JP5622991B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグに関する。
内燃機関等の燃焼装置に使用されるスパークプラグは、例えば、軸線方向に延びる中心電極と、中心電極の外周に設けられる絶縁体と、絶縁体の外周に設けられる筒状の主体金具と、一端部が主体金具の先端部に接合される棒状の接地電極とを備える。接地電極は、その他端部が中心電極の先端部と対向するように、自身の略中間部分が曲げ返して配置され、これにより中心電極の先端部及び接地電極の他端部の間に火花放電間隙が形成される。また、接地電極の他端部のうち、火花放電間隙を形成する部位に貴金属チップを設け、耐消耗性や着火性の向上を図る技術が知られている。
ところで、接地電極は燃焼室の中心側へと突き出して配置される。そのため、接地電極が過熱されてしまい、高温の接地電極によりプレイグニッション(早期着火)が生じてしまったり、接地電極に溶損や折損が生じてしまったりするおそれがある。
そこで、着火性を維持しつつ、接地電極の耐熱性向上を図るべく、接地電極比較的短くするとともに、接地電極(貴金属チップ)の先端面を中心電極の先端部側面と対向させ、軸線とほぼ直交する方向に沿って火花放電を生じさせる手法(いわゆる横放電タイプのスパークプラグ)が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。当該手法によれば、接地電極の受熱量を低減できるとともに、接地電極の熱を主体金具側へと伝導しやすくなり、耐熱性を向上させることができる。また、接地電極により妨げられることなく、火炎核を燃焼室の中心側へとスムーズに成長させることができ、着火性を十分に維持することができる。
特開2009−151984号公報
しかしながら、近年では、低燃費や低エミッション、高出力を実現するために過給機付きエンジンや高圧縮比エンジン等が提案されている。そのため、従前よりも火花放電を生じさせるために必要な電圧(放電電圧)が増大してしまったり、接地電極がより高温となってしまうおそれがあり、火花放電に伴う接地電極や貴金属チップの消耗が急速に進んでしまうことが懸念される。
ここで、接地電極等の耐消耗性を向上させるためには、接地電極(貴金属チップ)と中心電極との対向面積を増大させることが考えられるが、この場合には、接地電極(貴金属チップ)や中心電極によって火炎核の成長が妨げられてしまったり、放電位置にバラツキが生じてしまったりして、着火性の低下を招いてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、中心電極の先端部側面に接地電極や貴金属チップが対向するスパークプラグにおいて、着火性及び耐消耗性の双方において優れた性能を実現することができるスパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔に挿設された中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた主体金具と、
前記主体金具の先端部に固定された接地電極と、
貴金属を含有する金属からなり、少なくとも自身の一端部が前記接地電極の先端部に接合された接地電極側チップとを備え、
前記中心電極は、その先端部に、貴金属を含有する金属からなる中心電極側チップを有し、
前記接地電極側チップの他端面が前記中心電極側チップの側面に対向し、前記接地電極側チップの他端面と前記中心電極側チップの側面との間に間隙が形成されたスパークプラグであって、
前記軸線と直交する仮想平面において、前記接地電極側チップと前記中心電極側チップの先端面とを投影した投影面のうち、前記接地電極側チップの他端面に対応する辺の一端から前記中心電極側チップの先端面に対応する投影領域に引いた第1の接線と、前記接地電極側チップの他端面に対応する辺の他端から前記中心電極側チップの先端面に対応する投影領域に引いた第2の接線と、前記接地電極側チップの他端面に対応する投影線と、前記中心電極側チップの先端面外周に対応する投影線とで囲まれた領域の面積をSA1(mm2)とし、
前記接地電極側チップの他端面と平行な仮想平面に、前記中心電極側チップと前記接地電極側チップの他端面とを投影したときの前記中心電極側チップの投影領域と前記接地電極側チップの他端面の投影領域とが重なる領域の面積をSA2(mm2)とし、
前記間隙の大きさをG(mm)としたとき、
0.12≦SA1×SA2/G(mm3)≦0.49
を満たし、
前記接地電極側チップの他端面のうち前記軸線方向に沿って最も後端側に位置する部位と、前記中心電極側チップのうち前記接地電極側チップの他端面に対向する面の前記軸線に沿って最も先端側に位置する部位との間の前記軸線に沿った距離をA(mm)とし、
前記接地電極側チップの他端面の前記軸線に沿った長さをB(mm)としたとき、
0.05≦A≦B+0.2、かつ、0.3≦B≦0.7
を満たし、
前記接地電極側チップの他端面の面積をSX(mm2)としたとき、
0.3≦SX≦0.6、かつ、0.4≦G≦1.0
を満たし、
前記接地電極は、外層と、当該外層の内部に設けられ、当該外層よりも熱伝導性が高い金属からなる内層とを備え、
前記接地電極の中心軸と直交する方向に沿って前記内層の断面積が最大となる断面において、
前記内層の断面積をSI(mm 2 )とし、前記接地電極の断面積をSZ(mm 2 )としたとき、
0.2≦SI/SZ≦0.5
を満たすとともに、
前記接地電極の長手方向に沿った前記内層の埋設範囲の少なくとも半分において、
0.2≦SI/SZを満たすことを特徴とする。
尚、前記投影面において、接地電極側チップの他端面に対応する辺の一端及び他端から、中心電極側チップの先端面に対応する投影領域に対して接線を引いたとき、それぞれの端から2本ずつの接線を引くことができるが、「第1の接線」及び「第2の接線」とあるのは、接地電極側チップの他端面に対応する辺と中心電極側チップの先端面に対応する投影領域との間において、相互に交差しない2本の接線を意味する。
上記構成1によれば、接地電極側チップ及び中心電極側チップの相対位置関係が、0.12≦SA1×SA2/Gを満たすように構成されている。従って、放電電圧の増大を抑制することができるとともに、火花放電が接地電極側チップや中心電極側チップのごく一部のみの間で生じ、接地電極側チップ等が局所的に消耗してしまうことをより確実に防止できる。その結果、耐消耗性を効果的に向上させることができる。
さらに、上記構成1によれば、SA1×SA2/G≦0.49を満たすように構成されている。そのため、接地電極側チップや中心電極側チップの存在による火炎核の成長阻害をより確実に防止できるとともに、放電位置が極端にばらついてしまうという事態を抑制できる。その結果、上述した耐消耗性の向上効果を十分に維持しつつ、優れた着火性を実現することができる。
加えて、上記構成1によれば、距離Bが0.3mm以上とされており、接地電極側チップが十分に厚肉となるように構成されている。従って、接地電極側チップの過熱を抑制することができるとともに、接地電極側チップにおいて十分な消耗体積を確保することができる。
また、距離Aが0.05mm以上とされており、中心電極側チップと接地電極側チップとの対向面積が極端に小さくならないように構成されている。そのため、中心電極側チップ及び接地電極側チップのそれぞれのエッジ部分を基点とした火花放電が集中的に生じてしまい、エッジ部分が偏消耗してしまうという事態をより確実に防止できる。
以上のように、距離Bを0.3mm以上とすることによる作用効果と、距離Aを0.05mm以上とすることによる作用効果とが相乗的に作用して、耐消耗性の更なる向上を図ることができる。
さらに、上記構成1によれば、距離Bが0.7mm以下とされており、接地電極側チップの肉厚が過度に大きくならないように構成されている。従って、接地電極側チップによって、火炎核の成長が阻害されてしまったり、火炎核の熱が奪われてしまったりするという事態を一層確実に抑制することができる。
加えて、距離Aが「B+0.2mm」以下とされており、接地電極側チップの他端面に対する中心電極側チップの軸線方向先端側に向けた突き出し量が過度に大きくならないように構成されている。従って、中心電極側チップによって阻害されることなく、火炎核を燃焼室の中心側に向けてより一層成長させることができる。
また、中心電極側チップは、レーザー溶接等により形成された溶融部を介して中心電極の母材に接合されるのが一般的であるところ、距離Aを「B+0.2mm」以下とすることで、接地電極側チップの他端面を溶融部から離間させることができる。そのため、接地電極側チップと溶融部との間(つまり、燃焼室の中心から離れた位置)で火花放電が生じてしまうことをより確実に抑制できる。
以上のように、距離Bを0.7mm以下とすることによる作用効果と、距離Aを「B+0.2mm」以下とすることによる作用効果とが相俟って、着火性をより一層向上させることができる。
併せて、上記構成1によれば、火花放電間隙の大きさGが1.0mm以下とされているため、放電電圧の増大を一層確実に抑制することができ、さらに、面積SXが0.3mm2以上とされているため、接地電極側チップの消耗体積をより一層大きく確保することができる。これにより、耐消耗性の更なる向上を図ることができる。
また、上記構成1によれば、火花放電間隙の大きさGが0.4mm以上とされるとともに、面積SXが0.6mm2以下とされているため、接地電極側チップ等による火炎核の成長阻害を一層効果的に抑制することができる。その結果、着火性をさらに向上させることができる。
さらに、上記構成1によれば、接地電極の内部に、熱伝導性に優れる内層が設けられるとともに、0.2≦SI/SZを満たすように(つまり、接地電極に対して内層が十分なボリュームを有するように)構成されている。従って、接地電極の熱伝導性を飛躍的に高めることができ、耐熱性を極めて効果的に向上させることができる。
一方で、接地電極の断面における内層の占める割合を過度に大きくしてしまうと、結果的に外層が薄肉となってしまい、内層の熱膨張に伴い外層が破損してしまうおそれがある。この点、上記構成1によれば、SI/SZ≦0.5とされているため、外層の肉厚を十分に確保することができ、ひいては外層の強度を十分に維持することができる。その結果、内層の熱膨張に伴う外層の破損をより確実に防止することができる。
構成2.本構成のスパークプラグは、軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔に挿設された中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた主体金具と、
自身の一端部が前記主体金具の先端部に固定された接地電極とを備え、
前記接地電極の他端面が前記中心電極の先端部側面に対向し、前記接地電極の他端面と前記中心電極の先端部側面との間に間隙が形成されたスパークプラグであって、
前記軸線と直交する仮想平面において、前記接地電極と前記中心電極の先端面とを投影した投影面のうち、前記接地電極の他端面に対応する辺の一端から前記中心電極の先端面に対応する投影領域に引いた第3の接線と、前記接地電極の他端面に対応する辺の他端から前記中心電極の先端面に対応する投影領域に引いた第4の接線と、前記接地電極の他端面に対応する投影線と、前記中心電極の先端面外周に対応する投影線とで囲まれた領域の面積をSB1(mm2)とし、
前記接地電極の他端面と平行な仮想平面に、前記中心電極と前記接地電極の他端面とを投影したときの前記中心電極の投影領域と前記接地電極の他端面の投影領域とが重なる領域の面積をSB2(mm2)とし、
前記間隙の大きさをG(mm)としたとき、
0.21≦SB1×SB2/G(mm3)≦0.49
を満たし、
前記接地電極は、外層と、当該外層の内部に設けられ、当該外層よりも熱伝導性が高い金属からなる内層とを備え、
前記接地電極の中心軸と直交する方向に沿って前記内層の断面積が最大となる断面において、
前記内層の断面積をSI(mm 2 )とし、前記接地電極の断面積をSZ(mm 2 )としたとき、
0.2≦SI/SZ≦0.5
を満たすとともに、
前記接地電極の長手方向に沿った前記内層の埋設範囲の少なくとも半分において、
0.2≦SI/SZを満たすことを特徴とする。
尚、「第3の接線」及び「第4の接線」とは、接地電極の他端面に対応する辺と中心電極の先端面に対応する投影領域との間において、相互に交差しない2本の接線をいう。
上記構成2によれば、接地電極の他端面が中心電極の先端部側面と対向するスパークプラグにおいて、耐消耗性及び着火性の双方において優れた性能を実現することができる。
尚、上記構成2においては、また、中心電極の先端部に中心電極側チップを設けることとしてもよいし、設けないこととしてもよい。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記接地電極の長手方向中心から前記接地電極の一端までの間における、前記接地電極の中心軸と直交する方向に沿った任意の断面において、
前記接地電極の断面積をSY(mm2)とし、前記接地電極の幅をW(mm)としたとき、
2.3≦SY≦3.5、かつ、1.8≦W≦2.2
を満たすことを特徴とする。
上記構成3によれば、接地電極の一端側(主体金具に固定される側)の断面積SYが2.3mm2以上とされているため、接地電極の他端部から一端部側(主体金具側)に対して熱を効率よく伝導することができる。また、断面積を2.3mm2以上としても、接地電極の幅を極端に小さくした場合には、接地電極の厚みが過度に大きくなってしまうため、接地電極が燃焼室の中心側へ突き出す形となってしまい、接地電極の過熱が懸念されるが、幅Wが1.8mm以上とされているため、当該懸念を払拭することができる。すなわち、断面積SYを2.3mm2以下としつつ、幅Wを1.8mm以上とすることで、一般に耐熱性に優れる横放電タイプのスパークプラグにおいて、耐熱性の更なる向上を図ることができる。
さらに、上記構成3によれば、断面積SYが3.5mm2以下とされているため、接地電極により火炎核の熱が奪われてしまうことをより確実に防止することができ、また、幅Wが2.2mm以下とされているため、接地電極による火炎核の成長阻害を効果的に抑制することができる。その結果、着火性のより一層の向上を図ることができる。
構成.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、前記接地電極のうち前記中心電極と対向する対向面に隣接する両側面は外側に凸の湾曲形状をなし、
前記接地電極の中心軸と直交する断面において、前記両側面の外形線の曲率半径をR(mm)としたとき、
R≦1.5
を満たすことを特徴とする。
尚、曲率半径が一定でない場合、「曲率半径R」とあるのは、接地電極の中心軸と直交する断面における、前記側面の外形線の一端点と他端点と両者の中点との3点を通る仮想円の曲率半径をいう。
上記構成によれば、接地電極の両側面に凸状の湾曲面が形成されているため、間隙に対して燃料ガスが入り込みやすくなり、ひいては着火性を一層向上させることができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 接地電極の断面形状等を示す部分拡大断面図である。 接地電極の先端部の構成を示す部分拡大側面図である。 軸線と直交する仮想平面に中心電極等を投影した投影図である。 接地電極側チップの他端面と平行な仮想平面に中心電極等を投影した投影図である。 第2実施形態におけるスパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 第2実施形態において、軸線と直交する仮想平面に中心電極等を投影した投影図である。 第2実施形態において、接地電極の他端面と平行な仮想平面に中心電極等を投影した投影図である。 比較例サンプルの構成を示す一部破断拡大正面図である。 距離A,Bを種々変更したサンプルにおける、机上火花耐久試験の試験結果を示すグラフである。 距離A,Bを種々変更したサンプルにおける、着火性評価試験の試験結果を示すグラフである。 面積SX、及び、火花放電間隙の大きさGを種々変更したサンプルにおける、机上火花耐久試験の試験結果を示すグラフである。 面積SX、及び、火花放電間隙の大きさGを種々変更したサンプルにおける、着火性評価試験の試験結果を示すグラフである。 面積SY、及び、接地電極の幅Wを種々変更したサンプルにおける、着火性評価試験の試験結果を示すグラフである。 SI/SZを種々変更したサンプルにおける、熱価の向上値を示すグラフである。 接地電極の断面形状を種々変更したサンプルにおける、限界空燃比の変動範囲を示すグラフである。 別の実施形態におけるスパークプラグの構成を示す一部破断拡大正面図である。 別の実施形態における接地電極の構成を示す部分拡大平面図である。 別の実施形態における接地電極の構成を示す部分拡大平面図である。
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って延びる軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部分が絶縁碍子2の先端から突出している。加えて、中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとを備えている。さらに、中心電極5の先端部には、レーザー溶接等により形成された溶融部34を介して外層5Bに接合された、貴金属(例えば、白金やイリジウム等)を含有する金属からなる円柱状の中心電極側チップ31が設けられている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側には座部16が外周側に向けて突出形成されており、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられている。また、主体金具3の後端部には、径方向内側に向けて屈曲する加締め部20が設けられている。
加えて、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間には滑石(タルク)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及び滑石25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、図2に示すように、棒状をなす接地電極27の一端部が接合されている。接地電極27は、略中間部分にて曲げ返されており、Niを主成分とするNi合金からなる外層27Zと、当該外層27Zの内部に設けられ、外層27Zよりも熱伝導性が高い金属(例えば、銅や銅合金、純Ni等)からなる内層27Iとを備えている。尚、本実施形態では、内層27Iの先端と接地電極27の他端との間の距離が十分に小さくなるように(例えば、2mm以下となるように)構成されている。
加えて、本実施形態において、接地電極27は、図3に示すように、その中心軸CL2と直交する方向に沿った任意の断面において、中心電極側チップ31と対向する(中心電極5側に位置する)対向面27Tに隣接する両側面27S1,27S2が外側に凸の湾曲形状をなしている。そして、接地電極27の中心軸CL2と直交する断面において、両側面27S1,27S2の外形線の曲率半径をそれぞれR1(mm)、R2(mm)としたとき、R1≦1.5、及び、R2≦1.5を満たすように構成されている。尚、曲率半径が一定でない場合、「曲率半径R1,R2」とあるのは、側面27S1,27S2の外形線の一端点と他端点と両者の中点との3点を通る仮想円の曲率半径をいう。
さらに、接地電極27は、自身の長手方向に沿ってほぼ一定の幅及び断面積を有するように構成されており、接地電極27の中心軸CL2と直交する方向に沿った任意の断面において、接地電極27の断面積をSY(mm2)とし、接地電極27の幅をW(mm)としたとき、2.3≦SY≦3.5、及び、1.8≦W≦2.2を満たすように構成されている。尚、本実施形態では、前記中心軸CL2と直交する方向に沿った任意の断面において、断面積SY等が上記式を満たすように構成されているが、少なくとも接地電極27の長手方向中心から接地電極27の一端までの間における、前記中心軸CL2と直交する方向に沿った任意の断面において、断面積SY等が上記式を満たすように構成されていればよい。
併せて、接地電極27の中心軸CL2と直交する方向に沿って前記内層27Iの断面積が最大となる断面において、内層27Iの断面積をSI(mm2)とし、接地電極27の断面積をSZ(mm2)としたとき、0.2≦SI/SZ≦0.5を満たすように設定されている。尚、本実施形態では、接地電極27の長手方向に沿った内層27Iの埋設範囲の少なくとも半分において、接地電極27の中心軸CL2と直交する方向に沿った内層27Iの断面積が、接地電極27の断面積の0.2倍以上とされている。
図2に戻り、接地電極27の対向面27Tの先端側には、接地電極27の他端面27Fから突き出すようにして貴金属(例えば、白金やイリジウム等)を含む金属からなる接地電極側チップ32が接合されている。接地電極側チップ32は、断面矩形状をなすとともに(図4参照)、自身の一端部が接地電極27に対して一部埋入した状態で接合されている。加えて、接地電極側チップ32の他端面32Fは、中心電極側チップ31の先端部側面と対向している。そして、中心電極側チップ31の側面と接地電極側チップ32の他端面32Fとの間には、間隙としての火花放電間隙33が形成されており、当該火花放電間隙33において、軸線CL1と直交する方向にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
また、本実施形態では、接地電極側チップ32の他端面32Fのうち軸線CL1方向に沿って最も後端側に位置する部位と、中心電極側チップ31のうち接地電極側チップ32の他端面32Fに対向する面の軸線CL1に沿って最も先端側に位置する部位との間の軸線CL1に沿った距離をA(mm)とし、接地電極側チップ32の他端面32Fの軸線CL1に沿った長さをB(mm)としたとき、0.05≦A≦B+0.2、かつ、0.3≦B≦0.7を満たすように構成されている。
さらに、火花放電間隙33の大きさ(両チップ31,32間の最短距離)をG(mm)としたとき、0.4≦G≦1.0を満たすように中心電極側チップ31と接地電極側チップ32との間の距離が設定されている。加えて、接地電極側チップ32の他端面32Fの面積をSX(mm2)としたとき、0.3≦SX≦0.6を満たすように接地電極側チップ32の幅や厚さがそれぞれ設定されている(例えば、接地電極側チップ32は、その幅が0.75mm以上0.85mm以下とされ、その厚さが0.4mm以上0.7mm以下とされている)。
加えて、本実施形態では、図5に示す、軸線CL1と直交する仮想平面に、軸線CL1に沿って接地電極側チップ32と中心電極側チップ31の先端面とを投影したときの後述する面積SA1(mm2;図5中、散点模様を付した部位)と、図6に示す、接地電極側チップ32の他端面32Fと平行な仮想平面に、軸線CL1と直交する方向に沿って中心電極側チップ31と接地電極側チップ32の他端面32Fとを投影したときの後述する面積SA2(mm2;図6中、散点模様を付した部位)と、火花放電間隙33の大きさG(mm)とについて、0.12≦SA1×SA2/G(mm3)≦0.49を満たすように構成されている。
尚、面積SA1とあるのは、図5に示すように、接地電極側チップ32の他端面32Fに対応する辺の一端から中心電極側チップ31の先端面に対応する投影領域に引いた第1の接線TL1と、接地電極側チップ32の他端面32Fに対応する辺の他端から中心電極側チップ31の先端面に対応する投影領域に引いた第2の接線TL2と、接地電極側チップ32の他端面32Fに対応する投影線(辺)と、中心電極側チップ31の先端面外周に対応する投影線とで囲まれた領域AR1の面積をいう。
また、面積SA2とあるのは、図6に示すように、中心電極側チップ31の投影領域と接地電極側チップ32の投影領域とが重なる領域AR2の面積をいう。
以上詳述したように、本実施形態によれば、接地電極側チップ32及び中心電極側チップ31の相対位置関係が、0.12≦SA1×SA2/Gを満たすように構成されている。従って、放電電圧の増大を抑制できるとともに、火花放電が接地電極側チップ32や中心電極側チップ31のごく一部のみの間で生じ、接地電極側チップ32等が局所的に消耗してしまうことをより確実に防止できる。その結果、耐消耗性を効果的に向上させることができる。
さらに、SA1×SA2/G≦0.49を満たすように構成されているため、接地電極側チップ32や中心電極側チップ31の存在による火炎核の成長阻害をより確実に防止できるとともに、放電位置が極端にばらついてしまうという事態を抑制できる。その結果、上述した耐消耗性の向上効果を十分に維持しつつ、優れた着火性を実現することができる。
加えて、距離Bが0.3mm以上とされているため、接地電極側チップ32の過熱抑制等を図ることができるとともに、距離Aが0.05mm以上とされているため、中心電極側チップ31や接地電極側チップ32のエッジ部分における偏消耗をより確実に防止できる。その結果、耐消耗性の更なる向上を図ることができる。
併せて、距離Bが0.7mm以下とされているため、接地電極側チップ32によって火炎核の熱が奪われてしまうこと等を効果的に抑制することができ、距離Aが「B+0.2mm」以下とされているため、火炎核を燃焼室の中心側に向けてスムーズに成長させることができる。これにより、着火性をより一層向上させることができる。
また、火花放電間隙33の大きさGが1.0mm以下とされているため、放電電圧の増大を一層確実に抑制することができ、さらに、面積SXが0.3mm2以上とされているため、接地電極側チップ32の消耗体積をより一層大きく確保することができる。これにより、耐消耗性の一層の向上を図ることができる。
加えて、火花放電間隙33の大きさGが0.4mm以上とされるとともに、面積SXが0.6mm2以下とされているため、接地電極側チップ32等による火炎核の成長阻害を一層効果的に抑制することができ、着火性をさらに向上させることができる。
また、断面積SYを2.3mm2以上としつつ、幅Wを1.8mm以上とすることで、接地電極27の熱伝導性を十分に高めつつ、接地電極27の過熱を一層抑制することができる。その結果、耐熱性をより一層向上させることができる。
さらに、断面積SYが3.5mm2以下とされているため、接地電極27により火炎核の熱が奪われてしまうことをより確実に防止でき、また、幅Wが2.2mm以下とされているため、接地電極27による火炎核の成長阻害を効果的に抑制することができる。その結果、着火性のより一層の向上を図ることができる。
加えて、接地電極27の内部に、熱伝導性に優れる内層27Iが設けられるとともに、0.2≦SI/SZを満たすように構成されている。従って、接地電極27の熱伝導性を飛躍的に高めることができ、耐熱性を極めて効果的に向上させることができる。
また、SI/SZ≦0.5とされているため、外層27Zの肉厚を十分に確保することができ、内層27Iの熱膨張に伴う外層27Zの破損をより確実に防止できる。
併せて、接地電極27の両側面27S1,27S2に凸状の湾曲面が形成されているため、火花放電間隙33に対して燃料ガスが入り込みやすくなり、ひいては着火性を一層向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1実施形態では、接地電極27の先端部に接地電極側チップ32が接合され、接地電極側チップ32の他端面32Fが中心電極側チップ31の側面に対向している。これに対して、本第2実施形態においては、図7に示すように、接地電極側チップ32が設けられることなく、接地電極37の他端面37Fが中心電極5の先端部側面(中心電極側チップ31の側面)に対向するように構成されている。そして、接地電極37の他端面37Fと中心電極5の先端部側面(中心電極側チップ31の側面)との間に、火花放電間隙43が形成されている。
加えて、本第2実施形態では、図8に示す、軸線CL1と直交する仮想平面に、軸線CL1に沿って接地電極37と中心電極5(中心電極側チップ31)の先端面とを投影したときの後述する面積SB1(mm2;図8中、散点模様を付した部位)と、図9に示す、接地電極37の他端面37Fと平行な仮想平面に、軸線CL1と直交する方向に沿って中心電極5(中心電極側チップ31)と接地電極37の他端面37Fとを投影したときの後述する面積SB2(mm2;図9中、散点模様を付した部位)と、火花放電間隙43の大きさG(mm)とについて、0.21≦SB1×SB2/G(mm3)≦0.49を満たすように構成されている。
尚、面積SB1とあるのは、図8に示すように、接地電極37の他端面37Fに対応する辺の一端から中心電極5(中心電極側チップ31)の先端面に対応する投影領域に引いた第3の接線TL3と、接地電極37の他端面37Fに対応する辺の他端から中心電極5(中心電極側チップ31)の先端面に対応する投影領域に引いた第4の接線TL4と、接地電極37の他端面37Fに対応する投影線(辺)と、中心電極5(中心電極側チップ31)の先端面外周に対応する投影線とで囲まれた領域AR3の面積をいう。
また、面積SB2とあるのは、図9に示すように、中心電極5(中心電極側チップ31)の投影領域と接地電極37の他端面37Fとの投影領域とが重なる領域AR4の面積をいう。
以上、本第2実施形態によれば、基本的には上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
特に、本第2実施形態では、0.21≦SB1×SB2/Gを満たすことで、前記接地電極側チップ32と比較して耐消耗性に劣る接地電極37が中心電極5(中心電極側チップ31)に対向する場合であっても、優れた耐消耗性を実現することができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、接地電極に接地電極側チップを設けるとともに、上記式SA1×SA2/G(mm3)の値を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて机上火花耐久試験、及び、火炎核成長評価試験を行った。そして、各サンプルの試験結果を、接地電極の他端部対向面にイリジウム合金からなる接地電極側チップ(長さ0.8mm)を設けるとともに、接地電極側チップの他端面が中心電極側チップ(長さ0.5mm)の先端面と対向するスパークプラグのサンプル(比較例サンプル;図10参照)に対して前記各試験を行った際の試験結果と比較した。ここで、比較例サンプルよりも優れた性能を有していた場合には、「○」の評価を下すこととし、比較例サンプルと同等以下の性能であった場合には、「×」の評価を下すこととした。
尚、机上火花耐久試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルを所定のチャンバーに取付けた上で、チャンバー内の圧力を1.6MPaに設定して、印加電圧の周波数を100Hzとして(すなわち、毎分6000回の割合で)各サンプルを300時間に亘って放電させた。そして、300時間経過後に火花放電間隙の大きさを測定し、試験前(初期状態)における火花放電間隙の大きさ(初期間隙の大きさG)に対する増加量(ギャップ増加量)を計測した。尚、ギャップ増加量が小さいほど、耐消耗性の面で優れるといえる。
さらに、火炎核成長評価試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルを所定のチャンバーに取付けた上で、サンプルに所定の電圧を印加し、火花放電を生じさせた。そして、火花放電から所定時間経過後に、火花放電間隙の中心及びその近傍のシュリーレン画像を得るとともに、得られたシュリーレン画像を所定の閾値で二値化して、高密度の部分の面積(つまり、成長後の火炎核の面積)を測定した。尚、前記面積が大きいほど、着火性の面で優れるといえる。
表1に、上記両試験の試験結果を示す。尚、表1には、参考として、各サンプルにおける、中心電極側チップの先端面の外径、接地電極側チップの幅、前記距離A、前記長さB、及び、初期間隙の大きさGを示す。また、各サンプルともに、接地電極を断面矩形状とした。
Figure 0005622991
表1に示すように、SA1×SA2/Gを0.49より大きくしたサンプルは、着火性に劣ることが明らかとなった。これは、火炎核の成長が、接地電極側チップ(接地電極)や中心電極側チップにより阻害されてしまったり、放電位置にばらつきが生じてしまったりしたためであると考えられる。
また、SA1×SA2/Gを0.12よりも小さくしたときに、耐消耗性に劣ることが分かった。これは、接地電極側チップや中心電極側チップが局所的に消耗してしまったり、放電電圧が増大してしまったりしたことによると考えられる。
これに対して、0.12≦SA1×SA2/G≦0.49を満たすサンプルは、着火性及び耐消耗性の双方において優れた性能を有することが確認された。
次に、接地電極側チップの他端面のうち最も後端側に位置する部位を基準とし、軸線方向に沿って先端側をプラス側、後端側をマイナス側としたときの前記基準から中心電極側チップの先端面までの軸線に沿った距離A(mm)と、接地電極側チップの他端面の軸線に沿った長さB(mm)とを種々変更したスパークプラグのサンプルを複数作製し、各サンプルについて、着火性評価試験、及び、上述の机上火花耐久試験を行った。
尚、着火性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを排気量1.6L、4気筒エンジン(N/A)に取付けた上で、点火タイミングを60°BTDCとして、回転数1600rpmでエンジンを動作させた。そして、空燃比を徐々に増大(燃料を薄く)させつつ、各空燃比ごとにエンジントルクの変動率を測定し、エンジントルクの変動率が5%を上回ったときの空燃比を限界空燃比として特定した。尚、限界空燃比が大きいほど、着火性に優れることを意味する。
図11に、机上火花耐久試験の試験結果を示し、図12に、着火性評価試験の試験結果を示す。尚、図11及び図12においては、距離Bを0.1mmとしたサンプルの試験結果を丸印で示し、距離Bを0.3mmとしたサンプルの試験結果を三角で示し、距離Bを0.5mmとしたサンプルの試験結果を正方形で示し、距離Bを0.7mmとしたサンプルの試験結果を菱形で示す。また、図12においては、距離Bを0.9mmとしたサンプルの試験結果をバツ印で示す。尚、机上火花耐久試験とともに、各サンプルについて実機耐久試験〔各サンプルを排気量0.66Lの4気筒エンジン(DOHC I/C T/C)に組付けた上で、スロットル全開状態(=6000rpm)で500時間に亘ってエンジンを動作させ、500時間経過後にギャップ増加量を測定する試験〕を行ったが、両試験ともにほぼ同様の結果が得られた。そのため、図11においては、机上火花耐久試験の試験結果のみを示す。また、図11において、距離Aがマイナスとあるのは、接地電極側チップの他端面が中心電極側チップの先端面よりも軸線方向先端側に位置していることを意味する。さらに、各サンプルともに、0.12≦SA1×SA2/G(mm3)≦0.49、0.3≦SX(mm)≦0.6、かつ、0.4≦G(mm)≦1.0を満たすものとし、接地電極を断面矩形状とした。
図11に示すように、距離Bを0.3mm未満としたサンプルは、火花放電間隙の大きさが増大してしまいやすく、耐消耗性にやや劣ることが明らかとなった。これは、接地電極側チップが過熱されてしまったり、十分な消耗体積を確保できなかったりしたため、接地電極側チップの消耗が急速に進んでしまったことによると考えられる。また、距離Aを0.05mm未満としたサンプルについても、耐消耗性に若干劣ることが確認された。これは、中心電極側チップ及び接地電極側チップのそれぞれのエッジ部分を基点とした火花放電が集中的に生じてしまったためであると考えられる。
さらに、図12に示すように、距離Bを0.7mmよりも大きくしたサンプルや、距離Aを「B+0.2mm」よりも大きくしたサンプルは、着火性にやや劣ることが分かった。これは、接地電極側チップや中心電極側チップにより火炎核の成長が阻害されやすくなってしまったこと等に起因すると考えられる。
これに対して、距離Aを0.05mm以上とするとともに、距離Bを0.3mm以上としたサンプルは、ギャップ増加量が0.10mm未満となり、優れた耐消耗性を有することが明らかとなった。さらに、距離Aを「B+0.2mm」以下とするとともに、距離Bを0.7mm以下としたサンプルは、限界空燃比が20を上回り、着火性に優れることが分かった。
次いで、接地電極側チップの他端面の面積SX(mm2)と、火花放電間隙の大きさG(mm)とを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の机上火花耐久試験、及び、着火性評価試験を行った。図13に、机上火花耐久試験の試験結果を示し、図14に、着火性評価試験の試験結果を示す。尚、図13及び図14においては、面積SXを0.1mm2としたサンプルの試験結果を丸印で示し、面積SXを0.3mm2としたサンプルの試験結果を三角で示し、面積SXを0.6mm2としたサンプルの試験結果を正方形で示し、面積SXを0.9mm2としたサンプルの試験結果を菱形で示す。また、机上火花耐久試験においては、各サンプルともに、距離Aを0.05mm、距離Bを0.3mmとし、着火性評価試験においては、各サンプルともに、距離Aを0.9mm、距離Bを0.7mmとした。さらに、両試験において、各サンプルは、0.12≦SA1×SA2/G(mm3)≦0.49を満たすように構成し、接地電極を断面矩形状とした。
図13に示すように、火花放電間隙の大きさGを1.0mm超としたサンプルや、面積SXを0.3mm2未満としたサンプルは、ギャップ増加量が比較的大きくなってしまい、耐消耗性にやや劣ることが確認された。これは、放電電圧が増大してしまったり、接地電極側チップの消耗体積が十分に確保されなかったりしたためであると考えられる。
また、図14に示すように、火花放電間隙の大きさGを0.4mm未満としたサンプルや、面積SXを0.6mm2よりも大きくしたサンプルは、着火性に若干劣ることが分かった。これは、接地電極側チップ等により火炎核の成長が阻害されやすくなってしまったことに起因すると考えられる。
これに対して、火花放電間隙の大きさGを0.4mm以上1.0mm以下とするとともに、面積SXを0.3mm2以上0.6mm2以下としたサンプルは、一層優れた耐消耗性及び着火性を有することが明らかとなった。
以上の試験結果より、接地電極側チップを具備し、接地電極側チップと中心電極との間に火花放電間隙を有するスパークプラグにおいて、着火性及び耐消耗性の双方で優れた性能を実現するためには、0.12≦SA1×SA2/G≦0.49、0.05≦A(mm)≦B+0.2、0.3≦B(mm)≦0.7、0.3≦SX(mm2)≦0.6、及び、0.4≦G(mm)≦1.0を満たすことが好ましいといえる。
次いで、接地電極側チップを設けることなく、接地電極の他端面が中心電極の先端部側面と対向するように構成し、上記式SB1×SB2/Gの値を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の机上火花耐久試験、及び、火炎核成長評価試験を行った。表2に、上記両試験の試験結果を示す。尚、表2には、参考として、各サンプルにおける、中心電極側チップの先端面の外径、接地電極先端の幅、前記距離A、及び、初期間隙の大きさGを示す。
Figure 0005622991
表2に示すように、SB1×SB2/Gを0.49より大きくしたサンプルは、着火性に劣ることが明らかとなった。これは、火炎核の成長が、接地電極や中心電極により阻害されてしまったり、放電位置にばらつきが生じてしまったりしたためであると考えられる。
また、SB1×SB2/Gを0.21よりも小さくしたときに、耐消耗性に劣ることが分かった。これは、接地電極や中心電極が局所的に消耗してしまったり、放電電圧が増大してしまったりしたことによると考えられる。
これに対して、0.21≦SB1×SB2/G≦0.49を満たすサンプルは、着火性及び耐消耗性の双方において優れた性能を有することが確認された。
上記試験の試験結果より、接地電極側チップを具備せず、接地電極と中心電極との間に火花放電間隙を有するスパークプラグにおいて、着火性及び耐消耗性の双方において優れた性能を実現するためには、0.21≦SB1×SB2/G≦0.49を満たすことが好ましいといえる。
次に、接地電極の断面積SY(mm2)と、接地電極の幅W(mm)とを種々変更したスパークプラグのサンプルについて、耐熱性評価試験、及び、点火タイミングを60°BTDCから75°BTDCに変更した(つまり、より厳しい条件とした)上述の着火性評価試験を行った。
尚、耐熱性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、SC17.6(SAE J2203)で、圧縮比5.6、点火タイミング30°BTDCに設定されたエンジンにサンプルを組付けた上で、ベンゾールを主とする燃料を用いて、エンジンを2700rpmで動作させつつ、一定量の過給を行い、燃焼室内の温度が最高となる燃料噴射量を特定した。そして、特定した燃料噴射量にてエンジンを動作させた際に、プレイグニッションが発生するか否かを確認した。
表3及び表4に、耐熱性評価試験の試験結果を示し、図15に、着火性評価試験の試験結果を示す。尚、表3には、幅Wを1.8mmとした上で、断面積SYを変更したサンプルの試験結果を示し、表4には、断面積SYを2.3mm2とした上で、幅Wを変更したサンプルの試験結果を示す。また、図15においては、断面積SYを2.1mm2としたサンプルの試験結果を丸印で示し、断面積SYを2.3mm2としたサンプルの試験結果を三角で示し、断面積SYを2.9mm2としたサンプルの試験結果を正方形で示し、断面積SYを3.5mm2としたサンプルの試験結果を菱形で示し、断面積SYを4.0mm2としたサンプルの試験結果をバツ印で示す。尚、各サンプルともに、0.12≦SA1×SA2/G≦0.49を満たすように構成し、接地電極を断面矩形状とした。
Figure 0005622991
Figure 0005622991
表3に示すように、断面積SYを2.3mm2未満としたサンプルは、プレイグニッションが発生してしまうことが確認された。これは、接地電極が比較的細かったため、接地電極の他端部から一端部への熱伝導効率が低下してしまい、接地電極が過熱されてしまったためであると考えられる。また、表4に示すように、断面積を2.3mm2とした場合であっても、幅Wを1.8mm未満としたサンプルは、耐熱性に劣ることが分かった。これは、幅を狭くしたことで、結果的に接地電極の厚みが増大し、その結果、接地電極がより高温の燃焼室の中心側へと突き出す形となり、接地電極の受熱量が増大してしまったことによると考えられる。
加えて、図15に示すように、断面積SYを3.5mm2超としたサンプルや、幅Wを2.2mm超としたサンプルは、着火性にやや劣ることが明らかとなった。これは、接地電極により火炎核の熱が奪われやすくなってしまったり、接地電極により火炎核の成長が阻害されやすくなってしまったりしたことに起因すると考えられる。
これに対して、断面積SYを2.3mm2以上3.5mm2以下とするとともに、幅Wを1.8mm以上2.2mm以下としたサンプルは、着火性及び耐熱性の双方において一層優れることが分かった。
上記試験の結果より、着火性及び耐熱性の双方を一層向上させるべく、2.3≦SY(mm2)≦3.5、かつ、1.8≦W(mm)≦2.2を満たすことが好ましいといえる。
次いで、接地電極の中心軸と直交する方向に沿って内層の断面積が最大となる断面において、接地電極の内層の断面積SI(mm2)と、接地電極の断面積SZ(mm2)とを増減させることで、SI/SZを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて机上バーナー試験、及び、耐熱性向上値測定試験を行った。
尚、机上バーナー試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルに対して、大気雰囲気下にて接地電極の温度が1050℃となるようバーナーで1分間加熱後、1分間徐冷することを1サイクルとして3000サイクル実施した。そして、3000サイクル終了後に、接地電極を観察し、内層の膨張に伴う外層の割れの有無を確認した。表5に、当該試験の試験結果を示す。
また、耐熱性向上値測定試験の概要は次の通りである。すなわち、接地電極の断面積SYを2.3mm2、2.6mm2、又は、2.9mm2とした上で、内層を設けることなく、Ni合金により接地電極を形成したスパークプラグのサンプル(比較対象サンプル)について、その熱価をそれぞれの断面積SYごとに測定した。そして、接地電極の断面積SYを2.3mm2、2.6mm2、又は、2.9mm2とした上で、SI/SZを種々変更したスパークプラグのサンプルについて、その熱価をそれぞれ測定し、断面積SYが同一の比較対象サンプルの熱価に対する熱価の向上値を計測した。図16に、当該試験の試験結果を示す。尚、図16においては、断面積SYを2.3mm2としたサンプルの試験結果を丸印で示し、断面積SYを2.6mm2としたサンプルの試験結果を三角で示し、断面積SYを2.9mm2としたサンプルの試験結果を四角で示す。
また、熱価は次のように測定した。すなわち、SC17.6(SAE J2203)で、圧縮比5.6、点火タイミング30°BTDCに設定されたエンジンにサンプルを組み付けた上で、ベンゾールを主とする燃料を用いて、エンジンを回転数2700rpmで動作させつつ、一定量の過給を行い、その過給量で燃焼室の温度が最高となる燃料噴射量を調節した。そして、過給量の増加、及び、燃料噴射量の調節を繰り返し行い、プレイグニッション(早期着火)が発生する直前の過給圧を特定した。その後、特定された過給圧の微調整、及び、燃料噴射量の調整を行うことで、エンジンが3分間安定して動作するときのエンジン出力を測定するとともに、平均有効圧(PSI)を算出し、当該平均有効圧を各サンプルの熱価として特定した。
Figure 0005622991
表5及び図16に示すように、SI/SZを0.2以上0.5以下としたサンプルは、外層に割れが生じることなく、また、耐熱性を飛躍的に向上できることが明らかとなった。これは、SI/SZを0.5以下としたことで、内層の熱膨張に耐え得る程度の肉厚を外層が有することとなり、また、SI/SZを0.2以上としたことで、熱伝導性に優れる内層のボリュームが十分に確保され、接地電極の熱伝導性が向上したことによると考えられる。
上記試験の試験結果より、接地電極(外層)の破損防止を図りつつ、耐熱性の更なる向上を図るという観点から、0.2≦SI/SZ≦0.5を満たすように構成することが好ましいといえる。
次いで、接地電極を断面矩形状としたスパークプラグのサンプルと、接地電極の側面を外側に凸の湾曲形状に形成するとともに、当該側面の曲率半径Rを1.2mm、1.5mm、又は、1.8mmとしたスパークプラグのサンプルとを作製した。そして、エンジン(燃料噴射口)に対する接地電極の相対位置が種々異なるようにして各サンプルをエンジンに組付けた上で、上述の着火性評価試験(尚、点火タイミングを60°BTDCから75°BTDCに変更した)を行い、各相対位置における限界空燃比をそれぞれ測定した。図17に、各サンプルにおける、相対位置の変更に伴う限界空燃比の変動範囲を示す。
図17に示すように、曲率半径Rを1.5mm以下としたサンプルは、限界空燃比の変動範囲が非常に狭くなるとともに、限界空燃比が全体的に大きなものとなり、優れた着火性を安定的に実現できることが明らかとなった。これは、接地電極を回り込む形で火花放電間隙に対して燃料ガスが入り込みやすくなったことによると考えられる。
上記試験の結果より、着火性の更なる向上を図るためには、接地電極の側面を外側に凸の湾曲形状に形成するとともに、当該側面の曲率半径Rを1.5mm以下とすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記第1実施形態において、接地電極側チップ32は接地電極27の対向面27Tに接合されているが、図18に示すように、接地電極側チップ42を接地電極27の他端面27Fに接合することとしてもよい。
(b)上記第2実施形態において、中心電極5の先端部には中心電極側チップ31が設けられているが、中心電極側チップ31を設けることなく中心電極5を構成してもよい。
(c)上記実施形態において、接地電極27は、自身の長手方向に沿ってほぼ一定の幅を有するように構成されているが、図19及び図20に示すように、接地電極27(37)の先端部にテーパ部48(49)を設け、接地電極27(37)が自身の他端側に向けて徐々に幅狭となるように構成してもよい。この場合には、接地電極27(37)による火炎核の成長阻害が一層抑制されることとなり、着火性を一層向上させることができる。
(d)上記実施形態では、接地電極27が2層構造をなすものとして説明しているが、接地電極27を単一の金属(例えば、Ni合金)から構成してもよいし、3層以上の多層構造をなすように構成してもよい。尚、多層構造をなす場合には、外層27Zに対し、その内側の層は、外層27Zよりも良熱伝導性金属を含んでいることが望ましい。例えば、外層27Zの内側に銅合金或いは純銅で構成された中間層が設けられ、中間層の内側に純ニッケルで構成された最内層が設けられていてもよい。また、接地電極27が3層構造以上をなす場合には、外層27Zの内側に位置し、当該外層27Zよりも良熱伝導性金属を含んでなる複数の層が内層27Iに相当する。例えば、上述した中間層及び最内層を設ける構成を採用した場合、中間層及び最内層が内層27Iに相当する。
(e)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(f)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
4…軸孔
5…中心電極
27…接地電極
27F…(接地電極の)他端面
27I…内層
27T…(接地電極の)対向面
27S1,27S2…(接地電極の)側面
27Z…外層
31…中心電極側チップ
32…接地電極側チップ
32F…(接地電極側チップの)他端面
33…火花放電間隙(間隙)
CL1…軸線
CL2…(接地電極の)中心軸
TL1…第1の接線
TL2…第2の接線
TL3…第3の接線
TL4…第4の接線

Claims (4)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔に挿設された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた主体金具と、
    前記主体金具の先端部に固定された接地電極と、
    貴金属を含有する金属からなり、少なくとも自身の一端部が前記接地電極の先端部に接合された接地電極側チップとを備え、
    前記中心電極は、その先端部に、貴金属を含有する金属からなる中心電極側チップを有し、
    前記接地電極側チップの他端面が前記中心電極側チップの側面に対向し、前記接地電極側チップの他端面と前記中心電極側チップの側面との間に間隙が形成されたスパークプラグであって、
    前記軸線と直交する仮想平面において、前記接地電極側チップと前記中心電極側チップの先端面とを投影した投影面のうち、前記接地電極側チップの他端面に対応する辺の一端から前記中心電極側チップの先端面に対応する投影領域に引いた第1の接線と、前記接地電極側チップの他端面に対応する辺の他端から前記中心電極側チップの先端面に対応する投影領域に引いた第2の接線と、前記接地電極側チップの他端面に対応する投影線と、前記中心電極側チップの先端面外周に対応する投影線とで囲まれた領域の面積をSA1(mm2)とし、
    前記接地電極側チップの他端面と平行な仮想平面に、前記中心電極側チップと前記接地電極側チップの他端面とを投影したときの前記中心電極側チップの投影領域と前記接地電極側チップの他端面の投影領域とが重なる領域の面積をSA2(mm2)とし、
    前記間隙の大きさをG(mm)としたとき、
    0.12≦SA1×SA2/G(mm3)≦0.49
    を満たし、
    前記接地電極側チップの他端面のうち前記軸線方向に沿って最も後端側に位置する部位と、前記中心電極側チップのうち前記接地電極側チップの他端面に対向する面の前記軸線に沿って最も先端側に位置する部位との間の前記軸線に沿った距離をA(mm)とし、
    前記接地電極側チップの他端面の前記軸線に沿った長さをB(mm)としたとき、
    0.05≦A≦B+0.2、かつ、0.3≦B≦0.7
    を満たし、
    前記接地電極側チップの他端面の面積をSX(mm2)としたとき、
    0.3≦SX≦0.6、かつ、0.4≦G≦1.0
    を満たし、
    前記接地電極は、外層と、当該外層の内部に設けられ、当該外層よりも熱伝導性が高い金属からなる内層とを備え、
    前記接地電極の中心軸と直交する方向に沿って前記内層の断面積が最大となる断面において、
    前記内層の断面積をSI(mm 2 )とし、前記接地電極の断面積をSZ(mm 2 )としたとき、
    0.2≦SI/SZ≦0.5
    を満たすとともに、
    前記接地電極の長手方向に沿った前記内層の埋設範囲の少なくとも半分において、
    0.2≦SI/SZを満たすことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔に挿設された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた主体金具と、
    自身の一端部が前記主体金具の先端部に固定された接地電極とを備え、
    前記接地電極の他端面が前記中心電極の先端部側面に対向し、前記接地電極の他端面と前記中心電極の先端部側面との間に間隙が形成されたスパークプラグであって、
    前記軸線と直交する仮想平面において、前記接地電極と前記中心電極の先端面とを投影した投影面のうち、前記接地電極の他端面に対応する辺の一端から前記中心電極の先端面に対応する投影領域に引いた第3の接線と、前記接地電極の他端面に対応する辺の他端から前記中心電極の先端面に対応する投影領域に引いた第4の接線と、前記接地電極の他端面に対応する投影線と、前記中心電極の先端面外周に対応する投影線とで囲まれた領域の面積をSB1(mm2)とし、
    前記接地電極の他端面と平行な仮想平面に、前記中心電極と前記接地電極の他端面とを投影したときの前記中心電極の投影領域と前記接地電極の他端面の投影領域とが重なる領域の面積をSB2(mm2)とし、
    前記間隙の大きさをG(mm)としたとき、
    0.21≦SB1×SB2/G(mm3)≦0.49
    を満たし、
    前記接地電極は、外層と、当該外層の内部に設けられ、当該外層よりも熱伝導性が高い金属からなる内層とを備え、
    前記接地電極の中心軸と直交する方向に沿って前記内層の断面積が最大となる断面において、
    前記内層の断面積をSI(mm 2 )とし、前記接地電極の断面積をSZ(mm 2 )としたとき、
    0.2≦SI/SZ≦0.5
    を満たすとともに、
    前記接地電極の長手方向に沿った前記内層の埋設範囲の少なくとも半分において、
    0.2≦SI/SZを満たすことを特徴とするスパークプラグ。
  3. 前記接地電極の長手方向中心から前記接地電極の一端までの間における、前記接地電極の中心軸と直交する方向に沿った任意の断面において、
    前記接地電極の断面積をSY(mm2)とし、前記接地電極の幅をW(mm)としたとき、
    2.3≦SY≦3.5、かつ、1.8≦W≦2.2
    を満たすことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  4. 前記接地電極のうち前記中心電極と対向する対向面に隣接する両側面は外側に凸の湾曲形状をなし、
    前記接地電極の中心軸と直交する断面において、前記両側面の外形線の曲率半径をR(mm)としたとき、
    R≦1.5
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
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