JP2001237046A - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ

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JP2001237046A
JP2001237046A JP2000366415A JP2000366415A JP2001237046A JP 2001237046 A JP2001237046 A JP 2001237046A JP 2000366415 A JP2000366415 A JP 2000366415A JP 2000366415 A JP2000366415 A JP 2000366415A JP 2001237046 A JP2001237046 A JP 2001237046A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐汚損性に優れてしかもチャンネリングが生
じにくく、良好な耐久性を有するとともに、着火性にも
優れたスパークプラグを提供する。 【解決手段】 スパークプラグ100は、中心貫通孔を
有する絶縁碍子1と、中心貫通孔に保持され絶縁碍子1
の先端面から突出するようにされた中心電極2と、絶縁
碍子1の先端部を自身の先端面から突出するように保持
する主体金具5と、主体金具5に一端が接合され他端が
中心電極2の側周面若しくは絶縁碍子1の側周面に対向
するように配設されたセミ沿面接地電極12を備える。
そして、絶縁碍子1の先端面1Dの高さ位置とセミ沿面
接地電極12の端面12Cの後端側縁の高さ位置との段
差をEとし、絶縁碍子1の先端面1Dから側周面に至る
曲面の曲率半径をRとして、R−E≦0.1mmとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関用のス
パークプラグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、耐汚損性を改善した内燃機関用の
スパークプラグとして沿面放電型スパークプラグと呼ば
れるものが知られている。これは、火花放電ギャップに
て発生する火花が、常時あるいは条件により、絶縁碍子
表面を経由した沿面放電形態にて伝播するように構成し
たものである。例えばセミ沿面放電型スパークプラグと
称されるものは、中心貫通孔を有する絶縁碍子と、中心
貫通孔に保持され絶縁碍子の先端部に配設された中心電
極と、絶縁碍子の先端部を自身の先端面から突出するよ
うに保持する主体金具と、主体金具に一端が接合され他
端が中心電極の側周面若しくは絶縁碍子の側周面に対向
するように配設されたセミ沿面接地電極を備える。そし
て、沿面放電時には、セミ沿面接地電極の発火面と絶縁
碍子表面との間が気中放電となる以外は、絶縁碍子先端
面の表面に沿う形態にて飛火する形となる。スパークプ
ラグは、例えばプレデリバリ時のように電極温度が45
0℃以下の低温環境で長時間使用されると、いわゆる
「燻り」や「かぶり」の状態となり、絶縁碍子表面がカ
ーボンなどの導電性汚損物質で覆われて作動不良が生じ
やすくなる。しかしながら、上記沿面放電型のスパーク
プラグによれば、絶縁碍子表面を這う形で火花放電が生
ずるため、汚損物質が絶えず焼き切られる形となり、気
中放電型のスパークプラグと比べて耐汚損性が向上す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、沿面放
電型のスパークプラグでは、絶縁碍子の表面を這う火花
が頻繁に発生するため、絶縁碍子の表面が溝状に削られ
る、いわゆるチャンネリングが生じやすくなることが知
られている。チャンネリングが進行すると、スパークプ
ラグの耐熱性が損なわれたり、あるいは信頼性が低下す
るなどの不具合が生じたりしやすくなる。このようなチ
ャンネリングは、高速あるいは高負荷運転時に特に生じ
やすい。近年はエンジンの高出力化に伴い、さらに耐久
性に優れたスパークプラグが求められており、チャンネ
リングの防止ないし抑制に対する要求も厳しくなってき
ている。
【0004】また、別の問題としては、絶縁碍子を這う
形で発生する火花が、常に混合気への着火に有利な位置
にて発生するとは限らず、セミ沿面接地電極と絶縁体と
の形状や配置関係によっては、必ずしも最良の着火性が
得られない場合がある。
【0005】本発明の課題は、耐汚損性に優れてしかも
チャンネリングが生じにくく、良好な耐久性を有すると
ともに、着火性にも優れたスパークプラグを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するため、本発明のスパークプラグの第一の構
成は、中心貫通孔を有する絶縁碍子と、中心貫通孔に保
持され絶縁碍子の先端部に配設された中心電極と、絶縁
碍子の先端部を自身の先端面から突出するように保持す
る主体金具と、主体金具に一端が接合され他端が中心電
極の側周面若しくは絶縁碍子の側周面に対向するように
配設されたセミ沿面接地電極を備え、絶縁碍子の先端部
に長さ1.5mm以下の直管状部を有し、絶縁碍子の軸
線方向において前記先端部の位置する側を前方側とした
ときに、直管状部の後端位置に対しセミ沿面接地電極の
前記端面の後端側縁が一致しているか又は前方側にあ
り、先端面の高さ位置とセミ沿面接地電極の端面の後端
側縁の高さ位置との軸線方向における段差E(単位:m
m)と、前記絶縁碍子の前記先端面から側周面に至る曲
面の曲率半径R(単位:mm)との差が、R−E≦0.
1mm(1−)であることを特徴とする。ここで、段
差Eは、絶縁碍子の中心軸線方向において、先端側に向
かう方向を正方向として定義する。従って、絶縁碍子の
先端面の高さ位置がセミ沿面接地電極端面の後端側縁の
高さ位置よりも先端側(前方側)にあるとき、段差Eは
正の数となり、逆の場合は負の数となる。
【0007】該本発明のスパークプラグの第一の構成に
よると、セミ沿面接地電極の後端側縁から中心電極に向
かう火花が、絶縁碍子の先端部に遮られることによって
セミ沿面接地電極の火花発生位置から中心電極に向けて
直線上に火花が発生せず、絶縁碍子の周方向に曲げられ
る。この結果、火花の発生毎に火花の放電経路が替わる
ため、絶縁碍子の先端面を這っていく火花の範囲が広が
り、チャンネリングを低減することができるとともに、
広い範囲で「くすぶり」を火花清浄できる。
【0008】また、絶縁碍子の周方向に曲げられる飛火
は放電経路が長くなって火花発生電圧が高くなるので、
そのような飛火を回避しようとして、セミ沿面接地電極
の後端側縁よりも、絶縁碍子へのアタックが柔らかい前
端縁側での飛火が増える傾向となる。このため、これも
チャンネリング抑制に寄与する形となる。また、前端縁
側での飛火は着火性の向上にも有効であり、失火等の不
具合を効果的に抑制することができる。特に、前記した
段差E、つまり、中心軸線方向におけるセミ沿面接地電
極端面と絶縁碍子側周面とのラップ長さが小さい場合に
は、セミ沿面接地電極の後端側縁側での火花が、飛火距
離が比較的小さくなるためどうしても起こりやすくな
る。しかしながら、絶縁碍子の先端面から側周面に至る
曲面の曲率半径Rとの間に、前記した(1−)の関係
が成立するように調整することで、前端縁側での飛火頻
度を増やすことができ、チャンネリング抑制あるいは着
火性の向上に寄与する。具体的には、段差Eの長さが
0.5mm以下の、ラップ長さの小さいスパークプラグ
において本構成は特に波及効果が大きい。Eの値の下限
値は、セミ沿面放電が不能とならない範囲で適宜定めら
れる。
【0009】また、本構成では絶縁碍子に長さ1.5m
m以下の直管状部を形成する。絶縁碍子の先端部を直管
状にすることで、内燃機関内での燃焼サイクルの際に先
端部に受けた熱が絶縁碍子の主体金具との保持部に向か
うことを抑制する作用があるため、絶縁碍子の先端温度
を上昇しやすくすることができる。従って、通常の運転
時に温度の上がり難い直噴式内燃機関であっても、絶縁
碍子の先端部温度を上昇しやすくすることができ、「く
すぶり」によって堆積したカーボン等の汚損付着物を焼
き切ることが容易になる。また、このような構成であれ
ば、絶縁碍子の先端部の熱ボリュームが小さいことか
ら、吸気管から吸入されてきた比較的低温度のガスによ
って絶縁碍子の冷却が行われやすい。このため、内燃機
関内での燃焼サイクルの際に、プレイグニッションが発
生するほどの温度上昇は生じにくくなる。
【0010】なお、直管状部の後端位置よりもセミ沿面
接地電極の端面の後端側縁が後方側にあると、ギャップ
の寸法設定が困難になるので、直管状部の後端位置に対
しセミ沿面接地電極の端面の後端側縁はこれと一致して
いるか又は前方側となるよう位置関係を設定する。他
方、直管状部の長さが必要以上に長くなりすぎると、セ
ミ沿面接地電極にて発生する火花が直管状部に沿って大
きく後方側に垂れ下がりやすくなり、着火性が損なわれ
てしまう不具合につながる場合がある。そこで、本構成
では、直管状部の長さを1.5mm以下に限定してい
る。他方、直管状部の長さは最低0.5mm以上確保さ
れていないと、ギャップの寸法設定が困難になるととも
に、上記の効果が十分に得られなくなる場合がある。
【0011】本発明のスパークプラグにおいては、スパ
ークプラグが適用されるスパークプラグのJIS規格
(JIS:B8031)若しくは当該JIS規格中に対
応表示されるISO規格(ISO1910、ISO27
04、ISO2346、ISO/DIS8479、IS
O2705、ISO2344、ISO2345、ISO
2347、ISO3412)の中で定められたA寸法よ
りも先端側に突出する絶縁碍子の突出量Fが、3.0m
m≦F≦5.0mm(S1−)であることを特徴とす
る。
【0012】上記構成によると、絶縁碍子の突出量Fを
(S1−)の範囲とすることで、混合気への着火性が
向上するとともに、絶縁碍子の先端温度を上昇させるこ
とができる。また火花発生位置と比較して、主体金具の
先端面と絶縁碍子との間の位置では、混合気の濃度が非
常に薄くなるが、絶縁碍子の突出量Fを(S1−)の
範囲とすることで、このように混合気が薄くなる主体金
具の先端面と絶縁碍子との間において、火花が発生する
のに必要な電圧が上昇し、この位置での火花発生を更に
抑えることができる。この結果、失火を生じない燃料噴
射終了時期の範囲を広くすることができる。
【0013】また、絶縁碍子の先端部を軸線方向前方側
から平面視したときに、セミ沿面接地電極は少なくとも
他端の端面において、絶縁碍子の中心貫通孔の先端開口
径よりも大きな幅を有するものとすることもできる。上
記の構成によると、セミ沿面接地電極は少なくとも先端
面において、絶縁碍子の中心貫通孔の先端開口径(ひい
ては中心電極先端面ないし後述する貴金属チップの先端
面の外径)よりも大きな幅を有するものとして構成され
ているので、絶縁碍子の先端面を這っていく火花の範囲
がより広くなり、チャンネリングを低減することができ
るとともに、広い範囲で「くすぶり」を火花清浄でき
る。
【0014】本発明のスパークプラグにおいては、絶縁
碍子には縮径された先端部をなす直管状部を形成するこ
とができる。そして、該直管状部の軸線方向後方側に隣
接して該直管状部よりも径大の膨らみ部が形成される場
合、直管状部の長さが1.5mm以下であり、また、セ
ミ沿面接地電極の端面と、この端面と対向する前記絶縁
碍子の側周面との間に形成されるセミ沿面碍子ギャップ
(γ)が形成され、セミ沿面接地電極は、他端の端面
の、絶縁碍子の軸線方向における後方側縁の中点と、該
絶縁碍子の軸線とを含む仮想的な平面上において、セミ
沿面碍子ギャップの大きさをγ(単位:mm)として、
後方側縁の中点を中心とする(γ+0.1)mmの円を
描いたときに、膨らみ部の全体が該円の外側に位置する
ことが望ましい。
【0015】また、本発明のスパークプラグの第二の構
成は、中心貫通孔を有する絶縁碍子と、中心貫通孔に保
持され絶縁碍子の先端部に配設された中心電極と、絶縁
碍子の先端部を自身の先端面から突出するように保持す
る主体金具と、主体金具に一端が接合され他端が中心電
極の側周面若しくは絶縁碍子の側周面に対向するように
配設されたセミ沿面接地電極を備え、絶縁碍子には縮径
された先端部をなす直管状部が形成され、また、該直管
状部の軸線方向後方側に隣接して該直管状部よりも径大
の膨らみ部が形成され、直管状部の長さが1.5mm以
下であり、また、セミ沿面接地電極の端面と、この端面
と対向する絶縁碍子の側周面との間にセミ沿面碍子ギャ
ップ(γ)が形成されており、セミ沿面接地電極は、前
記他端の端面の、絶縁碍子の軸線方向における後方側縁
の中点と、該絶縁碍子の軸線とを含む仮想的な平面上に
おいて、セミ沿面碍子ギャップ(γ)の距離をγ(単
位:mm)として、前記後方側縁の中点を中心とする
(γ+0.1)mmの円を描いたときに、膨らみ部の全
体が該円の外側に位置することを特徴とする。
【0016】本構成でも長さを1.5mm以下(望まし
くは0.5mm以上)の直管状部を設けている。その効
果は、第一の構成で説明した通りである。そして、上記直
管状部には、構造上、これよりも径大の膨らみ部が軸線
方向後方側に隣接して形成される形となる。この膨らみ
部の位置がセミ沿面接地電極の後方側縁に近くなりすぎ
ると、該後方縁側からの火花が、膨らみ部における電界
集中部(特にアール等が付与された段差縁部など)に向
けて後方側に垂れ下がりやすくなり、ひいては着火性が
損なわれやすくなる。
【0017】そこで、セミ沿面接地電極の他端の端面
(セミ沿面ギャップに対する放電面となる)の、絶縁碍
子の軸線方向における後方側縁の中点と、該絶縁碍子の
軸線とを含む仮想的な平面上において、セミ沿面碍子ギ
ャップの大きさをγ(単位:mm)として、後方側縁の
中点を中心とする(γ+0.1)mmの円を描いたとき
に、膨らみ部の全体が該円の外側に位置するようにし
た。このように、膨らみ部の位置を、セミ沿面接地電極
の他端の端面の後方側縁よりも遠ざけることで、セミ沿
面接地電極からの火花の垂れ下がりを効果的に抑制で
き、着火性を良好に保つことができる。
【0018】本発明のスパークプラグにおいては、絶縁
碍子の中心貫通孔を該絶縁碍子の先端部側にて縮径した
構造とすることができる。本発明のスパークプラグはセ
ミ沿面接地電極を備えているために、このようにすれ
ば、内燃機関内での燃焼サイクルの際に先端部に受けた
熱が中心電極側に逃げる傾向が適度に抑制され、絶縁碍
子の先端温度を上昇しやすくすることができる。従っ
て、通常の運転時に温度の上がり難い直噴式内燃機関で
あっても、絶縁碍子の先端部温度を上昇しやすくするこ
とができ、「くすぶり」によって堆積したカーボンを焼
き切ることが容易になる。また、これに伴って主体金具
の先端面と絶縁碍子との間で火花が発生したり、更に保
持部近傍で火花が発生したりすることを防止することが
できるため、直噴式内燃機関においても安定して燃焼す
る領域を広くとることができる。なお、この構成におい
ては、後記する付加要件3を満たしているとなお望まし
い。
【0019】次に、本発明のスパークプラグにおいて
は、絶縁碍子の軸線方向において先端部の位置する側を
前方側とし、さらに、セミ沿面接地電極の、他端の端面
の後方側縁の中点と軸線とを含む仮想的な平面に対し、
軸線を含んで該平面と直交する平面を投影面として定
め、該投影面への正射影にて表したときに、他端の端面
は、投影面上にて軸線と後方側縁との交点をXとし、同
じく前方側縁との交点をYとして、線分XYの中点を通
って軸線と直交する基準線よりも前方側に位置する領域
の面積S1が、後方側に位置する領域の面積S2よりも
大きくなる形状を有してなるものとして構成することが
できる。
【0020】また、本発明のスパークプラグの第三の構
成は、中心貫通孔を有する絶縁碍子と、中心貫通孔に保
持され絶縁碍子の先端部に配設された中心電極と、絶縁
碍子の先端部を自身の先端面から突出するように保持す
る主体金具と、主体金具に一端が接合され他端が中心電
極の側周面若しくは絶縁碍子の側周面に対向するように
配設されたセミ沿面接地電極を備え、絶縁碍子の軸線方
向において先端部の位置する側を前方側とし、さらに、
セミ沿面接地電極の、他端の端面の後方側縁の中点と前
記軸線とを含む仮想的な平面に対し、軸線を含んで該平
面と直交する平面を投影面として定め、該投影面への正
射影にて表したときに、他端の端面は、投影面上にて前
記軸線と後方側縁との交点をXとし、同じく前方側縁と
の交点をYとして、線分XYの中点を通って軸線と直交
する基準線よりも前方側に位置する領域の面積S1が、
後方側に位置する領域の面積S2よりも大きくなる形状
を有してなることを特徴とする。
【0021】セミ沿面接地電極における飛火は、放電面
となる他端の端面において、後端側よりも、絶縁碍子へ
のアタックが柔らかい前端側での飛火が増えたほうが、
チャンネリング抑制及び着火性向上の観点において望ま
しい。そこで、上記のように、他端の端面の形状を、前
端縁と後端縁との中間に位置する基準線を境界として、
それよりも前方側に位置する領域の面積S1が、後方側
に位置する領域の面積S2よりも大きくなるように設定
することで、該他端の端面の先端側における飛火頻度を
増やすことができ、チャンネリング抑制あるいは着火性
の向上に寄与する。
【0022】本発明のスパークプラグはまた、絶縁碍子
の軸線方向において先端部の位置する側を前方側とし、
さらに、セミ沿面接地電極の、他端の端面の後方側縁の
中点と軸線とを含む仮想的な平面に対し、軸線を含んで
該平面と直交する平面を投影面として定め、該投影面へ
の正射影にて表したときに、他端の端面の外周縁には、
投影面上にて軸線と後方側縁との交点をXとし、同じく
前方側縁との交点をYとして、線分XYの中点を通って
軸線と直交する基準線よりも後方側に位置する領域にお
いて少なくとも、角部が先端曲率半径又は面取り幅を
0.2mm以上又はこの角部を形成する2辺部が90度
より大きい角度を有するものとして構成できる。
【0023】また、本発明のスパークプラグの第四の構
成は、中心貫通孔を有する絶縁碍子と、中心貫通孔に保
持され絶縁碍子の先端部に配設された中心電極と、絶縁
碍子の先端部を自身の先端面から突出するように保持す
る主体金具と、主体金具に一端が接合され他端が中心電
極の側周面若しくは絶縁碍子の側周面に対向するように
配設されたセミ沿面接地電極を備え、絶縁碍子の軸線方
向において先端部の位置する側を前方側とし、さらに、
セミ沿面接地電極の、他端の端面の後方側縁の中点と軸
線とを含む仮想的な平面に対し、軸線を含んで該平面と
直交する平面を投影面として定め、該投影面への正射影
にて表したときに、他端の端面の外周縁には、投影面上
にて軸線と後方側縁との交点をXとし、同じく前方側縁
との交点をYとして、線分XYの中点を通って軸線と直
交する基準線よりも後方側に位置する領域において少な
くとも、角部が先端曲率半径又は面取り幅が0.2mm
以上となっているか又は角部を形成する2辺部が90度
より大きい角度を有することを特徴とする。
【0024】上記構成の主旨は、セミ沿面接地電極の放
電面となる他端の端面において、後端側の飛火を抑制す
ることにある。すなわち、先鋭な角部が存在すると火花
発生の起点となりやすいが、これを前記した基準線より
も後方側に位置する領域から排除することで、他端の端
面における後端側の飛火が抑制される。その結果、先端
側における飛火頻度を増やすことができ、チャンネリン
グ抑制あるいは着火性の向上に寄与する。また、後端縁
の両端に上記のような先鋭な角部が形成されていると、
ここを起点として火花が斜め外方下向きに大きく垂れ下
がる形で飛ぶことがあり、着火性が著しく損なわれてし
まう場合があるが、上記構成によればこうした位置から
も先鋭な角部は当然排除されるから、該不具合も合わせ
て防止ないし抑制することができる。なお、本構成は、
前記した第三の構成と組み合わせると、チャンネリング
抑制あるいは着火性の向上において一層効果的である。
【0025】また、すでに説明した組合せに限らず、本発
明のスパークプラグの第一〜第四の構成は、任意の2な
いしそれ以上のものを互いに組み合わせて実施すること
が可能である。
【0026】以下、以上説明した本発明のスパークプラ
グに、さらに付加可能な要件について説明する。 (付加要件1)まず、絶縁碍子には、その先端部に直管
状部を設けることができ、この直管状部が主体金具の先
端面より後端側にまで延設されている構成とすることが
できる。このようにすれば、主体金具の先端面と絶縁碍
子との径差を更に大きく保ちやすく、この位置での火花
の発生を抑制しやすい。なお、直管状部の長さはここで
も最大で1.5mmまでとすることが望ましい。直管状
部を設けることの作用・効果はすでに説明したものと同
様である。
【0027】(付加要件2)また、中心電極の母材の先
端部に融点1600℃以上の貴金属又は貴金属合金で形
成された貴金属チップを接合することができる。貴金属
合金としては、Pt、Irの他に、Pt−Ir、Ir−
Rh、Ir−Pt、Ir−Y等のPt合金やIr
合金等の1600℃以上の融点を持つものが好ましい。
【0028】(付加要件3)また、絶縁碍子が主体金具
と係止されて保持される保持部よりも先端側における、
中心貫通孔の最小径(D3)は、D3≦2.1mmとす
ることが望ましい。このように絶縁碍子の内径を狭くす
ることによって、中心電極外径も小さくなる。このた
め、内燃機関内での燃焼サイクルの際に先端部に受けた
熱を中心電極側に若干逃げ難くするため、絶縁碍子の先
端温度を上昇しやすくすることができる。従って、通常
の運転時に温度の上がり難い直噴式内燃機関であって
も、絶縁碍子の先端部温度を上昇しやすくすることがで
き、「くすぶり」によって堆積したカーボンを焼き切る
ことが容易になる。また、これに伴って主体金具の先端
面と絶縁碍子との間で火花が発生したり、更に保持部近
傍で火花が発生したりすることを防止することができる
ため、直噴式内燃機関においても安定して燃焼する領域
を広くとることができる。ただし、チャンネリング防止
の観点から、D3≧0.8mmとすることが望ましい。
【0029】(付加要件4)また、本発明のスパークプラ
グは、セミ沿面接地電極の他端の端面と、この端面と対
向する前記中心電極の側周面との間にセミ沿面ギャップ
(β)が形成されており、絶縁碍子の軸線に平行な仮想
平面に対し、該絶縁碍子を正射影にて表したとき、先端
面を示す線を外方へ延長した第1の延長線と、絶縁碍子
のセミ沿面ギャップ(β)部に臨む軸線を挟んだ両側の
側周面を示す2本の線を先端面の方向へ延長した2本の
第2の延長線との交点間の距離(以下、単に「絶縁碍子
先端径」φD(単位:mm)という)とセミ沿面接地電
極の幅との差ψ(単位:mm)が、ψ≦1.8mmであ
る(S2−)ものとして構成することができる。
【0030】絶縁碍子先端径φDとセミ沿面接地電極の
幅との差ψを小さくすることによって、セミ沿面接地電
極で発生する火花が絶縁碍子の後方側に大きく垂れ下が
りやすくなることを防止することができる。この結果、
失火を生じない燃料噴射終了時期の範囲を広くすること
ができ、燃料リーン状態での着火性を向上させることが
できる。この差が大きくなると、セミ沿面接地電極と中
心電極との間で火花が発生する際に、絶縁碍子の先端部
外周を大きく回り込むことになる。これは、以下の理由
によると考えられる。即ち、セミ沿面接地電極端面の後
方角部から斜め後方に向けて火花が発生した場合に、そ
の火花が絶縁碍子の先端部にぶつかった後に中心電極に
達する。絶縁碍子の先端部にぶつかった際には、火花は
斜め後方に向けて外周面に沿って這うことになり、その
後、向きを変えて中心電極先端側周面方向に這うことに
なる。従って、絶縁碍子先端径とセミ沿面接地電極の幅
との差が大きいと、絶縁碍子外周面に沿って斜め後方に
火花が這う量が大きくなるため、火花が大きく垂れ下が
るものと考えられる。
【0031】第1の延長線及び2本の第2の延長線の交
点間の距離と前記セミ沿面接地電極の幅との差ψが(S
2−)の関係を満足するためには、第1の延長線と絶
縁碍子のセミ沿面ギャップ(β)部に臨む側周面を示す
線を先端面の方向へ延長した第2の延長線との交点か
ら、第1の延長線と中心貫通孔の延長線との交点までの
最短距離として定義された絶縁碍子先端肉厚ρが、ρ≦
0.9mm(S2−)となっていることが望ましい。
この関係を満足すると絶縁碍子先端肉厚を薄くすること
ができるため、電界強度が集中することによる放電電圧
の低減が可能となるとともに、セミ沿面ギャップ(β)
における放電電圧を抑えてチャンネリングの低減が可能
となる。さらに、絶縁碍子先端の温度が上昇しやすくな
るため、くすぶりの生じやすい直噴式内燃機関における
自己清浄性を向上させる効果が大きい。また、絶縁碍子
を全体に薄くすることができるため、特に径の小さいス
パークプラグでは、主体金具と絶縁碍子との間隔を広く
保つことができる。なお、絶縁碍子の肉厚が薄くなりす
ぎると、絶縁碍子の貫通を生じる恐れが大きくなってく
るため、絶縁碍子先端肉厚ρをρ≧0.6mmとするこ
とが望ましく、さらに望ましくはρ≧0.7とすると良
い。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態をなす
スパークプラグ100の部分断面図である。周知のよう
に、アルミナ等からなる絶縁碍子1は、その後端部に沿
面距離を稼ぐためのコルゲーション1Aを、先端部に内
燃機関の燃焼室に曝される脚長部1Bを備え、その軸中
心には中心貫通孔1Cを備えている。中心貫通孔1Cに
は、貴金属チップを有する場合にはインコネル(商標
名)、貴金属チップを持たない場合には、耐火花消耗性
の確保のため、95質量%ニッケル(残部例えばクロ
ム、マンガン、シリコン、アルミ、鉄)、ニッケル含有
率が85質量%以上のニッケル系金属等からなる中心電
極2が保持され、中心電極2は絶縁碍子1の先端部に保
持されており、具体的には先端面から突出するように配
置されている。
【0033】中心電極2は中心貫通孔1Cの内部に設け
られたセラミック抵抗3を経由して上方の端子金具4に
電気的に接続されている。端子金具4には図示しない高
圧ケーブルが接続され高電圧が印加される。上記絶縁碍
子1は主体金具5に囲まれ保持部51及びかしめ部5C
によって支持されている。主体金具5は低炭素鋼材で形
成され、スパークプラグレンチと嵌合する6角形部5A
と、ねじの呼びが例えばM14Sのねじ部5Bとを備え
ている。主体金具5はそのかしめ部5Cにより絶縁碍子
1にかしめられ、主体金具5と絶縁碍子1が一体にされ
る。かしめによる密閉を完全なものとするため、主体金
具5と絶縁碍子1との間に板状のパッキング部材6とワ
イヤ状のシール部材7,8が介在され、シール部材7,
8の間にはタルク(滑石)9の粉末が充填されている。
また、ねじ部5Bの後端、即ち、主体金具5の座面52
にはガスケット10が嵌挿されている。
【0034】主体金具5の先端面5Dには、少なくとも
表層部をなす母材がニッケル合金からなる平行接地電極
11が溶接により接合されている。平行接地電極11は
中心電極2の先端面と軸方向に対向し、中心電極2と平
行接地電極11とで主気中ギャップ(α)を形成してい
る。また、6角径部5Aの対辺寸法は16mmであり、
主体金具5の座面52から先端面5Dまでの長さは例え
ば19mmに設定されている。この寸法設定は、JI
S:B 8031に規定されている14mm小形六角形
の、A寸法が19mmのスパークプラグの基準寸法であ
る。
【0035】次に、スパークプラグ100においては、
平行接地電極11とは別に、複数のセミ沿面接地電極1
2を備えている。セミ沿面接地電極12は少なくとも表
層部をなす母材12b(図2(a)参照)がニッケル合
金からなり、その一端が主体金具5の先端面5Dに溶接
により接合され、他端の端面12Cが中心電極2の側周
面2A若しくは脚長部1Bの側周面1Eに対向するよう
に配設されている。図6に示すように、2個のセミ沿面
接地電極12はそれぞれ平行接地電極11から90゜ず
れた位置に配設され、セミ沿面接地電極12同士は略1
80゜ずれた位置に配設されている。また、図6は、絶
縁碍子1の先端部を軸線30の方向前方側から平面視し
た状態を表しているが、セミ沿面接地電極12は他端の
端面12Cにおいて、絶縁碍子1の中心貫通孔1Cの先
端開口径よりも大きな幅を有するものとなっている。図
2に示すように、各セミ沿面接地電極12の端面12C
と中心電極2の側周面2Aとの間にはセミ沿面ギャップ
(β)がそれぞれ形成され、各セミ沿面接地電極12の
端面12Cと脚長部1Bの側周面1Eとの間でセミ沿面
碍子ギャップ(γ)がそれぞれ形成されている。
【0036】なお、図6においては、セミ沿面接地電極
12の端面12Cは平面状に形成されているが、絶縁碍
子2の側周面に沿って略一様な間隔のセミ沿面ギャップ
が形成されるよう、図7に示すように、端面12Cを、
例えば打抜加工等により絶縁碍子2の軸線(30:図
2)を中心とする円筒面状に形成することもできる。
【0037】なお、セミ沿面接地電極12も平行接地電
極11と同様に、図2に示すように、内部にCuや純N
i又はその複合材料等からなる良熱伝導材12aを有し
ていても良い。この場合、セミ沿面接地電極12は、表
層部を形成する母材12bと、内層部を形成するととも
に母材12bよりも熱伝導性の良好な材料からなる良熱
伝導材12aとを有するものとなる。
【0038】図2(a)は、スパークプラグ100の中
心電極2、平行接地電極11、セミ沿面接地電極12の
近傍を拡大して示す部分断面図であり、図2(b)はセ
ミ沿面接地電極12を拡大して示す説明図である。該図
では、中心電極2の先端面と平行接地電極11との間の
主気中ギャップ(α)の距離をα、絶縁碍子1の先端面
1Dの位置における中心電極2の側周面2Aとセミ沿面
接地電極12の端面12Cとの間のセミ沿面ギャップ
(β)の距離をβとする。また、セミ沿面接地電極12
と絶縁碍子1とを中心軸線30に沿って切断した場合
の、絶縁碍子1の先端面1Dを示す線を外方へ延長した
第1の延長線31と、絶縁碍子1のセミ沿面ギャップ
(β)部に臨む側周面1Eを示す線を先端面1Dの方向
へ延長した第2の延長線32と、セミ沿面接地電極12
の端面12Cを示す線を先端側へ延長した第3の延長線
33とを描いている。そして、第1の延長線31および
第2の延長線32の交点P1から、第1の延長線31お
よび第3の延長線33の交点P2までの距離をセミ沿面
碍子ギャップ(γ)の距離γとすると、このγは、絶縁
碍子1とセミ沿面接地電極12との最短距離を表してい
る。そして、これらα、β、γとの間にはα<β及びγ
<αの関係がある。
【0039】このように設定することにより、絶縁碍子
1の表面の絶縁が高い正常時には、平行接地電極11と
の間の主気中ギャップ(α)で放電させることができ、
絶縁碍子1の表面の絶縁が低下した「くすぶり」時に
は、セミ沿面接地電極12との間のセミ沿面ギャップ
(β)で放電させることができる。また、絶縁碍子1の
先端面1Dとセミ沿面接地電極12の端面12Cの後端
側縁12Bとの段差をE、絶縁碍子1の主体金具5の先
端面5Dからの突き出し量をF、中心電極2の絶縁碍子
1の先端面1Dからの突き出し量をHとする。なお、本
実施の形態における絶縁碍子1の主体金具5の先端面5
Dからの突き出し量Fは、このスパークプラグが適用さ
れるJIS規格(JIS:B8031)若しくは当該J
IS規格中に対応表示されるISO規格の中で定められ
たA寸法よりも先端側に突出する絶縁碍子の突出量に相
当する。
【0040】また、絶縁碍子1の先端部には、直管状部
102B(中心軸線30を中心とする直円筒状の外周面
を有する部分)が形成されている。直管状部102Bの
軸線30の向きにおける長さは、0.5〜1.5mmで
ある。絶縁碍子1の先端部が直管状になっていることか
ら、内燃機関内での燃焼サイクルの際に先端部に受けた
熱を絶縁碍子1の主体金具5との保持部51方向に若干
逃げ難くする作用があるため、絶縁碍子1の先端温度を
上昇しやすくすることができる。従って、通常の運転時
に温度の上がり難い直噴式内燃機関であっても、絶縁碍
子1の先端部温度を上昇しやすくすることができ、「く
すぶり」によって堆積したカーボンを焼き切ることが容
易になる。また、このような構成であれば、絶縁碍子1
の先端部の熱ボリュームが小さいことから、吸気管から
吸入されてきた比較的低温度のガスによって絶縁碍子の
冷却が行われやすい。このため、内燃機関内での燃焼サ
イクルの際に、プレイグニッションが発生するほどの温
度上昇は生じ難い。なお、セミ沿面接地電極12の端面
12Cの後方側縁は、直管状部102の後方側縁よりも
前方側にある。
【0041】また、本実施形態では特に説明のない限
り、絶縁碍子1の突き出し量Fは3.0mmとし、中心
電極2の元径D2を2.0mmとした。なお、セミ沿面
接地電極12には、幅が2.2mmで厚さが1.0mm
のものを用いており、平行接地電極11には、幅が2.
5mmで厚さが1.4mmのものを用いている。
【0042】ここで、セミ沿面接地電極12の端面12
Cの後端側縁12Bおよび先端側縁12Aの一方は、絶
縁碍子1の先端面1D近傍の高さ位置にあることが好ま
しい。すなわち、段差Eは小さい方が好ましい。これ
は、セミ沿面放電は鋭角で電界の集中するセミ沿面接地
電極12の後端側縁12Bおよび先端側縁12Aから火
花が飛ぶと考えられるから、後端側縁12Bおよび先端
側縁12Aから飛ぶ火花を絶縁碍子1の先端面1Dに近
づけ、絶縁碍子1の表面に堆積したカーボンを焼き切る
自己清浄作用を強めるためである。
【0043】そして、図2のスパークプラグ100にお
いては、絶縁碍子1の先端面の高さ位置とセミ沿面接地
電極12の端面後端側縁の高さ位置との段差Eと、絶縁
碍子の先端面から側周面に至る曲面の曲率半径Rとの差
をR−E≦0.1mmとしている。以下、その効果を確
認するために行なった実験結果について説明する。 (実験1)図2のスパークプラグ100において、平行
接地電極11をなくし、セミ沿面接地電極12を2個設
け、セミ沿面碍子ギャップ(γ)をいずれもγ=0.6
mm、セミ沿面ギャップ(β)をいずれもβ=1.6m
mに設定するとともに、絶縁碍子1の先端面1Dの高さ
位置とセミ沿面接地電極12の端面12Cの後端側縁1
2Bの高さ位置との段差Eと、絶縁碍子1の先端面1D
から側周面1Eに至る曲面の曲率半径Rとを種々設定し
たものを用意した。これらスパークプラグの耐チャンネ
リング性を評価するために、以下の実験を行なった。す
なわち、スパークプラグをチャンバに取り付け、チャン
バ内を0.6MPaに加圧するとともに、フルトランジ
スタ電源により1秒間に60回の火花を発生させる動作
を100Hr継続した。そして、動作終了後のスパーク
プラグのチャンネリング深さを測定するとともに、チャ
ンネリング溝深さが、0.2mm未満のものを軽度
(○)、0.2〜0.4mmのものを中度(△)、0.
4mmを超えるものを重度(×)として評価判定した。
該結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】この結果から、R−E≦0.1mmに設定
することで、チャンネリングを効果的に低減できること
がわかる。これは、セミ沿面接地電極12の後端側縁1
2Bから中心電極2に向かう火花が、絶縁碍子1の先端
部に遮られることによってセミ沿面接地電極12の火花
発生位置から中心電極2に向けて直線上に火花が発生せ
ず、絶縁碍子1の周方向に曲げられるからであると考え
られる。この結果、火花の発生毎に火花の放電経路が替
わるため、絶縁碍子1の先端面1Dを這っていく火花の
範囲が広がり、チャンネリングを低減することができる
とともに、広い範囲で「くすぶり」を火花清浄できる。
なお、平行接地電極11を備えたスパークプラグ100
は、汚損が進行しない限りセミ沿面接地電極12側での
飛火が生じず、仮に発生しても汚損堆積物が焼き切られ
れば飛火が途切れてしまうので、チャンネリング評価に
は非常な長時間を有する。従って、セミ沿面接地電極1
2側のチャンネリング挙動を加速して調べるために、平
行接地電極11を取り除いた状態での評価を行なった。
また、この評価結果は当然、平行接地電極11を有さない
セミ沿面放電型スパークプラグのチャンネリング試験結
果を反映したものであるともいえる。
【0046】また、Eの値を0.1〜0.7mmの範囲
にて選択し、さらに各Eの値について、R−Eを0.2
mmにした場合のチャンネリング溝深さδ0(mm)
と、R−Eを0mmとした場合のチャンネリング溝深さ
δ1(mm)とを測定し、 λ=δ0−δ1(mm) にて表されるチャンネリング改善幅λを算出して、R−
Eを0.2mmから0mmへと縮小することによりどの
程度チャンネリングが改善されるかを見積もった。結果
を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】これを見てもわかるとおり、段差Eの長さ
が0.5mm以下のとき、特にチャンネリング効果が大
きいことがわかる。
【0049】また、図2のスパークプラグ100におい
ては、絶縁碍子1の先端部における中心貫通孔の最小径
(D3)を、D3≦2.1mmとしている。その効果を
確認するために行なった実験結果について、以下に説明
する。 (実験2)主体金具5の先端面5Dの位置における絶縁
碍子1と主体金具5との径差(δ)をδ=2.8mm、
主気中ギャップ(α)をα=1.1mmとし、セミ沿面
接地電極12を2個設け、セミ沿面碍子ギャップ(γ)
をいずれもγ=0.6mm、セミ沿面ギャップ(β)を
いずれもβ=1.6mmに設定するとともに、絶縁碍子
1が主体金具5の保持部51よりも先端側における中心
貫通孔の最小径(D3)を種々設定したスパークプラグ
を作製した。なお、中心電極2の外径は中心貫通孔の径
に応じて種々変更する。これらスパークプラグを、18
00cc直列4気筒の直噴式内燃機関を用いた自動車に取
り付けてシフトレバーをDレンジに入れ、アイドリング
600rpmにて運転を行った。また、スパークプラグ
の点火時期はBTDC15゜に固定した。そして、D3
の各値について、1分間あたりの失火発生頻度が略ゼロ
となる噴射終了時期の幅(燃焼安定領域)を測定した。
結果を図4に示す。この結果から、絶縁碍子1の中心貫
通孔の最小径をφ2.1mm以下にすることによって、
アイドリング運転時における安定燃焼領域を広くとるこ
とができることがわかる。
【0050】また、上記スパークプラグについてはプレ
デリバリ汚損試験を行った。試験条件は以下の通りであ
る。すなわち、排気量3000ccの6気筒直噴式内燃
機関を用いた自動車にスパークプラグを取り付ける。そ
して、該自動車を−10゜Cの低温試験室に置き、JI
SD1606の低負荷適合性試験で規定されている運転
パターンにより、低速で数回寸動させる所定の運転パタ
ーンを1サイクルとして10MΩに到達するまでのサイ
クル数を測定した。以上の結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】この結果によると、絶縁碍子1の中心貫通
孔の最小径をφ2.1mm以下にすることによって、プ
レデリバリ汚損テストにおいても問題を生じることが非
常に少なくなる、10MΩに到達するサイクル数を10
サイクル以上にすることができることがわかる。
【0053】以上2種類の評価結果から、絶縁碍子1が
主体金具5と係止されて保持される保持部51(図1)
よりも先端側における中心貫通孔の最小径(D3)を、
D3≦2.1mmとすることによって、直噴式内燃機関
であっても安定燃焼領域を広くとることができ、さらに
プレデリバリ汚損試験においても問題を生じにくくなる
ことが示された。絶縁碍子1の内径を狭くすることによ
って中心電極2の外径も小さくなり、燃焼サイクルの際
に碍子先端部に受けた熱が中心電極2側に逃げることが
適度に抑制されるため、絶縁碍子1の先端温度を上昇し
やすくする。従って、通常の運転時に温度の上がり難い
直噴式内燃機関であっても、絶縁碍子1の先端部温度を
上昇しやすくすることができ、「くすぶり」によって堆
積したカーボンを焼き切ることが容易になる。また、こ
れに伴って主体金具5の先端面5Dと絶縁碍子1との間
で火花が発生したり、更に保持部近傍で火花が発生した
りすることを防止することができるため、直噴式内燃機
関においても安定して燃焼する領域を広くとることがで
きるようになる。
【0054】次に、図2のスパークプラグ100におい
ては、直管状部102Bの後方に、図8(a)に示すよ
うな階段状の膨らみ部102Aが隣接形成されている。
膨らみ部は、図8(c)に示すようなテーパ状の膨らみ
部105であってもよい。
【0055】上記の膨らみ部がセミ沿面接地電極12の
端面12Cの後方側縁12Bに近づきすぎると、ここか
らの火花が後方側に垂れ下がる形で発生しやすくなる。
例えば、図9(a)に示すように、階段状の膨らみ部1
02Aのアール付与された移行部102Tには電界が集
中しやすく、セミ沿面接地電極12の後方側縁12Bか
らの火花SP3はこの移行部102Tを目指して放出さ
れる結果、後方側に垂れ下がり、絶縁碍子1の側周面後
方部を大きく回り込む形で飛火することになる。このよ
うな火花が着火性を悪化させることは明らかである。
【0056】そこで、図8に示すように、セミ沿面接地
電極12の端面12Cの、絶縁碍子2の軸線30の方向
における後方側縁12Bの中点と、該絶縁碍子2の軸線
30とを含む仮想的な平面上において、セミ沿面ギャッ
プの大きさをγ(単位:mm)として、後方側縁12A
の中点を中心とする(γ+0.1)mmの円Ckを描い
たときに、膨らみ部102Aの全体が該円Ckの外側に
位置するようにすれば、図9(a)のSP3のような火
花の垂れ下がりを効果的に防止することができる。な
お、図8(b)に示すように、膨らみ部102Aの移行
部102Tを円Ckに倣う傾斜面とすれば、図8(a)
のように移行部102Tが直管状部102Bの外周面か
ら垂直に立ち上がる形態と比較して、直管状部102B
自体の長さを短くすることができ、また、移行部102
Tに電界集中しやすい小角度の縁部を生じにくくなるの
で、火花の垂れ下がり防止に一層効果的である。
【0057】上記の効果を確認するために、以下の実験
を行なった。 (実験3)図3のスパークプラグにおいて、絶縁碍子1
の直管状部102の形態が、図8(c)に示すタイプの
もの(タイプA)及び(a)に示すタイプのもの(タイ
プB)を種々用意した。これらスパークプラグは、いず
れも平行接地電極11を有さず、また、セミ沿面接地電
極12を2個設け、セミ沿面碍子ギャップ(γ)をいず
れもγ=0.6mm、セミ沿面ギャップ(β)をいずれ
もβ=1.6mmに設定するとともに、絶縁碍子1の先
端面1Dの高さ位置とセミ沿面接地電極12の端面12
Cの後端側縁12Bの高さ位置との段差Eは0.9mm
とした。そして、直管状部(102あるいは102B)
の長さを、表4に示す0.9〜1.8mmの種々の値と
した。なお、表4には、前記した半径(γ+0.1)m
mの円の範囲内に、膨らみ部105あるいは102Aが
存在しているものを「*」、存在していないものを
「◎」で表している。これらのスパークプラグを用い
て、以下の実験を行なった。すなわち、スパークプラグ
をチャンバに取り付け、チャンバ内を0.6MPaに加
圧するとともに、フルトランジスタ電源により1秒間に
1回の火花を発生させる動作を1分間継続した。そし
て、その間の火花発生状況をビデオ撮影し、その画像を
解析することにより、セミ沿面接地電極12の端面12
Cの後方側縁12Bから発生した火花の、該後方側縁1
2Bから軸線30の方向における最大垂れ下がり長さL
を求め、その長さが2.5mm以内に収まっているもの
を良好(○)、そうでないものを不良(×)として評価
した。以上の結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】すなわち、直管状部の長さが1.5mm以
下であるか、あるいは前記した半径(γ+0.1)mm
の円内に膨らみ部が存在していない場合に、火花の垂れ
下がりが効果的に抑制されていることがわかる。
【0060】また、以下は、付加要件4の効果を確認す
るために行なった実験の詳細である。 (実験4)図2において、絶縁碍子1の内部における中
心電極2の径をφ2.2mm、主気中ギャップ(α)を
形成する中心電極2の縮径部先端面における外径をφ
0.6mm、主気中ギャップ(α)を1.1mm、主体
金具5の先端面5Dの位置における絶縁碍子1と主体金
具5との径差(δ)を2.8mmとし、幅2.2mmの
セミ沿面接地電極12を2個設け、セミ沿面碍子ギャッ
プ(γ)をいずれもγ=0.6mm、セミ沿面ギャップ
(β)をいずれもβ=1.6mmに設定した。そして、
絶縁碍子先端径φDを変更することによってセミ沿面接
地電極12の幅との差ψを種々設定したスパークプラグ
を用意した。そして、これらスパークプラグを1800
cc直列4気筒の直噴式内燃機関を用いた自動車に取り付
けてシフトレバーをDレンジに入れ、100km/hの
定地走行条件(高速運転を想定)にてにて運転を行っ
た。また、スパークプラグの点火時期は上死点前(以下
「BTDC」という)25゜に固定した。そして、各絶
縁碍子1の突出量(F)の場合における、1分間あたり
の失火発生頻度が略ゼロとなる噴射終了時期の幅(燃焼
安定領域)を測定した。直噴式内燃機関ではこの幅が着
火性の良否を定める尺度になる。結果を図14に示す。
【0061】この結果から、α≦1.1mmであり、
0.5mm≦γ≦0.7mmであり、ψ≦1.8mmと
することによって、失火を生じない燃料噴射終了時期の
範囲(すなわち、安定燃焼領域の幅)を広くすることが
でき、燃料リーン状態での着火性を向上させることがで
きることがわかる。このような現象は、以下の理由によ
るものと考えられる。即ち、絶縁碍子先端径とセミ沿面
接地電極12の幅との差が大きくなると、セミ沿面接地
電極12と中心電極2との間で火花が発生する際に、絶
縁碍子1の先端部外周を大きく回り込むことになる。セ
ミ沿面接地電極12端面の後方角部から斜め後方に向け
て火花が発生した場合に、その火花が絶縁碍子1の先端
部にぶつかった後に中心電極2に達する。絶縁碍子1の
先端部にぶつかった際には、火花は斜め後方に向けて外
周面に沿って這うことになり、その後、向きを変えて中
心電極1先端側周面方向に這うことになる。従って、絶
縁碍子1先端径とセミ沿面接地電極12の幅との差が大
きいと、絶縁碍子1外周面に沿って斜め後方に火花が這
う量が大きくなるため、火花が大きく垂れ下がるものと
考えられる。
【0062】次に、本発明における他の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態
では、上記の実施の形態に比して絶縁碍子1、主体金具
5と中心電極2の形状以外は変更ないので説明を省略
し、異なる部分のみ説明する。まず、本発明は、図1及
び図2のように平行接地電極11を備えたものに限ら
ず、図3に示すように、平行接地電極11を省略した通
常のセミ沿面放電型スパークプラグ200に適用するこ
とが可能である。
【0063】図5に示すスパークプラグ220では、中
心電極2'の電極母材先端が絶縁碍子1の先端面1Dよ
りも先端側で縮径されてその先端に貴金属チップ21'
が全周レーザ溶接により接合されている。なお、絶縁碍
子1の先端面1Dを示す線を外方へ延長した第1の延長
線31がセミ沿面接地電極12の先端面12Cに位置す
るような位置関係にセミ沿面接地電極12が設定されて
いる。また、本実施形態では、例えば中心電極母材の径
はφ1.8mmであり、その先端にφ0.8mmのIr
−5質量%Ptチップが接合されている。更に、本実施
例の場合のセミ沿面ギャップ(β)の距離βは、絶縁碍
子1の先端面1Dの位置における中心電極2の外径、即
ち、中心電極母材が縮径される前の基径とセミ沿面接地
電極12との本スパークプラグの軸線方向に対して垂直
方向の距離となる。
【0064】以上説明したスパークプラグ100、20
0及び220では、セミ沿面接地電極12を2極とした
が、セミ沿面接地電極12は単極であっても良いし3極
以上の多極としても良い。しかしながら、単極では絶縁
碍子1の端面の全周に渡って火花でカーボンを焼き切る
のが難しく、火花清浄性が悪くなるので、セミ沿面接地
電極12は2極から4極が好ましいと考える。また、セ
ミ沿面接地電極12の位置は、多くの実施形態でセミ沿
面接地電極12の先端面12Cの全面が絶縁碍子1の直
管状部102に対向する例を説明したが、絶縁碍子1の
先端面1Dを示す線を外方へ延長した第1の延長線31
がセミ沿面接地電極12の先端面12Cに位置するよう
な位置関係に設定してもよい。さらに、絶縁碍子1の先
端内部において中心電極の縮径(いわゆるサーモ)され
ていないスパークプラグについて説明したが、1段また
は2段以上に縮径されているスパークプラグであっても
良い。
【0065】次に、セミ沿面接地電極12の端面12C
からの火花の発生形態は、該端面12Cの形状を工夫す
ることによっても改善することが可能である。まず、端
面12Cの形態を規定するに際しては、以下のような幾
何学的な定義を行なう。すなわち、図2(b)におい
て、軸線30の方向において絶縁碍子1の先端部の位置
する側を前方側とし、これと反対側を後方側とする。さ
らに、セミ沿面接地電極12の、端面12Cの後方側縁
12Bの中点M1と軸線30とを含む仮想的な平面VP
に対し、軸線30を含んで該平面VPと直交する平面を
投影面PPとして定める。そして、該投影面PPへの端
面12Cの正射影を12NP(以下、端面正射影12N
Pと記載する)とする。なお、図6に示すように、端面
12Cが投影面PPと平行な場合は、図2(b)に示す
ように、正射影12NPは端面12Cと幾何学的に合同
となる。他方、図7に示すように、端面12Cを平面と
なす代わりに円弧状面となした場合には、端面12Cの
形状は曲面であるものの図2(c)に示すように、その
端面正射影12NPの形状は、図2(b)に示す場合と
基本的に相違しない。
【0066】セミ沿面接地電極12を、例えば長方形状
の軸断面を有する線状部材を曲げ加工して作ったもので
ある場合、図9(b)に示すように、その端面正射影1
2NPの形状も長方形状のものとなる。このとき、投影
面PP上にて軸線30と後方側縁12Bとの交点をXと
し、同じく前方側縁12Aとの交点をYとして、線分X
Yの中点Qを通って軸線30と直交する基準線RLを引
いたとき、該基準線RLよりも前方側に位置する領域
(以下、前方側領域FAという)の面積S1は、同じく
後方側に位置する領域(以下、後方側領域RAという)
の面積S2と略等しくなる。なお、投影面PP上での議
論においては、「‥の正射影」とその都度称することは
煩雑であるので、これを省略し、単に「後方側縁12
B」、「前方側縁12A」等と称する。
【0067】端面正射影12NPがこのような形状とな
る端面12Cの場合、前方側領域FAと後方側領域RA
とでは、単位時間あたりの火花の発生頻度は略等しくな
る。例えば、図9(c)に示すように、領域DWにおい
て何らかの理由により局所的に火花消耗が遅れた場合を
想定すると、消耗から取り残された領域DWのギャップ
間隔は他の領域よりも小さくなるから、以降は領域DW
での火花放電が逆に生じやすくなる。該事実から因果律
的に考えれば、セミ沿面接地電極12は、局所的なギャ
ップ間隔異常がなるべく生じないように、放電面となる
端面12Cの全体にわたって一様に消耗すること、換言
すれば単位面積/単位時間あたりの火花発生頻度が、端
面12Cの全面に渡って略均等でなければならない。従
って、基準線RLに関して二分される端面正射影12N
Pの2つの領域、すなわち前方側領域FAと後方側領域
RAとの面積S1とS2とが等しいので、各領域FAと
RAとで発生する単位時間あたりの火花発生頻度も略等
しくなるのである。その結果、前方側領域FAも後方側
領域RAも略同じ頻度で火花が発生するのであるから、
チャンネリング抑制や着火性改善の効果は期待できな
い。
【0068】そこで、図10においては、端面正射影1
2NPにおける前方側領域FAの面積S1が後方側領域
RAの面積S2よりも大となるような、端面12Cの形
状が選択されている。このようなセミ沿面接地電極12
は、面積が増えた分だけ前方側領域FAでの単位時間あ
たりの火花SPの発生頻度が高くなり、絶縁碍子1への
アタックが柔らかい前方側領域FAが増加するので、チ
ャンネリング抑制及び着火性改善を効果的に図ることが
できるようになる。図10では、平行対辺のうち短辺が
後方側縁12Bとなる台形状の形状が採用されている。
また、火花SPの発生頻度を矢印の長さにより模式的に
表している。他方、図11は、後方側縁12Bが弧と一
致する弓形ないし半月状の形状とした例であり、S1>
S2が成り立っていることは明らかである。
【0069】次に、セミ沿面接地電極12が、図9
(b)に示すような長方形状の端面12Cを有している
とき、その角部、特に後方側縁12Bの両端の角部が図
に示すようなピン角になっていると、ここを起点として
火花SP3が斜め外方下向きに放出されやすくなる。こ
のような火花SP3は、図9(a)に示すように、絶縁
碍子1の軸線方向に沿って大きく垂れ下がる形で飛ぶこ
とがあり、着火性が著しく損なわれてしまう不具合につ
ながる。特に、直管部102Bの基端部に、鋭い階段状
の移行部102Tが形成されている場合は、火花SP3
は電界集中しやすい稜線部を目指して大きく回りこむ形
になるため、垂れ下がりは一層甚だしくなり、着火性が
大きく損なわれてしまう不具合につながる。
【0070】そこで、図12に示すように、少なくとも
後方側領域RAにおいて、角部の先端曲率半径又は面取
り幅が0.2mm以上若しくはこの角部を形成する2辺
部が90度を超える角度をなすように形成されており端
面正射影12NPにおいて先鋭な角部が現われないよう
な、端面12Cの形状を選択することで、後方側領域R
Aからの上記のような垂れ下がりを伴う火花の発生を効
果的に抑制することができる。また、火花発生の起点と
なりやすい先鋭な角部を後方側領域RAから排除するこ
とにより、該領域側での火花発生頻度自体も低減され
る。
【0071】図12(a)は、直線状の後方側縁12B
の両端に生ずる角部(2辺部のなす角度は略90℃)R
C1,RC2を、先端曲率半径が0.2mm以上(例え
ば上限1.0mm程度まで)のアール状部とした例であ
る。また、図12(b)は、角部RC1,RC2を幅
0.2mm以上の面取り部となした例である。この場
合、面取り部の両端に1ずつの角部が生じることになる
が、これらの角部は、2辺部がいずれも鈍角となり、敏
感な火花発生起点部とはなりにくいので、先端曲率半径
は0.2mm未満となっていても差し支えない。
【0072】なお、図12(a)及び(b)において
は、後方側縁12Bの両端に生ずる角部RC1,RC2
にのみアール状部あるいは面取り部を形成している。そ
の結果、前方側領域FAの面積S1は後方側領域RAの
面積S2よりもある程度大きくなり、S1>S2とする
効果も多少は生ずることとなる。ただし、図12(c)
に示すように、前方側縁12Aの両端に生ずる角部FC
1,FC2も含めた4つの角部の全てにアール状部(面
取り部でもよい)を形成し、S1とS2とを略等しくす
ることももちろん可能である。また、図10の構成は、
端面正射影12NPが略等脚台形状となっており、後方
側縁12Bの両端に生ずる角部RC1,RC2はいずれ
も鈍角であるから、先鋭な角部を排除する効果も生ず
る。また、図11の構成においても、後方側縁12B
が、先鋭な角部が本質的に生じない円弧状に形成されて
いるので、先鋭な角部は同様に排除されているといえ
る。
【0073】図13(a)は、図10の台形状の端面1
2Cにおいて、各角部をそれぞれアール状となした例で
あり、S1>S2とする効果と先鋭な角部排除の効果が
一層理想的に達成される形となる。この場合、(b)に
示すように、端面12Cが図7のような円筒面状とされ
る場合、端面12Cを展開してみれば明らかなように、
後方側縁12Bの両端の角部RC1,RC2は二辺間角
度がさらに大きくなり、火花発生抑制効果を一層顕著な
ものとすることができる。
【0074】なお、図10〜図13に示す、いずれの形
状のセミ沿面接地電極12も、所望とする端面正射影形
状と略同じ軸断面を有する線状部材の曲げ加工により形
成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグの第一実施例を示す部
分断面図。
【図2】図1のスパークプラグの電極近傍を拡大して示
す部分断面図及びセミ沿面接地電極の投影面への投影を
説明する図。
【図3】本発明のスパークプラグの第四実施例の電極近
傍を拡大して示す部分断面図。
【図4】絶縁碍子の、主体金具と係止されて保持される
保持部よりも先端部における中心貫通孔の最小径(D
3)と、安定燃焼する噴射終了時期との関係を示すグラ
フ図。
【図5】本発明のスパークプラグの第五実施例の電極近
傍を拡大して示す部分断面図。
【図6】図2のスパークプラグの底面図。
【図7】図6において、セミ沿面接地電極の端面を円筒
面状とした例を示す底面図。
【図8】絶縁碍子の直管状部とセミ沿面ギャップとの種
々の位置関係を例示して示す模式図。
【図9】セミ沿面接地電極におけける種々の火花発生形
態と電極先端面形状との関係を示す説明図。
【図10】セミ沿面接地電極の端面形状の第一の改善例
を示す側面図及び正面図。
【図11】セミ沿面接地電極の端面形状の第二の改善例
を示す側面図及び正面図。
【図12】セミ沿面接地電極の端面形状の第三、第四及
び第五の改善例を示す側面図。
【図13】セミ沿面接地電極の端面形状の第六及び第七
の改善例を示す説明図。
【図14】絶縁碍子先端径とセミ沿面接地電極の幅との
差ψと安定燃焼する噴射終了時期との関係を示すグラフ
図。
【符号の説明】
1 絶縁碍子 1D 絶縁碍子の先端面 1E 絶縁碍子の側周面 2 中心電極 2′ 中心電極 2A 中心電極の側周面 5 主体金具 5D 主体金具の先端面 11 平行接地電極 12 セミ沿面接地電極 12' セミ沿面接地電極 12A 先端側縁 12B 後端側縁 12C セミ沿面接地電極の端面 21’ 貴金属チップ 30 中心軸 31 第1の延長線 32 第2の延長線 33 第3の延長線 102B 直管状部 (α) 主気中ギャップ α 主気中ギャップの距離 (β) セミ沿面ギャップ β セミ沿面ギャップの距離 (γ) セミ沿面碍子ギャップ γ セミ沿面碍子ギャップの距離 φD 絶縁碍子先端径 D2 中心電極元径 D3 絶縁碍子の中心貫通孔の最小径 E セミ沿面接地電極の後端側縁と、絶縁碍子の前端
面との段差 H 中心電極の突き出し量 P1 第1および第2の延長線の交点 P2 第1および第3の延長線の交点 W 中心電極の中心点の位置における平行接地電極の

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心貫通孔を有する絶縁碍子と、前記中
    心貫通孔に保持され前記絶縁碍子の先端部に配設された
    中心電極と、前記絶縁碍子の先端部を自身の先端面から
    突出するように保持する主体金具と、前記主体金具に一
    端が接合され他端が前記中心電極の側周面若しくは前記
    絶縁碍子の側周面に対向するように配設されたセミ沿面
    接地電極を備え、 前記絶縁碍子の先端部に長さ1.5mm以下の直管状部
    を有し、前記絶縁碍子の軸線方向において前記先端部の
    位置する側を前方側としたときに、前記直管状部の後端
    位置に対し前記セミ沿面接地電極の前記端面の後端側縁
    が一致しているか又は前方側にあり、前記先端面の高さ
    位置と前記セミ沿面接地電極の前記端面の後端側縁の高
    さ位置との前記軸線方向における段差E(単位:mm)
    と、前記絶縁碍子の前記先端面から側周面に至る曲面の
    曲率半径R(単位:mm)との差が、R−E≦0.1m
    mであることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 【請求項2】 前記段差Eの値が0.5mm以下である
    請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 【請求項3】 前記スパークプラグが適用されるスパー
    クプラグのJIS規格(JIS:B8031)若しくは
    当該JIS規格中に対応表示されるISO規格の中で定
    められたA寸法よりも先端側に突出する前記絶縁碍子の
    突出量F(単位:mm)が、3.0mm≦F≦5.0m
    mである請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 【請求項4】 前記絶縁碍子の先端部を軸線方向前方側
    から平面視したときに、前記セミ沿面接地電極は少なく
    とも前記他端の端面において、前記絶縁碍子の前記中心
    貫通孔の先端開口径よりも大きな幅を有する請求項1な
    いし3のいずれかに記載のスパークプラグ。
  5. 【請求項5】 前記絶縁碍子の前記中心貫通孔が該絶縁
    碍子の先端部側にて縮径されている請求項1ないし4の
    いずれかに記載のスパークプラグ。
  6. 【請求項6】 前記絶縁碍子には縮径された先端部をな
    す直管状部が形成され、また、該直管状部の軸線方向後
    方側に隣接して該直管状部よりも径大の膨らみ部が形成
    され、 前記直管状部の長さが1.5mm以下であり、 また、前記セミ沿面接地電極の端面と、この端面と対向
    する前記絶縁碍子の側周面との間にセミ沿面碍子ギャッ
    プ(γ)が形成されており、前記セミ沿面接地電極は、
    前記他端の端面の、前記絶縁碍子の軸線方向における後
    方側縁の中点と、該絶縁碍子の軸線とを含む仮想的な平
    面上において、前記セミ沿面碍子ギャップ(γ)の距離
    をγ(単位:mm)として、前記後方側縁の中点を中心
    とする(γ+0.1)mmの円を描いたときに、前記膨
    らみ部の全体が該円の外側に位置する請求項1ないし5
    のいずれかに記載のスパークプラグ。
  7. 【請求項7】 中心貫通孔を有する絶縁碍子と、前記中
    心貫通孔に保持され前記絶縁碍子の先端部に配設された
    中心電極と、前記絶縁碍子の先端部を自身の先端面から
    突出するように保持する主体金具と、前記主体金具に一
    端が接合され他端が前記中心電極の側周面若しくは前記
    絶縁碍子の側周面に対向するように配設されたセミ沿面
    接地電極を備え、 前記絶縁碍子には縮径された先端部をなす直管状部が形
    成され、また、該直管状部の軸線方向後方側に隣接して
    該直管状部よりも径大の膨らみ部が形成され、 前記直管状部の長さが1.5mm以下であり、 また、前記セミ沿面接地電極の端面と、この端面と対向
    する前記絶縁碍子の側周面との間にセミ沿面碍子ギャッ
    プ(γ)が形成されており、前記セミ沿面接地電極は、
    前記他端の端面の、前記絶縁碍子の軸線方向における後
    方側縁の中点と、該絶縁碍子の軸線とを含む仮想的な平
    面上において、前記セミ沿面碍子ギャップ(γ)の距離
    をγ(単位:mm)として、前記後方側縁の中点を中心
    とする(γ+0.1)mmの円を描いたときに、前記膨
    らみ部の全体が該円の外側に位置することを特徴とする
    スパークプラグ。
  8. 【請求項8】 前記絶縁碍子の軸線方向において前記先
    端部の位置する側を前方側とし、さらに、前記セミ沿面
    接地電極の、前記他端の端面の後方側縁の中点と前記軸
    線とを含む仮想的な平面に対し、前記軸線を含んで該平
    面と直交する平面を投影面として定め、該投影面への正
    射影にて表したときに、前記他端の端面は、前記投影面
    上にて前記軸線と後方側縁との交点をXとし、同じく前
    方側縁との交点をYとして、線分XYの中点を通って前
    記軸線と直交する基準線よりも前方側に位置する領域の
    面積S1が、後方側に位置する領域の面積S2よりも大
    きくなる形状を有してなる請求項1ないし7のいずれか
    に記載のスパークプラグ。
  9. 【請求項9】 中心貫通孔を有する絶縁碍子と、前記中
    心貫通孔に保持され前記絶縁碍子の先端部に配設された
    中心電極と、前記絶縁碍子の先端部を自身の先端面から
    突出するように保持する主体金具と、前記主体金具に一
    端が接合され他端が前記中心電極の側周面若しくは前記
    絶縁碍子の側周面に対向するように配設されたセミ沿面
    接地電極を備え、 前記絶縁碍子の軸線方向において前記先端部の位置する
    側を前方側とし、さらに、前記セミ沿面接地電極の、前
    記他端の端面の後方側縁の中点と前記軸線とを含む仮想
    的な平面に対し、前記軸線を含んで該平面と直交する平
    面を投影面として定め、該投影面への正射影にて表した
    ときに、前記他端の端面は、前記投影面上にて前記軸線
    と後方側縁との交点をXとし、同じく前方側縁との交点
    をYとして、線分XYの中点を通って前記軸線と直交す
    る基準線よりも前方側に位置する領域の面積S1が、後
    方側に位置する領域の面積S2よりも大きくなる形状を
    有してなることを特徴とするスパークプラグ。
  10. 【請求項10】 前記絶縁碍子の軸線方向において前記
    先端部の位置する側を前方側とし、さらに、前記セミ沿
    面接地電極の、前記他端の端面の後方側縁の中点と前記
    軸線とを含む仮想的な平面に対し、前記軸線を含んで該
    平面と直交する平面を投影面として定め、該投影面への
    正射影にて表したときに、前記他端の端面の外周縁に
    は、前記投影面上にて前記軸線と後方側縁との交点をX
    とし、同じく前方側縁との交点をYとして、線分XYの
    中点を通って前記軸線と直交する基準線よりも後方側に
    位置する領域において少なくとも、角部が先端曲率半径
    又は面取り幅が0.2mm以上となっているか又は角部
    を形成する2辺部が90度より大きい角度を有する請求
    項1ないし9のいずれかに記載のスパークプラグ。
  11. 【請求項11】 中心貫通孔を有する絶縁碍子と、前記
    中心貫通孔に保持され前記絶縁碍子の先端部に配設され
    た中心電極と、前記絶縁碍子の先端部を自身の先端面か
    ら突出するように保持する主体金具と、前記主体金具に
    一端が接合され他端が前記中心電極の側周面若しくは前
    記絶縁碍子の側周面に対向するように配設されたセミ沿
    面接地電極を備え、 前記絶縁碍子の軸線方向において前記先端部の位置する
    側を前方側とし、さらに、前記セミ沿面接地電極の、前
    記他端の端面の後方側縁の中点と前記軸線とを含む仮想
    的な平面に対し、前記軸線を含んで該平面と直交する平
    面を投影面として定め、該投影面への正射影にて表した
    ときに、前記他端の端面の外周縁には、前記投影面上に
    て前記軸線と後方側縁との交点をXとし、同じく前方側
    縁との交点をYとして、線分XYの中点を通って前記軸
    線と直交する基準線よりも後方側に位置する領域におい
    て少なくとも、角部が先端曲率半径又は面取り幅が0.
    2mm以上となっているか又は角部を形成する2辺部が
    90度より大きい角度を有することを特徴とするスパー
    クプラグ。
  12. 【請求項12】 前記セミ沿面接地電極の他端の端面
    と、この端面と対向する前記中心電極の側周面との間に
    セミ沿面ギャップ(β)が形成されており、前記絶縁碍
    子の軸線に平行な仮想平面に対し、該絶縁碍子を正射影
    にて表したとき、先端面を示す線を外方へ延長した第1
    の延長線と、前記絶縁碍子の前記セミ沿面ギャップ
    (β)部に臨む前記軸線を挟んだ両側の側周面を示す2
    本の線を前記先端面の方向へ延長した2本の第2の延長
    線との交点間の距離(以下、単に「絶縁碍子先端径」φ
    D(単位:mm)という)と前記セミ沿面接地電極の幅
    との差ψ(単位:mm)が、ψ≦1.8mmである請求
    項1ないし11いずれかに記載のスパークプラグ。
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