JP4913716B2 - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ Download PDF

Info

Publication number
JP4913716B2
JP4913716B2 JP2007326975A JP2007326975A JP4913716B2 JP 4913716 B2 JP4913716 B2 JP 4913716B2 JP 2007326975 A JP2007326975 A JP 2007326975A JP 2007326975 A JP2007326975 A JP 2007326975A JP 4913716 B2 JP4913716 B2 JP 4913716B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip
spark plug
center electrode
electrode
center
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007326975A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009151984A (ja
Inventor
裕之 亀田
勝稔 中山
聡史 長澤
和正 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2007326975A priority Critical patent/JP4913716B2/ja
Publication of JP2009151984A publication Critical patent/JP2009151984A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4913716B2 publication Critical patent/JP4913716B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Spark Plugs (AREA)

Description

本発明は、筒状の主体金具と、これに挿通される筒状の絶縁体と、更にこれに挿通される中心電極と、外側電極基材に外側電極チップを溶接してなる外側電極とを備える内燃機関用のスパークプラグに関する。
従来より、着火性及び耐久性を両立して向上させるために、外側電極基材に円柱状の外側電極チップを溶接して外側電極を形成したスパークプラグが知られている。しかし、このような形態の外側電極では、外側電極チップを溶接しているために、外側電極の全長が長くなりがちで、使用時の熱負荷が大きくなると共に、振動に対する折損強度も低下する。このため、特許文献1に開示されたスパークプラグのように、外側電極に銅芯を封入したり、特許文献2に開示されたスパークプラグのように、主体金具の先端部分を先端側に長く延ばした形態としたり、外側電極の断面積を増やすことで、外側電極の熱引きと強度を向上させることが考えられている。
特許第1918156号公報 特開昭60−235379号公報
近年の内燃機関は、低燃費、低エミッションのために、高着火性能が求められると共に高出力の両立を目指しており、高圧縮比の内燃機関等が開発され、スパークプラグが受ける熱量は更に増加する傾向にある。また、スパークプラグに対する小径化の要求により、外側電極の大きさも縮小する必要があるから、益々、外側電極の耐熱性及び耐折損性が厳しくなる傾向になる。この問題を解決するためには、外側電極の長さを短くすることが最も効果的である。しかし、外側電極を短くできる従来の多極電極型のスパークプラグやセミ沿面型のスパークプラグは、外側電極が長くなる平行電極型のスパークプラグに比して、着火性が劣ることが判っている。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、外側電極の耐熱性及び耐折損性を確保しつつ、着火性及び耐久性を向上させることができるスパークプラグを提供することを目的とする。
その解決手段は、軸線を有する筒状の主体金具と、前記主体金具の径方向内側に挿通される筒状の絶縁体であって、前記主体金具の金具先端面から軸線方向先端側に突出する絶縁体突出部を有する絶縁体と、前記絶縁体の径方向内側に挿通される中心電極であって、前記絶縁体の絶縁体先端面から軸線方向先端側に突出する中心電極突出部を有し、この中心電極突出部のうちの先端部分である中心電極先端部が軸線方向に延びる円柱状をなす中心電極と、外側電極基材の基材先端部に、これよりも細い柱状の外側電極チップを溶接してなる外側電極であって、前記外側電極チップのチップ先端面が、前記中心電極先端部の外周面と火花放電ギャップを隔てて離間してなる一又は複数の外側電極と、を備えるスパークプラグであって、前記絶縁体の前記絶縁体突出部は、前記主体金具の前記金具先端面から1.0mm以上軸線方向先端側に突出してなり、前記中心電極の前記中心電極突出部は、前記主体金具の前記金具先端面から3.5mm以上軸線方向先端側に突出してなり、前記外側電極チップの前記チップ先端面から、前記中心電極先端部の外周面までの最短距離で両者間を結ぶ任意の線分を線分Aとし、この線分Aの中央をなす点を点A1とし、この点A1が集まってできる線分を線分Bとし、この線分Bの中央をなす点を点B1とし、前記線分Aの長さを長さAD(mm)とし、前記中心電極先端部及び前記外側電極のうち、前記点B1を中心とし、AD/2+0.1(mm)を半径とする仮想球体内に含まれる部分の合計体積を体積V(mm3 )としたとき、V≧0.020を満たしてなるスパークプラグである。
本発明のスパークプラグでは、外側電極を、その外側電極チップのチップ先端面が中心電極先端部の外周面と火花放電ギャップを隔てて離間してなる形態とし、火花放電経路を一般的な軸線方向から径方向としている。即ち、横放電型のスパークプラグとしている。このようにすることで、外側電極の長さを軸線方向及び径方向のいずれも短くできるので、外側電極の温度を低減できると共に、耐折損強度を向上させることできる。従って、外側電極の耐熱性及び耐折損性を向上させることができる。
また、外側電極基材に外側電極チップを溶接して外側電極を構成しているため、横放電型のスパークプラグでありながら、火炎核への消炎作用を低減できると共に、火炎核の成長を阻害し難くなるので、着火性を向上させることができる。外側電極の先端部分が細い外側電極チップであることにより、火炎核よりも温度の低い外側電極(外側電極チップ)が、火炎核が拡がる際の障害物になり難くなるためと考えられる。
更に、本発明のスパークプラグでは、絶縁体の絶縁体突出部を、主体金具の金具先端面から1.0mm以上軸線方向先端側に突出させている。このため、耐プレイグニッション性能を向上させることができる。絶縁体の突出長さを大きくすると、新気による冷却効果が増して、耐プレイグニッション性能が向上するものと考えられる。
また、本発明のスパークプラグでは、中心電極の中心電極突出部を、主体金具の金具先端面から3.5mm以上軸線方向先端側に突出させている。このため、燃焼変動率を小さくすることができ、着火性を向上させることができる。なお、燃焼変動率とは、燃焼圧力より求めたIMEP(図示平均有効圧力)の変動率であり、(燃焼変動率)=(標準偏差/平均値)×100(%)により求めることができる。
更に、本発明のスパークプラグでは、前述の体積V(mm3 )について、V≧0.020を満たす形態としている。このような形態とすることで、使用に伴って生じる放電電圧の上昇を効果的に抑制できるので、スパークプラグの耐久性を向上させることができる。体積Vを大きくすることにより、火花放電ギャップが初期の火花放電ギャップの0.2mm増しになるまでに消費される中心電極先端部及び外側電極の体積が大きくなるので、火花放電ギャップの増加が抑制されるためと考えられる。
なお、「中心電極」は、上記の要件を満たすものであればよく、一体的に形成したものでもよいし、例えば、基材である中心電極基材に円柱状の中心電極チップを溶接したものでもよい。
また、「外側電極」は、上記のように、外側電極基材の基材先端部に、これよりも細い柱状の外側電極チップを溶接したものである。このような形態としては、例えば、接地電極基材の基材先端部のうち、その先端面をなす基材先端面の所定位置に、柱状の外側電極チップが中心電極に向かって突出する形態で接合された接地電極が挙げられる。また、例えば、接地電極基材の基材先端部のうち、その周囲を構成する側面の所定位置に、柱状の外側電極チップが基材先端面を超えて突出する形態で接合された接地電極が挙げられる。
また、「外側電極」の「外側電極チップ」は、柱状であればよく、例えば、円柱状、四角柱などの角柱状、楕円柱状などの形態が挙げられる。
更に、上記のスパークプラグであって、前記中心電極先端部及び前記外側電極の表面のうち、前記仮想球体内に含まれる部分がなす表面の合計表面積を面積S(mm2 )としたとき、S≦AD/2+0.15を満たしてなるスパークプラグとすると良い。
本発明のスパークプラグでは、上述の面積S(mm2 )について、S≦AD/2+0.15を満たす形態としている。このような形態とすることで、着火性を更に向上させることができる。面積Sを小さくすることにより、火炎核が接触する中心電極先端部及び外側電極の面積が小さくなるので、火炎核の成長が抑制され難くなるためと考えられる。
更に、上記のいずれかに記載のスパークプラグであって、前記外側電極基材の基材先端面から前記チップ先端面までの、前記外側電極チップのチップ長さを長さC(mm)としたとき、0.3≦C≦1.6を満たしてなるスパークプラグとすると良い。
本発明のスパークプラグでは、外側電極チップのチップ長さC(mm)が、0.3≦C≦1.6を満たしている。C≧0.3とすることで、着火性を向上させることができる。このようにチップ長さCを長くすることにより、火炎核よりも温度の低い外側電極が、火炎核が拡がる際の障害物になり難くなるためと考えられる。
一方、C≦1.6とすることで、使用に伴って生じる火花放電ギャップの増加量を効果的に抑制でき、耐久性を向上させることができる。このようにチップ長さCを短くすることにより、外側電極(外側電極チップ)における熱引きが良好となり、外側電極チップの消耗量が抑制されるためと考えられる。
従って、0.3≦C≦1.6とすることで、着火性及び耐久性を両立して向上させることができる。
更に、上記のいずれかに記載のスパークプラグであって、前記中心電極は、基材である中心電極基材に、これより細径の円柱状の中心電極チップを溶接してなり、この中心電極チップにより前記中心電極先端部を形成してなるスパークプラグとすると良い。
本発明のスパークプラグでは、中心電極が中心電極基材にこれより細径の中心電極チップを溶接してなり、この中心電極チップにより中心電極先端部を形成しているので、着火性を更に向上させることができる。中心電極の先端部分が細い中心電極チップであることにより、火炎核よりも温度の低い中心電極(中心電極チップ)が、火炎核が拡がる際の障害物になり難くなるためと考えられる。
更に、上記のスパークプラグであって、前記外側電極チップ及び前記中心電極チップを、それぞれPtを70重量%以上含むPt合金により形成してなるスパークプラグとすると良い。
本発明のスパークプラグでは、外側電極チップ及び中心電極チップを、それぞれPtを70重量%以上含むPt合金により形成している。このため、使用に伴って生じるチップの消耗を抑制できるので、耐久性を更に向上させることができる。
更に、前記のスパークプラグであって、前記外側電極チップ及び前記中心電極チップを、それぞれRhを添加したIr合金により形成してなるスパークプラグとすると良い。
本発明のスパークプラグでは、外側電極チップ及び中心電極チップを、それぞれRhを添加したIr合金により形成している。このため、使用に伴って生じるチップの消耗を抑制できるので、耐久性を更に向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態に係るスパークプラグ100を示す。また、図2に、スパークプラグ100のうち、中心電極130及び接地電極(外側電極)140付近を側方から見た図を示し、また、図3に、中心電極130及び接地電極140等を軸線AX方向先端側(以下、単に先端側とも言う。)から基端側に見た図を示す。また、図4に、接地電極140を径方向内側から径方向外側に見た図を示す。このスパークプラグ100は、エンジンのシリンダヘッドに取り付けられて使用に供される内燃機関用のスパークプラグである。
スパークプラグ100は、図1に示すように、筒状の主体金具110と、筒状の絶縁体120と、中心電極130と、接地電極140とを備える。
このうち主体金具110は、低炭素鋼からなり、軸線AX方向に延びる筒状をなす。この主体金具110は、径大なフランジ部110fと、これより軸線AX方向基端側(以下、単に基端側とも言う。図1中、上方。)に位置し、スパークプラグ100をシリンダーヘッドに取り付ける際に工具を係合させる横断面六角形状の工具係合部110hと、更にその基端側に位置し、絶縁体120を主体金具110に加締め固定するための加締部110jとを有する。また、フランジ部110fの先端側(図1中、下方)には、フランジ部110fより細径で、外周にスパークプラグ100をシリンダーヘッドにネジ止めするための取付ねじ部110gが形成された金具先端部110sを有する。
絶縁体120は、アルミナ系セラミックからなり、軸線AX方向に延びる筒状をなす。この絶縁体120は、主体金具110の径方向内側に挿通され、先端側に位置する絶縁体突出部120sが、主体金具110の金具先端面110scから先端側に突出すると共に、基端側に位置する絶縁体基端部120kが、主体金具110の加締部110jから基端側に突出した状態で、主体金具110に保持されている。先端側に位置する絶縁体突出部120sの主体金具110の金具先端面110scからの突出長さZ(図2参照)は、1.0mm以上である。なお、この突出長さZの具体的な数値については後述する。
また、この絶縁体120の先端側の径方向内側には、中心電極130が挿通されている。また、この絶縁体120の基端側の径方向内側には、高電圧を中心電極130に導くための端子金具150が挿入されている。
中心電極130は、絶縁体120の径方向内側に挿通され、先端側に位置する中心電極突出部130sが絶縁体120の絶縁体先端面120scから先端側に突出した状態で、絶縁体120に保持されている。中心電極突出部130sの主体金具110の金具先端面110scからの突出長さT(図2参照)は、3.5mm以上である。この突出長さTの具体的な数値については後述する。
この中心電極130は、図2及び図3に示すように、基材である棒状の中心電極基材131の先端に、これよりも細径で円柱状をなす中心電極チップ133を同軸に溶接したものであり、中心電極基材131が基端側(図2、下方)に位置し、中心電極チップ133が先端側(図2、上方)に位置している。
このうち中心電極基材131は、基端側に位置し径大な円柱状をなす第1円柱部131pと、この先端側に位置し先端側ほど径小な円錐台状をなす円錐台部131qとを有する。この中心電極基材131は、Niを主成分とするNi合金からなる。
一方、中心電極チップ133は、中心電極基材131から先端側(図2、上方)に向かって突出し、中心電極130の先端部分をなす円柱状の中心電極先端部130ssを形成している。この中心電極チップ133は、Ptを重量70%以上含むPt合金からなる。なお、この中心電極チップ133の具体的な材質については後述する。また、中心電極チップ133は、Rhを添加したIr合金により形成してもよい。
この中心電極チップ133と中心電極基材131とは、レーザ溶接されているので、中心電極チップ133と中心電極基材131の間には、中心電極チップ133と中心電極基材131とが互いに溶融混合して固化した円錐台状の溶接部135が形成されている。
接地電極140は、図2〜図4に示すように、四角柱を屈曲させた基材である接地電極基材(外側電極基材)141に、これよりも細径で円柱状をなす接地電極チップ(外側電極チップ)143を溶接したものである。
このうち接地電極基材141は、Niを主成分とするNi合金からなる。この接地電極基材141は、その基材基端部141kが主体金具110の金具先端面110scに接合されており、基材先端部141sが径方向内側に向けて屈曲され、その基材先端面141scが径方向内側を向いている。
接地電極チップ143は、中心軸BXを有する円柱状をなし、接地電極基材141の基材先端面141scの中央にレーザ溶接で接合され、径方向内側に向かって突出している。そして、接地電極チップ143のチップ先端面143scが、中心電極先端部130ssの外周面130ssnと火花放電を生じさせる火花放電ギャップGを隔てて離間している。基材先端面141scからチップ先端面143scまでの接地電極チップ143のチップ長さを長さC(mm)とすると、0.3≦C≦1.6を満たしている。なお、長さCの具体的な数値は後述する。また、この接地電極チップ143は、Ptを70重量%以上含むPt合金からなる。なお、この接地電極チップ143の具体的な材質については後述する。また、接地電極チップ143は、Rhを添加したIr合金により形成してもよい。
ここで、このスパークプラグ100において、図5に示すように、接地電極チップ143のチップ先端面143scから、中心電極先端部130ssの外周面130ssnまでの最短距離AD(図6参照)でチップ先端面143scと外周面130ssnとの間を結ぶ任意の線分を線分A(図中には、線分Aのうち、最も先端に位置する線分Aと最も基端に位置する線分Aの2本を図示している。)とする。そして、各々の線分Aの中央をなす点を点A1とする。更に、各点A1が集まってできる線分を線分Bとし、この線分Bの中央をなす点を点B1とする。
次に、図6に示すように、前述の線分Aの長さ(本実施形態では火花放電ギャップGの長さにも相当する。)を長さAD(mm)とし、前述の点B1を中心とし、半径rをr=AD/2+0.1(mm)とする仮想球体Mを考える。そして、中心電極先端部130ssのうち、この仮想球体M内に含まれる部分130ssvの体積を体積V1(mm3 )とし、接地電極130のうち、この仮想球体M内に含まれる部分143vの体積を体積V2(mm3 )とする。また、これらの合計体積VをV=V1+V2(mm3 )とする。 この体積Vに対して、本実施形態のスパークプラグ100は、V≧0.020(mm3 )の関係を満たしている。なお、体積Vの具体的な数値は後述する。
また、中心電極先端部133ssの表面のうち、この仮想球体M内に含まれる部分133ssvの表面133ssvnの面積を面積S1(mm2 )とし、接地電極130の表面のうち、この仮想球体M内に含まれる部分143vの表面143vnの面積を面積S2(mm2 )とする。また、これらの合計表面積SをS=S1+S2(mm2 )とする。
この面積Sに対して、本実施形態のスパークプラグ100は、S≦AD/2+0.15(mm2 )の関係を満たしている。なお、面積Sの具体的な数値は後述する。
以上で説明したように、このスパークプラグ100では、接地電極140を、接地電極チップ143のチップ先端面143scが、径方向内側を向いて、中心電極先端部130ssの外周面130ssnと火花放電ギャップGを隔てて離間してなる形態とし、火花放電経路を径方向に形成した横放電型のスパークプラグとしている。このようにすることで、接地電極140の長さを軸線AX方向及び径方向のいずれも短くできるので、接地電極140の使用時の温度を低減できると共に、耐折損強度を向上させることできる。従って、接地電極140の耐熱性及び耐折損性を向上させることができる。
また、接地電極基材141にこれよりも細径の接地電極チップ143を溶接して接地電極140を構成しているため、横放電型のスパークプラグでありながら、火炎核への消炎作用を低減できると共に、火炎核の成長を阻害し難くなるので、着火性を向上させることができる。接地電極140の先端部分が細径の接地電極チップ143であることにより、火炎核よりも温度の低い接地電極140(接地電極チップ143)が、火炎核が拡がる際の障害物になり難くなるためと考えられる。
更に、本実施形態のスパークプラグ100では、絶縁体120の絶縁体突出部120sの突出長さZを、1.0mm以上としている。このため、耐プレイグニッション性能を向上させることができる。絶縁体120の突出長さZを大きくすると、新気による冷却効果が増して、耐プレイグニッション性能が向上するものと考えられる。
また、本実施形態のスパークプラグ100では、中心電極130の中心電極突出部130sの突出長さTを、3.5mm以上としている。このため、燃焼変動率(燃焼圧力より求めたIMEP(図示平均有効圧力)の変動率)を小さくすることができ、着火性を向上させることができる。
更に、本実施形態のスパークプラグ100では、前述の体積V(mm3 )について、V≧0.020を満たす形態としている。これにより、使用に伴って生じる放電電圧の上昇を効果的に抑制できるので、スパークプラグ100の耐久性を更に向上させることができる。体積Vを大きくすることにより、火花放電ギャップG(長さAD)が初期の火花放電ギャップGの0.2mm増し(ΔAD=0.2)になるまでに消費される中心電極先端部133ss及び接地電極140の体積が大きくなるので、火花放電ギャップGの長さADの増加量ΔADが抑制されるためと考えられる。
また、このスパークプラグ100では、前述の面積S(mm2 )について、S≦AD/2+0.15を満たす形態としている。これにより、着火性を更に向上させることができる。面積Sを小さくすることにより、火炎核が接触する中心電極先端部133ss及び接地電極140の面積が小さくなるので、火炎核の成長が抑制され難くなるためと考えられる。
また、このスパークプラグ100では、接地電極チップ143のチップ長さC(mm)が、0.3≦C≦1.6を満たしている。C≧0.3とすることで、着火性を向上させることができる。このようにチップ長さCを長くすることにより、火炎核よりも温度の低い接地電極140が、火炎核が拡がる際の障害物になり難くなるためと考えられる。
一方、C≦1.6とすることで、使用に伴って生じる火花放電ギャップGの増加量を効果的に抑制でき、耐久性を向上させることができる。このようにチップ長さCを短くすることにより、接地電極140(接地電極チップ143)における熱引きが良好となり、接地電極チップ143の消耗量が抑制されるためと考えられる。
従って、0.3≦C≦1.6とすることで、着火性及び耐久性を両立して向上させることができる。
また、このスパークプラグ100では、中心電極130が中心電極基材131に中心電極チップ133を溶接してなり、この中心電極チップ133により中心電極先端部130ssを形成しているので、着火性を更に向上させることができる。中心電極130の先端部分が細い中心電極チップ133であることにより、火炎核よりも温度の低い中心電極130(中心電極チップ133)が、火炎核が拡がる際の障害物になり難くなるためと考えられる。
また、このスパークプラグ100では、中心電極チップ133及び接地電極チップ143を、それぞれPtを70重量%以上含むPt合金により形成している。このため、使用に伴って生じる各チップの消耗を抑制できるので、耐久性を更に向上させることができる。なお、中心電極チップ133及び接地電極チップ143を、それぞれRhを添加したIr合金により形成しても、使用に伴って生じるチップの消耗を抑制できるので、耐久性を更に向上させることができる。
なお、このスパークプラグ100は、次の方法により製造できる。即ち、中心電極基材131に中心電極チップ133をレーザ溶接して中心電極130を形成する。そして、この中心電極130を別途用意した絶縁体120に組み付けると共に、端子金具150等も絶縁体120に組み付け、ガラスシールを行う。
次に、主体金具110を用意し、主体金具110に棒状の接地電極基材141(接地電極チップ143が接合されておらず、屈曲加工もされていない状態の接地電極基材141)を接合する。その後、この接地電極基材141を接合した主体金具110に、中心電極130等を組み付けた絶縁体120を組み付け、加締め等を行う。
次に、主体金具110に接合された接地電極基材141に、接地電極チップ143をレーザ溶接して接地電極140を形成する。その後は、接地電極140を径方向内側に曲げて所定形状とし、中心電極130との間に火花放電ギャップGを形成すれば、スパークプラグ100が完成する。
次いで、本実施形態のスパークプラグ100の効果を検証するために行った様々な試験の結果について説明する。
(試験1)
この試験1では、本発明を適用した実施例のスパークプラグ100と、従来技術に係る比較例のスパークプラグのそれぞれについて、使用時の接地電極140の先端温度と、接地電極140の折損強度を調べて比較した。
本発明を適用した実施例として、長さAD=0.9mm、体積V=0.027mm3 、面積S=0.532mm2 、長さC=0.9mmとしたスパークプラグ100を用意した。
また、従来技術に係る比較例として、接地電極の接地電極チップのチップ先端面が、基端側を向いて、中心電極先端部の先端面と火花放電ギャップを隔てて離間した形態のスパークプラグを用意した。このスパークプラグは、火花放電経路を軸線方向に形成した一般的な縦放電型(平行電極型)のスパークプラグである。
そして、これら実施例のスパークプラグ100と比較例のスパークプラグについて、使用時の接地電極の先端温度を調べた。また、接地電極の折損強度安全率比も調べた。
接地電極の先端温度は、接地電極基材の基材先端面から1mm離れた位置に熱電対を貼り付けて測定した。なお、熱電対は、接地電極基材の内部に埋め込んでもよい。
また、折損強度安全率比は、次のように求めた。即ち、スパークプラグの各部の材料物性値から、中心電極チップの先端が800℃となるように雰囲気温度条件を設定し、各部の温度をFEM解析により算出した。また、接地電極の共振周波数を求め、1Gの加速度の振動を与えたときのR部(屈曲された部分)の最大応力σ1と、上記のFEM解析より求めた温度により、材料強度σ2を算出した。そして、(安全率)=σ2/σ1として、各スパークプラグの安全率を求め、更に、比較例のスパークプラグを基準(=1)として、実施例のスパークプラグ100の安全率比を求めた。これらの結果を図7のグラフに示す。
この結果、接地電極の先端温度は、比較例のスパークプラグでは1098℃であったのに対し、実施例のスパークプラグ100では763℃まで大幅に減少していた。一方、折損強度安全率比は、比較例に対して、35.3倍に大幅に増加した。このことから、本発明を適用することにより、接地電極140の温度を大幅に低減できると共に、耐折損強度を大幅に向上させることできるので、接地電極140の耐熱性及び耐折損性が向上することが判る。
(試験2)
この試験2では、中心電極先端部130ssの突出長さTを、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm及び4.0mmとしたスパークプラグをそれぞれ用意した。そして、各スパークプラグについて、シュリーレン評価による火炎核面積と、実機における燃焼変動率との関係を調べ、着火性を評価した。その結果を図8のグラフに示す。
なお、シュリーレン評価による火炎核面積は、次のように求めた。即ち、加圧チャンバーにスパークプラグを取り付け、チャンバ内にガスと空気の混合気を充填して着火を行う。試験条件は、A/F=18、燃料をC38、初期加圧を0.05MPaとした。そして、着火3ms後の火炎核面積をシュリーレン法により求めた。
また、実機における着火性評価は、次のように行った。即ち、評価用エンジンとして6気筒の2リットルエンジンを用意した。試験条件は、回転数750rpm、ブースト圧550mmHg、A/F=14.5とした。燃焼圧力よりIMEP(図示平均有効圧力)を求め、500サンプルの平均値と標準偏差より、下記式で燃焼変動率を算出した。そして、燃焼変動率20%を燃焼限界と評価した。
燃焼変動率=(標準偏差/平均値)×100(%)
この結果によると、中心電極先端部130ssの突出長さTが2.0mm及び2.5mmのスパークプラグでは、シュリーレン評価による火炎核面積が大きい場合でも、燃焼変動率が燃焼限界である20%を大きく超えており、20%を下回ることがなかった。
一方、中心電極先端部130ssの突出長さTが3.0mmのスパークプラグでは、シュリーレン評価による火炎核面積が大きくなると、具体的には、火炎核面積が約90mm2 を超えると、燃焼変動率が燃焼限界である20%以下に収まった。
他方、中心電極先端部130ssの突出長さTが3.5mm及び4.0mmのスパークプラグでは、シュリーレン評価による火炎核面積が大きい場合、具体的には、火炎核面積が約70mm2 を超えると、燃焼変動率が燃焼限界である20%以下に収まった。
このことから、中心電極先端部130ssの突出長さTを3.5mm以上とした場合に、特に燃焼変動率が小さくなり、着火性が良好になることが判る。従って、本発明では、中心電極先端部130ssの突出長さTを、3.5mm以上としている。
(試験3)
この試験3では、中心電極チップ133及び接地電極チップ143のうち、前述の仮想球体Mに含まれる部分130ssv,143vの合計体積Vを変更したスパークプラグを用意した。具体的には、火花放電ギャップGの長さADを0.7mmに固定すると共に、上記体積Vを0.010mm3 、0.015mm3 、0.020mm3 、0.030mm3 、0.040mm3 にそれぞれ変更した5種類のスパークプラグを用意した。そして、各スパークプラグについて、放電電圧の増加を調べ、耐久性を評価した。その結果を図9のグラフに示す。
放電電圧の増加試験は、次のように行った。即ち、圧力チャンバにスパークプラグを取り付け、試験条件は、圧力0.4MPa、繰り返し周波数100Hz、大気雰囲気下とし、放電電圧測定サンプル数500発の平均値(Ave.)に標準偏差(σ)の3倍を加えた値を放電電圧とした。
この結果によると、体積V=0.010mm3 のスパークプラグでは、試験開始後、放電電圧が試験初期の放電電圧(本例では7.5kV)の20kV増し(本例では27.5kV)になるまでの時間が極めて短いことが判る。また、体積V=0.015mm3 のスパークプラグでも、放電電圧が初期放電電圧の20kV増し(27.5kV)になるまでの時間が短いことが判る。
一方、体積V=0.020mm3 、体積V=0.030mm3 、及び、体積V=0.040mm3 のスパークプラグでは、放電電圧が初期放電電圧の20kV増し(27.5kV)になるまでの時間が長く、体積V=0.015mm3 の場合の2.5倍以上である。このことから、体積V=0.020mm3 以上とすることにより、耐久性が特に向上することが判る。
(試験4)
この試験4では、上記試験3と同様な評価試験を、火花放電ギャップGの長さADを0.9mmに固定して行った。その結果を図10のグラフに示す。
この結果によると、体積V=0.010mm3 のスパークプラグでは、試験開始後、放電電圧が試験初期の放電電圧(本例では10kV)の20kV増し(本例では30kV)になるまでの時間が極めて短いことが判る。また、体積V=0.015mm3 のスパークプラグでも、放電電圧が初期放電電圧の20kV増し(30kV)になるまでの時間が短いことが判る。
一方、体積V=0.020mm3 、体積V=0.030mm3 、及び、体積V=0.040mm3 のスパークプラグでは、放電電圧が初期放電電圧の20kV増し(30kV)になるまでの時間が長く、体積V=0.015mm3 の場合の2.5倍以上である。このことから、体積V=0.020mm3 以上とすることにより、耐久性が特に向上することが判る。
(試験5)
この試験5では、上記試験結果3,4と同様な評価試験を、火花放電ギャップGの長さADを1.1mmに固定して行った。その結果を図11のグラフに示す。
この結果によると、体積V=0.010mm3 のスパークプラグでは、試験開始後、放電電圧が試験初期の放電電圧(本例では15kV)の20kV増し(本例では35kV)になるまでの時間が極めて短いことが判る。また、体積V=0.015mm3 のスパークプラグでも、放電電圧が初期放電電圧の20kV増し(35kV)になるまでの時間が短いことが判る。
一方、体積V=0.020mm3 、体積V=0.030mm3 、及び、体積V=0.040mm3 のスパークプラグでは、放電電圧が初期放電電圧の20kV増し(35kV)になるまでの時間が長く、体積V=0.015mm3 の場合の2.5倍以上である。このことから、体積V=0.020mm3 以上とすることにより、耐久性が特に向上することが判る。
次に、上記試験3〜5で得られた結果に基づいて、中心電極先端部130ss(中心電極チップ133)及び接地電極140(接地電極チップ143)のうち、前述の仮想球体Mに含まれる部分130ssv,143vの合計体積Vと、放電電圧が初期放電電圧の20kV増しになるまでの時間との関係をまとめた。その結果を図12のグラフに示す。
この結果を見ても、体積V=0.010mm3 のスパークプラグでは、放電電圧が初期放電電圧の20kV増しになるまでの時間が極めて短いことが判る。また、体積V=0.015mm3 のスパークプラグでも、放電電圧が初期放電電圧の20kV増しになるまでの時間が短いことが判る。
一方、体積V=0.020mm3 、体積V=0.030mm3 、及び、体積V=0.040mm3 のスパークプラグでは、放電電圧が初期放電電圧の20kV増しになるまでの時間が大幅に大きくなることが判る。従って、体積V=0.020mm3 以上とすることにより、耐久性が特に向上すると言える。
(試験6)
この試験6では、中心電極先端部130ss(中心電極チップ133)及び接地電極140(接地電極チップ143)の表面のうち、前述の仮想球体Mに含まれる部分130ssv,143vの表面130ssvn,143vnの合計面積Sを変更したスパークプラグを用意した。具体的には、火花放電ギャップGの長さADを、0.5mm、0.7mm、0.9mm、1.1mmに変更すると共に、上記面積Sを様々に変更した多数のスパークプラグを用意した。そして、各スパークプラグについて、燃焼変動率を調べ、着火性を評価した。この着火性評価は、前述の試験2で説明した通りであり、燃焼変動率20%を燃焼限界として評価した。その結果を図13のグラフに示す。
この結果によると、火花放電ギャップGの長さADがいずれの場合においても、面積Sが増加すると、燃焼変動率が増加し、いずれは燃焼限界である20%を超えることが判る。また、火花放電ギャップGの長さADが小さい方が、燃焼限界に達する面積Sも小さいことが判る。
更に、上記試験6で得られた結果に基づいて、各々の火花放電ギャップGの長さADにおいて、ちょうど燃焼限界(燃焼変動率20%)となる合計面積S(図13においてそれぞれ矢印で示す面積)を調べた。その結果を図14のグラフに示す。
この結果、火花放電ギャップGの長さADと、燃焼限界となる合計面積Sとは、傾きが正の一次関数の関係にあることが判る。具体的には、燃焼限界における両者の関係を、S=AD/2+0.15の式で表すことができる。このことから、スパークプラグを、S≦AD/2+0.15を満たす形態とすることにより、着火性が十分に向上すると言える。
(試験7)
この試験7では、接地電極チップ143のチップ長さCを様々に変更したスパークプラグを用意した。具体的には、チップ長さCを、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.6mm、0.8mm、1.2mm、1.6mm及び2.0mmとしたスパークプラグを用意した。
そして、各スパークプラグについて、空燃比(A/F)と失火率との関係を調べた。具体的には、評価用エンジン(6気筒2リットル)にスパークプラグを装着し、回転数2000rpm、ブースト圧350mmHgとした。測定した燃焼圧力よりIMEP(図示平均有効圧力)を求め、1000サンプル分の燃焼圧力の平均値に対し、その50%以下の値となったものを失火として、失火率を求めた。なお、安定燃焼限界を失火率1%として評価した。その結果を図15のグラフに示す。
この結果によると、チップ長さCが0.2mmのスパークプラグでは、A/F=約19.5で既に安定燃焼限界である失火率1%に達し、A/Fの値がそれ以上の値では安定燃焼限界(失火率1%)を大幅に超えていた。
これに対し、チップ長が0.3mm〜2.0mmのスパークプラグでは、少なくともA/F=20においても、失火率が安定燃焼限界(失火率1%)よりも低かった。
チップ長さCが0.2mmのスパークプラグでは、A/F=19.5よりもリッチな空燃比にしなければ安定した燃焼が実現できない。これに対し、チップ長さCが0.3mm〜2.0mmのスパークプラグでは、A/F=20のリーンな空燃比でも安定した燃焼が実現できる。従って、安定した希薄燃焼を行い得るためには、接地電極チップ143のチップ長さCを0.3mm以上とするのが好ましいことが判る。
(試験8)
この試験8では、上記試験7同様に、接地電極チップ143のチップ長さCを様々に変更したスパークプラグを用意した。具体的には、チップ長さCを、0.2mm、0.4mm、0.6mm、0.8mm、1.2mm、1.6mm及び2.0mmとしたスパークプラグを用意した。
そして、各スパークプラグについて、使用に伴う火花放電ギャップGの長さADの増加量ΔADを調べ、耐久性を評価した。火花放電ギャップGの増加量ΔADを調べるために、評価用エンジン(6気筒2リットル)にスパークプラグを装着し、回転数5000rpm、WOT(全開)で100時間とした。なお、火花放電ギャップGの増加量ΔADの限界(消耗限界)を0.2mmとして評価した。その結果を図16のグラフに示す。
この結果によると、チップ長さCが2.0mmのスパークプラグでは、火花放電ギャップGの増加量ΔADが、消耗限界(0.2mm)を大幅に超えていた。これに対し、チップ長さCが0.2mm〜1.6mmのスパークプラグでは、火花放電ギャップGの増加量ΔADが、消耗限界(0.2mm)内に収まっていた。このことから、耐久性を向上させるためには、接地電極チップ143のチップ長さCを1.6mm以下とするとのが好ましいことが判る。チップ長さCが長くなるにつれ、接地電極チップ143における熱引きが十分に行われなくなるために、消耗量が著しく増加するものと考えられる。
また、前述の試験7より、安定した希薄燃焼を行い得るためには、接地電極チップ143のチップ長さCを0.3mm以上とするのが好ましいことから、チップ長さCは、0.3mm≦C≦1.6mmとするのが好ましいことになる。
更に、上記試験7,8で得られた結果に基づいて、接地電極チップ143のチップ長さCと着火性及び耐久性との関係について整理した。具体的には、チップ長さCとA/F及び火花放電ギャップGの増加量との関係について整理し、着火性と耐久性を評価した。A/F=20を安定燃焼限界として評価した。また、火花放電ギャップGの増加量ΔAD=0.2mmを消耗限界として評価した。その結果を図17のグラフに示す。
この結果を見ても、接地電極チップ143のチップ長さCを0.3mm以上とすることにより、着火性が向上し、安定した希薄燃焼が可能となることが判る。また、チップ長さCを1.6mm以下とすることにより、接地電極チップ143の消耗量が少なくなり、耐久性が向上することが判る。従って、上述したように、接地電極チップ143のチップ長さCは、0.3≦C≦1.6とするのが好ましいことになる。
(試験9)
この試験9では、絶縁体120の金具先端面110scからの突出長さZを様々に変更したスパークプラグを用意した。具体的には、絶縁体120の突出長さZを、−1.0mm、0mm、1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mmとしたスパークプラグを用意した。そして、各スパークプラグについて、耐プレイグニッション試験を行った。具体的には、評価用エンジン(4気筒1.6リットル)にスパークプラグを装着し、回転数5500rpm、WOT(全開)とした。そして、点火時期を進めていき、各点火時期で2分間保持したときに、プレイグニッションが4回以上発生した点火時期(進角)を求めた。その結果を図18のグラフに示す。
この結果によると、絶縁体120の突出長さZを1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mmとしたスパークプラグでは、点火時期が30°CA以上となり、耐プレイグニッション性が良好であった。また、突出長さZと点火時期とは、正の傾きを持つ一次関数の関係となることが判る。
一方、絶縁体120の突出量が−1.0mm、0mmのスパークプラグでは、上述の一次関数の関係から予想される点火時期(図中に破線で示す。)よりも、点火時期(進角)が小さくなり、耐プレイグニッション性能が低下していることが判る。
絶縁体120の突出長さZを大きくすると、新気による冷却効果が増加して、耐プレイグニッション性能が向上する。一方、絶縁体120の突出長さZが小さくなると、特に突出していない場合(突出長さZが−1.0mm、0mm)には、新気による冷却効果が薄れて、耐プレイグニッション性が低下するものと考えられる。このことから、本発明では、絶縁体120の突出長さZを、1.0mm以上としている。
(試験10)
この試験10では、中心電極チップ133及び接地電極チップ143の材質を様々に変更したスパークプラグを用意した。具体的には、サンプル1のスパークプラグでは、中心電極チップ133及び接地電極チップ143の材質を、Pt−5Ir−5Rhとした。また、サンプル2のスパークプラグでは、これらの材質をPt−10Ir−5Rhとした。また、サンプル3のスパークプラグでは、これらの材質をPt−13Rhとした。また、サンプル4のスパークプラグでは、これらの材質をPt−5Rhとした。また、サンプル5のスパークプラグでは、これらの材質をPt−20Irとした。また、サンプル6のスパークプラグでは、これらの材質をPt−30Irとした。また、サンプル7のスパークプラグでは、これらの材質をPt−40Irとした。また、サンプル8のスパークプラグでは、これらの材質をPt−20Rhとした。また、サンプル9のスパークプラグでは、これらの材質をIr−5Pt−1Rhとした。また、サンプル10のスパークプラグでは、これらの材質をIr−10Rh−10Ruとした。また、サンプル11のスパークプラグでは、これらの材質をIr−11Rh−10Ruとした。また、サンプル12のスパークプラグでは、これらの材質をIr−5Ptとした。
そして、各スパークプラグについて、所定試験後のチップ残存率を求め、耐久性を評価した。具体的には、試験装置として恒温槽を用いた。また、試験条件は、950℃、20時間、大気雰囲気下とした。その結果を図19のグラフに示す。なお、評価基準を残存率90%として評価した。
この結果によると、Pt−40Irとしたサンプル7のスパークプラグでは、酸化揮発が多く、残存率が著しく低下していた。これに対し、Ptを70重量%以上としたサンプル1〜6,8のスパークプラグでは、残存率が90%を超えていた。このことから、中心電極チップ133及び接地電極チップ143をPt合金とする場合には、Ptを70重量%以上含有させることにより、耐久性が向上することが判る。
また、Ir−5Ptとしたサンプル15のスパークプラグでは、酸化揮発が多く、残存率が著しく低下していた。これに対し、IrにRhを添加したサンプル9〜11のスパークプラグでは、残存率が90%を超えていた。このことから、中心電極チップ133及び接地電極チップ143をIr合金とする場合には、Rhを添加することにより、耐久性が向上することが判る。
(変形形態1〜3)
次いで、上記実施形態の変形形態1〜3について説明する。なお、上記実施形態と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。この変形形態1〜3では、接地電極基材241,341,441の形態が、上記実施形態の接地電極基材141と異なる。それ以外は上記実施形態と同様である。
図20に、変形形態1のスパークプラグ200の接地電極240を径方向内側から径方向外側に見た図を示す。また、図21に、変形形態2のスパークプラグ300の接地電極340を径方向内側から径方向外側に見た図を示す。また、図22に、変形形態3のスパークプラグ400の接地電極440を径方向内側から径方向外側に見た図を示す。
変形形態1のスパークプラグ200は、図20に示すように、接地電極240の接地電極基材241の基材先端面241scの形状が円形状であり、この基材先端面241scに接地電極チップ243が溶接されている。
また、変形形態2のスパークプラグ300は、図21に示すように、接地電極340の接地電極基材341の基材先端面341scの形状が概略半円形状であり、この基材先端面341scに接地電極チップ343が溶接されている。
また、変形形態3のスパークプラグ400では、図22に示すように、接地電極440の接地電極基材441の基材先端面441scの形状が、矩形の各角部をR形状とした形状である。そして、この基材先端面441scに接地電極チップ443が溶接されている。
このような形状の接地電極基材241,341,441を有するスパークプラグ200,300,400においても、上記実施形態のスパークプラグ100と同様に、接地電極240,340,440の耐熱性及び耐折損性を確保しつつ、着火性を向上させることができる。また、その他、上記実施形態と同様な部分は、上記実施形態と同様な作用・効果を奏する。
(変形形態4)
次いで、上記実施形態の別の変形形態4について説明する。なお、上記実施形態及び変形形態1〜3と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。この変形形態4では、接地電極540における接地電極チップ543と接地電極基材541との接合形態が、上記実施形態及び変形形態1〜3の接地電極140,240,340,440と異なる。それ以外は基本的に上記実施形態等と同様である。図23に、本変形形態4に係るスパークプラグ500のうち、中心電極130及び接地電極540付近の側面図を示す。
本変形形態4に係るスパークプラグ500の接地電極540は、四角柱を屈曲させた基材である接地電極基材541と、この接地電極基材541の幅よりも幅の狭い角柱状をなす接地電極チップ543とからなる。
このうち接地電極基材541は、その基材基端部541kが主体金具110の金具先端面110scに接合されており、基材先端部541sが径方向内側に向けて屈曲され、その基材先端面541scが径方向内側を向いている。
接地電極チップ543は、接地電極基材541の基材先端部541sの周囲を構成する4つの側面(基材先端面541scに繋がる4つの側面)のうち、基端側(図23中、下方)に位置する基端側側面541sdに、抵抗溶接で接合されている。この接地電極チップ543は、接地電極基材541の基材先端面541scを超えて径方向内側に向かって突出している。そして、接地電極チップ543のチップ先端面543scが、中心電極先端部130ssの外周面130ssnと火花放電を生じさせる火花放電ギャップGを隔てて離間している。
このような形態の接地電極540を有するスパークプラグ500においても、上記実施形態及び変形形態1〜3のスパークプラグ100,200,300,400と同様に、接地電極540の耐熱性及び耐折損性を確保しつつ、着火性を向上させることができる。また、その他、上記実施形態等と同様な部分は、上記実施形態等と同様な作用・効果を奏する。
以上において、本発明を実施形態及び変形形態1〜4に即して説明したが、本発明は上述の実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態等では、スパークプラグ100等に接地電極140等を1つ設けたものを例示したが、接地電極140等を複数設けてもよい。
実施形態に係るスパークプラグの側面図である。 実施形態に係るスパークプラグのうち、中心電極及び接地電極付近の側面図である。 実施形態に係るスパークプラグのうち、中心電極及び接地電極等を先端側から見た平面図である。 実施形態に係るスパークプラグのうちの接地電極を径方向内側から径方向外側に見た説明図である。 実施形態に係るスパークプラグのうち、中心電極及び接地電極を側方から見た図であり、線分A、点A1、線分B及び点B1を説明するための説明図である。 実施形態に係るスパークプラグのうち、中心電極及び接地電極を側方から見た図であり、仮想球体Mを説明するための説明図である。 実施例及び比較例のスパークプラグについて、接地電極の先端温度と折損強度安全率比を示したグラフである。 中心電極先端部の突出長さが異なるスパークプラグについて、火炎核面積と燃焼変動率との関係を示したグラフである。 火花放電ギャップが0.7mmで、体積Vが異なるスパークプラグについて、試験時間と放電電圧との関係を示したグラフである。 火花放電ギャップが0.9mmで、体積Vが異なるスパークプラグについて、試験時間と放電電圧との関係を示したグラフである。 火花放電ギャップが1.1mmで、体積Vが異なるスパークプラグについて、試験時間と放電電圧との関係を示したグラフである。 火花放電ギャップと体積Vが異なるスパークプラグについて、所定放電電圧までの到達時間を示したグラフである。 火花放電ギャップと面積Sが異なるスパークプラグについて、燃焼変動率を示したグラフである。 燃焼限界ラインおける火花放電ギャップと面積Sとの関係を示したグラフである。 接地電極チップのチップ長さが異なるスパークプラグについて、A/Fと失火率との関係を示したグラフである。 接地電極チップのチップ長さと火花放電ギャップの増加量との関係を示したグラフである。 接地電極チップのチップ長さとA/F及び火花放電ギャップの増加量との関係を示したグラフである。 絶縁体の突出長さと耐プレイグニッションの点火時期との関係を示したグラフである。 中心電極チップ及び接地電極チップの材質が異なるスパークプラグについて、チップの試験後残存率を示したグラフである。 変形形態1に係るスパークプラグのうちの接地電極を径方向内側から径方向外側に見た説明図である。 変形形態2に係るスパークプラグのうちの接地電極を径方向内側から径方向外側に見た説明図である。 変形形態3に係るスパークプラグのうちの接地電極を径方向内側から径方向外側に見た説明図である。 変形形態4に係るスパークプラグのうち、中心電極及び接地電極付近の側面図である。
符号の説明
100,200,300,400,500 スパークプラグ
110 主体金具
110sc 金具先端面
120 絶縁体
120s 絶縁体突出部
120sc 絶縁体先端面
130 中心電極
130s 中心電極突出部
130ss 中心電極先端部
130ssn 外周面
131 中心電極基材
133 中心電極チップ
135 溶接部
140,240,340,440,540 接地電極(外側電極)
141,241,341,441,541 接地電極基材(外側電極基材)
141s,541s 基材先端部
141sc,241sc,341sc,441sc,541sc 基材先端面
143,243,343,443,543 接地電極チップ(外側電極チップ)
143sc,543sc チップ先端面
150 端子金具
AX 軸線
BX 中心軸
G 火花放電ギャップ
A,B 線分
A1,B1 点
r 半径
AD 長さ
V1,V2,V 体積
S1,S2,S 面積
C 長さ

Claims (6)

  1. 軸線を有する筒状の主体金具と、
    前記主体金具の径方向内側に挿通される筒状の絶縁体であって、前記主体金具の金具先端面から軸線方向先端側に突出する絶縁体突出部を有する絶縁体と、
    前記絶縁体の径方向内側に挿通される中心電極であって、前記絶縁体の絶縁体先端面から軸線方向先端側に突出する中心電極突出部を有し、この中心電極突出部のうちの先端部分である中心電極先端部が軸線方向に延びる円柱状をなす中心電極と、
    外側電極基材の基材先端部に、これよりも細い柱状の外側電極チップを溶接してなる外側電極であって、前記外側電極チップのチップ先端面が、前記中心電極先端部の外周面と火花放電ギャップを隔てて離間してなる一又は複数の外側電極と、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記絶縁体の前記絶縁体突出部は、前記主体金具の前記金具先端面から1.0mm以上軸線方向先端側に突出してなり、
    前記中心電極の前記中心電極突出部は、前記主体金具の前記金具先端面から3.5mm以上軸線方向先端側に突出してなり、
    前記外側電極チップの前記チップ先端面から、前記中心電極先端部の外周面までの最短距離で両者間を結ぶ任意の線分を線分Aとし、この線分Aの中央をなす点を点A1とし、この点A1が集まってできる線分を線分Bとし、この線分Bの中央をなす点を点B1とし、
    前記線分Aの長さを長さAD(mm)とし、
    前記中心電極先端部及び前記外側電極のうち、前記点B1を中心とし、AD/2+0.1(mm)を半径とする仮想球体内に含まれる部分の合計体積を体積V(mm3 )としたとき、
    V≧0.020を満たしてなる
    スパークプラグ。
  2. 請求項1に記載スパークプラグであって、
    前記中心電極先端部及び前記外側電極の表面のうち、前記仮想球体内に含まれる部分がなす表面の合計表面積を面積S(mm2 )としたとき、
    S≦AD/2+0.15を満たしてなる
    スパークプラグ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスパークプラグであって、
    前記外側電極基材の基材先端面から前記チップ先端面までの、前記外側電極チップのチップ長さを長さC(mm)としたとき、
    0.3≦C≦1.6を満たしてなる
    スパークプラグ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記中心電極は、基材である中心電極基材に、これより細径の円柱状の中心電極チップを溶接してなり、この中心電極チップにより前記中心電極先端部を形成してなる
    スパークプラグ。
  5. 請求項4に記載のスパークプラグであって、
    前記外側電極チップ及び前記中心電極チップを、それぞれPtを70重量%以上含むPt合金により形成してなる
    スパークプラグ。
  6. 請求項4に記載のスパークプラグであって、
    前記外側電極チップ及び前記中心電極チップを、それぞれRhを添加したIr合金により形成してなる
    スパークプラグ。
JP2007326975A 2007-12-19 2007-12-19 スパークプラグ Expired - Fee Related JP4913716B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007326975A JP4913716B2 (ja) 2007-12-19 2007-12-19 スパークプラグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007326975A JP4913716B2 (ja) 2007-12-19 2007-12-19 スパークプラグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009151984A JP2009151984A (ja) 2009-07-09
JP4913716B2 true JP4913716B2 (ja) 2012-04-11

Family

ID=40920898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007326975A Expired - Fee Related JP4913716B2 (ja) 2007-12-19 2007-12-19 スパークプラグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4913716B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5622991B2 (ja) * 2011-01-17 2014-11-12 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
JP7409075B2 (ja) * 2019-12-25 2024-01-09 株式会社デンソー スパークプラグ、貴金属チップ、貴金属チップの製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2932403B2 (ja) * 1991-02-15 1999-08-09 日本特殊陶業株式会社 内燃機関用スパークプラグ
JPH07142147A (ja) * 1993-11-19 1995-06-02 Nippondenso Co Ltd スパークプラグ
JP3497015B2 (ja) * 1995-06-20 2004-02-16 日本特殊陶業株式会社 側方電極型スパークプラグ
JP3859410B2 (ja) * 1999-11-16 2006-12-20 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
JP2003317896A (ja) * 2002-02-19 2003-11-07 Denso Corp スパークプラグ
JP2004022450A (ja) * 2002-06-19 2004-01-22 Denso Corp 内燃機関用スパークプラグ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009151984A (ja) 2009-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7605526B2 (en) Spark plug for internal combustion engine
JPH09219274A (ja) スパークプラグ
US11456578B2 (en) Spark plug
JP5149295B2 (ja) スパークプラグ
US7615915B2 (en) Spark plug
JP4270784B2 (ja) スパークプラグ
JP5271420B2 (ja) スパークプラグ
KR20170130574A (ko) 스파크 플러그
JP2005129377A (ja) スパークプラグ
JP2005243610A (ja) スパークプラグ
US9614353B2 (en) Spark plug
JP2005116513A (ja) スパークプラグ
JP2015133243A (ja) スパークプラグ
JP4913716B2 (ja) スパークプラグ
JP4414457B2 (ja) スパークプラグ
JP4013891B2 (ja) スパークプラグ
JP4965422B2 (ja) スパークプラグ
JP5291789B2 (ja) 点火プラグ
WO2009116553A1 (ja) スパークプラグ
US7352121B2 (en) Spark plug
JP5816126B2 (ja) スパークプラグ
US7230369B2 (en) Spark plug
JP4398483B2 (ja) スパークプラグ
JP5721680B2 (ja) スパークプラグ
JP4840839B2 (ja) スパークプラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4913716

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees