JP2006260988A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】 接地電極を多極化せずに、中心電極の先端面と接地電極にて放電ギャップを形成するスパークプラグを用いて高着火性を維持しつつ、さらには耐汚損性の向上も両立できることを目的としている。
【解決手段】
中心電極3は、先端部に形成されたチップ33とチップ33よりも後端側に形成された電極母材32とを有し、軸孔25は、絶縁体2の先端に連なり、中心電極3のチップ部33を取り囲む小径孔253を有し、絶縁体2の先端から中心電極3の先端面までの突き出し量h(mm)とし、小径孔253の内径をa(mm)とし、チップ部33の軸線方向長さをl(mm)とし、チップ部33の直径b(mm)とし、電極母材32の直径c(mm)としたとき、0.3≦h≦1.0、a≦1.0、0.3≦l≦3.0、0.4≦b、c≧2bとなるスパークプラグ。
【選択図】 図1

Description

本発明はスパークプラグに関し、さらに詳しくは、横飛火を防止して着火性を維持し、かつ耐汚損性を向上させ、さらには中心電極の耐久性を維持することのできるスパークプラグに関する。
従来のスパークプラグとして、特許文献1のようなスパークプラグ900が知られている。このスパークプラグ900は、図5に示すように、主として主体金具90と、絶縁体91と、中心電極92と接地電極93とを有するスパークプラグが知られている。主体金具90は、外周面にネジ部901が形成されている。また、主体金具90は、絶縁体91の周囲を取り囲むようにして固定している。この絶縁体91は軸方向に延びる軸孔911を有し、軸孔911内には先端92aが該絶縁体91の先端91aから突出するようにして中心電極92が固定されている。また、接地電極93は、該主体金具90に一端93aが固定され、他端部93bが該中心電極92の先端面921に対向するように配設されている。そして、中心電極92の先端面921と接地電極93の他端部93bとの間で放電ギャップgを形成している。
この種のスパークプラグ900は、主体金具90のネジ部90aがエンジンのシリンダヘッド(図示せず)に螺合され、中心電極92がバッテリ(図示せず)に通電されて使用される。これにより、このスパークプラグ900は、エンジンの燃焼室内において放電ギャップgで火花放電を行ない、混合気の点火を行なうようになっている。
しかし、上記のスパークプラグ900では、低温時において、絶縁体91の表面にカーボンが付着してしまう燻り汚損を起こすことがある。この場合、絶縁体91の表面の電気抵抗が低下し、中心電極92と主体金具90とが絶縁体91の表面に付着したカーボンを通じて放電するいわゆる横飛火が発生し易くなる。この横飛火が頻繁に発生すると、放電ギャップgで飛火する頻度が減少し、着火性に問題が生じるのみならず、絶縁体91の表面が溝状に削られるいわゆるチャンネリングが発生し、耐久性が低下することとなってしまう。
このため、例えば、特許文献2のように、中心電極の先端部の側面に対向するように接地電極を複数設けた多極のスパークプラグとすることも考えられる。この多極のスパークプラグによれば、接地電極先端面と中心電極の先端部との間に形成される気中放電ギャップにより着火性の低下をできるだけ抑制しつつ、絶縁体の表面に形成される沿面ギャップで火花放電を行なうことによりその絶縁体の表面に付着したカーボンを焼失させるため、耐汚損性の向上を実現することができる。
特開2003−68420号公報 特開2003−22885号公報
ところで、近年、エンジンの限られた燃焼空間を有効に活用するために、スパークプラグやこれに電圧を供給するための点火コイルの小型化が要望されている。しかし、特許文献2の多極のスパークプラグを小型化することで、主体金具も小型化することとなり、結果的に主体金具に多数の接地電極を設けることが困難となる。
さらに、自動車エンジン等の内燃機関から排出される排気ガスによる環境破壊が重大な社会問題化されている。そこで、この環境破壊を回避すべく、排気ガス若しくは有害ガスの排出がより少ない、クリーンなエンジンが社会的に求められている。これと共に、より少ないガソリンでより遠くに走れる低燃費の車も求められている。このようなクリーンかつ低燃費のエンジンを実現する一つの手段として、空気に対するガソリンの混合比をより少なくした希薄燃焼エンジン(リーンバーンエンジン)が知られている。
この希薄燃焼とは、理想の混合比率(ガソリン1に対して空気14.7の割合)より希薄な混合比率でガソリンを燃焼させようとするものである。従来、この様な希薄なガソリンの混合気は、着火しにくく、不完全燃焼若しくはノッキングなどの様々な問題が発生しやすい。そこで、より薄い混合ガスでも、確実に着火させることができる高着火性のスパークプラグが求められている。
しかしながら、特許文献2のような多極のスパークプラグでは、耐汚損性の向上はできるものの、着火性については、図5に示すような、スパークプラグ900にはやや劣る傾向があった。スパークプラグ900は、上記に示すように中心電極92の先端面92aと接地電極93の他端部93bとの間で放電ギャップgを形成している。そのため、放電ギャップから離れている絶縁体91や主体金具90の影響を受けにくく、放電ギャップgに形成された火炎核が広がりやすい。一方、特許文献2のような多極のスパークプラグの放電ギャップは、中心電極の側面と接地電極の先端面との間で形成せざるを得ず、スパークプラグ900に比べて絶縁体や主体金具に近く、放電ギャップに形成された火炎核が広がる際に、消炎作用が起こりやすい。
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであって、接地電極を多極化せずに、中心電極の先端面と接地電極にて放電ギャップを形成するスパークプラグを用いて高着火性を維持しつつ、さらには耐汚損性の向上も両立できることを目的としている。
本発明のスパークプラグは、筒状の主体金具と、該主体金具に周囲が取り囲まれて当該主体金具に固定され、軸方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、先端が該絶縁体の先端から突出し、当該絶縁体の軸孔内に固定された中心電極と、該主体金具に一端が固定され、他端部が該中心電極の先端面に対向するように配設された1つの接地電極とを備え、該接地電極と前記中心電極の先端面との間に放電ギャップを形成するスパークプラグにおいて、前記中心電極は、先端部に形成された小径部と該小径部よりも後端側に形成された大径部とを有し、前記軸孔は、前記絶縁体の先端に連なり、前記中心電極の小径部を取り囲む第1軸孔と、当該第1軸孔よりも大径に形成され、前記中心電極の大径部を取り囲む第2軸孔とを有し、前記絶縁体の先端から前記中心電極の先端面までの突き出し量h(mm)とし、前記第1軸孔の内径をa(mm)とし、前記小径部の軸線方向長さをl(mm)とし、前記小径部の直径b(mm)とし、前記大径部の直径c(mm)としたとき、
0.3≦h≦1.0
a≦1.0
0.3≦l≦3.0
0.4≦b
c≧2b
であることを特徴とする。
本発明のスパークプラグでは、該主体金具に一端が固定され、他端部が該中心電極の先端面に対向するように配設された1つの接地電極とを備え、該接地電極と前記中心電極の先端面との間に放電ギャップを形成している。これにより、多極のスパークプラグに比べて放電ギャップを絶縁体や主体金具よりも離して形成することができ、放電ギャップに形成された火炎核が広がりやすく高着火性を有するスパークプラグとすることできる。また、スパークプラグを小型化することが容易にできる。
そして、本発明スパークプラグでは、絶縁体の先端から中心電極の先端面までの突き出し量hとすると、0.3mm≦h≦1.0mmの関係があれば、絶縁体の先端面の表面にカーボンが付着した場合、このカーボンを焼き切りつつ、放電ギャップにて放電する。この突き出し量hを1.0mmより大きくすると、着火性は良好であるものの、絶縁体の先端面の表面に付着したカーボンを焼き切ることが難しくなる。また、突き出し量hを0.3mmより小さくすると、放電ギャップが絶縁体に近づき、消炎作用により、着火性が低下する。
また、本発明のスパークプラグでは、第2軸孔の内径aとすると、a≦1.0mmの関係であれば、第2軸孔の周囲の絶縁体面積が減少する。カーボンを焼き切る場合、周方向に一部でも焼き切ることができれば、横飛火が抑制できるため、第2軸孔の周囲の絶縁体面積が減少すれば、周方向に容易にカーボンを焼き切ることができ、中心電極(小径部)と接地電極との間で十分に放電できる。第2軸孔の内径aを1.0mmより大きくすると、第2軸孔の周囲の絶縁体面積が増えるため、絶縁体の表面に付着したカーボンを焼ききることが難しくなる。
よって、本発明のスパークプラグでは、絶縁体の表面にカーボンが付着した場合であっても、このカーボンを焼き切りつつ、中心電極と接地電極の間で放電するため、耐汚損性を向上することができる。これにより、横飛火は発生し難く、放電ギャップにて飛火する頻度が減少することないとともに、チャンネリングの発生を抑制することができる。なお、第2軸孔の絶縁体の先端開口縁に面取りが形成されていれば、さらにチャンネリングを抑制することができる。
ところで、本発明のスパークプラグは、中心電極が、先端部に形成された小径部と該小径部よりも後端側に形成された大径部とを有し、軸孔が、絶縁体の先端に連なり、中心電極の小径部を取り囲む第1軸孔と、当該第1軸孔よりも大径に形成され、中心電極の大径部を取り囲む第2軸孔とを有している。そして、小径部の軸線方向長さをlとし、小径部の直径bとし、大径部の直径cとしたとき、0.3mm≦l≦3.0mm、0.4mm≦b、及びc≧2bとする。本発明のスパークプラグの第1軸孔の内径aが1.0mm以下であるため、中心電極の小径部の耐消耗性が低下する虞がある。そこで、上記構成にすることで、小径部で受けた熱を大径部により伝えることで、小径部の耐消耗性を向上させている。なお、小径部の軸線方向長さlが3.0mmより大きくなると、小径部が受けた熱を大径部に伝えることが相対的に少なくなり、小径部の耐消耗性を向上させることが難しい。他方、小径部の軸線方向長さlが0.3mm未満となると、小径部を取り囲む絶縁体の厚みが薄くなり、耐チャンネリング性が低下する。また、小径部の直径bが0.4mm未満となると、小径部自身のボリュームが小さくなり、小径部自身の耐消耗性が低下する。さらに、大径部の直径cが小径部の直径bの2倍未満になると、小径部が受ける熱を大径部が受熱することが少なくなり、小径部の耐消耗性が低下する。
このように、本発明のスパークプラグとすることで、接地電極を多極化せずに、中心電極の先端面と接地電極にて放電ギャップを形成するスパークプラグを用いて高着火性を維持しつつ、さらには耐汚損性や小径部の耐消耗性の向上も両立できる。
さらに、本発明のスパークプラグは、小径部が貴金属材料であることが好ましい。これにより、中心電極の小径部の消耗が少なくなり、小径部の耐久性を向上させることができる。
さらに、本発明のスパークプラグは、主体金具の外周面の呼びがM10以下のネジ部が形成されている場合に特に期待が持てる。近年、エンジンの限られた燃焼空間を有効に活用するために、スパークプラグの小型化が要望されている。本発明のスパークプラグは、多数の接地電極を設けていないため、小型化を実現することが容易に可能である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1及び図2に示す本発明の一例たる抵抗体入りスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部が突出するようにその主体金具1に嵌め込まれた絶縁体2、先端を絶縁体2から突出させて絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、中心電極3の先端面31と対向するように配置された接地電極4等を備えている。
主体金具1は炭素鋼等で形成され、図1に示すように、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部11、エンジンブロックに取り付ける際にスパナ等の工具が係合する六角部12が先端側から順に形成されている。なお、本実施例では、ネジ部の呼びがM10のスパークプラグとしている。また、主体金具の後端側開口部には、後述する絶縁体2を固定するための加締め部13が形成されている。一方、主体金具の内部には軸線O方向に延びる主体金具内孔14が形成されており、さらに略中央部には、内側に突出する突出部15が形成されている。この突出部15は、後述する絶縁体2の中径部22に対してパッキン9を介して係合する。
絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、略中央部に径大部21が形成されている。さらに径大部21より先端側には主体金具1の突出部15に係合する中径部22と、主体金具1の先端から突出する小径部23が形成されている。また、径大部21より後端側には、主体金具1の後端から突出するコルゲーション部24が形成されている。一方、絶縁体2の内部には軸線O方向に延びる貫通孔25を有している。この貫通孔25は、後端側から大径孔251、中径孔252、小径孔253となっている。(図1、図2参照)さらに、貫通孔25は、大径孔251と中径孔252とを連結する第1テーパ孔254、中径孔252と小径孔253とを連結するテーパ孔255がそれぞれ形成されている。
中心電極3は、主として絶縁体2の貫通孔25の中径孔252及び小径部253に配置されている。この中心電極3は後端側に突出部31を有し、絶縁体の第1テーパ孔254に係合して固定されている。この中心電極3は、絶縁体2の中径孔253及び第2テーパ孔255に内部に形成された電極母材32と、電極母材32に溶接にて接合され、絶縁体2の小径孔254から先端に突出する貴金属材料からなるチップ33とを有している。なお、電極母材32は、主となる基部321と、絶縁体2の第2テーパ孔255に対応する電極テーパ部322とを有している。電極母材32は、INCONEL(登録商標)600等のNi合金からなり、チップ33は、IrやPtを主体とする合金からなる。
接地電極4は、一端41が主体金具1の先端面に対して溶接等により固着・一体化されている。一方、接地電極4の他端部42は、中心電極3(具体的にはチップ33)の先端面34に対向するように曲げられている。そして、中心電極3の先端面34と接地電極42との間に放電ギャップgが形成されている。これにより、多数の接地電極を有するスパークプラグに比べて放電ギャップgを絶縁体2や主体金具1よりも離して形成することができ、放電ギャップgに形成された火炎核が広がりやすく高着火性を有するスパークプラグとすることできる。さらに、接地電極を1つだけ備えており、本実施形態のような呼びがM10のネジ部を有するスパークプラグ100とすることができる。
そして、本実施形態のスパークプラグ100は、絶縁体2の先端から中心電極3の先端面34までの突き出し量hが0.8mm、小径孔253の内径をaが0.8(mm)、チップ33の軸線方向長さをlが2.0mm、チップ33の直径bが0.6mm、電極母材32(基部321)の直径cが2.2mmとなっている。このように、突き出し量hが0.3mm≦h≦1.0mmとなっているので、絶縁体の先端面の表面にカーボンが付着した場合、このカーボンを焼き切りつつ、放電ギャップにて放電することができる。また、第2軸孔の内径aがa≦1.0mmとなっているので、絶縁体2の先端面に付着するカーボンを周方向に容易に焼き切ることができ、中心電極(小径部)と接地電極との間で十分に放電できる。さらに、小径部の軸線方向長さをl、小径部の直径b、大径部の直径cがそれぞれ0.3mm≦l≦3.0mm、0.4mm≦b、及びc≧2bとなっているので、小径部の耐消耗性を向上している。
また、絶縁体2の貫通孔25の大径孔251には、端子金具5が挿入、固定されている。そして、絶縁体2の貫通孔25内において、端子金具5と中心電極3との間に抵抗体6が配置されている。さらに、この抵抗体6の両端部は、導電性ガラスシール層7、8を介して中心電極3と端子金具5とにそれぞれ電気的に接続されている。
なお、本実施形態における貫通孔25が特許請求の範囲の「軸孔」に相当し、本実施形態における中径孔252が特許請求の範囲の「第2軸孔」に相当し、本実施形態における小径孔253が特許請求の範囲の「第1軸孔」に相当し、本実施形態における基部321が特許請求の範囲の「大径部」に相当し、本実施形態におけるチップ33が特許請求の範囲の「小径部」に相当する。
次に、本実施形態のスパークプラグ100の製造方法について説明する。まず、所定形状に作成された絶縁体2の先端側に中心電極3を挿入し、絶縁体2の貫通孔25の第1テーパ孔254に中心電極3の突出部31を係合する。なお、中心電極3は、既に電極テーパ部322にチップ33が抵抗溶接やレーザ溶接等を用いて溶接されている。その後、中心電極3の後端側に焼成後に導電性ガラスシール層7、抵抗体6、導電性ガラスシール層8となるガラス粉末を充填し、さらに端子金具5を挿入し、封着する。その後、中心電極3や端子金具5等が固定された絶縁体2を主体金具1に固定する。具体的には、主体金具1の突出部15にパッキン9を介し、絶縁体2の中径部22を係合する。そして、絶縁体2の大径部21の後端側にタルク等を封入し、主体金具1の加締め部13を加締める。その後、主体金具1の先端に、接地電極4の一端41を抵抗溶接やレーザ溶接等を用いて溶接し、他端部42を中心電極3の先端面34に向かって曲げる。これによりスパークプラグ100が完成する。
(試験1)
実施例のスパークプラグ100について、突き出し量hと耐汚損性及び着火性との関係を確認するための試験を行った。
まず、本実施形態に示すスパークプラグ100を作成する。なお、中心電極3の電極母材32として、INCONEL600を用い、チップ33としてIr−5wt%Ptを用いる。そして、中心電極3の電極母材32の外径cを2.2mm、チップ33の外径bを0.6mmとした。また絶縁体2の小径孔253の内径aは0.8mmとし、絶縁体2の先端面から電極母材32の基部321の先端までの長さlを2.0mmと、放電ギャップgを1.1mmとそれぞれした。そして、突き出し量h(mm)を表1に示すように変化させた試料No.1〜8のスパークプラグ100とする。
(耐汚損性試験)
そして、試料No.1〜8を、1.6リットル、4気筒、DOHCのエンジンを用い、−10℃の室温下において、JIS D1606「くすぶり汚損試験」のテストパターンを10サイクル繰り返す。その後、絶縁体2の抵抗値が10MΩ以上で○、10MΩ未満で×とした。なお、絶縁体2の抵抗値は主体金具1と中心電極3との間にて計測している。その結果を表1に示す。
(着火性試験)
次に、試料No.1〜8を、2.0リットル、6気筒、DOHCエンジンを用い、2000rpm、−350mmHgで空燃比(A/F)を徐々に上げていき、失火が1%に達する空燃比を調べる。そして、その空燃比が22.0以上で○、22.0未満で×とした。結果を表1に示す。
表1より突き出し量hが1.0mmより大きい(試料No.7、8)場合、耐汚損性が低下することが分かる。これは、突き出し量hが大きくなると、絶縁体2の表面を経由した放電が少なくなり、絶縁体2の表面に付着したカーボンを焼き切ることが難しくなるためと考えられる。
一方、突き出し量hが0.3mm未満(試料No.1、2)の場合、着火性が低下することが分かる。これは、突き出し量hが小さくなるに伴い、放電ギャップが絶縁体に近づき、消炎作用により、着火性が低下する。
以上の結果より、突き出し量hが0.3mm≦h≦1.0mmであれば、スパークプラグ100の耐汚損性及び着火性を向上することができる。
(試験2)
次に、本実施形態のスパークプラグ100について、小径孔253の内径aと耐汚損性との関係を確認するための試験を行った。
まず、試験1と同様のスパークプラグ100を作成した。なお、突き出し量hは0.5mmに固定し、小径孔253の内径aは、表2に示すように変化させた試料No.9〜15のスパークプラグ100とした。そして、試験1と同様に耐汚損試験を行い、評価した。結果を表2に示す。
表2より、小径孔253の内径aが1.0mmより大きい(試料No.14、15)場合、耐汚損性が低下することが分かる。これは、内径aが大きくなるに伴い、絶縁体2の小径孔253周囲の絶縁体表面の面積が増え、絶縁体2の表面に付着したカーボンを焼き切ることが難しくなるためと考えられる。これにより、a≦1.0mmであれば、スパークプラグ100の耐汚損性を向上することができる。
(試験3)
次に、本実施形態のスパークプラグ100について、チップ33の長さlと耐チャンネリング及び耐久性との関係を確認するための試験を行った。
まず、試験1と同様のスパークプラグ100を作成した。なお、突き出し量hは0.5mmに固定し、チップ33の長さl(mm)を表3に示すように変化させた試料No.16〜23のスパークプラグ100とした。なお、チップ7の長さlとは、チップ33の先端から電極母材32(具体的には、電極テーパ部322)との溶接部における接合位置までの長さである。そして、接合位置とは、チップ33と電極母材32との接合が視認できる場合は、その位置とし、視認できない場合は、溶接部の上部と下部との中間の位置とする。
(耐チャンネリング試験)
そして、試料No.16〜23を、2.5リットル、6気筒、DOHCのエンジンを用い、140km/h相当の高速模擬パターンで10万km運転する。その後、絶縁体2の表面にチャンネリングによる割れを視認し、割れなしを○、割れありを×として評価した。その結果を表3に示す。
(耐久性試験)
また、試料No.16〜23を、2.5リットル、6気筒、DOHCのエンジンを用い、140km/h相当の高速模擬パターンで10万km運転する。その後、放電ギャップgの増加量を測定し、放電ギャップgの増加量が0.1mm以下で○、0.1mmを超えると×として評価した。その結果を表3に示す。
表3よりチップ33の長さlが0.3mm未満(試料No.16)の場合、絶縁体2の表面にチャンネリングによる割れが発生することがわかる。これは、チップ33の長さlが短くなるにつれて、絶縁体の厚さが薄くなるからである。一方、チップ33の長さlが3.0mmより長い(試料No.22、23)の場合、チップ33の耐久性が低下している。これは、チップ33の長さlが長くなるに伴い、電極母材32がチップ33の先端から遠ざかるため、チップ33の消耗が大きくなるからであると考えられる。これより、0.3mm≦l≦3.0mmであれば、スパークプラグ100の耐チャンネリング性及び耐久性を向上させることができる。
(試験4)
次に、本実施形態のスパークプラグ100について、チップ33の外径bと耐久性との関係を確認するための試験を行った。
まず、試験1と同様のスパークプラグ100を作成した。なお、突き出し量hは0.5mmに固定し、チップ33の外径bを表3に示すように変化させた試料No.24〜28のスパークプラグ100とした。
(耐久性試験)
そして、試料No.24〜28を試験3と同様の耐久試験を行い評価した。その結果を表4に示す。
表4よりチップ33の外径bが0.4mm未満(試料No.24)の場合、耐久性が低下していることがわかる。これは、チップ33の外径bが小さくなるに伴い、チップ33のボリュームが少なくなり、チップ33自身の消耗が大きくなるためと考えられる。これより、0.4≦bであれば、チップ33の耐久性を向上させることができる。
(試験5)
次に、本実施形態のスパークプラグ100について、チップ33の外径b及び電極母材32の外径cと耐久性との関係を確認するための試験を行った。
まず、試験1と同様のスパークプラグ100を作成した。なお、突き出し量hは0.5mmに固定し、電極母材32の外径cを表5に示すように変化させた試料No.29〜34のスパークプラグ100とした。
(耐久性試験)
そして、試料No.29〜34を試験3と同様の耐久試験を行い評価した。その結果を表5に示す。
表5より電極母材32の外径cが1.2mm未満(試料No.29、30)の場合、耐久性が低下していることがわかる。これは、電極母材32の外径cがチップ33の外径bの2倍未満となったため、チップ33が受ける熱を電極母材32が受熱することが少なくなり、チップ33の耐消耗性が低下したと考えられる。これより、c≧2bであれば、チップ33の耐久性を向上させることができる。
なお、本実施形態に示すスパークプラグ100の他、図3や図4に示すように、絶縁体2の形状が様々な形状のスパークプラグ200、300を採用することもできる。図3に示すスパークプラグ200は、絶縁体2の先端側が円錐台状をなすものである。また、図4に示すスパークプラグ300は、絶縁体2の先端側が段差を有する2つの円柱部からなるものである。このようなスパークプラグ200、300であっても、本発明の効果を有することができる。
本発明の実施形態を示すスパークプラグ100の側面断面図である。 図1のスパークプラグ100の要部拡大図である。 本発明の別実施形態を示すスパークプラグ200の要部拡大図である。 本発明の別実施形態を示すスパークプラグ300の要部拡大図である。 先行技術を示すスパープラグ900の側面断面図である。
符号の説明
1・・・主体金具
2・・・絶縁体
3・・・中心電極
4・・・接地電極
5・・・端子金具
100、200、300・・・スパークプラグ

Claims (3)

  1. 筒状の主体金具と、
    該主体金具に周囲が取り囲まれて当該主体金具に固定され、軸方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    先端が該絶縁体の先端から突出し、当該絶縁体の軸孔内に固定された中心電極と、
    該主体金具に一端が固定され、他端部が該中心電極の先端面に対向するように配設された1つの接地電極とを備え、該接地電極と前記中心電極の先端面との間に放電ギャップを形成するスパークプラグにおいて、
    前記中心電極は、先端部に形成された小径部と該小径部よりも後端側に形成された大径部とを有し、
    前記軸孔は、前記絶縁体の先端に連なり、前記中心電極の小径部を取り囲む第1軸孔と、当該第1軸孔よりも大径に形成され、前記中心電極の大径部を取り囲む第2軸孔とを有し、
    前記絶縁体の先端から前記中心電極の先端面までの突き出し量h(mm)とし、前記第1軸孔の内径をa(mm)とし、前記小径部の軸線方向長さをl(mm)とし、前記小径部の直径b(mm)とし、前記大径部の直径c(mm)としたとき、
    0.3≦h≦1.0
    a≦1.0
    0.3≦l≦3.0
    0.4≦b
    c≧2b
    であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記小径部は、貴金属材料であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記主体金具の外周面には、呼びがM10以下のネジ部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
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