JP4705596B2 - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグに係り、特に、セミ沿面放電間隙を備える内燃機関用スパークプラグに関するものである。
従来、耐汚損性を改善した内燃機関用のスパークプラグとしてセミ沿面放電型と呼ばれるものが知られている。このようなセミ沿面放電型のスパークプラグ(以下、セミ沿面スパークプラグという)は、通常の気中放電型のスパークプラグと同様に、中心電極と、その外周に設けられた絶縁体と、当該絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、基端部が前記主体金具の先端部に接合された接地電極とを備える。このセミ沿面スパークプラグは、中心電極と接地電極との間に電圧が印加されると、接地電極の先端部の一部と絶縁体の先端部の一部とを基点とする気中放電経路と、その絶縁体の先端部一部と中心電極のうち絶縁体の先端面近傍の部位の一部とを基点とする沿面放電経路とからなる火花放電経路(火花放電間隙)を形成するように構成されている。
ところで、スパークプラグは、中心電極や接地電極の温度が比較的低温の環境下で長時間使用されると、いわゆる「燻り」や「かぶり」と称される状態となり、絶縁体先端面がカーボンなどの導電性汚損物質で覆われて正常に火花放電間隙で飛火しなくなる「汚損」と呼ばれる状態に陥ることが知られている。この点、上記セミ沿面スパークプラグによれば、絶縁体先端面を這う形で火花放電が生ずるため、汚損物質が焼き切られることとなり、気中放電型のスパークプラグと比べて耐汚損性の向上が図られる(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−22885号公報
一方、スパークプラグにあっては、接地電極の熱引きを良好なものとし、十分な耐久性を確保する必要がある。そして、接地電極に関し所定の耐久性を確保するためには、当該接地電極のサイズとしてある程度大きいものを採用せざるを得ないというのが実状である。
しかしながら、単に接地電極としてサイズの大きいものを用いたのでは、火炎が広がるスペースが阻害されてしまうとともに、接地電極により火炎の熱も奪われやすく、消炎効果が増大してしまう。その結果、着火性が低下してしまうおそれがある。
また、気中放電型のスパークプラグと比べ、セミ沿面スパークプラグは、ただでさえ接地電極の絶縁体と対向する面積が大きく燃料ブリッジが発生しやすい傾向にある。その上、上記のように接地電極のサイズが大きくなると、より一層燃料ブリッジ発生の懸念は増大してしまう。
尚、上記特許文献1においては、接地電極に貴金属チップを設ける旨が記載されているが、単にチップを設けるだけでは、ある程度の耐久性の確保が図られるものの、依然として着火性の低下、燃料ブリッジ発生についての懸念は払拭されない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、セミ沿面放電型のスパークプラグに関し、耐久性及び耐汚損性を確保しつつ、着火性の向上を図ることができるとともに、燃料ブリッジの発生を起こりにくくすることのできる内燃機関用スパークプラグを提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果等を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、前記軸孔に挿設された中心電極と、前記絶縁体の外周に設けられ、自身の先端より前記絶縁体の先端面が突出するように配置された主体金具と、基端部が前記主体金具の先端面に固着された接地電極とを備えた内燃機関用スパークプラグであって、
前記接地電極の先端部には、径方向に前記中心電極に向かって自身の先端部が突出する貴金属チップが固定されており、
当該貴金属チップの先端部と前記中心電極の先端部との間に電圧が印加されて形成される火花放電経路は、前記貴金属チップの先端部の一部と前記絶縁体の先端部の一部とを基点とする気中放電経路と、前記絶縁体の先端部の一部と前記中心電極の一部とを基点として前記絶縁体の先端面に沿う沿面放電経路とから形成されており、
前記貴金属チップの前記接地電極先端からの突出長が0.2mmを超え
前記絶縁体は自身の先端部側面と先端面とが曲率半径Rをもって連設されており、前記貴金属チップの厚さt1との関係において、
R≧0.2mm
t1(mm)×R(mm)≦1
の関係を有していることを特徴とする。
ここで、「接地電極の先端部」とあるのは、接地電極の先端面が中心電極の径方向に対向している場合には、「接地電極の先端面」を指す。一方、接地電極の先端側面が中心電極の径方向に対向している場合には、「接地電極の先端側面」を指す。また、「貴金属チップ」は、その先端部が径方向に前記中心電極に向かって突出していればよく、その材料としては、白金やイリジウムといった貴金属を主成分とした合金が挙げられる。また、接地電極の先端面が中心電極の径方向に対向しており、接地電極の先端面から「貴金属チップ」が突出する場合には、当該「貴金属チップ」は、前記接地電極の先端面の面積よりも小さい必要があり、さらには、前記接地電極先端面の厚さよりも薄肉である必要がある。
上記構成1によれば、接地電極の先端には、自身の先端部が径方向に中心電極に向かって突出する貴金属チップが固定されているため、貴金属チップと中心電極との間で火花放電が起こる。貴金属チップは高温耐酸化性、耐火花消耗性に優れるものであるため、自身及び接地電極の消耗が起こりにくくなり、かかる意味で耐久性の確保が図られる。また、火花放電経路の一部に、絶縁体の先端面に沿う沿面放電経路が含まれるため、絶縁体先端面を這う形で火花放電が生ずる。このため、汚損物質が焼き切られることとなり、耐汚損性の確保が図られる。さらに、接地電極のサイズをさほど増大しなくても耐久性の確保が図られることから、サイズを大きくしなくても済む分だけ火炎が広がるスペースが阻害されにくく、火炎の熱も奪われにくい。そのため、着火性の低下を抑制できる。
また、構成1では、貴金属チップの接地電極先端からの突出長が0.2mmを超えるため、着火点近傍の空間を考慮した場合、貴金属チップがない場合に比べて、接地電極(本体部)の先端位置が着火点から遠ざかることになる。つまり、着火点近傍にはより断面積の小さい貴金属チップが存在する。そのため、燃焼スペースがより確保されやすく、火炎がよりスムースに広がることが期待できると共に、火炎の熱が接地電極により奪われる程度をより一層低下させることができる。結果として、より一層の着火性の向上を図ることができる。尚、突出長が0.2mm以下の場合には、上述した着火性向上についての作用効果が十分に奏されないおそれがある。
さらに、火花放電の起こりうる領域を考慮した場合、貴金属チップがない場合の接地電極の絶縁体の先端部分と対向する面の総面積に比べ、貴金属チップの突出端と絶縁体先端部分との対向する面の総面積が小さくて済む。そのため、霧化の不十分な燃料が絶縁体先端部分と接地電極(貴金属チップ)との間に保持されてしまう機会を低減させることができ、結果として燃料ブリッジを抑制することができる。
併せて、貴金属チップを突出させる構成としているため、その分だけ接地電極の長さの短縮化等を図ることができる。従って、接地電極の受熱面積が減り、熱負荷を減少させることができる。さらには、接地電極(本体部)の重量低減も図られるため、振動が抑制され、耐電極折損性の向上を図ることもできる。
また、曲率半径Rがあまりにも大きいと火花放電の位置がばらついてしまうおそれがある。また、チップの厚さt1が大きくても同様に火花放電の位置はばらつく傾向にある。したがって、上記作用をより効果的に得るためには、曲率半径Rとチップの厚さt1とを上記関係に設定する。
但し、前記突出長は闇雲に長くすればよいと言うわけではない。すなわち、次のような構成2とするのがより望ましい。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、前記貴金属チップの前記接地電極先端からの突出長は5mm以下であることを特徴とする。
一般に、貴金属チップの突出長が長くなる程、材料費が増大することとなる。この点において、前記貴金属チップの前記接地電極先端からの突出長は5mmを超えてしまうと、材料費の増大に対して着火性向上効果の程度が小さい。それ故、上記構成2とするのがより望ましい。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記貴金属チップの厚さが1.0mm以下であることを特徴とする。
ここで、「厚さ」とは、詳細には、前記軸線と前記貴金属チップが突出する方向への当該貴金属チップの軸心とを含む平面において、貴金属チップの先端面のうち最も軸線方向先端側に位置する先端側端縁と、貴金属チップの先端部のうち最も軸線方向基端側に位置する基端側端縁との軸線方向距離を意味する。従って、例えば直方体形状の貴金属チップが軸線方向と直交する径方向に延びて配設されるような場合には、任意の位置での軸線方向における厚さを指すが、貴金属チップが前記軸線方向と非直交で交わって(つまり傾いて)突出しているような場合には、貴金属チップの突出端の軸線方向の長さが厚さとされる。
上記構成3によれば、貴金属チップの厚さが1.0mm以下であるため、上記着火性の向上を図ることができるという作用効果がより確実に奏されることとなる。特に、貴金属チップの厚さの範囲内で火花放電位置がばらつくことを考慮すると、火花放電位置のばらつきは、前記厚さの範囲内でしか起こらないこととなる。結果として、厚さを1.0mm以下と小さくすることで、火花放電位置のばらつきを抑制でき、安定した燃焼を確保できる。これに対し、貴金属チップの厚さが1.0mmを超えた場合には、火花放電位置がばらつきやすく、安定した燃焼が阻害され着火性に影響が及ぶおそれがある。
但し、前記貴金属チップの厚さを極端に薄くすればよいと言うわけではない。すなわち、次のような構成4とするのがより望ましい。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成3において、前記貴金属チップの厚さが0.2mm以上であることを特徴とする。
一般に、貴金属チップの厚みが薄くなりすぎると、貴金属の占める体積が小さくなるため熱容量も低下する。このため、貴金属チップは使用に際して定常的に高温状態(過熱)となり、耐消耗性が悪化してしまう。したがって、上記構成4のように、厚さは0.2mm以上とするのが好ましい。
構成5.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記貴金属チップの幅が、前記絶縁体の先端面の軸孔径の50%以上であることを特徴とする。
ここで、「幅」とは、詳細には、前記中心電極から前記貴金属チップの設けられた接地電極を径方向に見たときの、前記貴金属チップの先端面の前記径方向に直交しかつ前記軸線方向に直交する方向の両端縁間の距離(左右端縁間の距離)を指すものである。
上記構成5によれば、貴金属チップの幅が、絶縁体の先端面の軸孔径の50%以上であるため、中心電極に対し周方向により広範囲で火花が飛ぶこととなり、中心電極周囲の絶縁体先端面上の汚損物質をより確実に焼き切ることができる。結果として、耐汚損性の一層の向上を図ることができる。
尚、貴金属チップの幅が極端に大きければよいと言うわけではない。すなわち、次のような構成6とするのがより望ましい。
構成6.本構成のスパークプラグは、上記構成5において、前記貴金属チップの幅が前記絶縁体の先端面外径以下であることを特徴とする。
貴金属チップの幅は、絶縁体先端面の清浄範囲に依存するため、汚損しうる絶縁体先端面の外径に等しい幅を有していれば最大限にその性能を発揮しうる。このため、チップの幅は前記絶縁体の先端面外径以下であればよいが、幅が絶縁体の先端面における軸孔径と同程度であっても火花放電が行われる接地電極への方向に対する清浄性能は確保されるため、貴金属の使用量および着火性等を考慮すると絶縁体の先端面における軸孔径以下であることがより好ましいと言える。
構成7.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至6のいずれかにおいて、前記貴金属チップの先端面のうち、最も軸線方向先端側に位置する先端側端縁は前記絶縁体の先端面よりも先端側に位置するとともに、最も軸線方向基端側に位置する基端側端縁は前記絶縁体の先端面よりも基端側に位置することを特徴とする。
上記構成7によれば、貴金属チップの先端面のうち、最も軸線方向先端側に位置する先端側端縁は絶縁体の先端面よりも先端側に位置するとともに、最も軸線方向基端側に位置する基端側端縁は絶縁体の先端面よりも基端側に位置している。つまり、貴金属チップの突出側端面と、絶縁体の先端面とがほぼ同じ高さに位置している。このため、絶縁体の先端面に沿った火花放電を確保しやすい。従って、所期の耐汚損性を確保しつつ、絶縁体が消耗してしまうことに起因するチャンネリングという不具合も抑制できる。これに対し、貴金属チップの先端面のうち、最も軸線方向先端側に位置する先端側端縁が絶縁体の先端面よりも基端側に位置する場合には、火花が絶縁体側面に当たりやすくなり、絶縁体が消耗し、チャンネリングが発生してしまうおそれがある。また、貴金属チップの先端面のうち、最も軸線方向基端側に位置する基端側端縁が絶縁体の先端面よりも先端側に位置する場合には、絶縁体の先端面に沿った火花放電が行われにくくなってしまい、耐汚損性が低下してしまうおそれがある。
尚、上記の各作用効果がより確実に奏されるためには、次の構成とすることが望ましい。
構成8.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至7のいずれかにおいて、前記貴金属チップの固定された接地電極が複数本設けられていることを特徴とする。
また、次の構成を採用することもできる。
構成9.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至8のいずれかにおいて、前記中心電極の先端面に自身の一側面が対向するとともに前記軸線方向に沿う気中放電間隙を形成する平行接地電極を備えることを特徴とする。
これらのスパークプラグは、一般的には多極セミ沿面プラグやハイブリッド型プラグと呼称されるが、これらのスパークプラグを構成する際に上記貴金属チップの構成を採用してもよい。
さらに、次の構成を採用することで、従来にはない新規な課題を解決することが可能となる。
構成10.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至9のいずれかにおいて、前記主体金具外周のねじ径がM10以下であることを特徴とする。
従来、主体金具外周のねじ径がM10以下と比較的小径の場合、セミ沿面放電型のスパークプラグを構成しようとすると、接地電極先端を絶縁体先端面に沿わせるために曲げ加工等を行うことは、スペースの都合上事実上困難であった。この点、上記のように貴金属チップを突出させる構成を採用することで、主体金具外周のねじ径がM10以下の小径のスパークプラグであっても、セミ沿面放電を無理なく実現することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。尚、図1は、本実施形態のスパークプラグ100の全体構造を示す図であり、図2は、主要部分を示す一部破断正面図である。以下には、主として図2等を中心に説明をすることとする。ところで、尚、図2,4,9,10,11,12では、紙面上方を軸線の先端方向、紙面下方を軸線の後端方向として、図1では、紙面下方を軸線の先端方向、紙面上方を軸線の後端方向として、さらに、図3,8では、紙面表裏方向を軸線方向とし、先端側から俯瞰したものとして説明する。
図2(a),(b)に示すように、本実施形態のスパークプラグ100は、主体金具1と、絶縁体2と、中心電極3と、2本の接地電極4A,4Bとを備えている。主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンのシリンダヘッドに取り付けるためのねじ部7が形成されている。主体金具1の内側には、絶縁体2が保持されている。絶縁体2の先端面2aは主体金具1の先端面から先端側に突出している。
絶縁体2は、例えばアルミナ等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸線方向に沿って軸孔6が形成されており、当該軸孔6に前記中心電極3が従来周知の手法にて挿入状態で固定されている。本実施形態においては、中心電極3の先端面3aは、絶縁体2の先端面2aと略面一となっている。
さらに、接地電極4A,4Bは、中心電極3を挟んだ対称位置に設けられており、それぞれの基端面が、前記主体金具1の先端面に対し溶接されている。接地電極4A,4Bは、長手方向中間位置において中心電極3の先端部方向へ屈曲させられている。そして、接地電極4A,4Bは、その先端面が前記絶縁体2の先端部外周面と対向するように配置されている。これら接地電極4A,4Bは、インコネル600や601(登録商標)等のニッケル合金等で構成されている。
さて、図1〜図4に示すように、接地電極4A,4Bの先端面には、中心電極3先端部に向かって突出する貴金属チップ11A,11Bが固定されており、各貴金属チップ11A,11Bの先端面と中心電極3の先端部との間に火花放電間隙が形成されている。当該火花放電間隙には、スパークプラグ100に所定の電圧が印加されると火花放電が生じる。火花放電の経路は、各貴金属チップ11A,11Bの先端面と絶縁体2との間に形成される気中放電経路(図中ギャップGA,GB参照)と、当該気中放電経路の絶縁体2側の経路の基点となった点と中心電極3との間に絶縁体2の先端面2aに沿うようにして形成される沿面放電経路とからなる。
また、本実施形態における貴金属チップ11A,11Bは、例えばPt−20Niからなる貴金属合金により構成されている。但し、当該素材構成はあくまでも例示であって、何ら限定されるものではない。各貴金属チップ11A,11Bは、接地電極4A,4Bの先端に対し、溶接により固定されている。この場合、貴金属チップ11A,11Bは、接地電極4A,4Bの先端面に対し当接させられた状態で溶接固定されてもよいが、より強固な固着を図るという観点からは、例えば、接地電極4A,4Bの先端面に凹部を形成しておき、当該凹部にチップを嵌め込んだ上で、接地電極4A,4Bとチップとの境界部分を溶接固定するのが望ましい。溶接としては、レーザ溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等が挙げられる。
本実施形態における接地電極4A,4Bは断面矩形状をなしており、幅Wが2.8mm、厚さTが1.5mmとなっている(図4参照)。これに対し、貴金属チップ11A,11Bの接地電極4A,4Bの先端面からの突出長E1は、0.2mmを超え、かつ、5mm以下のもの(本実施形態では例えば0.6mm)となっている。
また、貴金属チップ11A,11Bは、直方体形状(薄板状)をなし、軸線方向と直交する方向であって、かつ径方向において中心電極3に向かって延びるよう配設されており、その厚み(軸線方向の長さ)t1が0.2mm以上かつ1.0mm以下(本実施形態では例えば0.4mm)となっている。さらに、貴金属チップ11A,11Bの幅w1は、絶縁体2の先端面2aの軸孔径Dの50%以上、かつ、絶縁体2の先端面2aの外径以下(本実施形態では例えば90%)となっている(図3参照)。
そして、貴金属チップ11A,11Bは、スパークプラグ100を正面視したときに(図2参照)、絶縁体2の先端面2aを含む仮想平面γに対し、その先端側に貴金属チップ11A,11Bの先端面のうち最も軸線方向先端側に位置する先端側端縁αが位置し、その基端側に貴金属チップ11A,11Bの先端面のうち最も軸線方向基端側に位置する基端側端縁βが位置するように形成されている。つまり、基端側端縁αと先端側端縁βとの間に、絶縁体2の先端面2aを含む仮想平面γが位置している(図2(b)参照)。
以上のとおり、本実施形態によれば、接地電極4A,4Bの先端面には、中心電極3先端部に向かって突出する貴金属チップ11A,11Bが固定されているため、貴金属チップ11A,11Bと中心電極3との間で火花放電が起こる。貴金属チップ11A,11Bは高温耐酸化性、耐火花消耗性に優れるものであるため、自身及び接地電極4A,4Bの消耗が起こりにくくなり、かかる意味で耐久性の確保が図られる。また、火花放電経路の一部に、絶縁体2の先端面2aに沿う沿面放電経路が含まれるため、当該先端面2aを這う形で火花放電が生ずる。このため、燻りや汚損によって絶縁体2表面上に付着した汚損物質が焼き切られる形となり、耐汚損性の確保が図られる。特に、貴金属チップ11A,11Bの幅w1は、絶縁体2の先端面2aの軸孔径Dの50%以上(本実施形態では例えば90%)となっているため、中心電極3に対しより広範囲で火花が飛ぶこととなり、中心電極3周囲の絶縁体2の先端面2a上の汚損物質をより確実に焼き切ることができる。結果として、耐汚損性の一層の向上を図ることができる。
さらに、接地電極4A,4Bのサイズをさほど増大しなくても耐久性の確保が図られることから、小さく抑えられる分だけ火炎が広がるスペースが阻害されにくく、火炎の熱も奪われにくい。そのため、着火性の低下を抑制できる。特に、本実施形態では、接地電極4A,4Bの先端面からの貴金属チップ11A,11Bの突出長E1が0.2mmを超えており、しかもその厚さt1が1.0mm以下となっているため、燃焼スペースがより確保されやすく、結果として、より一層の着火性の向上を図ることができる。
さらに、火花放電の起こりうる領域を考慮した場合、貴金属チップがない場合の接地電極と絶縁体先端部分との対向しあう面の総面積に比べ、断面積の小さい貴金属チップ11A,11Bの突出端と絶縁体2の先端部分との対向しあう面の総面積が小さくて済む。そのため、霧化の不十分な燃料が絶縁体2先端部分と貴金属チップ11A,11Bとの間に保持されてしまうといった事態を起こりにくくできる。その結果、燃料ブリッジの発生を抑制することができる。
併せて、貴金属チップ11A,11Bを突出させる構成としているため、その分だけ接地電極4A,4Bの長さを短くできる。従って、接地電極4A,4Bの受熱面積が減り、熱負荷を減少させることができる。さらには、接地電極4A,4Bの重量低減も図られるため、振動が抑制され、耐電極折損性の向上を図ることもできる。
加えて、貴金属チップ11A,11Bの突出側端面の軸線方向における基端側端縁αと先端側端縁βとの間に、絶縁体2の先端面2aを含む仮想平面γが位置している。つまり、貴金属チップ11A,11Bの突出側端面と、絶縁体2の先端面2aとがほぼ同じ高さに位置している。上記のとおり、貴金属チップ11A,11Bはその厚みが1.0mm以下と薄いため、貴金属チップ11A,11Bの先端面と生じる気中放電の絶縁体2側の基点は、絶縁体2の先端面2a近傍となる。沿面放電による耐汚損性(清浄性)の向上のためには、先端面2aよりも基端側に気中放電の基点、すなわち沿面放電の基点を設定することが望ましいが、一方ではチャンネリングや絶縁体2の貫通が生じやすくなるというデメリットもある。しかしながら、上記本実施形態の構成とすることで耐汚損性を向上させつつもチャンネリングを抑制ないしは低減することが可能となるのである。
次に、本実施形態の作用効果を確認するべく、各種条件を変更することで種々のサンプルを作製し、種々の評価を試みた。その実験結果を以下に記す。
先ず第1に、図1,2のスパークプラグ100同等の概形を備え、貴金属チップの突出長のみを0.2mm、0.4mm、0.6mm、0.8mm、1.0mmと、種々異ならせたサンプル(スパークプラグ)を用意し、各サンプルについて失火数を計測し、その失火数と従来品(チップ無し、すなわち突出長0mm)の失火数との比率を計測した。尚、突出長以外については、幅1.5mm、厚さ0.8mmのものを採用した。また、前記失火数の計測にあたっては、評価試験対象の各サンプル(スパークプラグ)を、DOHC直列6気筒、排気量2000ccのエンジンに取付け、リーン側の所定の空燃比とした上で、2000rpmでエンジンを回転させたときの所定時間内の失火数を計測したものである。チップ突出ありのサンプルと従来品との失火数の比率を計算した結果を図5に示す。
図5に示すように、チップ突出長が0.2mmであった場合は従来同等の失火数であったが、0.2mmを超えたものでは、従来よりも失火数が少なくなる傾向が確認できた。このことから、貴金属チップの突出長が0.2mmを超えると、燃焼スペースがより確保されやすくなり、着火性の向上を図ることができるといえる。
次に、貴金属チップの厚さを、0.5mm、0.8mm、1.0mm、1.2mm、1.5mmと、種々異ならせたサンプル(スパークプラグ)を用意し、各サンプルについて安定燃焼領域を計測し、当該領域と従来品(チップなし)の安定燃焼領域との比率を計測した。尚、厚さ以外については、幅1.5mmとし、その突出長を0.4mmとした。また、前記安定燃焼領域の計測にあたっては、評価試験対象の各サンプル(スパークプラグ)を、DOHC直列4気筒、排気量1800ccの直噴のエンジンに取付け、3000rpmでエンジンを回転させ、点火時期と燃料噴射時期とを種々変更させたときの失火しない領域を面積として求めた。ここでは、失火しない領域は次のように算出した。まず点火時期を横軸に空燃比を縦軸にとり、点火時期と空燃比を種々変更して火花放電させ、正常に着火した場合をプロットする。これを繰り返し行うことにより着火する場合と失火する場合の境界を求めることができる。この求められた境界によって囲まれた面積を測定すればよい。チップ突出ありのサンプルと従来品との安定燃焼領域の広さの比率を計算した結果を図6に示す。
図6に示すように、チップの厚さが1.0mm以下の場合には、従来以上の安定燃焼領域の広さを得られることが確認できた。これにより、チップの厚さを1.0mm以下とすることで、燃焼スペースがより確保されやすく、着火性の向上を図ることができるといえる。また、燻りが生じやすい条件下でも燃焼が確保されるという観点からは、耐汚損性の向上も図ることができるといえる。
続いて、貴金属チップの幅を、絶縁体の先端面の軸孔径に対して30%、50%、80%、100%、150%、200%と、種々異ならせたサンプル(スパークプラグ)を用意し、各サンプルについて安定燃焼領域を計測し、当該領域と従来品(チップなし)の安定燃焼領域との比率を計測した。尚、幅以外については、厚さ0.8mmとし、その突出長を0.4mmとした。また、前記安定燃焼領域の計測にあたっては、評価試験対象の各サンプル(スパークプラグ)を、DOHC直列4気筒、排気量1800ccの直噴のエンジンに取付け、3000rpmでエンジンを回転させ、点火時期と燃料噴射時期とを種々変更させたときの失火しない領域を面積として求めた。この領域の算出方法は、前述のチップの厚さの安定燃焼領域の算出方法と同様である。チップ突出ありのサンプルと従来品との安定燃焼領域の広さの比率を計算した結果を図7に示す。但し、図7のグラフの横軸は、絶縁体の先端面の軸孔径に対するチップの幅の比率となっている。
図7に示すように、絶縁体の先端面の軸孔径に対するチップの幅の比率が50%であった場合は従来同等の安定燃焼領域の広さであったが、50%を超えたものは、従来よりも安定燃焼領域が広く得られることが確認できた。これにより、絶縁体の先端面の軸孔径に対するチップの幅の比率を50%以上、特に50%を超えたものとすることで、耐汚損性の一層の向上を図ることができるといえる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、突出側端面が平坦面となっている貴金属チップ11A,11Bを採用しているが、図8(a)に示すように、例えば突出した先端面が絶縁体2(中心電極3)外周面に沿った凹状の曲面となっている貴金属チップ31A,31Bを採用してもよい。この場合、貴金属チップ31A,31Bの接地電極4A,4B先端からの突出長は、幅方向側部の突出長と中央部の突出長との平均値を採用するのが望ましく、その平均値が0.2mmを超える必要がある。
また、上記実施形態では、長手方向に断面形状が変化することのない接地電極4A,4Bを採用しているが、図8(b)に示すように、突出端側の幅がテーパ状に先細っている接地電極41A,41Bを採用してもよい。このように構成することで、燃焼スペースがより確保されやすく、より一層の着火性の向上を図ることができる。
さらに、上記実施形態では、接地電極4A,4Bの幅Wが貴金属チップ11A,11Bの幅w1よりも大きいものとしているが、図8(c)に示すように、より幅の小さい接地電極42A,42Bを採用する場合には、貴金属チップ11A,11Bの幅と同じになっても何ら差し支えない。但し、この場合でも接地電極42A,42Bの厚さよりも貴金属チップ11A,11Bの厚さの方が小さい必要がある。
(b)上記実施形態では、貴金属チップ11A,11Bが接地電極4A,4Bの軸線方向中央から突出している場合について具体化しているが、例えば図9(a)に示すように、接地電極4A,4Bの軸線方向基端部から貴金属チップ11A,11Bが突出していてもよいし、図9(b)に示すように、接地電極4A,4Bの軸線方向先端部から貴金属チップ11A,11Bが突出していてもよい。
(c)上記実施形態では、接地電極4A,4Bが長手方向中間位置において中心電極3の先端部方向へ屈曲させられている場合について具体化しているが、例えば図9(c)に示すように、軸線方向に延びる直棒状の(屈曲部を有しない)接地電極43A,43Bを採用することもできる。この場合、貴金属チップ11A,11Bは、接地電極43A,43Bの先端側面から突出することとなる。
(d)絶縁体2の形状は必ずしも上記実施形態のものに限定されるものではない。従って、例えば図9(d)に示すようにテーパ面21を有し、先端側ほど先細り形状をなす絶縁体22を採用してもよい。
(e)また、図8(b)では、突出端側の幅が先細っている接地電極41A,41Bを例示しているが、図10(a)に示すように、厚さ方向に先細っている(突出端側ほど薄肉の)接地電極44A,44Bを採用してもよい。このように構成した場合でも、燃焼スペースがより確保されやすく、より一層の着火性の向上を図ることができる。
(f)また、上記実施形態では、絶縁体2の先端面2aと平行に突出する貴金属チップ11A,11Bを採用しているが、必ずしも平行でなくてもよい。例えば、図10(b)に示すように、先端側への延び量の大きい接地電極45A,45Bを採用し、その先端から斜めに突出する貴金属チップ32A,32Bを採用することもできる。この場合にも、燃焼スペースがより確保されやすく、より一層の着火性の向上を図ることができる。また、図10(c)に示すように、斜めに傾斜する接地電極46A,46Bを採用し、その先端から斜めに突出する貴金属チップ33A,33Bを採用することもできる。さらに、図10(d)に示すように、中心電極3の上部に貴金属部3bを設けることとしてもよい。
尚、上記図10(c)に示すような接地電極を屈曲させずに直棒状とした構成は、M10以下の小径のスパークプラグを製造する際に特に優位である。前述のとおり、スパークプラグが小径になるにつれて、接地電極を屈曲させてその先端を中心電極へ指向させることが困難となる。この点、当該図10(c)に示す構成を採用すれば、製造過程における困難性を解決することが可能となるのである。
(g)上記実施形態では直方体形状をなす貴金属チップ11A,11Bを例示しているが、例えば図11(a)に示すように、突出端側ほど薄肉となっている貴金属チップ34A,34Bを採用してもよい。
(h)上記実施形態では、中心電極3の先端面3aが絶縁体2の先端面2aと略面一となっている。これに対し、図11(b)に示すように、先端面が絶縁体2の先端面2aよりも突出している中心電極51を用いてもよい。また、逆に、中心電極の先端面が絶縁体の先端面よりも基端側に位置していてもよい。
(i)上記実施形態では、2本の接地電極4A,4Bが中心電極3を挟んだ対称位置に設けられた構成となっている。これに対し、3本以上の接地電極が設けられていてもよい。また、沿面放電を行いうる前記各接地電極4A,4Bとは別に、図12に示すように、中心電極52の先端面に自身の一側面が対向するとともに、軸線方向に沿う気中放電間隙を形成する平行接地電極47を備えることとしてもよい。この場合、平行接地電極47の先端側面と、中心電極52の先端面との間で火花放電間隙48が設けられることとなる。
(j)上記(f)の項でも述べたが、主体金具1のねじ部7のねじ径がM10以下のものを積極的に用いることもできる。
従来、セミ沿面放電型のスパークプラグを構成しようとした場合、主体金具外周のねじ径がM10以下と小径になるにつれて、接地電極先端を絶縁体先端面に沿わせるために曲げ加工等を行うことは、スペースの都合上事実上困難であった。これに対し、本実施形態のように貴金属チップ11A,11Bを突出させる構成を採用することで、主体金具1外周のねじ径がM10以下と比較的小径であっても、セミ沿面放電を無理なく実現することが可能となる。
(k)上記実施形態では接地電極4A,4Bは、インコネル600や601(登録商標)等のニッケル合金等で構成されていた。これに対し、内層及び外層の2層構造からなる接地電極を採用してもよい。この場合、外層を上記ニッケル合金で構成し、内層を、ニッケル合金よりも良熱伝導性金属(例えば銅を主体とする金属材料や、前記ニッケル合金よりも熱伝導性に優れる高純度ニッケル等)で構成することが例示される。中心電極3の本体部もまた、外層及び内層の2層構造を具備していてもよい。
(l)上記実施形態において、絶縁体2は、自身の先端部側面と先端面2aとが所定の曲率半径をもって連設されている(絶縁体2の先端部分が湾曲面となっている)当該曲率半径Rと貴金属チップ11A,11Bの厚t1との関係において、
R≧0.2mm
t1(mm)×R(mm)≦1
の関係を有している曲率半径Rがあまりにも大きいと火花放電の位置がばらついてしまうおそれがあり、また、チップの厚t1が大きくても同様に火花放電の位置はばらつく傾向にある。したがって、上記作用をより効果的に得るために、曲率半径Rとチップの厚t1とを上記関係に設定する
本実施形態のスパークプラグの全体構成を示す一部破断正面図である。 (a)は本実施形態のスパークプラグの主要部の構成を示す一部破断正面図であり、(b)はさらにその要部の拡大図である。 スパークプラグを先端側からみた状態を示す平面図である。 接地電極の先端部を示す斜視図である。 貴金属チップの突出長に対する失火数比率の関係を示すグラフである。 貴金属チップの厚さに対する安定燃焼領域の広さの比率の関係を示すグラフである。 貴金属チップの幅に対する安定燃焼領域の広さの比率の関係を示すグラフである。 (a)〜(c)は、別の実施形態における中心電極及び接地電極の平面模式図である。 (a)〜(d)は、別の実施形態における中心電極及び接地電極の一部破断正面図である。 (a)〜(d)は、別の実施形態における中心電極及び接地電極の一部破断正面図である。 (a),(b)は、別の実施形態における中心電極及び接地電極の一部破断正面図である。 別の実施形態における中心電極及び接地電極の一部破断正面図である。
符号の説明
1…主体金具、2…絶縁体、3,51,52…中心電極、4A,4B,41A,41B,42A,42B,43A,43B,44A,44B,45A,45B,46A,46B…接地電極、11A,11B,31A,31B,32A,32B,33A,33B,34A,34B…貴金属チップ、6…軸孔、7…ねじ部。

Claims (10)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔に挿設された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられ、自身の先端より前記絶縁体の先端面が突出するように配置された主体金具と、
    基端部が前記主体金具の先端面に固着された接地電極とを備えた内燃機関用スパークプラグであって、
    前記接地電極の先端部には、径方向に前記中心電極に向かって自身の先端部が突出する貴金属チップが固定されており、
    当該貴金属チップの先端部と前記中心電極の先端部との間に電圧が印加されて形成される火花放電経路は、前記貴金属チップの先端部の一部と前記絶縁体の先端部の一部とを基点とする気中放電経路と、前記絶縁体の先端部の一部と前記中心電極の一部とを基点として前記絶縁体の先端面に沿う沿面放電経路とから形成されており、
    前記貴金属チップの前記接地電極先端からの突出長が0.2mmを超え
    前記絶縁体は自身の先端部側面と先端面とが曲率半径Rをもって連設されており、前記貴金属チップの厚さt1との関係において、
    R≧0.2mm
    t1(mm)×R(mm)≦1
    の関係を有していることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 前記貴金属チップの前記接地電極先端からの突出長は5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 前記貴金属チップの厚さが1.0mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  4. 前記貴金属チップの厚さが0.2mm以上であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 前記貴金属チップの幅が、前記絶縁体の先端面の軸孔径の50%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  6. 前記貴金属チップの幅が、前記絶縁体の先端面外径以下であることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  7. 前記貴金属チップの先端面のうち、
    最も軸線方向先端側に位置する先端側端縁は前記絶縁体の先端面よりも先端側に位置するとともに、最も軸線方向基端側に位置する基端側端縁は前記絶縁体の先端面よりも基端側に位置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  8. 前記貴金属チップの固定された接地電極が複数本設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  9. 前記中心電極の先端面に自身の一側面が対向するとともに前記軸線方向に沿う気中放電間隙を形成する平行接地電極を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  10. 前記主体金具外周のねじ径がM10以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
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