WO2005060060A1 - スパークプラグ - Google Patents

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WO2005060060A1
WO2005060060A1 PCT/JP2004/018743 JP2004018743W WO2005060060A1 WO 2005060060 A1 WO2005060060 A1 WO 2005060060A1 JP 2004018743 W JP2004018743 W JP 2004018743W WO 2005060060 A1 WO2005060060 A1 WO 2005060060A1
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PCT/JP2004/018743
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Hiroaki Kuki
Akira Suzuki
Yoshihiro Matsubara
Kazuhiko Mori
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Ngk Spark Plug Co., Ltd.
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    • H01T13/00Sparking plugs
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    • HELECTRICITY
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Abstract

本発明は、汚損性を向上させつつ、耐熱性を向上させることができるスパークプラグを提 供する。 間隙Qにおける隙間量βを0.45mm未満に規定することで、汚損しやすい環境下におかれても、間隙Qへの未燃ガス侵入を確実に遮断することができ、さらに、0.45mm未満の間隙Qが、板パッキン8の最先端の位置を四始点として、軸船方向において、該4始点から1.2mm以上先端側に離れ、かつ、前記主体金具の先端面から7.9mm以上後端側に離れた終点まで設けられているので、絶縁碍子2から主体金具1に伝わる熱量を調整することができる。したがって、プラグの熱価を調整することにより、耐熱性のみならず耐汚損性を向上させることができる。

Description

明 細 書
スパークプラグ
技術分野
[0001] 本発明は、内燃機関用のスパークプラグに関し、詳細には、耐熱性および耐汚損 性を備えたスパークプラグに関する。
発明の背景
[0002] 従来、 自動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関の着火用に使用されるスパークプ ラグにおいて、エンジンヘッドの燃焼室内では、ガソリンと空気とが短時間で混合 '燃 焼されるため、不完全燃焼が生じやすぐスパークプラグの絶縁体の先端部にカーボ ンなどが付着し、くすぶり汚損の原因となっていた。カーボンがスパークプラグの絶縁 体の先端部に大量に付着すると、スパークプラグの先端では火花が飛ばず、カーボ ンが付着した別の場所で火花が飛ぶリーク (漏電)現象が発生する。他方、このカー ボンは、約 520°C以上になると、全て焼け切れる性質を有する。このようなカーボンの 特質に着目し、高速および低速走行に関わらず、約 520°C位までは一気に温度が 上昇し、カーボンを自身で焼き切る自己清浄機能を有するスパークプラグが一般的 に利用されている。
[0003] また、スパークプラグは、構造上、先端側にスパーク (火花)を発生させる中心電極 を先端側から突出させて内揷する略筒状の絶縁体が、略筒状の主体金具の内側に 嵌め込まれている。そして、絶縁体の先端部の径は、軸線方向の中間部の径より細く なっており、その先端部と中間部との間の段差部が、主体金具の内部に設けられた 段差部に係合するようになつている。従来は、この絶縁体の先端部と主体金具との間 隙は、絶縁体の汚損時に、この隙間にて飛び火が発生するのを極力避けるため、間 隙の幅を大きくすることが有効であると考えられていた。しかし、間隙の幅を大きくす ると、主体金具の外径が大きくなるため、スパークプラグ自体が大型化してしまう。そ こで、絶縁体と主体金具との係合位置よりも先端側の隙間を所定幅以下に狭めること により、係合位置の隙間への未燃ガスの侵入を確実に停止させ、スパークプラグのく すぶり汚損を防止することができるスパークプラグが提案されている(例えば、特許文 献 1参照)。
[0004] また、 自動車の燃費低減などを目的とするため、エンジンにおけるリーンバーン (希 薄燃焼)などの開発が進められ、このようなリーンバーンのエンジン状態では、スパー クプラグを確実に着火させなければならず、プラグの点火電圧を高めなければならな レ、。そこで、主体金具の内側に、絶縁体を係合させるための段差部を設け、この段差 部の角部に対向する絶縁体の先端側の形状を、絶縁体の段部と脚部との接合部に おける肉厚以上の厚さにすることにより、主体金具の段差部の角部に対向する絶縁 体の脚部の電気絶縁耐カを向上させ、ピンホールの発生を抑制可能なスパークブラ グも提案されている (例えば、特許文献 2参照)。
特許文献 1 :特開 2002 - 260817号公報
特許文献 2:特開平 6 - 196247号公報
[0005] し力、しながら、特許文献 1に記載のスパークプラグでは、主体金具と絶縁体との係 合間隙は狭く設計され、未燃ガスの侵入を防止できるが、間隙が狭くなつている部分 の、プラグの軸線方向の長さが短い場合は、絶縁体から主体金具に熱が伝わりにくく なるため、熱価が低く(熱放散性が低い、熱引きが悪い)なってしまう。その結果、スパ ークプラグの先端が過熱されて、点火前の自然燃焼(プレイグニシヨン)が発生する恐 れがあるという問題点があった。さらに、特許文献 2に記載のスパークプラグでは、主 体金具と絶縁体とが係合する間隙の幅は、広く調整されているため、熱価は高いが、 未燃ガスの侵入を防止できず、汚損が発生しやすいという問題点があった。このよう に特許文献 1及び 2に記載された手法では、耐汚損性および耐熱性 (熱価)の一方を 改善すると他方が低下してしまい、耐汚損性および耐熱性 (熱価)の両方を良好に維 持するのは困難であった。
発明の概要
[0006] 本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、汚損性を向上させつ つ、耐熱性を向上させることができるスパークプラグを提供することを目的とする。
[0007] 本発明のスパークプラグは、軸線方向に貫通孔を有し、自身の外径が先端側に向 かって縮径する第 1絶縁体段部を有する略筒状の絶縁体と、当該絶縁体の前記貫 通孔に揷設される棒状の中心電極と、 自身の内径が先端側に向かって縮径する第 1 主体金具段部を有し、該第 1主体金具段部と前記第 1絶縁体段部とがパッキンを介 して係合することで、前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、一端が当該主体 金具の先端面に接合され、他端部が前記中心電極に対向することで該他端部と前 記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極と、を備え、
軸線を含む断面を見たときに、前記絶縁体及び前記主体金具は、前記パッキンと 前記第 1絶縁体段部との係合位置よりも先端側に 0. 45mm未満の間隙を有し、該間 隙は、前記パッキンと前記第 1絶縁体段部との最先端側の係合位置を始点として、軸 線方向において、該始点から 1. 2mm以上先端側に離れ、かつ、前記主体金具の 先端面から 8. 0mm以上後端側に離れた終点まで設けられていることを特徴とする。
[0008] また、本発明のスパークプラグは、前記間隙は、軸線方向において、前記パッキン と前記第 1絶縁体段部との最先端側の係合位置を始点として 1. 5mm以上先端側に 離れ、かつ、前記主体金具の先端面から 10. Omm以上後端側に離れた終点まで設 けられてレ、ることを特徴とする。
[0009] また、本発明のスパークプラグは、前記絶縁体は、前記第 1絶縁体段部よりも先端 部に、先端側に向かって縮径する第 2絶縁体段部を有し、前記主体金具には、前記 第 1主体金具段部よりも先端側に、先端側に向かって拡径する第 2主体金具段部を 有し、前記第 2絶縁体段部の先端と後端における絶縁体の外径の径差は、前記第 2 主体金具段部の先端と後端における主体金具の内径の径差よりも大きいことを特徴 とする。
[0010] また、本発明のスパークプラグは、該第 2絶縁体段部は、軸線を含む断面を見たとき に、軸線の平行線との狭角が 10° 以上であることを特徴とする。
[0011] また、本発明のスパークプラグは、前記第 2絶縁体段部の後端は、軸線方向におい て lmm以上、 6mm以下の範囲で前記第 1絶縁体段部よりも先端側に配設されてい ることを特徴とする。
[0012] また、本発明のスパークプラグは、前記第 2絶縁体段部の後端は、軸線方向におい て主体金具の先端面から 7mm以上離れていることを特徴とする。
[0013] また、本発明のスパークプラグは、軸線を含む断面を見たときに、前記第 2絶縁体段 部の後端の軸線方向の位置が、前記第 2主体金具段部の後端を起点として先端側 に向力う方向を +としたとき、一 0. 5mm以上、 3mm以下であることを特徴とする。
[0014] また、本発明のスパークプラグは、請求項 1乃至 7の何れかに記載の発明の構成に 加え、前記パッキンは、熱伝導率が 200W/m'k以上の材料から形成されていること を特徴とする。
[0015] また、本発明のスパークプラグは、前記主体金具の外周面には、ネジ部が形成され
、前記ネジ部の呼びが Ml 2以下であることを特徴とする。
[0016] また、本発明のスパークプラグは、前記ネジ部の先端から前記主体金具の先端ま での軸線方向長さが 2. 5mm以上であることを特徴とする。
[0017] また、本発明のスパークプラグは、前記主体金具の先端から前記パッキンと前記第
1絶縁体段部との最先端側の係合位置までの距離が 2mm以上であることを特徴とす る。
[0018] また、本発明のスパークプラグは、前記中心電極は、該中心電極の外径が後端側 に向かって拡径する第 1中心電極段部と、該第 1中心電極段部の後端側に連なる中 心電極小径部と、該中心電極小径部の後端側に連なり外径が後端側に向かって拡 径する第 2中心電極段部と、該第 2中心電極段部の後端側に連なる中心電極大径 部とを有し、軸線を含む断面を見たときに、前記絶縁体の先端は、前記第 1絶縁体段 部と前記第 2絶縁体段部の間に位置することを特徴とする。
[0019] 本発明のスパークプラグによると、軸線を含む断面を見たときに、パッキンと第 1絶 縁体段部との係合位置よりも先端側に形成された絶縁体と主体金具との 0. 45mm 未満の間隙の軸線方向長さが、 1. 2mm以上であるので、絶縁体が受けた熱は速や かに主体金具に伝わる。したがって、熱引きがよくなり、プレイグニシヨンを有効に防 止できる。さらに、絶縁体と主体金具との係合する隙間への未燃ガス (カーボン)の侵 入が確実にブロックされるので、絶縁体の先端側部分が汚損するのを防止することが でき、耐汚損性を向上させることができる。また、 0. 45mm未満である隙間の終点が 、主体金具の先端面から 8. Omm以上離れているので、絶縁体の先端側にカーボン が付着することによる「奥飛火」(主体金具内部における主体金具と絶縁体との間隙 火花放電が起こる現象)が生じに《なる。
[0020] また、本発明のスパークプラグによると、軸線を含む断面を見たときに、パッキンと第 1絶縁体段部との係合位置よりも先端側に形成された絶縁体と主体金具の 0. 45m m未満の間隙の軸線方向長さが 1. 5mm以上であるので、絶縁体と主体金具との係 合する隙間への未燃ガスの侵入をさらに確実に防止でき、絶縁体の先端側部分が 汚損するのを確実に防止することができる。また、 0. 45mm未満である隙間の終点 が、主体金具の先端面から 9. 9mm以上離れているので奥飛火がさらに生じにくくな る。
[0021] また、本発明のスパークプラグによると、前記第 2絶縁体段部の先端と後端におけ る絶縁体の外径の径差は、前記第 2主体金具段部の先端と後端における主体金具 の内径の径差よりも大きいので、主体金具の先端面の幅を十分確保しながらも、主体 金具先端側と絶縁体先端側との隙間を拡大することができ、奥飛火を防止することが 可能となる
[0022] また、本発明のスパークプラグによると、第 2絶縁体段部は、軸線の平行線との狭角 力 10° 以上であるので、主体金具先端側と絶縁体先端側との隙間の空間を広く確 保すること力できる。したがって、絶縁体の先端側にカーボンが付着することによる奥 飛火がさらに生じにくくなる。
[0023] また、本発明のスパークプラグによると、第 2絶縁体段部の後端が、軸線方向にお いて lmm以上 6mm以下の範囲で第 1絶縁体段部よりも先端側に配設されているの で、絶縁体の軸線方向の先端部から、パッキンまでの距離で形成される脚長が調整 される。したがって、絶縁体基部から主体金具の内周面に放散される熱量が調整さ れ、熱価 (熱放散性)を適正に調整することができる。
[0024] また、本発明のスパークプラグによると、前記第 2絶縁体段部の後端は、軸線方向 において主体金具の先端面から 7mm以上離れているので、奥飛火防止効果がさら に優れている。
[0025] また、本発明のスパークプラグによると、第 2絶縁体段部の後端の軸線方向の位置が 、第 2主体金具段部の後端を起点として先端側に向力 方向を +としたとき、 -0. 5m m以上、 3mm以下であるので、過熱された絶縁体から主体金具への熱放散量を十 分確保すること力 Sできる。したがって、絶縁体基部から主体金具基部に伝わる主体金 具基部の内周面の面積を十分確保することができるので、絶縁体から主体金具への 熱放散量が十分確保され、スパークプラグの耐熱性を向上させることができる。また、 絶縁体と主体金具との係合する隙間への未燃ガスの侵入をさらに確実に防止できる ので、絶縁体の先端側部分が汚損するのを確実に防止することができ、かつ、絶縁 体の先端側にカーボンが付着することによる奥飛火がさらに生じにくくなる。
[0026] また、本発明のスパークプラグによると、ノ ノキンは、熱伝導率が 200WZm'k以上 の材料から形成されているので、過熱された絶縁体の熱は、パッキンを介して主体金 具に放散される。したがって、スパークプラグの耐熱性を向上させることができる。
[0027] また、本発明のスパークプラグによると、主体金具の呼びが M12以下である。これ により、熱伝導率の高いパッキンがネジ部の呼びが M12以下の主体金具の内側に 配設されることとなる。したがってネジの呼びが大きいスパークプラグに比べ、ネジの 呼びが小さいスパークプラグの方力 プラグ先端部の温度上昇が早いため、パッキン における熱引きの効果を大きく得ることができる。
[0028] また、本発明のスパークプラグによると、ネジ部の先端から主体金具の先端までの 軸線方向長さが 2. 5mm以上であるので、主体金具の先端側が、エンジンヘッドの 燃焼室内に突出する形となる。
[0029] また、本発明のスパークプラグによると、ノ ッキンと第 1絶縁体段部との最先端側の係 合位置までの距離が 2mm以上とすることで、主体金具の先端側が過熱されるのを防 止でき、耐熱性が向上する。
[0030] また、本発明のスパークプラグによると、絶縁体の先端が第 1絶縁体段部と第 2絶縁 体段部の間に位置するので、中心電極大径部と第 2中心電極段部とが接する部分 に形成されるエッジを、絶縁体の先端よりも軸線方向後端側に位置させることができ る。したがって、中心電極小径部および第 2中心電極段部が汚損しても、エッジは絶 縁体の先端部の内側に坦設されているので、エッジを基点として接地電極に火花が 飛んで、絶縁体外周面にリークするのを防止することができる。また、中心電極小径 部を細径化して、火花放電ギャップにおける電解強度を高くして、スパーク性能を向 上させようとした際にも、エッジに飛び火しないため、スパークプラグのリーク現象を防 止すること力 Sできる。
図面の簡単な説明 [図 1]本発明の第 1の実施形態であるスパークプラグ 100の部分縦断面図である。
[図 2]図 1のスパークプラグ 100の先端側要部を拡大して示す部分縦断面図である。
[図 3]図 2の板パッキン 8近傍の部分拡大図である。
[図 4]最小隙間量 /3 'によるスパークプラグ 100のプレデリバリ試験の結果について示 すグラフである。
[図 5]隙間量 /3の長さ Aによるスパークプラグ 100の耐熱性試験の結果について示す グラフである。
[図 6]隙間量 /3の長さ Aによるスパークプラグ 100のプレデリバ試験の結果について 示すグラフである。
[図 7]角度 Θによるスパークプラグ 100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフ である。
[図 8]長さ Zによるスパークプラグ 100の耐熱性試験の結果について示すグラフである
[図 9]長さ Zによるスパークプラグ 100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフ である。
[図 10]距離 (Y-X)によるスパークプラグ 100の耐熱性試験の結果について示すダラ フである。
[図 11]距離 (Y— X)によるスパークプラグ 100のプレデリバリ試験の結果について示 すグラフである。
[図 12]板パッキン 8に銅パッキンを用いたスパークプラグ 100と、軟鋼パッキンを用い たスパークプラグ 100との耐熱性試験の結果について示すグラフである。
[図 13]銅パッキンと軟鋼パッキンとにおけるネジの呼び(ネジ径)の違いによるスパー クプラグ 100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。
[図 14]本発明の第 2の実施形態であるスパークプラグ 200が、エンジンヘッド 46に組 み付けられた状態を示す縦断面図である。
[図 15]距離 Hによるスパークプラグ 200の耐熱性試験の結果について示すグラフで ある。
[図 16]本発明の第 3の実施形態であるスパークプラグ 300の先端側要部を拡大して 示す部分縦断面図である。
[図 17]第 1の変形例であるスパークプラグの先端部を拡大して示す部分縦断面図で ある。
[図 18]第 2の変形例であるスパークプラグの先端部を拡大して示す部分縦断面図で ある。
詳細な説明
[0032] 以下、本発明を適用した第 1の実施形態であるスパークプラグ 100について、図面 を参照して説明する。図 1は、本発明の第 1の実施形態であるスパークプラグ 100の 部分縦断面図であり、図 2は、図 1のスパークプラグ 100の先端側要部を拡大して示 す部分縦断面図であり、図 3は、図 2の板パッキン 8近傍の部分拡大図である。このス パークプラグ 100は、 自動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関の着火用プラグとし て使用される。なお、以下の説明において、略棒状に構成されたスパークプラグ 100 の軸線(図 1および図 2に示す一点鎖線)を「軸線 0」とする。さらに、図 1乃至図 3に おいて、図面の下方側をスパークプラグ 100の先端側とし、図面の上方側をスパーク プラグ 100の後端側とする。
[0033] はじめに、図 1を参照して、スパークプラグ 100の概略構成について説明する。図 1 に示すように、スパークプラグ 100は、略筒状の主体金具 1、当該主体金具 1に内揷 され、主体金具 1の先端面 60から突出して保持された略筒状の絶縁碍子 2、電極先 端部 36を突出させた状態で絶縁碍子 2の貫通孔 6に内挿された略棒状の中心電極 3、主体金具 1の先端面 60に一端が溶接されるとともに、他端部が側方に曲げ返され て、その内側面が中心電極 3の電極先端部 36と対向するように配置された接地電極 4などにより構成されている。また、図 1および図 2に示すように、接地電極 4と、中心 電極 3の電極先端部 36との間には、火花放電ギャップ gが形成されている。さらに、 中心電極 3の本体の内部には、放熱促進のための Cu (銅)あるいは Cu合金などで構 成された芯材 33が埋設されている。さらに、絶縁碍子 2の貫通孔 6の後端側(図 1の 上端側)には、略棒状の端子金具 13が挿設されている。なお、このスパークプラグ 10 0は、中心電極 3の内部に銅の芯材 33が深く埋設されているので、「焼け」にも強ぐ 使用温度範囲の広いワイドレンジ型プラグとして使用される。 [0034] 次に、主体金具 1について説明する。図 1に示すように、主体金具 1は、低炭素鋼な どの金属により、略筒状に形成され、スパークプラグ 100のハウジングを構成している 。この主体金具 1の先端部側の外周面には、図示外のエンジンヘッドに取り付けるた めの取付ネジ部 7が形成されている。この取付ネジ部 7の規格の一例としては、 M10 , Ml 2および M14などが用いられる。なお、本明細書において取付ネジ部 7の呼び は、 ISO2705 (M12)および ISO2704 (M10)などに規定された値を意味し、当然 に、諸規格に定められた寸法公差の範囲内での変動を許容するものとする。さらに、 主体金具 1の軸線〇方向の後端部には、主体金具 1をエンジンヘッドに取り付ける際 に、スパナやレンチなどの工具を外側から係合させるための工具係合部 11が形成さ れている。なお、この工具係合部 11の軸線〇方向に直交する断面は、六角形状を呈 している。
[0035] また、図 1および図 2に示すように、主体金具 1の工具係合部 11よりも先端側には、 主体金具基部 54が形成され、当該主体金具基部 54の軸線 O方向の先端側には、 主体金具 1の内径方向内側に凸設された主体金具小径部 56と、当該主体金具小径 部 56と主体金具基部 54とを連結する第 1主体金具段部 55とが形成されている。さら に、主体金具小径部 56の先端側には、主体金具基部 54と主体金具小径部 56との 中間の内径を有する主体金具大径部 58と、当該主体金具小径部 56と主体金具小 径部 58とを連結する第 2主体金具段部 57とが形成されている。したがって、主体金 具 1の工具係合部 11から軸線 O方向の先端側に向かって、主体金具基部 54、第 1 主体金具段部 55、主体金具小径部 56、第 2主体金具段部 57、主体金具大径部 58 の順に形成されている。なお、第 1主体金具段部 55は、後述する絶縁碍子 2の第 1 絶縁体段部 27と係合するための部位である。また、図 1に示すように、主体金具 1の 軸線 O方向の中間部には、外径方向外側に凸設された鍔部 61が形成されている。 そして、取付ネジ部 7の軸線〇方向の後端側(図 1に示す上端部)近傍、即ち、鍔部 6 1の座面 62にはガスケット 10が嵌揷されている。
[0036] 次に、絶縁碍子 2について説明する。図 1に示すように、絶縁碍子 2は、中心電極 3 を内挿して保持するための略筒状の絶縁体である。この絶縁碍子 2は、周知のように アルミナなどを焼成して形成されている。そして、図 1に示すように、絶縁碍子 2の内 側には、スパークプラグ 100の軸線 O方向に沿って、貫通孔 6が形成されている。さら に、貫通孔 6の後端部には、略棒状の端子金具 13が挿設される。中心電極 3は、ィ ンコネル(商標名) 600又は 601などの Ni (ニッケル)系合金などからなる電極母材 2 1を少なくとも表層部に有してレ、る。
[0037] また、貫通孔 6において、揷設された端子金具 13と、中心電極 3との間には、抵抗 体 15が配設されている。さらに、この抵抗体 15の先端部および後端部には、導電性 ガラスシール層 16, 17が各々配設されている。そして、それらを介して中心電極 3と 端子金具 13とが互いに電気的に接続されている。なお、これらの抵抗体 15と導電性 ガラスシール層 16, 17とが、焼結導電材料部を構成している。なお、この抵抗体 15 は、ガラス粉末と導電材料粉末(および必要に応じてガラス以外のセラミック粉末)と の混合粉末を原料とする抵抗体組成物として構成されている。また、端子金具 13の 軸線 O方向の後端部には、高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介し て接続され、高電圧が印加されるようになっている。
[0038] さらに、図 1に示すように、絶縁碍子 2の軸線 O方向の中間部には、絶縁碍子 2の外 周面より外径方向外側に向かって突出する突出部 23がフランジ状に形成されている 。そして、図 1および図 2に示すように、絶縁碍子 2の軸線〇方向において、突出部 2 3よりも軸線 O方向の後端側には、絶縁体後方部 24が形成されている。一方、突出 部 23よりも先端側には、絶縁体大径部 26が形成されている。そして、絶縁体大径部 26の先端側には、絶縁体大径部 26の外径よりも縮径された絶縁体中径部 28と、当 該絶縁体中径部 28と絶縁体大径部 26とを連結し、周方向段部を形成する第 1絶縁 体段部 27が形成されている。さらに、絶縁体中径部 28よりも先端側には、絶縁体中 径部 28よりもさらに縮径され、先端側に向かって細径化されている絶縁体先端部 30 と、当該絶縁体先端部 30と絶縁体中径部 28とを連結し、周方向段部を形成する第 2 絶縁体段部 29とが形成されてレヽる。
[0039] そして、図 1に示すように、絶縁碍子 2は、主体金具 1の後端側(図 1の上方側)の開 口部から揷入され、絶縁碍子 2の第 1絶縁体段部 27が、主体金具 1の第 1主体金具 段部 55に係合するようになつている。さらに、図 1および図 2に示すように、主体金具 1の第 1主体金具段部 55と、第 1絶縁体段部 27との間には、略リング状の板パッキン 8が配設されている。そして、第 1絶縁体段部 27と、第 1主体金具段部 55とが、板パ ッキン 8を介して係合することにより、絶縁碍子 2の軸線〇方向の抜き止めがなされて いる。また、主体金具 1の後端側の開口部内面と絶縁碍子 2の外周面との間には、突 出部 23の後方側周縁と係合する略リング状のパッキン 41が配置されている。そして、 そのさらに後方側には(図 1の上方側)タルクなどの充填層 9を介して略リング状のパ ッキン 42が配置されている。そして、絶縁碍子 2を主体金具 1の軸線〇方向の先端側 に向けて押し込み、その状態で主体金具 1の開口周縁部をパッキン 42に向けて加締 めることにより、加締め部 12が形成され、主体金具 1が絶縁碍子 2に対して固定され ている。
[0040] また、図 1に示すように、絶縁碍子 2の絶縁体後方部 24の後端側の外周面には、絶 縁碍子 2の軸線を含む段面が波打ち形状を有するコルゲーシヨン部 40が形成されて いる。このコルゲーシヨン部 40は、絶縁碍子 2の外周面に波打ち形状を設けて、絶縁 碍子 2の外周面の表面積を広くする。したがって、例えば、絶縁碍子 2の外周面を伝 わってリークした電気が流れ、漏電 (リーク現象)が生じたときでも、絶縁碍子 2の外周 面を伝わるうちに消尽するため、漏電防止の効果が得られる。
[0041] 次に、接地電極 4について説明する。接地電極 4は、耐腐食性の高い金属から構 成され、一例として、インコネル(商標名) 600又は 601などの Ni合金が用いられてい る。この接地電極 4は、 自身の長手方向と直交する横断面が略長方形であり、屈曲さ れた角棒状の外形を呈している。そして、図 1に示すように、角棒状の一端が、主体 金具 1の先端面 60に溶接などにより接合されている。一方、この接地電極 4の他端部 は、中心電極 3の電極先端部 36と当該中心電極 3の軸線〇方向に対向するよう側方 に折り返され、中心電極 3と接地電極 4との対向面の隙間に火花放電ギャップ gが形 成されている。
[0042] 次に、絶縁碍子 2と主体金具 1との隙間幅(ギャップ量) /3について、図 2および図 3 を参照して説明する。図 2および図 3に示すように、絶縁碍子 2と主体金具 1との間に は、板パッキン 8よりも先端側に、間隙 Qが形成されている。そして、第 1の実施形態 のスパークプラグ 100において、第 1絶縁体段部 27よりも先端側の外径を dl、第 1主 体金具段部 55よりも先端側の内径を D1と定義したときに、隙間量 = (Dl_dl)Z 2が 0. 45 (mm)未満と調整された間隙 Qが、所定の長さ Aを確保されている。
[0043] このため、例えば、プレデリバリ時などの汚損の生じやすい使用環境下におかれた 場合、間隙 Qへの未燃ガスの侵入を確実に遮断することができる。すると、間隙 Q内 において、絶縁碍子 2の表面に、カーボンなどが付着して汚損するのを防止できる。 また、図 2および図 3に示すように絶縁体中径部 28と主体金具小径部 56とが 0. 45 mm未満に近接しているため、過熱された絶縁碍子 2の熱は、絶縁体中径部 28から 、間隙 Qを介して、主体金具 1の主体金具小径部 56に伝わりやすレ、。したがって、ス パークプラグ 100の熱引きが効率よくおこなわれ、スパークプラグ 100の耐熱性を向 上させることができる。さらに、間隙 Qが近接して調整されることで、スパークプラグ 10 0を小型にすることもできる。なお、この間隙 Qの隙間量 /3の調整についての効果の 確認は、後述する。
[0044] 次に、間隙 Qの隙間量 /3を確保する長さ Aについて、図 2および図 3を参照して説 明する。図 2に示すように、間隙 Qにおいて、 0. 45mm未満に調整された隙間量 を確保する長さ Aは、 1. 2mm以上(好ましくは、 1. 5mm以上)に調整されている。こ こで、この間隙 Qの、隙間量 を確保する長さ Aの始点は、図 3に示す板パッキン 8と 第 1絶縁体段部 27との最先端側の係合位置 Jである。
[0045] こうして、図 2に示すように、この間隙 Qの隙間量 を確保する長さ A力 1. 2mm以 上(好ましくは、 1. 5mm以上)に調整されているため、過熱された絶縁碍子 2の熱は 、間隙 Qを介して効率よぐ主体金具小径部 56に伝えられる。例えば、 0. 45mm未 満の隙間量 を確保する長さ Aが、 1. 2mmより短い場合は、絶縁体中径 28から放 散される熱が、間隙 Qを介して主体金具 1の内周面には十分伝わりにくい。したがつ て、スパークプラグ 100の熱引きは悪くなり、プラグ先端部の温度が高温になり、プレ イダ二シヨンを引き起こす可能性が高くなる。また、間隙 Qの隙間量 を確保する長さ Aの終点 Kは、主体金具 1の先端面 60力、ら 7. 9mm以上はり好ましくは 9. 9mm以 上)後端側に位置する。これにより、主体金具 1の先端面 60から 7. 9mm以内(より好 ましくは、 9. 9mm以内)の範囲にわたって、主体金具 1と絶縁体 2との間隙を十分確 保できるので、間隙 Qを介して、主体金具 1と絶縁碍子 2との間にて火花放電する奥 飛火が起こりにくい。なお、この間隙 Qの、隙間量 /3を確保する長さ Aの調整につい て効果の確認は、後述する。
[0046] 次に、絶縁碍子 2の絶縁体中径部 28と、第 2絶縁体段部 29とがなす角度 Θについ て説明する。図 2および図 3に示すように、軸線〇を含む断面を見たときに、絶縁碍子 2の絶縁体中径部 28を先端側に延設されて形成される仮想平面と、第 2絶縁体段部 29のなす角度を Θと定義する。ここで、絶縁体基部 28は、軸線〇方向と平行である ので、角度 Θは軸線 Oと第 2絶縁体段部 29のなす角度を間接的に表している。そし て、第 1の実施形態のスパークプラグ 100において、この角度 Θは 10° 以上に調整 されている。この角度 Θ力 S10° 以上に調整されることにより、主体金具大径部 58と、 絶縁体小径部 30とにできる隙間の空間を広く確保できる。したがって、主体金具 1と 絶縁碍子 2との間で火花放電する奥飛火を防止することができる。一方、角度 Θが 1 0° 未満に調整されると上記効果を得ることができなレ、。なお、絶縁碍子 2の絶縁体 中径部 28を先端側に延設されて形成される仮想平面と、第 2絶縁体段部 29とがな す角度 Θの調整について効果の確認は、後述する。
[0047] また、図 3に示すように第 2絶縁体段部 29の径差、すなわち、第 2絶縁体段部 29の 先端における絶縁体 2の外径と第 2絶縁体段部 29の後端における外径との差は、第 2主体金具段部 57の径差、すなわち、第 2主体金具段部 29の先端における主体金 具 1の内径と第 2主体金具段部 29の後端における主体金具の内径との径差よりも大 きく設定されている。このような設計により、主体金具 1の先端面 60の幅をできるだけ 減らすことなぐ主体金具 1の内周面と絶縁体 2の外周面との間隙を拡大することがで きる。
[0048] 次に、絶縁体中径部 28の軸線〇方向の長さ Zについて説明する。図 1および図 2に 示すように、絶縁碍子 2の第 1絶縁体段部 27の先端側には、絶縁体中径部 28が形 成されている。そして、図 2に示すように軸線〇を含む断面をとつたときに、絶縁体中 径部 28は、軸線〇に対して平行に延設されている。さらに、絶縁体中径部 28の軸線 長さを Zと定義したときに、第 1の実施形態のスパークプラグ 100では、絶縁体中径部 28の長さ Zは 1. 0mm以上、 6. 0mm以下に調整されている。すなわち、第 1絶縁体 段部の先端と第 2絶縁体段部後端 (F)の軸方向の距離は、 1. 0mm以上、 6. Omm 以下となっている。そのため、スパークプラグ 100の熱価 (熱放散性、熱引き)が調整 され、耐熱性および耐汚損性を向上させることができる。例えば、絶縁体中径部 28の 長さ Zが 6. Ommを超えてしまうと、絶縁碍子 2の先端側にカーボンが付着することに よる奥飛火が生じやすくなる。さらに、長さ Z力 1. Omm未満になってしまうと、プラグ 先端部の温度が高温に上昇し、耐汚損性は増大するが、熱引きが悪くなる(熱価が 低下する)ため、耐熱性が大きく損なわれる。なお、絶縁体中径部 28の長さ Zの調整 について効果の確認は、後述する。
[0049] 次に、絶縁碍子 2の絶縁体中径部 28と、主体金具 1の主体金具小径部 56との相対 位置について説明する。まず、図 2および図 3に示すように、軸線 Oを含む断面を見 たときに、主体金具 1の主体金具小径部 56と第 2主体金具段部 57との交点、すなわ ち、第 2主体金具段部 57の後端を点 Eとし、絶縁碍子 2の絶縁体中径部 28と第 2絶 縁体段部 29との交点、すなわち、第 2絶縁体段部 29の後端を点 Fと定義する。さらに 、図 2に示すように、絶縁碍子 2の先端から、点 Eまでの軸線 O方向に平行な距離を Y mmとし、絶縁碍子 2の先端から点 Eまでの軸線 O方向に平行な距離を Xmmとする。 そして、交点 Eと交点 Fとの、軸線〇方向に平行な距離を、(Y— X) mmとして定義す る。そして、このように交点 E、交点 F、長さ X、長さ Yおよび距離 (Y-X)を定義したと きに、距離 (Y-X)は、 -0. 5mm以上、 3mm以下の範囲内に調整される。
[0050] このように、距離 (Y— X) 1 -0. 5mm以上、 3mm以下に調整されることで、過熱さ れた絶縁碍子 2から、主体金具 1側に伝熱する伝熱量が適切に調整される。例えば、 距離 (Y-X)が、マイナス側に大きい値をとつた場合、交点 Fが、交点 Eよりも上方側( 図 2に示す上方側)に位置するため、主体金具 1の主体金具小径部 56に対向する絶 縁碍子 2の絶縁体中径部 28の面積が狭められ、スパークプラグ 100の熱引きが悪く なる。そして、スパークプラグ 100の先端側の温度上昇により、プレイグニシヨンが発 生するなど、耐熱性が大きく損なわれる。一方、距離 (Y— X)が長くなりすぎると、絶縁 体中径部 28の軸線〇方向の長さが長くなるため、絶縁碍子 2の先端側にカーボンが 付着する奥飛火が生じやすくなる。したがって、距離 (Y— X)が、 -0. 5mm以上、 3m m以下に調整されることで、スパークプラグ 100の耐熱性が向上するとともに、耐汚損 性を向上させることができる。なお、距離 (Y— X)の調整の効果は、後述する。
[0051] 次に、板パッキン 8について、図 2および図 3を参照して説明する。上述したように、 平面視略リング状の板パッキン 8は、第 1絶縁体段部 27と、第 1主体金具段部 55との 隙間に配設されている。そして、この板パッキン 8の材質は、例えば銅のような熱伝導 率の高い材質が使用されている。この板パッキン 8の熱伝導率が高いと、絶縁碍子 2 の熱が、主体金具 1の第 1主体金具段部 55に効率よく伝わるため、スパークプラグ 1 00の熱引きがよくなり、耐熱性を向上させることができる。なお、詳細にいうと、板パッ キン 8の材質は、熱伝導率が 200W/m'k以上となる材料であることが好ましレ、。ま た、板パッキン 8の材質には、銅に限らず他の材質 (例えば、アルミニウムなど)を用 いてもよレ、。なお、この板パッキン 8の材質について効果の確認は、後述する。
[0052] また、前述した高い熱伝導率を有する板パッキン 8は、従来の軟鋼パッキンを使用 した場合に比べ、取付ネジ部 7の呼びが Ml 2以下(例えば、 M10ぉょびM12)のス パークプラグ 100の耐熱性において、特に高い効果を発揮する。これは、ネジの呼び が M12以下と小さいスパークプラグ 100では、ネジの呼びが M14などのスパークプ ラグ 100に比べ、プラグ先端部の温度上昇が早いため、熱伝導率の高い板パッキン 8 (例えば、銅パッキン)を使用したほうが、熱引き効果がさらに向上する。そのため、 スパークプラグ 100において、耐熱性向上の高い効果が得られる。なお、板パッキン 8の材質と、ネジの呼びの違いとによる耐熱性の効果については、後述する。
[0053] 以上説明した本発明により限定された数値の効果を確認するために、第 1実施形 態のスパークプラグ: L00の性能試験を以下のようにして行った。次に、実施例 1から 実施例 10の性能試験の結果について、図 4乃至図 13のグラフを参照して順次説明 する。
(実施例 1)
はじめに、隙間量 j3による、スパークプラグ 100のプレデリバリ試験について、図 2 および図 4を参照して説明する。図 4は、最小隙間量 j3 'によるスパークプラグ 100の プレデリバリ試験の結果について示すグラフである。なお、プレデリバリ試験のテスト 条件については、次の通りである。
◎プレデリバリ試験のテスト条件
•エンジン:排気量 2. 0L, 4サイクル, DOHCエンジン
'燃料:無鉛レギュラーガソリン •オイル: 5W - 30
•室温: - 10°C
•水温: - 10°C
'テストパターン: JIS'D1606パターン(「自動車用スパークプラグのエンジン適合性 試験方法」)
'なお、この JIS.D1606パターンは、寒冷期の納車走行パターンをモデル化したも のである。
[0054] まず、図 2に示す主体金具小径部 56の外径を D' 1、絶縁体中径部 28の内径を d' 1として、
/3 ' = (D'l-d'l)/2
にて表される最小隙間量 /3,を、 0.4, 0.43, 0.45, 0.48mmに各々設定された スパークプラグ 100を試験品として各々用意した。そして、上記の JIS'D1606の走行 パターンを 1サイクルとして、スパークプラグ 100の絶縁抵抗が 10M Ω以下に低下す るまでこれを繰り返した。その結果を、図 4の棒グラフに示す。なお、主体金具小径部 56の長さを 1.5mmとし、 J部力ら主体金具 1の先端までの長さを 12.9mmとした。図 4のグラフは、最小隙間量 ' (mm)の各値における 10ΜΩ到達サイクル(回)を示し ている。
[0055] ここで、プレデリバリ試験の「10ΜΩ到達サイクル」について説明する。例えば、 10 ΜΩ到達サイクルのサイクル回数が多いほど、絶縁碍子 2の先端側にはカーボンが 付着されておらず、絶縁碍子 2の絶縁性は維持されており、耐汚損性が優れているも のと判断できる。逆に、サイクル回数が少ないほど、絶縁碍子 2の先端側の耐汚損性 は低いと判断できる。よって、以下のプレデリバリ試験において、このような判断基準 を元にして判断をおこなった。
[0056] 図 4に示すように、最小隙間量 j3 ' =0.4(mm)では、 10ΜΩ到達サイクルが 8回、 β '=0.43 (mm)では、 10ΜΩ到達サイクルが 8回、 β,=0.45 (mm)では、 10M Ω到達サイクルが 4回、 β '=0.48 (mm)では、 10ΜΩ到達サイクルが 4回であった 。図 4のグラフのデータ結果を相対的に見ると、 β'=0.45(mm)未満において、 10 ΜΩ到達サイクルが 8回以上と、安定した高い数値を示した。一方、 j3 ' =0.45(m m)以下では、 10Μ Ω到達サイクルが 4回と減少した。これは、最小隙間量 'がや や広く調整されたことにより、絶縁碍子 2と主体金具 1との係合する隙間へ未燃ガスが 侵入したため 10Μ Ω到達サイクルが低下したと思われる。こうして、これらの結果を 踏まえて、隙間量 j3が 0. 45mm未満の隙間を有すると、スパークプラグ 100の耐汚 損性を向上できると考えられる。したがって、隙間量 /3は、 0. 45 (mm)未満が好まし レ、と判断した。
[0057] (実施例 2)
次に、隙間量 j3の長さ Aによるスパークプラグ 100の耐熱性試験の結果について、 図 2および図 5を参照して説明する。図 5は、隙間量 j3の長さ Aによるスパークプラグ 100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。なお、耐熱性試験のテスト条 件については、次の通りである。
◎耐熱性試験のテスト条件
•エンジン:排気量 1 · 6L, 4サイクル, DOHCエンジン
'燃料:無鉛ハイオクガソリン
•室温/湿度: 20°C/60%
'油温度: 80°C
'テストパターン:エンジン回転数 5500rpm、 WOT (2分間)
•WOTは、スロットル全開(wide open throttle)を意味する。
[0058] そして、間隙 Qにおける、隙間量 βを確保する長さ Αを、 1一 7mmに各々設定した スパークプラグ 100を試験品として用意した。そして、上記の耐熱性試験のテストパタ ーンでエンジンを運転し、プレイグ発生進角を測定した。なお、主体金具小径部 56 の長さを 1. 5mmとし、 J部から主体金具 1の先端までの長さを 12. 9mmとし、最小隙 間量 /3を 0. 4mmとした。その結果を、図 5のグラフに実線で示す。図 5のグラフは、 横軸に長さ Aを示し、縦軸にプレイグ発生進角(° )を示している。なお、ここで「プレ イダ発生進角」とは、プレイグニシヨン (過早着火)が発生する点火進角のことをレ、う。
[0059] ここで、 「プレイグ発生進角が大きい。」とは、耐熱性が高いことを示す。即ち、点火 時期をより進めて(早くして)もプレイグニシヨンの発生しにくいスパークプラグでは、新 規混合気に晒される時間が相対的に短ぐ燃焼ガスに晒される時間は相対的に長く なるので、スパークプラグの先端温度は上昇する。このように耐プレイグニシヨン性を 耐熱性と呼んでいる。
[0060] 図 5に示すグラフの実線で示すように、 A=l.0では、プレイグ発生進角が、 38.0 。 , A=l.2 (mm)では、プレイグ発生進角が、 39.0° , A=2では、プレイグ発生 進角が、 39.5° を示した。そして、 A = 3, 4では、プレイグ発生進角が、 40.5° , A =5では、プレイグ発生進角が、 41° , A=6では、プレイグ発生進角が、 41.5° 、 A= 7では、プレイグ発生進角力 S、 42° を示し、 A=l.2 (mm)以上において右上が りの直線を示した。したがって、 A=l. Ommにおいて、急激にプレイグ発生進角が 低下していることから、総合的かつ相対的に判断して、 A=l.2mm以上で、スパー クプラグ 100の耐熱性が向上すると判断された。
[0061] (実施例 3)
次に、隙間量 j3の長さ Aによるスパークプラグ 100のプレデリバリ耐久性試験の結 果について、図 2および図 6を参照して説明する。図 6は、隙間量 の長さ Aによるス パークプラグ 100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。
[0062] プレデリバリ試験において、 0· 45mm未満の隙間量 を確保する長さ Aを、 1一 7 mmに設定したスパークプラグ 100を試験品として用意した。そして、上記の JIS'Dl 606の走行パターンを 1サイクルとして、スパークプラグ 100の絶縁抵抗が 10ΜΩ以 下に低下するまでこれを繰り返した。その結果を、図 6のグラフに実線で示す。なお、 主体金具小径部 56の長さを 1.5mmとし、 J部から主体金具 1の先端までの長さを 12 .9mmとし、最小隙間量 'を 0.4mmとした。図 6のグラフは、横軸に Aの長さを示 し、縦軸に 10ΜΩ到達サイクル数を示している。
[0063] 図 6に示すように、 A=lでは、 10ΜΩ到達サイクルは 6(回), A=l.2では、 10M
Ω到達サイクルは 7 (回), A=l.5では、 101^0到達サィクルは8(回), =2では、 1 0ΜΩ到達サイクルは 8 (回), A=3では、 10ΜΩ到達サイクルは 8(回), A=4では 、 10ΜΩ到達サイクルは 7(回), A=5では、 10ΜΩ到達サイクルは 6.5 (回), A = 6では、 101^0到達サィクルは4(回), A = 7では、 10ΜΩ到達サイクルは 3(回)で あり、グラフの実線は略放物線形状を示した。そして、実施例 2の結果(図 5参照)を 踏まえ、長さ A=l.2mm以上において、図 4の結果を判断すると、 A=5mm以下( すなわち、間隙 Qの隙間量 ;3を確保する長さ Aの終点 Kは、主体金具 1の先端面 60 力ら 7.9mm以上)では 10ΜΩ到達サイクルが 6回以上と安定した力 A=6(mm) 以上になると、 10ΜΩ到達サイクル力 回と急激に減少した。したがって、長さ Aが 1 .2mm以上、かつ、間隙 Qの隙間量 j3を確保する長さ Aの終点 Kは、主体金具 1の 先端面 60から 7.9mm以上で、耐汚損性が向上するものと判断した。また、長さ Aが 1.5mm以上、 3mm以下(すなわち、間隙 Qの隙間量 j3を確保する長さ Aの終点 K は、主体金具 1の先端面 60力 9.9mm以上)の範囲においては、 10ΜΩ到達サイ クルが 8回と高い値を示したため、さらに耐汚損性がさらに向上するものとして判断し た。
[0064] (実施例 4)
次に、絶縁体中径部 28と第 2絶縁体段部 29との角度 Θによるスパークプラグ 100 のプレデリバリ試験の結果について、図 2および図 7を参照して説明する。図 7は、角 度 Θによるスパークプラグ 100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである 。そして、スパークプラグ 100において、図 2に示す絶縁体中径部 28と第 2絶縁体段 部 29との角度 Θを 0— 20° と調整されたスパークプラグを試験品として各々用意し た。なお、プレデリバリ試験のテスト条件については、上記に示した条件と同じである 。なお、最小隙間量 'を 0.4mmとし、間隙 Qの軸線長さ Aは、 3mmに固定した。
[0065] 図 7に示すように、絶縁体中径部 28と第 2絶縁体段部 29とのなす角度 Θ力 Θ =0 。 , 1。 , 2° , 3° では、 10ΜΩ到達サイクルは 2(回)、 Θ =4。 , 5。 , 6° では、 1 0ΜΩ到達サイクルは 3(回)、 Θ =7° , 8° では、 10ΜΩ到達サイクルは 4(回)、 Θ =9° では、 10ΜΩ到達サイクルは 7(回)、 Θ =10° では、 10ΜΩ到達サイクルは 8(回)、 Θ =15° では、 10ΜΩ到達サイクルは 9(回)、 Θ =20° では、 10ΜΩ到 達サイクル 10 (回)であった。図 7のグラフに示すように、グラフの実線は、略 S字カー ブを示し、 Θ =10° 以上で、 10ΜΩ到達サイクルが 8回以上となり、高いサイクル回 数を示した。したがって、図 7に示す結果を相対的に判断して、絶縁体中径部 28と第 2絶縁体段部 29とのなす角度 Θは、 Θ =10° 以上で、スパークプラグ 100の耐汚損 性を向上できると判断した。
[0066] (実施例 5) 次に、絶縁体中径部 28の、軸線〇方向に平行な長さ Zによる、スパークプラグ 100 の耐熱性試験について、図 2および図 8を参照して説明する。図 8は、長さ Zによるス パークプラグ 100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。そして、絶縁体中 径部 28の軸線〇方向に平行な長さ Zを、 0. 5— 7mmに設定したスパークプラグ 100 を試験品として各々用意した。そして、上記の耐熱性試験のテストパターンでェンジ ンを運転し、プレイグ発生進角を測定した。その結果を、図 8のグラフに実線で示す。 なお、主体金具中径部 56の長さを 1. 5mmとし、 J部から主体金具 1の先端までの長 さを 12. 9mmとし、最小隙間量 j3 'を 0. 4mmとし、間隙 Qの軸線 O方向に平行な長 さ Aは 3mmに固定した。そして、図 8は、横軸に Z部の長さを示し、縦軸に Z部の各長 さを有するスパークプラグ 100に対応したプレイグ発生進角(° )を示している。なお 、耐熱性試験のテスト条件については、上記と同じ条件である。
[0067] 図 8に示すように、絶縁体基部 28の軸線 O方向に平行な長さ Zにおいて、 Z = 0. 5
(mm)では、プレイグ発生進角は 35. 5。 、 Z= l (mm)では、プレイグ発生進角は 3 6. 5° 、 Z= 2 (mm)では、プレイグ発生進角 37° 、 Z= 3 (mm)では、プレイグ発生 進角は 37. 5° 、 Z=4 (mm)では、プレイグ発生進角は 38° 、Z= 5 (mm)では、プ レイグ発生進角は 38· 5° 、 Z= 6 (mm)では、プレイグ発生進角は 39° 、Z = 7 (m m)では、プレイグ発生進角は 39. 5。 であった。図 8に示すように、図 8の実線は、 Z = 1 (mm)以上で右上がりの直線を示した力 Z = 0. 5では、プレイグ発生進角が 35 . 5° と急激に低下した。したがって、絶縁体中径部 28の、軸線〇方向に平行な長さ Zは、 1mm以上でスパークプラグ 100の耐熱性を向上させることができると判断した。
[0068] (実施例 6)
次に、絶縁体中径部 28の、軸線〇方向に平行な長さ Zによる、スパークプラグ 100 のプレデリバリ試験について、図 2および図 9を参照して説明する。図 9は、長さ Zによ るスパークプラグ 100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。そして、 絶縁体中径部 28の軸線〇方向に平行な長さ Zを 1一 8mmに設定したものを試験品 として用意した。その結果を、図 9のグラフに実線で示す。また、主体金具小径部 56 の長さを 1. 5mmとし、 J部から主体金具 1の先端までの長さを 12. 9mmとし、最小隙 間量 /3 'を 0. 4mmとし、間隙 Qの軸線〇方向に平行な長さ Aは 3mmに固定した。な お、プレデリバリ試験のテスト条件については、上記と同じ条件である。
[0069] 図 9に示すように、絶縁体中径部 28の軸線 O方向の長さ Zにおいて、 Z = l (mm) では、 10?^ 0到達サィクル数は9回、2 = 2—5 (111111)では、 10Μ Ω到達サイクル数 は 8回、 Z = 6 (mm)では、 10Μ Ω到達サイクル数は 7回、 Z = 7 (mm)では、 10Μ Ω 到達サイクル数は 4回、 Z= 8 (mm)では、 10Μ Ω到達サイクル数は 3回であった。図 9に示すように、図 9に示す実線は、略逆 S字カーブを示し、 Z = 6以下では、 10Μ Ω 到達サイクル数が、 6 (回)以上と高い耐汚損性を示した。一方、 Z= 7および 8 (mm) では、 10Μ Ω到達サイクル数が 4回以下と急激に低下した。したがって、 Z= 6 (mm) 以下の範囲内で、耐汚損性を向上できると判断した。こうして、実施例 5および実施 例 6の結果より、絶縁体中径部 28の長さ Zは、 1mm以上、 6mm以下の範囲内にお いて、スパークプラグ 100の耐熱性および耐汚損性を向上させることができると判断 した。
[0070] (実施例 7)
次に、交点 Eと交点 Fとの距離 (Y-X) mmによる、スパークプラグ 100の耐熱性試 験の結果について、図 2および図 10を参照して説明する。図 10は、距離 (Y-X)によ るスパークプラグ 100の耐熱性試験の結果について示すグラフである。図 2に示すス パークプラグ 100において、距離 (Y— X)を、 -1一 4mmまでに設定されたスパークプ ラグ 100を試験品として各々用意した。そして、上記の耐熱性試験のテストパターン でエンジンを運転し、プレイグ発生進角を測定した。その結果を、図 10のグラフの実 線で示す。なお、主体金具小径部 56の長さを 1. 5mmとし、 J部から主体金具 1の先 端までの長さを 12. 9mmとし、最小隙間量 'を 0. 4mmとした。間隙 Qの軸線 O方 向に平行な長さ Aは 3mmに固定した。そして、図 10は、横軸に距離 (Y— X)の長さ( mm)を示し、縦軸にプレイグ発生進角(° )を示している。
[0071] 図 10に示すように、交点 Eと交点 Fとの、軸線〇方向に平行な線方向の距離 (Y— X )におレ、て、距離 (Y_X) =_1 (mm)では、プレイグ発生進角は 35. 0° 、距離 (Y— X) =-0. 5 (mm)では、プレイグ発生進角は 37. 0° 、距離(Y_X) = 0 (mm)では、 プレイグ発生進角は 38. 0° 、距離 (Y—X) = 1 (mm)では、プレイグ発生進角は 38 . 0° 、距離 (Y_X) = 2 (mm)では、プレイグ発生進角は 38. 5° 、距離 (Y_X) = 3 ( mm)では、プレイグ発生進角は 39. 0° 、距離 (Y_X) =4 (mm)では、プレイグ発 生進角は 39· 5° であった。距離 (Y— X) =_1 (mm)では、交点 Eよりも交点 Fのほう 1S 図 1および図 2に示すスパークプラグ 100の後端側(図 1および図 2の上方側)に ある。したがって、図 2に示すように、主体金具 1の主体金具小径部 56に対向する絶 縁碍子 2の絶縁体中径部 28の面積が狭められ、スパークプラグ 100の熱引きが悪く なる。そして、スパークプラグ 100の先端側の温度上昇により、プレイグニシヨン現象 が発生しやすくなるなど、耐熱性が悪くなる。したがって、距離 (Y— X)は、 -0. 5mm 以上で耐熱性が向上すると判断された。
[0072] (実施例 8)
次に、交点 Eと交点 Fとの距離 (Y— X)による、スパークプラグ 100のプレデリバリ試 験の結果について、図 2および図 11を参照して説明する。図 11は、距離 (Y— X)によ るスパークプラグ 100のプレデリバリ試験の結果について示すグラフである。図 2に示 すスパークプラグ 100において、距離 (Y— X)を、 _1一 4までに設定したスパークプラ グ 100を試験品として用意した。その結果を、図 11のグラフに実線で示す。なお、プ レデリバリ試験のテスト条件については、上記に示した条件と同じである。また、主体 金具小径部 56の長さを 1. 5mmとし、 J部から主体金具 1の先端までの長さを 12. 9 mmとし、最小隙間量 'を 0.4mmとした。そして、図 11において、横軸に距離 (Y— X)の長さ(mm)を示し、縦軸に距離 (Y-X)の各長さを有するスパークプラグ 100の 10ΜΩ到達サイクル数(回)を示してレ、る。
[0073] 図 11に示すように、距離 (Y— X)において、距離 (Y— X)=— 1では、 10ΜΩ到達サ イタル数は 6回、距離(Y— X) =-0. 5では、 10ΜΩ到達サイクル数は 8回、距離(Y 一 X)=0では、 10ΜΩ到達サイクル数は 9回、距離(Y— X) =lでは、 10ΜΩ到達サ イタル数は 9回、距離(Y— X) =2では、 10ΜΩ到達サイクル数は 8回、距離(Y— X) =3では、 10ΜΩ到達サイクル数は 8回、距離(Y— X) =4では、 10ΜΩ到達サイク ノレ数は 3回であった。図 11のグラフに示すように、図 11に示す実線は、略山成りの力 ーブを示した。そして、距離(Y— X) =4では、 10ΜΩ到達サイクル数は 3回であり、 1 0ΜΩ到達サイクル数が極端に少なかった。これは、距離 (Y— X)が長くなりすぎ、絶 縁体中径部 28の軸線〇方向の長さが長くなり、絶縁碍子 2の先端側にカーボンが付 着することによる奥飛火が生じやすくなつたと推測される。また、距離 (Y— Χ) =-0· 5 でも、 10Μ Ω到達サイクル数が 8回と、耐汚損性がほとんど低下しな力 たため、距 離 (Υ— X)がー 0. 5mm以上、 3mm以下の範囲内で、スパークプラグの耐汚損性を 向上できると判断した。したがって、実施例 7および実施例 8の結果により、距離 (Y— X)が— 0. 5mm以上、 3mm以下の範囲内において、スパークプラグ 100の耐熱性お よび耐汚損性が向上できると判断した。
[0074] (実施例 9)
次に、銅および軟鋼を材質とした板パッキン 8によるスパークプラグ 100の耐熱性試 験の結果について、図 2および図 12を参照して説明する。図 12は、板パッキン 8に銅 パッキンを用いたスパークプラグ 100と、軟鋼パッキンを用いたスパークプラグ 100と の耐熱性試験の結果について示すグラフである。そして、従来の軟鋼パッキンを使 用したスパークプラグ 100と、銅パッキンを使用したスパークプラグ 100とを試験品と して各々用意した。その結果を、図 12の棒グラフに示す。なお、主体金具小径部 56 の長さを 1. 5mmとし、】部から主体金具 1の先端までの長さを 12. 9mmとし、最小隙 間量 ;3 'を 0. 4mmとした。間隙 Qの軸線 O方向に平行な長さ Aは 3mmに固定した。 なお、図 11の横軸はプレイグ発生進角を示している。なお、耐熱性試験のテスト条件 については、上記と同じ条件である。
[0075] 図 12に示すように、従来の軟鋼パッキンを使用したスパークプラグ 100のプレイグ 発生進角が、 42° であったのに対し、銅パッキンを使用したスパークプラグ 100のプ レイグ発生進角は、 44° と高い値を示した。これは、過熱された絶縁碍子 2の熱が、 第 1絶縁体段部 27から、熱伝導率の高い銅パッキンに伝わり、主体金具 1の第 1主 体金具段部 55に効率よく伝えられていることが考えられる。したがって、板パッキン 8 は、銅(又は、アルミニウムなど)のような熱伝導率の高い材質を用いれば、耐熱性を 十分に向上させることができると判断した。
[0076] (実施例 10)
次に、銅パッキンと、従来の軟鋼パッキンとにおけるネジ径の違いによるスパークプ ラグ 100の耐熱性試験の結果について、図 13を参照して説明する。図 13は銅パツキ ンと軟鋼パッキンとにおけるネジの呼び(ネジ径)の違いによるスパークプラグ 100の 耐熱性試験の結果について示すグラフである。そして、従来の軟鋼パッキンおよび 銅パッキンにおいて、取付ネジ部 7のネジの呼び(ネジ径)が M14, M12および Ml 0のスパークプラグ 100を試験品として各々用意した。その耐熱性試験の結果を、図 13のグラフに示す。なお、主体金具小径部 56の長さを 1. 5mmとし、 J部から主体金 具 1の先端までの長さを 12. 9mmとし、最小隙間量 j3 'を 0. 4mmとした。なお、図 1 3の横軸はプレイグ発生進角(° )を示し、縦軸にプレイグ発生進角を示している。ま た、図 13に示す「き」が軟鋼パッキンを使用したスパークプラグ 100を示し、「〇」が銅 パッキンを使用したスパークプラグ 100を示している。なお、耐熱性試験のテスト条件 については、上記と同じ条件である。
[0077] 図 13に示すように、従来の軟鋼パッキンを使用した場合のスパークプラグ 100にお いて、 M10ではプレイグ発生進角が 32° 、 M12ではプレイグ発生進角が 35° 、 M 14ではプレイグ発生進角が 38° であった。一方、銅パッキンを使用したスパークプラ グ 100において、 M10では、プレイグ発生進角力 ¾0· 5° 、M12ではプレイグ発生 進角が 41° 、 M14ではプレイグ発生進角が 42° であり、何れのネジの呼びにおい ても軟鋼パッキンを使用したスパークプラグ 100よりも高いプレイグ発生進角が得られ た。また、従来の軟鋼パッキンの代わりに、銅パッキンを用いた場合の各ネジの呼び におけるプレイグ発生進角の上昇率を見てみると、 M10では上昇率が 21 · 0%、 Ml 2では上昇率が 14. 6%、 M14では上昇率が 9. 5%であった。したがって、 M10, M 12のようにネジの呼びが小さいプラグに銅パッキンを用いた方力 プレイグ発生進角 の上昇率が高いことがわかった。これは、ネジの呼びが小さいスパークプラグ 100の 方力 ネジの呼びが大きいスパークプラグ 100に比べ、プラグ先端部の温度上昇が 早いため、熱伝導率の高い銅パッキンの効果が得られやすいことが考えられる。した がって、取付ネジ部 7の呼びが M12以下のスパークプラグ 100に銅の板パッキン 8を 使用すると、耐熱性を大きく向上できると判断した。
[0078] 以上説明したように、本発明の第 1の実施形態であるスパークプラグ 100によれば、 隙間量 /3を 0. 45mm未満に規定することで、汚損しやすい環境下におかれても、間 隙 Qへの未燃ガス侵入を確実に遮断することができ、耐汚損性を向上させることがで きる。また、主体金具小径部 56と絶縁体中径部 28とが近接しているので、熱価が高 くなり、耐熱性が向上する。さらに、 0. 45mm未満の隙間量 の、板パッキン 8の】部 力 軸線〇方向に延設される長さ Aが 1. 2mm以上、 5mm以下(好ましくは、 1. 5m m以上、 3mm以下)に規制されるので、絶縁碍子 2から主体金具 1に伝わる熱量を適 切に調整することができる。そして、スパークプラグ 100の熱引き (熱価)が調整される ことにより、耐熱性のみならず耐汚損性も向上させることができる。
[0079] さらに、第 2絶縁体段部 29と絶縁体中径部 28とのなす狭角の角度 Θが、 10° 以 上に規定されるので、絶縁体小径部 30の外周面と主体金具大径部 58の内周面との 隙間の空間を広くとることができる。したがって、奥飛火しに《なり、耐汚損性を向上 させること力できる。
[0080] また、絶縁体中径部 28の軸線〇方向の長さ Zは、 1. Omm以上、 6. Omm以下に 規定されるので、スパークプラグ 100の脚長 Lを調整することができる。したがって、ス パークプラグの熱価を適切に調整することにより、耐熱性および耐汚損性を向上させ ること力 Sできる。
[0081] さらに、主体金具小径部 56と、絶縁体中径部 28の相対位置が規定されることで、 絶縁体中径部 28から主体金具小径部 56へ放散される熱量を調整することができる 。したがって、スパークプラグ 100の耐熱性および耐汚損性を向上させることができる
[0082] また、板パッキン 8は、熱伝導率が 200W/m'k以上の材質(例えば、銅、アルミ二 ゥムなど)で形成されているので、過熱された絶縁碍子 2の熱は第 1絶縁体段部 27か ら板パッキン 8を介して、効率よく第 1主体金具段部 55に伝わる。したがって、スパー クプラグ 100の熱引き(熱放散量)がよくなり、スパークプラグ 100の熱価が調整され、 耐熱性を向上させることができる。
[0083] さらに、銅のような熱伝導率の高い板パッキン 8は、プラグ先端部の温度上昇が早 い M12以下(例えば、 M10および M12)のスパークプラグ 100において、スパークプ ラグ 100の耐熱性向上の効果をさらに得ることができる。
[0084] なお、本発明は、上記の第 1の実施形態のスパークプラグ 100に限られず、各種の 変形が可能である。以下、図 14乃至図 16を参照して、第 2および第 3の実施形態の スパークプラグ 200および 300について説明する。 [0085] まず、本発明の第 2の実施形態であるスパークプラグ 200について、図 14および図 15を参照して説明する。なお、図 14は、本発明の第 2の実施形態であるスパークプ ラグ 200力 エンジンヘッド 46に取り付けられた状態を示す縦断面図であり、図 15は 、距離 Hによるスパークプラグ 200の耐熱性試験の結果にっレ、て示すグラフである。 なお、このスパークプラグ 200は、第 1の実施形態のスパークプラグ 100と同様に、自 動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関の着火用に使用される。このスパークプラグ 200によれば、主体金具 1の外周面に形成される取付ネジ部 71の先端部から、主体 金具 1の先端部までの長さが 2. 5mm以上であって、主体金具 1の軸線〇方向の先 端力 板パッキン 8の J部までの距離を規定することで、プラグの先端部をエンジンへ ッド 46の燃焼室 45内に突出させ、スパークプラグ 300の耐汚損性をより向上させたも のである。
[0086] この第 2の実施形態のスパークプラグ 200は、大部分が第 1の実施形態のスパーク プラグ 100と同じ構造であり、異なる点は、主体金具 1の軸線〇方向の先端から板パ ッキン 8の J部までの距離 Hを規定したのみである。したがって、ここでは、第 2実施形 態のスパークプラグ 200における主体金具 1の先端から板パッキン 8の J部までの距 離についてのみ説明し、他の構造の説明は、上記第 1実施形態の説明を援用して説 明を省略する。
[0087] 図 14に示すように、この第 2実施形態のスパークプラグ 200の取付ネジ部 71は、主 体金具 1のストレート部 70の後端側に形成されている。そして、ストレート部 70の軸線 O方向の長さは、 2. 5mm以上に調整されている。ここで、主体金具 1の軸線 O方向 の先端力も板パッキン 8の J部までの、軸線 O方向に平行な距離を距離 H (mm)と定 義する。このとき、距離 H (mm)は、 2mm以上に規制される。そして、図 14に示すよう に、エンジンヘッド 46に設けられ、雌ねじが形成されたプラグ孔 43に、このスパーク プラグ 200をガスケット 10がエンジンヘッド 46に当接するまでねじ込むと、接地電極 4、中心電極 3の電極先端部 36および主体金具 1の先端部がエンジンの燃焼室 45 内に露出する。
[0088] 従来のワイドレンジ型スパークプラグでは、主体金具 1の軸線〇方向の先端から軸 線 O方向の後端側に向かって、 2mmの位置に板パッキン 8の J部が力、かると(距離 H = 2mm)、スパークプラグの熱価 (進角)が著しく低下し、絶縁碍子 2の溶損などによ つて、スパークプラグとしての機能を果たさなかった。しかし、本発明の第 2実施形態 のスパークプラグ 200では、図 14に示す距離 Hが 2mmでも、熱価(熱引き)の低下が 見られない。
[0089] (実施例 11)
次に、距離 Hによるスパークプラグ 200の耐熱性試験の結果について、図 14およ び図 15を参照して説明する。本実験では、距離 Hを、 0— 6 (mm)まで変えたスパー クプラグ 200を試験品として用意した。その結果を、図 15のグラフに示す。なお、試 験品として用いたスパークプラグ 200は、主体金具小径部 56 (図 2に示すスパークプ ラグ 100参照)の長さを 1. 5mmとし、最小隙間量 /3 'を 0. 4mmとした。 βの軸線〇 方向に平行な長さ Α (図 2に示すスパークプラグ 100の主体金具小径部 56参照)は、 3mmに固定した。また、図 15の縦軸は、プレイグ発生進角を示し、横軸には距離 H ( mm)を示す。なお、耐熱性試験のテスト条件については、上記と同じ条件である。
[0090] 図 15に示すように、主体金具 1の先端から、板パッキン 8の J部までの距離 Hにおい て、距離 H = 0 (mm)では、プレイグ発生進角は 22° 、距離 H= 1 (mm)では、プレ イダ発生進角は 30° 、距離 H = 2 (mm)では、プレイグ発生進角は 38. 0° 、距離 H = 3 (mm)では、プレイグ発生進角は 39. 5° 、距離 H=4 (mm)では、プレイグ発生 進角は 39. 5° 、距離 H = 5 (mm)では、プレイグ発生進角は 40° 、距離 H = 6 (m m)では、プレイグ発生進角は 40· 5° であった。
[0091] 図 15に示すように、図 15の実線は、距離 H = 2mmまでは右上がりの直線を示し、 距離 H = 2mm以上では、ほぼ同等の値が得られた。従来のスパークプラグでは、距 離 H = 2mm以下で、熱価 (進角)が急激に低下した力 スパークプラグ 200は、耐熱 性に優れているため、距離 H = 2 (mm)でも熱価の低下はほとんど見られなかった。 したがって、図 15に示すように、プレイグ発生進角 =40° 付近に安定する 2mm以 上において、スパークプラグ 200の耐熱性が向上し、かつ耐汚損性が向上すると判 断された。
[0092] 以上説明したように、本発明の第 2実施形態のスパークプラグ 200によれば、主体 金具 1のストレート部 70の長さが 2. 5mm以上に調整され、距離 H (主体金具 1の軸 線 O方向先端部から、板パッキン 8の J部までの距離)が、 2mm以上に規制されること で、スパークプラグ 200の接地電極 4、中心電極 3のみならず主体金具 1の先端側ま で、確実にエンジンの燃焼室 45内に露出される。そして、スパークプラグ 200は、第 1の実施形態の効果を有するため、主体金具 1の軸線 O方向の先端側が過熱されて も、熱価は低下しない。
[0093] 次に、本発明の第 3の実施形態であるスパークプラグ 300について、図 16を参照し て説明する。図 16は、本発明の第 3実施形態であるスパークプラグ 300の先端側要 部を拡大して示す部分縦断面図である。なお、このスパークプラグ 300は、第 1およ び第 2実施形態のスパークプラグ 100および 200と同様に、 自動車用ガソリンェンジ ンなどの内燃機関の着火用に使用される。そして、このスパークプラグ 300は、絶縁 碍子 2の軸線〇方向の先端部から突出する中心電極 3の電極先端部 36において、 電極先端部 36の縮径先端部を絶縁碍子 2の貫通孔 6の内側に埋設したものである。 なお、この第 3の実施形態のスパークプラグ 300は、大部分が第 1の実施形態のスパ ークプラグ 100と同じ構造であり、異なる点は、中心電極 3の電極先端部 36の、絶縁 碍子 2の軸線〇方向後方側開口部より突出する部分について規定したものである。し たがって、ここでは、第 3実施形態のスパークプラグ 300における絶縁碍子 2の軸線 O方向先端部から突出する中心電極 3の電極先端部 36についてのみ説明し、他の 構造の説明は、上記第 1の実施形態の説明を援用して説明を省略する。
[0094] 図 16に示すように、この第 3実施形態のスパークプラグ 300における中心電極 3の 電極先端部 36は、軸線〇方向の後端側に設けられた中心電極大径部 74と、当該中 心電極大径部 74の先端側に設けられ、当該中心電極大径部 74の外径よりも縮径さ れた中心電極小径部 72と、当該中心電極小径部 72と中心電極大径部 74とを連結 する中心電極段部 73とから構成されている。なお、ここで、軸線〇を含む断面を見た 時に、中心電極段部 73と中心電極大径部 74とが連結する交点を交点 Mと定義する 。また、第 3実施形態のスパークプラグ 300は、火花放電ギャップ gでのスパーク状態 (飛び火状態)を向上させるため、略棒状に形成された中心電極小径部 72は、従来 のスパークプラグの中心電極小径部より縮径されている。これにより、 自己清浄作用 を施す面積が相対的に小さくなり、清浄性能を向上させている。 [0095] そして、絶縁碍子 2の貫通孔 6の軸線 O方向先端側から揷設されている。さらに、図 16に示すように、絶縁碍子 2の絶縁体小径部 30の先端側開口部から、中心電極 3の 電極先端部 36が突出している。そして、交点 Mは、絶縁碍子 2の絶縁体小径部 30の 先端部よりも後端側に位置している。したがって、絶縁碍子 2の絶縁体小径部 30の 開口部から突出する電極先端部 36は、中心電極小径部 72と、中心電極段部 73の 一部となっている。
[0096] 図 16に示すように、交点 Mは、絶縁碍子 2の絶縁体小径部 30の内側に位置してい るので、中心電極大径部 74と中心電極段部 73とが接する部分に形成されるエッジ 部 80は、絶縁体小径部 30の内側に位置することになる。従来のスパークプラグの中 心電極のエッジ部 80は、絶縁体小径部 30の外側に位置していたため、カーボンな どが付着していた。このエッジ部 80にカーボンが付着すると、そこを基点として接地 電極との間に飛び火することがあった。しかし、第 3の実施形態のスパークプラグ 300 では、例えば、電極先端部 36の汚損が進行し、中心電極小径部 72と中心電極段部 73とにカーボンが付着しても、エッジ部 80は、絶縁体小径部 30の先端側には位置し ないため、エッジ部 80にはカーボンが付着しなレ、。したがって、エッジ部 80を基点と して接地電極 4との間に飛び火するのを防止でき、くすぶり汚損対策として有効であ る。また、第 3実施形態のスパークプラグ 300の中心電極小径部 72は縮径され、火 花放電ギャップ gでの電界強度は強くなつてレ、るが、エッジ部 80が絶縁体小径部 30 の先端側に位置しないため、エッジ部 80には飛び火せず、かつ絶縁碍子 2の外周 面にリーク (漏電)しない。
[0097] 以上説明したように、本発明の第 3実施形態のスパークプラグ 300によれば、軸線 を含む断面を見たときに、中心電極大径部 74と中心電極段部 73との交点 Mは、絶 縁碍子 2の絶縁体小径部 30の内側に位置している。したがって、中心電極大径部 7 4と中心電極段部 73とが接する部分に形成されるエッジ部 80は、絶縁体小径部 30 の内側に位置することになる。エッジ部 80は、絶縁体小径部 30の先端側には位置し ないので、エッジ部 80を基点として接地電極 4との間に、飛び火するのを防止するこ とができ、絶縁碍子 2の外周面にリーク(漏電)しない。
[0098] なお、本発明においては、上述した具体的な実施形態に限られず、 目的、用途に 応じて本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。
[0099] 例えば、本発明のスパークプラグ 100において、絶縁碍子 2の絶縁体小径部 30は 、軸線 O方向先端側に向かって縮径されている力 これに限らず、図 17の第 1の変 形例であるスパークプラグに示すように、絶縁碍子 210の軸線 O方向先端側にて縮 径部 310を形成してもよい。また、図 18の第 2の変形例であるスパークプラグに示す ように、絶縁碍子 220の軸線 O方向先端側を、軸線〇方向と平行になるように形成し てもよレ、。また、本発明のスパークプラグ 100では、中心電極 3に芯材 33が形成され ているが、これに限らず、図 18に示すように、絶縁碍子 220に埋め込まれた中心電 極 320および接地電極 400に芯材 340が各々形成されていてもよレ、。
産業上の利用可能性
[0100] 本発明のスパークプラグは、 自動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関の着火用に 使用されるスパークプラグに適用でき、平行型プラグ、セミ沿面型プラグ、間欠沿面 型プラグおよび多極型プラグなど、各種形態のプラグに利用できる。

Claims

請求の範囲
[1] 軸線方向に貫通孔を有し、 自身の外径が先端側に向かって縮径する第 1絶縁体段 部を有する略筒状の絶縁体と、
当該絶縁体の前記貫通孔に揷設される棒状の中心電極と、
自身の内径が先端側に向かって縮径する第 1主体金具段部を有し、該第 1主体金 具段部と前記第 1絶縁体段部とがパッキンを介して係合することで、前記絶縁体を保 持する略筒状の主体金具と、
一端が当該主体金具の先端面に接合され、他端部が前記中心電極に対向するこ とで該他端部と前記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極と、 を備え、
軸線を含む断面を見たときに、前記絶縁体及び前記主体金具は、前記パッキンと 前記第 1絶縁体段部との係合位置よりも先端側に 0. 45mm未満の間隙を有し、 該間隙は、前記パッキンと前記第 1絶縁体段部との最先端側の係合位置を始点と して、軸線方向において、該始点から 1. 2mm以上先端側に離れ、かつ、前記主体 金具の先端面から 7. 9mm以上後端側に離れた終点まで設けられていることを特徴 とするスパークプラグ。
[2] 前記間隙は、前記パッキンと前記第 1絶縁体段部との最先端側の係合位置を始点 として、軸線方向において、該始点から 1. 5mm以上先端側に離れ、かつ、前記主 体金具の先端面から、 9. 9mm以上後端側に離れた終点まで設けられていることを 特徴とする請求項 1に記載のスパークプラグ。
[3] 前記絶縁体は、前記第 1絶縁体段部よりも先端部に、先端側に向かって縮径する 第 2絶縁体段部を有し、
前記主体金具には、前記第 1主体金具段部よりも先端側に、先端側に向かって拡 径する第 2主体金具段部を有し、
前記第 2絶縁体段部の先端と後端における絶縁体の外径の径差は、前記第 2主体 金具段部の先端と後端における主体金具の内径の径差よりも大きいことを特徴とする 請求項 1または 2に記載のスパークプラグ。
[4] 前記第 2絶縁体段部は、軸線を含む断面を見たときに、軸線の平行線との狭角力 0° 以上であることを特徴とする請求項 3に記載のスパークプラグ。
[5] 前記第 2絶縁体段部の後端は、軸線方向において lmm以上、 6mm以下の範囲 で前記第 1絶縁体段部の先端よりも先端側に配設されていることを特徴とする請求項
3または 4に記載のスパークプラグ。
[6] 前記第 2絶縁体段部の後端は、軸線方向において主体金具の先端面から 7mm以 上離れていることを特徴とする請求項 3乃至 5のいずれか一項に記載のスパークブラ グ。
[7] 軸線を含む断面を見たときに、前記第 2絶縁体段部の後端の軸線方向の位置が、 前記第 2主体金具段部の後端を起点として先端側に向力 方向を +としたとき、— 0. 5mm以上、 3mm以下であることを特徴とする請求項 3乃至 6のいずれか一項に記載 のスパークプラグ。
[8] 前記パッキンは、熱伝導率が 200W/m'k以上の材料から形成されていることを特 徴とする請求項 1乃至 7のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
[9] 前記主体金具の外周面には、ネジ部が形成され、
前記ネジ部の呼びが M12以下であることを特徴とする請求項 1乃至 8のいずれか 一項に記載のスパークプラグ。
[10] 前記ネジ部の先端から前記主体金具の先端までの軸線方向長さが 2. 5mm以上 であることを特徴とする請求項 9に記載のスパークプラグ。
[11] 前記主体金具の先端から前記パッキンと前記第 1絶縁体段部との最先端側の係合 位置までの距離が 2mm以上であることを特徴とする請求項 10に記載のスパークブラ グ。
[12] 前記中心電極は、該中心電極の外径が後端側に向かって拡径する第 1中心電極 段部と、該第 1中心電極段部の後端側に連なる中心電極小径部と、該中心電極小径 部の後端側に連なり外径が後端側に向かって拡径する第 2中心電極段部と、該第 2 中心電極段部の後端側に連なる中心電極大径部とを有し、
軸線を含む断面を見たときに、前記絶縁体の先端は、前記第 1絶縁体段部と前記 第 2絶縁体段部の間に位置することを特徴とする請求項 1乃至 11のいずれか一項に 記載のスパークプラグ。
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