JP2005116513A - スパークプラグ - Google Patents

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啓二 金生
Shinichi Okabe
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    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/20Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation
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Abstract

【課題】 細径化されたスパークプラグにおいて、くすぶっていない場合は安定して正規の火花放電ギャップへ飛火させるとともに、くすぶって沿面放電が発生した場合でも、着火性を確保させる。
【解決手段】 取付金具10の取付用ネジ部12がM10以下であるスパークプラグにおいて、絶縁碍子20の先端部21における絶縁碍子20と中心電極30との距離をX、取付金具10外部の絶縁碍子20の表面の沿面距離をY、取付金具10からの絶縁碍子20の突出量をY1、ポケット隙間をZ、火花放電ギャップ50の大きさをG、取付金具10の内部において絶縁碍子20と取付金具10との距離がG以下となる部位までの絶縁碍子20の表面の長さをWとすると、(X+0.3Y+Z)/G≧2、Y1(mm)≧1、W/Z≧4、1.25≦Z(mm)≦1.55、となっている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、スパークプラグに関する。
一般に、スパークプラグは、エンジン等に取り付けるための取付用ネジ部が設けられた取付金具と、先端部が取付金具の先端部から突出するように取付金具内に固定された絶縁碍子と、先端部が絶縁碍子の先端部から突出するように絶縁碍子の軸孔内に固定された中心電極と、取付金具に固定されて中心電極との間に火花放電ギャップを介して対向する接地電極とを備える。
近年、エンジン高出力化のためにエンジンに設けられるインテークマニホールドやエキゾーストマニホールドのバルブ径の拡大や、水廻り改善のためにエンジンに対してウォータージャケットを確保することが必要となってきている。
そのため、エンジンに取付けられるスパークプラグの設置スペースが小さくなり、スパークプラグの細径化が要求されてきている。
たとえば、従来では、取付金具の取付用ネジ部のサイズは、JIS(日本工業規格)によるM14のものであったが、これをM12以下程度まで小型化する必要が出てきている。
また、エンジンの高出力化に伴う高圧縮化や希薄燃焼化のために、燃焼状態が悪化し、カーボンなどが絶縁碍子に堆積しやすくなる。このカーボンなどが絶縁碍子の表面に堆積することは、「くすぶり」といわれ、このくすぶりが問題となってきている。
スパークプラグを細径化すると、絶縁碍子と取付金具との間の絶縁距離が狭くなるため、正規の火花放電ギャップで放電せず、中心電極から絶縁碍子を介して取付金具へ飛火する沿面放電が発生しやすくなる。
加えて、くすぶり状態になると、沿面放電はさらに多発してくる。これは、絶縁碍子の表面に堆積した導電性のカーボンなどが、絶縁碍子と取付金具との間の絶縁性低下をもたらすためである。
このような沿面放電の抑制を狙ったものとしては、たとえば、取付用ネジ部の外径が10mm〜12mmのスパークプラグにおいて、放電ギャップの長さ、ガスボリュームの幅、絶縁碍子の取付金具に対する突出長さ、貴金属チップの先端径、貴金属チップの中心電極に対する突出高さを所定範囲に規定するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
また、くすぶりの対策を狙ったものとしては、中心電極の絶縁碍子からの引っ込み量などを規定することにより、くすぶり時の沿面放電の際に、絶縁碍子の表面に付着したカーボンを焼き切って消失させるようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
特開平9−219274号公報 特開平9−199260号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記特許文献1に記載のスパークプラグ構成では、細径化されたスパークプラグにおいて、くすぶっていない状態でも沿面放電の抑制には不十分であることがわかった。
ここで、図11は、一般的なスパークプラグの発火部近傍を示す半断面図である。取付用ネジ部12が設けられた取付金具10の内部に、絶縁碍子20が固定されるとともに、絶縁碍子20の先端部21が取付金具10の先端部11から突出している。
中心電極30は、その先端部31が絶縁碍子20の先端部21から突出するように絶縁碍子20の軸孔22内に固定されている。また、接地電極40は、取付金具10の先端部11に固定されて中心電極30の先端部31との間に火花放電ギャップ50を介して対向している。
また、図11においては、本発明者らが検討に用いた各寸法が示されている。まず、絶縁碍子20の先端部21における絶縁碍子20と中心電極30との距離がXとして表されている。
また、絶縁碍子20の表面のうち絶縁碍子20の先端部21の内径端部から取付金具10の先端部11に対向して位置する部位までの当該表面に沿った長さがYとして表されている。
また、絶縁碍子20の取付金具10の先端部11からの突出量がY1として表されており、取付金具10の先端部11における絶縁碍子20と取付金具10との絶縁距離がZとして表されている。また、火花放電ギャップ50の大きさがGとして表されている。
さらに、絶縁碍子20の表面のうち取付金具10の先端部11に対向して位置する部位から取付金具10内において絶縁碍子20と取付金具10との距離がG以下となる部位までの絶縁碍子20の表面の長さが、Wとして表されている。
ここで、上記距離Xを、中心電極と絶縁碍子とのクリアランスX、上記長さYを、取付金具外の絶縁碍子の沿面距離Y、上記絶縁距離Zを、ポケット隙間Zということとする。そして、沿面放電距離を(X+Y+Z)とする。また、上記長さWを、取付金具内の絶縁碍子の沿面距離Wということとする。
沿面放電は、火花放電ギャップ50の大きさGと沿面放電距離(X+Y+Z)との関係に起因する。つまり、火花放電ギャップ50の大きさGに対して、沿面放電距離(X+Y+Z)を十分大きくすれば、沿面放電を防止することができる。
特に、取付用ネジ部12がM10以下と細径化されたスパークプラグでは、物理的寸法の制約からポケット隙間Zを大きく設定することができない。つまり、沿面放電距離(X+Y+Z)に対して火花放電ギャップ50の大きさGが大きすぎるため、沿面放電の抑制が不十分になるのである。
また、上記特許文献2に記載のスパークプラグでは、上述したように、くすぶり時の沿面放電の際に、カーボン消失を図り絶縁抵抗値の低下を抑制させる効果を狙っている。
しかし、近年、エンジンの高圧縮化や希薄燃焼化に伴い、くすぶりが非常に厳しくなっており、多量のカーボンが絶縁碍子先端に付着し、取付金具から突出した部位における絶縁が不十分となって短絡するという不具合が市場で多発している。
具体的に、取付金具から突出した部位における絶縁が不十分となることとは、図9において、中心電極と絶縁碍子とのクリアランスXの部分や、取付金具外の絶縁碍子の沿面距離Yに相当する絶縁碍子20の表面に、大量のカーボンが付着し短絡状態となることである。
そして、上記特許文献2に記載のスパークプラグにおいては、徐々にカーボンが付着する一般的なくすぶりモードでは、カーボン消失させることによって絶縁抵抗の低下を抑制する効果があるものの、一度に大量のカーボンが付着する場合には、清浄効果が追いつかない。
さらに、本発明者らの検討によれば、上記特許文献2に記載のスパークプラグでは、沿面放電時の着火性が劣悪であることがわかった。
本発明者らの検討によれば、沿面放電における着火性は、上記ポケット隙間Zが大きく影響し、このポケット隙間Zが大きいほど良好となる。
つまり、沿面放電の際には、ポケット隙間Zにて放電が行われるが、このポケット隙間Zが広いほど、着火スペースが十分になるため、燃焼が行われやすい。一方、ポケット隙間Zが狭いほど、着火スペースが不十分になるため、燃焼が行われにくくなる。
しかし、上記特許文献2に記載のスパークプラグでは、実質的に絶縁抵抗の維持のみに着目した設計となっており、沿面放電時の着火性の確保については考慮されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、細径化されたスパークプラグにおいて、くすぶっていない場合は安定して正規の火花放電ギャップへ飛火させるとともに、くすぶって沿面放電が発生した場合でも、着火性を確保させることを目的とする。
上記目的を達成するために、鋭意検討を行った。まず、くすぶっていない場合に安定して正規の火花放電ギャップへ飛火させるためには、くすぶっていない場合において沿面放電を抑制することが必要になる。
ここにおいて、沿面放電の抑制は、正規の火花放電ギャップと沿面放電距離、つまり距離に起因する電圧バランスで決定される。
そこで、上記した沿面放電距離(X+Y+Z)(上記図11参照)を、ある程度火花放電ギャップ50の大きさGに比べて大きくする必要がある。ここで、気中の飛火電圧と沿面(碍子表面)の飛火電圧とは、同じ距離に対して沿面の方が気中の約0.3倍ということが経験的にわかっている。
そこで、本発明者らは、沿面放電距離に関しては、気中と沿面との飛火電圧の相違を考慮して、(X+0.3Y+Z)というパラメータを用い、このパラメータ(X+0.3Y+Z)と火花放電ギャップの大きさGとの関係が、どのようであれば沿面放電の抑制が可能であるかについて実験検討を行った。
また、くすぶって沿面放電が発生した場合でも着火性を確保させることについては、スパークプラグにおいて沿面放電には2つのパターンがあることに着目した。
1つは、取付金具の先端部に放電する横飛火であり、もう1つは、取付金具の奥に入ってしまう奥飛火である。図12は、これら横飛火と奥飛火の様子を示す図である。
図12(a)中に破線にて示されるように、横飛火では、中心電極30から絶縁碍子20の表面に沿ってポケット隙間Zを介して取付金具10の先端部11へと放電する。一方、奥飛火では、図12(b)に破線にて示されるように、中心電極30から絶縁碍子20の表面に沿って取付金具10の内部にて取付金具10の内面へと放電する。
これから、くすぶった場合でも、沿面放電によって着火性を確保するには奥飛火をさせてはいけないことがわかる。奥飛火の場合、取付金具10の内部で放電するので、着火スペースが不十分であり、燃焼が不安定になる。
そこで、沿面放電する場合は、横飛火させ、燃焼室側で燃焼させることが重要となる。そのためには、上記図11に示した絶縁碍子20の取付金具10の先端部11からの突出量Y1を大きくすれば、火花が取付金具10の奥まで飛びにくい、すなわち奥飛火しにくいと考えた。
また、上記図11において、取付金具10内において絶縁碍子20と取付金具10との距離がG以下となる部位は、奥飛火が発生しやすい部位である。つまり、上記した取付金具内の絶縁碍子の沿面距離Wが小さくなるほど、取付金具10の先端部11から奥飛火する部分が近くなるので、奥飛火が発生しやすくなる。
そこで、この取付金具内の絶縁碍子の沿面距離Wを大きくすることも、奥飛火しにくくすることにつながる。ここで、この沿面距離Wはポケット隙間Zとのバランスを考慮することが必要であることから、比W/Zをパラメータとして用いることとした。
そして、奥飛火の抑制については、これらY1およびW/Zというパラメータを用い、これらパラメータY1、W/Zがどの程度大きければ、くすぶって沿面放電が発生した場合に奥飛火を防止し横飛火させることが可能であるかについて実験検討を行った。
さらに、上述したように、この横飛火による着火性を十分に確保するには、上記ポケット隙間Z(図11参照)を大きくとる必要がある。
しかし、ポケット隙間Zが大きすぎると、沿面放電の際に横飛火するよりも、取付金具10内において奥飛火が発生しやすい部位で放電がなされ、奥飛火してしまう。そこで、ポケット隙間Zと横飛火による着火性との関係についても実験検討を行った。
本発明は、上述したような本発明者らが得た知見、および、この知見に基づいて行われたスパークプラグ発火部の寸法についての実験検討の結果に基づいて、創出されたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明では、外周にM10以下の取付用ネジ部(12)が設けられた取付金具(10)と、先端部(21)が取付金具(10)の先端部(11)から突出するように取付金具(10)内に固定された絶縁碍子(20)と、先端部(31)が絶縁碍子(20)の先端部(21)から突出するように絶縁碍子(20)の軸孔(22)内に固定された中心電極(30)と、取付金具(10)の先端部(11)に固定されて中心電極(30)の先端部(31)との間に火花放電ギャップ(50)を介して対向する接地電極(40)とを備えるスパークプラグにおいて、次のような点を特徴とするものである。
・取付金具(10)内における絶縁碍子(20)と取付金具(10)との隙間は、取付金具(10)の先端部(11)側よりも取付金具(10)の内部側の方が狭くなっていること。
・絶縁碍子(20)の先端部(21)における絶縁碍子(20)と中心電極(30)との距離をXとすること。
・絶縁碍子(20)の表面のうち絶縁碍子(20)の先端部(21)の内径端部から取付金具(10)の先端部(11)に対向して位置する部位までの当該表面に沿った長さをYとすること。
・絶縁碍子(20)の取付金具(10)の先端部(11)からの突出量をY1とし、取付金具(10)の先端部(11)における絶縁碍子(20)と取付金具(10)との絶縁距離をZとすること。
・火花放電ギャップ(50)の大きさをGとし、絶縁碍子(20)の表面のうち取付金具(10)の先端部(11)に対向して位置する部位から取付金具(10)内において絶縁碍子(20)と取付金具(10)との距離がG以下となる部位までの絶縁碍子(20)の表面の長さをWとすること。
・これらの寸法において、(X+0.3Y+Z)/G≧2、Y1(mm)≧1、W/Z≧4、1.25≦Z(mm)≦1.55、となっていること。本発明は、これらの点を特徴としている。
まず、(X+0.3Y+Z)/G≧2については、(X+0.3Y+Z)/Gの大きさと沿面放電の発生頻度との関係について実験検討を行った結果、得られたものである(図4参照)。
この(X+0.3Y+Z)/G≧2、という関係を満足することにより、M10以下の取付用ネジ部(12)を有する取付金具(10)を用いて細径化したスパークプラグにおいて、くすぶっていない場合は、沿面放電を抑制して安定して正規の火花放電ギャップ(50)へ飛火させることができる。
また、(X+0.3Y+Z)/G≧2、という関係を満足しても、くすぶった場合には、沿面放電が発生しやすくなる。このことについては、Y1(mm)≧1、W/Z≧4、1.25≦Z(mm)≦1.55、という関係を満足させることにより、解消される。
Y1(mm)≧1、および、W/Z≧4については、Y1の大きさと奥飛火の発生頻度との関係についての実験検討結果(図5参照)、および、W/Zの大きさと奥飛火の発生頻度との関係についての実験検討結果(図5参照)に基づいて、それぞれ得られたものである。
このY1(mm)≧1、および、W/Z≧4、という関係を満足することにより、M10以下の取付用ネジ部(12)を有する取付金具(10)を用いて細径化したスパークプラグにおいて、くすぶって沿面放電が発生した場合でも、奥飛火を防止し横飛火させることができる。
1.25≦Z(mm)≦1.55については、ポケット隙間Zの大きさと横飛火による着火性との関係についての実験検討結果(図6参照)に基づいて得られたものである。
この1.25≦Z(mm)≦1.55、という関係を満足することにより、M10以下の取付用ネジ部(12)を有する取付金具(10)を用いて細径化したスパークプラグにおいて、くすぶって沿面放電が発生した場合に、奥飛火を防止しつつ横飛火による着火性を十分に確保することができる。
以上のように、本発明によれば、細径化されたスパークプラグにおいて、くすぶっていない場合は安定して正規の火花放電ギャップへ飛火させるとともに、くすぶって沿面放電が発生した場合でも、着火性を確保させることができる。
さらに、火花放電ギャップ(50)の大きさGについて検討を進めた。その結果、火花放電ギャップ(50)の大きさGが0.8mm以下に小さければ、くすぶっていない場合に沿面放電をより確実に抑制できることがわかった。
また、火花放電ギャップ(50)における放電について、火花放電ギャップ(50)の大きさGと着火性との関係を調べた結果、火花放電ギャップ(50)の大きさGが0.4mm以上であれば、良好な着火性を確保しやすいことがわかった(図7参照)。
これら火花放電ギャップ(50)の大きさGに関する検討結果から得られたものが、請求項2に記載の発明である。
すなわち、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のスパークプラグにおいて、火花放電ギャップ(50)の大きさGは、0.4≦G(mm)≦0.8であることを特徴としている。
それによれば、くすぶっていない場合に、より確実に沿面放電を抑制できるとともに、火花放電ギャップ(50)における放電において良好な着火性を確保しやすくでき、好ましい。
請求項3に記載の発明では、外周にM12の取付用ネジ部(12)が設けられた取付金具(10)と、先端部(21)が取付金具(10)の先端部(11)から突出するように取付金具(10)内に固定された絶縁碍子(20)と、先端部(31)が絶縁碍子(20)の先端部(21)から突出するように絶縁碍子(20)の軸孔(22)内に固定された中心電極(30)と、取付金具(10)の先端部(11)に固定されて中心電極(30)の先端部(31)との間に火花放電ギャップ(50)を介して対向する接地電極(40)とを備えるスパークプラグにおいて、次のような点を特徴とするものである。
(X+0.3Y+Z)/G≧2、0.4≦G(mm)≦1.3、Y1(mm)≧1、W/Z≧4、1.25≦Z(mm)≦1.9、となっていること。本発明は、これらの点を特徴としている。
本発明によれば、請求項1のM10以下のスパークプラグと同様に、くすぶっていない場合は安定して正規の火花放電ギャップへ飛火させるとともに、くすぶって沿面放電が発生した場合でも、着火性を確保させることができる。
請求項4に記載の発明では、(X+0.3Y+Z)/G≧2.5、という関係を満足することにより、M12以下の取付用ネジ部(12)を有する取付金具(10)を用いて細径化したスパークプラグにおいて、くすぶっていない場合は、さらに沿面放電を抑制して安定して正規の火花放電ギャップ(50)へ飛火させることができる。つまり、M14の場合よりも沿面放電を抑制できる。
ここで、請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4に記載のスパークプラグにおいて、取付金具(10)の先端部(11)の内径をDとし、取付用ネジ部(12)の径をMとしたとき、(M−D)≧3(mm)となっていることを特徴としている。
接地電極(40)の耐熱性を確保するためには、この接地電極(40)が固定されている取付金具(10)の先端部(11)において、ある程度の断面積が必要である。そこで、本発明のようにすれば、取付金具(10)の先端部(11)を厚肉のものにすることができ、接地電極(40)の耐熱性を確保するためには、好ましい。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5に記載のスパークプラグにおいて、中心電極(30)の先端部は、電極母材に接合された貴金属チップ(31)として構成されており、この中心電極(30)の貴金属チップ(31)の断面積S1は、0.07≦S1(mm2)≦0.40であることを特徴としている。
たとえば火花放電ギャップが0.4mm〜0.8mm程度の狭いものであるような場合に、中心電極の先端部を構成する貴金属チップを細いものにすれば、着火スペースを十分に確保することができ、好ましい。また、当該貴金属チップが細すぎると、消耗しやすいので、ある程度の太さは必要である。
そのような観点から、本発明のように、中心電極(30)の先端部を構成する貴金属チップ(31)の断面積S1を規定することが好ましい。
また、請求項7に記載の発明では、請求項6に記載のスパークプラグにおいて、中心電極(30)の貴金属チップ(31)は、50重量%以上のIrに少なくとも1種の添加物を含有したものであって融点が2000℃以上のものからなることを特徴としている。
さらに、請求項8に記載の発明では、請求項7に記載のスパークプラグにおいて、中心電極(30)の貴金属チップ(31)に含有される添加物は、Pt、Rh、Ni、W、Pd、Ru、Re、Al、Al23、Y、Y23の中から選択される少なくとも1種からなるものであることを特徴としている。
中心電極(30)の先端部を構成する貴金属チップ(31)およびこの貴金属チップ(31)に含有される添加物を、このようなものにすることにより、中心電極(30)の先端部の寿命を十分に確保することができる。
また、請求項9に記載の発明では、請求項1〜請求項8に記載のスパークプラグにおいて、接地電極(40)における火花放電部は、電極母材に接合された貴金属チップ(41)として構成されており、この接地電極(40)の貴金属チップ(41)の断面積S2は、0.12≦S2(mm2)≦0.80であり、接地電極(40)の貴金属チップ(41
)の電極母材からの突出量t2は、0.3≦t2(mm)≦1.5であることを特徴としている。
火花放電部における着火スペースの確保、および、接地電極の先端部を構成する貴金属チップの消耗性の向上との両立を考慮すると、本発明のように、接地電極(40)の貴金属チップ(41)の断面積S2や突出量t2をこのような構成とすることが好ましい。
また、請求項10に記載の発明では、請求項9に記載のスパークプラグにおいて、接地電極(40)の貴金属チップ(41)は、50重量%以上のPtに少なくとも1種の添加物を含有したものであって融点が1500℃以上のものからなることを特徴としている。
さらに、請求項11に記載の発明では、請求項10に記載のスパークプラグにおいて、接地電極(40)の貴金属チップ(41)に含有される添加物は、Ir、Rh、Ni、W、Pd、Ru、Reの中から選択される少なくとも1種からなるものであることを特徴としている。
接地電極(40)の火花放電部を構成する貴金属チップ(41)およびこの貴金属チップ(41)に含有される添加物を、このようなものにすることにより、接地電極(40)の火花放電部の寿命を十分に確保することができる。
また、本発明者らは、横飛火の抑制の観点から、距離に加えて絶縁碍子の先端部の外径端部の形状と沿面放電の発生頻度との関係についても検討を進めた。その結果、請求項12に記載の発明のような絶縁碍子(20)の形状とすれば、沿面放電を抑制しやすいことがわかった。
つまり、請求項12に記載の発明では、請求項1〜請求項11に記載のスパークプラグにおいて、絶縁碍子(20)の先端部(21)の外径端部はR形状となっており、Rが0.2mm以上であることを特徴としている。
絶縁碍子(20)の先端部(21)の外径端部の形状が鋭角であるほど、強電界部を形成し、沿面放電しやすくなる。
ここにおいて、本発明のように、絶縁碍子(20)の先端部(21)の外径端部をR形状とし、且つRが0.2mm以上であるものとすれば、沿面放電を適切に抑制することができる(図8参照)。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るスパークプラグS1の全体構成を示す半断面図である。
[スパークプラグの構成]
このスパークプラグS1は、自動車用エンジンの点火栓等に適用されるものであり、該エンジンの燃焼室を区画形成するエンジンヘッド(図示せず)に設けられたネジ穴に挿入されて固定されるようになっている。
スパークプラグS1は、導電性の鉄鋼材料(例えば低炭素鋼等)等よりなる円筒形状の取付金具10を有しており、この取付金具10の外周面には、図示しないエンジンブロックに固定するための取付用ネジ部12が設けられている。
この取付用ネジ部12は、JIS(日本工業規格)でいうM10以下のものである。また、取付金具10の先端部11の内径をDとし、取付用ネジ部12の径をMとしたとき、(M−D)≧3(mm)となっていること、すなわちネジ径Mと内径Dとの差が3mm以上であることが好ましい。
取付金具10の内部には、アルミナセラミック(Al23)等からなる絶縁碍子20が収納されて固定されており、この絶縁碍子20の先端部21は、取付金具10の先端部11から突出している。
絶縁体20の軸孔22には中心電極30が固定されており、それによって、中心電極30は取付金具10に対して絶縁保持されている。
中心電極30は、たとえば、内材がCu等の熱伝導性に優れた金属材料、外材がNi基合金等の耐熱性および耐食性に優れた金属材料により構成された円柱体からなる。
そして、図1に示されるように、中心電極30は、その先端部31が絶縁碍子20の先端部21から突出するように設けられている。こうして、中心電極30は、その先端部31が突出した状態で取付金具10に収納されている。
一方、接地電極40は、たとえば、Niを主成分とするNi基合金からなる柱形状をなすものである。
本例では、接地電極40は角柱形状をなしており、一端側が取付金具10の先端部11に溶接等により固定され、中間部が略L字に曲げられて、他端側の側面42において中心電極30の先端部31と火花放電ギャップ50を介して対向している。
ここで、図2は、本スパークプラグS1における発火部近傍の拡大構成を示す半断面図である。
上記のように火花放電ギャップ50を介して中心電極30の先端部31と接地電極40の側面42とが対向して配置されている。
ここで、本実施形態では、絶縁碍子20の先端部21の外径端部はR形状となっており、Rが0.2mm以上である。これは、絶縁碍子20の先端部21の外径端部の形状が鋭角であるほど、強電界部を形成し、沿面放電しやすくなることから、沿面放電を適切に抑制するために、本発明者らが設定した値である。
また、本例では、中心電極30の先端部31は、電極母材にレーザ溶接にて接合された貴金属チップ31として構成されている。なお、中心電極30の電極母材とは、たとえば上記した円柱体である。
また、接地電極40の側面42には、貴金属チップ41が電極母材にレーザ溶接により接合されている。この貴金属チップ41は、接地電極40における火花放電部として構成されている。なお、接地電極40の電極母材とは、たとえば上記した角柱である。
たとえば、これら両貴金属チップ31、41は円柱状であり、そして、火花放電ギャップ50は、両チップ31、41の先端部間の空隙である。この火花放電ギャップ50の大きさGは、0.4mm以上0.8mm以下とすることが好ましい。
また、中心電極30の先端部を構成する貴金属チップ31の断面積S1は、0.07mm2以上0.40mm2以下であることが好ましい。
また、この中心電極30の貴金属チップ31は、50重量%以上のIr(イリジウム)に少なくとも1種の添加物を含有したものであって融点が2000℃以上のものからなることが好ましい。
そして、この中心電極30の貴金属チップ31に含有される添加物は、Pt(白金、プラチナ)、Rh(ロジウム)、Ni(ニッケル)、W(タングステン)、Pd(パラジウム)、Ru(ルテニウム)、Re(レニウム)、Al(アルミニウム)、Al23(三酸化二アルミニウム、アルミナ)、Y(イットリウム)、Y23(三酸化二イットリウム、イットリア)の中から選択される少なくとも1種からなるものとすることが好ましい。
また、接地電極40の火花放電部を構成する貴金属チップ41の断面積S2は、0.12mm2以上0.80mm2以下であり、この接地電極40の貴金属チップ41の電極母材からの突出量t2は、0.3mm以上1.5mm以下であることが好ましい。なお、図2に示されるように、この突出量t2は、接地電極40の側面42から貴金属チップ41の先端面までの長さである。
また、この接地電極40の貴金属チップ41は、50重量%以上のPt(白金)に少なくとも1種の添加物を含有したものであって融点が1500℃以上のものからなることが好ましい。
そして、この接地電極40の貴金属チップ41に含有される添加物は、Ir、Rh、Ni、W、Pd、Ru、Reの中から選択される少なくとも1種からなるものとすることが好ましい。
また、図2に示されるように、取付金具10内における絶縁碍子20と取付金具10との隙間は、取付金具10の先端部11側よりも取付金具10の内部側の方が狭くなっている。
図2では、取付金具10内における絶縁碍子20と取付金具10との隙間は、取付金具10の先端部11側から当該先端部11とは反対側の取付金具10の内部側へ向かうにつれて狭くなっている。
[各種寸法および寸法関係]
また、図2においては、次に述べるような各種寸法G、W、X、Y、Y1、Zが示されている。
寸法Xは、絶縁碍子20の先端部21における絶縁碍子20と中心電極30との距離Xであり、以下、本実施形態において、この距離Xを、中心電極と絶縁碍子とのクリアランスXということにする。
寸法Yは、絶縁碍子20の表面のうち絶縁碍子20の先端部21の内径端部から取付金具10の先端部11に対向して位置する部位までの当該表面に沿った長さYであり、以下、本実施形態においては、この長さYを、取付金具外の絶縁碍子の沿面距離Yということにする。
寸法Y1は、絶縁碍子20の取付金具10の先端部11からの突出量Y1であり、以下、本実施形態においては、この突出量Y1を、単に、絶縁碍子突出量Y1ということにする。
寸法Zは、取付金具10の先端部11における絶縁碍子20と取付金具10との絶縁距離Zであり、以下、本実施形態においては、この絶縁距離Zを、ポケット隙間Zということにする。
また、寸法Gは上述したように、火花放電ギャップ50の大きさGである。以下、本実施形態においては、この火花放電ギャップ50の大きさGを、単に、放電ギャップ寸法Gということにする。
寸法Wは、絶縁碍子20の表面のうち取付金具10の先端部11に対向して位置する部位から取付金具10内において絶縁碍子20と取付金具10との距離が上記放電ギャップ寸法G以下となる部位までの絶縁碍子20の表面の長さWである。以下、本実施形態においては、この長さWを、取付金具内の絶縁碍子の沿面距離Wということにする。
そして、本実施形態では、これら寸法G、W、X、Y、Y1、Zを用いて、次のような寸法関係が設定されている。
すなわち、
(X+0.3Y+Z)/G≧2、
Y1(mm)≧1、
W/Z≧4、
1.25≦Z(mm)≦1.55、
という寸法関係が設定されている。
[寸法関係設定の根拠等]
上記した寸法関係を設定した根拠について述べる。上記寸法関係は、次に述べるような、本発明者らが行った実験検討の結果を根拠とするものである。
(X+0.3Y+Z)というパラメータは、同じ距離に対して沿面の方が気中の約0.3倍という気中と沿面とでの飛火電圧の相違を考慮したものであり、(X+0.3Y+Z)/Gは、沿面放電の抑制については、正規の火花放電ギャップ(つまり、放電ギャップ寸法G)と沿面放電距離とのバランスで決定されることから用いられるパラメータである。
また、絶縁碍子突出量Y1およびW/Zというパラメータは、沿面放電時における奥飛火の抑制に関わるものであり、ポケット隙間Zは横飛火による着火性に関わるパラメータとして用いられる。
M10の取付用ネジ部12を有する取付金具10を用いて細径化した本スパークプラグS1について、上記各寸法G、X、Y、Y1、Z、Wおよびパラメータ(X+0.3Y+Z)/G、W/Zを種々変更したサンプルを作製し、それによって飛火位置がどうなるか検討した。
なお、以下に示される検討例は、取付用ネジ部12がM10のネジ径を有するスパークプラグについてのものであるが、M10よりも小さいネジ径であるスパークプラグにおいても、当該検討例と同様の傾向が得られている。
図3は、本検討に用いた各種サンプルK1〜K20における上記G、X、Y、Y1、Zおよびパラメータ(X+0.3Y+Z)/Gの一覧を示す図表である。なお、図3では、評価結果として後述する沿面放電頻度(%)についても、各サンプル毎に並記してある。
サンプルK1:G=1.1mm、X=0.1mm、Y=1.5mm、Y1=1.0mm、Z=1.25mm、(X+0.3Y+Z)/G=1.64。
サンプルK2:G=0.9mm、X=0.1mm、Y=1.5mm、Y1=1.0mm、Z=1.25mm、(X+0.3Y+Z)/G=2.00。
サンプルK3:G=1.1mm、X=0.1mm、Y=1.5mm、Y1=1.0mm、Z=1.55mm、(X+0.3Y+Z)/G=1.91。
サンプルK4:G=0.9mm、X=0.1mm、Y=1.5mm、Y1=1.0mm、Z=1.55mm、(X+0.3Y+Z)/G=2.33。
サンプルK5:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=1.1mm、Y1=0.6mm、Z=1.15mm、(X+0.3Y+Z)/G=2.26。
サンプルK6:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=1.5mm、Y1=1.0mm、Z=1.15mm、(X+0.3Y+Z)/G=2.43。
サンプルK7:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=1.1mm、Y1=0.6mm、Z=1.35mm、(X+0.3Y+Z)/G=2.54。
サンプルK8:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=1.5mm、Y1=1.0mm、Z=1.35mm、(X+0.3Y+Z)/G=2.71。
サンプルK9:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=1.1mm、Y1=0.6mm、Z=1.55mm、(X+0.3Y+Z)/G=2.83。
サンプルK10:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=1.5mm、Y1=1.0mm、Z=1.55mm、(X+0.3Y+Z)/G=3.00。
サンプルK11:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=2.9mm、Y1=2.5mm、Z=1.55mm、(X+0.3Y+Z)/G=3.60。
サンプルK12:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=2.9mm、Y1=2.5mm、Z=1.10mm、(X+0.3Y+Z)/G=2.96。
サンプルK13:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=2.9mm、Y1=2.5mm、Z=1.20mm、(X+0.3Y+Z)/G=3.10。
サンプルK14:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=2.9mm、Y1=2.5mm、Z=1.25mm、(X+0.3Y+Z)/G=3.17。
サンプルK15:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=2.9mm、Y1=2.5mm、Z=1.30mm、(X+0.3Y+Z)/G=3.24。
サンプルK16:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=2.9mm、Y1=2.5mm、Z=1.55mm、(X+0.3Y+Z)/G=3.60。
サンプルK17:G=0.7mm、X=0.1mm、Y=2.9mm、Y1=2.5mm、Z=1.65mm、(X+0.3Y+Z)/G=3.74。
サンプルK18:G=0.9mm、X=0.2mm、Y=2.9mm、Y1=2.5mm、Z=1.45mm、(X+0.3Y+Z)/G=2.80。
サンプルK19:G=0.8mm、X=0.2mm、Y=2.9mm、Y1=2.5mm、Z=1.45mm、(X+0.3Y+Z)/G=3.15。
サンプルK20:G=0.7mm、X=0.2mm、Y=2.9mm、Y1=2.5mm、Z=1.45mm、(X+0.3Y+Z)/G=3.60。
これらサンプルK1〜K20を用いて、まず、くすぶっていない場合での沿面放電を抑制する寸法検討を実施した。
評価は、各サンプルK1〜K20について、加圧チャンバ0.8MPa、30Hzの間隔で放電を行った。これは、エンジンでの加速時を模した飛火電圧の高い条件で、沿面放電評価に適した条件である。
ここでは、取付用ネジ部のネジ径がM14である一般的なスパークプラグと同等の沿面放電頻度を目標値とした。このネジ径M14のスパークプラグにおける沿面放電頻度は約20%であった。
図4は、この沿面放電評価の結果を示す図であり、(X+0.3Y+Z)/Gの大きさと沿面放電頻度との関係を示す図である。なお、この沿面放電頻度(単位:%)の各サンプルK1〜K20における結果については、上記図3中に具体的な数値データとして示されている。
図4に示される結果から、パラメータ(X+0.3Y+Z)/Gが2.0以上であれば、沿面放電頻度すなわち沿面放電の発生頻度を20%以下に抑えることができることがわかった。
つまり、(X+0.3Y+Z)/G≧2、という関係を満足することにより、M10以下の取付用ネジ部12を有する取付金具10を用いて細径化したスパークプラグS1において、くすぶっていない場合は、沿面放電を抑制して安定して正規の火花放電ギャップ50へ飛火させることができることがわかった。
さらに沿面放電を抑制するためには、(X+0.3Y+Z)/G≧2.5、という関係が好ましい。
次に、くすぶった場合の寸法検討を実施した。強制的にくすぶらせたスパークプラグを作成し、飛火状況を調査した。つまり、上記サンプルK1〜K20中のK5〜K11において、中心電極と絶縁碍子とのクリアランスXと取付金具外の絶縁碍子の沿面距離Yとに相当する部分にカーボンなどを堆積させたスパークプラグを作成し、調査を行った。
くすぶった場合には、(X+0.3Y+Z)/G≧2、という関係を満足しても、沿面放電を抑制することが困難である。
そこで、沿面放電させても着火性が確保できる手段を検討した。絶縁碍子突出量Y1の大きさと奥飛火の発生頻度との関係、および、W/Zの大きさと奥飛火の発生頻度との関係についての調査した。その結果を図5の(a)、(b)に示す。
図5は、絶縁碍子突出量Y1を0.6mm、1.0mm、2.5mmと変えた場合について、パラメータW/Zと、奥飛火の発生頻度である奥飛火放電頻度との関係を調査した結果を示す図である。
図5では、絶縁碍子突出量Y1が0.6mmの場合を黒丸プロット、絶縁碍子突出量Y1が1.0mmの場合を黒四角プロット、絶縁碍子突出量Y1が2.5mmの場合を黒三角プロットとして示してある。
図5から、絶縁碍子突出量Y1が1mm以上であって且つパラメータW/Zが4以上の大きさである場合に、奥飛火放電頻度は0%であり、奥飛火の発生を防止できることがわかる。
つまり、Y1(mm)≧1、および、W/Z≧4、という関係を満足することにより、M10以下の取付用ネジ部12を有する取付金具10を用いて細径化したスパークプラグS1において、くすぶって沿面放電が発生した場合でも、奥飛火の発生を防止し横飛火させることができる。
次に、ポケット隙間Zの大きさと横飛火による着火性との関係について調査した。図6は、その結果を示す図である。ここでいう着火性は、取付金具10の先端部11へ横飛火する場合の着火限界空燃比で表してあり、この着火限界空燃比が大きいほど着火性がよいことになる。
図6に示される結果から、ポケット隙間Zが1.25mm以上1.55mm以下の範囲にて高い着火性を示している。また、ポケット隙間Zが1.25mmよりも小さいと、着火性は悪化している。これは、ポケット隙間Zが狭いため、着火スペースが不十分となり、火炎の広がりが促進されないためと考えられる。
また、図6より、ポケット隙間Zが1.55mmよりも大きくなっても、着火性が悪化している。これは、ポケット隙間Zが広すぎるために、取付金具10の先端部11への飛火、すなわち横飛火が発生せず、奥飛火が発生するためであると考えられる。
つまり、1.25≦Z(mm)≦1.55、という関係を満足することにより、M10以下の取付用ネジ部12を有する取付金具10を用いて細径化したスパークプラグS1において、くすぶって沿面放電が発生した場合に、奥飛火の発生を防止しつつ横飛火による着火性を十分に確保することができる。
このように、これら図4、図5、図6に示されるような検討結果から、上記した寸法関係すなわち(X+0.3Y+Z)/G≧2、Y1(mm)≧1、W/Z≧4、の関係が導き出される。
次に、上記図3に示される上記サンプルK18、K19、K20の3つについて、沿面放電頻度を比較してみると、サンプルK18は沿面放電頻度が10%であるのに対し、他の2つのサンプルK19、K20は0%である。
つまり、放電ギャップ寸法Gを0.8mm以下とすることにより、くすぶっていない場合において、より効果的に沿面放電を抑制できることがわかる。
さらに、図3に示されるサンプルK20と同様の寸法構成のものにおいて、放電ギャップ寸法Gのみを、さらに0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mmと小さくしたサンプルを新たに作成した。
そして、これら新たに作成したサンプルと上記サンプルK19、K20とを用いて、火花放電ギャップ50における着火性を評価した。
図7は、その結果を示す図であり、放電ギャップ寸法Gと着火性との関係を調査した結果を示す図である。図7においては、着火性は、火花放電ギャップ50で放電する場合の着火限界空燃比として表してあり、この着火限界空燃比が大きいほど着火性がよいことになる。
この図7に示される結果から、火花放電ギャップ50の大きさGが0.4mm以上であれば、良好な着火性を確保しやすいことがわかる。
そして、この図7に示される結果も含めて、放電ギャップ寸法Gが0.4mm以上0.8mm以下であれば、くすぶっていない場合において、より確実に沿面放電を抑制できるとともに、火花放電ギャップ50における放電において良好な着火性を確保しやすくすることができ、好ましい。
[特徴点等]
以上述べてきたように、本実施形態によれば、
(X+0.3Y+Z)/G≧2、
Y1(mm)≧1、
W/Z≧4、
1.25≦Z(mm)≦1.55、
という寸法関係を設定することにより、細径化されたスパークプラグにおいて、くすぶっていない場合は安定して正規の火花放電ギャップへ飛火させるとともに、くすぶって沿面放電が発生した場合でも、着火性を確保させることができる。
また、本実施形態では、上述したように、取付金具10の先端部11の内径をDとし、取付用ネジ部12の径をMとしたとき、(M−D)≧3(mm)となっていることが好ましい。
接地電極40の耐熱性を確保するためには、この接地電極40が固定されている取付金具10の先端部11において、ある程度の断面積が必要である。そこで、このような関係とすれば、取付金具10の先端部11を厚肉のものにすることができ、接地電極40の耐熱性を確保することが容易になる。
また、たとえば火花放電ギャップ50が0.4mm〜0.8mm程度の狭いものであるような場合に、中心電極30の先端部を構成する貴金属チップ31を細いものにすれば、着火スペースを十分に確保することができ、好ましい。また、当該貴金属チップ31が細すぎると、消耗しやすいので、ある程度の太さは必要である。
そのような観点から、本実施形態では、上述したように、好ましい形態として、中心電極30の先端部を構成する貴金属チップ31の断面積S1を、0.07mm2以上0.4
0mm2以下としている。
また、本実施形態の好ましい形態では、中心電極30の貴金属チップ31を、50重量%以上のIrに少なくとも1種の添加物を含有したものであって融点が2000℃以上のものからなるものとしている。
さらに、この中心電極30の貴金属チップ31に含有される添加物として、Pt、Rh、Ni、W、Pd、Ru、Re、Al、Al23、Y、Y23の中から選択される少なくとも1種からなるものとしている。
中心電極30の先端部を構成する貴金属チップ31およびこの貴金属チップ31に含有される添加物を、このようなものにすることにより、中心電極30の先端部の寿命を十分に確保することができる。
また、本実施形態の好ましい形態では、接地電極40の火花放電部を構成する貴金属チップ41の断面積S2を、0.12mm2以上0.80mm2以下とし、この接地電極40の貴金属チップ41の電極母材からの突出量t2を、0.3mm以上1.5mm以下としている。
火花放電部における着火スペースの確保、および、接地電極の先端部を構成する貴金属チップの消耗性の向上との両立を考慮した場合、このように、接地電極40の貴金属チップ41の断面積S2や突出量t2を規定することが好ましい。
また、本実施形態の好ましい形態では、接地電極40の貴金属チップ41を、50重量%以上のPtに少なくとも1種の添加物を含有したものであって融点が1500℃以上のものからなるものとしている。
さらに、この接地電極40の貴金属チップ41に含有される添加物として、Ir、Rh、Ni、W、Pd、Ru、Reの中から選択される少なくとも1種からなるものとしている。
接地電極40の火花放電部を構成する貴金属チップ41およびこの貴金属チップ41に含有される添加物を、このようなものにすることにより、接地電極40の火花放電部の寿命を十分に確保することができる。
[絶縁碍子の先端部の外径端部の形状と沿面放電の発生頻度との関係]
ところで、上述したように、本実施形態では、絶縁碍子20の先端部21の外径端部はR形状となっており、Rが0.2mm以上であるものとしている。このようにした根拠について述べる。
本発明者らは、横飛火の抑制の観点から、距離に加えて絶縁碍子20の先端部21の外径端部の形状と沿面放電の発生頻度との関係についても検討を進めた。その結果を図8の(a)、(b)に示す。
図8は、絶縁碍子20の先端部21の外径端部のRの大きさ(単位:mm)と沿面放電頻度(単位:%)との関係を調査した結果を表す図である。ここでは、上記図3に示されるサンプルのうちサンプルK19の仕様に対して、絶縁碍子20の先端部21の外径端部のRを変更して評価した。
なお、ここでいう沿面放電は、絶縁碍子20の先端部21に沿って放電し、そのまま水平方向に接地電極40に向かって放電するものである。
図8から、絶縁碍子20の先端部21の外径端部の形状が鋭角であるほど、強電界部を形成し、沿面放電しやすくなる。そして、絶縁碍子20の先端部21の外径端部をR形状とし、このRを0.2mm以上とすることで、沿面放電を適切に抑制することができている。
なお、上記図3に示される各サンプルK1〜K20については、この結果を反映しており、すべてのサンプルK1〜K20について、絶縁碍子20の先端部21の外径端部のRを0.4mmとしている。
(第2実施形態)
上記第1実施形態にて述べられたスパークプラグは、外周にM10以下の取付用ネジ部12が設けられた取付金具10を備えたスパークプラグであるが、本発明の第2実施形態では、外周にM12の取付用ネジ部12が設けられた取付金具10を備えたスパークプラグを提供する。
したがって、本実施形態では、スパークプラグの構成は、図面的には、上記図1および上記図2と同等であるため、本実施形態においても上記図1および上記図2に基づいて説明することにする。そして、本実施形態では、上記第1実施形態と相違する点を中心に述べることにする。
本実施形態では、取付金具10の取付用ネジ部12が、JIS(日本工業規格)でいうM12であること。火花放電ギャップ寸法Gが0.4≦G(mm)≦1.3であること。ポケット隙間Zが1.25≦Z(mm)≦1.9であること。これらの寸法が、上記第1実施形態とは相違する。
[寸法関係設定の根拠等]
上記した寸法関係を設定した根拠について述べる。上記寸法関係は、次に述べるような、本発明者らが行った実験検討の結果を根拠とするものである。
・(X+0.3Y+Z)/G≧2の根拠
M10以下のスパークプラグと同様の傾向が得られている。
・0.4≦G(mm)≦1.3の根拠
図9に示されるサンプルK21〜K24について、沿面放電頻度を比較してみると、サンプルK21〜K23は沿面放電頻度が5%以下であるのに対し、K24は15%である。
よって、放電ギャップ寸法Gを1.3mm以下とすることにより、M12の取付用ネジ部12を有する取付金具10を用いて細径化したスパークプラグS1において、くすぶっていない場合において、沿面放電を抑制して安定して正規の火花放電ギャップ50へ飛火させることができる。
・Y1(mm)≧1、W/Z≧4の根拠
M10以下のスパークプラグと同様の傾向が得られている。
・1.25≦Z(mm)≦1.9の根拠
図10に示される結果から、ポケット隙間Zが1.9mm以下にて高い着火性を示している。 また図示していないが、ポケット隙間Zが1.25mmよりも小さいと、着火性は悪化している。これは、M10以下と同様にポケット隙間Zが狭いため、着火スペースが不十分となり、火炎の広がりが促進されないためと考えられる。
また、図10より、ポケット隙間Zが1.9mmよりも大きくなっても、着火性が悪化している。これは、ポケット隙間Zが広すぎるために、取付金具10の先端部11への飛火、すなわち横飛火が発生せず、奥飛火が発生するためであると考えられる。
つまり、1.25≦Z(mm)≦1.9、という関係を満足することにより、M12の取付用ネジ部12を有する取付金具10を用いて細径化したスパークプラグS1において、くすぶって沿面放電が発生した場合に、奥飛火の発生を防止しつつ横飛火による着火性を十分に確保することができる。
なお、本発明の第2実施形態における外周にM12の取付用ネジ部12が設けられたスパークプラグは、請求項4ないし12についても、M10以下のスパークプラグと同様の作用効果を有することはもちろんである。
(他の実施形態)
なお、中心電極30の先端部や接地電極40の放電部としての貴金属チップ31、41は、レーザ溶接以外の方法で電極母材に固定されていてもよい。たとえば、抵抗溶接やプラズマ溶接等で固定してもよい。
また、中心電極30の先端部や接地電極40の放電部は、上述したような貴金属チップでなくてもよい。
また、本発明は、スパークプラグにおいて、上述した寸法関係を設定したことを要部とするものであり、その他の細部については、適宜設計変更してよいことは、もちろんである。
本発明の第1実施形態に係るスパークプラグの全体構成を示す半断面図である。 上記図1に示されるスパークプラグにおける発火部近傍の拡大構成を示す半断面図である。 検討に用いた各種サンプルK1〜K20における各寸法およびパラメータの一覧を示す図表である。 (X+0.3Y+Z)/Gの大きさと沿面放電頻度との関係を示す図である。 絶縁碍子突出量Y1を変えた場合について、W/Zと奥飛火放電頻度との関係を調査した結果を示すもので、(a)はサンプルK5〜K11における各寸法およびパラメータの一覧を示す図表、(b)は結果を示す図である。 ポケット隙間Zの大きさと横飛火による着火性との関係を調査した結果を示す図である。 放電ギャップ寸法Gと火花放電ギャップにおける着火性との関係を調査した結果を示す図である。 絶縁碍子の先端部の外径端部のRの大きさと沿面放電頻度との関係を調査した結果を示すもので、(a)はRの大きさと沿面放電頻度との関係を示す図表、(b)は結果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るスパークプラグの、検討に用いた各種サンプルK21〜K24における各寸法およびパラメータの一覧を示す図表である。 本発明の第2実施形態に係るスパークプラグの、ポケット隙間Zの大きさと横飛火による着火性との関係を調査した結果を示す図である。 一般的なスパークプラグの発火部近傍を示す半断面図である。 スパークプラグにおける沿面放電の2つのパターンを示す図であり、(a)は横飛火を示す図、(b)は奥飛火を示す図である。
符号の説明
10…取付金具、11…取付用ネジ部、12…取付金具の先端部、
20…絶縁碍子、21…絶縁碍子の先端部、22…先端部の軸孔、
30…中心電極、31…中心電極の先端部としての貴金属チップ、
31a…中心電極の先端部の面、40…接地電極、
41…接地電極の先端部としての貴金属チップ、42…接地電極の側面、
50…火花放電ギャップ。

Claims (12)

  1. 外周にM10以下の取付用ネジ部(12)が設けられた取付金具(10)と、
    先端部(21)が前記取付金具(10)の先端部(11)から突出するように前記取付金具(10)内に固定された絶縁碍子(20)と、
    先端部(31)が前記絶縁碍子(20)の先端部(21)から突出するように前記絶縁碍子(20)の軸孔(22)内に固定された中心電極(30)と、
    前記取付金具(10)の先端部(11)に固定されて前記中心電極(30)の先端部(31)との間に火花放電ギャップ(50)を介して対向する接地電極(40)とを備えるスパークプラグにおいて、
    前記取付金具(10)内における前記絶縁碍子(20)と前記取付金具(10)との隙間は、前記取付金具(10)の先端部(11)側よりも前記取付金具(10)の内部側の方が狭くなっており、
    前記絶縁碍子(20)の先端部(21)における前記絶縁碍子(20)と前記中心電極(30)との距離をXとし、
    前記絶縁碍子(20)の表面のうち前記絶縁碍子(20)の先端部(21)の内径端部から前記取付金具(10)の先端部(11)に対向して位置する部位までの当該表面に沿った長さをYとし、
    前記絶縁碍子(20)の前記取付金具(10)の先端部(11)からの突出量をY1とし、
    前記取付金具(10)の先端部(11)における前記絶縁碍子(20)と前記取付金具(10)との絶縁距離をZとし、
    前記火花放電ギャップ(50)の大きさをGとし、
    前記絶縁碍子(20)の表面のうち前記取付金具(10)の先端部(11)に対向して位置する部位から前記取付金具(10)内において前記絶縁碍子(20)と前記取付金具(10)との距離がG以下となる部位までの前記絶縁碍子(20)の表面の長さをWとしたとき、
    (X+0.3Y+Z)/G≧2、
    Y1(mm)≧1、
    W/Z≧4、
    1.25≦Z(mm)≦1.55、となっていることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記火花放電ギャップ(50)の大きさGは、0.4≦G(mm)≦0.8であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 外周にM12の取付用ネジ部(12)が設けられた取付金具(10)と、
    先端部(21)が前記取付金具(10)の先端部(11)から突出するように前記取付金具(10)内に固定された絶縁碍子(20)と、
    先端部(31)が前記絶縁碍子(20)の先端部(21)から突出するように前記絶縁碍子(20)の軸孔(22)内に固定された中心電極(30)と、
    前記取付金具(10)の先端部(11)に固定されて前記中心電極(30)の先端部(31)との間に火花放電ギャップ(50)を介して対向する接地電極(40)とを備えるスパークプラグにおいて、
    前記取付金具(10)内における前記絶縁碍子(20)と前記取付金具(10)との隙間は、前記取付金具(10)の先端部(11)側よりも前記取付金具(10)の内部側の方が狭くなっており、
    前記絶縁碍子(20)の先端部(21)における前記絶縁碍子(20)と前記中心電極(30)との距離をXとし、
    前記絶縁碍子(20)の表面のうち前記絶縁碍子(20)の先端部(21)の内径端部から前記取付金具(10)の先端部(11)に対向して位置する部位までの当該表面に沿った長さをYとし、
    前記絶縁碍子(20)の前記取付金具(10)の先端部(11)からの突出量をY1とし、
    前記取付金具(10)の先端部(11)における前記絶縁碍子(20)と前記取付金具(10)との絶縁距離をZとし、
    前記火花放電ギャップ(50)の大きさをGとし、
    前記絶縁碍子(20)の表面のうち前記取付金具(10)の先端部(11)に対向して位置する部位から前記取付金具(10)内において前記絶縁碍子(20)と前記取付金具(10)との距離がG以下となる部位までの前記絶縁碍子(20)の表面の長さをWとしたとき、
    (X+0.3Y+Z)/G≧2、
    0.4≦G(mm)≦1.3
    Y1(mm)≧1、
    W/Z≧4、
    1.25≦Z(mm)≦1.9、となっていることを特徴とするスパークプラグ。
  4. (X+0.3Y+Z)/G≧2.5であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
  5. 前記取付金具(10)の先端部(11)の内径をDとし、前記取付用ネジ部(12)の径をMとしたとき、
    (M−D)≧3(mm)となっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
  6. 前記中心電極(30)の先端部は、電極母材に接合された貴金属チップ(31)として構成されており、
    この中心電極(30)の貴金属チップ(31)の断面積S1は、0.07≦S1(mm2)≦0.40であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
  7. 前記中心電極(30)の貴金属チップ(31)は、50重量%以上のIrに少なくとも1種の添加物を含有したものであって融点が2000℃以上のものからなることを特徴とする請求項6に記載のスパークプラグ。
  8. 前記中心電極(30)の貴金属チップ(31)に含有される前記添加物は、Pt、Rh、Ni、W、Pd、Ru、Re、Al、Al23、Y、Y23の中から選択される少なくとも1種からなるものであることを特徴とする請求項7に記載のスパークプラグ。
  9. 前記接地電極(40)における火花放電部は、電極母材に接合された貴金属チップ(41)として構成されており、
    この接地電極(40)の貴金属チップ(41)の断面積S2は、0.12≦S2(mm2)≦0.80であり、
    前記接地電極(40)の貴金属チップ(41)の電極母材からの突出量t2は、0.3≦t2(mm)≦1.5であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
  10. 前記接地電極(40)の貴金属チップ(41)は、50重量%以上のPtに少なくとも1種の添加物を含有したものであって融点が1500℃以上のものからなることを特徴とする請求項9に記載のスパークプラグ。
  11. 前記接地電極(40)の貴金属チップ(41)に含有される前記添加物は、Ir、Rh、Ni、W、Pd、Ru、Reの中から選択される少なくとも1種からなるものであることを特徴とする請求項10に記載のスパークプラグ。
  12. 前記絶縁碍子(20)の先端部(21)の外径端部はR形状となっており、Rが0.2mm以上であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
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