JP3980279B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の着火装置として用いられるスパークプラグに関する。より詳しくは、火花放電ギャップ間に燃料ブリッジが生じた場合であっても、その燃料ブリッジが切れやすいことにより、着火性の低下を抑制することができるスパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスパークプラグは、絶縁碍子の先端面から下方に突出するようにされた中心電極と、一端が主体金具に接合された接地電極を備え、この中心電極の先端面と接地電極との間に火花放電ギャップを形成させ、この火花放電ギャップに電気火花を発生させることで燃料混合ガスに着火するものが一般的である。このスパークプラグの低温での始動性を向上させるために、内燃機関では燃焼室内に吸入される混合気の濃度を高くしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、さらに低温での始動性を向上させるために、より高濃度の混合気を燃焼室内に吸入すると、ピストンに液体状の燃料が溜まることになる。この燃料が、始動時のピストンの往復運動に伴って、スパークプラグ表面や火花放電ギャップに燃料が付着し、その際、火花放電ギャップに燃料のブリッジが生じることが問題となっている。即ち、火花放電ギャップにこのような燃料ブリッジが生じると、燃料が導電性を有することから、たとえ火花放電ギャップに高電圧を印加したとしても電圧がリークしてしまい、火花放電ギャップに電気火花を生じなくなってしまう。このため燃焼室内に吸入された混合気に着火せず、始動性が却って悪化してしまうことになる。
【0004】
そこで、本発明は、上述したような過濃混合気による火花放電ギャップにおける燃料ブリッジを発生し難いスパークプラグを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明は、中心貫通孔(1D)を有する絶縁碍子(1)と、中心貫通孔(1D)に保持されており、かつ軸線(O)方向に延びる中心電極(2)と、絶縁碍子(1)の外側に設けられた内燃機関取付用のネジ(5B)を有する主体金具(5)と、その主体金具(5)に一端が接合部(55)によって接合され、他端側が中心電極(2)の先端面(22B)と対向するように配置されるとともに、火花放電ギャップ(g)を形成する放電面(111A)を有する1個の接地電極(11)とを備えるスパークプラグに関するものであり、上記の目的を達成するため、
中心電極(2)の火花放電ギャップ(g)を形成する先端は、直径1.0mm以下であって、長さ0.2mm以上の直棒状部(22A)を有する貴金属(22)であり、
中心電極(2)の先端面(22B)又はその延長をなす平面(P1)と直棒状部(22A)の側面(22S)又はその延長をなす円柱面(C1)とによって形成される交線を第一交線(PKL)とし、
放電面(111A)又はその延長をなす平面(P2)と接地電極(11)の先端面(112B)又はその延長をなす平面との交線を第二交線(SKL)とし、
さらに、内燃機関取付用のネジ(5B)を基準としたスパークプラグの仮想中心軸線(O)と平行な基準線(SL)を、該仮想中心軸線(O)に関して、接地電極(11)の接合部(55)と反対側から火花放電ギャップ(g)を経て接合部(55)に向けて移動させたとき、該基準線(SL)が第一交線(PKL)と最初に交わる交点(PP)を通って仮想中心軸線(O)と平行な仮想線を第一仮想線(PVL)とし、
同じく該基準線(SL)が第一交線(PKL)と最後に交わる交点(SP)を通って仮想中心軸線(O)と平行な仮想線を第二仮想線(SVL)として、
第一仮想線(PVL)と第二交線(SKL)との間の距離として定義されるかぶり寸法(K)が、
−d≦K≦0.5 ‥‥[1]
(単位mm:但し、dは中心電極(2)の先端面(22B)の直径である;また、Kの符号は、第二交線(SKL)が第一仮想線(PVL)よりも接合部(55)に近い側に位置する場合を−、同じく遠い側に位置する場合を+とする)を満足するように設定される一方、
第二仮想線(SVL)と第一仮想線(PVL)との間に挟まれた区間(WDS)における放電面の幅(w)が、かぶり寸法(K)を用いて、
w<2.1−K(単位:mm)‥‥[2]
の関係を満足するとともに、
絶縁碍子(1)は係止部(15)によって主体金具(5)に係止され、中心電極(2)は絶縁碍子(1)の先端面(1E)から突出するとともに、係止部(15)よりも先端側において中心電極(2)の外周面と絶縁碍子(1)の内周面との間には、先端側ほど径差が拡大する、径差拡大部(G)が形成されていることを特徴とする。
【0006】
なお、特許請求の範囲及び本欄(「課題を解決するための手段及び作用・効果」)において、各要件に付与した符号は、添付の図面(図1、図2及び図12)の対応部分に付された符号を援用して用いたものであるが、あくまで発明の理解を容易にするために付与したものであり、本発明における各構成要件の概念を何ら限定するものではない。
【0007】
このように形成すると、火花放電ギャップに付着することによって一旦ブリッジを起こした燃料の、接地電極及び中心電極への接触面積を減少させることによって、燃料ブリッジを切れやすくすることができる。つまり、始動時には、スタータモータによってクランキングを行うことになるが、この際に、燃焼室内に混合気が吸入される。この混合気が過濃であると、始動時のピストンの動きに伴って、火花放電ギャップに燃料ブリッジが一旦生じてしまうのであるが、本発明のようなスパークプラグであれば、さらにクランキングを続けたときの振動によって燃料ブリッジが切れやすいのである。
【0008】
スパークプラグは一般に火花放電ギャップ側を下にして内燃機関に装着される。火花放電ギャップに燃料ブリッジが生じた時には、この燃料の液滴を中心電極と液滴との間に生じる付着力によって吊り下げるような形状で保持される。このスパークプラグは、中心電極の先端を直径1.0mm以下にしてあるから、燃料の液滴を保持する面積を小さくすることになるため、一旦燃料ブリッジが生じたとしても、このブリッジが切れやすい。また、この中心電極の先端には0.2mm以上の直棒状部が形成されており、さらにその後方側は中心電極の径大部につながっている。過濃混合気によって一旦生じた燃料ブリッジは中心電極の側面にまで広がっているため、直棒状部を長くすることによって、径大部につながる部分にまで燃料が広がってしまうことを抑制できる。従って、液滴を保持する面積を更に小さくすることができるため、中心電極と液滴との間に生じる保持力を小さくすることになる。この結果、燃料ブリッジを切れやすくすることができる。さらに、この中心電極の先端を貴金属にすることによって、火花放電による消耗を抑制することができることから、長く使用していても消耗による変形を抑えることができ、ひいては燃料ブリッジの切れやすさを長期にわたって保持することができる。なお、貴金属としては、Pt、Irの他に、Pt−Ir、Ir−Rh、Ir−Pt、Ir−Y等のPt合金やIr合金等の1600℃以上の融点を持つものが好ましい。
【0009】
かぶり寸法Kは、投影機を使うことによって測定することができる(例えば、図2Bのように、接地電極(11)の接合部(55)側から火花放電ギャップ(g)を見込む方向と中心軸線Oとの双方に平行な投影面への投影を使用する)。また、放電面の外周縁にはアールや面取りが付いている場合が有る。この様な場合には、放電面を延長した延長平面と放電面形成部位(接地電極母材又は貴金属突出部)の側面の延長平面との交線が放電面の幅を考えるときの境界線になる。一方、前記第一交線の部分には、貴金属を切断した際のバリが出ている場合がある。このようなときには、このバリの部分を切り取って第一交線を考えるものとする。また、平角線を長手方向に所定間隔にて切断して接地電極を形成する場合は、その切断面が接地電極の先端面を形成することから、この先端面には該切断に伴う段差が生じている場合がある。このようなときには、放電面に近い側の先端面を基準に第二交線を考えるものとする。
【0010】
一方、本発明のスパークプラグにおいては、第一仮想線(PVL)と第二交線(SKL)との間の距離として定義されるかぶり寸法(K)が、前記▲1▼式、すなわち、−d≦K≦0.5を満たすものとされている。該かぶり寸法Kは、接地電極の先端面と、接地電極との接合部から最も離れた位置において、中心電極の先端面外縁に対し軸線方向に引いた仮想線(第一仮想線(PVL)との距離に相当するものである。また、第二仮想線(SVL)と第一仮想線(PVL)との間に挟まれた区間(WDS)における放電面の幅wは、前記▲2▼式、すなわちw<2.1−Kを満たすものとされている。
【0011】
かぶり寸法Kを−d未満にした場合には、中心電極の先端部側面と接地電極の先端面とが対向する形態となる。このため、燃料の液滴を吊り下げる面積を小さくするためには、中心電極の先端部を形成する直棒状部の長さを必要以上に長くする必要が生じたり、直棒状部に続く径大部を細くする必要が生じる。この結果、直棒状部の熱引きが悪化する傾向となり、火花放電による消耗が大きくなりやすい。また、接地電極の先端面の面積はそれほど大きくないため、火花放電による消耗が進みやすく、消耗が大きくなりやすくなる。しかしながら、本発明においては、かぶり寸法Kを−d以上としてあるため、中心電極の先端面と接地電極の放電面とが対向する形態にすることができる。このため燃料ブリッジは中心電極の先端面と接地電極の放電面で形成される火花放電ギャップに生じさせることができるので、上記のような不具合を生じない。この場合、中心電極の先端面近傍と接地電極の放電面とを燃料ブリッジが切れやすい形状にしておけばよい。
【0012】
他方、かぶり寸法Kを0.5mm以下とし、さらに接地電極の放電面のうち、前記第一仮想線PVLと第二仮想線SVLとに挟まれた区間の先端面を軸線方向に延長した範囲における幅w(以下、単に放電面幅wともいう)を、2.1−Kmm以下に制限していることから、燃料ブリッジが生じた際における燃料の液滴を保持する接地電極側の面積を小さくすることができる。接地電極は燃料の液滴を下から支える形状になるため、支える面積を小さくすることによって燃料の液滴を保持できる量を少なくすることができる。この結果、燃料ブリッジが生じたとしても、振動が繰り返されることで切れやすくすることができるのである。なお、接地電極の幅wが同じであっても、かぶり寸法Kが大きければ、燃料液滴の保持能力が増す。従って▲1▼式は、かぶり寸法Kが大きいほど、燃料ブリッジ発生を抑制するための放電面幅wの値の上限値を、小さくしなければならないことを意味する。これは、逆にいえば、かぶり寸法Kが小さければ、放電面幅wを多少大きくしても燃料ブリッジが発生しにくいことも意味する。
【0013】
また、かぶり寸法Kを上記のような寸法設定にすることによって、着火性を向上させることもできる。即ち、着火性に大きく影響する要因として、電極による消炎作用が挙げられる。火花放電ギャップで発生した電気火花によって混合気が一旦着火したとしても、着火した混合気の近傍に存在する電極によって熱を奪われてしまうため、混合気が失火してしまうことになる。本発明の様にかぶり寸法を小さくすることによって、このような消炎作用を生ずる電極が着火した混合気の近傍に存在しない様にすることができることから、着火性が向上し、ひいては低温始動性が更に向上する。なお、後述のように、接地電極の突出部を、角形状の小部材の接合により形成すると、このかぶり寸法Kを小さくし易いので、より有利である。
【0014】
このような消炎作用を低減できることの他に、以下のように火炎の拡散を妨げないということも考えられる。上述のように一端着火した混合気は、燃焼室内を拡散していく。これによって燃焼室内の混合気すべてが燃焼して、より効率よく大きな出力を取り出せるのである。しかし、かぶり寸法Kが大きいと、火花放電ギャップで着火した混合気が燃焼室内に拡散していこうとする初期に接地電極が衝立のように拡散を遮ることになるのである。他方、かぶり寸法Kが0.5mmを超えると、接地電極の過熱により電極消耗を早める不具合が生ずる場合がある。
【0015】
なお、上記放電面幅wを必要以上に小さくしすぎると、放電面に対する過度の電圧集中により電極消耗が進行しやすくなり、電極寿命を十分に確保できなくなる場合があるので、例えば0.5mm以上に確保することが望ましい。また、放電面幅wは、より望ましくは、0.5≦w<1.7−K(単位:mm)を満足するように設定するのがよい。
【0016】
次に、接地電極(11)の中心電極(2)の先端面(22B)と対向する位置に、放電面をなす接地電極母材の表面(111A)から中心電極(2)側に突出する角形状の突出部(112)を形成することができる。接地電極母材の表面(111A)に、このような突出部を設けることによって、燃料の液滴が保持されやすい部分を、該突出部付近に抑えることができる。このため、接地電極側で保持される燃料の液滴の量をより少なくでき、ひいては燃料ブリッジをさらに生じにくくすることができる。なお、突出部(112)は、放電面をなす接地電極母材の表面(111A)から0.5mm以上突出していることが、上記の効果をより顕著なものとする上で望ましい。
【0017】
また、突出部(112)の先端面(112A)の面積は、中心電極(2)の先端面(22B)の面積よりも大きくすることが望ましい。燃料ブリッジが切断されるには、燃料液滴に作用する重力が、これをブリッジ形成状態に維持しようとする付着力(例えば、上記各先端面と液滴の間の界面張力)に打ち勝って作用する必要がある。突出部の先端面の面積が中心電極の先端面の面積よりも小さいと、燃料ブリッジが生じたとき、中心電極と液滴との間に生じる付着力が、該液滴に作用する重力よりも大きくなって、燃料ブリッジが切れにくくなる可能性がある。しかしながら、突出部の先端面の面積を、中心電極の先端面の面積よりも大きくすると、そのような不具合を防止できる。
【0018】
突出部(112)は、例えば貴金属部材によって形成することができる。接地電極側は、通常中心電極側と比較して高電位であるため、電気火花発生時には軽い電子が引き寄せられることになる。このため、接地電極側の消耗は比較的少ないが、燃焼室内の中央側に位置しているため中心電極と比べると温度が上昇しやすく、内燃機関の種類によっては消耗が進みやすい場合がある。そこで、接地電極の放電面を形成する突出部を、消耗の進行しにくい貴金属部材により構成すれば、消耗による突出部の変形を抑えることができ、ひいては燃料ブリッジの切れやすさを長期にわたって保持することができる。なお、貴金属部材としては、中心電極と同様にPt、Irの他に、Pt−Ir、Ir−Rh、Ir−Pt、Ir−Y等のPt合金やIr合金等の1600℃以上の融点を持つものが好ましい。
【0019】
また、本発明のスパークプラグにおいては、絶縁碍子(1)を係止部(15)によって主体金具(5)に係止し、中心電極(2)を、絶縁碍子(1)の先端面から突出させることができる。この場合、係止部(15)よりも先端側において中心電極(2)の外周面と絶縁碍子の内周面との間に、先端側ほど径差が拡大する、径差拡大部が形成されるように構成することができる。
【0020】
このように構成することによって、中心電極と絶縁碍子の先端部との間に広い径差を作ることができる。前述したように、液体状の燃料がピストンの動きに伴って、ピストンに溜まった液状の燃料が巻き上げられてスパークプラグにかけられることになる。つまり図2Bに示すスパークプラグの発火部に、図面の下側から燃料がかけられることになる。大量の燃料がかけられると絶縁碍子の先端部と接地電極の間に形成された空間全体に燃料が付着する。更にクランキングを継続すると、その時の振動で付着した燃料が絶縁碍子の先端部の外側から落ちていくことになる。中心電極と絶縁碍子の先端部との間に広い径差が作られていると、この径差部分に溜まった燃料の重量が大きいことから、クランキングによる振動で落下しやすくなる。この結果、絶縁碍子の先端に付着した燃料がクランキングの初期で落下しやすくなるため、燃料ブリッジの切れを促進することになる。
【0021】
径差拡大部(G)は、例えば、軸線方向において、径差が連続的に拡大するように形成してもよいし、2段階以上に段階的に拡大する形で形成してもいずれでもよい。また、段階的に拡大させる場合においても、途中の一部区間では径差が連続的に拡大するようにしてもよい。また、径差を形成する方法としては、中心電極先端部を先端側に向けて縮径させる方法、中心電極が挿通される絶縁碍子の中心貫通孔を先端側に向けて拡径する方法、及び両者の組合せのいずれを採用してもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態について図面を参照し説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るスパークプラグの部分断面図であり、図2A及び図2Bはこのスパークプラグの要部拡大図である。図1に示す第1の実施の形態に係るスパークプラグは、周知のように、アルミナ等からなる絶縁碍子1は、その後端部に沿面距離を稼ぐためのコルゲーション1Aを、先端部に内燃機関の燃焼室に曝される脚長部1Bを備え、絶縁碍子係止部15が主体金具5の内径側に膨出した係止部51に当接され、かしめ部5Cによって支持されている。その軸中心には、後述する絶縁碍子係止部15よりも先端側に略同一径の先端側中心貫通孔1Cが形成され、後端側にはそれよりもやや太い径の後端側中心貫通孔1Dが形成されている。また、先端側中心貫通孔1Cと後端側中心貫通孔1Dとの段差部には、中心電極2の鍔部21が係止されて、中心電極2は絶縁碍子1の先端面1Eから突出するようにされている。そして、中心電極2は、図2Bに示すように母材部分2mの先端部が複数段階(ここでは2段)に段階縮径されて縮径部とされ、さらにその縮径部の先端には貴金属チップ22がレーザ溶接による溶融部23を介して接合されている。貴金属チップ22は、直径0.7mm、長さ0.8mmのものを母材部分2mの縮径部の先端に載置され、レーザ溶接によって直棒状部22A(軸線方向長さL:例えば約0.3mm)を残す形で接合されている。従って、この貴金属チップ22の接地電極11と対向する面、つまり中心電極2の先端面22Bの面積は、約0.38mmである。中心電極2は中心貫通孔1Cの内部に設けられたセラミック抵抗3を経由して上方の端子ナット4に電気的に接続されている。端子ナット4には図示しない高圧ケーブルが接続され高電圧が印加される。貴金属チップ22の材質としては、Pt、Irの他に、Pt−Ir、Ir−Rh、Ir−Pt、Ir−Y等のPt合金やIr合金等の1600℃以上の融点を持つものが好ましいが、本実施形態ではIr−5wt%Ptを使用している。
【0023】
主体金具5は低炭素鋼材で形成され、スパークプラグレンチと嵌合する六角形部5Aと、ネジの呼びが例えばM14Sのネジ部5Bとを備えている。主体金具5はそのかしめ部5Cにより絶縁碍子1にかしめられ、主体金具5と絶縁碍子1が一体にされる。かしめによる密閉を完全なものとするため、主体金具5と絶縁碍子1との間に板状のパッキング部材6とワイヤ状のシール部材7、8が介在され、シール部材7、8の間にはタルク(滑石)9の粉末が充填されている。また、ネジ部5Bの後端、即ち、主体金具5の座面52にはガスケット10が嵌挿されている。
【0024】
図2Bに示すように、主体金具5の先端面5Dにニッケル合金からなる接地電極11が溶接により接合されている。接地電極11は中心電極2に形成された貴金属チップ22の先端面22Bと軸O方向に対向し、中心電極2と接地電極11とで火花放電ギャップgを形成している。
【0025】
また、六角形部5Aの対辺寸法は16mmであり、主体金具5の座面52から先端面5Dまでの長さは19mmに設定されている。なお、接地電極11は、その先端部の温度を低減させ、火花消耗を抑えるために内部にCuや純Ni又はその複合材料等からなる良熱伝導材を有していても良い。
【0026】
また、接地電極11は、中心電極2の先端面22Bと対向している部分に突出部112が形成されている。この突出部112は、Ni合金(例えばインコネル600)からなる接地電極母材111の先端部において、放電面をなす表面(中心電極2と対向する側面)111Aから中心電極2側へ突出する形態で設けられている。本実施形態では、幅0.7mm、深さ0.45mm、長さ1.25mmの溝を接地電極母材111に形成し、該溝に、一辺0.7mm、長さ1.5mmの直方体形状をした貴金属チップ112を嵌め込み、抵抗溶接にて接地電極11に固定することにより突出部112Aを形成している。この結果、突出部112は、接地電極母材111の先端面111Bから長さ方向に約0.25mm、同じく中心電極2と対向する表面111Aから高さ(深さ)方向に約0.2mm、それぞれ突出する形となっている。従って、この突出部112の中心電極2と対向する面112Aの面積は、1.05mmである。これは、中心電極2の先端面22Aの前記した面積(約0.38mm)よりも大きい。
【0027】
次に、図12Aに示すように、中心電極2の先端面22B又はその延長をなす平面P1(図12B:先端面22Bの外周縁にアールあるいはテーパが形成される場合等)と直棒状部22Aの側面22S又はその延長をなす円柱面C1(図12B:同上)とによって形成される交線を第一交線PKLとし、放電面111A又はその延長をなす平面P2と貴金属チップ112の先端面112B又はその延長をなす平面との交線を第二交線SKLとする。また、内燃機関取付用のネジ5Bを基準としたスパークプラグの仮想中心軸線Oと平行な基準線SLを、該仮想中心軸線Oに関して、接地電極11の接合部55と反対側から火花放電ギャップgを経て接合部55に向けて移動させたとき、該基準線SLが第一交線PKLと最初に交わる交点PPを通って仮想中心軸線Oと平行な仮想線を第一仮想線PVLとし、同じく該基準線SLが第一交線PKLと最後に交わる交点SPを通って仮想中心軸線Oと平行な仮想線を第二仮想線SVLとする。そして、第一仮想線PVLと第二交線SKLとの間の距離として定義されるかぶり寸法Kが、−d≦K≦0.5(単位mm:dは中心電極2の先端面22Bの直径)を満足する。また、第二仮想線SVLと第一仮想線PVLとの間に挟まれた区間WDSにおける放電面の幅wが、かぶり寸法Kを用いて、w<2.1−K(単位:mm)の関係を満足する。
【0028】
本実施形態では、K=0.25mmに合せてある。つまり、接地電極母材111の先端面111Bが上述した第一仮想線PVLと重なるように設定してある。また、図2Aに示すように、接地電極母材111の先端部を、幅方向両側に形成されたテーパ面111T,111Tにより、先端に向かうほど狭幅となるように形成してある。テーパ角度βは約30゜であり、先端面111Bは幅約1.4mmである。また、区間WDSにおける放電面111Aの幅wは、1.40mm〜1.78mmの範囲になっている。なお、放電面111Aには、接地電極母材111の側面111Bとの境界にアールが付いている場合が有る。この場合には、放電面111Aを延長した延長平面と側面111Bの延長平面との交線が放電面111Aの幅を考えるときの境界線になる。例えば図3Cに示すような断面形状を持つ接地電極11の場合には、放電面111Aとテーパ状の側面111Bとの境界線111Cが図の左右に存在する。従って、この2本の境界線111C、111C間の距離を放電面111Aの幅として測定する。
【0029】
図2に戻り、接地電極11の表面から、絶縁碍子1の表面までの最短距離Dは、1.5mm以上となっていることが望ましい。該最短距離Dが1.5mm以上確保されていることで、接地電極11と絶縁碍子1との間の液切れが良好となり、該位置に燃料ブリッジを生じにくくなる。なお、内燃機関への取り付けを考慮すれば、通常使用される寸法のスパークプラグにおいて、上記最短距離Dとして4.5mmを超える値を採用することは現実的でないので、該Dは4.5mm以下に設定することが望ましい。また、以下に説明する他の実施形態も含め、特に断りのない限り、絶縁碍子1の主体金具5からの突き出し量Fは2.5mmとし、接地電極母材111には、幅が2.5mmで厚さが1.4mmのものを用いている。
【0030】
【実施例】
次に本発明の効果を示すための実験例について説明する。図8に示す試料No.▲1▼〜▲4▼は本発明の各実施形態品であり、No.▲5▼は本発明品との効果の差を確認するための比較品である。各実施形態に係る試料は第1実施形態との相違点のみを説明する。第1実施形態に係る試料No.▲1▼は、前述した図2A及び図2Bに要部拡大図として示す。図2Bは、この試料No.▲1▼の発火部のみを横から見た図を示し、図2Aは、図2Bの下側から見た図を示す。第2実施形態に係る試料No.▲2▼を図3の要部拡大図に示す。図3Bは、この試料No.▲2▼の発火部のみを横から見た図を示し、図3Aは、図3Bの下側から見た図を示す。また、図3Cは、接地電極11を、その先端面11A側から見た様子を示す。試料No.▲2▼は、接地電極母材111の断面を台形状に形成し、中心電極2と対向する放電面111Aが細くなるようにしてある。台形部のテーパ角度γは、放電面111Aに対して45゜であり、前述した第一仮想線PVLと、第一仮想線SVLとの間の範囲における放電面111Aの幅は約1.8mmである。なお、前述のように放電面111Aの幅は、接地電極母材111のテーパ面を接地電極の側面111Bと考えて、第1実施形態の測定方法と同様の方法で測定した。
【0031】
また、第3実施形態に係る試料No.▲3▼を図4A及び図4Bに要部拡大図として示す。図4Bは、この試料No.▲3▼の発火部のみを横から見た図を示し、図4Aは、図4Bの下側から見た図を示す。試料No.▲3▼は、中心電極2側の貴金属チップ22を、直径0.4mmに形成してある点のみが第2実施形態に係る試料No.▲2▼と異なるのみで、他は、試料No.▲1▼と同一である。また、前述した区間WDSにおける放電面111Aの幅は、1.40mm〜1.61mmの範囲になっている。なお、放電面111Aの幅は、第1実施形態の測定方法と同様の方法で測定した。
【0032】
また、第4実施形態に係る試料No.▲4▼を図5A及び図5Bに要部拡大図として示す。図5Bは、この試料No.▲4▼の発火部のみを横から見た図を示し、図5Aは、図5Bの下側から見た図を示す。試料No.▲4▼は、接地電極母材111の先端約2mmの範囲を、切欠部111R,111Rにより、全体に幅約1.5mmのほぼ同一幅になるように細く形成してある。つまり、前述した区間WDSにおける放電面111Aの幅は、1.5mmになっている。なお、放電面111Aの幅は、第1実施形態の測定方法と同様の方法で測定した。
【0033】
次に、比較例である試料No.▲5▼を図6A及び図6Bに要部拡大図として示す。図6Bは、この試料No.▲5▼の発火部のみを横から見た図を示し、図6Aは、図6Bの下側から見た図を示す。試料No.▲5▼は、接地電極母材111に円板状の貴金属チップ112'を抵抗溶接によって接合してある。また、この貴金属チップ112'を中心電極2側の貴金属チップ22と対向させつつ、接地電極母材111'との接合性を確保するためかぶり寸法を、K=0.6mmに設定してある。さらに、前述の区間WDSにおける放電面111Aの幅wは、接地電極の幅に相当するため2.5mmである。なお、放電面111Aの幅は、第1実施形態の測定方法と同様の方法で測定した。
【0034】
これらの試料を評価するために、下記に示す燃料ブリッジテストを行った。本実験においては、内燃機関に一般に用いられるガソリンの替わりに水を用いた。この理由は、燃料ブリッジは一般に非常に温度の低い状態、即ち、燃料の粘度が低下した状態での、火花放電ギャップで生じたブリッジの切れやすさが問題になるためである。水の常温における粘度がガソリンの約−40℃における粘度とほぼ同等であることが分かっているため、本発明の主目的である燃料ブリッジの切れやすさを確認するためには、最も手近な代替材である。まず、図7に示すような燃料ブリッジ試験機のアームに各試料を装着し、火花放電ギャップ間にスポイトを用いて水を約0.05ml付着させた。そして、アームを傾けた後に受支点部に向けて自由落下させて、ブリッジが切れたか否かを落下させる毎に観察した。アームは図に示す寸法を有する矩形断面の焼入鋼からなる梁状部材であり、衝撃を受ける受け支点部は、一辺20mmの矩形断面の軟鋼からなる角柱状のものである。また、アームの旋回支点SVから受け支点部との当接位置(受け支点部先端面の幾何学的重心とする)までの距離は100mmである。試験は、試料▲1▼〜▲5▼の試験品につき各10本行った。なお、各試験品は試験終了まで水の補充を行わなかった。
【0035】
試験結果を図8に示す。アームを傾ける角度は5゜から5゜づつ増加させ、各角度で最大5回行った。●は、ブリッジが切れた角度とその角度での何回目の試験で切れたかを示す。また、×は、ブリッジが切れなかったことを示す。例えば、試料No.▲1▼では、10゜の角度の1回目で1本、10゜の3回目で1本ブリッジが切れ、20゜の1回目・2回目で各1本、20゜の5回目で2本、25゜の1回目・2回目・3回目で各1本、30゜の1回目で1本切れたことが分かる。比較例である試料▲5▼は、45゜の1回目及び2回目で各1本ブリッジが切れたが、残り8本は50゜まで増加させて5回繰り返してもブリッジが切れなかったことを示す。この試験の結果、試料▲3▼が最もブリッジが切れやすいことがわかる。
【0036】
次に、同じ形状の試料No.▲1▼〜▲5▼を用いて、着火性テストを行った。これは、燃焼室内での燃料への着火のしやすさを評価する指標となる。この試験は、排気量2リットル、直列6気筒の内燃機関の内、1気筒を用いて、燃料混合比をリーン側に推移させ、アイドリング700rpmの条件で行った。このエンジン条件で、HCスパイクが3分あたり10回発生したときのA/Fの値を着火限界と判断した。この試験の結果を、図9に示す。この結果から、中心電極2側の貴金属チップ22の径が最も小さいφO.4mmの試料No.▲3▼が着火性が良好であることが分かる。
【0037】
さらに、同じ形状の試料No.▲1▼〜▲5▼を用いて、低温始動性テストを行った。この試験は、排気量2リットル、直列6気筒の内燃機関を用いて、−30℃の耐寒試験室における初爆と完爆の発生時間を比較したものである。ここで、初爆とは、クランキングを始めてからどれかの気筒において、着火による最初の圧力上昇が始まるまでの時間をいい、完爆とは、クランキングを始めてから内燃機関がクランキングを行わなくとも回転が持続可能となるまでの時間をいう。この試験の結果を、図10に示す。この結果から、試料No.▲2▼〜▲4▼はほぼ同等であるが、特に試料No.▲3▼が最も始動性が良いことが分かる。また、図8のブリッジテスト結果と、この試験結果とを比較すると、燃料ブリッジ試験結果の良いものほど−30℃という極低温での始動性が良好であって、両者には非常に強い相関関係があることが分かる。
【0038】
また、図11は、区間WDSにおける放電面幅wとかぶり寸法Kとを、種々の値に設定したスパークプラグを用いて、同様の燃料ブリッジテストを行なった結果である。各スパークプラグとも試験数は5本ずつであり、ブリッジが切れた角度の平均値が20゜以内のものを優(◎)、20゜を超え30゜以下のもを良(○)、30゜を超えるものを不可(×)として評価している。これによると、w<2.1−K(単位:mm)の関係を満足する場合に、ブリッジ発生抑制に関して良好な結果が得られ、w<1.7−Kを満足する場合にはさらに好ましい結果が得られていることがわかる。
【0039】
(その他の実施の形態)
以上説明した本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。各実施の形態では、接地電極11に形成された突出部112が、接地電極母材111の表面から0.2mm突出する場合について説明したが、突出量が0.5mm以上の場合には、さらに本発明の効果が達成されやすいことが確認されている。さらに、絶縁碍子の先端内部において中心電極の縮径(いわゆるサーモ)が2段に縮径されているスパークプラグについて説明したが、サーモなしまたは、1段に縮径されているスパークプラグであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスパークプラグの部分断面図。
【図2A】図1のスパークプラグの平面図。
【図2B】図1のスパークプラグの電極近傍を拡大して示す部分断面図。
【図3A】第2実施形態に係るスパークプラグの平面図。
【図3B】図3Aのスパークプラグの電極近傍を拡大して示す部分断面図。
【図3C】図3Aのスパークプラグの接地電極の断面を示す図。
【図4A】第3実施形態に係るスパークプラグの平面図。
【図4B】図4Aのスパークプラグの電極近傍を拡大して示す部分断面図。
【図5A】第5実施形態に係るスパークプラグの平面図。
【図5B】図5Aのスパークプラグの電極近傍を拡大して示す部分断面図。
【図6A】比較例である従来のスパークプラグの平面図。
【図6B】図6Aのスパークプラグの電極近傍を拡大して示す部分断面図。
【図7】ブリッジテスト装置の全体図を示す図。
【図8】ブリッジテスト結果を示すグラフ図。
【図9】着火性テスト結果を示すグラフ図。
【図10】低温試験性テスト結果を示すグラフ図。
【図11】かぶり寸法及び放電面幅と、ブリッジ発生難易との関係をさらに詳細に調査した実験結果を示す図。
【図12A】図2Bの要部をさらに拡大して示す図。
【図12B】図12Aの中心電極の先端部の変形態様を示す模式図。
【符号の説明】
1 絶縁碍子
1C 先端側中心貫通孔
1D 後端側中心貫通孔
2 中心電極
5 主体金具
11 接地電極
22 貴金属チップ(中心電極側)
22B 先端面(中心電極側)
O 軸線
PVL 第一仮想線
SVL 第二仮想線
51 係止部
55 接合部
111A 放電面
112 貴金属チップ(接地電極側)
112' 貴金属チップ(接地電極側)
112A 突出部
112B 先端面(接地電極側)
g 火花放電ギャップ
K かぶり寸法

Claims (6)

  1. 中心貫通孔(1D)を有する絶縁碍子(1)と、前記中心貫通孔(1D)に保持されており、かつ軸線(O)方向に延びる中心電極(2)と、前記絶縁碍子(1)の外側に設けられた内燃機関取付用のネジ(5B)を有する主体金具(5)と、その主体金具(5)に一端が接合部(55)によって接合され、他端側が前記中心電極(2)の先端面(22B)と対向するように配置されるとともに、火花放電ギャップ(g)を形成する放電面(111A)を有する1個の接地電極(11)とを備えるスパークプラグであって、
    前記中心電極(2)の前記火花放電ギャップ(g)を形成する先端は、直径1.0mm以下であって、長さ0.2mm以上の直棒状部(22A)を有する貴金属(22)であり、
    前記中心電極(2)の先端面(22B)又はその延長をなす平面(P1)と前記直棒状部(22A)の側面(22S)又はその延長をなす円柱面(C1)とによって形成される交線を第一交線(PKL)とし、
    前記放電面(111A)又はその延長をなす平面(P2)と前記接地電極(11)の先端面(112B)又はその延長をなす平面との交線を第二交線(SKL)とし、
    さらに、前記内燃機関取付用のネジ(5B)を基準としたスパークプラグの仮想中心軸線(O)と平行な基準線(SL)を、該仮想中心軸線(O)に関して、前記接地電極(11)の前記接合部(55)と反対側から前記火花放電ギャップ(g)を経て前記接合部(55)に向けて移動させたとき、該基準線(SL)が前記第一交線(PKL)と最初に交わる交点(PP)を通って前記仮想中心軸線(O)と平行な仮想線を第一仮想線(PVL)とし、
    同じく該基準線(SL)が前記第一交線(PKL)と最後に交わる交点(SP)を通って前記仮想中心軸線(O)と平行な仮想線を第二仮想線(SVL)として、
    前記第一仮想線(PVL)と前記第二交線(SKL)との間の距離として定義されるかぶり寸法(K)が、−d≦K≦0.5(単位mm:但し、dは前記中心電極(2)の先端面(22B)の直径である;また、Kの符号は、前記第二交線(SKL)が前記第一仮想線(PVL)よりも前記接合部(55)に近い側に位置する場合を−、同じく遠い側に位置する場合を+とする)を満足するように設定される一方、
    前記第二仮想線(SVL)と前記第一仮想線(PVL)との間に挟まれた区間(WDS)における前記放電面の幅(w)が、前記かぶり寸法(K)を用いて、 w<2.1−K(単位:mm)の関係を満足するとともに、
    前記絶縁碍子(1)は係止部(15)によって前記主体金具(5)に係止され、前記中心電極(2)は前記絶縁碍子(1)の先端面(1E)から突出するとともに、前記係止部(15)よりも先端側において前記中心電極(2)の外周面と前記絶縁碍子(1)の内周面との間には、先端側ほど径差が拡大する、径差拡大部(G)が形成されており、
    前記接地電極(11)の表面から前記絶縁碍子(1)の表面までの最短距離は1.5mm以上4.5mm以下であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記第二仮想線(SVL)と前記第一仮想線(PVL)との間に挟まれた区間(WDS)における前記放電面の幅(w)が、前記かぶり寸法(K)を用いて、w<1.7−K(単位:mm)の関係を満足する請求項1記載のスパークプラグ。
  3. 前記接地電極(11)の前記放電面(111A)には、前記中心電極(2)の先端面(22B)と対向する位置に、前記放電面をなす接地電極母材の表面(111A)から前記中心電極(2)側に突出する角形状の突出部(112)が形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記突出部(112)の先端面(112A)の面積は、前記中心電極(2)の先端面(22B)の面積よりも大きいことを特徴とする請求項3記載のスパークプラグ。
  5. 前記突出部(112)は、前記接地電極母材の表面(111A)から0.5mm以上突出していることを特徴とする請求項3又は4に記載のスパークプラグ。
  6. 前記突出部(112)は、貴金属部材によって形成されていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
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