JP2006073205A - スパークプラグ - Google Patents

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JP2006073205A JP2004251297A JP2004251297A JP2006073205A JP 2006073205 A JP2006073205 A JP 2006073205A JP 2004251297 A JP2004251297 A JP 2004251297A JP 2004251297 A JP2004251297 A JP 2004251297A JP 2006073205 A JP2006073205 A JP 2006073205A
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Yoshihiro Matsubara
佳弘 松原
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Abstract

【課題】 第1火花放電ギャップの位置と第2火花放電ギャップの位置とを近づけることで、耐汚損性および着火性の向上を図ることができるスパークプラグを提供する。
【解決手段】 軸線O方向において、絶縁碍子1の先端部11の先端面15を基準とし、中心電極2の先端部21の先端面22が先端方向に向けて突出した突出量Dを−0.5mm以上0.3mm以下とした。また主接地電極60の内面61からの突出部として設けた貴金属チップ65は、少なくとも直径1.2m以下、高さ0.4m以上の部位を有する。さらに、補助火花放電ギャップにおける気中放電間隙(間隙B)の間隔を、0.4mm以上0.7mm以下、主火花放電ギャップ(間隙A)の間隔を0.7mm以上1.3mm以下とした。この構成により第1および第2火花放電ギャップが近接し、清浄時も含めた着火性の向上を図ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、火花放電ギャップ付近の自己清浄を行うことができる内燃機関用のスパークプラグに関するものである。
従来、内燃機関には点火のためのスパークプラグが用いられている。このスパークプラグでは、一般的には、中心電極が挿設された絶縁碍子を保持する主体金具の燃焼室側の先端部に第1接地電極を溶接して、第1接地電極の他端部を中心電極の先端部の先端面と対向させて、第1火花放電ギャップを形成している。そして、中心電極と第1接地電極との間で火花放電が行われ、両電極間に曝された混合気に着火することにより、火炎核が形成される。
ところで、燃焼室内に露出されるスパークプラグの絶縁碍子の表面上に、混合気の燃焼によって発生したカーボンが付着する、いわゆる汚損が発生することがある。この汚損が進行して絶縁碍子表面の絶縁性が低下すると、主体金具と絶縁碍子との間で放電してしまって中心電極と第1接地電極との間で火花放電が行われなくなり失火の状態となる。そこで、第1接地電極と並列する第2接地電極を設け、第2接地電極と中心電極との間で第2火花放電ギャップを形成して火花放電が行われるようにする。そして、絶縁碍子の表面上で火花を走らせて付着したカーボンを焼き切ることで自己清浄し、失火を防止することができる耐汚損性を高めたスパークプラグが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、火花放電の発生位置は電極間の距離の大小によって一義的に決定されるものではなく、条件によっては距離の大きい場所でも火花放電が行われる、いわゆる飛火現象が生ずることがある。例えば直噴式内燃機関の場合、高濃度の混合気は燃焼室内の非常に狭い範囲でしか形成されないため、汚損が発生した場合に、例えば主体金具と絶縁碍子との間で飛火現象が生ずると、混合気に着火せずに失火となってしまう。そこで、汚損が発生した場合でも主体金具と絶縁碍子との間で飛火現象が発生しないように、スパークプラグの各構成部品の配置位置を規定することが、着火性を向上するうえで効果的である(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−160475号公報 特開2001−237045号公報
しかしながら、特許文献2のスパークプラグでは、その軸線方向において第1火花放電ギャップの位置と第2火花放電ギャップの位置とが離れているため、燃焼室内で、第1火花放電ギャップにて混合気に着火した場合と、第2火花放電ギャップにて混合気に着火した場合とでは特に中心電極先端部における着火位置が異なり、多少なりとも着火性に差が生ずる。特に直噴式の内燃機関では着火位置によりエンジン出力に差が生ずる場合があるため、さらなる着火性の向上が望まれていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、第1火花放電ギャップの位置と第2火花放電ギャップの位置とを近づけることで、耐汚損性および着火性の向上を図ることができるスパークプラグを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のスパークプラグは、中心電極と、軸線方向に延びる軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔で保持する絶縁碍子と、自身の先端面より前記絶縁碍子の先端部を突出させた状態で、前記絶縁碍子の周囲を取り囲んで保持する主体金具と、一端が、前記主体金具の先端面に接合され、他端側の一側面が、前記中心電極の先端部の先端面に対向するように屈曲された第1接地電極と、前記第1接地電極の他端の前記中心電極の先端部の先端面と対向する前記一側面から、前記中心電極の先端部の先端面に向けて突出され、その先端部の先端面と、前記中心電極の先端部の先端面との間で第1火花放電ギャップを形成する突出部と、一端が、前記主体金具の先端面に接合され、他端が、自身の先端と前記絶縁碍子表面との間で放電する気中放電間隙と、前記絶縁碍子表面上の前記気中放電間隙の起点と前記中心電極の先端部との間で前記絶縁碍子の表面を沿って放電する沿面放電間隙と、からなる第2火花放電ギャップを形成する第2接地電極とを備え、前記中心電極の軸線方向において、前記中心電極の先端部の先端面が、前記絶縁碍子の先端部の先端面より先端方向に向けて突出した突出量が−0.5mm以上0.3mm以下であり、前記第1接地電極の突出部は、少なくとも直径1.2mm以下、高さ0.4mm以上の部位を有し、前記第1火花放電ギャップの間隔が0.7mm以上1.3mm以下であり、前記第2火花放電ギャップにおける前記気中放電間隙の間隔が0.4mm以上0.7mm以下であることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のスパークプラグは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記中心電極の軸線方向において、前記中心電極の先端部の先端面、または、前記絶縁碍子の最も先端の部位を基準として、前記第2接地電極の最先端部が先端方向に向けて突出した突出量が、0.5mm未満であることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のスパークプラグは、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記絶縁碍子の先端部における前記軸孔の内径は、2.1mm以下であることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のスパークプラグは、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記中心電極の先端部には、貴金属からなる電極チップが設けられている。
また、請求項5に係る発明のスパークプラグは、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記第1火花放電ギャップまたは前記第2火花放電ギャップにて火花放電が行われる際には、前記中心電極が前記第1接地電極または前記第2接地電極よりも低電位となるように、両者への電圧の印加が行われることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明のスパークプラグは、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記絶縁碍子の前記軸孔の最先端部は、面取り、または曲面加工がなされていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明のスパークプラグは、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記第1接地電極の他端は、前記突出部に向けて先細り形状となるようにテーパ状に形成されている。
請求項1に係る発明のスパークプラグでは、軸線方向において、主に混合気への着火を行う第1火花放電ギャップの位置と、絶縁碍子の先端部に火花放電を行って清浄することができる第2火花放電ギャップの位置とを近づけたことで、第1火花放電ギャップまたは第2火花放電ギャップのいずれにおいて火花放電が生じている場合でも混合気への着火をほぼ同じ位置にて行うことができるので、着火性を向上させることができる。
これを実現するため、中心電極の軸線方向において、中心電極の先端部の先端面が絶縁碍子の先端部の先端面より先端方向に向けて突出した突出量を−0.5mm以上0.3mm以下とした。突出量が−0.5mmより小さくなると、チャネリングにより絶縁碍子の先端部が削られてしまう虞が生ずるが、本発明のスパークプラグでは突出量を−0.5mm以上としたのでチャネリングによる絶縁碍子の先端部の破損を低減することができる。また、突出量が0.3mmより大きくなると中心電極の先端面が絶縁碍子の先端部より遠ざかるため、中心電極の特に第2火花放電ギャップの中心電極側の放電起点が絶縁碍子先端部より離れる場合が多くなる。すると、絶縁碍子の先端部の汚損部分の清浄を狙った場合の効果が薄れてしまうが、本発明のスパークプラグでは突出量を0.3mm以下としたので、耐汚損性についての効果を発揮することができる。
また、第1接地電極に設けた突出部は、少なくとも直径を1.2mm以下、高さを0.4mm以上の部位を有することとした。上記のように第1火花放電ギャップと第2火花放電ギャップとを近づけるため中心電極の先端面の位置を絶縁碍子の先端面に近づけた場合、第1火花放電ギャップにおいて第1接地電極と中心電極との間で発生する火花放電の位置によっては、絶縁碍子の先端部においてチャネリングの影響を与えてしまう虞がある。そこで第1接地電極の一側面に上記の大きさに規定した突出部を設け、放電範囲を狭くした。突出部の直径が1.2mmより大きければ、放電範囲が広範囲になり絶縁碍子の先端部へのチャネリングの影響が生ずる虞があるが、本発明のスパークプラグでは1.2mm以下としたため、放電範囲を狭くすることができチャネリングの影響を低減することができる。また、突出部の高さが0.4mmより小さい場合、第1火花放電ギャップでの火花放電により燃料に着火し形成された火炎核が第1接地電極に接触しやすくなるため、消炎作用によりその成長が妨げられ失火となる虞があるが、本発明のスパークプラグでは0.4mm以上としたため、消炎作用による火炎核の成長阻害を防止して失火の発生を低減することができる。
また、上記のように第1火花放電ギャップと第2火花放電ギャップとを近づけ、さらに非汚損時の火花放電および汚損時の清浄が有効に行われるようにするために、第2火花放電ギャップにおける気中放電間隙の間隔を0.4mm以上0.7mm以下とし、第1火花放電ギャップの間隔を0.7mm以上1.3mm以下とした。非汚損時に、第1火花放電ギャップにおいて火花放電が行われ易くするためには、第2火花放電ギャップよりも第1火花放電ギャップの間隔が小さいことが望ましい。さらに汚損時に第2火花放電ギャップにおいて火花放電が行われ易くするためには、第1火花放電ギャップよりも第2火花放電ギャップにおける気中放電間隙の間隔が小さいことが望ましい。そこで、第1火花放電ギャップの間隔の下限、および気中放電間隙の間隔の上限を0.7mmとした。ところで、気中放電間隙の間隔が0.4mmより小さいと、第2接地電極と絶縁碍子との間で燃料ブリッジやカーボンブリッジを形成する虞があるが、本発明のスパークプラグでは0.4mm以上としたので前記ブリッジ等が形成され難い。また、第1火花放電ギャップの間隔が1.3mmよりも大きいと、火花放電に必要な放電電位が高くなってしまい、第2火花放電ギャップへの火花放電の割合が増えチャネリングが重度になったり放電電圧が高くなるため、プラグの寿命を低下させる要因となる。
また、請求項2に係る発明のスパークプラグでは、請求項1に係る発明の効果に加え、第2接地電極の最先端部の突出量を0.5mm未満とした。最先端部の突出量が0.5mm以上であると希薄燃料を使用すると失火が発生しやすくなり、内燃機関の燃費向上の妨げとなったり、ストールの発生の原因となる場合があるが、本発明のスパークプラグでは突出量を0.5mm未満としたため着火限界空燃比を高くすることができ、失火の発生を低減することができる。
また、請求項3に係る発明のスパークプラグでは、請求項1または2に係る発明の効果に加え、絶縁碍子の先端部における軸孔の内径を2.1mm以下とした。軸孔の内径が2.1mmより大きくなると、軸孔先端の中心電極の周辺の面積は増大することとなる。これはつまり第2火花放電ギャップで火花放電が発生した場合に、一度の火花放電において絶縁碍子の表面に付着したカーボンを焼き切ることができる量には限度があるので十分なカーボンの焼き切りが行えず、絶縁抵抗の保持力が低下することとなる。しかし、本発明のスパークプラグでは絶縁碍子の先端部における軸孔の内径を2.1mm以下としたので、汚損時に清浄すべき絶縁碍子の表面の面積を限定でき、絶縁碍子の先端部に付着したカーボンを効率的に焼き切ることができ、火花清浄による清浄効率を高め絶縁抵抗を保持しやすい。
また、請求項4に係る発明のスパークプラグでは、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、中心電極の先端部に比較的融点が高い貴金属チップを設けたことで、火花放電によって発生する熱に強く、耐久性を向上することができる。
また、請求項5に係る発明のスパークプラグでは、請求項1乃至4のいずれかに係る発明の効果に加え、火花放電の際に、中心電極が第1接地電極または第2接地電極よりも低電位となるように電圧の印加が行われるようにしたので、中心電極(負極)側の放電起点近傍が清浄しやすいため、中心電極側に配置されている絶縁碍子と、中心電極との境界付近に付着したカーボンを容易に焼き切ることができる。
また、請求項6に係る発明のスパークプラグでは、請求項1乃至5のいずれかに係る発明の効果に加え、絶縁碍子の軸孔の最先端部に面取り、または曲面加工を施したので、火花放電時に生じうるチャネリングの影響で絶縁碍子の先端部が削られることを低減することができる。
また、請求項7に係る発明のスパークプラグでは、請求項1乃至6のいずれかに係る発明の効果に加え、第1接地電極の他端を、突出部に向けて先細り形状となるようにテーパ状に形成した。このため、第1火花放電ギャップでの着火時に発生した火炎核が成長する際に第1接地電極の母体と接触するタイミングを遅らせることができる。従って、第1接地電極の消炎作用による火炎核の成長阻害を防止して失火の発生を低減することができる。
以下、本発明を具体化したスパークプラグの一実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、スパークプラグ100の部分断面図である。なお、図1に示す軸線O方向(図中一点鎖線Oで示す。)において、中心電極2が設けられた側をスパークプラグ100の先端側とし、端子金具4が設けられた側を後端側として説明する。
図1に示すように、スパークプラグ100は、概略、絶縁体を構成する絶縁碍子1と、この絶縁碍子1を保持する主体金具5と、絶縁碍子1内に軸線O方向に保持された中心電極2と、主体金具5の先端面57に一端が溶接され、他端側の一側面が中心電極2の先端部21の先端面22(すなわち、先端部21に接合された電極チップ23の先端側の面)に対向する主接地電極60と、主接地電極60と同様に、主体金具5の先端面57に一端が接合され、他端が絶縁碍子1の先端部11に向けて屈曲された補助接地電極70と、絶縁碍子1の後端部に設けられた端子金具4とから構成されている。
まず、スパークプラグ100の絶縁体を構成する絶縁碍子1について説明する。絶縁碍子1は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成される筒形状を有する。この絶縁碍子1の先端側は、内燃機関の燃焼室に曝される脚長部13となっている。さらに、絶縁碍子1の軸中心には軸孔12が形成され、この軸孔12に中心電極2が保持されている。中心電極2は、インコネル(商標名)600または601等のニッケル系合金等で形成され、内部に熱伝導性に優れる銅等からなる芯部24を有する構造を持つ。中心電極2は丸棒状に構成され、これを保持する絶縁碍子1もまた、円筒状に形成されている。
中心電極2の先端部21には、中心電極2と略同径の柱状を有し、耐消耗性に優れた貴金属を主成分とする電極チップ23が溶接されている。そして、中心電極2の先端面22としての電極チップ23の先端側の面が、絶縁碍子1の先端面15よりも後端側に位置するように、中心電極2が位置決めされている。
また、中心電極2は、軸孔12の内部に設けられたシール材14を介して後端側の端子金具4と電気的に接続されている。そして端子金具4には高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、外部回路から高電圧が印加されるようになっている。
次に、主体金具5について説明する。主体金具5は低炭素鋼材等からなり、先端部の外周には図示外の内燃機関へ取り付けるための雄ねじ部52が形成され、後端部には工具が係合される工具係合部51が形成されている。主体金具5はかしめ部53をかしめることにより、内周に設けられた段部56に板パッキンを介して絶縁碍子1が支持されて、主体金具5と絶縁碍子1とが一体にされる。かしめによる密閉を完全なものとするため、主体金具5と絶縁碍子1との間に環状のリング部材6,7が介在され、リング部材6,7の間にはタルク(滑石)9の粉末が充填されている。また、主体金具5の中央部には鍔部54が形成され、雄ねじ部52の後端側近傍、すなわち、鍔部54の座面55にはガスケット10(薄板を折りたたんだ環状のパッキン)が備えられている。
次に、主接地電極60について説明する。主接地電極60は耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、インコネル(商標名)600または601等のニッケル合金が用いられる。主接地電極60は、自身の長手方向の横断面が略長方形を有しており、一端(基端)が主体金具5の先端面57に溶接により接合されている。また、主接地電極60の他端(先端)側は、その一側面側が、中心電極2の先端面22(すなわち電極チップ23の先端側の面)に対向するように屈曲され、これを内面61として構成している。この内面61は中心電極2の軸線O方向に略直交しており、中心電極2の先端面22に対向する位置に、貴金属からなるチップ状の電極チップ65が突出部として突設状に溶接されている。そして、突設した電極チップ65の先端面63と、中心電極2の先端面22との間で、主火花放電ギャップ(図2における間隙Aで示す部分)が形成される。なお、主接地電極60および主火花放電ギャップのそれぞれが、本発明における「第1接地電極」および「第1火花放電ギャップ」に相当する。
次いで、補助接地電極70について説明する。補助接地電極70は、主接地電極60と同様に、一端(基端71)が主体金具5の先端面57に溶接された角棒形状を有し、絶縁碍子1を挟んで主接地電極60に対して略対称となる位置に2本設けられている。そして、補助接地電極70の他端(先端72)は、絶縁碍子1の先端部11に向けて屈曲されている。そして、その補助接地電極70の先端72と、中心電極2との間で形成される補助火花放電ギャップは、補助接地電極70と絶縁碍子1の先端部11との間で火花放電が行われる気中放電間隙(図2における間隙Bで示す部分)と、気中放電間隙の起点(絶縁碍子1の先端部11において補助接地電極70に対して火花が飛ぶ位置)から絶縁碍子1の表面に沿って中心電極2に至るまでの沿面放電間隙(図2における間隙Cで示す部分)とからなる。なお、補助接地電極70および補助火花放電ギャップのそれぞれが、本発明における「第2接地電極」および「第2火花放電ギャップ」に相当する。
このような構成のスパークプラグ100において、中心電極2と主接地電極60との間、および、中心電極2と補助接地電極70との間でそれぞれ生ずる火花放電が、軸線O方向において略同位置で生ずるように構成することは、着火性のさらなる向上を図る上で有効である。そこで、本実施の形態のスパークプラグ100では、着火性を向上できるように、主火花放電ギャップや補助火花放電ギャップの位置や大きさを設定し、これを実現するため各部品の大きさや配置位置を規定した。以下、図2を参照して、各部品の配置位置や大きさについて説明する。図2は、スパークプラグ100の火花放電ギャップ付近の要部拡大断面図である。なお、以下に説明する突出量については、軸線O方向におけるスパークプラグ100の先端方向を正、後端方向を負として説明する。
本実施の形態のスパークプラグ100では主火花放電ギャップと補助火花放電ギャップとの軸線O方向における位置を近接させるため、軸線O方向において絶縁碍子1の先端面15を基準とした中心電極2の先端面22の位置が規定されている。図2に示すように、中心電極2の先端面22は、絶縁碍子1の先端面15を基準として突出量Dが−0.1mmとなる位置に配置されている。この絶縁碍子1の先端面15を基準とする突出量Dは、−0.5mm以上0.3mm以下であることが望ましい。
突出量Dが負となると、絶縁碍子1の先端面15よりも大きく中心電極2の先端面22がより奥まった位置に配置されることとなる。すると、主火花放電ギャップにおける火花放電は、絶縁碍子1の先端部11周辺の軸孔12内でなされることとなる。特に突出量Dが−0.5mmより小さくなると、スパークプラグ100の長期間の使用により、絶縁碍子1の先端部11付近が少しずつ削られる、いわゆるチャネリングが発生する虞が生じてしまう。
ところで、本実施の形態のスパークプラグ100では、中心電極2よりも、接地される主接地電極60や補助接地電極70の電位が高電位となるように電圧を印加している。絶縁碍子1の先端部11は主接地電極60や補助接地電極70よりも中心電極2により近い位置に配置されており、負極側の放電起点の近傍が清浄しやすいことから、このように中心電極2側を低電位とすることで汚損時に中心電極2と絶縁碍子1との境界付近に付着したカーボンを容易に焼き切ることができ、汚損部分の清浄を行うことができる。しかし、突出量Dが0.3mmより大きくなると、中心電極2の先端面22が絶縁碍子1の先端部11より遠ざかる。すると、中心電極2の特に補助火花放電ギャップの中心電極2側の放電起点が、絶縁碍子1の先端部11より離れる場合が多くなる。このため汚損時に、絶縁碍子1の先端部11の特に中心電極2と絶縁碍子1との境界付近に付着したカーボンを焼き切る清浄の効果が薄れてしまう。すなわち補助火花放電ギャップでの火花放電による清浄が必要となり、耐汚損性として鑑みた場合の効果は低減することとなる。これらの効果については、後述する実施例3において確認できた。
さらに、中心電極2の外径を小さくすることで、火花清浄による清浄効率を高め、先端部11が汚損した場合に付着したカーボンを効率的に焼き切り、絶縁抵抗を高く保つことができる。この効果を得るため、後述する実施例5の結果に基づくと、絶縁碍子1の先端部11における軸孔12の内径(内径H)を2.1mm以下とすることがよいことがわかった。絶縁碍子1の軸孔12の内径(内径H)を小さくすることで、この軸孔12内に保持される中心電極2の外径も小さくすることができる。
次に、絶縁碍子1の先端部11の汚損が軽度でない場合、補助火花放電ギャップにおいて火花放電が成されることによって、その清浄が行われる。前述したように、この補助火花放電ギャップは、間隙Bで示す絶縁碍子1の先端部11と補助接地電極70の先端72との間で火花放電が行われる気中放電間隙(間隙B)と、その気中放電間隙の起点から絶縁碍子1の表面に沿って中心電極2に至るまでの沿面放電間隙(間隙C)とからなる。絶縁碍子1の先端部11が汚損した場合、絶縁碍子1の先端部11に付着したカーボンに電流が流れ、気中放電間隙が実質的な火花放電ギャップとなる。この気中放電間隙(間隙B)が、主火花放電ギャップ(間隙A)よりも小さければ、気中放電間隙の放電電位が主火花放電ギャップの放電電位より低くなるため、汚損時に主火花放電ギャップに代わって気中放電間隙にて火花放電が行われやすくすることができる。このため、本実施の形態では気中放電間隙の大きさを0.4mm以上0.7mm以下とし、主火花放電ギャップの大きさを0.7mm以上1.3mm以下として規定している。
気中放電間隙(間隙B)が0.4mmより小さいと、補助接地電極70の先端と絶縁碍子1の先端部11との双方に混合気中の燃料が付着したときや、絶縁碍子1の先端部11に付着したカーボンが成長したときにブリッジを形成し、火花放電が行われなくなる虞がある。また、主火花放電ギャップ(間隙A)が1.3mmよりも大きいと、火花放電に必要な放電電位が高くなってしまう。
また、上記したように、汚損時に補助火花放電ギャップにおいて火花放電が行われるようにするためには、気中放電間隙の大きさが、主火花放電ギャップの大きさよりも小さくなることが望ましい。さらに、非汚損時に主火花放電ギャップにおいて火花放電が行われるようにするためには、補助火花放電ギャップが主火花放電ギャップよりも大きいことが望ましい。このため、本実施の形態では気中放電間隙の大きさの上限および主火花放電ギャップの大きさの下限を0.7mmと設定し、両者が確実に上記関係を満たせるようにして上記効果を得られるようにした。なお、気中放電間隙の大きさよりも主火花放電ギャップの大きさを、少なくとも0.1mm以上大きくすれば、汚損時に、より確実に気中放電間隙において火花放電が行われやすくすることができ、好適である。なお、上記補助火花放電ギャップにおける火花放電は汚損時に発生しやすいが、汚損時のみに発生するものではない。
次に、本実施の形態では、主接地電極60の先端の内面61に電極チップ65を設け、主接地電極60の母体から主火花放電ギャップを遠ざけている。このため着火の際に成長する火炎核が主接地電極60の母体と接触するまでのタイミングを遅らせることができ、消炎作用を低減することができるため、火炎核の成長が妨げられず着火性が向上する。さらに、電極チップ65の大きさに制限を設けたため主火花放電ギャップにおいて火花放電の生ずる範囲が、電極チップ65の軸断面の範囲に狭められることとなる。すると、絶縁碍子1の先端部11は、気中における火花の通過位置から遠ざけられるため、チャネリングの影響を受けにくくなる。
後述する実施例1,2の結果に基づくと、電極チップ65を含めた主接地電極60の内面61からの突出部が、少なくとも直径(図2に示す直径F)が1.2mm以下、高さ(図2に示す高さG)が0.4mm以上の部位を有すれば、より着火性を向上できることがわかった。特に本実施の形態のように、軸線O方向において、絶縁碍子1の先端面15に対する中心電極2の先端面22の突出量Dが−0.5mm以上0.3mm以下である場合、主接地電極60の内面61からの突出部を細くすることによって放電範囲を狭くすることができ、チャネリングにより絶縁碍子1の先端部11が破損する虞を低減することができる。
もっとも上記効果を得るには、上記条件を満たし、主火花放電ギャップが主接地電極60の母体より遠ざけられていればよい。このためには本実施の形態のように主接地電極60の内面61に電極チップ65を設けてもよいし、火花放電が行われる位置が上記条件を満たして内面61より突設するように、主接地電極60の形状を構成してもよい。すなわち、突出部は、主接地電極60と別体であってもよいし、一体に構成されていてもよい。また一体である場合、火花放電の起点となる部分に小型の電極チップを設けてもよく、その電極チップを含めた内面61からの突出部が上記条件を満たせばよい。
次に、本実施の形態では、軸線O方向において、絶縁碍子1の先端面15、または中心電極2の先端面22のうち、より先端側にある方を基準とし、補助接地電極70の先端72の最先端部73の突出量Eが、0.5mm未満となるように規定している。後述する実施例4の結果によると、突出量Eが0.5mm以上となると着火限界空燃比が低下する傾向にあり、失火を招きやすくなることがわかった。
このような火花放電ギャップ付近の自己清浄効果を確認するため、実施例1〜5に示す試験を行った。以下、図3〜図5および表1を参照して、実施例1〜5について説明する。図3は、主接地電極の内面からの突出部の高さ(図2に示す高さG)と着火限界空燃比との関係についての評価試験の結果を示すグラフである。図4は、主接地電極の内面からの突出部の直径(図2に示す直径F)と着火限界空燃比との関係についての評価試験の結果を示すグラフである。図5は、絶縁碍子の先端面または中心電極の先端面を基準とする補助接地電極の先端部の突出量(図2に示す突出量E)と着火限界空燃比との関係についての評価試験の結果を示すグラフである。
[実施例1]
まず、主接地電極の内面からの突出部の高さ(図2に示す高さG)と着火限界空燃比との関係について、評価試験を行った。各テストサンプルのスパークプラグは、直径が1.0mmで高さの異なる電極チップを主接地電極の内面に溶接し、これを突出部として作成した。そして、各テストサンプルを実際にエンジンに組み付け、以下の条件に沿ってエンジンを駆動させた。エンジンは6気筒2000ccのものを用いた。このエンジンをアイドリング状態(700rpm)で駆動させ、1分間あたりに失火の発生する頻度が0となる燃料と空気の混合比(着火限界空燃比)を確認した。そして、着火限界空燃比が大きく変化するときの主接地電極の内面からの突出部の高さを基準として、着火性向上の効果が得られる突出部の高さを確認した。
この評価試験の結果、主接地電極の内面からの突出部の高さが「0」,「0.2」,「0.4」,「0.6」,「0.8」(mm)である5つのテストサンプルについて、それぞれの着火限界空燃比は、「16.2」,「16.8」,「17.5」,「17.7」,「17.8」となった。これを図3に示すようにグラフ化したところ、突出部の高さが0.4mm(このときの着火限界空燃比は17.5)よりも低くなると、着火限界空燃比が大きく低下することがわかった。
[実施例2]
次に、主接地電極の内面からの突出部の直径(図2に示す直径F)と着火限界空燃比との関係について、評価試験を行った。各テストサンプルのスパークプラグは、高さが0.4mmで直径の異なる電極チップを主接地電極の内面に溶接し、これを突出部として作成した。そして実施例1と同様の評価試験を行って、着火性向上の効果が得られる突出部の直径を確認した。
この評価試験の結果、主接地電極の内面からの突出部の直径が「0.4」,「0.6」,「0.8」,「1.0」,「1.2」,「1.4」(mm)である6つのテストサンプルについて、それぞれの着火限界空燃比は、「17.8」,「17.75」,「17.7」,「17.6」,「17.5」,「17.0」となった。これを図4に示すようにグラフ化したところ、突出部の直径が1.2mm(このときの着火限界空燃比は17.5)よりも大きくなると、着火限界空燃比が大きく低下することがわかった。
[実施例3]
次に、絶縁碍子の先端面を基準とする中心電極の突出量(図2に示す突出量D)と絶縁碍子の先端部分における汚損性およびチャネリングの発生状況との関係について、評価試験を行った。中心電極の絶縁碍子の先端面に対する突出量の異なる8つのスパークプラグのテストサンプルを作成し、各テストサンプルを実際にエンジンに組み付け、以下の条件に沿ってエンジンを駆動させた。汚損性の評価試験では、排気量3000ccの6気筒直噴式ガソリンエンジンに各テストサンプルを組み付け、JIS規格D1606で規定されているプレデリバリ汚損試験を行った。そして、所定の駆動パターンを1サイクルとし、10MΩに達するまでのサイクル数を測定した結果に基づいて、優「☆」、良「○」、不可「×」の評価を行った。
また、チャネリングの発生状況の評価試験では、排気量1800ccの4気筒直噴式ガソリンエンジンに各テストサンプルを組み付けた。そして、5000rpmWOT(Wide Open Throttleの略称で、スロットル全開を意味する。)で100時間駆動させた後に、絶縁碍子の先端部においてチャネリングにより形成された溝の深さを測定した。このとき、溝の深さが0.2mm以下であれば、耐チャネリング性について、良「○」、0.2mmより深く0.4mm以下であれば可「△」、0.4mmより深ければ不可「×」として評価した。
Figure 2006073205
この評価試験の結果、絶縁碍子の先端面を基準とする中心電極の突出量が「−0.7」,「−0.5」,「−0.3」,「−0.1」,「0.1」,「0.3」,「0.5」,「0.7」(mm)である8つのテストサンプルについて、汚損性についての評価はそれぞれ「○」,「☆」,「☆」,「☆」,「☆」,「○」,「×」,「×」となり、耐チャネリング性についての評価はそれぞれ「×」,「△」,「○」,「○」,「○」,「○」,「○」,「△」となった。この結果をもとに、総合評価としてはそれぞれ「×(不合格)」,「○(合格)」,「○」,「○」,「○」,「○」,「×」,「×」として評価した。これにより、絶縁碍子の先端面を基準とする中心電極の突出量を−0.5mm以上0.3mm以下とすれば、汚損性および耐チャネリング性の両面において良好であることを確認することができた。
[実施例4]
次に、絶縁碍子の先端面、または中心電極の先端面のうち、より先端側にある方を基準とする補助接地電極の先端部の突出量(図2に示す突出量E)と着火限界空燃比との関係について、評価試験を行った。各テストサンプルのスパークプラグは、補助接地電極の折り曲げ具合を調整することにより、その先端部の突出量を異ならせて作成した。そして実施例1と同様の評価試験を行って、着火性向上の効果が得られる補助接地電極の先端部の突出量を確認した。
この評価試験の結果、補助接地電極の先端部の突出量が「−1」,「−0.5」,「−0.25」,「0」,「0.25」,「0.5」,「0.75」,「1」(mm)である8つのテストサンプルについて、それぞれの着火限界空燃比は、「17.7」,「17.7」,「17.65」,「17.6」,「17.5」,「17.4」,「17.1」,「16.7」となった。これを図5に示すようにグラフ化したところ、補助接地電極の先端部の突出量が0.5mm(このときの着火限界空燃比は17.4)以上となると、着火限界空燃比が大きく低下することがわかった。
[実施例5]
次いで、絶縁碍子の先端部における軸孔の内径と汚損性の関係について、評価試験を行った。軸孔の内径の異なる4つのスパークプラグのテストサンプルを作成し、各テストサンプルを実際にエンジンに組み付け、実施例3と同様に、JIS規格160に基づくプレデリバリ汚損試験を行った。そして、所定の駆動パターンを1サイクルとし、10MΩに達するまでのサイクル数を測定した結果に基づいて、合格「○」、不合格「×」の評価を行った。
Figure 2006073205
この評価試験の結果、絶縁碍子の先端部における軸孔の内径が「2.6」,「2.1」,「1.9」,「1.7」(mm)である4つのテストサンプルについて、汚損性についての評価はそれぞれ「×」,「○」,「○」,「○」となった。これにより、絶縁碍子の先端部における中軸の内径を2.1mm以下とすれば、汚損性において良好であることを確認することができた。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。例えば図6に示すスパークプラグ200のように、絶縁碍子201の先端部211において軸孔212の内径を小さくした小径部213を形成しもよい。小径部213内には中心電極202の先端部221を細く削って配置させてもよいし、図6のように、小径部213の内径にあわせた外径を有する貴金属チップ223を中心電極202の先端に接合して配置させてもよい。このようにすれば、絶縁碍子201の先端部211において中心電極202や貴金属チップ223の占める体積の割合が小さくなり、内燃機関の稼働によって絶縁碍子201の先端部211が受ける熱を中心電極202へ逃がしにくくすることができるので、本実施の形態と同様に、耐汚損性を向上することができる。
また、図7に示すスパークプラグ300のように、絶縁碍子301の先端部311の外径を小さくし、補助火花放電ギャップの位置を、本実施の形態の効果を有した上で多少ずらすことによって、絶縁碍子301の先端部311の清浄の範囲を広げて耐汚損性を向上させてもよい。図7に示すように補助接地電極70の先端72が対向する絶縁碍子301の先端部311の外径が小さくなると、補助接地電極70と絶縁碍子301とがもっとも接近した起点75と起点315との間が、補助火花放電ギャップにおける気中放電間隙(図7に示す放電ギャップJ)となる。そして汚損時にこの起点75,315間で火花放電がおこなわれると、起点315より中心電極2に向かう沿面放電間隙(図7に示す放電ギャップI)にて火花が走り、絶縁碍子301の先端部311に付着したカーボンが焼き切られることによって清浄が行われる。このような構成とすれば、本実施の形態と比べ沿面放電間隙を大きく取ることができ、汚損時には絶縁碍子301の先端部311において広範囲に清浄を行うことができる。
また、図8に示すスパークプラグ400のように、絶縁碍子401の軸孔412の最先端部において一周にわたって面取りを行った面取り部411を形成してもよい。さらに本変形例の面取り部411を曲面状に加工してもよい。このように軸孔412の最先端部を面取り加工することで、火花放電時に生じうるチャネリングの影響で絶縁碍子401の先端部が削られることを低減することができる。
また、主接地電極の先端を、主火花放電ギャップを形成する突出部に向けて先細り形状となるようにテーパ状に形成してもよい。図8に示すスパークプラグ400の主接地電極460の例では、主体金具5の先端面57に接合された基端とは反対側の先端に、主火花放電ギャップ側の内面461に接合された電極チップ65に向けてテーパ状のテーパ部466が形成されている。こうした構成により、主火花放電ギャップでの着火時に発生した火炎核が成長する際に主接地電極460の母体と接触するタイミングを遅らせることができ、主接地電極460による消炎作用を低減することができるため、火炎核の成長が妨げられず着火性が向上する。
また、補助接地電極70の基端71を接合する主体金具5の先端面57は、図6,図8に示すように、その内周側の稜角部分を面取りし、テーパ状に切削してもよい。一般に火花放電は尖端部分から行われ易いため、こうした面取りを行うことで、横飛火の発生を低減させ、主火花放電ギャップおよび補助火花放電ギャップにて確実に火花放電が行われるようにすることができる。本発明は、図2に示すように上記先端面57の内周側の稜角部分の面取りをしないもの、図6に示すように軸線Oを通る断面において基端71と先端面57との間に段差があるもの、図8に示すように軸線Oを通る断面において基端71と先端面57との間に段差のないもののいずれのものであっても奏功するものである。
また、補助接地電極70は、絶縁碍子1を挟んで主接地電極60に対して略対称となる位置に設けたが、主体金具5の先端面57において、主接地電極60および補助接地電極70の溶接位置が均等に配置されてもよいし、2本の補助接地電極70が軸線Oに対して対向する位置に溶接されてもよい。また、補助接地電極70同士は必ずしも対称位置に溶接されていなくともよく、その本数も、1本であっても、3本以上であってもよい。
本発明は、内燃機関用のスパークプラグに適用することができる。
スパークプラグ100の部分断面図である。 スパークプラグ100の火花放電ギャップ付近の要部拡大断面図である。 主接地電極の内面からの突出部の高さ(図2に示す高さG)と着火限界空燃比との関係についての評価試験の結果を示すグラフである。 主接地電極の内面からの突出部の直径(図2に示す直径F)と着火限界空燃比との関係についての評価試験の結果を示すグラフである。 絶縁碍子の先端面または中心電極の先端面を基準とする補助接地電極の先端部の突出量(図2に示す突出量E)と着火限界空燃比との関係についての評価試験の結果を示すグラフである。 絶縁碍子の先端部の変形例を示すスパークプラグ200の要部拡大断面図である。 絶縁碍子の先端部の変形例を示すスパークプラグ300の要部拡大断面図である。 絶縁碍子の先端部および主接地電極の変形例を示すスパークプラグ400の要部拡大断面図である。
符号の説明
1 絶縁碍子
2 中心電極
5 主体金具
11 先端部
12 軸孔
21 先端部
22 先端面
23 電極チップ
57 先端面
60 主接地電極
61 内面
65 電極チップ
70 補助接地電極
100 スパークプラグ

Claims (7)

  1. 中心電極と、
    軸線方向に延びる軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔で保持する絶縁碍子と、
    自身の先端面より前記絶縁碍子の先端部を突出させた状態で、前記絶縁碍子の周囲を取り囲んで保持する主体金具と、
    一端が、前記主体金具の先端面に接合され、他端側の一側面が、前記中心電極の先端部の先端面に対向するように屈曲された第1接地電極と、
    前記第1接地電極の他端の前記中心電極の先端部の先端面と対向する前記一側面から、前記中心電極の先端部の先端面に向けて突出され、その先端部の先端面と、前記中心電極の先端部の先端面との間で第1火花放電ギャップを形成する突出部と、
    一端が、前記主体金具の先端面に接合され、他端が、自身の先端と前記絶縁碍子表面との間で放電する気中放電間隙と、前記絶縁碍子表面上の前記気中放電間隙の起点と前記中心電極の先端部との間で前記絶縁碍子の表面を沿って放電する沿面放電間隙と、からなる第2火花放電ギャップを形成する第2接地電極と
    を備え、
    前記中心電極の軸線方向において、
    前記中心電極の先端部の先端面が、前記絶縁碍子の先端部の先端面より先端方向に向けて突出した突出量が−0.5mm以上0.3mm以下であり、
    前記第1接地電極の突出部は、少なくとも直径1.2mm以下、高さ0.4mm以上の部位を有し、
    前記第1火花放電ギャップの間隔が0.7mm以上1.3mm以下であり、
    前記第2火花放電ギャップにおける前記気中放電間隙の間隔が0.4mm以上0.7mm以下であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記中心電極の軸線方向において、
    前記中心電極の先端部の先端面、または、前記絶縁碍子の最も先端の部位を基準として、前記第2接地電極の最先端部が先端方向に向けて突出した突出量が、0.5mm未満であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記絶縁碍子の先端部における前記軸孔の内径は、2.1mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記中心電極の先端部には、貴金属からなる電極チップが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスパークプラグ。
  5. 前記第1火花放電ギャップまたは前記第2火花放電ギャップにて火花放電が行われる際には、前記中心電極が前記第1接地電極または前記第2接地電極よりも低電位となるように、両者への電圧の印加が行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスパークプラグ。
  6. 前記絶縁碍子の前記軸孔の最先端部は、面取り、または曲面加工がなされていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスパークプラグ。
  7. 前記第1接地電極の他端は、前記突出部に向けて先細り形状となるようにテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のスパークプラグ。
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