JP2011149406A - 内燃機関の点火制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、多重放電の制御を適切に実行し、点火プラグのくすぶりを効率的に除去することを目的とする。
【解決手段】点火プラグ32は、中心電極64、主接地電極68および補助接地電極70を備える。ECU50は、所定の点火時期が到来したときに、主接地電極68によりメイン放電を実行し、混合気に対する点火を行う。そして、点火後において、筒内圧が点火時の圧力よりも高い所定値Y以上となったときに、補助接地電極70により1回または複数回のサブ放電(多重放電)を実行し、プラグのくすぶりを除去する。筒内圧が高い状態でサブ放電を行うことにより、サブ放電時の放電エネルギを高めることができ、絶縁碍子62に付着したカーボン等を効率よく焼き切ることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の点火制御装置に係り、特に、点火プラグのくすぶりを放電により除去する構成とした内燃機関の点火制御装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1(特開昭61−25970号公報)に開示されているように、点火プラグで多重放電を行うことにより、くすぶりを除去する構成とした内燃機関の点火制御装置が知られている。また、他の従来技術として、特許文献2(特開2009−150275号公報)には、燃料性状に応じて多重放電の回数を可変に設定する構成とした点火制御装置が開示されている。
特開昭61−25970号公報 特開2009−150275号公報
ところで、従来技術では、例えば燃料性状に応じた回数だけ多重放電を行うことにより、プラグのくすぶりを除去する構成としている。しかしながら、燃料性状が一定の場合において、くすぶりを効率的に除去する多重放電の制御方法については、十分に検討されておらず、例えば多重放電のタイミングや回数等について改善の余地がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、多重放電の制御を適切に行うことができ、点火プラグのくすぶりを効率的に除去することが可能な内燃機関の点火制御装置を提供することにある。
第1の発明は、内燃機関の燃焼室に設けられた点火プラグと、
前記点火プラグにより前記燃焼室内の混合気に点火する点火制御手段と、
プラグのくすぶりを除去するために、前記燃焼室内の圧力が点火時の圧力よりも高くなるタイミングで前記点火プラグにより少なくとも1回の放電を行う多重放電制御手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、前記点火プラグに生じるくすぶりの進行度合いを検出し、当該くすぶりの進行度合いが大きいほど、前記多重放電制御手段による前記点火プラグの放電回数を増加させる放電回数可変手段を備える構成としている。
第3の発明によると、前記放電回数可変手段は、前記点火プラグの温度が前記くすぶりの焼失温度まで上昇する前に内燃機関が停止された回数を前記くすぶりの進行度合いとして検出し、当該回数が多くなるほど、前記多重放電制御手段による前記点火プラグの放電回数を増加させる構成としている。
第4の発明によると、前記多重放電制御手段は、内燃機関のクランク角が点火時期よりも遅角側に設定された所定の角度以降となったときに、前記点火プラグにより放電を行う構成としている。
第5の発明によると、前記点火プラグは、
筒状の絶縁碍子内に配置され、電源側に接続された中心電極と、
前記燃焼室内の圧力が所定の切換設定値よりも低い場合に、前記中心電極との間に火花放電を生じさせる主接地電極と、
前記燃焼室内の圧力が前記切換設定値以上の場合に、前記絶縁碍子に沿って前記中心電極との間に沿面放電を生じさせる補助接地電極と、
を備える構成としている。
第1の発明によれば、多重放電制御手段は、混合気に対する点火が行われた後に、燃焼室内の圧力が点火時の圧力よりも高くなるタイミングを検出し、このタイミングで点火プラグにより少なくとも1回の放電を行うことができる。これにより、放電時のエネルギ(エネルギ密度)を高めることができる。従って、点火プラグに付着したカーボン等を効率よく焼き切ることができ、プラグの自己清浄機能を向上させることができる。
第2の発明によれば、放電回数可変手段は、くすぶりの進行度合いが大きいほど、多重放電の回数を増加させることができる。これにより、くすぶりが進行している場合には、放電を何度も行うことにより、くすぶりの焼き切り能力を強化することができ、重度のくすぶりでも効率よく除去することができる。また、くすぶりの度合いが比較的軽度である場合には、放電回数を少なくすることができる。これにより、放電時の消費電力を節約し、燃費を向上させることができ、また点火プラグの不要な消耗を避けることができる。
第3の発明によれば、放電回数可変手段は、点火プラグのくすぶりが生じ易い短時間の運転が行われた回数(ショートトリップ回数)を検出することができ、このショートトリップ回数に基いてくすぶりの進行度合いを判断することができる。そして、ショートトリップ回数が多くなるほど、放電回数を増加させることができる。
第4の発明によれば、センサ等により燃焼室内の圧力を検出しなくても、多重放電制御手段による放電の適切な実行タイミング(燃焼室内の圧力が高くなるタイミング)を検出することができる。従って、システムの構造や制御を簡略化することができる。
第5の発明によれば、燃焼性が良くない低負荷(低圧)運転領域では、初期火炎核の冷却が抑制される火花放電により、着火を安定的に行うことができる。一方、くすぶり対策の放電を行う高負荷(高圧)運転領域では、絶縁碍子の表面に沿った沿面放電により、くすぶりを効率よく焼き切ることができる。また、運転領域に応じて主接地電極と補助接地電極に放電を分散させることができ、各電極の消耗を抑制することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。 点火プラグの電極部を示す部分拡大図である。 サブ放電を行うタイミングを示す説明図である。 ショートトリップ回数に基いて多重放電の回数を決定するための特性線図である。 メイン放電とサブ放電のそれぞれについて、放電に必要な要求電圧と圧力との関係を示す特性線図である。 本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、サブ放電を行うタイミングを示す説明図である。 本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図6を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。本実施の形態のシステムは、ガソリンエンジン等からなる内燃機関10を備えている。内燃機関10の各気筒12には、ピストン14の往復動作により拡大,縮小する燃焼室16が設けられている。ピストン14は、内燃機関10の出力軸であるクランク軸18に連結されている。
また、内燃機関10は、各気筒12に吸入空気を吸込む吸気通路20と、各気筒12から排気ガスを排出する排気通路22とを備えている。吸気通路20には、吸入空気量を検出するエアフローセンサ24と、電子制御式のスロットルバルブ26とが設けられている。スロットルバルブ26は、アクセル開度等に基いてスロットルモータ28により駆動され、吸入空気量を増減させる。また、各気筒12には、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁30と、燃焼室16内の混合気に点火する点火プラグ32と、吸気通路20を燃焼室16に対して開,閉する吸気バルブ34と、排気通路22を燃焼室16に対して開,閉する排気バルブ36とが設けられている。
さらに、本実施の形態のシステムは、クランク角センサ38、筒内圧センサ40等を含むセンサ系統と、内燃機関10の運転状態を制御するためのECU(Electronic Control Unit)50とを備えている。クランク角センサ38は、クランク軸18の回転に同期した信号を出力するもので、ECU50は、この出力に基いて機関回転数を検出したり、クランク角を検出することができる。また、筒内圧センサ40は、圧電素子や歪みゲージ等を用いた一般的な圧力センサにより構成され、燃焼室16内の圧力(筒内圧)を検出する。
センサ系統には、前記センサ24,38,40に加えて、車両や内燃機関の制御に必要な各種のセンサ(例えば内燃機関の冷却水温を検出する水温センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、排気空燃比を検出する空燃比センサ等)が含まれており、これらのセンサはECU50の入力側に接続されている。また、ECU50の出力側には、スロットルモータ28、燃料噴射弁30、点火プラグ32等を含む各種のアクチュエータが接続されている。
そして、ECU50は、内燃機関の状態をセンサ系統により検出し、その検出結果に基いて各アクチュエータを駆動することにより、運転制御を行う。具体的には、クランク角センサ40の出力に基いて機関回転数とクランク角とを検出し、エアフローセンサ24により検出した吸入空気量と、前記機関回転数とに基いて機関負荷を算出する。また、クランク角の検出値に基いて燃料噴射時期、点火時期等を決定する。そして、吸入空気量、機関負荷等に基いて燃料噴射量を算出し、燃料噴射弁30を駆動すると共に、点火プラグ32を駆動する。
次に、点火プラグ32の電極構造について説明する。図2は、点火プラグの電極部を示す部分拡大図である。点火プラグ32は、金属材料により筒状に形成されたハウジング60と、ハウジング60の内周側に挿嵌された筒状の絶縁碍子62とを備えている。絶縁碍子62の内周側には、点火制御回路等を介して電源側に接続される中心電極64が設けられている。中心電極64は、絶縁碍子62の先端側から突出した裁頭円錐状の基部64aと、基部64aの先端面に固着された円柱状の先端部64bとを備えている。
また、ハウジング60には、略L字状の電極支持部66により支持された主接地電極68と、略L字状をなす例えば2つの補助接地電極70,70とが設けられている。これらの接地電極68,70は、ハウジング60等を介して内燃機関の本体に接地(ボディアース)される。主接地電極68は、中心電極18との間に火花放電(以下、メイン放電と称する)を生じさせるもので、軸方向の放電ギャップ(主放電ギャップ)を挟んで中心電極64の先端部64bと対向している。また、補助接地電極70は、絶縁碍子62の先端近傍で中心電極64の基部64aと対向しており、これらの電極64,70間には、径方向の放電ギャップ(補助放電ギャップ)が設けられている。補助接地電極70は、絶縁碍子62の表面に沿って中心電極64との間に沿面放電(以下、サブ放電と称する)を発生させ、これによりプラグのくすぶりを除去するように構成されている。
次に、点火プラグ32の基本的な動作について説明する。まず、プラグのくすぶりが生じていない場合には、中心電極64に高電圧が印可されることにより、メイン放電が実行される。この場合、中心電極64と補助接地電極70との間には、補助放電ギャップに対応する十分な絶縁抵抗が存在しているので、サブ放電は生じない。一方、プラグのくすぶりが生じた場合には、絶縁碍子62の表面にカーボン等の導電性物質が付着し、補助放電ギャップの絶縁抵抗が低下するので、サブ放電が実行される。このサブ放電により、絶縁碍子14の付着物が焼き切られ、プラグの自己清浄機能が実現される。
[実施の形態1の特徴]
上述したサブ放電が生じるのに必要なエネルギは、筒内圧が高いほど大きくなる。即ち、筒内圧が高い状態でサブ放電が生じるほど、放電時のエネルギ密度が高くなる。そこで、本実施の形態では、メイン放電により混合気に点火した後(燃焼期間中)に、筒内圧が点火時の圧力よりも高くなるタイミングで、少なくとも1回のサブ放電を実行する構成としている。図3は、サブ放電を行うタイミングを示す説明図である。
本実施の形態では、図3に示すように、燃焼により筒内圧が所定値Y以上に上昇したタイミングで、少なくとも1回のサブ放電(図中には、サブ放電1回目、2回目、・・・n回目として例示)を実行する。ここで、所定値Yは、点火時の筒内圧よりも高い圧力として予め設定されるもので、これにより筒内圧が所定値Y以上となる期間は、点火時期よりも遅角側の期間に設定される。なお、筒内圧は、筒内圧センサ40により検出してもよいが、一般的に知られているように、例えば機関回転数、機関負荷、点火時期等に基いて推定する構成としてもよい。上記構成によれば、筒内圧が高い状態でサブ放電を行うことにより、サブ放電時の放電エネルギ(エネルギ密度)を高めることができる。これにより、絶縁碍子62に付着したカーボン等を効率よく焼き切ることができ、プラグの自己清浄機能を向上させることができる。
また、本実施の形態では、くすぶりの進行度合いが大きいほど、サブ放電(多重放電)の放電回数nを増加させ、くすぶりの焼き切り能力を強化する構成としている。くすぶりの進行度合いは、所謂ショートトリップ運転が行われた回数として検出される。ショートトリップ運転とは、内燃機関を始動してから、点火プラグの温度がくすぶりの焼失温度まで上昇する前に機関が停止されるような短時間の運転として定義される。内燃機関の暖機が完了した状態では、プラグの温度が焼失温度(例えば、500℃程度)に到達するので、プラグに付着したカーボン等の付着物は焼き切られる。これに対し、ショートトリップ運転が行われた場合には、付着物が焼失しないうちに内燃機関が停止されるので、このような運転が何度も行われると、くすぶりの度合いが進行し易い。
そこで、ECU50は、例えば冷間始動時にプラグの温度が焼失温度まで到達しないような短時間で運転が停止された回数(ショートトリップ回数)を積算する。ここで、冷間始動時とは、例えば内燃機関の冷却水温が所定値未満となった低温状態での始動として定義される。また、ショートトリップ回数は、ECU50に搭載された不揮発性メモリ等に記憶され、運転停止が繰り返される状態でも継続的に積算される。なお、非ショートトリップ運転(例えば、暖機完了まで継続される運転)が行われた場合には、ショートトリップ回数の記憶値を零に初期化する構成としてもよい。
そして、ECU50は、内燃機関が始動されたときに、ショートトリップ回数の記憶値と、図4に示すデータとに基いて、多重放電の放電回数nを可変に設定する。図4は、ショートトリップ回数に基いて多重放電の回数を決定するための特性線図であり、このデータはECU50に予め記憶されている。図4に示すように、多重放電の放電回数nは、ショートトリップ回数が多くなるほど増加するように設定される。なお、図中に例示したように、ショートトリップ回数が下限値Xよりも少ない場合には、放電回数nを零に設定し、多重放電を実行しない構成としてもよい。また、燃焼性が良好であるために多重放電が必要ない運転状態(例えば高負荷運転、EGR制御、リーン燃焼制御等を実行していない運転状態)では、必要に応じて放電回数nを零に設定してもよい。
上記構成によれば、ショートトリップ回数に基いてプラグのくすぶり度合いを検出することができる。そして、ショートトリップ回数が多いほど、くすぶりの度合いが進行しているものと判断して多重放電の放電回数nを増加させることができる。これにより、くすぶりが進行している場合には、サブ放電を何度も行うことにより、くすぶりの焼き切り能力を強化することができ、重度のくすぶりでも効率よく除去することができる。また、くすぶりの度合いが比較的軽度である場合には、放電回数nを少なくすることができる。これにより、放電時の消費電力を節約し、燃費を向上させることができ、また絶縁碍子62や補助接地電極70の不要な消耗を避けることができる。
また、点火プラグ32は、特に高負荷運転時(高圧条件下)においてサブ放電が生じるように、主放電ギャップと補助放電ギャップの寸法が調整されており、この点について、図5を参照して説明する。図5は、メイン放電とサブ放電のそれぞれについて、放電に必要な要求電圧と圧力との関係を示す特性線図である。
まず、放電形態の切換わりとギャップ寸法との関係について説明する。補助放電ギャップは、中心電極64と補助接地電極70との間の空間により形成されるギャップ成分(気中ギャップ)と、この空間に介在する絶縁碍子62の表面に沿ったギャップ成分(沿面ギャップ)とを含んでいる。そして、補助放電ギャップの全長は、主放電ギャップの寸法よりも大きく設定されている。このため、沿面ギャップの絶縁抵抗が低下しない限りは、主接地電極68でメイン放電が生じる。また、補助放電ギャップの気中ギャップの寸法は、主放電ギャップよりも小さく設定されている。このため、くすぶりにより沿面ギャップの絶縁抵抗が低下した場合には、補助放電ギャップの実質的な寸法(=気中ギャップの寸法)が主放電ギャップよりも小さくなり、補助接地電極70でサブ放電が生じる。
次に、ギャップの絶縁抵抗と圧力との関係について説明する。一般に、気中ギャップの絶縁抵抗は高圧になるほど増大するが、沿面ギャップの絶縁抵抗は圧力の影響を受け難い。このため、筒内が高圧となる高負荷運転時には、主放電ギャップの絶縁抵抗が顕著に増大するのに対し、補助放電ギャップの絶縁抵抗は相対的に増大せず、両者間の絶縁抵抗の差異が縮小する。そして、気中ギャップの寸法をある程度以上に小さくした場合、高負荷運転時には、主放電ギャップの絶縁抵抗が補助放電ギャップよりも大きくなる逆転現象が生じる。この状態では、くすぶりが生じていなくても、サブ放電が生じるようになる。一方、気中ギャップを小さくし過ぎた場合には、低負荷運転時にも、くすぶりの有無に関係なくサブ放電が生じることになる。
そこで、本実施の形態では、補助放電ギャップの気中ギャップの寸法を従来よりも適度に小さくする構成としている。これにより、図5に示す放電特性を得ることができる。具体的に述べると、気中ギャップの寸法は、筒内圧が図5中に示す所定の切換設定値Aよりも低い場合に、メイン放電の要求電圧がサブ放電よりも小さくなり、筒内圧が切換設定値A以上の場合には、メイン放電の要求電圧がサブ放電よりも大きくなるように設定されている。これにより、筒内圧が切換設定値A未満の低負荷運転時には、メイン放電を生じさせ、筒内圧が切換設定値A以上の高負荷運転時には、サブ放電を生じさせることができる。また、切換設定値Aは、多重放電の実行タイミングを決定する所定値Y(図3参照)以下の値に設定するのが好ましい。これにより、くすぶり対策の多重放電を行う高負荷運転領域では、サブ放電を確実に実行することができる。
上記構成によれば、燃焼性が良くない低負荷運転領域では、初期火炎核の冷却が抑制されるメイン放電(火花放電)により、着火を安定的に行うことができる。一方、高負荷運転領域では、絶縁碍子62の表面に沿ったサブ放電(沿面放電)により、くすぶりを効率よく焼き切ることができる。そして、サブ放電によっても、混合気に対する十分な着火性を得ることができる。また、運転領域に応じて主接地電極68と補助接地電極70に放電を分散させることができる。これにより、各電極68,70の消耗を抑制し、特に製品としての保障対象である主接地電極68の寿命を延ばすことができる。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
図6は、本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンは、内燃機関の運転中に繰返し実行されるものとする。図6に示すルーチンでは、まず、ショートトリップ回数が下限値X以上であるか否かを判定する(ステップ100)。この判定が不成立の場合には、くすぶりが殆ど生じていないと判断されるので、そのままルーチン処理を終了する。
また、ステップ100の判定成立時には、図4のデータを参照することにより、ショートトリップ回数に基いて多重放電の放電回数nを決定する(ステップ102)。また、例えばEGR制御、リーン燃焼制御等を実施するのに伴って多重点火を行う要求があるか否かを判定し、この要求がある場合には、多重点火を優先するためにルーチン処理を終了する(ステップ104)。
次の処理では、通常の点火時期制御により設定された点火時期に基いて、混合気に対する点火を行う(ステップ106)。この点火タイミングでは、筒内圧がまだ低いので、メイン放電により点火が行われる。そして、点火完了後の燃焼期間中には、筒内圧が所定値Y以上に上昇したか否かを判定し(ステップ108)、この判定成立時には、ステップ102で設定した回数分だけ多重放電を行う(ステップ110)。多重放電の実行タイミングでは、筒内圧が十分に上昇しているので、サブ放電が実施される。
また、ステップ108の判定が不成立の場合には、クランク角が所定の角度θs以降であるか否かを判定する(ステップ112)。この角度θsは、例えば燃焼期間の後半(筒内圧が多重放電に適した圧力まで上昇しないと判断される期間)に対応して設定されている。従って、ステップ112の判定成立時には、今回の燃焼サイクルでは既に筒内圧が低下しているので、多重放電を実行せず、次回の燃焼サイクルで多重放電を行うためにルーチン処理を終了する。
なお、上述した実施の形態1では、図6中のステップ106が請求項1における点火制御手段の具体例を示している。また、ステップ108,110は、請求項1における多重放電制御手段の具体例を示し、ステップ102は、請求項2,3における放電回数可変手段の具体例を示している。
実施の形態2.
次に、図7及び図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態では、前記実施の形態1と同様のシステム構成(図1及び図2)を採用しているものの、多重放電の実行タイミングをクランク角に基いて決定しており、この点において実施の形態1と構成が異なっている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態2の特徴]
図7は、本発明の実施の形態2において、サブ放電を行うタイミングを示す説明図である。この図に示すように、本実施の形態では、クランク角が点火時期よりも遅角側に設定された所定の角度θp以降となったときに(クランク角≧θpが成立したときに)、多重放電(サブ放電)を行う構成としている。この角度θpは、筒内圧が実施の形態1の所定値Y以上に上昇するタイミングに対応して設定されている。即ち、クランク角が角度θp以降となったときには、筒内圧が所定値Y以上に上昇したと判断することができる。なお、筒内圧が所定値Y以上となるタイミングは、点火時期に応じて変化するので、角度θpを点火時期に応じて可変に設定する構成としてもよい。
[実施の形態2を実現するための具体的な処理]
図8は、本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。本実施の形態では、ステップ200〜212において、実施の形態1のステップ100〜112と同様の処理を行うが、ステップ208では、クランク角が角度θp以上であるか否かを判定する。そして、この判定が成立した場合には、ステップ210で多重放電を実行し、前記判定が不成立の場合には、ステップ212に移る。なお、図8中のステップ206は請求項1における点火制御手段の具体例、ステップ208,210は請求項1,4における多重放電制御手段の具体例、ステップ202は請求項2,3における放電回数可変手段の具体例をそれぞれ示している。
このように構成される本実施の形態でも、実施の形態1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、センサ等により筒内圧を検出しなくても、多重放電の適切な実行タイミング(筒内圧が高くなるタイミング)を検出することができる。従って、システムの構造や制御を簡略化することができる。
10 内燃機関
12 気筒
14 ピストン
16 燃焼室
18 クランク軸
20 吸気通路
22 排気通路
24 エアフローセンサ
26 スロットルバルブ
28 スロットルモータ
30 燃料噴射弁
32 点火プラグ
34 吸気バルブ
36 排気バルブ
38 クランク角センサ
40 筒内圧センサ
50 ECU
60 ハウジング
62 絶縁碍子
64 中心電極
68 主接地電極
70 補助接地電極

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃焼室に設けられた点火プラグと、
    前記点火プラグにより前記燃焼室内の混合気に点火する点火制御手段と、
    プラグのくすぶりを除去するために、前記燃焼室内の圧力が点火時の圧力よりも高くなるタイミングで前記点火プラグにより少なくとも1回の放電を行う多重放電制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の点火制御装置。
  2. 前記点火プラグに生じるくすぶりの進行度合いを検出し、当該くすぶりの進行度合いが大きいほど、前記多重放電制御手段による前記点火プラグの放電回数を増加させる放電回数可変手段を備えてなる請求項1に記載の内燃機関の点火制御装置。
  3. 前記放電回数可変手段は、前記点火プラグの温度が前記くすぶりの焼失温度まで上昇する前に内燃機関が停止された回数を前記くすぶりの進行度合いとして検出し、当該回数が多くなるほど、前記多重放電制御手段による前記点火プラグの放電回数を増加させる構成としてなる請求項2に記載の内燃機関の点火制御装置。
  4. 前記多重放電制御手段は、内燃機関のクランク角が点火時期よりも遅角側に設定された所定の角度以降となったときに、前記点火プラグにより放電を行う構成としてなる請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の内燃機関の点火制御装置。
  5. 前記点火プラグは、
    筒状の絶縁碍子内に配置され、電源側に接続された中心電極と、
    前記燃焼室内の圧力が所定の切換設定値よりも低い場合に、前記中心電極との間に火花放電を生じさせる主接地電極と、
    前記燃焼室内の圧力が前記切換設定値以上の場合に、前記絶縁碍子に沿って前記中心電極との間に沿面放電を生じさせる補助接地電極と、
    を備えてなる請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の内燃機関の点火制御装置。
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