JP2005183177A - スパークプラグ - Google Patents

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彰 鈴木
Yoshihiro Matsubara
佳弘 松原
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和彦 森
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Abstract

【課題】 汚損性を向上させつつ、耐熱性を向上させることができるスパークプラグを提供する。
【解決手段】 係合位置隙間Qにおける係合位置隙間量βを0.45mm未満に規定することで、汚損しやすい環境下におかれても、係合位置隙間Qへの未燃ガス侵入を確実に遮断することができ、耐汚損性を向上させることができる。また、主体金具基部56と絶縁体基部28とが近接しているので、熱価が高くなり、耐熱性が向上する。さらに、0.45mm未満の係合位置隙間Qの、板パッキン8の軸線O方向の最先端の位置を起点として、軸線O方向に延設される長さAが1.2mm以上、5mm以下に規制されるので、絶縁碍子2から主体金具1に伝わる熱量を調整することができる。したがって、プラグの熱価を調整することにより、耐熱性のみならず耐汚損性を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグに関し、詳細には、耐熱性および耐汚損性を備えたスパークプラグに関する。
従来、自動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関の着火用に使用されるスパークプラグにおいて、エンジンヘッドの燃焼室内では、ガソリンと空気とが短時間で混合・燃焼されるため、不完全燃焼が生じやすく、スパークプラグの絶縁体の先端側には、カーボンなどが付着し、くすぶり汚損の原因となっていた。カーボンは、電流をよく通すため、これがスパークプラグの絶縁体の先端側に大量に付着すると、そのカーボンに電流が流れてしまう。すると、スパークプラグの先端では火花が飛ばず、カーボンが付着した別の場所で火花が飛ぶリーク(漏電)現象が発生する。一方、このカーボンは、約520℃以上になると、全て焼け切れる性質を有する。したがって、高速および低速走行に関わらず、約520℃位までは一気に温度が上昇し、カーボンを自身で焼き切る自己清浄機能を有するスパークプラグが一般的に利用されている。
しかし、スパークプラグの先端温度が所定温度以上(例えば、約1100℃以上)になると、過熱されたスパークプラグの先端(例えば、絶縁体)が熱源となり、スパークプラグの点火前に自然に燃焼し始めるプレイグニション(過早着火)が発生する。そのため、スパークプラグの先端が、少なくとも950℃以上にならないように、従来のスパークプラグは、熱価(熱放散性)が適切に調整されている。
また、このようなスパークプラグの構造において、先端側にスパーク(火花)を発生させる中心電極を先端側から突出させて内挿する略筒状の絶縁体が、略筒状の主体金具の内側に嵌め込まれている。そして、絶縁体の先端側の径は、軸線方向の中間部の径より細くなっており、その段差部が、主体金具の内部に設けられた段差部に係合するようになっている。従来は、この絶縁体と主体金具との間隙は、絶縁体の汚損時に、この隙間にて飛び火が発生するのを極力避けるため、間隙の幅長を広くすることが有効であると考えられていた。しかし、間隙の幅長を広くすると、主体金具の外径が大きくなるため、スパークプラグ自体が大型化してしまい、エンジンヘッドへの取り付けスペースに嵌らなくなってしまう。さらに、絶縁体側から主体金具側への熱伝導性(熱引き)が低下するため、プレイグニションが発生する可能性が高くなる。そこで、絶縁体と主体金具との係合位置の隙間を所定距離以下に狭めることにより、係合位置の隙間への未燃ガスの侵入を確実に停止させ、スパークプラグのくすぶり汚損を防止することができるスパークプラグが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、自動車の燃費低減などを目的とするため、エンジンにおけるリーンバーン(希薄燃焼)などの開発が進められ、このようなリーンバーンのエンジン状態では、スパークプラグを確実に着火させなければならず、プラグの点火電圧を高めなければならない。そこで、主体金具の内側に、絶縁体を係合させるための段差部を設け、この段差部の角部に対向する絶縁体の先端側の絶縁体の形状を、絶縁体の段部と脚部との接合部における肉厚以上の厚さにすることにより、主体金具の段差部の角部に対向する絶縁体の脚部の電気絶縁耐力を向上させ、ピンホールの発生を抑制可能なスパークプラグも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−260817号公報 特開平6−196247号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグでは、主体金具と絶縁体との係合間隙は狭く設計され、未燃ガスの侵入を防止できるが、間隙が狭くなっている部分の、プラグの軸線方向の長さが短い場合は、絶縁体から主体金具に熱が伝わりにくくなるため、熱価が低くなり(熱放散性が低い、熱引きが悪い)、プレイグニションが発生する恐れがあるという問題点があった。さらに、特許文献2に記載のスパークプラグでは、主体金具と絶縁体とが係合する間隙の幅長は、広く調整されているため、熱価は高いが、未燃ガスの侵入を防止できず、汚損が発生しやすいという問題点があった。したがって、耐汚損性を向上させようとすると、熱価が低下してしまい、耐汚損性を向上させつつ、耐熱性(熱価)を維持するのは困難であった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、汚損性を向上させつつ、耐熱性を向上させることができるスパークプラグを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のスパークプラグでは、略筒状に形成され、軸線方向に貫通孔を有する絶縁体と、当該絶縁体の前記貫通孔の先端側に挿設される棒状の中心電極と、前記絶縁体の軸線方向の先端側を内挿して保持する略筒状の主体金具と、一端部が当該主体金具の先端に接合され、当該一端部とは反対の他端部が前記中心電極に対向し、前記他端部と前記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備え、前記絶縁体は、前記絶縁体の後端側に設けられた絶縁体後端部と、前記絶縁体の先端側に設けられ、当該絶縁体後端部の外径よりも縮径された絶縁体先端部と、前記絶縁体後端部と前記絶縁体先端部とを連結する第1絶縁体段部とから構成され、前記主体金具は、前記主体金具の後端側に設けられた主体金具後端部と、前記主体金具の先端側に設けられ、内径が当該主体金具後端部の内径よりも縮径された部分を少なくとも後端側に有する主体金具先端部と、前記主体金具後端部と前記主体金具先端部とを連結する第1主体金具段部とから構成され、前記第1絶縁体段部は、パッキンを介して前記第1主体金具段部に係合し、軸線を含む断面を見たときに、前記絶縁体先端部の外径をd1、前記主体金具先端部の内径をD1として、(D1−d1)/2<0.45mmとなる隙間の、前記絶縁体の軸線方向に平行な長さが、前記パッキンと前記主体金具段部との係合位置のうち、軸線方向の最先端側の位置を起点として前記絶縁体の先端側を+としたとき、1.2mm以上、5mm以下であることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のスパークプラグでは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記隙間の、前記絶縁体の軸線方向に平行な長さは、1.5mm以上、3mm以下であることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のスパークプラグでは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、軸線を含む断面を見たときに、前記絶縁体先端部外周面において、軸線と狭角をなし、前記絶縁体の先端側に向かって縮径する第2絶縁体段部を有し、前記狭角が10°以上であることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のスパークプラグでは、請求項3に記載の発明の構成に加え、軸線を含む断面を見たときに、前記第1絶縁体段部と前記第2絶縁体段部とを連結する絶縁体基部を有し、当該絶縁体基部は軸線方向に平行であり、前記絶縁体基部の軸線方向の長さが、1mm以上、6mm以下であることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のスパークプラグでは、請求項4に記載の発明の構成に加え、軸線を含む断面を見たときに、前記主体金具内周面において、軸線と第2狭角をなし、前記絶縁体の先端側に向かって拡径する第2主体金具段部と、前記第1主体金具段部と前記第2主体金具段部とを連結する主体金具基部とを有し、前記絶縁体基部と前記第2絶縁体段部との交点の軸線方向の位置が、前記主体金具基部と前記第2主体金具段部との交点を起点として前記絶縁体の先端側に向かう方向を+としたとき、−0.5mm以上、3mm以下であることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明のスパークプラグでは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記パッキンは、熱伝導率が200W/m・k以上の材料から形成されていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明のスパークプラグでは、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の構成に加え、少なくとも前記主体金具の前記主体金具先端部の外周面には、ネジ部が形成され、前記パッキンは、前記ネジ部の呼びがM12以下の前記主体金具の内側に配設されていることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明のスパークプラグでは、請求項7に記載の発明の構成に加え、軸線を含む断面を見たとき、前記ネジ部の軸線方向の先端から前記主体金具の先端までの長さが2.5mm以上であって、かつ前記主体金具の先端から前記パッキンと前記第1主体金具段部との係合位置のうち、軸線方向の最先端までの距離が2mm以上であることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明のスパークプラグでは、請求項1乃至8の何れかに記載の発明の構成に加え、前記中心電極は、前記中心電極の後端側に設けられた中心電極後端部と、前記中心電極の先端側に設けられ、当該中心電極後端部の外径よりも縮径された中心電極先端部と、前記中心電極後端部と前記中心電極先端部とを連結する中心電極段部とから構成され、軸線を含む断面を見たときに、前記中心電極後端部と前記中心電極段部との交点が、前記絶縁体先端部よりも軸線方向後端側に位置することを特徴とする。
請求項1に係る発明のスパークプラグでは、スパークプラグの軸線を含む断面を見たときに、絶縁体先端部の外径をd1、主体金具先端部の内径をD1として、(D1−d1)/2<0.45mmとなる隙間の、絶縁体の軸線方向に平行な長さが、パッキンと主体金具段部との係合位置のうち、軸線方向の最先端側の位置を起点として絶縁体の先端側を+としたとき、1.2mm以上であるので、絶縁体が受けた熱は速やかに主体金具に伝わる。したがって、熱引きがよくなり、耐熱性を向上させることができる。さらに、絶縁体と主体金具との係合する隙間への未燃ガス(カーボン)の侵入が確実にブロックされるので、絶縁体の先端側部分が汚損するのを防止することができ、耐汚損性を向上させることができる。また、0.45mm未満の隙間の、絶縁体の軸線方向に平行な長さが、5mm以下に調整されているので、絶縁体の先端側にカーボンが付着することによる「奥飛火」(主体金具と絶縁体の内部にて火花放電が起こる現象)が生じにくくなる。
また、請求項2に係る発明のスパークプラグでは、請求項1に記載の発明の効果に加えて、スパークプラグの軸線を含む断面を見たときに、絶縁体先端部の外径をd1、主体金具先端部の内径をD1として、(D1−d1)/2<0.45mmとなる隙間の、絶縁体の軸線方向に平行な長さが、1.5mm以上、3mm以下であるので、絶縁体と主体金具との係合する隙間への未燃ガスの侵入をさらに確実に防止できるので、絶縁体の先端側部分が汚損するのを確実に防止することができ、かつ、絶縁体の先端側にカーボンが付着することによる奥飛火がさらに生じにくくなる。
また、請求項3に係る発明のスパークプラグでは、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、絶縁体先端部の外周面において、軸線と第2絶縁体段部とがなす狭角が10°以上であるので、主体金具先端側と絶縁体先端側との隙間の空間を広く確保することができる。したがって、絶縁体の先端側にカーボンが付着することによる奥飛火がさらに生じにくくなる。
また、請求項4に係る発明のスパークプラグでは、請求項3に記載の発明の効果に加えて、絶縁体先端部に設けられた絶縁体基部は、軸線に平行であり、かつその長さが、1mm以上、6mm以下であるので、絶縁体の軸線方向の先端部から、パッキンまでの距離で形成される脚長が調整される。したがって、絶縁体基部から主体金具の内周面に放散される熱量が調整され、熱価(熱放散性)を適正に調整することができる。
また、請求項5に係る発明のスパークプラグでは、請求項4に記載の発明の効果に加えて、スパークプラグの軸線方向を含む断面を見たときに、絶縁体基部と第2絶縁体段部との交点の軸線方向の位置が、主体金具基部と第2主体金具段部との交点から、絶縁体の先端側に向かう方向を+としたときに、−0.5mm以上、3mm以下であるので、過熱された絶縁体から主体金具への熱放散量を十分確保することができる。したがって、絶縁体基部から主体金具基部に伝わる主体金具基部の内周面の面積を十分確保することができるので、絶縁体から主体金具への熱放散量が十分確保され、スパークプラグの耐熱性を向上させることができる。また、絶縁体と主体金具との係合する隙間への未燃ガスの侵入をさらに確実に防止できるので、絶縁体の先端側部分が汚損するのを確実に防止することができ、かつ、絶縁体の先端側にカーボンが付着することによる奥飛火がさらに生じにくくなる。
また、請求項6に係る発明のスパークプラグでは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の効果に加えて、パッキンは、熱伝導率が200W/m・k以上の材料から形成されているので、過熱された絶縁体の熱は、パッキンを介して主体金具に放散される。したがって、スパークプラグの耐熱性を向上させることができる。
また、請求項7に係る発明のスパークプラグでは、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の効果に加えて、熱伝導率の高いパッキンはネジ部の呼びがM12以下の主体金具の内側に配設される。したがってネジの呼びが大きいスパークプラグに比べ、ネジの呼びが小さいスパークプラグの方が、プラグ先端部の温度上昇が早いため、パッキンにおける熱引きの効果を大きく得ることができる。
また、請求項8に係る発明のスパークプラグでは、請求項7に記載の発明の効果に加えて、軸線を含む断面を見たときに、ネジ部の軸線方向の先端から主体金具の先端までの長さが2.5mm以上であるので、主体金具の先端側が、エンジンヘッドの燃焼室内に突出する形となる。これにより、主体金具の先端側が過熱される恐れがある。しかし、主体金具の先端からパッキンの軸線方向の最先端までの距離が2mm以上とすることで、耐熱性が向上する。
また、請求項9に係る発明のスパークプラグでは、請求項1乃至8の何れかに記載の発明の効果に加えて、中心電極後端部と中心電極段部との交点が、絶縁体先端部よりも軸線方向後端側に位置するので、中心電極後端部と中心電極段部とが接する部分に形成されるエッジ部を、絶縁体先端部よりも軸線方向後端側に位置させることができる。したがって、中心電極先端部および中心電極段部が汚損しても、エッジ部分は絶縁体先端部の内側に埋設されているので、エッジ部分を基点として接地電極に火花が飛んで、絶縁体外周面にリークするのを防止することができる。また、中心電極先端部を細径化して、火花放電ギャップにおける電解強度を高くして、スパーク性能を向上させようとした際にも、エッジ部分に飛び火しないため、スパークプラグのリーク現象を防止することができる。
以下、本発明を適用した第1の実施形態であるスパークプラグ100について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態であるスパークプラグ100の部分縦断面図であり、図2は、図1のスパークプラグ100の先端側要部を拡大して示す部分縦断面図であり、図3は、図2の板パッキン8近傍の部分拡大図である。このスパークプラグ100は、自動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関の着火用プラグとして使用される。なお、以下の説明において、略棒状に構成されたスパークプラグ100の軸線(図1および図2に示す一点鎖線)を「軸線O」とする。さらに、図1乃至図3において、図面の下方側をスパークプラグ100の先端側とし、図面の上方側をスパークプラグ100の後端側とする。
はじめに、図1を参照して、スパークプラグ100の概略構成について説明する。図1に示すように、スパークプラグ100は、略筒状の主体金具1、当該主体金具1に内挿され、主体金具1の軸線O方向の先端部から突出して保持された略筒状の絶縁碍子2、電極先端部36を突出させた状態で絶縁碍子2の貫通孔6に内挿された略棒状の中心電極3、主体金具1の軸線O方向の先端部に一端が溶接されるとともに、当該一端側とは反対の他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の電極先端部36と対向するように配置された接地電極4などにより構成されている。また、図1および図2に示すように、接地電極4と、中心電極3の電極先端部36との間には、火花放電ギャップgが形成されている。さらに、中心電極3の本体の内部には、放熱促進のためのCu(銅)あるいはCu合金などで構成された芯材33が埋設されている。さらに、絶縁碍子2の貫通孔6の後端側(図1の上端側)には、略棒状の端子金具13が挿設されている。なお、このスパークプラグ100は、中心電極3の内部に銅の芯材33が深く埋設されているので、「焼け」にも強く、使用温度範囲の広いワイドレンジ型プラグとして使用される。
次に、主体金具1について説明する。図1に示すように、主体金具1は、低炭素鋼などの金属により、略筒状に形成され、スパークプラグ100のハウジングを構成している。この主体金具1の軸線O方向の先端部側の外周面には、図示外のエンジンヘッドに取り付けるための取付ネジ部7が形成されている。この取付ネジ部7の規格の一例としては、M10,M12およびM14などが用いられる。なお、本明細書において取付ネジ部7の呼びは、ISO2705(M12)およびISO2704(M10)などに規定された値を意味し、当然に、諸規格に定められた寸法公差の範囲内での変動を許容するものとする。さらに、主体金具1の軸線O方向の後端部には、主体金具1をエンジンヘッドに取り付ける際に、スパナやレンチなどの工具を外側から係合させるための工具係合部11が形成されている。なお、この工具係合部11の軸線O方向に直交する断面は、六角形状を呈している。
また、図1および図2に示すように、主体金具1の工具係合部11よりも軸線O方向の先端側には、主体金具後端部54が形成され、当該主体金具後端部54の軸線O方向の先端側には、主体金具1の内径方向内側に凸設された主体金具基部56と、当該主体金具基部56と主体金具後端部54とを連結する第1主体金具段部55とが形成されている。さらに、主体金具基部56の軸線O方向の先端側には、主体金具後端部54と同じ内径を有する主体金具前方部58と、当該主体金具前方部58と主体金具基部56とを連結する第2主体金具段部57とが形成されている。したがって、主体金具1の工具係合部11から軸線O方向の先端側に向かって、主体金具後端部54、第1主体金具段部55、主体金具基部56、第2主体金具段部57、主体金具前方部58の順に形成されている。なお、第1主体金具段部55は、後述する絶縁碍子2の第1絶縁体段部27と係合するための主体金具側係合部位である。また、図1に示すように、主体金具1の軸線O方向の中間部には、外径方向外側に凸設された鍔部61が形成されている。そして、取付ネジ部7の軸線O方向の後端側(図1に示す上端部)近傍、即ち、鍔部61の座面62にはガスケット10が嵌挿されている。なお、本発明において、主体金具前方部58と、主体金具基部56と、第2主体金具段部57とにより、「主体金具先端部」を表している。
次に、絶縁碍子2について説明する。図1に示すように、絶縁碍子2は、中心電極3を内挿して保持するための略筒状の絶縁体である。この絶縁碍子2は、周知のようにアルミナなどを焼成して形成されている。そして、図1に示すように、絶縁碍子2の内側には、スパークプラグ100の軸線O方向に沿って、貫通孔6が形成されている。さらに、貫通孔6の軸線O方向の後端部には、略棒状の端子金具13が挿設され、その端子金具13が固定されている貫通孔6の一端側とは反対の他端側には、略棒状の中心電極3が挿設されている。この中心電極3は、インコネル(商標名)600又は601などのNi(ニッケル)系合金などからなる電極母材21を少なくとも表層部に有している。
また、貫通孔6において、挿設された端子金具13と、中心電極3との間には、抵抗体15が配設されている。さらに、この抵抗体15の、軸線O方向の両端部(先端部および後端部)には、導電性ガラスシール層16,17が各々配設されている。そして、それらを介して中心電極3と端子金具13とが互いに電気的に接続されている。なお、これらの抵抗体15と導電性ガラスシール層16,17とが、焼結導電材料部を構成している。なお、この抵抗体15は、ガラス粉末と導電材料粉末(および必要に応じてガラス以外のセラミック粉末)との混合粉末を原料とする抵抗体組成物として構成されている。また、端子金具13の軸線O方向の後端部には、高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、高電圧が印加されるようになっている。
さらに、図1に示すように、絶縁碍子2の軸線O方向の中間部には、絶縁碍子2の外周面より外径方向外側に向かって突出する突出部23がフランジ状に形成されている。そして、図1および図2に示すように、絶縁碍子2の軸線O方向において、中心電極3の火花放電ギャップgに向かう側を前方側として、突出部23よりも軸線O方向の後端側には、絶縁体後方部24が形成されている。一方、突出部23よりも前方側には、絶縁体後端部26が形成されている。そして、絶縁体後端部26の軸線O方向の先端側には、絶縁体後端部26の外径よりも縮径された絶縁体基部28と、当該絶縁体基部28と絶縁体後端部26とを連結し、周方向段部を形成する第1絶縁体段部27が形成されている。さらに、絶縁体基部28よりも軸線O方向の先端側には、絶縁体基部28よりもさらに縮径され、軸線O方向先端側に向かって細径化された絶縁体縮径部30と、当該絶縁体縮径部30と絶縁体基部28とを連結し、周方向段部を形成する第2絶縁体段部29とが形成されている。なお、本発明において、絶縁体縮径部30と、絶縁体基部28と、第2絶縁体段部29とにより、「絶縁体先端部」を表している。
そして、図1に示すように、絶縁碍子2は、主体金具1の軸線O方向の後端側(図1の上方側)の開口部から挿入され、絶縁碍子2の第1絶縁体段部27が、主体金具1の第1主体金具段部55に係合するようになっている。この絶縁碍子2の第1絶縁体段部27は、主体金具1の第1主体金具段部55に係合するための絶縁碍子側係合部となっている。さらに、図1および図2に示すように、主体金具1の第1主体金具段部55と、第1絶縁体段部27との間には、略リング状の板パッキン8が配設されている。そして、第1絶縁体段部27と、第1主体金具段部55とが、板パッキン8を介して係合することにより、絶縁碍子2の軸線O方向の抜き止めがなされている。また、主体金具1の軸線O方向の後端側の開口部内面と、絶縁碍子2の外周面との間には、突出部23の後方側周縁と係合する略リング状のパッキン41が配置されている。そして、そのさらに後方側には(図1の上方側)タルクなどの充填層9を介して略リング状のパッキン42が配置されている。そして、絶縁碍子2を主体金具1の軸線O方向の先端側に向けて押し込み、その状態で主体金具1の開口周縁部をパッキン42に向けて加締めることにより、加締め部12が形成され、主体金具1が絶縁碍子2に対して固定されている。
また、図1に示すように、絶縁碍子2の突出部23よりも軸線O方向後端側の外周面には、絶縁碍子2の軸線を含む段面が波打ち形状を有するコルゲーション部40が形成されている。このコルゲーション部40は、絶縁碍子2の外周面に波打ち形状を設けて、絶縁碍子2の外周面の表面積を広くする。したがって、例えば、絶縁碍子2の外周面を伝わってリークした電気が流れ、漏電(リーク現象)が生じたときでも、絶縁碍子2の外周面を伝わるうちに消尽するため、漏電防止の効果が得られる。
次に、接地電極4について説明する。接地電極4は、耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、インコネル(商標名)600又は601などのNi合金が用いられている。この接地電極4は、自身の長手方向と直交する横断面が略長方形であり、屈曲された角棒状の外形を呈している。そして、図1に示すように、角棒状の一端部が、主体金具1の軸線O方向の先端側の一端部の接合部60に溶接などにより接合されている。一方、この接地電極4の先端部(一端部とは反対の他端部)は、中心電極3の電極先端部36と当該中心電極3の軸線O方向に対向するよう側方に折り返され、中心電極3と接地電極4との対向面の隙間に火花放電ギャップgが形成されている。
次に、絶縁碍子2と主体金具1との係合位置隙間量βについて、図2および図3を参照して説明する。図2および図3に示すように、絶縁碍子2の外周面(隙間形成外周面)と、主体金具1の内周面(隙間形成内周面)との間において、板パッキン8よりも軸線O方向の先端側には、係合位置隙間Qが形成されている。そして、第1の実施形態のスパークプラグ100において、隙間形成外周面の外径(絶縁体先端部の外径)をd1、隙間形成内周面の内径(主体金具先端部の内径)をD1と定義したときに、
β=(D1−d1)/2
にて表される係合位置隙間量βにおいて、
β<0.45(mm)
と調整された係合位置隙間量βを、係合位置隙間Qにおいて所定の長さ(軸線O方向に平行な長さ:後述する長さA)を確保している。
このため、例えば、プレデリバリ時などの汚損の生じやすい使用環境下におかれた場合、係合位置隙間Qへの未燃ガスの侵入を確実に遮断することができる。すると、係合位置隙間Q内において、絶縁碍子2の表面に、カーボンなどが付着して汚損するのを防止できる。また、図2および図3に示すように絶縁体基部28と主体金具基部56とが0.45mm未満に近接しているため、過熱された絶縁碍子2の熱は、絶縁体基部28から、係合位置隙間Qを介して、主体金具1の主体金具基部56に伝わりやすい。したがって、スパークプラグ100の熱引きが効率よくおこなわれ、スパークプラグ100の耐熱性を向上させることができる。さらに、係合位置隙間Qが近接して調整されることで、スパークプラグ100を小型にすることもできる。なお、この係合位置隙間Qにおける係合位置隙間量βの調整の効果の確認については、後述する。
次に、係合位置隙間Qの、係合位置隙間量βを確保する長さAについて、図2および図3を参照して説明する。図2に示すように、係合位置隙間Qにおいて、0.45mm未満に調整された係合位置隙間量βを確保する長さAは、スパークプラグ100の軸線O方向先端側に向かって1.2mm以上、5mm以下(好ましくは、1.5mm以上、3mm以下)に調整されている。ここで、この係合位置隙間Qの、係合位置隙間量βを確保する長さAの起点は、図3に示す板パッキン8のJ部とされている。このJ部は、図3に示すように、第1絶縁体段部27と第1主体金具段部55とに挟まれ、押しつぶされた板パッキン8の外縁のうち、スパークプラグ100の軸線O方向の最先端側に位置する点として定義される。なお、J部を起点とする係合位置隙間Qは、軸線O方向の先端側に向かうにしたがって、径方向の長さが広くなっている。
こうして、図2に示すように、この係合位置隙間Qの、係合位置隙間量βを確保する長さAが、1.2mm以上、5.0mm以下(好ましくは、1.5mm以上、3mm以下)に調整されているため、過熱された絶縁碍子2の熱は、0.45mm未満の係合位置隙間Qを介して効率よく、主体金具基部56に伝えられる。例えば、0.45mm未満の係合位置隙間量βを確保する長さAが、1.2mmより短い場合は、絶縁体基部28から放散される熱は、係合位置隙間Qを介して、主体金具1の内周面には十分伝わりにくい。したがって、スパークプラグ100の熱引きは悪くなり、プラグ先端部の温度が高温になり、プレイグニションを引き起こす可能性が高くなる。逆に、0.45mm未満の係合位置隙間量βを確保する長さAが5.0mmより長い場合は、第2絶縁体段部29が、先端側に位置することにより、係合位置隙間量βがより小さい係合位置隙間Qの先端側に位置することとなる。すると、係合位置隙間Qを介して、主体金具1と絶縁碍子2との間にて火花放電する奥飛火が起こりやすくなってしまう。したがって、0.45mm未満の係合位置隙間量βを確保する長さAが、1.2mm以上、5.0mm以下(好ましくは、1.5mm以上、3mm以下)に調整されることで、耐汚損性に優れ、かつ耐熱性に優れたスパークプラグ100を製造することができる。なお、この係合位置隙間Qの、係合位置隙間量βを確保する長さAの調整の効果の確認については、後述する。
次に、絶縁碍子2の絶縁体基部28と、第2絶縁体段部29とがなす角度θについて説明する。図2および図3に示すように、軸線Oを含む断面を見たときに、絶縁碍子2の絶縁体基部28の外周面を軸線O方向の先端側に延設されて形成される仮想平面と、第2絶縁体段部29の外周面とのなす角度をθと定義する。ここで、絶縁体基部28の外周面は、軸線O方向と平行であるので、角度θは軸線Oと第2絶縁体段部29の外周面とのなす角度を間接的に表している。そして、第1の実施形態のスパークプラグ100において、この角度θは10°以上に調整されている。この角度θが10°以上に調整されることにより、主体金具前方部58の内周面と、絶縁体縮径部30の外周面とにできる隙間の空間を広く確保できる。したがって、主体金具1と絶縁碍子2との間で火花放電する奥飛火を防止することができる。一方、角度θが10°未満に調整されると上記効果を得ることができない。なお、絶縁碍子2の絶縁体基部28の外周面を軸線O方向の先端側に延設されて形成される仮想平面と、第2絶縁体段部29の外周面とがなす角度θの調整の効果の確認については、後述する。
次に、絶縁体基部28の軸線O方向の長さZについて説明する。図1および図2に示すように、絶縁碍子2の第1絶縁体段部27の軸線O方向の先端側には、絶縁体基部28が形成されている。そして、図2に示すように軸線Oを含む断面をとったときに、絶縁体基部28の外周面は、軸線Oに対して平行に延設されている。さらに、この軸線Oに平行な絶縁体基部28の外周面の、軸線O方向の長さをZと定義したときに、第1の実施形態のスパークプラグ100では、絶縁体基部28の長さZは1.0mm以上、6.0mm以下に調整されている。そのため、図2に示す絶縁碍子2の脚長Lが調整されるので、スパークプラグ100の熱価(熱放散性、熱引き)が調整され、耐熱性および耐汚損性を向上させることができる。例えば、絶縁体基部28の長さZが6.0mmを超えてしまうと、絶縁碍子2の先端側にカーボンが付着することによる奥飛火が生じやすくなる。さらに、長さZが、1.0mm未満になってしまうと、プラグ先端部の温度が高温に上昇し、耐汚損性は増大するが、熱引きが悪くなる(熱価が低下する)ため、耐熱性が大きく損なわれる。なお、絶縁体基部28の長さZの調整の効果の確認については、後述する。
次に、絶縁碍子2の絶縁体基部28の外周面と、主体金具1の主体金具基部56の内周面との相対位置について説明する。まず、図2および図3に示すように、軸線Oを含む断面を見たときに、主体金具1の主体金具基部56の内周面と第2主体金具段部57の内周面との交点を交点Eとし、絶縁碍子2の絶縁体基部28の外周面と第2絶縁体段部29の外周面との交点を交点Fと定義する。さらに、図2に示すように、絶縁碍子2の軸線O方向の先端部から、点Eまでの軸線O方向に平行な距離をYmmとし、絶縁碍子2の軸線O方向の先端部から点Eまでの軸線O方向に平行な距離をXmmとする。そして、交点Eと交点Fとの、軸線O方向に平行な距離を、(Y−X)mmとして定義する。そして、このように交点E、交点F、長さX、長さYおよび距離(Y−X)を定義したときに、距離(Y−X)は、−0.5mm以上、3mm以下の範囲内に調整される。
このように、距離(Y−X)が、−0.5mm以上、3mm以下に調整されることで、過熱された絶縁碍子2から、主体金具1側に伝熱する伝熱量が適切に調整される。例えば、距離(Y−X)が、マイナス側に大きい値をとった場合、交点Fが、交点Eよりも上方側(図2に示す上方側)に位置するため、主体金具1の主体金具基部56に対向する絶縁碍子2の絶縁体基部28の外周面の面積が狭められ、スパークプラグ100の熱引きが悪くなる。そして、スパークプラグ100の軸線O方向の先端側の温度上昇により、プレイグニションが発生するなど、耐熱性が大きく損なわれる。一方、距離(Y−X)が長くなりすぎると、絶縁体基部28の軸線O方向の外周面の長さが長くなるため、絶縁碍子2の先端側にカーボンが付着する奥飛火が生じやすくなる。したがって、距離(Y−X)が、−0.5mm以上、3mm以下に調整されることで、スパークプラグ100の耐熱性が向上するとともに、耐汚損性を向上させることができる。なお、距離(Y−X)の調整の効果については、後述する。
次に、板パッキン8について、図2および図3を参照して説明する。上述したように、平面視略リング状の板パッキン8は、第1絶縁体段部27の外周面と、第1主体金具段部55の内周面との隙間に配設されている。そして、この板パッキン8の材質は、例えば銅のような熱伝導率の高い材質が使用されている。この板パッキン8の熱伝導率が高いと、絶縁碍子2の熱が、主体金具1の第1主体金具段部55に効率よく伝わるため、スパークプラグ100の熱引きがよくなり、耐熱性を向上させることができる。なお、詳細にいうと、板パッキン8の材質は、熱伝導率が200W/m・k以上となる材料であることが好ましい。また、板パッキン8の材質には、銅に限らず他の材質(例えば、アルミニウムなど)を用いてもよい。なお、この板パッキン8の材質の効果の確認については、後述する。
また、前述した高い熱伝導率を有する板パッキン8は、従来の軟鋼パッキンを使用した場合に比べ、取付ネジ部7の呼びがM12以下(例えば、M10およびM12)のスパークプラグ100の耐熱性において、特に高い効果を発揮する。これは、ネジの呼びがM12以下と小さいスパークプラグ100では、ネジの呼びがM14などのスパークプラグ100に比べ、プラグ先端部の温度上昇が早いため、熱伝導率の高い板パッキン8(例えば、銅パッキン)を使用したほうが、熱引き効果がさらに向上する。そのため、スパークプラグ100において、耐熱性向上の高い効果が得られる。なお、板パッキン8の材質と、ネジの呼びの違いとによる耐熱性の効果については、後述する。
以上説明した本発明により限定された数値の効果を確認するために、第1の実施形態のスパークプラグ100の性能試験を以下のようにして行った。次に、実施例1から実施例10の性能試験の結果について、図4乃至図13のグラフを参照して順次説明する。
(実施例1)
はじめに、係合位置隙間量βによる、スパークプラグ100のプレデリバリ試験について、図2および図4を参照して説明する。図4は、最小係合位置隙間量β’によるスパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。なお、プレデリバリ試験のテスト条件については、次の通りである。
◎プレデリバリ試験のテスト条件
・エンジン:排気量2.0L,4サイクル,DOHCエンジン
・燃料:無鉛レギュラーガソリン
・オイル:5W−30
・室温:−10℃
・水温:−10℃
・テストパターン:JIS・D1606パターン(「自動車用スパークプラグのエンジン適合性試験方法」)
・なお、このJIS・D1606パターンは、寒冷期の納車走行パターンをモデル化したものである。
まず、図2に示す主体金具基部56の外径をD’1、絶縁体基部28の内径をd’1として、
β’=(D’1−d’1)/2
にて表される最小係合位置隙間量β’を、0.4,0.43,0.45,0.48mmに各々設定されたスパークプラグ100を試験品として各々用意した。そして、上記のJIS・D1606の走行パターンを1サイクルとして、スパークプラグ100の絶縁抵抗が10MΩ以下に低下するまでこれを繰り返した。その結果を、図4の棒グラフに示す。なお、主体金具基部56の長さを1.5mmとし、J部から主体金具1の先端までの長さを12.9mmとした。図4のグラフは、最小係合位置隙間量β’(mm)の各値における10MΩ到達サイクル(回)を示している。
ここで、プレデリバリ試験の「10MΩ到達サイクル」について説明する。例えば、10MΩ到達サイクルのサイクル回数が多いほど、絶縁碍子2の先端側にはカーボンが付着されておらず、絶縁碍子2の絶縁性は維持されており、耐汚損性が優れているものと判断できる。逆に、サイクル回数が少ないほど、絶縁碍子2の先端側の耐汚損性は低いと判断できる。よって、以下のプレデリバリ試験において、このような判断基準を元にして判断をおこなった。
図4に示すように、最小係合位置隙間量β’=0.4(mm)では、10MΩ到達サイクルが8回、β’=0.43(mm)では、10MΩ到達サイクルが8回、β’=0.45(mm)では、10MΩ到達サイクルが4回、β’=0.48(mm)では、10MΩ到達サイクルが4回であった。図4のグラフのデータ結果を相対的に見ると、β’=0.45(mm)未満において、10MΩ到達サイクルが8回以上と、安定した高い数値を示した。一方、β’=0.45(mm)以下では、10MΩ到達サイクルが4回と減少した。これは、最小係合位置隙間量β’がやや広く調整されたことにより、絶縁碍子2と主体金具1との係合する隙間へ未燃ガスが侵入したため10MΩ到達サイクルが低下したと思われる。こうして、これらの結果を踏まえて、係合位置隙間量βが0.45mm未満の隙間を有すると、スパークプラグ100の耐汚損性を向上できると考えられる。したがって、係合位置隙間量βは、0.45(mm)未満が好ましいと判断した。
(実施例2)
次に、係合位置隙間量βの長さAによるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について、図2および図5を参照して説明する。図5は、係合位置隙間量βの長さAによるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。なお、耐熱性試験のテスト条件については、次の通りである。
◎耐熱性試験のテスト条件
・エンジン:排気量1.6L,4サイクル,DOHCエンジン
・燃料:無鉛ハイオクガソリン
・室温/湿度:20℃/60%
・油温度:80℃
・テストパターン:エンジン回転数5500rpm、WOT(2分間)
・WOTは、スロットル全開(wide open throttle)を意味する。
そして、係合位置透隙間Qにおける、係合位置隙間量βを確保する長さAを、1〜7mmに各々設定したスパークプラグ100を試験品として用意した。そして、上記の耐熱性試験のテストパターンでエンジンを運転し、プレイグ発生進角を測定した。なお、主体金具基部56の長さを1.5mmとし、J部から主体金具1の先端までの長さを12.9mmとし、最小係合位置隙間量β’を0.4mmとした。その結果を、図5のグラフに実線で示す。図5のグラフは、横軸に長さAを示し、縦軸にプレイグ発生進角(°)を示している。なお、ここで「プレイグ発生進角」とは、プレイグニション(過早着火)が発生する点火進角のことをいう。
ここで、「プレイグ発生進角が大きい。」とは、耐熱性が高いことを示す。即ち、点火時期をより進めて(早くして)もプレイグニションの発生しにくいスパークプラグでは、新規混合気に晒される時間が相対的に短く、燃焼ガスに晒される時間は相対的に長くなるので、スパークプラグの先端温度は上昇する。このように耐プレイグニション性を耐熱性と呼んでいる。
図5に示すグラフの実線で示すように、A=1.0では、プレイグ発生進角が、38.0°,A=1.2(mm)では、プレイグ発生進角が、39.0°,A=2では、プレイグ発生進角が、39.5°を示した。そして、A=3,4では、プレイグ発生進角が、40.5°,A=5では、プレイグ発生進角が、41°,A=6では、プレイグ発生進角が、41.5°、A=7では、プレイグ発生進角が、42°を示し、A=1.2(mm)以上において右上がりの直線を示した。したがって、A=1.0mmにおいて、急激にプレイグ発生進角が低下していることから、総合的かつ相対的に判断して、A=1.2mm以上で、スパークプラグ100の耐熱性が向上すると判断された。
(実施例3)
次に、係合位置隙間量βの長さAによるスパークプラグ100のプレデリバリ耐久性試験の結果について、図2および図6を参照して説明する。図6は、係合位置隙間量βの長さAによるスパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。
プレデリバリ試験において、0.45mm未満の係合位置隙間量βを確保する長さAを、1〜7mmに設定したスパークプラグ100を試験品として用意した。そして、上記のJIS・D1606の走行パターンを1サイクルとして、スパークプラグ100の絶縁抵抗が10MΩ以下に低下するまでこれを繰り返した。その結果を、図6のグラフに実線で示す。なお、主体金具基部56の長さを1.5mmとし、J部から主体金具1の先端までの長さを12.9mmとし、最小係合位置隙間量β’を0.4mmとした。図6のグラフは、横軸にAの長さを示し、縦軸に10MΩ到達サイクル数を示している。
図6に示すように、A=1では、10MΩ到達サイクルは6(回),A=1.2では、10MΩ到達サイクルは7(回),A=1.5では、10MΩ到達サイクルは8(回),A=2では、10MΩ到達サイクルは8(回),A=3では、10MΩ到達サイクルは8(回),A=4では、10MΩ到達サイクルは7(回),A=5では、10MΩ到達サイクルは6.5(回),A=6では、10MΩ到達サイクルは4(回),A=7では、10MΩ到達サイクルは3(回)であり、グラフの実線は略放物線形状を示した。そして、実施例2の結果(図5参照)を踏まえ、長さA=1.2mm以上において、図4の結果を判断すると、A=5mm以下では10MΩ到達サイクルが6回以上と安定したが、A=6(mm)以上になると、10MΩ到達サイクルが4回と急激に減少した。したがって、長さAが1.2mm以上、5mm以下で、耐汚損性が向上するものと判断した。また、長さAが1.5mm以上、3mm以下の範囲においては、10MΩ到達サイクルが8回と高い値を示したため、さらに耐汚損性がさらに向上するものとして判断した。
(実施例4)
次に、絶縁体基部28と第2絶縁体段部29との角度θによるスパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について、図2および図7を参照して説明する。図7は、角度θによるスパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。そして、スパークプラグ100において、図2に示す絶縁体基部28と第2絶縁体段部29との角度θを0〜20°と調整されたスパークプラグを試験品として各々用意した。なお、プレデリバリ試験のテスト条件については、上記に示した条件と同じである。なお、最小係合位置隙間量β’を0.4mmとし、係合位置隙間Qの軸線O方向に平行な長さAは、3mmに固定した。
図7に示すように、絶縁体基部28と第2絶縁体段部29とのなす角度θが、θ=0°,1°,2°,3°では、10MΩ到達サイクルは2(回)、θ=4°,5°,6°では、10MΩ到達サイクルは3(回)、θ=7°,8°では、10MΩ到達サイクルは4(回)、θ=9°では、10MΩ到達サイクルは7(回)、θ=10°では、10MΩ到達サイクルは8(回)、θ=15°では、10MΩ到達サイクルは9(回)、θ=20°では、10MΩ到達サイクル10(回)であった。図7のグラフに示すように、グラフの実線は、略S字カーブを示し、θ=10°以上で、10MΩ到達サイクルが8回以上となり、高いサイクル回数を示した。したがって、図7に示す結果を相対的に判断して、絶縁体基部28と第2絶縁体段部29とのなす角度θは、θ=10°以上で、スパークプラグ100の耐汚損性を向上できると判断した。
(実施例5)
次に、絶縁体基部28の、軸線O方向に平行な長さZによる、スパークプラグ100の耐熱性試験について、図2および図8を参照して説明する。図8は、長さZによるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。そして、絶縁体基部28の軸線O方向に平行な外周面の長さZを、0.5〜7mmに設定したスパークプラグ100を試験品として各々用意した。そして、上記の耐熱性試験のテストパターンでエンジンを運転し、プレイグ発生進角を測定した。その結果を、図8のグラフに実線で示す。なお、主体金具基部56の長さを1.5mmとし、J部から主体金具1の先端までの長さを12.9mmとし、最小係合位置隙間量β’を0.4mmとし、係合位置隙間Qの軸線O方向に平行な長さAは、3mmに固定した。そして、図8は、横軸にZ部の長さを示し、縦軸にZ部の各長さを有するスパークプラグ100に対応したプレイグ発生進角(°)を示している。なお、耐熱性試験のテスト条件については、上記と同じ条件である。
図8に示すように、絶縁体基部28の軸線O方向に平行な長さZにおいて、Z=0.5(mm)では、プレイグ発生進角は35.5°、Z=1(mm)では、プレイグ発生進角は36.5°、Z=2(mm)では、プレイグ発生進角37°、Z=3(mm)では、プレイグ発生進角は37.5°、Z=4(mm)では、プレイグ発生進角は38°、Z=5(mm)では、プレイグ発生進角は38.5°、Z=6(mm)では、プレイグ発生進角は39°、Z=7(mm)では、プレイグ発生進角は39.5°であった。図8に示すように、図8の実線は、Z=1(mm)以上で右上がりの直線を示したが、Z=0.5では、プレイグ発生進角が35.5°と急激に低下した。したがって、絶縁体基部28の、軸線O方向に平行な長さZは、1mm以上でスパークプラグ100の耐熱性を向上させることができると判断した。
(実施例6)
次に、絶縁体基部28の、軸線O方向に平行な長さZによる、スパークプラグ100のプレデリバリ試験について、図2および図9を参照して説明する。図9は、長さZによるスパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。そして、絶縁体基部28の軸線O方向に平行な長さZを、1〜8mmに設定したものを試験品として用意した。その結果を、図9のグラフに実線で示す。また、主体金具基部56の長さを1.5mmとし、J部から主体金具1の先端までの長さを12.9mmとし、最小係合位置隙間量β’を0.4mmとし、係合位置隙間Qの軸線O方向に平行な長さAは、3mmに固定した。なお、プレデリバリ試験のテスト条件については、上記と同じ条件である。
図9に示すように、絶縁体基部28の軸線O方向の長さZにおいて、Z=1(mm)では、10MΩ到達サイクル数は9回、Z=2〜5(mm)では、10MΩ到達サイクル数は8回、Z=6(mm)では、10MΩ到達サイクル数は7回、Z=7(mm)では、10MΩ到達サイクル数は4回、Z=8(mm)では、10MΩ到達サイクル数は3回であった。図9に示すように、図9に示す実線は、略逆S字カーブを示し、Z=6以下では、10MΩ到達サイクル数が、6(回)以上と高い耐汚損性を示した。一方、Z=7および8(mm)では、10MΩ到達サイクル数が4回以下と急激に低下した。したがって、Z=6(mm)以下の範囲内で、耐汚損性を向上できると判断した。こうして、実施例5および実施例6の結果より、絶縁体基部28の長さZは、1mm以上、6mm以下の範囲内において、スパークプラグ100の耐熱性および耐汚損性を向上させることができると判断した。
(実施例7)
次に、交点Eと交点Fとの距離(Y−X)mmによる、スパークプラグ100の耐熱性試験の結果について、図2および図10を参照して説明する。図10は、距離(Y−X)によるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。図2に示すスパークプラグ100において、距離(Y−X)を、−1〜4mmまでに設定されたスパークプラグ100を試験品として各々用意した。そして、上記の耐熱性試験のテストパターンでエンジンを運転し、プレイグ発生進角を測定した。その結果を、図10のグラフの実線で示す。なお、主体金具基部56の長さを1.5mmとし、J部から主体金具1の先端までの長さを12.9mmとし、最小係合位置隙間量β’を0.4mmとした。係合位置隙間Qの軸線O方向に平行な長さAは、3mmに固定した。そして、図10は、横軸に距離(Y−X)の長さ(mm)を示し、縦軸にプレイグ発生進角(°)を示している。
図10に示すように、交点Eと交点Fとの、軸線O方向に平行な線方向の距離(Y−X)において、距離(Y−X)=−1(mm)では、プレイグ発生進角は35.0°、距離(Y−X)=−0.5(mm)では、プレイグ発生進角は37.0°、距離(Y−X)=0(mm)では、プレイグ発生進角は38.0°、距離(Y−X)=1(mm)では、プレイグ発生進角は38.0°、距離(Y−X)=2(mm)では、プレイグ発生進角は38.5°、距離(Y−X)=3(mm)では、プレイグ発生進角は39.0°、距離(Y−X)=4(mm)では、プレイグ発生進角は39.5°であった。距離(Y−X)=−1(mm)では、交点Eよりも交点Fのほうが、図1および図2に示すスパークプラグ100の軸線O方向の後端側(図1および図2の上方側)にある。したがって、図2に示すように、主体金具1の主体金具基部56に対向する絶縁碍子2の絶縁体基部28の外周面の面積が狭められ、スパークプラグ100の熱引きが悪くなる。そして、スパークプラグ100の軸線O方向の先端側の温度上昇により、プレイグニション現象が発生しやすくなるなど、耐熱性が悪くなる。したがって、距離(Y−X)は、−0.5mm以上で耐熱性が向上すると判断された。
(実施例8)
次に、交点Eと交点Fとの距離(Y−X)による、スパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について、図2および図11を参照して説明する。図11は、距離(Y−X)によるスパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。図2に示すスパークプラグ100において、距離(Y−X)を、−1〜4までに設定したスパークプラグ100を試験品として用意した。その結果を、図11のグラフに実線で示す。なお、プレデリバリ試験のテスト条件については、上記に示した条件と同じである。また、主体金具基部56の長さを1.5mmとし、J部から主体金具1の先端までの長さを12.9mmとし、最小係合位置隙間量β’を0.4mmとした。そして、図11において、横軸に距離(Y−X)の長さ(mm)を示し、縦軸に距離(Y−X)の各長さを有するスパークプラグ100の10MΩ到達サイクル数(回)を示している。
図11に示すように、距離(Y−X)において、距離(Y−X)=−1では、10MΩ到達サイクル数は6回、距離(Y−X)=−0.5では、10MΩ到達サイクル数は8回、距離(Y−X)=0では、10MΩ到達サイクル数は9回、距離(Y−X)=1では、10MΩ到達サイクル数は9回、距離(Y−X)=2では、10MΩ到達サイクル数は8回、距離(Y−X)=3では、10MΩ到達サイクル数は8回、距離(Y−X)=4では、10MΩ到達サイクル数は3回であった。図11のグラフに示すように、図11に示す実線は、略山成りのカーブを示した。そして、距離(Y−X)=4では、10MΩ到達サイクル数は3回であり、10MΩ到達サイクル数が極端に少なかった。これは、距離(Y−X)が長くなりすぎ、絶縁体基部28の軸線O方向の外周面の長さが長くなり、絶縁碍子2の先端側にカーボンが付着することによる奥飛火が生じやすくなったと推測される。また、距離(Y−X)=−0.5でも、10MΩ到達サイクル数が8回と、耐汚損性がほとんど低下しなかったため、距離(Y−X)が−0.5mm以上、3mm以下の範囲内で、スパークプラグの耐汚損性を向上できると判断した。したがって、実施例7および実施例8の結果により、距離(Y−X)が−0.5mm以上、3mm以下の範囲内において、スパークプラグ100の耐熱性および耐汚損性が向上できると判断した。
(実施例9)
次に、銅および軟鋼を材質とした板パッキン8によるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について、図2および図12を参照して説明する。図12は、板パッキン8に銅パッキンを用いたスパークプラグ100と、軟鋼パッキンを用いたスパークプラグ100との耐熱性試験の結果について示すグラフである。そして、従来の軟鋼パッキンを使用したスパークプラグ100と、銅パッキンを使用したスパークプラグ100とを試験品として各々用意した。その結果を、図12の棒グラフに示す。なお、主体金具基部56の長さを1.5mmとし、J部から主体金具1の先端までの長さを12.9mmとし、最小係合位置隙間量β’を0.4mmとした。係合位置隙間Qの軸線O方向に平行な長さAは、3mmに固定した。なお、図11の横軸はプレイグ発生進角を示している。なお、耐熱性試験のテスト条件については、上記と同じ条件である。
図12に示すように、従来の軟鋼パッキンを使用したスパークプラグ100のプレイグ発生進角が、42°であったのに対し、銅パッキンを使用したスパークプラグ100のプレイグ発生進角は、44°と高い値を示した。これは、過熱された絶縁碍子2の熱が、第1絶縁体段部27から、熱伝導率の高い銅パッキンに伝わり、主体金具1の第1主体金具段部55に効率よく伝えられていることが考えられる。したがって、板パッキン8は、銅(又は、アルミニウムなど)のような熱伝導率の高い材質を用いれば、耐熱性を十分に向上させることができると判断した。
(実施例10)
次に、銅パッキンと、従来の軟鋼パッキンとにおけるネジ径の違いによるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について、図13を参照して説明する。図13は銅パッキンと軟鋼パッキンとにおけるネジの呼び(ネジ径)の違いによるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。そして、従来の軟鋼パッキンおよび銅パッキンにおいて、取付ネジ部7のネジの呼び(ネジ径)がM14,M12およびM10のスパークプラグ100を試験品として各々用意した。その耐熱性試験の結果を、図13のグラフに示す。なお、主体金具基部56の長さを1.5mmとし、J部から主体金具1の先端までの長さを12.9mmとし、最小係合位置隙間量β’を0.4mmとした。なお、図13の横軸はプレイグ発生進角(°)を示し、縦軸にプレイグ発生進角を示している。また、図13に示す「●」が軟鋼パッキンを使用したスパークプラグ100を示し、「○」が銅パッキンを使用したスパークプラグ100を示している。なお、耐熱性試験のテスト条件については、上記と同じ条件である。
図13に示すように、従来の軟鋼パッキンを使用した場合のスパークプラグ100において、M10ではプレイグ発生進角が32°、M12ではプレイグ発生進角が35°、M14ではプレイグ発生進角が38°であった。一方、銅パッキンを使用したスパークプラグ100において、M10では、プレイグ発生進角が40.5°、M12ではプレイグ発生進角が41°、M14ではプレイグ発生進角が42°であり、何れのネジの呼びにおいても軟鋼パッキンを使用したスパークプラグ100よりも高いプレイグ発生進角が得られた。また、従来の軟鋼パッキンの代わりに、銅パッキンを用いた場合の各ネジの呼びにおけるプレイグ発生進角の上昇率を見てみると、M10では上昇率が21.0%、M12では上昇率が14.6%、M14では上昇率が9.5%であった。したがって、M10,M12のようにネジの呼びが小さいプラグに銅パッキンを用いた方が、プレイグ発生進角の上昇率が高いことがわかった。これは、ネジの呼びが小さいスパークプラグ100の方が、ネジの呼びが大きいスパークプラグ100に比べ、プラグ先端部の温度上昇が早いため、熱伝導率の高い銅パッキンの効果が得られやすいことが考えられる。したがって、取付ネジ部7の呼びがM12以下のスパークプラグ100に銅の板パッキン8を使用すると、耐熱性を大きく向上できると判断した。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態であるスパークプラグ100によれば、係合位置隙間量βを0.45mm未満に規定することで、汚損しやすい環境下におかれても、係合位置隙間Qへの未燃ガス侵入を確実に遮断することができ、耐汚損性を向上させることができる。また、主体金具基部56と絶縁体基部28とが近接しているので、熱価が高くなり、耐熱性が向上する。さらに、0.45mm未満の係合位置隙間量βの、板パッキン8のJ部から軸線O方向に延設される長さAが1.2mm以上、5mm以下(好ましくは、1.5mm以上、3mm以下)に規制されるので、絶縁碍子2から主体金具1に伝わる熱量を適切に調整することができる。そして、スパークプラグ100の熱引き(熱価)が調整されることにより、耐熱性のみならず耐汚損性も向上させることができる。
さらに、第2絶縁体段部29と絶縁体基部28とのなす狭角の角度θが、10°以上に規定されるので、絶縁体縮径部30の外周面と主体金具前方部58の内周面との隙間の空間を広くとるとができる。したがって、奥飛火しにくくなり、耐汚損性を向上させることができる。
また、絶縁体基部28の軸線O方向の長さZは、1.0mm以上、6.0mm以下に規定されるので、スパークプラグ100の脚長Lを調整することができる。したがって、スパークプラグの熱価を適切に調整することにより、耐熱性および耐汚損性を向上させることができる。
さらに、主体金具基部56の内周面と、その面に対向する絶縁体基部28の外周面の相対位置が規定されることで、絶縁体基部28から主体金具基部56へ放散される熱量を調整することができる。したがって、スパークプラグ100の耐熱性および耐汚損性を向上させることができる。
また、板パッキン8は、熱伝導率が200W/m・k以上の材質(例えば、銅、アルミニウムなど)で形成されているので、過熱された絶縁碍子2の熱は第1絶縁体段部27から板パッキン8を介して、効率よく第1主体金具段部55に伝わる。したがって、スパークプラグ100の熱引き(熱放散量)がよくなり、スパークプラグ100の熱価が調整され、耐熱性を向上させることができる。
さらに、銅のような熱伝導率の高い板パッキン8は、プラグ先端部の温度上昇が早いM12以下(例えば、M10およびM12)のスパークプラグ100において、スパークプラグ100の耐熱性向上の効果をさらに得ることができる。
なお、本発明は、上記の第1の実施形態のスパークプラグ100に限られず、各種の変形が可能である。以下、図14乃至図16を参照して、第2および第3の実施形態のスパークプラグ200および300について説明する。
まず、本発明の第2の実施形態であるスパークプラグ200について、図14および図15を参照して説明する。なお、図14は、本発明の第2の実施形態であるスパークプラグ200が、エンジンヘッド46に取り付けられた状態を示す縦断面図であり、図15は、距離Hによるスパークプラグ200の耐熱性試験の結果について示すグラフである。なお、このスパークプラグ200は、第1の実施形態のスパークプラグ100と同様に、自動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関の着火用に使用される。このスパークプラグ200によれば、主体金具1の外周面に形成される取付ネジ部71の軸線O方向の先端部から、主体金具1の軸線O方向の先端部までの長さが2.5mm以上であって、主体金具1の軸線O方向の先端から板パッキン8のJ部までの距離を規定することで、プラグの先端部をエンジンヘッド46の燃焼室45内に突出させ、スパークプラグ300の耐汚損性をより向上させたものである。
この第2の実施形態のスパークプラグ200は、大部分が第1の実施形態のスパークプラグ100と同じ構造であり、異なる点は、主体金具1の軸線O方向の先端から板パッキン8のJ部までの距離Hを規定したのみである。したがって、ここでは、第2の実施形態のスパークプラグ200の主体金具1の軸線O方向の先端から板パッキン8のJ部までの距離についてのみ説明し、他の構造の説明は、上記第1の実施形態の説明を援用して説明を省略する。
図14に示すように、この第2の実施形態のスパークプラグ200の取付ネジ部71は、主体金具1の軸線O方向の先端側のストレート部70の後端側に形成されている。そして、ストレート部70の軸線O方向の長さは、2.5mm以上に調整されている。ここで、主体金具1の軸線O方向の先端から板パッキン8のJ部までの、軸線O方向に平行な距離を距離H(mm)と定義する。このとき、距離H(mm)は、2mm以上に規制される。そして、図14に示すように、エンジンヘッド46に設けられ、雌ねじが形成されたプラグ孔43に、このスパークプラグ200をガスケット10がエンジンヘッド46に当接するまでねじ込むと、接地電極4、中心電極3の電極先端部36および主体金具1の先端部がエンジンの燃焼室45内に露出する。
従来のワイドレンジ型スパークプラグでは、主体金具1の軸線O方向の先端から軸線O方向の後端側に向かって、2mmの位置に板パッキン8のJ部がかかると(距離H=2mm)、スパークプラグの熱価(進角)が著しく低下し、絶縁碍子2の溶損などによって、スパークプラグとしての機能を果たさなかった。しかし、本発明の第2の実施形態のスパークプラグ200では、図14に示す距離Hが2mmでも、熱価(熱引き)の低下が見られない。
(実施例11)
次に、距離Hによるスパークプラグ200の耐熱性試験の結果について、図14および図15を参照して説明する。本実験では、距離Hを、0〜6(mm)まで変えたスパークプラグ200を試験品として用意した。その結果を、図15のグラフに示す。なお、試験品として用いたスパークプラグ200は、主体金具基部(図2に示すスパークプラグ100参照)の長さを1.5mmとし、最小係合位置隙間量β’を0.4mmとした。βの軸線O方向に平行な長さA(図2に示すスパークプラグ100の主体金具基部56参照)は、3mmに固定した。また、図15の縦軸は、プレイグ発生進角を示し、横軸には距離H(mm)を示す。なお、耐熱性試験のテスト条件については、上記と同じ条件である。
図15に示すように、主体金具1の先端部から、板パッキン8のJ部までの距離Hにおいて、距離H=0(mm)では、プレイグ発生進角は22°、距離H=1(mm)では、プレイグ発生進角は30°、距離H=2(mm)では、プレイグ発生進角は38.0°、距離H=3(mm)では、プレイグ発生進角は39.5°、距離H=4(mm)では、プレイグ発生進角は39.5°、距離H=5(mm)では、プレイグ発生進角は40°、距離H=6(mm)では、プレイグ発生進角は40.5°であった。
図15に示すように、図15の実線は、距離H=2mmまでは右上がりの直線を示し、距離H=2mm以上では、ほぼ同等の値が得られた。従来のスパークプラグでは、距離H=2mm以下で、熱価(進角)が急激に低下したが、スパークプラグ200は、耐熱性に優れているため、距離H=2(mm)でも熱価の低下はほとんど見られなかった。したがって、図15に示すように、プレイグ発生進角=40°付近に安定する2mm以上において、スパークプラグ200の耐熱性が向上し、かつ耐汚損性が向上すると判断された。
以上説明したように、本発明の第2の実施形態のスパークプラグ200によれば、主体金具1のストレート部70の軸線O方向の長さが2.5mm以上に調整され、距離H(主体金具1の軸線O方向先端部から、板パッキン8のJ部までの距離)が、2mm以上に規制されることで、スパークプラグ200の接地電極4、中心電極3のみならず主体金具1の先端側まで、確実にエンジンの燃焼室45内に露出される。そして、スパークプラグ200は、第1の実施形態の効果を有するため、主体金具1の軸線O方向の先端側が過熱されても、熱価は低下しない。
次に、本発明の第3の実施形態であるスパークプラグ300について、図16を参照して説明する。図16は、本発明の第3の実施形態であるスパークプラグ300の先端側要部を拡大して示す部分縦断面図である。なお、このスパークプラグ300は、第1および第2の実施形態のスパークプラグ100および200と同様に、自動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関の着火用に使用される。そして、このスパークプラグ300は、絶縁碍子2の軸線O方向の先端部から突出する中心電極3の電極先端部36において、電極先端部36の縮径先端部を絶縁碍子2の貫通孔6の内側に埋設したものである。なお、この第3の実施形態のスパークプラグ300は、大部分が第1の実施形態のスパークプラグ100と同じ構造であり、異なる点は、中心電極3の電極先端部36の、絶縁碍子2の軸線O方向後方側開口部より突出する部分について規定したものである。したがって、ここでは、第3の実施形態のスパークプラグ300の絶縁碍子2の軸線O方向先端部から突出する中心電極3の電極先端部36についてのみ説明し、他の構造の説明は、上記第1の実施形態の説明を援用して説明を省略する。
図16に示すように、この第3の実施形態のスパークプラグ300の中心電極3の電極先端部36は、軸線O方向の後端側に設けられた中心電極後端部74と、当該中心電極後端部74の先端側に設けられ、当該中心電極後端部74の外径よりも縮径された中心電極先端部72と、当該中心電極先端部72と中心電極後端部74とを連結する中心電極段部73とから構成されている。なお、ここで、軸線Oを含む断面を見た時に、中心電極段部73の外周面と中心電極後端部74の外周面とが連結する交点を交点Mと定義する。また、第3の実施形態のスパークプラグ300は、火花放電ギャップgでのスパーク状態(飛び火状態)を向上させるため、略棒状に形成された中心電極先端部72は、従来のスパークプラグの中心電極先端部より縮径されている。これにより、自己清浄作用を施す面積が相対的に小さくなり、清浄性能を向上させている。
そして、絶縁碍子2の貫通孔6の軸線O方向先端側から挿設されている。さらに、図16に示すように、絶縁碍子2の絶縁体縮径部30の先端側開口部から、中心電極3の電極先端部36が突出している。そして、交点Mは、絶縁碍子2の絶縁体縮径部30の先端部よりも後端側に位置している。したがって、絶縁碍子2の絶縁体縮径部30の開口部から突出する電極先端部36は、中心電極先端部72と、中心電極段部73の一部となっている。
図16に示すように、交点Mは、絶縁碍子2の絶縁体縮径部30の先端部の内側に位置しているので、中心電極後端部74と中心電極段部73とが接する部分に形成されるエッジ部80は、絶縁体縮径部30の内側に位置することになる。従来のスパークプラグの中心電極のエッジ部80は、絶縁体縮径部3の外側に位置していたため、カーボンなどが付着していた。このエッジ部80にカーボンが付着すると、そこを基点として接地電極との間に飛び火することがあった。しかし、第3の実施形態のスパークプラグ300では、例えば、電極先端部36の汚損が進行し、中心電極先端部72と中心電極段部73とにカーボンが付着しても、エッジ部80は、絶縁体縮径部30の軸線O方向の先端側には位置しないため、エッジ部80にはカーボンが付着しない。したがって、エッジ部80を基点として接地電極4との間に飛び火するのを防止でき、くすぶり汚損対策として有効である。また、第3の実施形態のスパークプラグ300の中心電極先端部72は縮径され、火花放電ギャップgでの電界強度は強くなっているが、エッジ部80が絶縁体縮径部30の先端側に位置しないため、エッジ部80には飛び火せず、かつ絶縁碍子2の外周面にリーク(漏電)しない。
以上説明したように、本発明の第3の実施形態のスパークプラグ300によれば、軸線を含む断面を見たときに、中心電極後端部74と中心電極段部73との交点Mは、絶縁碍子2の絶縁体縮径部30の先端部の内側に位置している。したがって、中心電極後端部74と中心電極段部73とが接する部分に形成されるエッジ部80は、絶縁体縮径部30の内側に位置することになる。エッジ部80は、絶縁体縮径部30の軸線O方向の先端側には位置しないので、エッジ部80を基点として接地電極4との間に、飛び火するのを防止することができ、絶縁碍子2の外周面にリーク(漏電)しない。
なお、本発明においては、上述した具体的な実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。
例えば、本発明のスパークプラグ100において、絶縁碍子2の絶縁体縮径部30は、軸線O方向先端側に向かって縮径されているが、これに限らず、図17の第1の変形例であるスパークプラグに示すように、絶縁碍子210の軸線O方向先端側にて縮径部310を形成してもよい。また、図18の第2の変形例であるスパークプラグに示すように、絶縁碍子220の軸線O方向先端側の外周面を、軸線O方向と平行になるように形成してもよい。また、本発明のスパークプラグ100では、中心電極3に芯材33が形成されているが、これに限らず、図18に示すように、絶縁碍子220に埋め込まれた中心電極320および接地電極400に芯材340が各々形成されていてもよい。
本発明のスパークプラグは、自動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関の着火用に使用されるスパークプラグに適用でき、平行型プラグ、セミ沿面型プラグ、間欠沿面型プラグおよび多極型プラグなど、各種形態のプラグに利用できる。
本発明の第1の実施形態であるスパークプラグ100の部分縦断面図である。 図1のスパークプラグ100の先端側要部を拡大して示す部分縦断面図である。 図2の板パッキン8近傍の部分拡大図である。 最小係合位置隙間量β’によるスパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。 係合位置隙間量βの長さAによるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。 係合位置隙間量βの長さAによるスパークプラグ100のプレデリバ試験の結果について示すグラフである。 角度θによるスパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。 長さZによるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。 長さZによるスパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。 距離(Y−X)によるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。 距離(Y−X)によるスパークプラグ100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。 板パッキン8に銅パッキンを用いたスパークプラグ100と、軟鋼パッキンを用いたスパークプラグ100との耐熱性試験の結果について示すグラフである。 銅パッキンと軟鋼パッキンとにおけるネジの呼び(ネジ径)の違いによるスパークプラグ100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。 本発明の第2の実施形態であるスパークプラグ200が、エンジンヘッド46に組み付けられた状態を示す縦断面図である。 距離Hによるスパークプラグ200の耐熱性試験の結果について示すグラフである。 本発明の第3の実施形態であるスパークプラグ300の先端側要部を拡大して示す部分縦断面図である。 第1の変形例であるスパークプラグの先端部を拡大して示す部分縦断面図である。 第2の変形例であるスパークプラグの先端部を拡大して示す部分縦断面図である。
符号の説明
1 主体金具
2 絶縁碍子
3 中心電極
4 接地電極
6 貫通孔
7 取付ネジ部
8 板パッキン
24 絶縁体後方部
26 絶縁体後端部
27 第1絶縁体段部
28 絶縁体基部
29 第2絶縁体段部
30 絶縁体縮径部
36 電極先端部
54 主体金具後端部
55 第1主体金具段部
56 主体金具基部
57 第2主体金具段部
58 主体金具前方部
70 ストレート部
71 取付ネジ部
72 中心電極先端部
73 中心電極段部
74 中心電極後端部
80 エッジ部
100,200,300 スパークプラグ

Claims (9)

  1. 略筒状に形成され、軸線方向に貫通孔を有する絶縁体と、
    当該絶縁体の前記貫通孔の先端側に挿設される棒状の中心電極と、
    前記絶縁体の軸線方向の先端側を内挿して保持する略筒状の主体金具と、
    一端部が当該主体金具の先端に接合され、当該一端部とは反対の他端部が前記中心電極に対向し、前記他端部と前記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極と
    を備え、
    前記絶縁体は、前記絶縁体の後端側に設けられた絶縁体後端部と、前記絶縁体の先端側に設けられ、当該絶縁体後端部の外径よりも縮径された絶縁体先端部と、前記絶縁体後端部と前記絶縁体先端部とを連結する第1絶縁体段部とから構成され、
    前記主体金具は、前記主体金具の後端側に設けられた主体金具後端部と、前記主体金具の先端側に設けられ、内径が当該主体金具後端部の内径よりも縮径された部分を少なくとも後端側に有する主体金具先端部と、前記主体金具後端部と前記主体金具先端部とを連結する第1主体金具段部とから構成され、
    前記第1絶縁体段部は、パッキンを介して前記第1主体金具段部に係合し、
    軸線を含む断面を見たときに、前記絶縁体先端部の外径をd1、前記主体金具先端部の内径をD1として、(D1−d1)/2<0.45mmとなる隙間の、前記絶縁体の軸線方向に平行な長さが、前記パッキンと前記主体金具段部との係合位置のうち、軸線方向の最先端側の位置を起点として前記絶縁体の先端側を+としたとき、1.2mm以上、5mm以下であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記隙間の、前記絶縁体の軸線方向に平行な長さは、1.5mm以上、3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 軸線を含む断面を見たときに、前記絶縁体先端部外周面において、軸線と狭角をなし、前記絶縁体の先端側に向かって縮径する第2絶縁体段部を有し、前記狭角が10°以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 軸線を含む断面を見たときに、前記第1絶縁体段部と前記第2絶縁体段部とを連結する絶縁体基部を有し、当該絶縁体基部は軸線方向に平行であり、前記絶縁体基部の軸線方向の長さが、1mm以上、6mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のスパークプラグ。
  5. 軸線を含む断面を見たときに、前記主体金具内周面において、軸線と第2狭角をなし、前記絶縁体の先端側に向かって拡径する第2主体金具段部と、前記第1主体金具段部と前記第2主体金具段部とを連結する主体金具基部とを有し、
    前記絶縁体基部と前記第2絶縁体段部との交点の軸線方向の位置が、前記主体金具基部と前記第2主体金具段部との交点を起点として前記絶縁体の先端側に向かう方向を+としたとき、−0.5mm以上、3mm以下であることを特徴とする請求項4に記載のスパークプラグ。
  6. 前記パッキンは、熱伝導率が200W/m・k以上の材料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のスパークプラグ。
  7. 少なくとも前記主体金具の前記主体金具先端部の外周面には、ネジ部が形成され、
    前記パッキンは、前記ネジ部の呼びがM12以下の前記主体金具の内側に配設されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のスパークプラグ。
  8. 軸線を含む断面を見たとき、前記ネジ部の軸線方向の先端から前記主体金具の先端までの長さが2.5mm以上であって、
    かつ前記主体金具の先端から前記パッキンと前記第1主体金具段部との係合位置のうち、軸線方向の最先端までの距離が2mm以上であることを特徴とする請求項7に記載のスパークプラグ。
  9. 前記中心電極は、前記中心電極の後端側に設けられた中心電極後端部と、前記中心電極の先端側に設けられ、当該中心電極後端部の外径よりも縮径された中心電極先端部と、前記中心電極後端部と前記中心電極先端部とを連結する中心電極段部とから構成され、
    軸線を含む断面を見たときに、前記中心電極後端部と前記中心電極段部との交点が、前記絶縁体先端部よりも軸線方向後端側に位置することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のスパークプラグ。
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