ることができる。尚、突部27Dが多角柱状や円柱状をなす場合、前記突部27Dの幅WXは、接地電極27(柱状部27C)の延伸方向先端(他端部)側から見たときの当該突部27Dの幅(長さ)を意味する。
(d)上記実施形態では、主体金具3に棒状部材STを接合した後に棒状部材STを加工することで、突部27D等が形成されているが、主体金具3への接合前に棒状部材STを加工し突部27D等を形成することとしてもよい。
(e)上記実施形態では特に記載していないが、図23(a)に示すように、可動型(一対の型)54,55による棒状部材STの端部の押圧時において、端子電極6の端面と接触する規制手段61を設け、前記棒状部材STの長手方向に沿った、前記棒状部材STの端部とは反対側の端部の可動型(一対の型)54,55に対する相対移動を規制することとしてもよい。この場合には、前記棒状部材STのうち、可動型54,55に押圧される端部とは反対側に位置する部位が可動型54,55から逃げるように移動してしまうことをより確実に防止でき、ひいては棒状部材STのうち突部27Dとなる部分の減少をより確実に防止することができる。その結果、突部27Dを十分な体積をもって形成することができる。
尚、規制手段は、上述のように端子電極6の端面と接触するものに限定されるわけではなく、例えば、図23(b)に示すように、主体金具3の座部16の後端面と接触する規制手段62や、加締め部20の後端部分と接触する規制手段63を用いることとしてもよい。
また、主体金具3への接合前に棒状部材STを加工し突部27D等を形成する場合には、図24に示すように、棒状部材STのうち、可動型54,55に押圧される端部とは反対側の端部と接触し、当該反対側の端部の前記可動型54,55への相対移動を規制する規制手段64を設けることとしてもよい。
(f)上記実施形態においては、ねじ部15のねじ径がM12以下と小径化されているが、ねじ部15のねじ径はM12以下に限定されるものではない。
(g)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(h)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ(内燃機関用スパークプラグ)
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
5…中心電極
15…ねじ部
27…接地電極
27A…基部
27B…連接部
27C…柱状部
27D…突部
27i…内側面
27J…湾曲面部
27K…テーパ部
27s1,27s2…(内側面に隣接する)側面
27T…テーパ部
27W…湾曲面部
51…第1の型
51C…凹部
52…第2の型
52f…平坦面
54…可動型(一対の型)
55…可動型(一対の型)
61,62,63,64…規制手段
CL1…軸線
ST…棒状部材

Claims (9)

  1. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    一端部が前記主体金具に固定されるとともに、他端部が前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する接地電極とを備え、
    前記接地電極は、
    前記一端部から前記他端部側に向けて延びる基部と、
    前記基部の先端から前記他端部側に向けて徐々に幅狭となる連接部と、
    前記連接部の先端から前記他端部側に向けて延びるとともに、一定の幅を有する柱状部と、
    前記柱状部のうち前記中心電極の先端部と対向する部位から突出し、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で前記間隙を形成する突部とを具備し、
    前記柱状部の前記中心電極側の内側面から前記突部の先端までの突出長が0.3mm以上1.0mm以下である内燃機関用スパークプラグであって、
    前記突部は、前記柱状部と同一の材料により形成され、
    前記柱状部の幅をWA(mm)とし、前記突部の幅をWX(mm)としたとき、
    1.0<WA/WX≦1.6
    を満たすことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 前記柱状部の延出方向に沿った、前記柱状部の長さをLA(mm)とし、前記柱状部の延出方向に沿った、前記突部の長さをLX(mm)としたとき、
    X≦LA≦2WA
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 記接地電極のうち前記内側面に隣接する側面において、連接部が平坦状であり、
    前記連接部と前記柱状部とのなす角度が100°以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  4. 記接地電極のうち前記内側面に隣接する両側面において、前記連接部の先端部は、
    凹状の湾曲形状、及び、テーパ状のいずれか一方に形成されており、
    前記湾曲形状の部分について、その曲率半径が0.1mm以上であり、
    前記テーパ状の部分について、その幅が0.1mm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 前記柱状部の内側面と前記突部との境界は、凹状の湾曲形状、及び、テーパ状のいずれかとなっており、
    前記湾曲形状の部分について、その曲率半径が0.1mm以上であり、
    前記テーパ状の部分について、その長さが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  6. 前記主体金具は、内燃機関のヘッドの取付孔に螺合するためのねじ部を有し、
    前記ねじ部のねじ径をM12以下としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  7. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    一端部が前記主体金具に固定されるとともに、他端部が前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する接地電極とを備え、
    前記接地電極は、
    前記一端部から前記他端部側に向けて延びる基部と、
    前記基部の先端から前記他端部側に向けて徐々に幅狭となる連接部と、
    前記連接部の先端から前記他端部側に向けて延びるとともに、一定の幅を有する柱状部と、
    前記接地電極と同一材料により形成されるとともに、前記柱状部のうち前記中心電極の先端と対向する部位から突出し、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で前記間隙を形成する突部とを有するスパークプラグの製造方法であって、
    前記突部の形状に対応する凹部を有する第1の型と、平坦面を有する第2の型とによって、前記接地電極と同一の材料により形成された棒状部材の端部を挟み込んだ上で、
    前記棒状部材の端部を、前記柱状部及び前記連接部に対応する形状をなす一対の型により挟み込み押圧することで、前記接地電極を形成し、
    前記接地電極の形成時において、
    前記突部の目標体積をV1(mm3)とし、
    前記接地電極のうち前記突部を除いた部位の目標体積をV2(mm3)とし、
    前記棒状部材の体積をV3(mm3)としたとき、
    V3−V2≧1.38×V1を満たすように、前記一対の型によって前記棒状部材を押圧することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  8. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    一端部が前記主体金具に固定されるとともに、他端部が前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する接地電極とを備え、
    前記接地電極は、
    前記一端部から前記他端部側に向けて延びる基部と、
    前記基部の先端から前記他端部側に向けて徐々に幅狭となる連接部と、
    前記連接部の先端から前記他端部側に向けて延びるとともに、一定の幅を有する柱状部と、
    前記接地電極と同一材料により形成されるとともに、前記柱状部のうち前記中心電極の先端と対向する部位から突出し、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で前記間隙を形成する突部とを有するスパークプラグの製造方法であって、
    前記突部の形状に対応する凹部を有する第1の型を、前記接地電極と同一の材料により形成された棒状部材の端部に接するようにして配置した上で、前記柱状部及び前記連接部に対応する形状をなす一対の型によって、前記棒状部材の端部を挟み込んで押圧し、前記棒状部材の端部を幅狭に形成するとともに、
    前記第1の型と、平坦面を有する第2の型とによって、前記棒状部材の端部を挟み込み押圧することで、前記接地電極を形成し、
    前記接地電極の形成時において、
    前記突部の目標体積をV1(mm3)とし、
    前記接地電極のうち前記突部を除いた部位の目標体積をV2(mm3)とし、
    前記棒状部材の体積をV3(mm3)としたとき、
    V3−V2≧1.38×V1を満たすように、前記一対の型によって前記棒状部材を押圧することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  9. 前記一対の型による前記棒状部材の端部の押圧時において、前記棒状部材の長手方向に沿った、前記棒状部材の端部とは反対側の端部の前記一対の型に対する相対移動を規制する規制手段を設けたことを特徴とする請求項7又は8に記載のスパークプラグの製造方法。
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