JPWO2008102842A1 - スパークプラグ、及びスパークプラグを備えた内燃機関 - Google Patents

スパークプラグ、及びスパークプラグを備えた内燃機関 Download PDF

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Abstract

スパークプラグ(100)がエンジンヘッド(70)に固定された際に、エンジンヘッドの内壁面から燃焼室内へ向けて突出する筒部(60)を備えたスパークプラグにおいて、筒部(60)の外周面に、貫通孔又は切り欠きからなる1つ以上の通気部(61)を設けた。発火部を燃焼室内に突出させたことにより、着火性が向上すると共に、内燃機関の吸気口から流入する混合気が通気部(61)を通って筒部(60)の内側へ入り込み、絶縁碍子(10)の熱を奪って冷却するため、プレイグニッションの発生が抑制される。

Description

本発明は、内燃機関に取り付けられて混合気への点火を行うためのスパークプラグ、及びスパークプラグを備えた内燃機関に関するものである。
従来、内燃機関には点火のためのスパークプラグが用いられている。一般的なスパークプラグは、中心電極と、その中心電極を軸孔内に保持する絶縁碍子と、この絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持する主体金具とを有している。その主体金具には接地電極の一端部が接合されており、他端部と中心電極の先端部との間で火花放電間隙が形成されている。この火花放電間隙が着火部となり、火花放電が行われることによって、混合気への点火が行われる。
ところで、燃焼室内部に、スパークプラグの着火部をより突出させた形態のものとすれば、消炎作用を及ぼす燃焼室内壁面から着火部をより遠ざけることができ、火炎核の成長の阻害を抑制できるので、着火性を向上することが可能である。しかし、接地電極の軸線方向の長さをより長くして着火部を燃焼室内部に突出させた場合には、接地電極の熱引きの基点となる主体金具との接合部までの長さが相対的に長くなってしまうため、接地電極の熱伝導効率が低下して熱引き性能が低下する。よって、接地電極の先端側全体が酸化してしまう不具合や、さらには接地電極の溶損を生じる虞がある。また、接地電極の長さを長くする程、振動や衝撃等に対する耐久性も低下する虞がある。
そこで、主体金具の先端側に、内燃機関の取付部から燃焼室内部へ向けて突出する筒部を形成したスパークプラグが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このスパークプラグでは、筒部の先端側に接地電極の一端部が接合されており、スパークプラグをこのような形態のものとすれば、接地電極の軸線方向の長さを変えることなく着火部を燃焼室内部に突出させることができる。この構成により、接地電極を長くした場合に比べて接地電極の熱伝導効率や振動等に対する耐久性を低下させることなく、着火部を燃焼室内部に突出させて、スパークプラグの着火性の向上を実現している。
特開昭62−82684号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグでは、内燃機関の吸気口から燃焼室へ流入する混合気が絶縁碍子近傍に流れ込む過程において、筒部が障害となり、混合気の吹き抜けによる絶縁碍子の冷却効果が得られ難くなって、耐プレイグニッション性能が低下してしまう虞があった。また、スパークプラグの汚損によって、絶縁碍子の表面と主体金具の内周面との間で横飛火や奥飛火が発生した場合に、火花が混合気に曝され難いため、さらに着火性が悪化してしまうという問題点もあった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、接地電極の熱伝導効率の低下の回避、及び接地電極の耐久性の向上を実現するために、内燃機関の取付部から燃焼室内へ突出する筒部を設けた構成であっても、吸気口からの混合気による絶縁碍子の冷却効果の悪化、並びに奥飛火の発生を抑制でき、さらに横飛火による着火性の向上をも可能にするスパークプラグ、及びスパークプラグを備えた内燃機関を提供することを目的とする。
本発明の第1態様によれば、中心電極と、前記中心電極の軸線方向に延びる軸孔を有し、その軸孔の内部で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持すると共に、内燃機関の取付部に取り付けられる主体金具と、前記主体金具の先端部に設けられ、前記主体金具が前記取付部に取り付けられた際に、前記取付部よりも先端側に突出する筒状の筒部と、一端部が前記筒部の先端に接合され、前記一端部とは反対側の他端部が前記中心電極の先端部との間に火花放電間隙を形成する接地電極とを備えたスパークプラグであって、前記筒部には、当該筒部の内側と外側とを連通し、切り欠きからなる1つ以上の通気部が形成されている、スパークプラグが提供される。
第1態様のスパークプラグでは、内燃機関の内壁面よりも先端側に位置し、燃焼室内へ突出する筒状をなす筒部が主体金具の先端部に設けられており、この筒部に、切り欠きからなる通気部を形成した。そして、筒部の先端に接地電極を接合することで、火花放電間隙の位置を燃焼室内に突出させることができ、着火性を向上することができる。また、火花放電間隙の位置を燃焼室内に突出させるにあたって、接地電極の長さを長くしなくとも良いため、接地電極の熱伝導効率や振動等に対する耐久性を低下させることがない。さらに、筒部に通気部を形成したことで、混合気が通気部を通って絶縁碍子近傍に流れ込む流路を設けることができ、混合気の吹き抜けによる絶縁碍子の冷却効果を得ることができる。
また、通気部を設けたことにより、筒部には新たなエッジ(稜角部分)が形成されることとなる。このエッジ付近の電界強度はエッジが形成されていない部位よりも増すため、スパークプラグの汚損により主体金具の内側で火花放電が生じ得る状況(横飛火や奥飛火が発生し得る状況)となった場合でも、エッジ部分を介した火花放電を生じさせることができる。これにより、絶縁碍子の表面に付着したカーボンの清浄を行うことができ、汚損の進行を抑制し、ひいては奥飛火の発生の頻度を低減することができる。また、エッジを介した火花放電が生じた場合でも、通気部を通って筒部の内側へ流入する混合気に火花が曝されて容易に着火できると共に、通気部を通じて燃焼室内への火炎伝播をスムーズに行うことができるため、混合気の燃焼を安定させることができる。
さらに、第2態様のスパークプラグは、上記第1態様のスパークプラグの前記筒部の先端部を含み前記軸線方向に垂直な第一断面における、前記絶縁碍子の径をLとしたときに、当該第一断面における前記切り欠きの両端を結ぶ長さWは、0.7L以上とするとよい。
プレイグニッションが発生する点火時期は、絶縁碍子の径Lに対する切り欠き両端を結ぶ長さWの割合W/Lが、0.5と0.7との間で急激に向上する。すなわち、W/Lを0.7以上とした場合、通常の点火時期とプレイグニッションが発生する点火時期までの取り差分を増大させる効果が急激に大きくなる。このため、第2態様のスパークプラグのように、Wを0.7以上とすれば、切り欠きの大きさが十分となったことで、冷却効果がさらに向上され、混合気の燃焼を一層安定させることができる。
さらに、第3態様のスパークプラグは、上記第1態様又は第2態様のスパークプラグの前記筒部の先端部を含み前記軸線方向に垂直な第一断面における、前記切り欠きの両端と当該筒部の中心とを結ぶ直線がなす角の角度の合計は、当該第一断面における当該筒部の両端と当該中心とを結ぶ直線がなす角の角度の合計よりも小さくするとよい。
このようにすれば、十分な混合気が切り欠きから流入し、絶縁碍子先端部の冷却性をさらに向上させることができる。
さらに、第4態様のスパークプラグは、上記第1乃至第3態様のいずれかのスパークプラグの前記筒部の先端部を含み前記軸線方向に垂直な第一断面における、前記絶縁碍子の径Lは、当該第一断面における前記切り欠きの両端を結ぶ長さWよりも短く、且つ、前記切り欠きの後端部を含み前記軸線方向に垂直な第二断面における、前記絶縁碍子の径Mは、当該第二断面における前記切り欠きの両端を結ぶ長さVよりも長くするとよい。
このようにすれば、切り欠きの先端側からは多くの混合気が流入するため、混合気による絶縁碍子の冷却性を向上させることができる。さらに、切り欠きの後端側では、筒部と絶縁碍子とが対向する面積が広くなるため、絶縁碍子から筒部への熱引きが向上する。
また、第5態様のスパークプラグは、中心電極と、前記中心電極の軸線方向に延びる軸孔を有し、その軸孔の内部で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持すると共に、内燃機関の取付部に取り付けられる主体金具と、前記主体金具の先端部に設けられ、前記主体金具が前記取付部に取り付けられた際に、前記取付部よりも先端側に突出する筒状の筒部と、一端部が前記筒部の先端に接合され、前記一端部とは反対側の他端部が前記中心電極の先端部との間に火花放電間隙を形成する接地電極とを備えたスパークプラグであって、
前記筒部には、当該筒部の内側と外側とを連通し、貫通孔からなる1つ以上の通気部が形成されている。
第5態様のスパークプラグによれば、第1態様のスパークプラグと同様な作用効果を得ることができる。また、通気部を切り欠きにより形成した場合には、接地電極の接合位置に制約が生ずるが、第5態様のスパークプラグのように、通気部を貫通孔とすれば、通気部の形成位置に関わらず接地電極を筒部に接合することができる。
さらに、第6態様のスパークプラグは、上記第5態様のスパークプラグの前記貫通孔は、前記軸線方向の長さが前記径方向の長さよりも長くするとよい。
このようにすれば、貫通孔から多くの混合気が流入するため、混合気による絶縁碍子の冷却性を向上させることができる。
さらに、第7態様のスパークプラグは、上記第1乃至第6態様のいずれかのスパークプラグの前記通気部は、前記径方向の長さが後端側程、先端側に比べ短くするとよい。
このようにすれば、切り欠きの先端側からは多くの混合気が流入するため、混合気による絶縁碍子の冷却性を向上させることができる。さらに、切り欠きの後端側では、筒部と絶縁碍子とが対向する面積が広くなるため、絶縁碍子から筒部への熱引きが向上する。
さらに、第8態様のスパークプラグは、上記第1乃至第7態様のいずれかのスパークプラグの前記筒部における前記接地電極との接合位置と、前記通気部の形成位置とが当該筒部の周方向に離間しているとよい。
第8態様のスパークプラグのように、貫通孔からなる通気部が形成された筒部であれば、筒部における通気部の形成位置と接地電極の形成位置とを筒部の周方向に離間させることが望ましい。このようにすれば、接地電極から内燃機関の取付部への主体金具を介した熱の伝導が通気部により妨げられることはないので、筒部を介した接地電極の熱引きを向上させることができる。さらに、通気部による剛性の低下した部位から離れた位置に接地電極が接合されることとなるため、振動等に対する接地電極の強度も増すことができる。
また、第9態様の内燃機関は、上記第1乃至第8態様のいずれかのスパークプラグと、前記スパークプラグを取り付ける取付部とを備えている。
第9態様の内燃機関によれば、内燃機関が備えるスパークプラグに応じて、上記第1乃至第8態様のいずれかのスパークプラグと同様な作用効果が得られる。
さらに、第10態様の内燃機関は、上記第9態様の内燃機関の前記スパークプラグは、前記取付部に取り付けられた際に、前記筒部の側面のうち、前記内燃機関の吸気口に向かう側の位置に前記通気部が形成されているとよい。
このように、筒部に通気部を設けるにあたって、筒部の側面のうち内燃機関の吸気口に向かう側の位置に通気部を形成すれば、吸気口から流入する混合気が絶縁碍子に直接当たりやすくなるため、混合気が熱を奪うことによる絶縁碍子の冷却性をより向上させることができる。
スパークプラグ100の部分断面図である。 取付部71に固定されたスパークプラグ100の火花放電間隙付近を拡大して見た一側面図である。 エンジンヘッド70の取付部71にスパークプラグ100が取り付けられた状態を示す部分破断断面図である。 取付部71に固定された第二の実施形態のスパークプラグ200の火花放電間隙付近を拡大して見た一側面図である。 通気部の有無と燃焼の安定性との関係についての評価試験2の結果を示すグラフである。 通気部の有無と燃焼の安定性との関係についての評価試験3の結果を示すグラフである。 取付部71に固定されたスパークプラグ300の火花放電間隙付近を拡大して見た一側面図である。 取付部71に固定されたスパークプラグ400の火花放電間隙付近を拡大して見た一側面図である。 軸線Oと直交する仮想第一断面S上に、軸線O方向の前方側からスパークプラグ200をみた、図4のS−S線における矢視方向断面図である。 取付部71に固定されたスパークプラグ500の火花放電間隙付近を拡大して見た一側面図である。
以下、本発明を具体化したスパークプラグの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明に係るスパークプラグの第一の実施形態であるスパークプラグ100の構造について説明する。尚、図1において、スパークプラグ100の軸線O方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
図1に示すように、スパークプラグ100は、概略、絶縁碍子10と、主体金具50と、中心電極20と、筒部60と、接地電極30と、端子金具40とから構成されている。主体金具50は、絶縁碍子10を保持する。中心電極20は、軸線O方向に延設され、絶縁碍子10の軸孔12内に保持されている。筒部60は、主体金具50の先端側に設けられている。接地電極30は、筒部60の先端面67に基端部32を溶接され、先端部31の内面33が中心電極20の先端部22を臨むように屈曲されている。端子金具40は、絶縁碍子10の後端部に設けられている。
まず、スパークプラグ100の絶縁体を構成する絶縁碍子10について説明する。絶縁碍子10は周知のようにアルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線O方向へ伸びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線O方向の略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側(図1における上側)には後端側胴部18が形成されている。鍔部19より先端側(図1における下側)には後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成され、さらにその先端側胴部17よりも先端側に、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側程縮径されており、スパークプラグ100が内燃機関1(図3参照)のエンジンヘッド70(図2参照)に取り付けられた際には、その燃焼室77(図3参照)に曝される。そして、脚長部13と先端側胴部17との間は段部15として形成されている。
次に、中心電極20について説明する。中心電極20は、インコネル(商標名)600又は601等のニッケル系合金等により略円柱状に形成され、内部に熱伝導性に優れる銅等からなる金属芯23を有している。中心電極20は、その軸線がスパークプラグ100の軸線Oと一致するように絶縁碍子10の軸孔12内の先端側にて保持されている。中心電極20の先端側は絶縁碍子10の先端部11の先端面から突出され、その突出部分は先端側に向かって径小となるように形成されている。この突出部分の先端には耐火花消耗性を向上するための貴金属チップ91が接合されており、中心電極20本体と一体となって小径の先端部22を構成している。尚、第一の実施形態では、中心電極20と一体になった貴金属チップ91を含め「中心電極」と称する。
また、中心電極20は、軸孔12の内部に設けられたシール体4及びセラミック抵抗体3を経由して、上方の端子金具40に電気的に接続されている。そして端子金具40には高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、高電圧が印加されるようになっている。
次いで、接地電極30について説明する。接地電極30は耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、インコネル(商標名)600又は601等のニッケル合金が用いられる。接地電極30は自身の長手方向の横断面が略長方形を有しており、基端部32が筒部60の先端面67に溶接により接合されている。また、接地電極30の先端部31は、一側面側が中心電極20の先端部22に対向するように屈曲され、先端部31の内面33と中心電極20の先端面21(第一の実施形態では貴金属チップ91の先端面21)との間で火花放電間隙が形成されている。
次に、主体金具50について説明する。主体金具50は、内燃機関1(図3参照)のエンジンヘッド70(図2参照)にスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具であり、絶縁碍子10を取り囲むようにして保持している。主体金具50は低炭素鋼材により形成され、工具係合部51と、ねじ部52とを備える。工具係合部51には、スパークプラグレンチ(図示外)が嵌合する。ねじ部52は、内燃機関1の上部に設けられたエンジンヘッド70の取付部71(図2参照)に螺合する雄ねじ状の形状を有する。工具係合部51とねじ部52との間には鍔状のシール部54が形成され、シール部54とねじ部52との間の位置に、エンジン内の気密漏れを防止するためのガスケット5が嵌挿されている。
主体金具50の工具係合部51より後端側には薄肉の加締め部53が設けられており、シール部54と工具係合部51との間には薄肉の座屈部58が設けられている。また、工具係合部51から加締め部53にかけての主体金具50の内周面と、内部に保持される絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には円環状のリング部材6,7が介在されており、さらに両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。そして、加締め部53の端部を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、リング部材6,7及びタルク9を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。これにより、主体金具50の内周でねじ部52の位置に形成された段部56に、絶縁碍子10の段部15が環状の板パッキン8を介して支持されて、主体金具50と絶縁碍子10とが一体にされる。このとき、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は板パッキン8によって保持される。また、座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の圧縮ストロークを稼いで気密性を高めている。
次に、図2を参照して、主体金具50の先端側に形成された筒部60について説明する。図2に示すように、主体金具50の先端側には、円筒状の筒部60が設けられている。筒部60は、スパークプラグ100がエンジンヘッド70の取付部71に固定された際に、エンジンヘッド70の内壁面から燃焼室内へ向けて突出する。そして、筒部60は、その先端面67が中心電極20の先端面21よりも後端側に位置するように形成されており、先述したように、筒部60の先端面67には接地電極30の基端部32が接合されている。そして、筒部60の外周側の側面には、筒部60の内周側の側面に貫通する貫通孔からなる通気部61が設けられている。通気部61は、軸線Oと平行な方向を短径とする楕円状の形状を有する。通気部61を径方向に見た場合、通気部61の長径は3.0mm,短径は1.5mmであり、筒部60と接地電極30との接合位置に対して、筒部60の周方向に離間した位置に形成されている。尚、筒部60の周方向は、軸線O方向に直交する方向である。
次に、図3を参照して、エンジンヘッド70に固定されたスパークプラグ100における通気部61の形成位置と、内燃機関1の吸気口73との位置関係について説明する。図3に示すように、シリンダー75の軸線方向に沿って上下動するピストン76を備える内燃機関1において、吸気口73から燃焼室77に入った混合気は、排気口74に向けて流れる流路を形成する。スパークプラグ100が取付部71に取り付けられた状態において、主体金具50の筒部60や火花放電間隙は、その流路上に配置される。また、主体金具50のねじ部52に設けられたねじ山の開始位置55は、スパークプラグ100の固定時に取付部71の当接位置72と当接する。エンジンヘッド70に対するスパークプラグ100の締め付け終了時における両者の相対的な向き(角度位相)は、開始位置55と当接位置72とを規定することにより定められる。そして、スパークプラグ100がエンジンヘッド70の取付部71に固定された際に、筒部60の外周面のうち、内燃機関1の吸気口73に向かう側(図3において紙面右側)となる位置に、通気部61は形成されている。尚、上記したエンジンヘッド70に対するスパークプラグ100の締め付け終了角度位相の固定方法は一例であり、これに限定するものではない。
以上説明した第一の実施形態のスパークプラグ100によると、吸気口73から燃焼室内へ流入する混合気が通気部61を通って筒部60の内側へ入り込み、通気部61に面した絶縁碍子10の表面に当たる。このため、混合気によって熱が奪われて絶縁碍子10が冷却される。従って、プレイグニッション(過早点火)の発生が抑制される。一方で、通気部61に面していない絶縁碍子10の表面に、混合気が直接当たることが筒部60によって妨げられる。そして、筒部60によって絶縁碍子10の表面に直接当たる混合気の量を適度に制限することができれば、絶縁碍子10の表面へのカーボンの付着を低減することができ、ひいては所謂「くすぶり」の発生を抑制することができる。
さらに、筒部60における接地電極30との接合位置に対して筒部60の周方向に離間する位置に通気部61を設けたことにより、通気部61によって剛性の低下した筒部60の部位から離れた位置に接地電極30を接合することができる。このため、振動や衝撃に対する耐久性を向上させることができる。加えて、接地電極30から主体金具50の後端側への熱の伝導が通気部61により妨げられることがないので、筒部60を介した接地電極30の熱引きを向上させることができる。また、スパークプラグ100が内燃機関1に取り付けられた際に、筒部60の外周面のうち、内燃機関1の吸気口73に向かう側となる位置に通気部61を形成したことで、混合気が通気部61を通って絶縁碍子10に当たりやすくでき、冷却効果を増すことができる。
次に、本発明に係るスパークプラグの第二の実施形態であるスパークプラグ200の構造について、図4を参照して説明する。尚、第二の実施形態のスパークプラグ200は、第一の実施形態のスパークプラグ100の通気部61とは異なる形状の通気部261を設けたものである。従って、ここではスパークプラグ200の主体金具250における筒部260に設けられた通気部261の形状について説明し、その他の部位の構造については第一の実施形態と同じであるため、同一の符号を付して説明を省略又は簡略化するものとする。
図4に示すように、第二の実施形態のスパークプラグ200における主体金具250の先端側には、第一の実施形態の主体金具50と同様に円筒状の筒部260が設けられている。スパークプラグ200がエンジンヘッド70の取付部71に取り付けられると、筒部260はエンジンヘッド70の内壁面から燃焼室内へ向けて突出する形態となる。また、筒部260の先端面267には接地電極30の基端部32が接合されている。そして、筒部260には、接地電極30との接合位置に対して筒部260の周方向に離間した位置に、高さ(軸線Oと平行な方向)が2.5mm,幅が5.0mmである側面視コの字型の切り欠きからなる通気部261が形成されている。通気部261の内面と、筒部260の内周面とがなすエッジ(稜角部分)はR面取りされておらず、角が尖っている。また、第一の実施形態のスパークプラグ100における通気部61と同様に、スパークプラグ200がエンジンヘッド70の取付部71に固定された際に、筒部260の外周面のうち、内燃機関1(図3参照)の吸気口73(図3参照)に向かう側(図3において紙面右側)の位置に、通気部261は形成されている。また、スパークプラグ200には、筒部260の外周面のうち、内燃機関1の排気口74(図3参照)に向かう側(図3において紙面左側)の位置にも、通気部261が形成されている。
このような構成のスパークプラグ200では、混合気は、内燃機関1の駆動時に吸気口73から燃焼室77へ入り、排気口74へ向かって流れる。このとき、混合気は、混合気の流路上に配置される筒部260の通気部261を通って筒部260の内側へ入り込み、通気部261に面した絶縁碍子10の表面16に当たる。このため、絶縁碍子10は混合気に熱を奪われて冷却される。また、通気部261の内面と、筒部260の内周面とがなすエッジは角が尖っているため、通気部261を形成することで、このエッジ付近の電界強度は増すことになる。すると、スパークプラグ200の汚損に伴い横飛火が発生する状況となった場合でも、火花はエッジへ飛火するため、絶縁碍子10の後端側の奥部で生じ得る奥飛火の発生が抑制されると共に、絶縁碍子10の表面に付着したカーボンの清浄を行うことができる。また、混合気は通気部261を通って筒部260の内側へ流入するため、通気部261のエッジへ飛火した場合に火花が混合気に曝されやすく、容易に着火することができると共に、通気部261を通じて燃焼室77内への火炎伝播をスムーズに行うことができる。
このように構成したスパークプラグについて、実施形態の効果を確認するため、以下に示す評価試験1〜3を行った。
[実施例1]
まず、評価試験1として、通気部61,261の有無と、プレイグニッションの発生時期との関係について評価試験を行った。評価試験1では、主体金具の先端側に設けられた筒部の形状のみが異なる3つのスパークプラグA,B及びCを用意した。スパークプラグAは、筒部に通気部が形成されていない。スパークプラグBは、第一の実施形態のスパークプラグ100と同様に楕円状の貫通孔が筒部に形成されている。スパークプラグCは、第二の実施形態のスパークプラグ200と同様にコの字型の切り欠きが筒部に形成されている。そして、各スパークプラグを試験用内燃機関のエンジンヘッドに取り付けて5600rpm・全開で駆動させ、点火時期を徐々に早めながら、プレイグニッションの発生し始める時期及び発生した点火時期を測定した。尚、点火時期は、内燃機関内のピストンを動かすクランクの上死点前の角度(BTDC)によって表す。プレイグニッションの発生し始める点火時期及び発生した点火時期が遅い程、すなわち、上死点前の角度の値が大きい程、熱引きがよく熱価の高いスパークプラグといえる。これは、点火時期が進んでいる程燃焼時間が長くなり、絶縁碍子の温度が上昇しやすくなるためである。評価試験1の結果を表1に示す。尚、表1において、プレイグニッションの発生し始める点火時期を「△」にて、発生した点火時期を「▲」にて示す。
Figure 2008102842
表1に示すように、評価試験1の結果、スパークプラグAに比べて、スパークプラグBの方が、プレイグニッションの発生し始める点火時期及び発生した点火時期は共に遅く、熱引きがよいことが確認された。また、スパークプラグCは、スパークプラグA及びスパークプラグBに比べて、プレイグニッションの発生し始める点火時期及び発生した点火時期が遅く、熱引きがよいことがわかった。ここで、スパークプラグBよりもスパークプラグCの方が熱引きがよい理由として、スパークプラグCの方がスパークプラグBよりも、通気部の大きさが大きいことが挙げられる。
[実施例2]
次に、評価試験2として、通気部261の有無と、燃焼の安定性との関係について評価試験を行った。評価試験2では、実施例1と同様のスパークプラグAと、スパークプラグCとを用意した。そして、各スパークプラグを試験用内燃機関のエンジンヘッドに取り付け、燃料噴射時期と点火時期とを共に変化させて内燃機関を駆動させた。そして、失火が発生したか否かによって、安定して燃焼が行われたか否かを判定し、その判定結果を図5に示した。図5において、点火時期及び燃料噴射時期は、共にクランクの上死点前の角度(BTDC)によって表し、斜線部分がスパークプラグAの安定燃焼エリアを、複数の点により網掛けされた部分がスパークプラグBの安定燃焼エリアをそれぞれ示す。尚、図5において、横軸に示すクランクの上死点前の角度が小さい程、燃料噴射時期が遅くなり、縦軸に示すクランクの上死点前の角度が大きい程、点火時期が早くなる。従って、図5に示すグラフの左上に近づく程、燃料を噴射してから点火が行われるまでの時間が短くなり、混合気内の燃料の霧化が不十分となりやすいため、所謂「くすぶり」の状態となりやすい。
図5に示すように、この評価試験の結果、スパークプラグAに比べて、スパークプラグCの方が、安定燃焼エリアが広いことが確認できた。特に、スパークプラグCでは、「くすぶり」の状態となりやすい、図5における左上に近いエリアで燃焼の安定性がスパークプラグAに比べ増している。これは、筒部に通気部が形成されていることにより、横飛火が発生する状況となった場合であっても、通気部を設けることで形成されるエッジへ火花が飛火し、混合気への着火が行われることによる。
[実施例3]
次に、評価試験3として、仮想第一断面における絶縁碍子の径Lに対する切り欠きの幅Wの割合W/L(%)と、プレイグニッションの発生時期との関係について評価試験を行った。ここで仮想第一断面、仮想第一断面における絶縁碍子の径L,及び切り欠きの幅Wについて、図4のスパークプラグ200を例に説明する。図4において、仮想第一断面Sは、筒部260の先端部を含み、軸線O方向に垂直な断面である。また図4において、仮想第1断面Sにおける絶縁碍子10の径をLで示し、仮想第1断面Sにおける通気部261(切り欠き)の両端を結ぶ長さをWで示している。評価試験3では、以上のようにしてW及びLを求め、割合W/L(%)のみが異なる6つのスパークプラグを用意した。具体的には、W/L(%)が、0%(切り欠き無し),30%,50%,70%,90%,110%のスパークプラグを用いて、評価試験1と同様の評価試験を行った。評価試験3の結果を、図6に示す。図6では、プレイグニッションが発生した点火時期を、クランクの上死点前の角度(BTDC)によって表している。
図6に示すように、評価試験3の結果、割合W/L(%)が大きくなるに従い、割合W/L(%)が小さい場合に比べ、クランクの上死点前の角度(BTDC)が大きくなり、熱引きがよいことが確認された。特に、W/L(%)が、50%と70(%)との間で、クランクの上死点前の角度(BTDC)が急激に大きくなっていた。このため、W/Lを70(%)以上とした場合には、切り欠きを設けることによる効果を一層高めることができることが確認された。
尚、本発明は上記各実施の形態に限られず、様々な形態で実施可能である。例えば、以下に示す変形を適宜加えてもよい。以下、図7乃至図10を参照して、上記実施の形態の変形例について説明する。尚、図7乃至図10において、第一及び第二の実施形態と同様の構成を有する場合には、同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
図7に示す変形例1は、主体金具における筒部に設けられた通気部の形状と数が第一の実施形態と異なり、その他の構成は第一の実施形態と同様である。具体的には図7に示すように、変形例1のスパークプラグ300は、主体金具350の先端側に設けられた筒部360に、高さ(軸線Oと平行な方向)が2.5mm,幅が1.0mmである軸線O方向に長い長方形状の貫通孔である8つの通気部361を穿設している。変形例1では、通気部361の軸線O方向の長さが径方向の長さよりも長いため、通気部361から多くの混合気が流入し、混合気による絶縁碍子10の冷却性を向上させることができる。また、変形例1のように、貫通孔又は切り欠きからなる通気部は、複数設けてもよい。通気部は、少なくとも内燃機関の吸気口に向かう側の位置に設けられることが好ましい。したがって、第二の実施形態のスパークプラグ200(図4参照)のように、筒部の外周面のうち、内燃機関の吸気口に向かう側の位置に加え、内燃機関の排気口に向かう側の位置にも通気部を設けてもよい。このようにした場合にも、混合気が通気部を通って絶縁碍子近傍に流れ込む流路を設けることができ、混合気の吹き抜けによる絶縁碍子の冷却効果を良好に得ることができる。
次に、図8に示す変形例2では、主体金具における筒部に設けられた通気部の形状が第二の実施形態と異なり、その他の構成は第二の実施形態と同様である。変形例2のスパークプラグ400は、通気部461が径方向の長さが後端側程、先端側に比べ短くなっている。具体的には、図8に示すように、主体金具450の先端側に設けられた筒部460に、高さ(軸線Oと平行な方向)が2.5mm,先端側の幅が5.0mm,後端側の幅が3.0mmである側面視略台形状の切り欠きである通気部(切り欠き)461を形成している。このように、貫通孔又は切り欠きからなる通気部の形状及び大きさは適宜変更が可能である。通気部が切り欠きである場合、切り欠きの側面形状は、スパークプラグ400のように、径方向の長さが後端側程、先端側に比べ短くするのが好ましい。また、スパークプラグ400のように、先端部を含み軸線O方向に垂直な仮想第一断面Sにおける、絶縁碍子10の径Lは、仮想第一断面Sにおける通気部461の両端を結ぶ長さWよりも短く、且つ、通気部461の後端部を含み軸線O方向に垂直な仮想第二断面Tにおける、絶縁碍子10の径Mは、仮想第二断面Tにおける通気部461の両端を結ぶ長さVよりも長くすると好ましい。これらのようにした場合には、通気部461の先端側からは多くの混合気が流入するため、混合気による絶縁碍子10の冷却性を向上させることができる。さらに、通気部461の後端側では、筒部と絶縁碍子10とが対向する面積が広くなるため、絶縁碍子10から筒部への熱引きが向上する。径方向の長さが後端側程、先端側に比べ短する場合の通気部の形状としては、任意の形状を採用可能である。例えば、変形例2のような側面視略台形状の他、三角形、しずく形が挙げられる。
尚、切り欠きからなる通気部を設ける際は、筒部を先端側から見たときに、切り欠きである通気部が形成された部分が、切り欠きが形成されていない部分よりも少ないことが好ましい。換言すれば、軸線O方向に垂直な仮想第一断面Sにおける、切り欠きの両端と筒部の中心とを結ぶ直線がなす角の角度の合計は、仮想第一断面Sにおける筒部の両端と筒部の中心とを結ぶ直線がなす角の角度の合計よりも小さくするのが好ましい。ここで、図4に示すスパークプラグ200を例に、軸線O方向に垂直な仮想第一断面Sにおける切り欠きの両端と筒部の中心とを結ぶ直線がなす角と、仮想第一断面Sにおける筒部の両端と筒部の中心とを結ぶ直線がなす角との関係について、図9を参照して説明する。図9において、筒部260の中心をPで示している。また、仮想第一断面Sにおける筒部260の両端と中心Pとを結ぶ直線がなす角を角αで示している。このように、仮想第一断面Sにおける筒部260の両端と中心Pとを結ぶ直線がなす角とは、仮想第一断面Sにおける筒部260の両端と中心Pとを結ぶ直線がなす角のうち、筒部260と対向する角を言う。同様に、図9において、仮想第一断面Sにおける切り欠き261の両端と中心Pとを結ぶ直線がなす角を角βで示している。角βは鋭角であり、角βの合計は、角αの角度の合計よりも小さい。このように、仮想第一断面Sにおける筒部260の形成範囲と、切り欠き261の形成範囲とを規定すれば、十分な混合気が切り欠き261から流入し、絶縁碍子10先端部の冷却性をさらに向上させることができる。
尚、スパークプラグ200のように、仮想第一断面Sにおける切り欠き261の両端を、切り欠き261の内周側の両端とするか、外周側の両端とするかによって、角βの角度が異なる場合がある。前述のように、仮想第一断面Sにおける筒部260の形成範囲と、切り欠き261の形成範囲とを上記のように規定するのが好ましいのは、切り欠き261を介して十分な混合気を中心P側へ流入させることができるからである。よって、仮想第一断面Sにおける切り欠き261の両端を内周側の両端とするか、外周側の両端とするか、又は内周の端部と外周側の端部とを組み合わせるかは、混合気の流入を考慮して適宜定めればよい。筒部の両端についても同様である。
次に、図10に示す変形例3では、通気部の形状、絶縁碍子の先端側の形状、中心電極の先端側の形状、及び接地電極の数が第一の実施形態と異なり、他の構成は第一の実施形態と同様である。具体的には、変形例3のスパークプラグ500は、図9に示すように、主体金具550の先端側に設けられた筒部560の先端面567に、形状及び大きさが同じである4つの接地電極を接合している。詳細には、紙面左側に接地電極530が、手前側に接地電極535が、紙面右側に接地電極537が、そして、図示しないが、紙面奥側にも接地電極がそれぞれ設けられている。そして、絶縁碍子510に保持された中心電極520の先端部522と、4つの接地電極との間でそれぞれ火花放電間隙が形成される。スパークプラグ500における筒部560の外周面には、軸線Oと平行な方向を短径とし、長径が2.0mm,短径が1.5mmである楕円状の通気部561が2つ穿設されている。このように、本発明は多極プラグにも適用することができ、この場合の通気部の形状、大きさ、及び数は任意に設定することができる。
また、第一の実施形態では、図3に示すように、開始位置55と、当接位置72とを規定することで、取付部71に対するスパークプラグ100の締め付け終了時の角度位相を定めている。しかし、スパークプラグ100の固定時の角度位相を他の方法で定めることもできる。例えば、主体金具にねじ山が設けられていない、所謂ねじ無しプラグを用いる方法がある。ねじ無しプラグは、内燃機関に穿設されたプラグ取付孔に挿入された状態で、プラグ固定具により先端側へ向けて押圧されると共に、このプラグ固定具がねじ止め等によりエンジンヘッドに固定されることで内燃機関に組みつけられる。ねじ無しプラグであれば、プラグ取付孔にねじ無しプラグを挿入する時点で、適切な角度位相を容易に決定することができる。
また、第一の実施形態では筒部60にねじ山は形成されていないが、ねじ部52の軸線O方向の長さをそのまま延長させることで、スパークプラグをエンジンヘッド70に取り付ける時にエンジンヘッド70の内壁面からねじ部52の一部を突出させる構成としてもよい。すなわち、筒部60にねじ山が形成されているスパークプラグであっても本発明の適用が可能である。また、第一及び第二の実施形態では、スパークプラグがエンジンヘッド70の内壁面に対して垂直に固定されているが、内壁面に対して斜めに固定される形態のスパークプラグであっても本発明を適用できる。
以上説明した本発明を例示した実施形態及び変形例は、いずれも筒部に形成された通気部が等間隔に同形状のものとされていたが、これに限られず、筒部に形成される通気部の大きさを異ならせたものとしてもよい。前述の通り、接地電極の熱引きの面では、接地電極が接合される部位の近傍には通気部が存在しない方が好ましい。従って、筒部の周方向にわたって通気部を形成する場合、接地電極が接合されている部位から離れるにしたがって、通気部の開口面積が大きくなるように構成してもよい。また、絶縁碍子の冷却効果の観点からは、スパークプラグが内燃機関に取り付けられるときは、開口面積が大きくされた通気部側が燃焼室の吸気口を臨むようにすることが望ましい。

Claims (10)

  1. 中心電極と、
    前記中心電極の軸線方向に延びる軸孔を有し、その軸孔の内部で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、
    前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持すると共に、内燃機関の取付部に取り付けられる主体金具と、
    前記主体金具の先端部に設けられ、前記主体金具が前記取付部に取り付けられた際に、前記取付部よりも先端側に突出する筒状の筒部と、
    一端部が前記筒部の先端に接合され、前記一端部とは反対側の他端部が前記中心電極の先端部との間に火花放電間隙を形成する接地電極と
    を備えたスパークプラグであって、
    前記筒部には、当該筒部の内側と外側とを連通し、切り欠きからなる1つ以上の通気部が形成されたことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記筒部の先端部を含み前記軸線方向に垂直な第一断面における、前記絶縁碍子の径をLとしたときに、当該第一断面における前記切り欠きの両端を結ぶ長さWは、0.7L以上であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記筒部の先端部を含み前記軸線方向に垂直な第一断面における、前記切り欠きの両端と当該筒部の中心とを結ぶ直線がなす角の角度の合計は、当該第一断面における当該筒部の両端と当該中心とを結ぶ直線がなす角の角度の合計よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記筒部の先端部を含み前記軸線方向に垂直な第一断面における、前記絶縁碍子の径Lは、当該第一断面における前記切り欠きの両端を結ぶ長さWよりも短く、且つ、前記切り欠きの後端部を含み前記軸線方向に垂直な第二断面における、前記絶縁碍子の径Mは、当該第二断面における前記切り欠きの両端を結ぶ長さVよりも長いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスパークプラグ。
  5. 中心電極と、
    前記中心電極の軸線方向に延びる軸孔を有し、その軸孔の内部で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、
    前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持すると共に、内燃機関の取付部に取り付けられる主体金具と、
    前記主体金具の先端部に設けられ、前記主体金具が前記取付部に取り付けられた際に、前記取付部よりも先端側に突出する筒状の筒部と、
    一端部が前記筒部の先端に接合され、前記一端部とは反対側の他端部が前記中心電極の先端部との間に火花放電間隙を形成する接地電極と
    を備えたスパークプラグであって、
    前記筒部には、当該筒部の内側と外側とを連通し、貫通孔からなる1つ以上の通気部が形成されたことを特徴とするスパークプラグ。
  6. 前記貫通孔は、前記軸線方向の長さが前記径方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項5に記載のスパークプラグ。
  7. 前記通気部は、前記径方向の長さが後端側程、先端側に比べ短いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のスパークプラグ。
  8. 前記筒部における前記接地電極との接合位置と、前記通気部の形成位置とが当該筒部の周方向に離間していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のスパークプラグ。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のスパークプラグと、
    前記スパークプラグを取り付ける取付部と
    を備えることを特徴とする内燃機関。
  10. 前記スパークプラグは、前記取付部に取り付けられた際に、前記筒部の側面のうち、前記内燃機関の吸気口に向かう側の位置に前記通気部が形成されたことを特徴とする請求項9に記載の内燃機関。
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