JP2001307858A - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ

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JP2001307858A
JP2001307858A JP2001037642A JP2001037642A JP2001307858A JP 2001307858 A JP2001307858 A JP 2001307858A JP 2001037642 A JP2001037642 A JP 2001037642A JP 2001037642 A JP2001037642 A JP 2001037642A JP 2001307858 A JP2001307858 A JP 2001307858A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 過濃混合気による火花放電ギャップにおける
燃料ブリッジを発生し難いスパークプラグを提供する。 【解決手段】 中心電極2の火花放電ギャップを形成す
る先端は、直径1.0mm以下であって、長さ0.2mm以
上の直棒状部を有する貴金属チップ22であり、角状の
貴金属チップ112が溶接された接地電極11のかぶり
寸法Kが、−d≦K≦0.5mmであって、かつ、接地
電極11の放電面111Aのうち、中心電極2に設けら
れた貴金属チップ22の先端面22Bを軸線方向に延長
した範囲における幅wを、かぶり寸法Kを用いて、 w
<2.1−K(単位:mm)の関係を満足するようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の着火装
置として用いられるスパークプラグに関する。より詳し
くは、火花放電ギャップ間に燃料ブリッジが生じた場合
であっても、その燃料ブリッジが切れやすいことによ
り、着火性の低下を抑制することができるスパークプラ
グに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスパークプラグは、絶縁碍子の先
端面から下方に突出するようにされた中心電極と、一端
が主体金具に接合された接地電極を備え、この中心電極
の先端面と接地電極との間に火花放電ギャップを形成さ
せ、この火花放電ギャップに電気火花を発生させること
で燃料混合ガスに着火するものが一般的である。このス
パークプラグの低温での始動性を向上させるために、内
燃機関では燃焼室内に吸入される混合気の濃度を高くし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、さらに
低温での始動性を向上させるために、より高濃度の混合
気を燃焼室内に吸入すると、ピストンに液体状の燃料が
溜まることになる。この燃料が、始動時のピストンの往
復運動に伴って、スパークプラグ表面や火花放電ギャッ
プに燃料が付着し、その際、火花放電ギャップに燃料の
ブリッジが生じることが問題となっている。即ち、火花
放電ギャップにこのような燃料ブリッジが生じると、燃
料が導電性を有することから、たとえ火花放電ギャップ
に高電圧を印加したとしても電圧がリークしてしまい、
火花放電ギャップに電気火花を生じなくなってしまう。
このため燃焼室内に吸入された混合気に着火せず、始動
性が却って悪化してしまうことになる。
【0004】そこで、本発明は、上述したような過濃混
合気による火花放電ギャップにおける燃料ブリッジを発
生し難いスパークプラグを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】本発明
は、中心貫通孔(1D)を有する絶縁碍子(1)と、中
心貫通孔(1D)に保持されており、かつ軸線(O)方
向に延びる中心電極(2)と、絶縁碍子(1)の外側に
設けられた内燃機関取付用のネジ(5B)を有する主体
金具(5)と、その主体金具(5)に一端が接合部(5
5)によって接合され、他端側が中心電極(2)の先端
面(22B)と対向するように配置されるとともに、火
花放電ギャップ(g)を形成する放電面(111A)を
有する接地電極(11)とを備えるスパークプラグに関
するものであり、上記の目的を達成するため、中心電極
(2)の火花放電ギャップ(g)を形成する先端は、直
径1.0mm以下であって、長さ0.2mm以上の直棒
状部(22A)を有する貴金属(22)であり、中心電
極(2)の先端面(22B)又はその延長をなす平面
(P1)と直棒状部(22A)の側面(22S)又はそ
の延長をなす円柱面(C1)とによって形成される交線
を第一交線(PKL)とし、放電面(111A)又はそ
の延長をなす平面(P2)と接地電極(11)の先端面
(112B)又はその延長をなす平面との交線を第二交
線(SKL)とし、さらに、内燃機関取付用のネジ(5
B)を基準としたスパークプラグの仮想中心軸線(O)
と平行な基準線(SL)を、該仮想中心軸線(O)に関
して、接地電極(11)の接合部(55)と反対側から
火花放電ギャップ(g)を経て接合部(55)に向けて
移動させたとき、該基準線(SL)が第一交線(PK
L)と最初に交わる交点(PP)を通って仮想中心軸線
(O)と平行な仮想線を第一仮想線(PVL)とし、同
じく該基準線(SL)が第一交線(PKL)と最後に交
わる交点(SP)を通って仮想中心軸線(O)と平行な
仮想線を第二仮想線(SVL)として、第一仮想線(P
VL)と第二交線(SKL)との間の距離として定義さ
れるかぶり寸法(K)が、 −d≦K≦0.5 ‥‥ (単位mm:但し、dは中心電極(2)の先端面(22
B)の直径である;また、Kの符号は、第二交線(SK
L)が第一仮想線(PVL)よりも接合部(55)に近
い側に位置する場合を−、同じく遠い側に位置する場合
を+とする)を満足するように設定される一方、第二仮
想線(SVL)と第一仮想線(PVL)との間に挟まれ
た区間(WDS)における放電面の幅(w)が、かぶり
寸法(K)を用いて、 w<2.1−K(単位:mm)‥‥ の関係を満足することを特徴とする。
【0006】なお、特許請求の範囲及び本欄(「課題を
解決するための手段及び作用・効果」)において、各要
件に付与した符号は、添付の図面(図1、図2及び図1
2)の対応部分に付された符号を援用して用いたもので
あるが、あくまで発明の理解を容易にするために付与し
たものであり、本発明における各構成要件の概念を何ら
限定するものではない。
【0007】このように形成すると、火花放電ギャップ
に付着することによって一旦ブリッジを起こした燃料
の、接地電極及び中心電極への接触面積を減少させるこ
とによって、燃料ブリッジを切れやすくすることができ
る。つまり、始動時には、スタータモータによってクラ
ンキングを行うことになるが、この際に、燃焼室内に混
合気が吸入される。この混合気が過濃であると、始動時
のピストンの動きに伴って、火花放電ギャップに燃料ブ
リッジが一旦生じてしまうのであるが、本発明のような
スパークプラグであれば、さらにクランキングを続けた
ときの振動によって燃料ブリッジが切れやすいのであ
る。
【0008】スパークプラグは一般に火花放電ギャップ
側を下にして内燃機関に装着される。火花放電ギャップ
に燃料ブリッジが生じた時には、この燃料の液滴を中心
電極と液滴との間に生じる付着力によって吊り下げるよ
うな形状で保持される。このスパークプラグは、中心電
極の先端を直径1.0mm以下にしてあるから、燃料の
液滴を保持する面積を小さくすることになるため、一旦
燃料ブリッジが生じたとしても、このブリッジが切れや
すい。また、この中心電極の先端には0.2mm以上の
直棒状部が形成されており、さらにその後方側は中心電
極の径大部につながっている。過濃混合気によって一旦
生じた燃料ブリッジは中心電極の側面にまで広がってい
るため、直棒状部を長くすることによって、径大部につ
ながる部分にまで燃料が広がってしまうことを抑制でき
る。従って、液滴を保持する面積を更に小さくすること
ができるため、中心電極と液滴との間に生じる保持力を
小さくすることになる。この結果、燃料ブリッジを切れ
やすくすることができる。さらに、この中心電極の先端
を貴金属にすることによって、火花放電による消耗を抑
制することができることから、長く使用していても消耗
による変形を抑えることができ、ひいては燃料ブリッジ
の切れやすさを長期にわたって保持することができる。
なお、貴金属としては、Pt、Irの他に、Pt−I
r、Ir−Rh、Ir−Pt、Ir−Y等のPt
合金やIr合金等の1600℃以上の融点を持つものが
好ましい。
【0009】かぶり寸法Kは、投影機を使うことによっ
て測定することができる(例えば、図2Bのように、接
地電極(11)の接合部(55)側から火花放電ギャッ
プ(g)を見込む方向と中心軸線Oとの双方に平行な投
影面への投影を使用する)。また、放電面の外周縁には
アールや面取りが付いている場合が有る。この様な場合
には、放電面を延長した延長平面と放電面形成部位(接
地電極母材又は貴金属突出部)の側面の延長平面との交
線が放電面の幅を考えるときの境界線になる。一方、前
記第一交線の部分には、貴金属を切断した際のバリが出
ている場合がある。このようなときには、このバリの部
分を切り取って第一交線を考えるものとする。また、平
角線を長手方向に所定間隔にて切断して接地電極を形成
する場合は、その切断面が接地電極の先端面を形成する
ことから、この先端面には該切断に伴う段差が生じてい
る場合がある。このようなときには、放電面に近い側の
先端面を基準に第二交線を考えるものとする。
【0010】一方、本発明のスパークプラグにおいて
は、第一仮想線(PVL)と第二交線(SKL)との間
の距離として定義されるかぶり寸法(K)が、前記
式、すなわち、−d≦K≦0.5を満たすものとされて
いる。該かぶり寸法Kは、接地電極の先端面と、接地電
極との接合部から最も離れた位置において、中心電極の
先端面外縁に対し軸線方向に引いた仮想線(第一仮想線
(PVL)との距離に相当するものである。また、第二
仮想線(SVL)と第一仮想線(PVL)との間に挟ま
れた区間(WDS)における放電面の幅wは、前記
式、すなわちw<2.1−Kを満たすものとされてい
る。
【0011】かぶり寸法Kを−d未満にした場合には、
中心電極の先端部側面と接地電極の先端面とが対向する
形態となる。このため、燃料の液滴を吊り下げる面積を
小さくするためには、中心電極の先端部を形成する直棒
状部の長さを必要以上に長くする必要が生じたり、直棒
状部に続く径大部を細くする必要が生じる。この結果、
直棒状部の熱引きが悪化する傾向となり、火花放電によ
る消耗が大きくなりやすい。また、接地電極の先端面の
面積はそれほど大きくないため、火花放電による消耗が
進みやすく、消耗が大きくなりやすくなる。しかしなが
ら、本発明においては、かぶり寸法Kを−d以上として
あるため、中心電極の先端面と接地電極の放電面とが対
向する形態にすることができる。このため燃料ブリッジ
は中心電極の先端面と接地電極の放電面で形成される火
花放電ギャップに生じさせることができるので、上記の
ような不具合を生じない。この場合、中心電極の先端面
近傍と接地電極の放電面とを燃料ブリッジが切れやすい
形状にしておけばよい。
【0012】他方、かぶり寸法Kを0.5mm以下と
し、さらに接地電極の放電面のうち、前記第一仮想線P
VLと第二仮想線SVLとに挟まれた区間の先端面を軸
線方向に延長した範囲における幅w(以下、単に放電面
幅wともいう)を、2.1−Kmm以下に制限している
ことから、燃料ブリッジが生じた際における燃料の液滴
を保持する接地電極側の面積を小さくすることができ
る。接地電極は燃料の液滴を下から支える形状になるた
め、支える面積を小さくすることによって燃料の液滴を
保持できる量を少なくすることができる。この結果、燃
料ブリッジが生じたとしても、振動が繰り返されること
で切れやすくすることができるのである。なお、接地電
極の幅wが同じであっても、かぶり寸法Kが大きけれ
ば、燃料液滴の保持能力が増す。従って式は、かぶり
寸法Kが大きいほど、燃料ブリッジ発生を抑制するため
の放電面幅wの値の上限値を、小さくしなければならな
いことを意味する。これは、逆にいえば、かぶり寸法K
が小さければ、放電面幅wを多少大きくしても燃料ブリ
ッジが発生しにくいことも意味する。
【0013】また、かぶり寸法Kを上記のような寸法設
定にすることによって、着火性を向上させることもでき
る。即ち、着火性に大きく影響する要因として、電極に
よる消炎作用が挙げられる。火花放電ギャップで発生し
た電気火花によって混合気が一旦着火したとしても、着
火した混合気の近傍に存在する電極によって熱を奪われ
てしまうため、混合気が失火してしまうことになる。本
発明の様にかぶり寸法を小さくすることによって、この
ような消炎作用を生ずる電極が着火した混合気の近傍に
存在しない様にすることができることから、着火性が向
上し、ひいては低温始動性が更に向上する。なお、後述
のように、接地電極の突出部を、角形状の小部材の接合
により形成すると、このかぶり寸法Kを小さくし易いの
で、より有利である。
【0014】このような消炎作用を低減できることの他
に、以下のように火炎の拡散を妨げないということも考
えられる。上述のように一端着火した混合気は、燃焼室
内を拡散していく。これによって燃焼室内の混合気すべ
てが燃焼して、より効率よく大きな出力を取り出せるの
である。しかし、かぶり寸法Kが大きいと、火花放電ギ
ャップで着火した混合気が燃焼室内に拡散していこうと
する初期に接地電極が衝立のように拡散を遮ることにな
るのである。他方、かぶり寸法Kが0.5mmを超える
と、接地電極の過熱により電極消耗を早める不具合が生
ずる場合がある。
【0015】なお、上記放電面幅wを必要以上に小さく
しすぎると、放電面に対する過度の電圧集中により電極
消耗が進行しやすくなり、電極寿命を十分に確保できな
くなる場合があるので、例えば0.5mm以上に確保す
ることが望ましい。また、放電面幅wは、より望ましく
は、0.5≦w<1.7−K(単位:mm)を満足する
ように設定するのがよい。
【0016】次に、接地電極(11)の中心電極(2)
の先端面(22B)と対向する位置に、放電面をなす接
地電極母材の表面(111A)から中心電極(2)側に
突出する角形状の突出部(112)を形成することがで
きる。接地電極母材の表面(111A)に、このような
突出部を設けることによって、燃料の液滴が保持されや
すい部分を、該突出部付近に抑えることができる。この
ため、接地電極側で保持される燃料の液滴の量をより少
なくでき、ひいては燃料ブリッジをさらに生じにくくす
ることができる。なお、突出部(112)は、放電面を
なす接地電極母材の表面(111A)から0.5mm以
上突出していることが、上記の効果をより顕著なものと
する上で望ましい。
【0017】また、突出部(112)の先端面(112
A)の面積は、中心電極(2)の先端面(22B)の面
積よりも大きくすることが望ましい。燃料ブリッジが切
断されるには、燃料液滴に作用する重力が、これをブリ
ッジ形成状態に維持しようとする付着力(例えば、上記
各先端面と液滴の間の界面張力)に打ち勝って作用する
必要がある。突出部の先端面の面積が中心電極の先端面
の面積よりも小さいと、燃料ブリッジが生じたとき、中
心電極と液滴との間に生じる付着力が、該液滴に作用す
る重力よりも大きくなって、燃料ブリッジが切れにくく
なる可能性がある。しかしながら、突出部の先端面の面
積を、中心電極の先端面の面積よりも大きくすると、そ
のような不具合を防止できる。
【0018】突出部(112)は、例えば貴金属部材に
よって形成することができる。接地電極側は、通常中心
電極側と比較して高電位であるため、電気火花発生時に
は軽い電子が引き寄せられることになる。このため、接
地電極側の消耗は比較的少ないが、燃焼室内の中央側に
位置しているため中心電極と比べると温度が上昇しやす
く、内燃機関の種類によっては消耗が進みやすい場合が
ある。そこで、接地電極の放電面を形成する突出部を、
消耗の進行しにくい貴金属部材により構成すれば、消耗
による突出部の変形を抑えることができ、ひいては燃料
ブリッジの切れやすさを長期にわたって保持することが
できる。なお、貴金属部材としては、中心電極と同様に
Pt、Irの他に、Pt−Ir、Ir−Rh、Ir−P
t、Ir−Y等のPt合金やIr合金等の160
0℃以上の融点を持つものが好ましい。
【0019】また、本発明のスパークプラグにおいて
は、絶縁碍子(1)を係止部(15)によって主体金具
(5)に係止し、中心電極(2)を、絶縁碍子(1)の
先端面から突出させることができる。この場合、係止部
(15)よりも先端側において中心電極(2)の外周面
と絶縁碍子の内周面との間に、先端側ほど径差が拡大す
る、径差拡大部が形成されるように構成することができ
る。
【0020】このように構成することによって、中心電
極と絶縁碍子の先端部との間に広い径差を作ることがで
きる。前述したように、液体状の燃料がピストンの動き
に伴って、ピストンに溜まった液状の燃料が巻き上げら
れてスパークプラグにかけられることになる。つまり図
2Bに示すスパークプラグの発火部に、図面の下側から
燃料がかけられることになる。大量の燃料がかけられる
と絶縁碍子の先端部と接地電極の間に形成された空間全
体に燃料が付着する。更にクランキングを継続すると、
その時の振動で付着した燃料が絶縁碍子の先端部の外側
から落ちていくことになる。中心電極と絶縁碍子の先端
部との間に広い径差が作られていると、この径差部分に
溜まった燃料の重量が大きいことから、クランキングに
よる振動で落下しやすくなる。この結果、絶縁碍子の先
端に付着した燃料がクランキングの初期で落下しやすく
なるため、燃料ブリッジの切れを促進することになる。
【0021】径差拡大部(G)は、例えば、軸線方向に
おいて、径差が連続的に拡大するように形成してもよい
し、2段階以上に段階的に拡大する形で形成してもいず
れでもよい。また、段階的に拡大させる場合において
も、途中の一部区間では径差が連続的に拡大するように
してもよい。また、径差を形成する方法としては、中心
電極先端部を先端側に向けて縮径させる方法、中心電極
が挿通される絶縁碍子の中心貫通孔を先端側に向けて拡
径する方法、及び両者の組合せのいずれを採用してもよ
い。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態について
図面を参照し説明する。図1は本発明の第1の実施形態
に係るスパークプラグの部分断面図であり、図2A及び
図2Bはこのスパークプラグの要部拡大図である。図1
に示す第1の実施の形態に係るスパークプラグは、周知
のように、アルミナ等からなる絶縁碍子1は、その後端
部に沿面距離を稼ぐためのコルゲーション1Aを、先端
部に内燃機関の燃焼室に曝される脚長部1Bを備え、絶
縁碍子係止部15が主体金具5の内径側に膨出した係止
部51に当接され、かしめ部5Cによって支持されてい
る。その軸中心には、後述する絶縁碍子係止部15より
も先端側に略同一径の先端側中心貫通孔1Cが形成さ
れ、後端側にはそれよりもやや太い径の後端側中心貫通
孔1Dが形成されている。また、先端側中心貫通孔1C
と後端側中心貫通孔1Dとの段差部には、中心電極2の
鍔部21が係止されて、中心電極2は絶縁碍子1の先端
面1Eから突出するようにされている。そして、中心電
極2は、図2Bに示すように母材部分2mの先端部が複
数段階(ここでは2段)に段階縮径されて縮径部とさ
れ、さらにその縮径部の先端には貴金属チップ22がレ
ーザ溶接による溶融部23を介して接合されている。貴
金属チップ22は、直径0.7mm、長さ0.8mmの
ものを母材部分2mの縮径部の先端に載置され、レーザ
溶接によって直棒状部22A(軸線方向長さL:例えば
約0.3mm)を残す形で接合されている。従って、こ
の貴金属チップ22の接地電極11と対向する面、つま
り中心電極2の先端面22Bの面積は、約0.38mm
である。中心電極2は中心貫通孔1Cの内部に設けら
れたセラミック抵抗3を経由して上方の端子ナット4に
電気的に接続されている。端子ナット4には図示しない
高圧ケーブルが接続され高電圧が印加される。貴金属チ
ップ22の材質としては、Pt、Irの他に、Pt−I
r、Ir−Rh、Ir−Pt、Ir−Y等のPt
合金やIr合金等の1600℃以上の融点を持つものが
好ましいが、本実施形態ではIr−5wt%Ptを使用
している。
【0023】主体金具5は低炭素鋼材で形成され、スパ
ークプラグレンチと嵌合する六角形部5Aと、ネジの呼
びが例えばM14Sのネジ部5Bとを備えている。主体
金具5はそのかしめ部5Cにより絶縁碍子1にかしめら
れ、主体金具5と絶縁碍子1が一体にされる。かしめに
よる密閉を完全なものとするため、主体金具5と絶縁碍
子1との間に板状のパッキング部材6とワイヤ状のシー
ル部材7、8が介在され、シール部材7、8の間にはタ
ルク(滑石)9の粉末が充填されている。また、ネジ部
5Bの後端、即ち、主体金具5の座面52にはガスケッ
ト10が嵌挿されている。
【0024】図2Bに示すように、主体金具5の先端面
5Dにニッケル合金からなる接地電極11が溶接により
接合されている。接地電極11は中心電極2に形成され
た貴金属チップ22の先端面22Bと軸O方向に対向
し、中心電極2と接地電極11とで火花放電ギャップg
を形成している。
【0025】また、六角形部5Aの対辺寸法は16mm
であり、主体金具5の座面52から先端面5Dまでの長
さは19mmに設定されている。なお、接地電極11
は、その先端部の温度を低減させ、火花消耗を抑えるた
めに内部にCuや純Ni又はその複合材料等からなる良
熱伝導材を有していても良い。
【0026】また、接地電極11は、中心電極2の先端
面22Bと対向している部分に突出部112が形成され
ている。この突出部112は、Ni合金(例えばインコ
ネル600)からなる接地電極母材111の先端部にお
いて、放電面をなす表面(中心電極2と対向する側面)
111Aから中心電極2側へ突出する形態で設けられて
いる。本実施形態では、幅0.7mm、深さ0.45m
m、長さ1.25mmの溝を接地電極母材111に形成
し、該溝に、一辺0.7mm、長さ1.5mmの直方体
形状をした貴金属チップ112を嵌め込み、抵抗溶接に
て接地電極11に固定することにより突出部112Aを
形成している。この結果、突出部112は、接地電極母
材111の先端面111Bから長さ方向に約0.25m
m、同じく中心電極2と対向する表面111Aから高さ
(深さ)方向に約0.2mm、それぞれ突出する形とな
っている。従って、この突出部112の中心電極2と対
向する面112Aの面積は、1.05mmである。こ
れは、中心電極2の先端面22Aの前記した面積(約
0.38mm)よりも大きい。
【0027】次に、図12Aに示すように、中心電極2
の先端面22B又はその延長をなす平面P1(図12
B:先端面22Bの外周縁にアールあるいはテーパが形
成される場合等)と直棒状部22Aの側面22S又はそ
の延長をなす円柱面C1(図12B:同上)とによって
形成される交線を第一交線PKLとし、放電面111A
又はその延長をなす平面P2と貴金属チップ112の先
端面112B又はその延長をなす平面との交線を第二交
線SKLとする。また、内燃機関取付用のネジ5Bを基
準としたスパークプラグの仮想中心軸線Oと平行な基準
線SLを、該仮想中心軸線Oに関して、接地電極11の
接合部55と反対側から火花放電ギャップgを経て接合
部55に向けて移動させたとき、該基準線SLが第一交
線PKLと最初に交わる交点PPを通って仮想中心軸線
Oと平行な仮想線を第一仮想線PVLとし、同じく該基
準線SLが第一交線PKLと最後に交わる交点SPを通
って仮想中心軸線Oと平行な仮想線を第二仮想線SVL
とする。そして、第一仮想線PVLと第二交線SKLと
の間の距離として定義されるかぶり寸法Kが、−d≦K
≦0.5(単位mm:dは中心電極2の先端面22Bの
直径)を満足する。また、第二仮想線SVLと第一仮想
線PVLとの間に挟まれた区間WDSにおける放電面の
幅wが、かぶり寸法Kを用いて、w<2.1−K(単
位:mm)の関係を満足する。
【0028】本実施形態では、K=0.25mmに合せ
てある。つまり、接地電極母材111の先端面111B
が上述した第一仮想線PVLと重なるように設定してあ
る。また、図2Aに示すように、接地電極母材111の
先端部を、幅方向両側に形成されたテーパ面111T,
111Tにより、先端に向かうほど狭幅となるように形
成してある。テーパ角度βは約30゜であり、先端面1
11Bは幅約1.4mmである。また、区間WDSにお
ける放電面111Aの幅wは、1.40mm〜1.78
mmの範囲になっている。なお、放電面111Aには、
接地電極母材111の側面111Bとの境界にアールが
付いている場合が有る。この場合には、放電面111A
を延長した延長平面と側面111Bの延長平面との交線
が放電面111Aの幅を考えるときの境界線になる。例
えば図3Cに示すような断面形状を持つ接地電極11の
場合には、放電面111Aとテーパ状の側面111Bと
の境界線111Cが図の左右に存在する。従って、この
2本の境界線111C、111C間の距離を放電面11
1Aの幅として測定する。
【0029】図2に戻り、接地電極11の表面から、絶
縁碍子1の表面までの最短距離Dは、1.5mm以上と
なっていることが望ましい。該最短距離Dが1.5mm
以上確保されていることで、接地電極11と絶縁碍子1
との間の液切れが良好となり、該位置に燃料ブリッジを
生じにくくなる。なお、内燃機関への取り付けを考慮す
れば、通常使用される寸法のスパークプラグにおいて、
上記最短距離Dとして4.5mmを超える値を採用する
ことは現実的でないので、該Dは4.5mm以下に設定
することが望ましい。また、以下に説明する他の実施形
態も含め、特に断りのない限り、絶縁碍子1の主体金具
5からの突き出し量Fは2.5mmとし、接地電極母材
111には、幅が2.5mmで厚さが1.4mmのもの
を用いている。
【0030】
【実施例】次に本発明の効果を示すための実験例につい
て説明する。図8に示す試料No.〜は本発明の各
実施形態品であり、No.は本発明品との効果の差を
確認するための比較品である。各実施形態に係る試料は
第1実施形態との相違点のみを説明する。第1実施形態
に係る試料No.は、前述した図2A及び図2Bに要
部拡大図として示す。図2Bは、この試料No.の発
火部のみを横から見た図を示し、図2Aは、図2Bの下
側から見た図を示す。第2実施形態に係る試料No.
を図3の要部拡大図に示す。図3Bは、この試料No.
の発火部のみを横から見た図を示し、図3Aは、図3
Bの下側から見た図を示す。また、図3Cは、接地電極
11を、その先端面11A側から見た様子を示す。試料
No.は、接地電極母材111の断面を台形状に形成
し、中心電極2と対向する放電面111Aが細くなるよ
うにしてある。台形部のテーパ角度γは、放電面111
Aに対して45゜であり、前述した第一仮想線PVL
と、第一仮想線SVLとの間の範囲における放電面11
1Aの幅は約1.8mmである。なお、前述のように放
電面111Aの幅は、接地電極母材111のテーパ面を
接地電極の側面111Bと考えて、第1実施形態の測定
方法と同様の方法で測定した。
【0031】また、第3実施形態に係る試料No.を
図4A及び図4Bに要部拡大図として示す。図4Bは、
この試料No.の発火部のみを横から見た図を示し、
図4Aは、図4Bの下側から見た図を示す。試料No.
は、中心電極2側の貴金属チップ22を、直径0.4
mmに形成してある点のみが第2実施形態に係る試料N
o.と異なるのみで、他は、試料No.と同一であ
る。また、前述した区間WDSにおける放電面111A
の幅は、1.40mm〜1.61mmの範囲になってい
る。なお、放電面111Aの幅は、第1実施形態の測定
方法と同様の方法で測定した。
【0032】また、第4実施形態に係る試料No.を
図5A及び図5Bに要部拡大図として示す。図5Bは、
この試料No.の発火部のみを横から見た図を示し、
図5Aは、図5Bの下側から見た図を示す。試料No.
は、接地電極母材111の先端約2mmの範囲を、切
欠部111R,111Rにより、全体に幅約1.5mm
のほぼ同一幅になるように細く形成してある。つまり、
前述した区間WDSにおける放電面111Aの幅は、
1.5mmになっている。なお、放電面111Aの幅
は、第1実施形態の測定方法と同様の方法で測定した。
【0033】次に、比較例である試料No.を図6A
及び図6Bに要部拡大図として示す。図6Bは、この試
料No.の発火部のみを横から見た図を示し、図6A
は、図6Bの下側から見た図を示す。試料No.は、
接地電極母材111に円板状の貴金属チップ112'を
抵抗溶接によって接合してある。また、この貴金属チッ
プ112'を中心電極2側の貴金属チップ22と対向さ
せつつ、接地電極母材111'との接合性を確保するた
めかぶり寸法を、K=0.6mmに設定してある。さら
に、前述の区間WDSにおける放電面111Aの幅w
は、接地電極の幅に相当するため2.5mmである。な
お、放電面111Aの幅は、第1実施形態の測定方法と
同様の方法で測定した。
【0034】これらの試料を評価するために、下記に示
す燃料ブリッジテストを行った。本実験においては、内
燃機関に一般に用いられるガソリンの替わりに水を用い
た。この理由は、燃料ブリッジは一般に非常に温度の低
い状態、即ち、燃料の粘度が低下した状態での、火花放
電ギャップで生じたブリッジの切れやすさが問題になる
ためである。水の常温における粘度がガソリンの約−4
0℃における粘度とほぼ同等であることが分かっている
ため、本発明の主目的である燃料ブリッジの切れやすさ
を確認するためには、最も手近な代替材である。まず、
図7に示すような燃料ブリッジ試験機のアームに各試料
を装着し、火花放電ギャップ間にスポイトを用いて水を
約0.05ml付着させた。そして、アームを傾けた後
に受支点部に向けて自由落下させて、ブリッジが切れた
か否かを落下させる毎に観察した。アームは図に示す寸
法を有する矩形断面の焼入鋼からなる梁状部材であり、
衝撃を受ける受け支点部は、一辺20mmの矩形断面の
軟鋼からなる角柱状のものである。また、アームの旋回
支点SVから受け支点部との当接位置(受け支点部先端
面の幾何学的重心とする)までの距離は100mmであ
る。試験は、試料〜の試験品につき各10本行っ
た。なお、各試験品は試験終了まで水の補充を行わなか
った。
【0035】試験結果を図8に示す。アームを傾ける角
度は5゜から5゜づつ増加させ、各角度で最大5回行っ
た。●は、ブリッジが切れた角度とその角度での何回目
の試験で切れたかを示す。また、×は、ブリッジが切れ
なかったことを示す。例えば、試料No.では、10
゜の角度の1回目で1本、10゜の3回目で1本ブリッ
ジが切れ、20゜の1回目・2回目で各1本、20゜の
5回目で2本、25゜の1回目・2回目・3回目で各1
本、30゜の1回目で1本切れたことが分かる。比較例
である試料は、45゜の1回目及び2回目で各1本ブ
リッジが切れたが、残り8本は50゜まで増加させて5
回繰り返してもブリッジが切れなかったことを示す。こ
の試験の結果、試料が最もブリッジが切れやすいこと
がわかる。
【0036】次に、同じ形状の試料No.〜を用い
て、着火性テストを行った。これは、燃焼室内での燃料
への着火のしやすさを評価する指標となる。この試験
は、排気量2リットル、直列6気筒の内燃機関の内、1
気筒を用いて、燃料混合比をリーン側に推移させ、アイ
ドリング700rpmの条件で行った。このエンジン条
件で、HCスパイクが3分あたり10回発生したときの
A/Fの値を着火限界と判断した。この試験の結果を、
図9に示す。この結果から、中心電極2側の貴金属チッ
プ22の径が最も小さいφO.4mmの試料No.が
着火性が良好であることが分かる。
【0037】さらに、同じ形状の試料No.〜を用
いて、低温始動性テストを行った。この試験は、排気量
2リットル、直列6気筒の内燃機関を用いて、−30℃
の耐寒試験室における初爆と完爆の発生時間を比較した
ものである。ここで、初爆とは、クランキングを始めて
からどれかの気筒において、着火による最初の圧力上昇
が始まるまでの時間をいい、完爆とは、クランキングを
始めてから内燃機関がクランキングを行わなくとも回転
が持続可能となるまでの時間をいう。この試験の結果
を、図10に示す。この結果から、試料No.〜は
ほぼ同等であるが、特に試料No.が最も始動性が良
いことが分かる。また、図8のブリッジテスト結果と、
この試験結果とを比較すると、燃料ブリッジ試験結果の
良いものほど−30℃という極低温での始動性が良好で
あって、両者には非常に強い相関関係があることが分か
る。
【0038】また、図11は、区間WDSにおける放電
面幅wとかぶり寸法Kとを、種々の値に設定したスパー
クプラグを用いて、同様の燃料ブリッジテストを行なっ
た結果である。各スパークプラグとも試験数は5本ずつ
であり、ブリッジが切れた角度の平均値が20゜以内の
ものを優(◎)、20゜を超え30゜以下のもを良
(○)、30゜を超えるものを不可(×)として評価し
ている。これによると、w<2.1−K(単位:mm)
の関係を満足する場合に、ブリッジ発生抑制に関して良
好な結果が得られ、w<1.7−Kを満足する場合には
さらに好ましい結果が得られていることがわかる。
【0039】(その他の実施の形態)以上説明した本発
明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その
要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できること
はいうまでもない。各実施の形態では、接地電極11に
形成された突出部112が、接地電極母材111の表面
から0.2mm突出する場合について説明したが、突出
量が0.5mm以上の場合には、さらに本発明の効果が
達成されやすいことが確認されている。さらに、絶縁碍
子の先端内部において中心電極の縮径(いわゆるサー
モ)が2段に縮径されているスパークプラグについて説
明したが、サーモなしまたは、1段に縮径されているス
パークプラグであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスパークプラグの
部分断面図。
【図2A】図1のスパークプラグの平面図。
【図2B】図1のスパークプラグの電極近傍を拡大して
示す部分断面図。
【図3A】第2実施形態に係るスパークプラグの平面
図。
【図3B】図3Aのスパークプラグの電極近傍を拡大し
て示す部分断面図。
【図3C】図3Aのスパークプラグの接地電極の断面を
示す図。
【図4A】第3実施形態に係るスパークプラグの平面
図。
【図4B】図4Aのスパークプラグの電極近傍を拡大し
て示す部分断面図。
【図5A】第5実施形態に係るスパークプラグの平面
図。
【図5B】図5Aのスパークプラグの電極近傍を拡大し
て示す部分断面図。
【図6A】比較例である従来のスパークプラグの平面
図。
【図6B】図6Aのスパークプラグの電極近傍を拡大し
て示す部分断面図。
【図7】ブリッジテスト装置の全体図を示す図。
【図8】ブリッジテスト結果を示すグラフ図。
【図9】着火性テスト結果を示すグラフ図。
【図10】低温試験性テスト結果を示すグラフ図。
【図11】かぶり寸法及び放電面幅と、ブリッジ発生難
易との関係をさらに詳細に調査した実験結果を示す図。
【図12A】図2Bの要部をさらに拡大して示す図。
【図12B】図12Aの中心電極の先端部の変形態様を
示す模式図。
【符号の説明】
1 絶縁碍子 1C 先端側中心貫通孔 1D 後端側中心貫通孔 2 中心電極 5 主体金具 11 接地電極 22 貴金属チップ(中心電極側) 22B 先端面(中心電極側) O 軸線 PVL 第一仮想線 SVL 第二仮想線 51 係止部 55 接合部 111A 放電面 112 貴金属チップ(接地電極側) 112' 貴金属チップ(接地電極側) 112A 突出部 112B 先端面(接地電極側) g 火花放電ギャップ K かぶり寸法

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心貫通孔(1D)を有する絶縁碍子
    (1)と、前記中心貫通孔(1D)に保持されており、
    かつ軸線(O)方向に延びる中心電極(2)と、前記絶
    縁碍子(1)の外側に設けられた内燃機関取付用のネジ
    (5B)を有する主体金具(5)と、その主体金具
    (5)に一端が接合部(55)によって接合され、他端
    側が前記中心電極(2)の先端面(22B)と対向する
    ように配置されるとともに、火花放電ギャップ(g)を
    形成する放電面(111A)を有する接地電極(11)
    とを備えるスパークプラグであって、 前記中心電極(2)の前記火花放電ギャップ(g)を形
    成する先端は、直径1.0mm以下であって、長さ0.
    2mm以上の直棒状部(22A)を有する貴金属(2
    2)であり、 前記中心電極(2)の先端面(22B)又はその延長を
    なす平面(P1)と前記直棒状部(22A)の側面(2
    2S)又はその延長をなす円柱面(C1)とによって形
    成される交線を第一交線(PKL)とし、 前記放電面(111A)又はその延長をなす平面(P
    2)と前記接地電極(11)の先端面(112B)又は
    その延長をなす平面との交線を第二交線(SKL)と
    し、 さらに、前記内燃機関取付用のネジ(5B)を基準とし
    たスパークプラグの仮想中心軸線(O)と平行な基準線
    (SL)を、該仮想中心軸線(O)に関して、前記接地
    電極(11)の前記接合部(55)と反対側から前記火
    花放電ギャップ(g)を経て前記接合部(55)に向け
    て移動させたとき、該基準線(SL)が前記第一交線
    (PKL)と最初に交わる交点(PP)を通って前記仮
    想中心軸線(O)と平行な仮想線を第一仮想線(PV
    L)とし、 同じく該基準線(SL)が前記第一交線(PKL)と最
    後に交わる交点(SP)を通って前記仮想中心軸線
    (O)と平行な仮想線を第二仮想線(SVL)として、 前記第一仮想線(PVL)と前記第二交線(SKL)と
    の間の距離として定義されるかぶり寸法(K)が、−d
    ≦K≦0.5(単位mm:但し、dは前記中心電極
    (2)の先端面(22B)の直径である;また、Kの符
    号は、前記第二交線(SKL)が前記第一仮想線(PV
    L)よりも前記接合部(55)に近い側に位置する場合
    を−、同じく遠い側に位置する場合を+とする)を満足
    するように設定される一方、 前記第二仮想線(SVL)と前記第一仮想線(PVL)
    との間に挟まれた区間(WDS)における前記放電面の
    幅(w)が、前記かぶり寸法(K)を用いて、w<2.
    1−K(単位:mm)の関係を満足することを特徴とす
    るスパークプラグ。
  2. 【請求項2】 前記第二仮想線(SVL)と前記第一仮
    想線(PVL)との間に挟まれた区間(WDS)におけ
    る前記放電面の幅(w)が、前記かぶり寸法(K)を用
    いて、w<1.7−K(単位:mm)の関係を満足する
    請求項1記載のスパークプラグ。
  3. 【請求項3】 前記接地電極(11)の前記放電面(1
    11A)には、前記中心電極(2)の先端面(22B)
    と対向する位置に、前記放電面をなす接地電極母材の表
    面(111A)から前記中心電極(2)側に突出する角
    形状の突出部(112)が形成されてなることを特徴と
    する請求項1または2に記載のスパークプラグ。
  4. 【請求項4】 前記突出部(112)の先端面(112
    A)の面積は、前記中心電極(2)の先端面(22B)
    の面積よりも大きいことを特徴とする請求項3記載のス
    パークプラグ。
  5. 【請求項5】 前記突出部(112)は、前記接地電極
    母材の表面(111A)から0.5mm以上突出してい
    ることを特徴とする請求項3又は4に記載のスパークプ
    ラグ。
  6. 【請求項6】 前記突出部(112)は、貴金属部材に
    よって形成されていることを特徴とする請求項2ないし
    5のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  7. 【請求項7】 前記絶縁碍子(1)は係止部(15)に
    よって前記主体金具(5)に係止され、前記中心電極
    (2)は前記絶縁碍子(1)の先端面(1E)から突出
    するとともに、前記係止部(15)よりも先端側におい
    て前記中心電極(2)の外周面と前記絶縁碍子(1)の
    内周面との間には、先端側ほど径差が拡大する、径差拡
    大部(G)が形成されていることを特徴とする請求項1
    ないし6のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
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